JP2003500049A - トロンビンの再生方法 - Google Patents

トロンビンの再生方法

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JP2003500049A JP2000620070A JP2000620070A JP2003500049A JP 2003500049 A JP2003500049 A JP 2003500049A JP 2000620070 A JP2000620070 A JP 2000620070A JP 2000620070 A JP2000620070 A JP 2000620070A JP 2003500049 A JP2003500049 A JP 2003500049A
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thrombin
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foldase
molecular chaperone
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フェルシュト,アラン
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Abstract

(57)【要約】 トロンビンおよびその前駆物質から選択されるポリペプチドに、分子シャペロンおよびフォールダーゼを接触させることを含んでなる、該ポリペプチドの折りたたみを促進させる方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の利用分野 本発明は、組換え体プレトロンビンおよびトロンビンの再生方法に関するもの
である。
【0002】発明の背景 トロンビンは血液凝固カスケードにおいて重要な役割を担っている多機能性プ
ロテアーゼである。トロンビンは特異性がきわめて高く、タンパク質を特定の部
位で切断するための試薬として実験室で使用される。その特異性配列は、組換え
タンパク質の機能性領域と合成リンカー配列(他のタンパク質に、かつまたクロ
マトグラフィーカラムに選択的に結合され得るアミノ酸配列に、組換えタンパク
質を連結するようにデザインされる)との間に挿入されることが多い。トロンビ
ンによる切断は所望のタンパク質を遊離させるために用いられる。こうして、ト
ロンビンはタンパク質の精製にとって非常に重要な試薬である。
【0003】 トロンビンは少量を哺乳動物から直接単離することができる。組換え体トロン
ビンの目下の生産は哺乳動物細胞系における発現に依存しており、これらはすべ
て細胞培養物1mlにつき約0.5〜8μgのトロンビンをもたらす。あるいはまた、
トロンビンは血漿から精製しなければならず、この方法は他の凝固因子の混入と
いう欠点を抱えている。したがって、トロンビンは非常に高価な試薬である。大
腸菌(Escherichia coli)で発現される組換え体トロンビンは、より一層安価に産
生され、また、哺乳動物タンパク質による混入の可能性がないと考えられるので
、タンパク質生産のバイオテクノロジーにおいて利用しやすいという重要な長所
をもつだろう。DiBellaら(1995)は、大腸菌系からグリコシル化されていないウ
シ・プレトロンビン-2を産生しており、これは、ヘビ毒液でトロンビンに活性化
したところ、野生型トロンビンと本質的に同じ触媒活性を有していた。しかしな
がら、彼らはプレトロンビン-2から1%ほどの活性物質を回収できたにすぎない
【0004】 それゆえに、当技術分野では、組換え体トロンビンを、高レベルの活性を維持
しながら、大量に生産するための改良方法が必要とされている。
【0005】発明の概要 本発明者らは、Altamiranoら(1999)が以前に記載したような酸化的再生クロマ
トグラフィーを用いて、部分的に精製された封入体からの活性タンパク質の回収
率を、それ以上精製しなくとも、約15%まで増加させることができることを見い
だした。
【0006】 したがって、本発明は、トロンビンおよびその前駆物質から選択されるポリペ
プチドに、分子シャペロンおよび少なくとも1種のフォールダーゼ(foldase)を
接触させることを含んでなる、該ポリペプチドの折りたたみを促進させる方法を
提供する。この接触は還元条件下で行なうことが特に好適である。
【0007】 好ましくは、分子シャペロンおよび/または1種以上のフォールダーゼは固相
に固定され、より好ましくは、シャペロンと1種以上のフォールダーゼの両方が
固相に固定される。固相はマトリックスであることが好ましい。該マトリックス
はクロマトグラフィーカラムの中に存在することがより好ましい。
【0008】 好ましくは、分子シャペロンはhsp-60シャペロニンまたは再生活性を有するそ
の断片であり、より好ましくは、分子シャペロンの断片は大腸菌GroELの配列の
断片191-376、191-345もしくは191-335またはその相同体からなる領域を含むも
のである。
【0009】 好ましくは、フォールダーゼはチオール/ジスルフィドオキシドレダクターゼ
およびペプチジル-プロリルイソメラーゼから選択される。好ましくは、チオー
ル/ジスルフィドオキシドレダクターゼは大腸菌のDsbAおよび哺乳動物のタンパ
ク質ジスルフィドイソメラーゼから選択され、ペプチジル-プロリルイソメラー
ゼ(PPI)は独立してシクロフィリン、パルブレン(parbulen)、SurAおよびFK506結
合タンパク質から選択される。好ましくは、PPIはシクロフィリンA、有利には
哺乳動物の、例えばヒトのシクロフィリンAである。
【0010】 好適な実施形態において、本発明の方法は、前記ポリペプチドに、分子シャペ
ロンおよびチオール/ジスルフィドオキシドレダクターゼとペプチジル-プロリ
ルイソメラーゼの両方を接触させることを含んでなる。好ましくは、チオール/
ジスルフィドオキシドレダクターゼはDsbAで、ペプチジル-プロリルイソメラー
ゼはシクロフィリンAである。
【0011】 本発明はまた、トロンビンおよびその前駆物質から選択されるポリペプチドの
折りたたみを促進させるための、分子シャペロンおよび1種以上のフォールダー
ゼの使用を提供する。
【0012】 別の態様において、本発明は、本発明の方法により得られるトロンビンおよび
その前駆物質から選択されるポリペプチドを提供する。前記ポリペプチドは、典
型的には、大腸菌のような非哺乳動物発現系における通常のタンパク質発現方法
を用いて得られたトロンビンポリペプチドよりも高い収率で得られ、しかもより
高い特異的活性を有する。本発明のポリペプチドはタンパク質の精製に用いるこ
とができる。特に、前記ポリペプチドは異種ポリペプチド、好ましくは組換え的
に産生された異種ポリペプチド、を切断するために使用される。
【0013】詳細な説明 一般的に、本明細書に記載した技法は当技術分野でよく知られたものであるが
、詳細には、Sambrookら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual (1989) お
