JP2003504309A - エキノカンジンの新誘導体、それらの製造方法及びそれらの抗菌剤としての使用 - Google Patents

エキノカンジンの新誘導体、それらの製造方法及びそれらの抗菌剤としての使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明の主題、次式(I): 【化1】 [ここで、R及びRは、H、OH又は置換されていてよいアルキル基であり、或いはRはNRを有する炭素と共に二重結合を形成し及びRはXRa基{XはO、NH若しくはN−アルキルであり、RaはH又は置換されていてよいアルキルであり、或いはRはe−N=C(−N−d)−N(f)−gであり、RはH、OH又はCHであり、RはH又はOHであり、Rは1種以上の複素原子、1個以上の複素環を含有し得る30個までの炭素原子を含有する鎖であり、TはH、CH、CHCONH、CHC≡N、(CHNH、(CHNalkであり、YはH、OH、ハロゲン又はOSOHであり、WはH又はOHであり、ZはH又はCHである]の化合物である。これらの化合物は、抗菌性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、エキノカンジンの新誘導体、それらの製造方法及びそれらの抗菌剤
としての使用に関する。
【0002】 本発明の主題は、全ての可能な異性体の形態又はそれらの混合物の形態にある
次式(I):
【化18】 [ここで、 R1及びR2は同一であるか又は互いに異なっており、水素原子、ヒドロキシル
基、又は8個までの炭素原子を含有する線状、分岐状若しくは環状のアルキル基
(この基は酸素原子により中断されていてよく、またハロゲン原子、OH基、次
式:
【化19】 の基(ここに、a及びbは同一であるか又は互いに異なっており、水素原子又は
8個までの炭素原子を含有するアルキル基を表わし、またaとbは窒素原子と共
に1個以上の追加の複素原子を含有し得る複素環を形成することができる)によ
り置換されていてもよい)を表わすか、或いは R1は次式:
【化20】 の基を有する環内炭素原子と共に二重結合を形成し、及び R2はXRa基{ここに、Xは酸素原子又はNH若しくはN−アルキル基(こ
れは8個までの炭素原子を有する)を表わし、Raは水素原子又は8個までの炭
素原子を含有する線状、分岐状若しくは環状のアルキル基(この基は1個以上の
ハロゲン原子により、1個以上のOH、CO2H若しくはCO2alk基により、
次式:
【化21】 の基(ここに、a'及びb'は水素原子又は8個までの炭素原子を含有するアルキ
ル基を表わし、またa'とb'は窒素原子と共に1個以上の追加の複素原子を含有
し得る複素環を形成することができる)により及び(又は)1個以上の複素原子
を含有する複素環により置換されていてもよい)を表わす}を表わすか、或いは
2は次式:
【化22】 (ここに、d、e、f及びgは水素原子又は8個までの炭素原子を含有するアル
キル基を表わし、更にf及びgは8個までの炭素原子を含有するアシル基を表わ
すことができ、またeとfは1個以上の複素原子を含有し得る環を形成すること
ができる) の基を表わし、 R3は水素原子、メチル又はヒドロキシル基を表わし、 R4は水素原子又はヒドロキシル基を表わし、 Rは下記の基:
【化23】
【化24】 から選択される基を表わし、 Tは水素原子、メチル基、CH2CONH2、CH2C≡N基、(CH22NH2 、(CH22Nalk+-基(Xはハロゲン原子であり、alkは8個までの炭
素原子を含有するアルキル基である)を表わし、 Yは水素原子、ヒドロキシル基若しくはハロゲン原子又はOSO3H基若しく
はこの基の塩類の一つを表わし、 Wは水素原子又はOH基表わし、 Zは水素原子又はメチル基を表わす] の化合物並びに式(I)の化合物の酸付加塩にある。
【0003】 酸付加塩としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸若しくは燐酸、
又は有機酸、例えば、ぎ酸、酢酸、トリフルオル酢酸、プロピオン酸、安息香酸
、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、酒石酸、くえん酸、しゅう酸、グリオキシ
ル酸、アスパラギン酸、アルカンスルホン酸、例えば、メタン若しくはエタンス
ルホン酸、アリールスルホン酸、例えば、ベンゼン若しくはp−トルエンスルホ
ン酸により形成されたものが挙げられる。
【0004】 本発明の更に特定の主題は、Tが水素原子を表わす式(I)の化合物、Wが水
素原子を表わす式(I)の化合物、Zがメチル基を表わす式(I)の化合物、Y
が水素原子を表わす式(I)の化合物、R3がメチル基を表わす式(I)の化合
物、R4がヒドロキシル基を表わす式(I)の化合物、Rが次式:
【化25】 の基又は次式:
【化26】 の基を表わす式(I)の化合物、R1が水素原子を表わす式(I)の化合物、R2 が次式: (CH22NH2 の基を表わす式(I)の化合物、R2が次式:
【化27】 の基、特に次式:
【化28】 の基を表わす式(I)の化合物並びにR2が次式:
【化29】 を表わす式(I)の化合物にある。
