JP2003345975A - 知的資本測定システム、知的資本測定方法 - Google Patents

知的資本測定システム、知的資本測定方法

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JP2003345975A
JP2003345975A JP2002154033A JP2002154033A JP2003345975A JP 2003345975 A JP2003345975 A JP 2003345975A JP 2002154033 A JP2002154033 A JP 2002154033A JP 2002154033 A JP2002154033 A JP 2002154033A JP 2003345975 A JP2003345975 A JP 2003345975A
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Hiromitsu Kugisaki
広光 釘崎
Yasuhiko Uchida
恭彦 内田
Reika Sho
麗華 蒋
Tadaaki Hatano
匡章 波田野
Katsuhiko Yoshikawa
克彦 吉川
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    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q40/00Finance; Insurance; Tax strategies; Processing of corporate or income taxes
    • G06Q40/02Banking, e.g. interest calculation or account maintenance

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、企業が有する知的資本を測定しそ
の測定結果を目に見える形で提供することにある。 【解決手段】 本発明に係る情報処理システムは、知的
資本を構成する要素に関する質問及び前記知的資本を構
成する要素に含まれる第1の要素と第2の要素との関係
性に関する質問に対する回答データの入力を受け付ける
入力手段と、回答データを採点するための採点条件を記
憶する第1の記憶手段と、回答データに対する採点結果
を所定のオブジェクトの属性によって表すための出力条
件を記憶する第2の記憶手段と、第1の記憶手段に記憶
された採点条件に従って前記入力された回答データを採
点する採点手段と、第2の記憶手段に記憶された出力条
件に従って前記採点された採点結果に対応する属性を特
定し、該特定された属性を有する前記所定のオブジェク
トを出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、知的資本を測定す
るシステム及び該システムを用いた知的資本の測定方法
に関する。
【0002】
【従来技術】従来、金、土地、物などの有形資産が企業
の競争力を決める時代であった。そして、これらの有形
資産をマネジメントしコントロールするために、さまざ
まな手法やシステムが提案されていた。
【0003】しかし、今日、経済のグローバル化の進
展、IT技術の進化、顧客ニーズの複雑化や多様化に伴
い、市場における競争優位の鍵を握るものが変化してい
る。例えば、技術やノウハウの蓄積、豊かな顧客基盤、
ブランド力、効率的な業務フローなど、企業が独自に持
っている見えない価値(以下、「知的資本」と呼ぶ)
が、企業の競争力の鍵を握るものといわれるようになっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、企業は、市場
における中長期的な競争力を築くためには、上述したよ
うな知的資本を、いかにマネジメントするかが重要な課
題となっている。
【0005】しかしながら、これらの知的資本は、金、
土地、物などの有形資産と異なり目に見えるものではな
い。よって、企業は、自分が保有する知的資本の現状
を、具体的に把握したり評価したりすることが困難であ
る。
【0006】また、これらの知的資本は、各要素が互い
に結びつき相互に作用することで、企業の価値を創造し
ているといわれる。よって、各要素がどのように企業の
価値を創造しているのか、その道筋を把握することがで
きれば、戦略的なマネジメントを行うことが可能であ
る。しかし、現在、このようなマネジメントを行うため
の実用的かつ有効なツールは提案されていない。
【0007】そこで、本発明の第1の課題は、企業が有
する知的資本を測定し、その測定結果を目に見える形で
提供することにある。
【0008】また、本発明の第2の課題は、知的資本に
対する企業の戦略的マネジメントを支援するツールを提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係る情報処理システムは、知的資本を構成す
る要素(例えば、ストック)に関する質問及び前記知的
資本を構成する要素に含まれる第1の要素と第2の要素
との関係性(例えば、フロー)に関する質問に対する回
答データの入力を受け付ける入力手段と、前記回答デー
タを採点するための採点条件を記憶する第1の記憶手段
と、前記回答データに対する採点結果を所定のオブジェ
クト(図形)の属性によって表すための出力条件を記憶
する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶され
た採点条件に従って前記入力された回答データを採点す
る採点手段と、前記第2の記憶手段に記憶された出力条
件に従って前記採点された採点結果に対応する所定のオ
ブジェクトの属性を特定し、該特定された属性に基づい
て前記所定のオブジェクトを出力する出力手段と、を備
える。
【0010】また、前記回答データが、前記要素及び関
係性について第1の観点及び第2の観点から答えるよう
に構成されている場合において、前記第2の記憶手段
は、前記第1の観点に対する回答データの採点結果を前
記オブジェクトの色によって表し、前記第2の観点に対
する回答データの採点結果を前記オブジェクトの大きさ
によって表すための出力条件を記憶し、前記出力手段
は、前記第1の観点及び第2の観点に対する採点結果に
基づいて前記オブジェクトが表示されるべき色及び大き
さを特定し、該特定された色及び大きさを有する所定の
オブジェクトを出力することを特徴とする。
【0011】また、前記第1の観点は、前記要素及び関
係性の現状に関するものであり、前記第2の観点は、前