よび Ausubelら, Current Protocols in Molecular Biology (1995), John Wile
y & Sons, Inc.を参照されたい。
【0014】A. 分子シャペロンおよびフォールダーゼ 分子シャペロン シャペロニンをはじめとするシャペロンは、それらがポリペプチドを折りたた
む際にどのような構造の化学的改変をも触媒しないが、その正しい構造的整列を
助けることによってポリペプチドの正確な折りたたみを促進するという点で、非
酵素的手段によりタンパク質の折りたたみを促進するポリペプチドである。分子
シャペロンは当技術分野で周知であり、いくつかのそのファミリーが特徴づけら
れている。本発明はどのようなシャペロン分子にも適用可能であり、この用語は
例えば下記の非包括的な群から選択される分子シャペロンを含むものである: p90カルネキシン、HSPファミリー、HSP70ファミリー、DNA K、DNAJ、HSP60フ
ァミリー(GroEL)、ER関連シャペロン、HSP90、Hsc70、sHsp類;SecA;SecB、ト
リガー(Trigger)因子、ゼブラフィッシュhsp47、70および90、HSP 47、GRP 94、
Cpn 10、BiP、GRP 78、C1p、FtsH、Ig不変鎖、ミトコンドリアhsp70、EBP、ミト
コンドリアm-AAA、酵母Ydj1、Hsp104、ApoE、Syc、Hip、TriCファミリー、CCT、
PapDおよびカルモジュリン(参考のためにWO 99/05163を参照されたい)。
【0015】 すでに同定されているタンパク質折りたたみシャペロンの2つの主要なファミ
リーである、熱ショックタンパク質60(hsp60)クラスおよび熱ショックタンパク
質70(hsp70)クラスは本発明の方法において使用するのに特に好適である。hsp60
クラスのシャペロンはhsp70クラスのシャペロンと構造的に異なっている。特に
、hsp60シャペロンは、部分的に折りたたまれた二次構造のエレメントと相互作
用する2個のヘプタマー環(1つの環が他の環の頂上に重なったもの)の安定し
たスカフォールドを形成すると思われる。一方、hsp70シャペロンは二量体のモ
ノマーであり、ポリペプチドの短い伸長領域と相互作用するようである。
【0016】 hsp70シャペロン類は配列および機能において十分に保存されている。hsp70の
類似体としては、最初、IgG重鎖結合領域(BiP)として同定された真核生物のhsp7
0相同体が含まれる。BiPはあらゆる真核細胞の小胞体(ER)の内腔に局在する。大
腸菌の原核生物DnaK hsp70タンパク質シャペロンは、酵母のhsp70 KAR2シャペロ
ンと約50%の配列相同性を有する。さらに、酵母におけるマウスBiPの存在は失
われた酵母KAR2遺伝子と機能的に取って代わることができる。
【0017】 hsp60シャペロン類は普遍的に保存されており、ヒトを含めて多数の生物種か
らのhsp60相同体が含まれる。例えば、大腸菌のGroELポリペプチド;Ehrlichia
sennetsuのGroEL;Trichomonas vaginalisのhsp60;ラットのhsp60;および酵母
のhsp60が挙げられる。
【0018】 好適な態様において、本発明は、hsp60ファミリーのポリペプチドの断片に関
する。これらのタンパク質は普遍的に保存されており、このファミリーのどのメ
ンバーを使用してもよい。しかし、特に有利な実施形態では、大腸菌GroELのよ
うなGroELの断片、とりわけ溶解状態で実質的に単量体であるミニシャペロンと
呼ばれる断片が用いられる(WO 98/13496を参照されたい)。WO 98/13496に記載
される大腸菌GroELの特に好ましい断片については、以下で述べる。
【0019】 シャペロン活性は実際にはシクロフィリンAを再生する能力により測定される
が、グルコサミン-6-リン酸デアミナーゼ、インドールグリセロールリン酸シン
ターゼ(IGPS)の突然変異体(アミノ酸残基49-252)といった他の適当なタンパク
質も使用できる。また、ロダニーズ再生アッセイ(rhodanese refolding assay)
を使用してもよい。適当な再生アッセイについては、以下で詳述する。
【0020】 本発明の好ましいシャペロンポリペプチドは、アデノシン三リン酸の非存在下
で、少なくとも10%、有利には15%、好ましくは25%、最適には50%を超える、
好ましくは60%を超える、さらに好ましくは75%を超えるタンパク質再生活性を
有するものであり、この再生活性は、シャペロンポリペプチドを、不活性化前の
比活性が知られている不活性化タンパク質に接触させ、次いで該ポリペプチドと
接触させた後の該タンパク質の比活性を測定することにより測定される。再生活
性%は次式により求められる: ポリペプチドとの接触後のタンパク質の比活性 × 100 不活性化前のタンパク質の比活性 1
【0021】 好ましくは、シャペロン活性はシクロフィリンAの再生により測定される。よ
り好ましくは、8M 尿素で変性したシクロフィリンA(100μM)を100mM リン酸カ
リウムバッファー pH7.0、10mM DTTで希釈して1μMの最終濃度にし、次に少な
くとも1μMの前記ポリペプチドに25℃で少なくとも5分間接触させ、生じるシ
クロフィリンA活性をFischerらの方法(1984)によりアッセイする。
【0022】 本発明のシャペロンポリペプチドは溶解状態で単量体であって、溶解状態で多
量体化しないことが好適である。単量体のGroELミニシャペロンはWO 98/13496に
開示されている。典型的には、多量体化は先端ドメイン(apical domain)の外側
に存在する相互作用ドメインを欠失しているシャペロンポリペプチドを用いるこ
とによって防止されるが、それは適切な突然変異により達成されうる。
【0023】 シャペロンはシャペロン断片配列の円順列(circular permutation)であり得る
。円順列は、GrafおよびSchachman, PNAS(USA) 1996, 93:11591に記載されてい
る。この戦略は、N末端とC末端が三次構造において接近して配置される大部分
のタンパク質にとって一般的である。円順列を行なったタンパク質はその活性を
保持している。本質的に、ポリペプチドは既存のN末端とC末端の融合によって
環化され、ポリペプチド鎖のどこか他の個所での切断により新規のN末端とC末
端が生成される。
【0024】 フォールダーゼ 一般的には、フォールダーゼは折りたたまれるポリペプチド中の結合の再配列
または異性化を触媒する酵素活性によってタンパク質の折りたたみの促進に関与
する酵素である。したがって、フォールダーゼは、不安定なまたは非天然の構造
状態のポリペプチドに結合して、結合の再配列の酵素的触媒作用なしに正しい折
りたたみを促進する分子シャペロンとは明確に区別される。多くのフォールダー
ゼのクラスが知られており、それらは動物、植物および細菌に共通するものであ
る。フォールダーゼには、ペプチジルプロリルイソメラーゼおよびチオール/ジ