【0005】 本発明の最も特定の主題は、その製造を後記の実験の部に示す式(I)の化合
物にある。
【0006】 式(I)の化合物は、有用な抗菌性を有する。それらは、特に、カンジダ・ア
ルビカンス(Candida albicans)及びその他のカンジダ属(Candida)、例えば
カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、クルセイ(krusei)、トロピカリ
ス(tropicalis)、プソイドトロピカリス(pseudotropicalis)、パラプシロシ
ス(parapsilosis)、アスペルギラス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)
、アスペルギラス・フラバス(Aspergillus flavus)、クリプトコッカス・ネオ
フォルマンス(Cryptococcus neoformans)に対して特に活性である。
【0007】 式(I)の化合物は、ヒト又は動物における薬剤として、特に、侵襲性のカン
ジダ症、消化器、尿道、膣又は皮膚のカンジダ症、クリプトコックス症、例えば
、脳脊髄膜、肺又は皮膚のクリプトコックス症、気管支肺及び肺のアスペルギル
ス症及び免疫抑制状態における侵襲性のアスペルギルス症を排除治療するための
薬剤として使用することができる。
【0008】 また、本発明の化合物は、先天的又は後天的な免疫抑制状態における真菌性疾
病の予防に使用することができる。
【0009】 本発明の化合物は、製薬用途に限定されず、製薬の分野以外の分野における抗
菌剤としても使用することができる。
【0010】 従って、本発明の主題は、抗菌性化合物としての、式(I)の化合物並びにそ
れらの酸付加塩にある。 また、本発明の主題は、薬剤としての式(I)の化合物にある。
【0011】 本発明の特定の主題は、式(I)の化合物の少なくとも1種又はそれらの製薬
上許容できる酸付加塩の少なくとも1種を活性成分として含有する製薬組成物に
ある。
【0012】 これらの組成物は、経口的に、直腸経路で又は非経口的に或いは皮膚及び粘膜
上への局部適用として局部経路で投与することができるが、好ましい投与経路は
経口投与及び非経口投与である。 これらの製薬組成物は、固体又は液体状であってよく、人の医薬として慣用さ
れているあらゆる製薬形態で、例えば無味の錠剤又は糖衣錠、ゼラチンカプセル
、顆粒、座薬、注射用製剤、軟膏、クリーム、ジェルの形で提供できる。これら
は、通常の方法により製造される。活性成分は、これらの製薬組成物に通常使用
される補助剤、例えばタルク、アラビアゴム、ラクトース、でんぷん、ステアリ
ン酸マグネシウム、ココアバター、水性又は非水性ビヒクル、動物性又は植物性
の脂肪物質、パラフィン誘導体、グリコール、各種の湿潤剤、分散剤又は乳化剤
、保存剤と配合することができる。 投薬量は、治療する疾病、問題の患者、投与経路及び化合物によって変わる。
それは、例えば、例1に記載の化合物については、成人の場合に経口又は非経口
投与で1日当たり50mg〜1gであろう。
【0013】 また、本発明の主題は、式(I)の化合物を製造するにあたり、次式(II):
【化30】 (ここで、R、R3、R4、T、Y、W及びZは前記の意味を有する) の化合物に次式:
【化31】 (ここで、R1及びR2は前記の意味を有する) の基を導入できるアミン又はアミン誘導体を作用させ、要すれば、還元剤及び(
又は)アミンの官能化用薬剤及び(又は)得られた生成物の塩を形成させるため
の酸及び(又は)得られた種々の異性体の分離用薬剤を作用させ、このようにし
て上記の式(I)の化合物を得ることを特徴とする式(I)の化合物の製造方法
にある。
【0014】 使用される式(II)の化合物は、新規な物質であり、それ自体本発明の主題を
なす。
【0015】 また、本発明の主題は、次式(III) :
【化32】 (ここで、種々の置換基はそれぞれ前記の意味を有する) の化合物にNH2をNHR(ここで、Rは前記の意味を有する)に置き換えるこ
とができる薬剤を作用させて次式(IV):
【化33】 の化合物を得、この化合物に沃化トリメチルシリルを作用させて相当する式(II
):
【化34】 の化合物を得ることを特徴とする方法にある。
【0016】 使用される式(III) 及び(IV)の化合物は、新規な物質であり、それ自体本発
明の主題をなす。
【0017】 式(III) 及び(IV)の好ましい化合物のうちでは、その製造を後記の実験の部
に示す化合物が特に挙げられる。
【0018】 以下の実施例は本発明を例示するもので、これを制限するものではない。
【0019】製造例1 :デオキシムルンドカンジンの“核” 2gのデオキシムルンドカンジンを20mlのDMSOに溶解する。この溶液
を、アクチノプラセス・ユタヘンシス(Actinoplanes utahensis)FH2264
を870mlのKH2PO4・K2HPO4緩衝液(pH:6.8)中に含有する懸
濁液中に注ぐ。反応混合物を30℃で70時間撹拌し続ける。ろ過をする。菌糸
体を該燐酸塩緩衝液(pH:6.8)により洗浄する。洗浄液とろ液を一緒にす