記要素及び関係性の重要度に関するものであることを特
徴とする。
【0012】また、前記出力手段は、前記要素に対応す
る略円形のオブジェクトを所定の位置に配置し、前記関
係性に対応する矢印のオブジェクトを前記略円形のオブ
ジェクト間の関係性を示すように配置することを特徴と
する。
【0013】また、本発明に係る知的資本の測定方法
は、知的資本を構成する要素に関する質問及び前記知的
資本を構成する要素に含まれる第1の要素と第2の要素
との関係性に関する質問に対する回答データの入力を受
け付け、回答データを採点するための採点条件を読み出
し、該読み出された採点条件に従って前記入力された回
答データを採点し、該採点された採点結果を所定のオブ
ジェクトの属性によって表すための出力条件を読み出
し、該読み出された出力条件に従って前記採点された採
点結果に対応する所定のオブジェクトの属性を特定し、
該特定された属性に基づいて前記所定のオブジェクトを
出力することを特徴とする。
【0014】また、前記回答データが、前記要素及び関
係性について第1の観点及び第2の観点から答えるよう
に構成されている場合において、前記出力条件に従っ
て、前記第1の観点及び第2の観点に対する採点結果に
対応する前記オブジェクトが表示されるべき色及び大き
さを特定し、該特定された色及び大きさを有する所定の
オブジェクトを出力することを特徴とする。
【0015】また、前記第1の観点は、前記要素及び関
係性の現状に関するものであり、前記第2の観点は、前
記要素及び関係性の重要度に関するものであることを特
徴とする。
【0016】また、前記要素に対応する略円形のオブジ
ェクトを所定の位置に配置し、前記関係性に対応する矢
印を前記略円形のオブジェクト間の関係性を示すように
配置することを特徴とする。
【0017】また、本発明は、上記記載の知的資本の測
定方法をコンピュータで実行させるための情報処理プロ
グラムでもある。
【0018】また、本発明は、上記記載の知的資本の測
定方法をコンピュータで実行させるための情報処理プロ
グラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
でもある。
【0019】なお、本明細書において、物の発明は方法
の発明として把握することができ、方法の発明は物の発
明として把握することができる。また、上記発明は、コ
ンピュータに所定の機能を実現させるプログラムを記録
した記録媒体、またはプログラムとしても成立する。な
お、前記記録媒体とは、例えば、ハードディスク(H
D)、DVD−RAM、フレキシブルディスク(FD)
やCD−ROM等のほかに、RAMやROM等のメモリ
を含む。また、前記コンピュータとは、例えば、CPU
やMPUといったいわゆる中央処理装置がプログラムを
解釈することで所定の処理を行う、いわゆるマイクロコ
ンピュータ等をも含む。
【0020】また、本明細書において、手段とは、単に
物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する
機能をソフトウェアによって実現する場合やハードウェ
ア回路によって実現する場合も含む。また、1つの手段
が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されて
も、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実
現されても良い。
【0021】さらにまた、本明細書における手段は、ハ
ードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアおよびソ
フトウェアの組み合わせにより実現可能である。ハード
ウェアおよびソフトウェアの組み合わせによる実行は、
例えば、所定のプログラムを有するコンピュータ・シス
テムにおける実行が該当する。そして、1つの手段が有
する機能が2つ以上のハードウェア、ソフトウェアまた
はハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより
実現されても、2つ以上の手段の機能が1つのハードウ
ェア、ソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウ
ェアの組み合わせにより実現されても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。
【0023】[第1の実施の形態]第1の実施の形態で
は、対象者(企業)が有する知的資本を測定し、その測
定結果を目に見える形で表現する知的資本測定システム
について説明する。なお、本実施の形態では、対象者と
して企業を設定しているが、本発明はこれに限られな
い。また、知的資本の測定は、企業全体の活動、戦略ビ
ジネスユニット毎の活動などを1単位として行うことが
できる。
【0024】[機能構成図]図1は、本発明に係る知的
資本測定システムの機能構成を表すブロック図である。
対象者の回答データに基づいて、対象者が持っている知
的資本を測定するための知的資本測定システム100
は、回答入力手段10、採点処理手段20、採点結果出
力手段30、採点マスタ記憶手段40、採点結果記憶手
段50、出力条件記憶手段60を備えている。
【0025】回答入力手段10は、対象者の回答データ
を受け付けて入力する機能を備える。回答データの入力
は、例えば、所定の記憶媒体から回答データを読み込む
ことにより行うが、通信回線を介して送信される回答デ
ータを受信するようにしてもよい。入力された回答デー
タは、採点マスタ記憶手段40に記憶される。
【0026】採点処理手段20は、採点マスタ記憶手段
40に記憶された各テーブルを参照しながら回答データ
を所定の条件に従って統計処理し、対象者の回答を採点
する機能を備える。採点結果は、対象者が有する知的資
本の現状などを数値として表すものである。採点結果
は、採点結果記憶手段50に記憶される。
【0027】採点結果出力手段30は、採点結果記憶手
段50から採点結果を読み出して、数字からなる採点結
果を、出力条件記憶手段60に記憶された出力条件に従
って、所定のオブジェクト(図形)に置き換えて出力す
る。ここでは、所定の印刷媒体30aに印刷し出力す
る。図形等への置き換えは、予め設定された条件に従っ
て行われる。
【0028】採点マスタ記憶手段は、回答データを採点
するための採点条件を記憶する。採点マスタ記憶手段が
有するテーブルの詳細については、後述する。採点結果
記憶手段50は、採点処理手段20により採点された採