スルフィドオキシドレダクターゼが含まれる。本発明は、共有結合の再配列を介
してタンパク質の折りたたみを促進することができる全てのフォールダーゼの使
用を含むものである。
【0025】 さらに、本明細書中で用いる「フォールダーゼ」という用語には、1種以上の
フォールダーゼが含まれる。一般的に、本明細書において、単数の物の使用は、
その文脈が特にほかを必要としないかぎり、言及される複数の物の存在を排除す
るものではない。
【0026】 チオール/ジスルフィドオキシドレダクターゼ: この名称が意味するように、チオール/ジスルフィドオキシドレダクターゼは
ジスルフィド結合の形成を触媒し、それゆえに、ジスルフィド含有ポリペプチド
の折りたたみ速度を指令することができる。したがって、本発明はそのような活
性を有するあらゆるポリペプチドの使用を含むものである。それには、タンパク
質ジスルフィドイソメラーゼ活性をもっていてもよいシャペロンポリペプチドま
たはその断片が含まれる。真核生物において、チオール/ジスルフィドオキシド
レダクターゼは一般的にタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)と呼ばれて
いる。PDIは新たに合成された分泌タンパク質と直接的に相互作用するもので、
真核細胞の小胞体(ER)中の新生ポリペプチドの折りたたみには必要なものである
【0027】 ER中に見いだされる、PDI活性のある酵素としては、哺乳動物PDI、酵母PDI、
哺乳動物ERp59、哺乳動物プロリル-4-ヒドロキシラーゼ、酵母GSBPおよび哺乳動
物T3BP、A. nigerのPdiA、並びに酵母EUGIが挙げられる(参考としてWO 99/0516
3を参照されたい)。原核生物にも同等のタンパク質が存在し、例えば大腸菌のD
sbAタンパク質である。似通った活性を示す他のペプチドには例えばT. cruzi由
来のp52が含まれる。これらのポリペプチドおよび他の機能的に同等のポリペプ
チドは、適切な活性を有する該ポリペプチドの誘導体(以下参照)と同様、本発
明の範囲内に含まれるものである。好ましくは、本発明に従うチオール/ジスル
フィドオキシドレダクターゼは哺乳動物のPDIまたは大腸菌のDsbAから選択され
る。
【0028】 ペプチジル-プロリルイソメラーゼ: ペプチジル-プロリルイソメラーゼ(PPI)は様々な細胞の中に存在する。公知の
例として、シクロフィリン、パルブレン、SurA、ならびにFK506結合タンパク質F
KBP51およびFKBP52が挙げられる(参考としてWO 99/05163を参照されたい)。PP
Iはポリペプチドのペプチジル-プロリル結合のシス-トランス異性化に関与して
おり、それゆえに、正しい折りたたみを促進する。本発明はPPI活性を有するど
のようなポリペプチドも含むものである。それには、PPI活性をもっていてもよ
いシャペロンポリペプチドまたはその断片が含まれる。
【0029】 誘導体、変異体および断片: 本発明は、分子シャペロンおよびフォールダーゼ(ペプチジル-プロリルイソ
メラーゼ、チオール/ジスルフィドオキシドレダクターゼなど)の誘導体に関係
する。好ましい態様において、用語「分子シャペロン」、「ペプチジル-プロリ
ルイソメラーゼ」および「チオール/ジスルフィドオキシドレダクターゼ」は、
上述した活性を保持するそれらの誘導体を含むものである。本発明に従って使用
できる誘導体としては、一次転写産物の選択的スプライシングにより生成された
mRNAによりコードされるスプライス変異体、アミノ酸突然変異体、グリコシル化
変異体、および分子シャペロン、ペプチジル-プロリルイソメラーゼおよび/ま
たはチオール/ジスルフィドオキシドレダクターゼの機能的特性を保持する分子
シャペロンまたはフォールダーゼの他の共有結合誘導体がある。
【0030】 誘導体の例には、天然のアミノ酸以外の成分を用いて、置換、化学的手段、酵
素的手段もしくは他の適切な手段により共有結合的に改変された分子が含まれる
。そのような成分は検出可能な成分であってよく、例えば酵素またはラジオアイ
ソトープである。さらに、哺乳動物、他の脊椎動物、酵母、原核生物または他の
ものであろうと、特定の種に見いだせる分子シャペロンまたはフォールダーゼの
天然に存在する変異体が含まれる。かかる変異体は、同一の遺伝子ファミリーの
関連遺伝子により、もしくは特定の遺伝子の対立遺伝子変異体によりコードされ
ていてもよく、また、分子シャペロンもしくはフォールダーゼの選択的スプライ
シング変異体に相当するものでもよい。
【0031】 上記のように、本発明による組合せの成分は分子シャペロンまたはフォールダ
ーゼの誘導体を含むことができ、かかる誘導体には、そのようなポリペプチドの
共通した構造的特徴を保持する変異体が含まれる。共通の構造的特徴を保持する
変異体は分子シャペロンまたはフォールダーゼの断片であり得る。分子シャペロ
ンまたはフォールダーゼの断片はそれらから誘導される比較的小さなポリペプチ
ドから成る。好ましくは、本発明による分子シャペロンまたはフォールダーゼか
ら誘導される小さなポリペプチドは、分子シャペロンまたはフォールダーゼに特
徴的な一つの特徴を規定する。断片は理論的には殆どどのようなサイズのもので
あってもよいが、ただし、それらは本明細書に記載する分子シャペロンまたはフ
ォールダーゼの活性を保持する必要がある。
【0032】 分子シャペロンに適用する場合、断片は、依然としてシャペロニン活性を保持
する天然の分子シャペロンの全長分子以外のどんなものでもよい。有利には、シ
ャペロニン分子の断片は溶解状態で単量体のままで存在するものである。好適な
断片を以下に記載する。有利には、シャペロン断片は長さが50〜200アミノ酸、
好ましくは100〜200アミノ酸、最も好ましくは約150アミノ酸のものである。
【0033】 GroEL/hsp-60ファミリーの分子シャペロンに関しては、所望の活性を有する断
片の好適なセットが確認されている。これらの断片は本発明者らの係属中の国際
特許出願WO 98/13496に記載されており、本質的に、完全なGroELの少なくともア
ミノ酸残基230-271を含む断片、または他のhsp60シャペロンのそれらの均等物を
含む。好ましくは、断片はGroELの残基150-455もしくは151-456または他のhsp60
シャペロンのそれらの均等物を越えて伸長しない方がよい。
【0034】 有利には、断片はGroELの先端ドメイン、または他の分子シャペロンのその均
等物、または本明細書で規定するようなそれに相同性の領域を含む。先端ドメイ
ンは完全なGroELのアミノ酸191-376にわたる領域である。このドメインは多数の
生物種およびシャペロン型の間で相同であることが分かっている。非常に好まし
い実施形態では、断片が完全なGroEL配列の残基191-376、191-345、191-335また
は193-335から本質的に成る断片より選択される。
【0035】 また、分子シャペロンまたはフォールダーゼの誘導体はその突然変異体(断片
および他の誘導体の突然変異体を含む)を含み、かかる突然変異体は、本明細書
に記載する分子シャペロンまたはフォールダーゼの活性を維持するという必要条
