JP2003347323A - 接着部材及び半導体装置 - Google Patents

接着部材及び半導体装置

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JP2003347323A
JP2003347323A JP2002152333A JP2002152333A JP2003347323A JP 2003347323 A JP2003347323 A JP 2003347323A JP 2002152333 A JP2002152333 A JP 2002152333A JP 2002152333 A JP2002152333 A JP 2002152333A JP 2003347323 A JP2003347323 A JP 2003347323A
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resin
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Takayuki Matsuzaki
隆行 松崎
Michio Masuno
道夫 増野
Maiko Kaneda
麻衣子 金田
Yoichi Hosokawa
羊一 細川
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Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 F−BGA、BOC構造のCSPにおいて、
テ−プ基板の非配線面との接着性が良好で、吸湿処理前
後における高温接着力が良好であり、また良好な耐はん
だリフロ−性を確保する接着部材を提供するものであ
る。 【解決手段】 接着剤層を有する接着部材であって、9
0゜ピ−ル強度測定を265℃で行った際の半導体パッ
ケ−ジ用基板に対する前記接着部材の接着力が30N/
m以上であり、かつ吸湿処理(温度85℃、湿度85%
及び保持時間12時間)前後の半導体パッケ−ジ用基板
に対する前記接着部材の接着力の比率(吸湿処理後の接
着力/吸湿処理前の接着力)が0.8以上である接着部
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップサイズパッ
ケ−ジ(以下CSPと略)用の接着部材及び前記接着部
材を備える半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報端末機器の軽量・小型化に伴
い、より高密度実装の可能なCSP(チップサイズパッ
ケ−ジ、Chip Size Package)やμBGA(ボ−ルグ
リッドアレイ、Ball Grid Array)と呼ばれる小型パ
ッケ−ジの開発・実用化が進められてきた。CSPの中
でも、F−BGAやBOC等のパッケ−ジは特に注目さ
れているパッケ−ジ構造の一つである。
【0003】また実装基板の接続信頼性は、最も重要な
項目の一つであるが、CSPでは接続信頼性確保のため
に、多くの構造が提案されて実用化されている。例えば
μBGAでは半導体チップとインターポーザと呼ばれる
配線基板との間に熱膨張率差から生じる熱応力を低減す
るための絶縁性の接着剤が用いられている。
【0004】さらに近年、鉛フリ−化の動きが特に活発
になっている。環境対応の一環である鉛フリ−化の進行
には、はんだ材質の変更が不可欠であり、様々な鉛代替
えのはんだ材料が提案されている。しかしながら、これ
ら新規なはんだ材料は接続時の温度条件が高温になるた
め、パッケ−ジに対しても高いレベルの耐熱性を要求す
る事となる。当然、接着剤に関しても高温領域でも充分
な接着性、フィルム強度を確保できる対応は不可欠とな
っており、F−BGA、BOC等のパッケ−ジにおいて
も、耐はんだリフロ−性の要求は大きくなっている。
【0005】鉛フリ−対応のパッケ−ジにおいては、JE
DEC LEVEL1の吸湿条件(85℃、85%RH、処理時
間168時間)において265℃での耐はんだリフロ−
性を要求される場合も少なくなく、非常にレベルの高い
要求値となっている。
【0006】また一般的なCSPでは、基板とチップの
電気的接続を目的にワイヤーボンディング作業が行われ
る。ワイヤーボンディング作業は高温条件で、正確な位
置にリード線を接続できる事が要求され、高温条件下で
の接着部材の剛性確保が要求される。
【0007】F−BGA、BOC構造のCSP半導体パ
ッケ−ジにおいて、耐はんだリフロ−性を十分に確保で
きる事を目指して、従来の接着剤を適用しようとしてき
たが下記の様な問題点を生じた。
【0008】例えば、F−BGA構造のCSPにおい
て、サ−キットアウトタイプで配線基板の配線パタ−ン
のない平滑面と半導体チップ間に接着剤を介在させる構
造では、85℃、85RH%、12hrの吸湿処理後に
パッケ−ジの耐はんだリフロ−性試験を評価した際に、
接着剤/配線基板間で剥離を多発した。この原因として
は、リフロ−処理前の吸湿処理段階で吸湿処理後の高温
接着力が著しく低下する事により、接着剤/配線基板間
での剥離を生じている事が確認された。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、F−BGA、BOC構造のCSP、特にF−BGA
構造のCSPにおいて、テ−プ基板の非配線面との接着
性が良好で、吸湿処理前後の高温接着力の測定値が吸湿
処理後/吸湿処理前の比率で0.8以上であり良好な耐
はんだリフロ−性を確保する接着部材を提供するもので
ある。請求項2記載の発明は、請求項1の発明の効果を
奏し、さらにテ−プ基板の非配線面とのアンカ−効果に
より、テ−プ基板と接着剤の熱圧着後に良好な界面接着
性を確保し、耐はんだリフロ−性を確保する接着部材を
提供するものである。請求項3記載の発明は、請求項1
〜2の発明の効果を奏し、さらに接着剤のべたつき性を
確保し、テ−プ基板との界面接着性を確保し、耐はんだ
リフロ−性を確保する接着部材を提供するものである。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の発明の効果を奏し、さらに接着力に優れ
た接着部材を提供するものである。請求項5記載の発明
は、請求項4記載の発明の効果を奏し、より接着力に優
れた接着部材を提供するものである。請求項6記載の発
明は、請求項4〜5記載の発明の効果を奏し、より接着
力に優れた接着部材を提供するものである。請求項7記
載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の効
果を奏し、接着力と応力緩和性とのバランスに優れた接
着部材を提供するものである。請求項8記載の発明は、
請求項7に記載の発明の効果を奏し、より応力緩和性に
優れ、特に被着体と接着部材の界面密着性の良好な接着
部材を提供するものである。請求項9記載の発明は、請
求項7〜8に記載の発明の効果を奏し、より応力緩和
性、被着体との界面密着性に優れた接着部材を提供する
ものである。請求項10記載の発明は、請求項1〜9の
いずれかに記載の発明の効果を奏し、高温条件下で高い
剛性を有し、且つ接着力に優れた接着部材を提供するも
のである。
【0011】請求項11記載の発明は、請求項1〜6お
よび10のいずれかに記載の発明の効果を奏し、より応
力緩和性に優れ、特に被着体と接着部材の界面密着性の
良好な接着部材を提供するものである。請求項12記載
の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載の発明の効
果を奏し、さらにパッケ−ジの電気接続性を確保するた
めに、応力緩和性に優れる接着部材を提供するものであ
る。請求項13記載の発明は、請求項1〜12のいずれ
かの発明の効果を奏し、パッケ−ジ構造に応じた厚みを
有する接着部材であり、且つ剛性に優れ、取り扱い性の
良好な接着部材を提供するものである。請求項14記載
の発明は、請求項1〜13のいずれかに記載の発明の効
果を奏し、さらに製造、運搬、梱包、保存時における接
着剤層への汚れ付着、傷、シワ等を生じにくい接着部材
を提供するものである。請求項15記載の発明は、請求
項1〜14のいずれかに記載の発明の効果を奏し、高温
条件下で一定の剛性を保ち、リ−ド線のワイヤボンディ
ング性確保や耐はんだリフロ−性を確保する接着部材を
提供するものである。
【0012】請求項16記載の発明は、耐はんだリフロ
−性に優れた半導体搭載装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、F−BGA、
BOC構造用の接着部材で、配線基板と半導体チップ間
に接着部材を有した構造で、特に配線基板の非配線面と
チップ間に接着剤層を有する構造において、吸湿処理前
後の高温接着力の低下が小さく、耐はんだリフロ−性を
確保できる接着部材及びこれを用いた半導体装置に関す
る。
【0014】すなわち、本発明は、接着剤層を有する接
着部材であって、90゜ピ−ル強度測定を265℃で行
った際の半導体パッケ−ジ用基板に対する前記接着部材
の接着力が30N/m以上であり、かつ吸湿処理(温度
85℃、湿度85%及び保持時間12時間)前後の半導
体パッケ−ジ用基板に対する前記接着部材の接着力の比
率(吸湿処理後の接着力/吸湿処理前の接着力)が0.