る。得られた生成物をダイアノン(DIANON)HP20樹脂でクロマトグラ
フィーし、生成物を得、これはそのまま以下において使用する。
【0020】例1 :1−[4−[(2−アミノエチル)アミノ]−N2−[[4−[5−[4
−ペンチルオキシ)フェニル]−3−イソオキサゾリル]フェニル]カルボニル
]−L−オルニチン]−4−(4−ヒドロキシフェニル)−L−トレオニン]−
5−L−セリン−エキノカンジンB(異性体A及び異性体B)
【0021】工程A :1−[(4R,5R)−4,5−ジヒドロキシ−N2−[[4−[5−
[4−(ペンチルオキシ)フェニル]イソオキサゾール−3−イル]フェニル]
カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−L
−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジンB 16.8gの製造例1の生成物を552mlのDMFに窒素雰囲気下に撹拌し
ながら導入する。反応媒体を5分間撹拌し、19gの次式:
【化35】 のエステルを添加する。 29時間撹拌し、次いでろ過し、減圧下に濃縮する。残留物をエーテルで溶解
し、次いですり砕き、分離し、エチルエーテルで洗浄し、シリカでクロマトグラ
フィーし、塩化メチレン/メタノール混合物(85/15)で溶離する。このよ
うにして、所期の生成物を得た。Rf=0.24。
【0022】工程B :1−[4−オキソ−N2−[[4−[5−[4−(ペンチルオキシ)フ
ェニル]イソオキサゾール−3−イル]フェニル]カルボニル]−L−オルニチ
ン]−4−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−L−トレオニン]−5−L−セ
リン−エキノカンジンB 16.1gの工程Aの生成物を含有する懸濁液に6.12mlの沃化トリメチ
ルシリルを添加し、374mlのアセトニトリルを添加する。次いで、反応混合
物を60℃で15分間加熱し、次いでチオ硫酸ナトリウム飽和溶液により加水分
解する。減圧下に乾固させた後、塩化メチレン/メタノール/水混合物(86/
13/1)を使用してシリカでクロマトグラフィーする。所期の生成物を得た。
Rf=0.23。 質量スペクトル MH+ =1083.6 Mna+ =1105.6
【0023】工程C :1−[4−[(2−アミノエチル)アミノ]−N2−[[4−[5−[
4−(ペンチルオキシ)フェニル]−3−イソオキサゾリル]フェニル]カルボ
ニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−L−トレ
オニン]−5−L−セリン−エキノカンジンBのトリフルオル酢酸塩(異性体A
及び異性体B) 120mgの上記工程の生成物、2.4mlのメタノール、60mgのエチレ
ンジアミン二酢酸塩を活性4Aシリポライトの存在下に含有する混合物に8.6
mgのNaBH3CNを導入する。反応混合物を窒素雰囲気下に18時間攪拌し
続け、次いでろ過し、濃縮する。得られた生成物をアセトニトリル/H2O/T
FA混合物(40−60−0.02%)を溶離剤として半分取HPLCにより精
製する。14.5mgの所期の生成物を回収した。 質量スペクトル 1127+ =MH+ 1149+ =Mna+ 下記の物質が回収された。 異性体A=14.5mg。 異性体B=17.5mg。
【0024】例2 :trans−1−[4−[(2−アミノシクロヘキシル)アミノ]−N2
−[[4−[5−[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−3−イソオキサゾリル
]フェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジンBのトリフルオ
ル酢酸塩(異性体A及び異性体B) 上記の例の工程Bで得た100mgの生成物、3mlのメタノール、32mg
の(1R,2R)(−)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含有する溶液に、
活性3Aシリポライトの存在下にほぼ40μlの酢酸を窒素雰囲気下に撹拌しな
がら、6に近いpHが得られるまで、添加する。5分間撹拌し、次いで12mg
のNaBH3CNを導入する。反応混合物を18時間撹拌し続け、次いでろ過し
、減圧下に濃縮する。得られた生成物を半分取クロマトグラフィー(溶離剤:C
3CN−H2O−TFA:50−50−0.02%)により精製する。 異性体Aの重量=11mg。 異性体Bの重量=14mg。 質量スペクトル 1181.5 =MH+
【0025】例3 :trans−1−[4−[(2−アミノシクロヘキシル)アミノ]−N2
−[[4−[5−[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−3−イソオキサゾリル
]フェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジンBのトリフルオ
ル酢酸塩(異性体A及び異性体B) (1S,2S)(−)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを使用して例2にお
けるように操作して、下記の物質を得た。 異性体A=7.4mg。 異性体B=10.8mg。 質量スペクトル 1181.5=MH+
【0026】例4 :1−[4−[(2(S)−アミノプロピル)−アミノ]−N2−[[4−
[5−[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−3−イソオキサゾリル]フェニル
]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−
L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジンBのトリフルオル酢酸塩(
異性体A及び異性体B) 例1におけるように実施することにより、下記の物質を得た。 異性体A=13mg。 異性体B=10mg。
【0027】例5 :trans−1−[4−[(2−アミノシクロヘキシル)アミノ]−N2
−[[4−[3−[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−1,2,4−オキサジ
アゾール−5−yl]−フェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4
−(4−ヒドロキシフェニル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカ
ンジンBのトリフルオル酢酸塩
【0028】工程A :1−[(4R,5R)−4,5−ジヒドロキシ−N2−[[4−[3−
[4−(ペンチルオキシ)フェニル]− 1,2,4−オキサジアゾール−5−
イル]フェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキ
シフェニル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジンB 例1の工程Aにおけるように実施することにより、所期の生成物を得た。 質量スペクトル 1124=Mna+
【0029】工程B :1−[4−オキソ−N2−[[4−[3−[4−(ペンチルオキシ)フ
ェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]フェニル]カルボニル]
−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−L−トレオニン
]−5−L−セリン−エキノカンジンB 例1の工程Bにおけるように実施することにより、所期の生成物を得た。 質量スペクトル 1106.6=Mna+ 1090.8=MH+
【0030】工程C :trans−1−[4−[(2−アミノシクロヘキシル)アミノ]−N
2−[[4−[3−[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−1,2,4−オキサ
ジアゾール−5−イル]フェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4
−(4−ヒドロキシフェニル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカ
ンジンBのトリフルオル酢酸塩 150mgの工程Bの生成物及び51.4mgの(1S,2S)−1,2−ジ
アミノシクロヘキサンを使用して例2におけるように操作することによっ て、165mgの粗生成物を得た。これをを半分取HPLC(クロマシルCカラ
ム)(溶離剤:CH3CN−H2O−TFA:45−55−0.1)により精製す
る。 下記の物質を得た。 異性体A=10.8mg。 異性体B=5.2mg。 質量スペクトル 1204=MNa+ 1182=Mna+
【0031】例6 :1−[4−[(2−アミノエチル)アミノ]−N2−[[4−[5−[4
−(ペンチルオキシ)フェニル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]フ
ェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジンBのトリフルオル酢
酸塩
【0032】工程A :1−[(4R,5R)−4,5−ジヒドロキシ−N2−[[4−[5−
[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル
]フェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジンB 2gの4−[5−[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−1,3,4−チアジ
アゾール−2−イル]安息香酸、30mlのDMF及び30mlのジオキサンを
含有する懸濁液を20℃で5分間撹拌し、1.55mlのトリブチルアミン及び
7.74mlのクロルぎ酸イソブチルを0±5℃で添加する。反応媒体を0±5
℃で3分間、次いで周囲温度で3時間撹拌する。製造例1のように得られた4.