点結果を記憶する。出力条件記憶手段60は、採点結果
(得点データ)を所定の表現形式で出力するための出力
条件を記憶する。
【0029】[知的資本測定方法の概要]ここで、知的
資本を測定するための本実施形態におけるアプローチに
ついて図2を用いて説明する。まず、本実施形態では、
知的資本を2つの尺度で把握する。第1の尺度(以下、
「ストック」という。)は、知的資本の特性や量をとら
えるための尺度である。第2の尺度(以下、「フロー」
という。)は、価値創造の実現を測る尺度であり、具体
的には、価値創造活動においてストックが実際に利用さ
れているか否か、そしてその利用の程度をとらえるため
の尺度である。ストックは、知的資本の特性や量を把握
する静止的な尺度であるのに対し、フローは、価値創造
が行われる道筋を示す動的で複雑な尺度である。
【0030】ストックは、目に見えない価値である知的
資本を可視化するための概念枠組み(フレーム)でもあ
る。本実施形態では、図3に示すように、知的資本をと
らえるための10のストックを定義している。具体的に
は、「顧客資本」、「製品・サービス資本」、「業務プ
ロセス資本」、「ブランド資本」、「知識技術資本」、
「人的資本」、「ビジネスパートナー資本」、「組織人
事制度資本」、「組織文化資本」、「マネジメント資
本」が該当する。また、知的資本の測定のため、財務資
本として2つのストックを定義している。具体的には、
「金銭資本」、「物的資本」が該当する。
【0031】知的資本測定システム100は、回答デー
タに基づいて、対象者が有する各ストックについて、そ
れぞれの量(大きさ)を測定する。よって、回答者は、
測定結果に基づいて、どのストックが豊かであり(充実
しているか)、どのストックが豊かでないか(充実して
いないか)を、判断することが可能になる。
【0032】一方、フローは、資本増殖の流れを示すも
のであり、ストックに加わる投資の流量であるといえ
る。例えば、ストックの量を測定することにより、「人
的資本が豊かである」というような情報を得ることがで
きる。しかし、この情報だけでは、「人的資本からどの
程度の価値が生み出されているのか」、また、「人的資
本を豊かにするためには何をすればよいのか」、という
判断をすることが困難である。そこで、本実施形態で
は、資本増殖の流れを示すフローを定義することとし、
具体的には、図4に示すように、ある資本が他の資本を
高める活動のルートを予め定義している。
【0033】図4では、他の資本を高める資本を「FR
OM」欄に、他の資本によって高められる資本を「T
O」欄に、それぞれ記載している。例えば、「製品・サ
ービス資本ストック」は、他のストック(金銭資本、顧
客資本、ブランド資本、人的資本)を高めるものであ
る。その一方、他のストック(金銭資本、顧客資本、業
務プロセス資本、ブランド資本、知識技術資本、人的資
本)によって高められるものでもある。なお、図4で
は、12の資本のうちの一例について説明したものであ
る。
【0034】知的資本測定システム100は、回答デー
タに基づいて、各フローの量を測定する。よって、回答
者は、測定結果に基づいて、あるストック(資本)を高
めるための活動がきちんと行われているのか、また、あ
るストックによって他のストックを高める活動が行われ
ているのかを判断することが可能になる。
【0035】また、本実施形態に係る知的資本測定シス
テム100では、知的資本を把握するためのストック及
びフローについて、それぞれ第1の観点(現状)及び第
2の観点(重要度)からそれぞれ測定する。第1の観点
である「現状」によれば、ストックの豊かさ、フローの
活動の現状を測定する。第2の観点である「重要度」に
よれば、ストックの重要性(企業価値を高めていく上
で、どのストックが重要なのか)、フロー活動の重要性
(あるストックを高めるためにどのフローが重要なの
か)を測定する。
【0036】ストック及びフローの現状についての測定
結果は、経営の現状を明らかにし、より良い事業戦略の
形成を支援するための情報となることができる。一方、
ストック及びフローの重要度についての測定結果は、中
長期の成長を目指すべき重点戦略と経営活動との「矛
盾」を指摘し、限られたパワーの適切な配分決定を支援
する情報となることができる。
【0037】そして、知的資本測定システム100は、
ストック及びフローの現状を測定すると、目に見える形
(図形)に再構成して出力する。本実施形態では、「ス
トック」を円で表現し、「フロー」を矢印で表現するよ
うに定義している。ストック及びフローの「現状」につ
いては、測定結果を円及び矢印の「色」で表現するよう
に定義している。ストック及びフローの「重要度」につ
いては、測定結果を円及び矢印の「大きさ(太さ)」で
表現するように定義している。
【0038】このように本発明においては、色を用い
て、その重要度を表し、大きさ(太さ)を用いて、その
現状の程度(豊かさ)を表している。言い換えれば、一
つの表示から、知的資本測定の結果として、4つの情報
(ストックの現状、フローの現状、ストックの重要度、
フローの重要度)を表示することができる。ストックと
フローが同時に表示されていることにより、「ストック
を豊かにしていくために、どのフローを強めていけば良
いかがわかる」、「ストックとフローの影響関係やつな
がりを体系的に把握することで、戦略立案を効果的に支
援することができる」という利点が得られる。この表示
により、例えば、「顧客資本のストックを高めるため
に、業務プロセス資本からのフローを強める」、「その
業務プロセス資本のストックを高めるために、人的資本
からのフローを強める」というような対策を講じること
ができるようになる。
【0039】また、重要度の情報と現状の情報が同時に
表示されることにより、「重要度と現状のギャップを知
ることが把握することができ、戦略立案上の重点課題が
明らかにしやすくなる」という利点が得られる。この表
示により、例えば、「重要(線は太い/丸は大きい)だ
が、現状は不足(色が赤)=重視しているのにうまくい
っていない(重点改善フロー)」という状況を検出する
ことができる。一般に、ストックの程度のみが表示され
た場合、ストックの現状の豊かさを把握することはでき
るが、あるストックが他のストックに及ぼす影響度及び
あるストックを豊かにするためには他の何れのストック
を豊かにすれば良いかを把握することができない。本発
明のように、ストックの豊かさと、あるストックから他
のストックへの影響関係(フロー)、さらにはストック
及びフローの重要度を表示することにより、あるストッ
クを豊かにするために他の何れのストックを豊かにすれ