8以上である接着部材に関する。また本発明は、半導体
パッケ−ジ用基板に対する熱圧着後の接着力が100N
/m以上である上記接着部材に関する。また本発明は、
接着剤層のタック性が25℃以上の温度条件下で0.2
g/mm以上である上記接着部材に関する。
【0015】また本発明は、接着剤層が熱硬化性樹脂を
含有してなる上記接着部材に関する。また本発明は、熱
硬化性樹脂がエポキシ樹脂である上記接着部材に関す
る。また本発明は、熱硬化性樹脂がエポキシ基含有アク
リ−ル系共重合体を含む上記接着部材に関する。また本
発明は、接着剤層が熱可塑性樹脂を含有してなる上記接
着部材に関する。また本発明は、熱可塑性樹脂のTgが
200℃以下である上記接着部材に関する。また本発明
は、熱可塑性樹脂がポリイミド樹脂を含む上記接着部材
に関する。また本発明は、接着剤層がフィラ−成分を含
有してなる上記接着部材に関する。また本発明は、接着
剤層がエポキシ樹脂を25〜75重量部および硬化剤を
75〜25重量部の割合で含有し、さらに前記エポキシ
樹脂およびその硬化剤の総重量(100重量部)に対し
て、グリシジル(メタ)アクリレ−ト2〜6重量%を含
むTgが−10℃以上でかつ重量平均分子量が20万以
上であるエポキシ基含有アクリル共重合体100〜20
0重量部;硬化促進剤0.1〜10重量部;カップリン
グ剤0.1〜10重量部;無機フィラ−2〜30重量
部;を含有する上記接着部材に関する。
【0016】また本発明は、接着剤層のみからなる上記
接着部材に関する。また本発明は、コア材の両面に、直
接又は他の層を介して接着剤層を積層した多層構造を有
してなる上記接着部材に関する。また本発明は、さらに
接着剤保護層を有してなる上記接着部材に関する。
【0017】また本発明は、配線基板と半導体チップ間
に接着部材を備える半導体装置であって、前記接着部材
が上記接着部材である半導体装置に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1(I)〜(III)に本発明の接
着部材の例を断面図で示す。本発明の接着部材1は図1
(I)に示すように接着剤層2が単層で形成されていて
もよいし、図1(II)に示すように、コア材3の両面に
接着剤層1が形成されていてもよい。また、コア材3と
接着剤層2との間に、例えば他の接着剤層、補強層等の
他の層を介していてもよい。
【0019】多層構造の接着部材に使用する上記コア材
としては、有機物、無機物どちらも際限なく使用するこ
とができる。有機物のコア材としては例えば、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエー
テルスルホン等のポリマーをフィルム状に形成したも
の、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフ
ルオロエチレンとのコポリマー、テトラフルオロエチレ
ンとヘキサフルオロプロピレンのコポリマー、パーフル
オロアルコキシエチレンとテトラフルオロエチレンのコ
ポリマー等のコポリマー、液晶ポリマーなどが挙げられ
る。より具体的には、例えば、宇部興産株式会社製のユ
ーピレックス25SGA、25SPA等が挙げられる。
また、無機物のコア材としては、例えばシリコンウェ
ハ、シリコンチップ、ガラス等が挙げられる。有機物の
コア材は樹脂フィルムの形状であることが好ましく、無
機物のコア材は平板状のものを用いることが好ましい。
【0020】また、本発明の接着部材1は図1(III)
に示すように、その接着剤層2を塵等による汚染や、運
搬時の衝撃等による損傷などから守る目的で接着剤保護
層4を有していてもよい。また、本発明の接着部材を長
尺のシート状として得る場合、接着部材を巻芯に巻き付
けたとき、接着剤層同士がくっついてしまうことを避け
るための手段としても有効であり、この場合接着剤保護
層4はどちらかの接着剤層にのみ被せられていてもよ
い。
【0021】図2は本発明の一実施例を示すF−BGA
タイプのCSP13の構造断面図を示す。半導体搭載用
配線基板5の非配線面側と半導体チップ6間に、本発明
の接着部材1が介在している。配線基板5の配線面側に
保護用のレジスト9で覆われた、配線8がはんだボ−ル
10を介してマザ−ボ−ド12と電気的に接続されてい
る。
【0022】接着部材に求められる特性としては、耐は
んだリフロ−性試験時の吸湿処理条件、IRリフロ−加
熱処理条件によらず、配線基板の非配線面と半導体チッ
プとの接着性確保が必要となる。特に鉛フリ−対応材は
はんだリフロ−温度を上昇させ、PKG信頼性の確保が
困難となる傾向にある上、リフロ−試験前の吸湿処理条
件もより過酷な条件でパッケ−ジ信頼性を評価する事が
今後益々一般化してくる事が予測される。
【0023】鉛フリ−対応材で、過酷な吸湿処理条件下
での耐はんだリフロ−性評価において、パッケ−ジ信頼
性を確保するには、配線基板、半導体チップとの高い接
着力保持、それも吸湿処理後の高温条件下での接着力を
確保する事が必要となる。接着部材に求められる特性と
しては、高温条件下での接着剤自体のバルク強度の確保
と被着体に対する界面接着性をバランス良く確保する事
が必要となる。
【0024】上記の理由から、本発明の接着部材は、半
導体パッケ−ジ用配線基板及び半導体チップに対する9
0゜ピ−ル強度測定に於ける接着力が、測定温度265
℃の条件下で30N/m以上であり、且つ温度85℃、
湿度85%、処理時間12時間の吸湿処理後に、同じく
測定温度265℃の条件下で測定した場合の接着力が、
吸湿処理後の接着力/吸湿処理前の接着力の比率で0.