件を前提として、アミノ酸の欠失、付加または置換を含むことができる。こうし
て、分子シャペロンまたはフォールダーゼの性質を実質的に変更することなく、
保存的アミノ酸置換を行なうことができ、同様に、5'または3'末端からのトラン
ケーション(truncation)を行なうこともできる。さらに、本発明が包含する分子
シャペロンまたはフォールダーゼの断片に対して欠失や置換を行なってもよい。
突然変異体はin vitro突然変異誘発(例えば1個以上のアミノ酸の付加、置換お
よび/または欠失を生じさせるもの)にかけられた分子シャペロンまたはフォー
ルダーゼをコードするDNAから産生される。例えば、分子シャペロンまたはフォ
ールダーゼの置換、欠失または挿入変異体を組換え法で調製して、関連する分子
シャペロンまたはフォールダーゼの天然型との免疫交差反応性についてスクリー
ニングすることができる。
【0036】 分子シャペロンまたはフォールダーゼの断片、突然変異体および他の誘導体は
天然の分子シャペロンまたはフォールダーゼとの実質的な相同性を保持すること
が好ましい。本明細書で用いる「相同性」とは、2つの物質種が起源および機能
の点で類似していると当業者が判定するのに十分な特徴をそれらが共有している
ことを意味する。好ましくは、相同性は配列同一性をいうために用いられる。し
たがって、分子シャペロンまたはフォールダーゼの誘導体は、関連する分子シャ
ペロンまたはフォールダーゼの天然型との実質的な配列同一性を保持することが
好ましい。
【0037】 「実質的な相同性」とは、相同性が配列同一性を示す場合、直接的な配列アラ
イメントおよび比較により判定して、40%を超える配列同一性、好ましくは45%
を超える配列同一性、最も好ましくは少なくとも50%、60%またはそれ以上の配
列同一性を意味する。
【0038】 相同性の比較は、肉眼でもできるが、より一般的には、簡単に利用できる配列
比較プログラムを使って実施する。これらの市販されているコンピュータプログ
ラムは2以上の配列間の相同性%を計算することができる。
【0039】 相同性%は連続した配列にわたって計算される。すなわち、一方の配列を他方
の配列とアライメントし、一方の配列の各アミノ酸を他方の配列の対応するアミ
ノ酸と、1回に1残基づつ、直接比較する。これは「ギャップの入らない」(ung
apped)アライメントと呼ばれる。典型的には、そのようなギャップの入らないア
ライメントは比較的短い数の残基(例えば50個より少ない連続アミノ酸)に対し
てのみ行なわれる。
【0040】 この方法は非常に簡単で首尾一貫した方法であるが、例えば、別の状況では同
一の対の配列において、1個のアミノ酸の挿入または欠失が後続のアミノ酸残基
をアライメントから外れさせることを考慮に入れておらず、したがって、広範囲
のアライメントを行なう場合には、相同性%を大きく低下させる可能性がある。
その結果、ほとんどの配列比較法は、全体的な相同性スコアに不当なペナルティ
ーを課すことなく、起こりうる挿入および欠失を考慮した最適なアライメントを
生じるようにデザインされている。これは局所相同性を最大にするように配列ア
ライメントに「ギャップ」を挿入することにより達成される。
【0041】 しかしながら、こうした比較的複雑な方法はアライメントにおいて生じる各ギ
ャップに「ギャップペナルティー」を課しており、同数の同一のアミノ酸につい
ては、可能なかぎり少ないギャップをもつ配列アライメント(比較した2つの配
列間のより高い関連性を反映している)が多数のギャップをもつものよりも高い
スコアを達成するようになる。典型的には、ギャップの存在には比較的高いコス
トを、ギャップ中のそれぞれの後続の残基には比較的小さなペナルティーを課す
る「アフィン・ギャップ・コスト」(Affine gap costs)が使用される。これは最
も普通に用いられているギャップスコアリングシステムである。もちろん、高い
ギャップペナルティーがギャップのより少ない最適化アライメントをもたらすだ
ろう。大部分のアライメントプログラムはギャップペナルティーを変えることを
許可している。しかし、配列比較のためにそのようなソフトウェアを使用する場
合には、デフォルト値を用いることが好適である。例えば、GCG Wisconsin Best
fitパッケージ(以下参照)を用いる場合、アミノ酸配列のデフォルトギャップ
ペナルティーはギャップについてが-12で、各伸長についてが-4である。
【0042】 したがって、最大相同性%の算出には、最初に、ギャップペナルティーを考慮
して、最適のアライメントを生じさせることが必要である。そのようなアライメ
ントを実施するのに適したコンピュータプログラムは、GCG Wisconsin Bestfit
パッケージ(米国ウィスコンシン大学;Devereuxら, 1984, Nucleic Acids Rese
arch 12:387)である。配列比較を行なうことができるその他のソフトウェアの
例としては、BLASTパッケージ(http://www.ncbi.nih.gov/BLAST/を参照)、FAS
TA(Atschulら, 1990, J. Mol. Biol., 403-410; FASTAは、例えばhttp://www.2
.ebi.ac.uk.fasta3で、オンライン検索に利用できる)、および比較ツールのGEN
EWORKSセットがあるが、これらに限らない。しかし、GCG Bestfitプログラムを
使うことが好ましい。
【0043】 最終的な相同性%を同一性の点から測定することができるが、アライメント法
それ自体は、典型的には、イエスかノーかの対比較に基づくものではない。代わ
りに、化学的類似性または進化的距離に基づいて、それぞれの対ごとの比較にス
コアを割り当てるスケール化類似性スコアマトリックスが一般に用いられる。そ
のような常用マトリックスの例はBLOSUM62マトリックスであり、これはBLAST組
のプログラムのためのデフォルトマトリックスである。GCG Wisconsinプログラ
ムは通常パブリックデフォルト値または、供給されるのであれば、カスタムシン
ボル比較表のいずれかを使用する(更なる詳細についてはユーザーマニュアルを
参照されたい)。GCGパッケージの場合はパブリックデフォルト値を、また、他
のソフトウェアの場合はBLOSUM62のようなデフォルトマトリックスを使用するこ
とが好適である。
【0044】 ソフトウェアによって最適なアライメントが得られたら、相同性%、好ましく
は配列同一性%を算出することが可能である。一般的には、これは配列比較の一
部としてソフトウェアにより行なわれ、数値による結果が得られる。
【0045】 当業者であれば、例えば、分子シャペロン/フォールダーゼ配列の全部または
一部をクエリー配列(query sequence)として用いてオンラインデータベースの検
索を行なうことにより、適当な相同体を同定することができる。例えば、BlastP
プログラムのバージョン2.0.8 (デフォルト設定) (Jinghui Zhangら, 1997, "Ga