53gのデオキシムルンドカンジン核を導入する。20℃で16時間撹拌し、次
いで濃縮乾固する。残留物をエチルエーテルで溶解し、次いで分離し、エチルエ
ーテルで洗浄する。7.8gの生成物を得た。これをシリカでクロマトグラフィ
ーし、塩化メチレン−メタノール−水混合物(86−13−1)で溶離する。2
.51gの所期の生成物を得た。
【0033】工程B :1−[4−オキソ−N2−[[4−[5−[4−(ペンチルオキシ)フ
ェニル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]フェニル]カルボニル]−
L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−L−トレオニン]
−5−L−セリン−エキノカンジンB 例1の工程Bにおけるように実施することにより、所期の生成物を得た。
【0034】工程C :1−[4−[(2−アミノエチル)アミノ]−N2−[[4−[5−[
4−(ペンチルオキシ)フェニル]− 1,3,4−チアジアゾール−2−イル
]フェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジンB 前記工程の生成物及びエチレンジアミン二酢酸塩から出発して、例1の工程C
におけるように操作することによって、所期の生成物を得た。 異性体Aの重量=8mg。 異性体Bの重量=9mg。
【0035】例7 :trans 1−[4−[(2−アミノシクロヘキシル)アミノ]−N2
−[[4−[5−[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−1,3,4−チアジア
ゾール−2−イル]フェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(
4−ヒドロキシフェニル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジ
ンBのトリフルオル酢酸塩 例5の工程Bの生成物(50mg)及び(1S,2S)(+)−1,2−ジア
ミノシクロヘキサン(15.6mg)から出発して、例1におけるように操作す
ることによって、所期の生成物を得た。 異性体A=4mg。 異性体B=6.5mg。例8 :trans 1−[4−[(2−アミノシクロヘキシル)アミノ]−N2
−[[4−[5−[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−1,2,4−チアジア
ゾール−2−イル]−フェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−
(4−ヒドロキシフェニル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカン
ジンBのトリフルオル酢酸塩(異性体A及び異性体B) 例5の工程Bの生成物(50mg)及び(1R,2R)(−)−1,2−ジア
ミノシクロヘキサン(15.6mg)から出発して、例1におけるように操作す
ることによって、所期の生成物を得た。 異性体A=8.8mg。 異性体B=10.6mg。
【0036】製薬組成物の例 下記の成分を含有する錠剤を調製した。 例1の化合物 150mg 賦形剤 1gとするに要する量 (賦形剤の詳細:でんぷん、タルク、ステアリン酸マグネシウム)
【0037】薬理学的研究 A.カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)のグルカン合成の抑止 タング氏他によりAntimicrob. Agents Chemother 35, 99-103, 1991に記載さ
れた方法に従って、カンジダ・アルビカンス膜を精製する。22.5μgの膜蛋
白質を、2Mmの14C−UDPグルコース(特異活性=0.34mCi/ミリモ
ル)、50μgのα−アミラーゼ、1Mmのジチオトレイット(DTT)、1M
mのEDTA、100MmのNaF、70μMのGTP−γ−S、1Mのサッカ
ロース及び50Mmのトリス−HCl(pH=7.8)を100μlの容量中に
含有する混合物中でインキュベーションする。媒質は25℃で1時間インキュベ
ーションし、反応を5%の最終濃度でTCAの添加により停止させる。反応混合
物を予め湿らせたガラス繊維フィルター上に移す。フィルターを洗浄し、乾燥し
、その放射能を計数する。 陽性対照例としてムルンドカンジンを使用する。同じ量の1%DMSOを使用
してビヒクルの対照例を実施する。得られた結果は、この試験では、本発明の化
合物、特に例1の生成物が良好な活性を示すこと示した。 B.アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)酵素に対する活性 ベオリュー氏他の方法(Antimicrob. Agents Chenother 38, 937-944, 1994)
に従って酵素を調製する。 使用した操作手順は、反応混合物にジチオトレイットを使用しなかったことを
除いて、カンジダ・アルビカンスの酵素について上記した操作手順と同一である