8以上の接着部材である。より好ましくは、半導体パッ
ケ−ジ用配線基板及び半導体チップに対する接着力が、
測定温度265℃の条件下で60N/m以上であり、吸
湿処理前後の接着力比率が0.9以上である。
【0025】また本発明の接着部材は、耐はんだリフロ
−性確保のため、アンカ−効果により配線基板と接着剤
の仮貼り段階の界面接着力を確保するため、半導体パッ
ケ−ジ用基板に対する熱圧着後の接着力が100N/m
以上であり、150N/m以上の接着力であればより好
ましい。熱圧着とは、配線基板に接着部材を短時間の熱
履歴で貼付を行い、接着部材の位置決めを行う工程であ
り、この工程後に半導体チップのダイボンド工程が行わ
れるのが一般的である。またここに記載した接着力と
は、被着体に1MPa、120℃、2秒の条件で熱圧着
した場合の90゜ピ−ル強度測定に於ける接着力を示
す。
【0026】また本発明の接着部材は、耐はんだリフロ
−性確保のために、接着剤の粘着性を確保し、配線基板
との界面接着性を確保するため、接着剤層のタック性が
25℃以上の温度条件下で0.2g/mm2以上である
接着部材であり、タック性が20以上であればより好ま
しい。ここに記載したタック性とはレスカ製タックテス
タ−TAC-IIを用い、直径5mmの金属プロ−ブを100gf
の荷重で1秒間接地させた後、120mm/分の速度でプ
ロ−ブを引き上げた際の粘着力を示す。
【0027】また、本発明の接着部材は、高温条件下で
の硬度が確保されていることが好ましい。これはワイヤ
ーボンディング時に高温状態におかれるため、接着部材
又は接着剤層が高温条件下で軟らかすぎると、ワイヤー
ボンディング時の位置ズレ、ボンディング不良等を引き
起こす原因となるためである。従って、本発明の接着部
材の接着剤層は、高温条件下での硬度が確保できる物で
あれば、接着剤の種類としては熱硬化性、熱可塑性の種
類を問う物ではない。
【0028】上記の理由から、本発明の接着部材は、そ
の加熱硬化後の弾性率が、200℃条件下で1MPa以
上であることが好ましく、3MPa以上であることがよ
り好ましい。 また、弾性率の上限としては、200℃
条件下で1000MPa以下であることが好ましく、5
00MPa以下であることがより好ましく、300MP
a以下であることが特に好ましい。上記弾性率の好まし
い範囲の組み合わせは、接着される半導体チップの大き
さや、貼付条件、貼付順序等によって適宜選択される。
【0029】本発明の接着部材を多層構造の接着部材と
して得る場合、コア材の厚み及び両面の接着剤の厚みは
各々自由に変更し、組み合わせる事ができる。コア材の
厚み範囲は25〜150μm、接着剤層の厚み範囲は5
〜100μmの範囲が好ましく、コア材の厚み範囲は2
5〜75μm、接着剤層の厚み範囲は10〜75μmが
より好ましい。
【0030】多層構造の接着部材の製造は、基材の両面
に接着剤層を熱ラミネーションで貼り合わせることによ
り得ることが出来る。熱ラミネーション条件は圧力、温
度条件により接着剤層の厚み変化を伴わない条件が好ま
しく、ラミネーション温度は50〜200℃、圧力は
0.5N/cm〜10N/cmが好ましく、ラミネーシ
ョン温度は80〜150℃、圧力は2N/cm〜5N/
cmの範囲がより好ましい。
【0031】本発明で使用する接着剤の接着剤層は、良
好な接着力を持たせるために、熱硬化性樹脂を含むこと
が好ましい。このような化合物としては、例えば、エポ
キシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェ
ノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹
脂、アクリール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリ
ールフタレート樹脂、シリコーン樹脂、レゾルシノール
ホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ケトン樹脂、トリアリールシアヌレー
ト樹脂、ポリイソシアネート樹脂、トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌラートを含有する樹脂、トリア
リールトリメリタートを含有する樹脂、シクロペンタジ
エンから合成された樹脂、芳香族ジシアナミドの三量化
による熱硬化性樹脂等が挙げられる。中でも、高温にお
いて優れた接着力を持たせることができる点で、エポキ
シ樹脂、シアネート樹脂及びビスマレイミド樹脂が好ま
しく、エポキシ樹脂がより好ましい。なお、これら熱硬
化性樹脂は単独又は二種類以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0032】上記エポキシ樹脂としては、高Tg化を目
的に多官能エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。このよ
うな多官能エポキシ樹脂としては、例えば、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂は、日本化薬株式会社から、EPPN−20
1という商品名で市販されている。また、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂は、住友化学工業株式会社か
ら、ESCN−001、ESCN−195という商品名
で、また、前記日本化薬株式会社から、EOCN101
2、EOCN1025、EOCN1027という商品名
で市販されている。さらに、東都化成株式会社からYD
CN−703という商品名で市販されている。
【0033】またフィルムの熱流動性を確保するため
に、エポキシ樹脂としては、2官能以上で、好ましくは
分子量が5000未満、より好ましくは分子量3000
未満のエポキシ樹脂を用いるのも好ましい。二官能エポ
キシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、F
型、AD型、AF共重合型、S型等のビスフェノール樹
脂などが挙げられ、これらは単独で又は二種類以上を組
み合わせて使用することができる。上記ビスフェノ−ル
A型、ビスフェノ−ルF型液状樹脂としては、例えば、
東都化成株式会社から、YD8125、YDF170と
いう商品名で市販されている。
【0034】熱硬化性樹脂を使用する場合、硬化剤を併
用することが好ましく、さらに硬化促進剤を併用するこ
とが好ましい。
【0035】上記硬化剤としては、熱硬化性樹脂の硬化
剤として通常用いられているものを使用することがで
き、例えば、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスル
フィッド、三弗化硼素及びフェノール性水酸基を1分子
中に2個以上有する化合物であるビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。中
でも、特に吸湿時の耐電食性に優れるためフェノールノ
ボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂又はクレ
ゾールノボラック樹脂を用いるのが好ましい。また低吸
水性の良好なフェノ−ルキシレングリコ−ルジメチルエ
−テルの縮合物の使用も好ましい。
【0036】このような好ましい硬化剤としては、例え
ば、大日本インキ化学工業株式会社から、フェノライト
LF2882、フェノライトLF2822、フェノライ
トTD−2090、フェノライトTD−2149、フェ
ノライトVH4150、フェノライトVH4170とし
て、三井化学株式会社よりミレックス XLC−LL、
XLC−4Lという商品名で市販されている。
【0037】上記硬化促進剤としては、熱硬化性樹脂を
硬化させるものであれば特に制限はなく、例えば、イミ
ダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジ
ヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニル
ホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4
−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−テト
ラフェニルボレート等が挙げられ、中でも高い反応促進
性を示す点でイミダゾール類を用いるのが好ましい。
【0038】上記イミダゾール類としては、例えば、2
−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムト
リメリテート等が挙げられる。
【0039】イミダゾール類は、四国化成工業株式会社
から、2E4MZ、2PZ−CN、2PZ−CNSとい
う商品名で市販されている。硬化促進剤は接着剤の硬化
を必要以上に進ませず、長期安定性を確保する点から熱
硬化性樹脂と硬化剤の合計100重量部に対して、0.
