JP2003344610A - マイクロレンズアレイとその製法 - Google Patents
マイクロレンズアレイとその製法Info
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Abstract
損失の少ないマイクロレンズアレイとその製法を提供す
る。 【解決手段】 石英板等の透光板10の一方の主面にエ
ッチングによりレンズアレイパターンを転写して平凸レ
ンズL11〜L14を形成したマイクロレンズアレイに
おいて、各レンズの直径を1mm以下にすると共に各レ
ンズの突出高さSAGを50μm以上にする。このマイ
クロレンズアレイを光ファイバ間の光結合に用いると、
0.3dB以下の結合損失が得られる。CF4等のフッ
素系エッチングガスを用いてエッチングを行なうとき
は、エッチング面にフロン重合物に起因してピットが生
ずる。フロン重合物をO2アッシングで除去すると、ピ
ット発生を防止することができる。L11等の各レンズ
の上には、レンズ中央部から周縁部に進むにつれて厚さ
が漸減するようにSiO2等の透光被膜をスパッタ法等
で形成してもよい。
Description
光結合等に用いるに好適なマイクロレンズアレイとその
製法に関するものである。
7に示すように光ファイバF1からの射出光をマイクロ
レンズL1でコリメート(平行光化)すると共に、この
コリメート光をマイクロレンズL2で集束して光ファイ
バF2に入射させるようにしたものが知られている。マ
イクロレンズL1,L2は、いずれもガラスモールド技
術を用いて製作された単眼のマイクロレンズである。こ
の種のマイクロレンズは、光アイソレータ等の光通信用
モジュールにおいて光ファイバからの射出光をコリメー
トするレンズとしても用いられる。
1mm以上必要であり、これより小さくすると、ガラス
モールド成形に用いる超鋼材製の金型の精度が不十分で
あるため、満足なレンズ特性が得られなかった。
るマイクロレンズアレイとしては、ガラス、プラスチッ
ク等の透明基板に多数のレンズを配列形成したものが知
られている(例えば、特開平7−104106号公報参
照)。この場合、レンズ1個の直径は、1mm以下と微
小であり、しかも各レンズを精度よく配列することが要
求されるため、金型を用いない方法でマイクロレンズア
レイを製作する。金型を用いない方法としては、塩浴中
で電界を印加しながらガラス表面に設けた開口部からイ
オンを拡散させる方法、感光性ガラスの熱処理において
未感光部が結晶化して収縮する現象を利用して表面を膨
らます方法などが知られている。これらの方法による
と、焦点距離や開口数(NA)の設定が容易でないこ
と、製造時間が長く、生産性に劣ることなどの問題点が
ある。
ンズ材層の上にレンズアレイパターンに従って複数のレ
ジスト層を形成した後、各レジスト層を加熱により溶融
(リフロー)させて凸レンズ形状とし、酸素と堆積性ガ
スとの混合ガスをエッチングガスとするドライエッチン
グ処理をレンズ材層及び各レジスト層に施して各レジス
ト層の凸レンズ形状をレンズ材層に転写する方法が知ら
れている(例えば、特開2000−31442号公報参
照)。この方法では、ドライエッチング処理の後処理と
して、マイクロレンズアレイ(凸レンズ形状が転写され
たレンズ材層)の表面に酸素プラズマ処理を施して疎水
性堆積膜を除去して該表面に親水性を付与するようにし
ている。
ーしたレジスト層の凸レンズ形状をレンズ材層に転写す
るマイクロレンズアレイの製法によると、上記した金型
を用いない方法に比べて焦点距離や開口数の設定が容易
になると共に生産性が向上するものの、エッチング量の
大きい(突出高さの大きい)レンズを形成するのが容易
でないという問題点がある。すなわち、発明者の研究に
よれば、CF4等のフッ素系エッチングガスを用いてエ
ッチングを行なうと、レンズ形成面にはフロン重合物に
起因してピット(孔)が発生して光学特性を劣化させる
ことが判明した。先に引用した特開2000−3144
2号公報には、このようなピット発生については何等述
べられていない。
あっては、結合損失を0.3dB以下(結合効率を9
3.3%以上)とするのが望ましいといわれている。し
かし、現状では、このように結合損失の少ないマイクロ
レンズアレイは実現されていない。
いて結合損失を低減できる(結合効率を向上できる)新
規なマイクロレンズアレイを提供すると共に、このよう
なマイクロレンズアレイを簡単に製作する方法を提供す
ることにある。
イクロレンズアレイは、透光板と、この透光板の一方の
主面にエッチングによりレンズアレイパターンを転写し
て形成された複数の平凸レンズとを備えたマイクロレン
ズアレイであって、各平凸レンズの直径を1mm以下に
設定すると共に各平凸レンズの前記一方の主面からの突
出高さを50μm以上に設定したことを特徴とするもの
である。
平凸レンズの直径を1mm以下にすると共に各平凸レン
ズの突出高さを50μm以上としたので、光ファイバ間
の光結合に使用したときに結合損失を0.3dB以下に
低減できる。この点については、後で図3〜7を参照し
て詳述する。
イの製法は、透光性の基板の一方の主面にレンズアレイ
パターンに従って複数のレジスト層を形成する工程と、