ば良いかその優先度とともに把握することができる。な
お、4つの情報を表示することができるならば、色及び
大きさの表示種別に限らず、例えば形の変更や数値情報
の付記等の表示種別を利用することができる。
【0040】ここで、図2を用いて、以上のようなアプ
ローチに従い構成される知的資本測定システム100の
動作の流れについて説明する。まず、回答入力手段10
が、回答者の回答データを取り込む(図2(1))。採点
処理手段20が、回答データに基づいて、ストック及び
フローについて、それぞれの現状及び重要度を測定す
る。そして、採点結果出力手段30は、採点結果(得
点)が、どのレベル(例えば、レベル1〜レベル3)に
該当するかを判定し、判定されたレベルに基づいてパラ
メータを特定する(図2(2))。そして、ストック及び
フローを、特定されたパラメータに従い図形及び矢印の
形態で出力する(図2(3))。
【0041】[知的資本測定システムの処理の流れ]次
に、知的資本測定システムにおける処理の流れについ
て、図5〜図10を用いて説明する。図5は、知的資本
測定システムにおける主な処理の流れを示すフローチャ
ートである。なお、回答データは予め採点マスタ記憶手
段40に記憶されているものとする。
【0042】[第1の採点処理]採点処理手段20は、
まず、第1の採点処理を行う(S10)。第1の採点処
理では、ストックの現状を測定する。第1の採点処理の
詳細な流れについて、図6を用いて説明する。
【0043】採点処理手段20は、入力された回答デー
タの中から、該当する回答データを抽出する(S10
1)。ここで、該当する回答データとは、ストックを保
有する現状に関する質問に対する回答をいう。
【0044】図11(A)は、ストックの現状に関する
質問の一例を示す図である。ストックの現状に関する質
問は、12の資本それぞれについて5問ずつ、合計60
問程度の項目で構成されている。また、回答形式は、質
問項目ごとに、5つの選択肢の中から1つを選択する方
式である。
【0045】次に、採点処理手段20は、まず全体結果
の算出を行う。具体的には、回答マスタを参照し、回答
者の回答した選択肢への配点を行う(S102)。尺度
項目テーブルを参照し、項目ごとに平均得点(=項目得
点)及びSD(standard deviation:標準偏差)を算出
する(S103)。
【0046】そして、採点処理手段20は、尺度項目テ
ーブルを参照し、項目得点の平均(=尺度得点)を算出
する(S104)。また、換算テーブルを参照し、尺度
得点に対応する標準得点を算出する(S105)。な
お、回答マスタ、尺度項目テーブル、換算テーブルにつ
いては、後に説明する。
【0047】続いて、採点処理手段20は、回答者結果
の算出を行う。具体的には、回答マスタを参照し、回答
者の回答した選択肢への配点を行う(S106)。尺度
項目テーブルを参照し、対応する項目の平均(=個人の
尺度得点)を算出する(S107)。そして、換算テー
ブルを参照し、尺度得点に対応する標準得点を算出する
(S108)。
【0048】全体結果の算出および回答者結果の算出を
終えると、採点処理手段20は、第1の採点処理の結果
を所定の記憶手段に格納する(S109)。そして、図
5の処理に戻る。
【0049】[第2の採点処理]続いて、採点処理手段
20は、第2の採点処理を行う(S20)。第2の採点
処理では、フローの現状を測定する。第2の採点処理の
詳細な流れについて、図7を用いて説明する。
【0050】採点処理手段20は、入力された回答デー
タの中から、該当する回答データを抽出する(S20
1)。ここで、該当する回答データとは、フローの現状
(資本活用の現状)に関する質問に対する回答をいう。
【0051】図11(B)は、フローの現状に関する質
問の一例を示す図である。フローの現状に関する質問
は、図3にて定義された78本のフローに関するもの
で、合計122問程度の項目で構成されている。また、
回答形式は、質問項目ごとに、6つの選択肢の中から1
つを選択する方式である。
【0052】次に、採点処理手段20は、まず全体結果
の算出を行う。具体的には、回答マスタを参照し、回答
者の回答した選択肢への配点を行う(S202)。尺度
項目テーブルを参照し、項目ごとに平均及びSDを算出
する(S203)。尺度項目テーブルを参照し、項目得
点の平均(=尺度得点)を算出する(S204)。
【0053】続いて、採点処理手段20は、回答者結果
の算出を行う。具体的には、回答マスタを参照し、回答
者の回答した選択肢への配点を行う(S205)。ま
た、尺度項目テーブルを参照し、対応する項目の平均
(=個人の尺度得点)を算出する(S206)。
【0054】全体結果の算出および回答者結果の算出を
終えると、採点処理手段20は、第2の採点処理の結果
を所定の記憶手段に格納する(S207)。そして、図
5の処理に戻る。
【0055】[第3の採点処理]続いて、採点処理手段
20は、第3の採点処理を行う(S30)。第3の採点
処理では、ストックの重要度を測定する。第3の採点処
理の詳細な流れについて、図8を用いて説明する。
【0056】採点処理手段20は、入力された回答デー
タの中から、該当する回答データを抽出する(S30
1)。ここで、該当する回答データとは、ストックの重
要度に関する質問に対する回答をいう。
【0057】図12(A)は、ストックの重要度に関す
る質問の一例を示す図である。質問は、合計25問程度
の項目で構成されている。また、回答形式は、AHP
(Analytic Hierarchy Process)を用いており、2つの
資本を対比させて、どちらの資本がどの程度重要である
かを回答する構成になっている。
【0058】資本の重要性に関する質問は、回答者に各
資本の重要性を回答させることで、回答者が頭の中でど
の資本に重きを置いているかを測定することを目的とし
ている。しかし、評価の対象となる資本は、そもそも重
要なものばかりである。ゆえに、絶対的な重要度の評価
は極めて困難であるといえる。重要度の絶対評価を行っ
た場合、結果的に「どの資本も非常に重要」というメリ
ハリのつかない結果となってしまい、「選択と集中」が
求められる戦略立案において、有効な情報が得られない
状況を招く可能性が高い。従って、絶対的な評価ではな
く、それぞれ重要な資本の中での相対的な重要度の評価
を行うことが望ましい。
【0059】そこで、本実施形態では、AHPによる評
価手法を採用している。AHPとは、一言でいえば、一
対比較をベースとして人間の判断を合理的に統合しよう
とする手法である。このAHPは、米国のサーティ(T.