pped BLAST and PSI-BLAST: a generation of protein database search progra
ms", Nucleic Acids Res. 25:3389-3402)および大腸菌GroELのアミノ酸191-376
をクエリー配列として用いてSwissprot データベースを検索したところ、100を
超える相同配列が容易に同定され、そのうちの多くが少なくとも50%同一性の相
同性スコアを与えた。同定された相同体としては、真正細菌のGroEL、ミトコン
ドリアのhsp60および葉緑素のcpn60を含むhsp60シャペロニンファミリーのメン
バーが挙げられる。その他の具体的な相同体については、そのデータベース登録
番号と共に、WO 98/13496に詳述されている。
【0046】 あるいはまた、配列類似性は、上記のシャペロンまたはフォールダーゼ(例え
ば、大腸菌GroEL、大腸菌DsbAまたは哺乳動物シクロフィリンA)のいずれかをコ
ードするヌクレオチド配列の相補鎖にハイブリダイズする能力に従って定めるこ
ともできる。
【0047】 好ましくは、配列は高度のストリンジェンシーでもってハイブリダイズできる
ものである。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーとは、ポリ核酸ハイ
ブリッドが安定している条件のことである。そのような条件は当業者には自明で
ある。ハイブリッドの安定性は、当業者には知られているように、配列相同性が
1%減少するごとに約1〜1.5℃低下するハイブリッドの融解温度(Tm)に反映さ
れる。一般に、ハイブリッドの安定性は、ナトリウムイオンの濃度と温度の関数
である。典型的には、より高度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイゼー
ション反応を実施し、その後、変化をつけたストリンジェンシー条件での洗浄を
行なう。
【0048】 本明細書中で用いる、高度のストリンジェンシーとは、65〜68℃にて1M Na+
で安定したハイブリッドを形成する核酸配列のみのハイブリダイゼーションを可
能にする条件を指す。高度のストリンジェンシー条件は、例えば、6x SSC、5x D
enhardt's、1% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、0.1 ピロリン酸Na+および0.1mg/
mlの非特異的競合物質としての変性サケ精子DNAを含む水溶液中でのハイブリダ
イゼーションにより提供することができる。ハイブリダイゼーション後、高度の
ストリンジェンシー条件での洗浄を数回行なって、最後に、0.2〜0.1x SSC、0.1
% SDS中でハイブリダイゼーション温度にて洗浄する(約30分)。
【0049】 中程度のストリンジェンシーとは、上記の溶液中でのハイブリダイゼーション
と同等の条件を指すが、約60〜62℃で行なう。この場合の最終洗浄は、1x SSC、
0.1% SDS中でハイブリダイゼーション温度にて行なう。
【0050】 低度のストリンジェンシーとは、上記の溶液中でのハイブリダイゼーションと
同等の条件を指すが、約50〜52℃で行なう。この場合の最終洗浄は、2x SSC、0.
1% SDS中でハイブリダイゼーション温度にて行なう。
【0051】 こうした条件は種々のバッファー(例えば、ホルムアミド系のバッファー)お
よび温度を用いて適合させることができ、かつ再現しうることが理解される。De
nhardt's溶液およびSSCは当業者によく知られており、その他の適当なハイブリ
ダイゼーションバッファーも同様である(例えば、Sambrookら (1989) 前掲また
はAusubelら (1995) 前掲を参照されたい)。最適なハイブリダイゼーション条
件は、プローブの長さやGC含量もある種の役割を果たしているので、経験的に決
定されねばならない。
【0052】B. 固相支持体への分子シャペロン/フォールダーゼの固定化 好ましい態様において、トロンビンおよび/または前駆物質と、分子シャペロ
ンおよびフォールダーゼとの接触は、固相支持体に固定させた分子シャペロンお
よび/またはフォールダーゼを用いて行なう。通常使用される固相支持体の例と
しては、ビーズ、「チップ」、樹脂、マトリックス、ゲル、および容器の壁面を
形成する材料が挙げられる。マトリックス、特にアガロースゲルのようなゲルは
カラムに充填することが有利である。固相に固定化することの利点の一つは、ポ
リペプチドとの接触から試薬類を都合よく分離できることである。
【0053】 バッチ用のまたはカラム充填用の固相材料は広く入手可能であり、例えば「生
化学薬品、有機化合物および診断試薬(Biochemicals, organic compounds and d
iagnostic reagents)」と題するSigma社の1999年の試薬カタログを参照されたい
。そこにはポリペプチドを結合させるのに適した活性型マトリックス、例えばセ
ファロース/アガロースを基材とする臭化シアン活性化マトリックスが載ってい
る。
【0054】 分子シャペロン/フォールダーゼは、共有結合または他の方法で固相支持体に
固定することができる。ポリペプチドを固相支持体に結合させるための方法は当
技術分野でいろいろ知られている。本発明の好適な態様においては、分子シャペ
ロンおよび/または好ましくはフォールダーゼポリペプチドを、可逆的チオール
ブロック工程を含む方法を使って、固相支持体に結合させることができる。この
方法はペプチドがジスルフィドを含む場合に重要である。かかる方法の例を以下
で説明する。
【0055】 好ましくは、保護の前に、DTT(ジチオトレイトール)のような還元剤を用いて
ジスルフィドを還元するが、再酸化を防止するために例えばアルゴンなどの不活
性ガスの存在下で行なう。続いて、ポリペプチドを、例えばNTCB(2-ニトロ-5-
チオシアノ安息香酸)を好ましくは化学量論的量で用いて、シアン化し、高(非
酸性)pHで、例えば炭酸水素ナトリウムを用いて、制御された加水分解にかける
。DsbAの場合には、加水分解反応のpHを、好ましくは6.5〜10.5(DsbAのpKは4.0
)、より好ましくは7.5〜9.5、最も好ましくは約8.5とする。かくして、チオー
ルは可逆的に保護される。
【0056】 次に、ポリペプチドを固相成分と接触させるが、固相成分1mlにつきポリペプ
チドを例えば2.0〜20.0mg、好ましくは5.0〜10.0、最も好ましくは約6.5mgで接
触させる。この結合反応は再度、高(非酸性)pHで、例えば炭酸水素ナトリウム
結合バッファーを用いて、実施する。DsbAの場合には、結合反応のpHを、好まし
くは6.5〜10.5、より好ましくは7.5〜9.5、最も好ましくは約8.5とする。
【0057】 好ましくは、結合反応後に、残存する活性基を例えばエタノールアミンを用い
てブロックすることができる。未結合のポリペプチドは洗浄により取り除く。最
後に、例えばDTEまたはDTTでの処理により、シアノ基を除去し、チオール基を結
合ポリペプチド上に再生成させることができる。