。 この試験で、本発明の化合物は良好な活性を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AU,BA, BB,BG,BR,CA,CN,CR,CU,CZ,D M,DZ,EE,GD,GE,HR,HU,ID,IL ,IN,IS,JP,KP,KR,LC,LK,LR, LT,LV,MA,MG,MK,MN,MX,MZ,N O,NZ,PL,RO,SG,SI,SK,TR,TT ,UA,US,UZ,VN,YU,ZA (72)発明者 ナタリー ピエトルディシャン フランス国 エフ94490 オルメソン ス ール マルヌ、シュマン モケ ブーテー ユ、48 (72)発明者 ローラン シオ フランス国 エフ93140 ボンディー、ア レ シャルル マニェ、24 (72)発明者 パスカル ヴィカ フランス国 エフ75017 パリ、リュ デ エピネット、37 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA06 AA07 BA01 BA10 BA17 BA25 BA32 CA59 MA35 MA52 NA14 ZB352 4H011 AA01 BC09 DA23 DE17 DG14 4H045 AA10 AA20 AA30 BA14 EA29 FA50 GA20

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全ての可能な異性体の形態又はそれらの混合物の形態にある
    次式(I): 【化1】 [ここで、 R1及びR2は同一であるか又は互いに異なっており、水素原子、ヒドロキシル
    基、又は8個までの炭素原子を含有する線状、分岐状若しくは環状のアルキル基
    (この基は酸素原子により中断されていてよく、またハロゲン原子、OH基、次
    式: 【化2】 の基(ここに、a及びbは同一であるか又は互いに異なっており、水素原子又は
    8個までの炭素原子を含有するアルキル基を表わし、またaとbは窒素原子と共
    に1個以上の追加の複素原子を含有し得る複素環を形成することができる)によ
    り置換されていてもよい)を表わすか、或いは R1は次式: 【化3】 の基を有する環内炭素原子と共に二重結合を形成し、及び R2はXRa基{ここに、Xは酸素原子又はNH若しくはN−アルキル基(こ
    れは8個までの炭素原子を有する)を表わし、Raは水素原子又は8個までの炭
    素原子を含有する線状、分岐状若しくは環状のアルキル基(この基は1個以上の
    ハロゲン原子により、1個以上のOH、CO2H若しくはCO2alk基により、
    次式: 【化4】 の基(ここに、a'及びb'は水素原子又は8個までの炭素原子を含有するアルキ
    ル基を表わし、またa'とb'は窒素原子と共に1個以上の追加の複素原子を含有
    し得る複素環を形成することができる)により及び(又は)1個以上の複素原子
    を含有する複素環により置換されていてもよい)を表わす}を表わすか、或いは
    2は次式: 【化5】 (ここに、d、e、f及びgは水素原子又は8個までの炭素原子を含有するアル
    キル基を表わし、更にf及びgは8個までの炭素原子を含有するアシル基を表わ
    すことができ、またeとfは1個以上の複素原子を含有し得る環を形成すること
    ができる) の基を表わし、 R3は水素原子、メチル又はヒドロキシル基を表わし、 R4は水素原子又はヒドロキシル基を表わし、 Rは下記の基: 【化6】 【化7】 から選択される基を表わし、 Tは水素原子、メチル基、CH2CONH2、CH2CN基、(CH22NH2
    (CH22Nalk+-基(Xはハロゲン原子であり、alkは8個までの炭素
    原子を含有するアルキル基である)を表わし、 Yは水素原子、ヒドロキシル基若しくはハロゲン原子又はOSO3H基若しく
    はこの基の塩類の一つを表わし、 Wは水素原子又はOH基表わし、 Zは水素原子又はメチル基を表わす] の化合物並びに式(I)の化合物の酸付加塩。
  2. 【請求項2】 Tが水素原子を表わす請求項1に記載の式(I)の化合物。
  3. 【請求項3】 Wが水素原子を表わす請求項1又は2に記載の式(I)の化
    合物。
  4. 【請求項4】 Zがメチル基を表わす請求項1〜3のいずれかに記載の式(
    I)の化合物。
  5. 【請求項5】 Yが水素原子を表わす請求項1〜4のいずれかに記載の式(
    I)の化合物。
  6. 【請求項6】 R3がメチル基を表わす請求項1〜5のいずれかに記載の式
    (I)の化合物。
  7. 【請求項7】 R4がヒドロキシル基を表わす請求項1〜6のいずれかに記
    載の式(I)の化合物。
  8. 【請求項8】 Rが次式: 【化8】 の基、又は次式: 【化9】 の基を表わす請求項1〜7のいずれかに記載の式(I)の化合物。
  9. 【請求項9】 R1が水素基を表わす請求項1〜8のいずれかに記載の式(
    I)の化合物。
  10. 【請求項10】 R2が次式: (CH22NH2 の基を表わす請求項1〜9のいずれかに記載の式(I)の化合物。
  11. 【請求項11】 R2が次式: 【化10】 の基、特に次式: 【化11】 の基を表わす請求項1〜9のいずれかに記載の式(I)の化合物。
  12. 【請求項12】 R2が次式: 【化12】 の基を表わす請求項1〜9のいずれかに記載の式(I)の化合物。