L.Saaty)によって 1971年に発表された意思決定手法
の一種(階層型意思決定手法)である。海外において
は、軍事・政治問題やプロジェクト選定などの問題解決
場面で広く活用されている。日本では、首都機能移転問
題や社会福祉政策の優先順位決定などの場面等の経営工
学領域において、代表的な意思決定手法の一つとして活
用されている。このようなAHPによれば、各資本の重
要度を効率的にかつ適切に評価することができるように
なる。
【0060】次に、採点処理手段20は、回答データ毎
(1件毎)に一定数以上の設問に回答が入力されている
か否かを判定し、一定数以上の設問に回答が入力されて
いないと判定する場合には、その回答者の回答データを
処理の対象外とする(S302)。例えば、設問全体の
20%以上の設問に回答が入力されていない場合には、
その回答データを処理の対象外とする。
【0061】その後、回答者結果の算出を行う。具体的
には、回答マスタを参照し、回答者の回答した選択肢へ
の配点を行う(S303)。なお、AHP得点の算出に
あたっては、すべての設問に値を与える必要がある。そ
こで、処理の対象となった回答者の回答データのうち、
回答が入力されていない項目については、その後の計算
に影響を及ぼさないような所定の値を与える(無答デー
タの置き換え)。例えば、選択肢「どちらとも言えな
い」に対応する得点を与える。
【0062】また、採点処理手段20は、尺度項目テー
ブル、AHP算出用テーブルをそれぞれ参照し、各項目
が対応する組み合わせ対の得点マトリクス(行列)表を
作成する(S304)。なお、AHP算出用テーブルに
ついては、後に説明する。
【0063】ここで、AHP計算ロジックを用いて、二
段階法による固有ベクトルを算出する(S305)。回
答者結果を算出し(S306)、算出した回答者結果を
ストック重要度データテーブルに格納する(S30
7)。
【0064】次に、採点処理手段20は、全体結果の算
出を行う。具体的には、回答者結果を統合し(S30
8)、統合した回答者結果をストック重要度データとし
て所定の作業領域に格納する(S308)。そして、ば
らつき指標を算出する(S310)。
【0065】回答者結果の算出および全体結果の算出を
終えると、採点処理手段20は、第3の採点処理の結果
を所定の記憶手段に格納する(S311)。そして、図
5の処理に戻る。
【0066】[第4の採点処理]続いて、採点処理手段
20は、第4の採点処理を行う(S40)。第4の採点
処理では、フローの重要度を測定する。第4の採点処理
の詳細な流れについて、図9を用いて説明する。
【0067】採点処理手段20は、入力された回答デー
タの中から、該当する回答データを抽出する(S40
1)。ここで、該当する回答データとは、フローの重要
度に関する質問に対する回答をいう。
【0068】図12(B)は、フローの重要度に関する
質問の一例を示す図である。フローの重要度に関する質
問は、図3にて定義された78本のフローについて、
「12の資本それぞれを高める上で重要な活用資本」を
問う第1の質問群と、「12の資本のそれぞれの重要な
活用方法」を問う第2の質問群からなり、合計158問
程度で構成される。また、回答形式は、質問項目ごと
に、5つの選択肢の中から1つを選択する方式である。
【0069】次に、採点処理手段20は、まず全体結果
の算出を行う。具体的には、2つの質問群に対応する2
種類の回答マスタを参照し、回答者の回答した選択肢へ
の配点を行う(S402)。
【0070】選択肢への配点を行うと、FROM側とT
O側のストックについて、それぞれ処理を行う。まず、
FROM側について、尺度項目テーブルを参照し、項目
ごとに平均及びSDを算出する(S403)。そして、
パラメータテーブル、S308において所定の作業領域
に格納されたストック重要度データを参照し、重要度を
算出する(S404)。
【0071】一方、TO側についても、尺度項目テーブ
ルを参照し、項目ごとに平均及びSDを算出する(S4
05)。パラメータテーブル、S308において所定の
作業領域に格納されたストック重要度データを参照し、
重要度を算出する(S406)。なお、パラメータテー
ブルについては、後に説明する。
【0072】そして、フローの重要度を統合する(S4
07)。具体的には、FROM側とTO側の値を平均す
る。そして、ばらつき指標を算出する(S408)。
【0073】次に、採点処理手段20は、回答者結果の
算出を行う。具体的には、2つの質問群に対応する2種
類の回答マスタを参照し、回答者の回答した選択肢への
配点を行う(S409)。そして、FROM側につい
て、S308において所定の作業領域に格納されたスト
ック重要度データを参照し、各回答者のストック重要度
を使用して、フローの重要度を算出する(S410)。
TO側についても同様に、S308において所定の作業
領域に格納されたストック重要度データを参照し、各回
答者のストック重要度を使用して、フローの重要度を算
出する(S410)。そして、フローの重要度を統合す
る(S411)。具体的には、FROM側とTO側の重
要度の値を平均する。
【0074】全体結果の算出および回答者結果の算出を
終えると、採点処理手段20は、第4の採点処理の結果
を所定の記憶手段に格納する(S412)。そして、図
5の処理に戻る。
【0075】採点処理手段20は、第1の採点処理〜第
4の採点処理を、採点結果記憶手段50に格納する。
【0076】[各テーブルの説明]採点マスタ記憶手段
40は、回答データを採点するための採点条件を記憶す
るためのものであり、具体的には、回答マスタ、尺度項
目テーブル、換算テーブル、AHP算出用テーブル、パ
ラメータテーブルを含んで構成される。
【0077】回答マスタは、各選択肢に与える得点を登
録するためのテーブルである。回答マスタには、選択肢
と得点とが対応付けて記憶されている。例えば、「きわ
めて重要」という選択肢には「9」、「かなり重要」と
いう選択肢には「8」、「重要」という選択肢には
「6」、「ある程度重要」という選択肢には「4」、
「あまり重要でない」という選択肢には「1」、がそれ
ぞれ対応付けられている。採点処理手段20は、回答マ