【0058】C. ポリペプチドの再生方法 本発明は、分子シャペロンとフォールダーゼの組合せを使用することを含む、
トロンビンおよびその前駆物質から選択されるポリペプチドの正しい折りたたみ
/再生を促進させる方法を提供する。分子シャペロンとフォールダーゼの組合せ
はタンパク質の折りたたみに対して相乗効果を与え、単なる相加的関係から期待
される量よりも多量の、活性のある、正しく折りたたまれたタンパク質が得られ
る。
【0059】 本発明に従ってタンパク質の折りたたみを促進するために用いられる1種以上
の成分は固相支持体に固定することが好ましい。しかし、分子シャペロンとフォ
ールダーゼの双方を溶解状態で使用することもできる。それらは遊離の溶解状態
であってもよいが、懸濁状態で使用してもよく、例えばビーズ(例えば、セファ
ロースビーズ)のようなマトリックスに結合させたり、溶液と接触している固体
表面(例えば、溶液の入っているボトル、試験管などの内表面)に結合させても
よい。
【0060】 典型的には、本発明の方法は、変性したまたは誤って折りたたまれた形態で得
られる、組換え的に産生されたトロンビンまたはその前駆物質の再生(復元)を
支援するために用いられる。こうして、組換え的に産生されたポリペプチドを分
子シャペロンおよびフォールダーゼと接触させることにより、誤った折りたたみ
のために不活性であるか、かつ/また、該ポリペプチドを発現した宿主細胞(例
えば、細菌の封入体)からのそれらの抽出の結果として変性された組換えポリペ
プチドを、ほどいて、折りたたみ直して、かつ/また再活性化することができる
。かかるプロセスは「再状態調整」(reconditioning)とも呼ばれている。
【0061】 本発明の方法は、トロンビンまたはその前駆物質の寿命を延ばすことを目的と
して、例えば貯蔵中の、それらの折りたたまれた立体配座を維持するために使用
してもよい。貯蔵条件のもとでは、多くのタンパク質は、正しい折りたたみが破
壊される結果、それらの活性を失ってしまう。フォールダーゼと組み合わせた分
子シャペロンの存在は、ポリペプチドがほどける性質を抑制または逆転し、それ
ゆえに、それらの寿命を大いに引き延ばす。
【0062】 本発明の方法は、貯蔵、変性条件への暴露、その他によって誤って折りたたま
れたトロンビンおよびその前駆物質の正しい折りたたみを促進するために使用す
ることができる。したがって、本発明の方法を用いると、トロンビンおよびその
前駆物質の再状態調整が可能である。例えば、再状態調整の必要なトロンビンを
、本発明に従う分子シャペロンとフォールダーゼの組合せ物が固定されているカ
ラムを通過させることができる。あるいは、上記の組合せ物が固定されているビ
ーズを、再状態調整の必要なトロンビンを含む溶液中に懸濁させてもよい。さら
に、本発明による組合せ物の成分を、再状態調整の必要なトロンビンに溶解状態
で添加してもよい。
【0063】 本発明はまた、トロンビンおよびその前駆物質から選択されるポリペプチドの
構造を改変する方法を提供する。構造の改変には、折りたたむこと、ほどくこと
および再生することが含まれる。改変の目的は、好ましくは、上記分子の収率、
比活性および/または品質を向上させることである。これは、一般的には、合成
後に誤って折りたたまれた分子を再可溶化し、再状態調整し、かつ/または再活
性化することにより達成される。
【0064】 こうして、「再状態調整する」および「再活性化する」という用語はin vitro
方法を含むものである。in vitro方法の具体例は、尿素や塩化グアニジウムなど
の強力な変性剤を使って、細胞抽出物(封入体など)から可溶化されたポリペプ
チドを処理することを含む。
【0065】 「再生する」、「再活性化する」および「再状態調整する」という用語は、相
互に排他的であることを意図しない。例えば、不活性タンパク質(尿素を使って
変性したものでもよい)は、折りたたみがほどけた変性構造をもち得る。この不
活性タンパク質を、その後、本発明のポリペプチドを用いて再生し、それにより
再活性化することができる。ある状況においては、不活性化/変性前のタンパク
質と比べて、再生/再活性化タンパク質の比活性が増加することがある。これは
「再状態調整」と呼ばれる。
【0066】 上記分子は、典型的には、折りたたみを必要としている、変性したまたは誤っ
て折りたたまれたポリペプチドである。しかし、これとは別に、該分子は折りた
たまれた状態で維持されるべき、折りたたまれたポリペプチドであってもよい。
ポリペプチドは少なくとも1つのジスルフィド架橋(または、適切な条件下でそ
のような架橋を形成しうる2個のシステイン残基)を含むことが好ましい。
【0067】 本発明には、少なくとも2つの状況が想定される。第1の状況は、折りたたま
れるべきポリペプチドが変性したもしくは誤って折りたたまれた状態、またはそ
の両方の状態にある場合である。この場合には、その正しい折りたたみが本発明
の方法によって促進される。第2の状況は、ポリペプチドが実質的にその正しい
折りたたみ状態ですでに存在する(すなわち、その全部または大部分が正しくま
たはほぼ正しく折りたたまれている)場合である。この場合には、本発明の方法
が、折りたたまれた状態を支援するように折りたたみ/変性の平衡状態に影響を
及ぼすことにより、ポリペプチドの折りたたまれた状態を維持するのに役立つ。
これは、すでに実質的に正しく折りたたまれたポリペプチドの活性が低下するの
を防止する。これらの事態は、他の事態も含めて、ポリペプチドの折りたたみを
「促進する」という用語によってカバーされるものである。
【0068】 本明細書で用いるとき、ポリペプチドの少なくとも一部がその正しいまたは望
ましい二次もしくは三次構造をまだ獲得していない場合には、該ポリペプチドは
変性されている可能性がある。ポリペプチドが少なくとも部分的に正しくないま
たは望ましくない二次もしくは三次構造を獲得している場合には、該ポリペプチ
ドは誤って折りたたまれている可能性がある。ポリペプチドの構造を評価するた
めの技法は当技術分野で公知であり、例えば円二色性などがある。
【0069】 トロンビンおよび/またはその前駆物質とシャペロン/フォールダーゼ組合せ
物との接触は、還元条件下で、例えばレドックスバッファー系として作用して酸
化状態で存在するジスルフィド結合の形成を防止する、酸化型グルタチオン(GSS
G)とグルタチオン(GSH)の組合せの存在下で行なうことが好ましい。
【0070】 分子シャペロン/フォールダーゼ組合せ物をトロンビン/前駆物質と接触させ
るための特に有利な方法は、バッチ式インキュベーションとして知られている方
法に従って、エッペンドルフ試験管のような試験管の中で、トロンビン/前駆物
質を分子シャペロン/フォールダーゼ組合せ物(シャペロンとフォールダーゼを
セファロース/アガロースビーズに固定させたもの)と共にインキュベートする
ことを含む。試験管の内容物を一般的には少なくとも5分間、好ましくは少なく
とも1〜3時間、穏やかに混合してから、ビーズを例えば重力または低速の遠心
分離により沈降させる。その後、水溶液中のトロンビン/前駆物質を単にデカン
トして取り出せばよい。