02〜10重量部の範囲で添加することが好ましい。
【0040】本発明の接着部材の接着剤層には、さらに
被着体との界面密着性、保存安定性、低荷重での良好な
貼り付け性確保の目的で熱可塑性樹脂を使用することが
好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、
ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホ
ン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテ
ルケトン樹脂、アクリール系樹脂等が挙げられ、高い接
着力が得られる点でフェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂が
好ましい。
【0041】上記フェノキシ樹脂とは、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーから求められた重量平均分子
量が5000以上の高分子量エポキシ樹脂を示し、エポ
キシ樹脂と同様に、ビスフェノールA型、F型、AD
型、AF共重合型、S型等の種類が挙げられる。重量平
均分子量は5,000〜150,000のものが好まし
く、10,000〜80,000のものが溶融粘度や他
の樹脂との相溶性等の点からより好ましい。
【0042】上記ポリイミド樹脂は、通常、テトラカル
ボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒中で縮合反応さ
せて製造できる。テトラカルボン酸二無水物とジアミン
は等モル又はほぼ等モルで用いるのが好ましく、各成分
の添加順序は任意である。
【0043】この場合、まずポリアミド酸が生成し、さ
らに加熱することで脱水閉環しポリイミド樹脂が生成す
る。なお、本発明においてポリイミド樹脂とは、ポリイ
ミド及びその前駆体を総称する。ポリイミドの前駆体に
は、ポリアミド酸のほか、ポリアミド酸が部分的にイミ
ド化したものがある。
【0044】用いる有機溶媒としては、原料及び生成す
るポリイミドを完全に溶解すれば特に制限はなく、例え
ば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N
−メチル−2−ピロリードン、ジメチルスルホキシド、
ヘキサメチルホスホリールアミド、m−クレゾール、o
−クロルフェノール等が挙げられる。
【0045】反応初期の反応温度は0〜80℃が好まし
く、0〜50℃がより好ましい。反応が進行しポリアミ
ド酸が生成するにつれ反応液の粘度が徐々に上昇する。
ポリイミド樹脂は、生成したポリアミド酸を加熱処理又
は化学的処理により、脱水閉環させて得ることができ
る。
【0046】加熱処理の場合の反応温度は、用いる原料
によって変化するが、120〜250℃が好ましい。ま
た反応は、脱水反応で生じる水を系外に除去しながら行
うことが好ましい。この際、ベンゼン、トルエン及びキ
シレン等を用いて水を共沸除去してもよい。
【0047】化学的方法で脱水閉環させる場合は、脱水
剤として、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水
安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド等のカルボジイミド化合物などを用いる。このとき必
要に応じて、例えば、ピリジン、イソキノリン、トリメ
チルアミン、アミノピリジン、イミダゾール等の閉環触
媒を用いてもよい。閉環剤又は閉環触媒は、テトラカル
ボン酸二無水物1モルに対し、各々1〜8モルの範囲で
使用するのが好ましい。
【0048】使用できるテトラカルボン酸二無水物とし
ては、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−
ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,
3′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水
物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プ
ロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシ
フェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−
ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,
4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無
水物、3,4,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,2′,3−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,
5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6
−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボ
ン酸二無水物、2,7−ジクロルナフタレン−1,4,
5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−
テトラクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカル
ボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−
テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6
−テトラカルボン酸二無水物、チオフェニン−2,3,
4,5−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,
3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
2,3,2′,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチル
シラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,
4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリ
ール)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジ
シクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメ
リテート無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水
物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカ
ルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,
5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6
−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−
2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス
(エキソ−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−2,3−
ジカルボン酸二無水物)スルホン、ビシクロ〔2,2,
2〕オクト(7)−エン、2,3,5、6−テトラカル
ボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−
ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニ
ル〕ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4′−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフ
ィド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフ
ルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸二
無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロシヘキサフルオロ
イソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸二無水
物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリール)
−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水
物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカル
ボン酸二無水物、下記一般式(1)
【化1】 (ただし、nは2〜20の整数を示す)で表されるテト
ラカルボン酸二無水物及び下記一般式(2)
【化2】 で表されるテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、中
でも、接着フィルムに低温接着性を付与できる点で上記
一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物が好
ましく、耐湿信頼性に優れる点で上記一般式(2)で表
されるテトラカルボン酸二無水物が好ましい。これらテ
トラカルボン酸二無水物は単独で又は二種類以上を組み
合わせて使用することができる。
【0049】また、上記一般式(1)で表されるテトラ