スタを参照して、各選択肢への配点を行う。なお、得点
は、側面(設問領域)ごとに異なるように設定されてい
る。
【0078】尺度項目テーブルは、尺度得点を算出する
ためのテーブルである。尺度項目テーブルは、項目と尺
度とが対応付けて記憶されている。図13は、第3の採
点処理(ストックの重要度を算出する処理)において、
使用する尺度項目テーブルの構成の一例を示している。
採点処理手段20は、尺度項目テーブルを参照して、該
当する項目の得点から尺度得点を算出する。
【0079】換算テーブルは、第1の採点処理(ストッ
クの現状を算出する処理)において、標準得点を算出す
るためのテーブルである。換算テーブルには、素点と標
準得点とが対応づけて記憶されている。採点処理手段2
0は、換算テーブルを参照して、尺度得点に対応する得
点を取得し、標準得点とする。
【0080】AHP算出用テーブルは、第3の採点処理
(ストックの重要度を算出する処理)において、AHP
での固有ベクトルを算出する元となる回答行列(11×
11)を生成するためのテーブルである。採点処理手段
20は、AHP算出用テーブルを参照して、回答マスタ
の項目得点を、回答行列の該当する位置に格納し、回答
行列(11×11)を生成する。
【0081】パラメータテーブルは、第4の採点処理
(フローの重要度を算出する処理)において、重要度を
算出するためのテーブルである。パラメータテーブルに
は、重要度を算出する際に用いる係数が、FROM側及
びTO側について、それぞれ記憶されている。係数は、
対応するストック重要度のウェイトを表し、具体例とし
ては、ストック重要度のAHP得点に計算処理を加えて
算出したものであり、(α×AHP得点+β×AHP得
点の平方根)で算出することができる。採点処理手段2
0は、パラメータテーブルを参照し、取得した係数と尺
度得点との積により、重要度を算出する。
【0082】[採点結果出力処理]続いて、採点結果出
力手段30は、採点結果出力処理を行う(S50)。採
点結果出力処理では、採点結果(得点)を図形や矢印で
出力する。採点結果出力処理の詳細な流れについて、図
10を用いて説明する。
【0083】採点結果出力手段30は、採点結果記憶手
段50から第1の採点結果を読み込む(S501)。こ
れにより、採点結果出力手段30は、ストック毎の標準
得点を取得する。そして、出力条件記憶手段60に記憶
された段階算出用テーブルを参照し、第1の採点結果に
対応するパラメータを特定する(S502)。
【0084】段階算出用テーブルは、採点結果を段階毎
に表現するためのテーブルであり、換言すれば、出力条
件を記憶するためのテーブルでもある。図14は、段階
算出用テーブルの構成の一例を示す図である。同図に示
すように、段階算出用テーブルには、得点(得点の範
囲)と段階値(レベル値)と表示態様とが、対応付けて
格納されている。採点結果出力手段30は、段階算出用
テーブルを参照し、得点に応じた段階を特定し、段階に
応じた表示態様で採点結果を出力する。ここでは、標準
得点が該当する段階値を特定し、円の色を決定する。
【0085】次に、採点結果出力手段30は、所定の記
憶手段から第2の採点結果を読み込む(S503)。こ
れにより、採点結果出力手段30は、フロー毎の平均点
を取得する。そして、段階算出用テーブルを参照し、第
2の採点結果に対応するパラメータを特定する(S50
4)。ここでは、平均点が該当する段階値を特定し、矢
印の色を決定する。
【0086】次に、採点結果出力手段30は、所定の記
憶手段から第3の採点結果を読み込む(S505)。こ
れにより、採点結果出力手段30は、ストック毎のAH
P得点(あるいは得点)を取得する。そして、段階算出
用テーブルを参照し、第3の採点結果に対応するパラメ
ータを特定する(S506)。ここでは、AHP計算ロ
ジックを使用して算出した得点(AHP得点)に基づい
て該当する段階値を特定し、円の大きさを決定する。
【0087】次に、採点結果出力手段30は、所定の記
憶手段から第4の採点結果を読み込む(S507)。こ
れにより、採点結果出力手段30は、フロー毎の平均点
を取得する。そして、段階算出用テーブルを参照し、第
3の採点結果に対応するパラメータを特定する(S50
8)。ここでは、平均点が該当する段階値を特定し、矢
印の太さを決定する。
【0088】次に、採点結果出力手段30は、パラメー
タに従って、採点結果を出力する(S509)。なお、
ストック及びフローを出力する構成は、予め定義されて
いる。本実施形態では、所定のマップ上にストック及び
フローを配置する。ストックは個々に独立に配置され、
フローは、ある資本が他の資本を高めるという資本の活
動のルートがわかるような構成で配置される。
【0089】採点結果出力手段30は、このように定義
された構成に従って、ストック及びフローを配置すると
ともに、パラメータに従った色及び大きさのストック
(円)を生成し出力するとともに、設定された色及び大
きさのフロー(矢印)を生成し出力する。
【0090】図15は、出力結果の一例を示す図であ
る。図15は、知的資本の測定結果全体を表す出力結果
である。この出力結果は、回答者が、測定結果全体を把
握することができるように、12のストック及び78本
のフローが配置されている。同図によれば、回答者は、
知的資本経営の全体像を確認することができるととも
に、どこがうまくいっていて、どこに問題があるのか
を、把握することが可能になる。
【0091】以上のように、本発明によれば、知的資本
をストック及びフローの観点から測定し、それぞれの現
状及び重要度を、所定の図形で表すこととした。よっ
て、回答者は、ストックやフローを表す図形の色によっ
て、経営の現状を一目で把握することができるようにな
る。
【0092】また、回答者は、ストックやフローを表す
図形の大きさによって、重要な資本と回答者が考えてい
る資本を、改めて認識することができる。また、回答者
は、現状と重要度とを対比させることで、経営活動(現
状)と戦略(重要度)とが一致しているか否かを判定す
ることができるようになる。よって、回答者は、本知的
資本測定システムおよびその測定結果を、知的資本に対
する企業の戦略的マネジメントを支援するツールとして