【0071】 別の便利な方法は、シャペロンとフォールダーゼが固定されているセファロー
スビーズのような固相マトリックスをクロマトグラフィーカラムの中に入れ、再
生すべきポリペプチドを含むサンプルを該カラムの上部にアプライし、該ポリペ
プチドを適切なバッファーを用いて適切な速度で該カラムから溶出することを含
む。かかる方法は当技術分野で周知である。
【0072】 トロンビンは好ましくはウシのトロンビンである。「前駆物質」という用語は
、例えば成熟ポリペプチドを形成するために一般には分離される追加のポリペプ
チド配列を含むプレトロンビンのような、未成熟のトロンビン分子を意味する。
そのような前駆物質の一例として、ウシのプレトロンビン-2がある。トロンビン
への活性化は、例えばプレトロンビンをE. carinatusヘビ毒液とインキュベート
することにより、行なうことができる(実施例を参照のこと)。
【0073】 本発明の方法で処理すべきトロンビンまたは前駆物質は、典型的には、組換え
トロンビンまたはその前駆物質を発現する宿主細胞の細胞抽出物から得られる。
宿主細胞には、大腸菌のような原核生物、酵母、および昆虫細胞(バキュロウイ
ルス系を用いると、きわめて高レベルのタンパク質発現が可能である)が含まれ
る。宿主細胞におけるトロンビンまたはその前駆物質の発現は、収率を最大にす
るために高レベルであることが好ましい。しかしながら、上述したように、トロ
ンビン/前駆物質の大部分はおそらく不溶性であり、その結果、トロンビン/前
駆物質の抽出を最大にするために、細胞抽出物の通常不溶性の成分(封入体など
)を可溶化する技法が採用される。こうした技法としては、尿素または塩化グア
ニジウムのような強力な変性剤の存在下での細胞の音波処理が含まれる。
【0074】 可溶化した細胞抽出物は、場合により、本発明の方法に従ってシャペロン/フ
ォールダーゼ組合せ物と接触させる前に、例えば種々のアフィニティークロマト
グラフィー法により、部分的に精製することができる。
【0075】 かくして、本発明の再生/再状態調整方法のための出発物質は、典型的には、
尿素/塩化グアニジウムなどの変性剤を含む溶液中の変性ポリペプチドである。
あるいは、またはこれに加えて、可溶性ポリペプチドのサンプルを、再生前に適
切な変性剤の添加により特異的に変性させてもよい。必要ならば、シャペロン/
フォールダーゼ組合せ物と接触させる前に、未処理のトロンビン/前駆物質を適
当な再生バッファーに対して透析することもできる。
【0076】 再生/再状態調整方法の最後に、典型的には、再生されたトロンビンおよび/
またはその前駆物質を、適当な保存バッファーに対する透析および/または適当
な保存バッファーを用いた脱塩カラムの使用により、脱塩する。適当なバッファ
ーは、25mM リン酸ナトリウム、150mM NaClおよび0.1% PEG 6000 (pH7.4) を含
む。
【0077】 プレトロンビンの場合には、その後、このポリペプチドをヘビ毒液で処理して
トロンビンに活性化することができる(実施例を参照のこと)。
【0078】 再生/再状態調整されたトロンビンの活性は、同じ方法で処理した野生型トロ
ンビン(例えば、Sigma社から入手できるウシ・トロンビン)に比して、好まし
くは少なくとも10%の活性、より好ましくは少なくとも12、13、14、15または20
%の活性、またはそれ以上、例えば約50%の活性を有する。この活性は、例えば
、Luttenbergら(1981)に記載される色素産生アッセイを用いて、簡便に評価する
ことができる(実施例を参照のこと)。
【0079】D. 再生/再状態調整されたトロンビン/その前駆物質の使用 本発明の方法により得られたトロンビンは、トロンビン認識部位を含むポリペ
プチドを切断するために使用することができる。特に、トロンビンは、トロンビ
ン認識部位を含むリンカーによって融合タンパク質パートナー(例えば、Hisx6
、GSTなど)に融合された異種ポリペプチドの精製に有用である。
【0080】 以下で、本発明を実施例によりさらに説明するが、これらの実施例は当業者が
本発明を実施するのを支援するものであって、いかなる場合も本発明の範囲を制
限するものではない。
【0081】実施例 材料および方法 大腸菌によるウシ・プレトロンビン-2の過剰発現は、DiBellaら(1995)に記載
されるとおりに行なった。細胞を遠心分離により回収し、25mM Tris、2mM EDTA
(=エチレンジアミン四酢酸)、0.2mM PMSF(=フッ化フェニルメチルスルホニ
ル)、pH8.0 中に再懸濁させた。細胞を細胞破壊により破砕し、遠心分離により
封入体を回収した。封入体は、同一のバッファーに再懸濁し、細胞を破砕し、続
いて遠心分離することにより洗浄し、回収した。洗浄を2回繰り返し、最終の再
懸濁バッファーは1Mの尿素を含んでいた。この封入体を、HR10/30スーパーデッ
クス200カラム(Pharmacia)でのゲル濾過クロマトグラフィーでさらに精製した。
このカラムは、50mM リン酸ナトリウム、8M 尿素、100mM DTT(=ジチオトレイ
トール)、pH7.4 で平衡化した。同一のバッファーでタンパク質を溶出した。精
製したプレ酵素を急速凍結し、必要になるまで液体窒素中に保存した。
【0082】 プレトロンビン-2を完全に変性させるために、材料を50mM リン酸ナトリウム
、8M 尿素、0.3M DTT、pH7.4 中に約2.5mg/mlの最終濃度で可溶化した。このタ
ンパク質を37℃で12時間インキュベートし、その後100mM リン酸ナトリウム、8M
尿素、pH3.0(オルトリン酸で調整)に対して一夜透析した。
【0083】 再生を行なうため、プレトロンビン-2を、45mlの再生バッファー(50mM リン
酸ナトリウム、2mM EDTA、2mM GSSG(=酸化型グルタチオン)、1mM GSH(=グルタ
チオン)、0.3M L-アルギニン、pH7.4)および5mlの三成分ミックス樹脂中に1:1
00で希釈した。三成分ミックス樹脂は等量ずつの固定したDsbA、シクロフィリン
Aおよびsht GroEL 191-345を含んでいた(Altamiranoら, 1999)。再生されたプレ
トロンビン-2は尿素を除去したとき可溶性のままであった。絶えず回転しながら
混合して、再生を4℃で16時間進行させた。卓上型遠心機で短時間スピンするこ
とで樹脂を除き、上清を回収した。500mM 塩化ナトリウムを含む再生バッファー
25ml中で樹脂を2回洗浄し、卓上型遠心機で短時間スピンして樹脂を除いた。上
清を合わせて、4℃でD-トレハロースに対して十分に透析した。5KDa分子量カッ
トオフのUltrafree(登録商標)-15遠心スピン濃縮器(Millipore)を使って容量を5
mlにした。次いで、「再生された」タンパク質は、Phast(商標)脱塩カラム(Phar
macia)を使って、50mM リン酸ナトリウム、0.15M 塩化カリウム、2% グリセロー
ル、60mM 塩酸グアニジン、pH7.4 中に脱塩した。
【0084】 脱塩したプレトロンビン-2の1mlアリコート(約4.0μg/ml) は、10μlのE. ca