  13. 【請求項13】 化合物名が、 ・1−[4−[(2−アミノエチル)アミノ]−N2−[[4−[5−[4−(
    ペンチルオキシ)フェニル]−3−イソオキサゾリル]フェニル]カルボニル]
    −L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−L−トレオニン
    ]−5−L−セリン−エキノカンジンBのトリフルオル酢酸塩、 ・trans−1−[4−[(2−アミノシクロヘキシル)アミノ]−N2−[
    [4−[5−[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−3−イソオキサゾリル]フ
    ェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフェニ
    ル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジンBのトリフルオル酢
    酸塩、 ・1−[4−[(2(S)−アミノプロピル)−アミノ]−N2−[[4−[5
    −[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−3−イソオキサゾリル]フェニル]カ
    ルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−L−
    トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジンBのトリフルオル酢酸塩、 ・1−[4−[(2−アミノエチル)アミノ]−N2−[[4−[5−[4−(
    ペンチルオキシ)フェニル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]フェニ
    ル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−ヒドロキシフェニル)
    −L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジンBのトリフルオル酢酸塩
    、 ・trans 1−[4−[(2−アミノシクロヘキシル)アミノ]−N2−[
    [4−[5−[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−1,3,4−チアジアゾー
    ル−2−イル]フェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4−
    ヒドロキシフェニル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジンB
    のトリフルオル酢酸塩、又は ・trans 1−[4−[(2−アミノシクロヘキシル)アミノ]−N2−[
    [4−[3−[4−(ペンチルオキシ)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾ
    ール−5−イル]フェニル]カルボニル]−L−オルニチン]−4−[4−(4
    −ヒドロキシフェニル)−L−トレオニン]−5−L−セリン−エキノカンジン
    Bのトリフルオル酢酸塩 である請求項1に記載の式(I)の化合物。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の式(I)の化合物を製
    造するにあたり、次式(II): 【化13】 (ここで、R、R3、R4、T、Y、W及びZは前記の意味を有する) の化合物に次式: 【化14】 (ここで、R1及びR2は前記の意味を有する) の基を導入できるアミン又はアミン誘導体を作用させ、要すれば、還元剤及び(
    又は)アミンの官能化用薬剤及び(又は)得られた生成物の塩を形成させるため
    の酸及び(又は)得られた種々の異性体の分離用薬剤を作用させ、このようにし
    て請求項1に記載の式(I)の化合物を得ることを特徴とする式(I)の化合物
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 新規な化学物質としての、請求項14に記載の式(II)の
    化合物。
  16. 【請求項16】 次式(III) : 【化15】 (ここで、種々の置換基はそれぞれ前記の意味を有する) の化合物にNH2をNHR(ここで、Rは前記の意味を有する)に置き換えるこ
    とができる薬剤を作用させて次式(IV): 【化16】 の化合物を得、この化合物に沃化トリメチルシリルを作用させて相当する式(II
    ): 【化17】 の化合物を得ることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 新規な化学物質としての、請求項16に記載の式(III) の
    化合物。
  18. 【請求項18】 請求項1〜13のいずれかに記載の式(I)の化合物並び
    にそれらの酸付加塩よりなる抗菌性化合物。
  19. 【請求項19】 請求項1〜13のいずれかに記載の式(I)の化合物又は
    それらの製薬上許容できる酸付加塩の少なくとも1種を含有する製薬組成物。
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