利用することができる。
【0093】[第2の実施の形態]第2の実施の形態
は、上記第1の実施形態に適用可能な応用例である。上
記第1の実施の形態では、企業の知的資本を測定し、所
定の出力形態で出力する点について説明した。第2の実
施の形態では、測定結果(採点結果)をより有効に活用
するために、測定結果を多様な形態で出力する場合につ
いて説明する。
【0094】ここで、図1を用いて、第2の実施の形態
に係る知的資本測定システムの機能構成について説明す
る。回答データ入力手段10は、回答者の属性に関する
属性データを入力する。属性データは、例えば、回答者
の氏名、役職、所属などを含んでいる。採点結果出力手
段30は、全体の採点結果を出力する以外に、属性別の
採点結果や、回答者別の採点結果を出力する。また、出
力条件記憶手段60は、採点結果を複数の形式で出力す
るための出力条件を記憶している。採点結果出力手段3
0は、設定された条件または操作者の操作に応じて採点
結果を出力する形式を選択し、選択された形式に従って
採点結果を出力する。
【0095】[属性別の出力結果]知的資本を測定する
ための質問は、典型的には、経営層とマネージャー層に
対して行われる。経営層に対しては、ストックとフロー
の重要度、ストックとフローの現状とが問われる。一
方、マネージャー層に対しては、ストックとフローの現
状が問われる。このように、回答データは、属性の異な
る対象者による回答によって構成されている。
【0096】よって、採点結果出力手段30は、入力さ
れた属性データに基づいて採点結果から所定の属性の採
点結果を抽出し、抽出された採点結果を出力する。ここ
で、出力形式は、上述したように図形に置き換える形式
に限られず、得点を数字のまま例えば表形式で出力する
ようにしてもよい。
【0097】これによれば、回答者は、回答者の属性別
に出力結果を得ることができるので、例えば、ストック
とフローの現状について、経営層とマネジメント層とで
結果が異なる場合には、現状の認識が両者の間で異なっ
ていることがわかる。
【0098】[重要度レベル別の出力結果]また、本実
施形態における採点結果出力手段30は、採点結果を、
さまざまな切り口から出力する。図16及び図17は、
出力結果の他の例を示す図である。
【0099】図16は、知的資本の測定結果を重要度の
レベル別に表す報告書である。この報告書では、活用重
要度が、1番目に高い群の結果のみが記載されている。
採点結果出力手段30は、レベルに応じた報告書を適宜
出力することができる。
【0100】同図によれば、戦略レベルごとに知的資本
の現状をとらえ、自社の重点戦略を明確に認識すること
が可能になると共に、優先課題がどこにあるのかを検討
することが容易になる。
【0101】[資本別の出力結果]図17は、知的資本
の測定結果を資本別に表す報告書である。この報告書で
は、資本別に、その資本を向上させるための各種資本の
活用状況と、各種資本へのその資本の活用状況とが記載
されている。
【0102】同図によれば、回答者は、その資本を高め
るためにどのような活動を行うべきか、また、その資本
を有効に活用するためにどうしていくべきかを検討する
ことが容易になる。
【0103】[その他の形態]上記各実施形態は、本発
明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施
形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨
を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することがで
きる。上記実施形態では、上記機能実現手段の動作をシ
ーケンシャルに説明したが、特にこれにこだわるもので
はない。従って、動作に矛盾が生じない限り、処理の順
序を入れ替えまたは並行動作するように構成しても良
い。
【0104】(1)上記実施形態では、12のストック
及び78本のフローに基づいて、知的資本を測定する場
合について説明したが、本発明はこれに限られない。ス
トック及びフローは、より効果的な知的資本の測定のた
めに、適宜これを定義することができる。
【0105】(2)上記実施形態では、ストックを円で
フローを矢印で表すとともに、現状を色で重要度を大き
さで表す場合について説明したが、本発明はこれに限ら
れない。例えば、ストックを円の代わりに四角形で表
し、現状を色の代わりに模様で表すように構成すること
もできる。また、予め出力パターン(ストックやフロー
の形状、現状の色など)を複数定義しておき、利用者が
所望のパターンを選択すると、そのパターンにて出力す
るようにしてもよい。
【0106】(3)質問及び回答の構成、採点処理の内
容は、上述した構成及び処理の内容に限られない。例え
ば、質問形式及び回答形式を一体ととらえた評定手法で
ある制限選択順序法などを用いてもよい。また、AHP
における二段階法(TS法)の代わりに、Harker法を用
いてもよい。
【0107】(4)また、採点結果は、表やグラフの形
式で出力してもよい。出力時の形式は、用途に応じて適
宜最適な出力形式を選択することが望ましい。また、利
用者の操作に応じて、出力形式が決定されるようにして
もよい。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、回答者が知的資本の現
状を把握するための支援ツールを提供することができる
ようになる。また、回答者が知的資本を戦略的にマネジ
メントするための支援ツールを提供することができるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る知的資本測定システムの機能構
成を表すブロック図である。
【図2】 知的資本を測定するためのアプローチを説明
するための図である。
【図3】 ストックの一例を表す図である。
【図4】 フローの一例を表す図である。
【図5】 知的資本測定システムにおける処理の流れを
示すフローチャートである。
【図6】 知的資本測定システムにおける処理の流れを
示すフローチャートである。
【図7】 知的資本測定システムにおける処理の流れを