カルボン酸二無水物の含量は、全テトラカルボン酸二無
水物に対して30モル%以上が好ましく、低温接着性に
優れる点で50%以上がより好ましく、70%以上が極
めて好ましい。
【0050】上記一般式(1)のテトラカルボン酸二無
水物は、例えば、無水トリメリット酸モノクロライド及
び対応するジオールから合成することができ、具体的に
は1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート二無水
物)、1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート
二無水物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメ
リテート二無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス
(トリメリテート二無水物)、1,6−(ヘキサメチレ
ン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,7−(ヘプ
タメチレン)ビス(トリメリテートニ無水物)、1,8
−(オクタメチレン)ビス(トリメリテート二無水
物)、1,9−(ノナメチレン)ビス(トリメリテート
二無水物)、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメ
リテート二無水物)、1,12−(ドデカメチレン)ビ
ス(トリメリテート二無水物)、1,16−(ヘキサデ
カメチレン)ビストリメリテート二無水物、1,18−
(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート二無水
物)等が挙げられ、これらは単独で又は二種類以上を組
み合わせて使用することができる。
【0051】また、上記一般式(2)で表されるテトラ
カルボン酸二無水物の含量は、全テトラカルボン酸二無
水物に対して30モル%以上が好ましく、接着剤組成物
に耐湿信頼性を付与できる点で50%以上がより好まし
く、70%以上が極めて好ましい。
【0052】上記ポリイミド樹脂の原料ジアミンとして
は、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミ
ノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミ
ノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジア
ミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジ
アミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−
ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン等の
脂肪族ジアミン、o−(又はm−、p−)フェニレンジ
アミン、3,3′−(又は3,4′−)ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3′−(又は3,4′−)ジアミノジフェニル
メタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,
3′−(又は3,4′−、4,4′−)ジアミノジフェ
ニルジフルオロメタン、3,3′−(又は3,4′−、
4,4′−)ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−
(又は3,4′−、4,4′−)ジアミノジフェニルス
ルフィド、3,3′−(又は3,4′−、4,4′−)
ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノ
フェニル)プロパン、2,2′−(3,4′−ジアミノ
ジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4′−ジアミ
ノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,
3−(又は1,4−)ビス(3−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、3,3′−(1−フェニレンビス(1−メチルエチ
レリデン))ビスアニリン、3,4′−(1,4−フェ
ニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、
4,4′−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチ
リデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(4−アミノ
フェニキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス
(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィ
ド、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ス
ルフィド、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル)スルホン等の不飽和結合含有ジアミン、下記一
般式(3)
【化3】 (式中、Q1及びQ2は各々独立に炭素数が1〜5のアル
キレン基、又は置換基を有していてもよいフェニレン基
を示し、Q3、Q4、Q5及びQ6は各々独立に炭素数1〜
5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、
mは1〜50の整数を示す)で表されるシロキサン系ジ
アミンなどが挙げられ、中でも上記一般式(3)で表さ
れるジアミンが、接着剤組成物に加熱硬化後の低応力性
及び低温接着性を付与できる点で好ましい。これらのジ
アミンは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用する
ことができる。
【0053】上記一般式(3)のシロキサン系ジアミン
としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、
1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4
−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テト
ラフェニル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロ
キサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビ
ス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,
3−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)
ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3
−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,
3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノブチ
ル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメト
キシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサ
ン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−
ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,
5,5−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−
ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,
5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5
−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,
5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5
−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,
1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,
5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,
1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,
5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,
1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,
5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,
1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3
−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,
5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロ
ピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキ
サプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリ
シロキサン、下記式で表されるシロキサンジアミン等が
挙げられ、これらは単独で又は二種類以上を組み合わせ
て使用することができる。
【0054】
【化4】
【0055】上記一般式(3)で表されるシロキサン系
ジアミンの含量は、全ジアミンに対して3モル%以上が
好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以
上が極めて好ましい。ジアミンの含量が3モル%未満で
あると、低吸湿性、低温接着性及び加熱硬化後の低応力
性等の特性を発揮できない傾向がある。
【0056】本発明の接着部材に用いる熱可塑性樹脂は
良好な貼り付け性確保の目的で、Tgが200℃以下の
熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
【0057】本発明の接着部材の接着剤層は、エポキシ
基含有アクリール系共重合体を使用することもできる。
エポキシ基含有アクリール共重合体は熱硬化性と熱可塑
性の両方を持ち合わせるため、接着剤としての接着力
と、緩衝剤としての応力緩和性に優れる。
【0058】上記エポキシ基含有アクリール系共重合体
としては、グリシジル(メタ)アクリレートを含み、か
つ重量平均分子量が200000以上である物が好まし
く、中でもグリシジル(メタ)アクリレートを2〜6重
量%を含むものがより好ましく、さらにTgが−10℃
以上であるものが特に好ましい。
【0059】このようなアクリール系共重合体としては
帝国化学産業株式会社から市販されている商品名HTR
−860P−3を使用することができる。エポキシ基含
有アクリール系共重合体の重量平均分子量は、シート
状、フィルム状での強度や可撓性の低下やタック性の増
大が少ない点で、200000以上、特に400000
〜800000の範囲が好ましい。
【0060】前記エポキシ基含有アクリール系共重合体
は、エポキシ樹脂と併用して用いる事が好ましい。エポ
キシ樹脂が25〜75重量部で硬化剤が75〜25重量
で合計100重量部に対し、250重量部以下であるこ
とが好ましく、200重量部以下であることがより好ま
しい。エポキシ基含有アクリール系共重合体の添加量が
多いとゴム成分量が多くなり、フィルム強度の低下やタ
ック性が大きくなり、取扱い性の低下を生じる傾向があ
る。
【0061】本発明の接着部材の接着剤層には、さらに
カップリング材を使用することもできる。このようなカ
ップリング剤としては、例えば、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤等が挙げられるが、入手が容
易である点でシランカップリング剤が好ましい。上記シ
ランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、
N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン等が挙げられる。
【0062】上記シランカップリング剤は、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランがNCU A−18
7、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランがNC
UA−189、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
がNCU A−1100、γ−ウレイドプロピルトリエ
トキシシランがNCU A−1160、N−β−アミノ
エチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランがNC
U、A−1120という商品名で、いずれも日本ユニカ
−株式会社から市販されており、好適に使用することが
できる。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて
使用することができる。
【0063】カップリング剤の配合量は、添加による効
果や耐熱性及びコストから、熱硬化性樹脂と硬化剤の合
計100重量部に対し0.05〜10重量部を添加する
のが好ましい。
【0064】本発明の接着部材の接着剤層には、さらに
フィラーを添加することもできる。フィラーとしては、
例えば、銀粉、金粉、銅粉、ニッケル粉等の金属フィラ
ー、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、チタニア、ガラ
ス、酸化鉄、セラミック等の無機フィラー、カーボン、
ゴム系フィラー等の有機フィラーなどが挙げられる。
【0065】上記フィラーは所望する機能に応じて使い
分けることができる。例えば、金属フィラーは、接着剤
組成物に導電性、熱伝導性、チキソ性等を付与する目的
で添加され、非金属無機フィラーは、接着フィルムに熱
伝導性、低熱膨張性、低吸湿性等を付与する目的で添加
され、有機フィラーは接着フィルムに靭性等を付与する
目的で添加される。これら金属フィラー、無機フィラー
又は有機フィラーは、単独で又は二種類以上を組み合わ
せて使用することができる。中でも、半導体装置に求め
られる特性を付与できる点で、金属フィラー、無機フィ
ラーが好ましく、金属フィラーの中では銀粉がより好ま
しい。
【0066】無機物のフィラー成分は接着剤の接着特性
を向上させるのに効果的で、日本アエロジル株式会社よ
り R972、R972V、R972CFの製品名で市
販されている。接着特性の確保、弾性率等の他物性との
関係より、フィラーの添加量は0.5〜30体積%であ
ることが好ましく、1〜15体積%であることがより好
ましい。0.5体積%未満であると、破壊靭性向上の効
果が得られない傾向があり。30体積%を超えると接着
性、特に被着体と接着部材の界面密着性が低下する傾向
にある。
【0067】本発明の接着剤を用いて半導体チップとテ
−プ状配線基板を接着させた半導体装置は、高いパッケ
−ジ信頼性を確保する事ができ、高い接続信頼性とワイ
ヤーボンディング性も確保することが出来る。
【0068】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明につ
いて具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定
されるものでないことは言うまでもない。 〈実施例1〉エポキシ樹脂としてクレゾ−ルノボラック
型エポキシ樹脂(エポキシ当量220、東都化成株式会
社製のYDCN−703を使用)55重量部、硬化剤と
してフェノ−ルキシレングリコ−ルジメチルエ−テル縮
合物(三井化学株式会社製XLC−LLを使用)45重
量部にシクロヘキサノンを加え、攪拌混合したワニス
に、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン(日本ユニカ−株式会社製のNUC
A−189を使用)1.5重量部、γ−ウレイドプロピ
ルトリエトキシシラン(日本ユニカー株式会社製のNC
U A−1160を使用)4.5重量部及び、シリカフ
ィラー(日本アエロジル株式会社製のR972V)10
体積%を混合攪拌し、ビーズミル分散処理を行ったのち
エポキシ基含有アクリール系共重合体(帝国化学産業株
式会社製HTR−860−P3を使用)を150重量
部、硬化促進剤として1−シアノエチル−2−フェニル
イミダゾール(四国化成株式会社製 キュアゾ−ル2P
Z−CNを使用)を0.4重量部加えて攪拌混合し、こ
の接着剤の組成物ワニスを得た。このワニスを、キャリ
アフィルムとして厚さ50μmの離形処理したポリエチ
レンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗布し、1
50℃で5分間乾燥して膜厚(キャリアフィルム厚を除
く)が50μmのBステージ状態の塗膜2を形成し、キ
ャリアフィルム3を備えた接着部材1を作製した。作製
したフィルムを15mm幅でスリットし、長さ50mの
リ−ル品を作製した。この接着部材から10mm角の大
きさのテ−プを打ち抜き、それを半導体パッケ−ジ基板
としてのポリイミド材料からなるテ−プ基板に、1MP
a、120℃、2秒の熱圧着条件で熱圧着して試験用テ
ープ基板1を得た。この試験用テープ基板1を170℃
で1時間熱処理を行った後に265℃条件下で90゜ピ
−ル強度測定を行ったところ接着力は100N/mであ
った。また、前記試験用テープ基板1を85℃、85R
H%の条件下で12時間吸湿処理を行った後に265℃
条件下で90゜ピ−ル強度測定を行ったときの接着力は
95N/mであった。また、前記試験用テープ基板1を
前記過熱処理や吸湿処理する前に25℃条件下で90゜
ピ−ル強度測定を行ったところ、接着力は45N/mで
あり、タックテスタ−により25℃条件下でタック性を
測定したところ0.4g/mmであり、動的粘弾性測
定装置を用いて測定した弾性率は35℃で150MP
a、240℃で4MPaであった。
【0069】〈実施例2〉実施例1に用いた接着剤の組
成物ワニスを、キャリアフィルムとして厚さ50μmの
離形処理したポリエチレンテレフタレートフィルムの離
型処理面に塗布し、155℃で5分間乾燥して膜厚が7
5μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キャリアフィ
ルムを備えた接着部材を作製した。作製したフィルムを
15mm幅でスリットし、長さ50mのリ−ル品を作製
した。この接着部材から10mm角の大きさのテ−プを
打ち抜き、それを半導体パッケ−ジ基板としてのポリイ
ミド材料からなるテ−プ基板に、1MPa、120℃、
2秒の熱圧着条件で熱圧着して試験用テープ基板2を得
た。この試験用テープ基板2を170℃で1時間熱処理
を行った後に265℃条件下で90゜ピ−ル強度測定を
行ったところ接着力は120N/mであった。また、前
記試験用テープ基板2を85℃、85RH%の条件下で
12時間吸湿処理を行った後に265℃条件下で90゜