rinatusヘビ毒液(1mg/ml)を加えて37℃で2時間インキュベートすることにより、
トロンビンへと活性化させた。このヘビ毒液は、最初にp-APMSFで前処理してか
ら、Phast(商標)脱塩カラム(Pharmacia)を使って、20mM Trisバッファー(pH8.0)
中に脱塩したものである。
【0085】 活性トロンビンの回収率を色素産生アッセイにより評価した(Luttenbergら, 1
981)。色素産生基質ペプチドであるBz-Phe-Val-Arg-pNA.HCl (Bachem)を800μl
の50mM リン酸ナトリウム、0.15M 塩化カリウム、2% グリセロール、60mM 塩酸
グアニジン、pH7.4および活性化トロンビンの100μlアリコートに0.1mMの最終濃
度で加えた。405nmでの吸光度を室温でモニターした。吸光度の測定はすべてHP
8453 スペクトロフォトメーターで行なった。再生されたトロンビンの活性を、
組換え材料と同様に処理された野生型ウシ・トロンビン(Sigma)と比較した。
【0086】結果 組換えプレトロンビン-2は、細胞1リットルにつき40〜50mgのレベルで封入体
として未精製のまま産生された。ゲル濾過で精製したタンパク質は、20% SDS Ph
ast(商標)ゲル上にて、予想どおりに35,000 Daの見かけ分子量で泳動し、クーマ
シーブルー染色に基づいて約50%の純度であった。
【0087】 再生された組換えトロンビンの色素産生アッセイは、野生型に比して約15%の
見かけの生物学的活性をもたらした。これらの結果を以下の表にまとめて示す。
【0088】 この組換えタンパク質は精製手順(例えば、ヘパリンカラムでのクロマトグラ
フィー)に付されていない。
【0089】参考文献 Altamirano, M.M., Garcia, C., Possani, D.A. % Fersht, A.R. (1999) Nature
Biotech. 17, 187-191. DiBella, E.E., Maurer, M.C. & Scheraga, H.A. (1995) J. Biol. Chem. 270,
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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA14 CA04 DA06 EA04 GA11 HA01 4B033 NA02 NA23 NA35 NA42 NC02 ND03 ND04 4B050 CC02 CC03 DD11 HH01 KK18 KK20 LL03

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トロンビンおよびその前駆物質から選択されるポリペプチド
    に、分子シャペロンおよびフォールダーゼを接触させることを含んでなる、該ポ
    リペプチドの折りたたみを促進させる方法。
  2. 【請求項2】 分子シャペロンおよび/またはフォールダーゼが固相に固定
    されている、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 固相がマトリックスである、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 マトリックスがクロマトグラフィーカラムの中に存在する、
    請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ポリペプチドが変性したポリペプチドまたは誤って折り
    たたまれたポリペプチドである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 分子シャペロンがhsp-60シャペロニンまたはその再生活性を
    有する断片である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 分子シャペロンの断片が大腸菌GroELの配列の断片191-376、
    191-345、191-335もしくは193-335またはその相同体からなる領域を含む、請求
    項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 フォールダーゼがチオール/ジスルフィドオキシドレダクタ
    ーゼおよびペプチジル-プロリルイソメラーゼから選択される、請求項1〜7の
    いずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 チオール/ジスルフィドオキシドレダクターゼが大腸菌のDs
    bAおよび哺乳動物のタンパク質ジスルフィドイソメラーゼから選択される、請求
    項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ペプチジル-プロリルイソメラーゼがシクロフィリン、パ
    ルブレン、SurAおよびFK506結合タンパク質から選択される、請求項8に記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 前記ポリペプチドに、分子シャペロンおよびチオール/ジ
    スルフィドオキシドレダクターゼとペプチジル-プロリルイソメラーゼの両方を
    接触させることを含んでなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 チオール/ジスルフィドオキシドレダクターゼがDsbAで、
    ペプチジル-プロリルイソメラーゼがシクロフィリンAである、請求項11に記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 前記接触を還元条件下で行なう、請求項1〜12のいずれか
    1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記ポリペプチドが原核細胞、酵母および昆虫細胞から選
    択される宿主細胞において発現されたものである、請求項1〜13のいずれか1項
    に記載の方法。
  15. 【請求項15】 トロンビンおよびその前駆物質から選択されるポリペプチ
    ドの折りたたみを促進させるための、分子シャペロンおよび1種以上のフォール
    ダーゼの使用。
  16. 【請求項16】 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法により得られる
    トロンビンおよびその前駆物質から選択されるポリペプチド。
  17. 【請求項17】 タンパク質の精製における請求項16に記載のポリペプチド
    の使用。
  18. 【請求項18】 異種ポリペプチドの切断における請求項16に記載のポリペ
    プチドの使用。
  19. 【請求項19】 異種ポリペプチドが組換え法で産生されたものである、請
    求項18に記載の使用。
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