示すフローチャートである。
【図8】 知的資本測定システムにおける処理の流れを
示すフローチャートである。
【図9】 知的資本測定システムにおける処理の流れを
示すフローチャートである。
【図10】 知的資本測定システムにおける処理の流れ
を示すフローチャートである。
【図11】 質問形式の一例を示す図である。
【図12】 質問形式の一例を示す図である。
【図13】 尺度項目テーブルの一例を示す図である。
【図14】 段階算出用テーブルの一例を示す図であ
る。
【図15】 出力結果の一例を示す図である。
【図16】 出力結果の一例を示す図である。
【図17】 出力結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…回答入力手段 20…採点処理手段 30…採点結果出力手段 40…採点マスタ記憶手段 50…採点結果記憶手段 60…出力条件記憶手段 100…情報処理装置(知的資本測定システム)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 恭彦 東京都中央区銀座八丁目4番17号 株式会 社リクルート内 (72)発明者 蒋 麗華 東京都中央区銀座八丁目4番17号 株式会 社リクルート内 (72)発明者 波田野 匡章 東京都中央区銀座八丁目4番17号 株式会 社リクルート内 (72)発明者 吉川 克彦 東京都中央区銀座八丁目4番17号 株式会 社リクルート内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】知的資本を構成する要素に関する質問及び
    前記知的資本を構成する要素に含まれる第1の要素と第
    2の要素との関係性に関する質問に対する回答データの
    入力を受け付ける入力手段と、 前記回答データを採点するための採点条件を記憶する第
    1の記憶手段と、 前記回答データに対する採点結果を所定のオブジェクト
    の属性によって表すための出力条件を記憶する第2の記
    憶手段と、 前記第1の記憶手段に記憶された採点条件に従って前記
    入力された回答データを採点する採点手段と、 前記第2の記憶手段に記憶された出力条件に従って前記
    採点された採点結果に対応する所定のオブジェクトの属
    性を特定し、該特定された属性を有する前記所定のオブ
    ジェクトを出力する出力手段と、 を備えることを特徴とする情報処理システム。
  2. 【請求項2】前記回答データが、前記要素及び関係性に
    ついて第1の観点及び第2の観点から答えるように構成
    されている場合において、 前記第2の記憶手段は、 前記第1の観点に対する回答データの採点結果を前記オ
    ブジェクトの色によって表し、前記第2の観点に対する
    回答データの採点結果を前記オブジェクトの大きさによ
    って表すための出力条件を記憶し、 前記出力手段は、 前記第1の観点及び第2の観点に対する採点結果に基づ
    いて前記オブジェクトが表示されるべき色及び大きさを
    特定し、該特定された色及び大きさを有する所定のオブ
    ジェクトを出力することを特徴とする請求項1記載の情
    報処理システム。
  3. 【請求項3】前記第1の観点は、前記要素及び関係性の
    現状に関するものであり、前記第2の観点は、前記要素
    及び関係性の重要度に関するものであることを特徴とす
    る請求項2記載の情報処理システム。
  4. 【請求項4】前記出力手段は、前記要素に対応する略円
    形のオブジェクトを所定の位置に配置し、前記関係性に
    対応する矢印のオブジェクトを前記略円形のオブジェク
    ト間の関係性を示すように配置することを特徴とする請
    求項1から3いずれか記載の情報処理システム。
  5. 【請求項5】知的資本を構成する要素に関する質問及び
    前記知的資本を構成する要素に含まれる第1の要素と第
    2の要素との関係性に関する質問に対する回答データの
    入力を受け付け、 回答データを採点するための採点条件を読み出し、 該読み出された採点条件に従って前記入力された回答デ
    ータを採点し、 該採点された採点結果を前記要素及び関係性にそれぞれ
    対応づけて定義された所定のオブジェクトの属性によっ
    て表すための出力条件を読み出し、 該読み出された出力条件に従って前記採点された採点結
    果に対応する所定のオブジェクトの属性を特定し、 該特定された属性に基づいて前記所定のオブジェクトを
    出力することを特徴とする知的資本の測定方法。
  6. 【請求項6】前記回答データが、前記要素及び関係性に
    ついて第1の観点及び第2の観点から答えるように構成
    されている場合において、 前記出力条件に従って、前記第1の観点及び第2の観点
    に対する採点結果に対応する前記オブジェクトが表示さ
    れるべき色及び大きさを特定し、該特定された色及び大
    きさを有する所定のオブジェクトを出力することを特徴
    とする請求項5記載の知的資本の測定方法。
  7. 【請求項7】前記第1の観点は、前記要素及び関係性の
    現状に関するものであり、前記第2の観点は、前記要素
    及び関係性の重要度に関するものであることを特徴とす
    る請求項6記載の知的資本の測定方法。
  8. 【請求項8】前記要素に対応する略円形のオブジェクト
    を所定の位置に配置し、前記関係性に対応する矢印を前
    記略円形のオブジェクト間の関係性を示すように配置す
    ることを特徴とする請求項5から7いずれか記載の知的
    資本の測定方法。
  9. 【請求項9】請求項5乃至8のいずれか1項に記載の知
    的資本の測定方法をコンピュータで実行させるための情
    報処理プログラム。
  10. 【請求項10】請求項5乃至8のいずれか1項に記載の
    知的資本の測定方法をコンピュータで実行させるための
    情報処理プログラムを格納したコンピュータ読み取り可
    能な記録媒体。
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