ピ−ル強度測定を行ったときの接着力は115N/mで
あった。また、前記試験用テープ基板2を前記過熱処理
や吸湿処理する前に25℃条件下で90゜ピ−ル強度測
定を行ったところ、接着力は160N/mであり、タッ
クテスタ−により25℃条件下でタック性を測定したと
ころ0.4g/mmであり、動的粘弾性測定装置を用
いて測定した弾性率は35℃で160MPa、240℃
で5MPaであった。
【0070】〈実施例3〉実施例1に用いた接着剤の組
成物ワニスを、キャリアフィルムとして厚さ50μmの
離形処理したポリエチレンテレフタレートフィルムの離
型処理面に塗布し、140℃で5分間乾燥して膜厚が1
2.5μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キャリア
フィルムを備えた接着部材を作製し、基材にユーピレッ
クス25SGA(ポリイミド樹脂、宇部興産株式会社製
/厚み25μm品)を用い、得られた接着部材を圧力
0.5MPa、温度85℃の条件で基材両面に熱ラミネ
ートを行った。この時、接着部材表層には、キャリアフ
ィルムとして用いたポリエチレンテレフタレートを接着
剤層の保護フィルムとしてそのまま残存させ、もう片側
の表層の保護フィルムにはポリエチレンをラミネーショ
ンし、最終的には15mm幅でスリットし、長さ50m
のリ−ル品を作製した。この接着部材から10mm角の
大きさのテ−プを打ち抜き、それを半導体パッケ−ジ基
板としてのポリイミド材料からなるテ−プ基板に、1M
Pa、120℃、2秒の熱圧着条件で熱圧着して試験用
テープ基板3を得た。この試験用テープ基板3を170
℃で1時間熱処理を行った後に265℃条件下で90゜
ピ−ル強度測定を行ったところ接着力は90N/mであ
った。また、前記試験用テープ基板3を85℃、85R
H%の条件下で12時間吸湿処理を行った後に265℃
条件下で90゜ピ−ル強度測定を行ったときの接着力は
90N/mであった。また、前記試験用テープ基板3を
前記過熱処理や吸湿処理する前に25℃条件下で90゜
ピ−ル強度測定を行ったところ、接着力は140N/m
であり、タックテスタ−により25℃条件下でタック性
を測定したところ0.35g/mmであり、動的粘弾
性測定装置を用いて測定した弾性率は35℃で150M
Pa、240℃で4.5MPaであった。
【0071】(比較例1)エポキシ樹脂としてビスフェ
ノ−ルA型エポキシ樹脂(エポキシ当量175、東都化
成株式会社製のYD−8125を使用)20重量部、ク
レゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量22
0、東都化成株式会社製のYDCN−703を使用)4
0重量部、硬化剤としてフェノ−ルノボラック樹脂(大
日本インキ化学工業株式会社製LF2882を使用)4
0重量部にシクロヘキサノンを加え、攪拌混合したワニ
スに、エポキシ基含有アクリール系共重合体(帝国化学
産業株式会社製HTR−860−P3を使用)300重
量部、硬化促進剤として1−シアノエチル−2−フェニ
ルイミダゾール(四国化成株式会社製 キュアゾ−ル2
PZ−CNを使用)0.5重量部、カップリング剤とし
てγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本
ユニカ−株式会社製のNUC A−189を使用)1重
量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(日本
ユニカ−株式会社製のNCU A−1160を使用)1
重量部加えて攪拌混合し、この接着剤の組成物ワニスを
得た。このワニスを用い、キャリアフィルムとして厚さ
50μmの離形処理したポリエチレンテレフタレートフ
ィルムの離型処理面に塗布し、140℃で5分間乾燥し
て膜厚が50μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キ
ャリアフィルムを備えた接着部材を作製した。作製した
フィルムを15mm幅でスリットし、長さ50mのリ−
ル品を作製した。この接着部材から10mm角の大きさ
のテ−プを打ち抜き、それを半導体パッケ−ジ基板とし
てのポリイミド材料からなるテ−プ基板に、1MPa、
120℃、2秒の熱圧着条件で熱圧着して比較試験用テ
ープ基板1を得た。この比較試験用テープ基板1を17
0℃で1時間熱処理を行った後に265℃条件下で90
゜ピ−ル強度測定を行ったところ接着力は25N/mで
あった。また、前記比較試験用テープ基板1を85℃、
85RH%の条件下で12時間吸湿処理を行った後に2
65℃条件下で90゜ピ−ル強度測定を行ったときの接
着力は15N/mであった。また、前記比較試験用テー
プ基板1を前記過熱処理や吸湿処理する前に25℃条件
下で90゜ピ−ル強度測定を行ったところ、接着力は1
60N/mであり、タックテスタ−により25℃条件下
でタック性を測定したところ0.45g/mmであ
り、動的粘弾性測定装置を用いて測定した弾性率は35
℃で200MPa、240℃で2MPaであった。
【0072】(比較例2)比較例1に用いた接着剤の組
成物ワニスを、キャリアフィルムとして厚さ50μmの
離形処理したポリエチレンテレフタレートフィルムの離
型処理面に塗布し、140℃で5分間乾燥して膜厚が1
2.5μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キャリア
フィルムを備えた接着部材を作製し、基材にユーピレッ
クス25SGA(ポリイミド樹脂、宇部興産株式会社製
/厚み25μm品)を用い、得られた接着部材を圧力
0.5MPa、温度85℃の条件で基材両面に熱ラミネ
ートを行った。この時、接着部材表層には、キャリアフ
ィルムとして用いたポリエチレンテレフタレートを接着
剤層の保護フィルムとしてそのまま残存させ、もう片側
の表層の保護フィルムにはポリエチレンをラミネーショ
ンし、最終的には15mm幅でスリットし、長さ50m
のリ−ル品を作製した。この接着部材から10mm角の
大きさのテ−プを打ち抜き、それを半導体パッケ−ジ基
板としてのポリイミド材料からなるテ−プ基板に、1M
Pa、120℃、2秒の熱圧着条件で熱圧着して比較試
験用テープ基板2を得た。この比較試験用テープ基板2
を170℃で1時間熱処理を行った後に265℃条件下
で90゜ピ−ル強度測定を行ったところ接着力は23N
/mであった。また、前記比較試験用テープ基板2を8
5℃、85RH%の条件下で12時間吸湿処理を行った
後に265℃条件下で90゜ピ−ル強度測定を行ったと
きの接着力は12N/mであった。また、前記試験用テ
ープ基板2を前記過熱処理や吸湿処理する前に25℃条
件下で90゜ピ−ル強度測定を行ったところ、接着力は
80N/mであり、タックテスタ−により25℃条件下
でタック性を測定したところ0.15g/mmであ
り、動的粘弾性測定装置を用いて測定した弾性率は35
℃で220MPa、240℃で1.5MPaであった。
【0073】実施例1〜3、比較例1〜2によって得ら
れた接着部材1を用いて、図2に示すような、マザーボ
ード12にはんだボール10を介して配置されたサ−キ
ットアウトタイプのF−BGA構造のCSP(半導体装
置)13を作製した。この半導体装置20において、接
着部材1は半導体チップ6と半導体搭載用配線基板(半
導体パッケージ用基板)5の非配線面間の接着部材とし
て使用され、また配線8とレジスト9が設けられた半導
体搭載用配線基板5と半導体チップ6は、ワイヤ7で配
線(ワイヤーボンド)されると共にワイヤ7は封止材1
1で封止されている。配線8は、はんだボ−ル10を介
してマザ−ボ−ド12と電気的に接続されている。この
半導体装置20を用いて、85℃、85RH%、12時
間吸湿処理後に、265℃条件下での耐はんだリフロ−
性を評価した。接着部材1の寸法は9mm×9mm角、
チップ寸法は10mm×10mm角とした。接着部材1
の貼付条件としては、実施例1〜3についてはテ−プ基
板裏面に1.0MPa、160℃、1秒の条件で貼り付
けを実施し、比較例1〜2については1.5MPa、1
60℃、1秒の条件で貼付を実施した。チップ貼付条件
は共に1.5MPa、160℃、1秒の条件で実施し、
ワイヤ−ボンディング終了後に、170℃、1時間の熱
処理を行った後、樹脂封止を行い評価用のパッケ−ジを
作製した。耐はんだリフロ−性の評価結果を表1に示
す。
【0074】
【表1】
【0075】実施例1〜3の評価結果より、半導体パッ
ケ−ジ用基板に対する90゜ピ−ル強度が、測定温度2
65℃の条件下で30N/m以上であり、且つ温度85
℃、湿度85%、処理時間12時間の吸湿処理後に、同
じく測定温度265℃の条件下で測定した場合の接着力
が、吸湿処理後の接着力/吸湿処理前の接着力の比率で
0.8以上である場合、吸湿、リフロ−処理後に接着部
材と半導体チップ、配線基板との剥離を全く発生せず、
良好な耐はんだリフロ−性が確保できることが確認でき
た。
【0076】これに対し比較例1,2では吸湿処理後、
リフロ−処理後に接着部材と配線基板の剥離を多発する
結果となった。これは吸湿処理に対する接着力保持性が
不足している事による配線基板と接着部材の界面密着性
の低下、及び耐はんだリフロ−性評価時の熱履歴に対す
る接着力不足に起因している。
【0077】実施例1〜3のパッケ−ジを耐はんだリフ
ロ−性評価後、飽和PCT(2.1atm、121℃)
処理後の接着部材と基板、チップとの剥離を断面観察で
評価したが、n=20の評価数において、剥離を発生し
た物は無かった。また同じく温度サイクル性(−55℃
〜125℃/30分)試験をn=20の評価数において
実施したが、1500サイクルまでは接着剤と基板、チ
ップとの剥離は発生しなかった。このことより、はんだ
リフロ−性以外のパッケ−ジ信頼性も充分有していると
評価できる。
【0078】
【発明の効果】本発明は、F−BGA、BOC構造のC
SP、特にF−BGA構造のCSPにおいて、テ−プ基
板の非配線面との接着性が良好で、吸湿処理前後の高温
接着力の測定値が吸湿処理後/吸湿処理前の比率で0.
8以上であり良好な耐はんだリフロ−性を確保する接着
部材を提供でき、耐はんだリフロ−性以外のパッケ−ジ
信頼性も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(I)〜(III)は本発明の接着部材の断面
図である。
【図2】図2は本発明の半導体装置の一実施例としての
F−BGAタイプのCSPの構造断面図である。
【符号の説明】
1 接着部材 2 接着剤層 3 コア材 4 接着剤保護層 5 半導体搭載用配線基板(半導体パッケージ用基板) 6 半導体チップ 7 ワイヤ− 8 配線 9 レジスト 10 はんだボ−ル 11 封止材 12 マザ−ボ−ド 13 CSP(半導体装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 201/00 C09J 201/00 H01L 23/12 501 H01L 23/12 501S 501W (72)発明者 金田 麻衣子 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井事業所内 (72)発明者 細川 羊一 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井事業所内 Fターム(参考) 4J004 AA10 AA11 AA13 BA02 CE01 EA05 FA05 FA08 4J040 DF001 DF002 DF061 EC001 EC061 EC071 ED002 EE062 EH031 EJ012 EJ022 EL052 GA11 HB22 HC01 HC10 HC15 HC23 HD21 HD38 JA09 JB09 KA16 KA17 KA38 KA42 LA06 LA08 MA10 NA20 PA23 5F047 BA33 BA34 BB03

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着剤層を有する接着部材であって、9
    0゜ピ−ル強度測定を265℃で行った際の半導体パッ
    ケ−ジ用基板に対する前記接着部材の接着力が30N/
    m以上であり、かつ吸湿処理(温度85℃、湿度85%
    及び保持時間12時間)前後の半導体パッケ−ジ用基板
    に対する前記接着部材の接着力の比率(吸湿処理後の接
    着力/吸湿処理前の接着力)が0.8以上である接着部
    材。
  2. 【請求項2】 半導体パッケ−ジ用基板に対する熱圧着
    後の接着力が100N/m以上である請求項1記載の接
    着部材。
  3. 【請求項3】 接着剤層のタック性が25℃以上の温度
    条件下で0.2g/mm以上である請求項1又は2記
    載の接着部材。
  4. 【請求項4】 接着剤層が熱硬化性樹脂を含有してなる
    請求項1〜3のいずれかに記載の接着部材。
  5. 【請求項5】 熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求
    項4に記載の接着部材。
  6. 【請求項6】 熱硬化性樹脂がエポキシ基含有アクリー
    ル系共重合体を含む請求項5に記載の接着部材。
  7. 【請求項7】 接着剤層が熱可塑性樹脂を含有してなる
    請求項1〜6のいずれかに記載の接着部材。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂のTgが200℃以下であ
    る請求項7に記載の接着部材。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂がポリイミド樹脂を含む請
    求項7又は8に記載の接着部材。
  10. 【請求項10】 接着剤層がフィラー成分を含有してな
    る請求項1〜9のいずれかに記載の接着部材。
  11. 【請求項11】 前記接着剤層がエポキシ樹脂を25〜
    75重量部及び硬化剤を75〜25重量部の割合で含有
    し、さらに前記エポキシ樹脂及びその硬化剤の総重量
    (100重量部)に対して、グリシジル(メタ)アクリ
    レ−ト2〜6重量%を含むTg(ガラス転移温度)が−
    10℃以上でかつ重量平均分子量が20万以上であるエ
    ポキシ基含有アクリル系共重合体100〜200重量
    部;硬化促進剤0.1〜10重量部;カップリング剤
    0.1〜10重量部;無機フィラ−2〜30重量部;を
    含有する請求項1〜10のいずれかに記載の接着部材。
  12. 【請求項12】 接着剤層のみからなる請求項1〜11
    のいずれかに記載の接着部材。
  13. 【請求項13】 コア材の両面に、直接又は他の層を介
    して接着剤層を積層した多層構造を有してなる請求項1
    〜12のいずれかに記載の接着部材。
  14. 【請求項14】 接着剤保護層を有してなる請求項1〜
    13のいずれかに記載の接着部材。
  15. 【請求項15】 動的粘弾性測定装置を用いて測定した
    場合の接着剤層の貯蔵弾性率が200℃条件下で3MP
    a以上である請求項1〜14のいずれかに記載の接着部
    材。
  16. 【請求項16】 配線基板と半導体チップ間に接着部材
    を備える半導体装置であって、前記接着部材が請求項1
    〜15に記載の接着部材である半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008518087A (ja) * 2004-10-27 2008-05-29 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 粘着性コーティング組成物
JP2009111276A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Namics Corp ダイボンディング用熱硬化性フィルム及びこれを用いた半導体装置の製造方法
KR101194549B1 (ko) 2009-06-12 2012-10-25 삼성전기주식회사 인쇄회로기판의 제조방법

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