各レジスト層にリフロー処理を施して各レジスト層を平
凸レンズ形状とする工程と、フッ素系エッチングガスを
用いるドライエッチング処理を各レジスト層及び前記一
方の主面に施して各レジスト層の平凸レンズ形状を前記
の一方の主面に転写することにより前記一方の主面に前
記複数のレジスト層にそれぞれ対応する複数の平凸レン
ズを形成する工程とを含むマイクロレンズアレイの製法
であって、前記複数の平凸レンズを形成する工程では、
前記ドライエッチング処理を複数ステップに分けて実行
すると共に、該複数ステップのドライエッチング処理の
間に前記一方の主面からフロン重合物を除去する処理を
実行することを特徴とするものである。
ば、複数ステップのドライエッチング処理の間にレンズ
形成面からフロン重合物を除去するようにしたので、エ
ッチング中にフロン重合物に起因してレンズ形成面にピ
ットが発生するのを防止することができる。
ては、各レジスト層を対応する平凸レンズの突出高さが
50μm以上となるような厚さで形成することができ
る。このようなレジスト層をマスクとしてレンズ形成の
ためのドライエッチングを行なうと、エッチング量が大
きくなるが、ピット発生を防止できるため、歩留りよく
マイクロレンズアレイを製作することができる。従っ
て、第1のマイクロレンズアレイの製法は、前述した第
1のマイクロレンズアレイを製作するのに好適である。
また、第1のマイクロレンズアレイの製法において、フ
ロン重合物は、酸素プラズマにより簡単に除去すること
ができる。
イは、透光板と、この透光板の一方の主面にエッチング
によりレンズアレイパターンを転写して形成された複数
の平凸レンズとを備えたマイクロレンズアレイであっ
て、各平凸レンズを覆う透光被膜を該平凸レンズの中央
部から周縁部に進むにつれて厚さが漸減するように形成
したことを特徴とするものである。
平凸レンズを覆う透光被膜を該平凸レンズの中央部から
周縁部に進むにつれて厚さが漸減するように形成したの
で、透光被膜を含めた平凸レンズの突出高さを70μm
以上に設定することができ、光ファイバ間の光結合に使
用したときに高い結合効率が得られる。
イの製法は、透光性の基板の一方の主面にレンズアレイ
パターンに従って複数のレジスト層を形成する工程と、
各レジスト層にリフロー処理を施して各レジスト層を平
凸レンズ形状とする工程と、ドライエッチング処理を各
レジスト層及び前記一方の主面に施して各レジスト層の
平凸レンズ形状を前記の一方の主面に転写することによ
り前記一方の主面に前記複数のレジスト層にそれぞれ対
応する複数の平凸レンズを形成する工程と、前記複数の
平凸レンズをそれぞれ露呈する複数の開口部を有するス
パッタマスク層を前記一方の主面に形成する工程であっ
て、前記スパッタマスク層の各開口部が対応する平凸レ
ンズの頂部より上方の部分にて該平凸レンズの開口径よ
り小さい直径を有するように前記スパッタマスク層を形
成するものと、前記スパッタマスク層を選択マスクとす
るスパッタ処理により各平凸レンズを覆う透光被膜を該
平凸レンズの中央部から周縁部に進むにつれて厚さが漸
減するように形成する工程とを含むものである。
ば、各平凸レンズをドライエッチング処理により形成し
た後、各平凸レンズを覆う透光被膜を選択的スパッタ処
理により形成するので、前述した第2のマイクロレンズ
アレイを簡単に且つ歩留りよく製作可能である。
係るマイクロレンズアレイを示すもので、図2には、図
1のX−X’線に沿う断面を示す。
0の一方の主面には、平凸レンズL 11〜L14が透光
板10の長辺に平行に一列状に形成されると共に、平凸
レンズL21〜L24がレンズL11〜L14の列に平
行に一列状に形成されている。レンズL11とL
21は、各々の中心が透光板10の短辺に平行な一直線
上に位置するように並べて配置されており、このこと
は、レンズL12とL22、レンズL13とL23、レ
ンズL14とL24についても同様である。これらのレ
ンズL11〜L14,L21〜L24は、図8〜10等
について後述するようにドライエッチング処理によりレ
ンズアレイパターンを透光性基板の一方の主面に転写し
て形成されるものである。
は、1mm以下(好ましくは0.5mm〜1mm)であ
り、L11,L12等の隣り合うレンズ間のピッチ(中
心間の間隔)Pは、D=0.5mmの場合には0.5m
mとすることができる。透光板10の長さA及び幅B
は、それぞれ5mm及び3mmとすることができる。L
11等の各レンズの透光板10の一方の主面からの突出
高さSAG(図2参照)は、50μm以上とする。透光
板10の厚さは、0.1mm〜2mmとすることができ
る。
−レンズ間距離(Working Distance)WDが曲率半径
Rに依存する様子を示すものである。図4には、光ファ
イバFからの射出光を平凸レンズLでコリメートする光
学系を示す。平凸レンズLの厚さ(平坦面から頂部まで
の距離)Tは、1.25mmである。
は、曲率半径Rにより焦点距離が決定される。距離WD
を小さくすると、平凸レンズLの平坦面からの反射光が
光ファイバFに入射するので好ましくない。このような
事態を回避するためには、距離WDを0.3mm以上に
設定すればよいと当業者の間でいわれている。図3は、
曲率半径Rを0.5mmから0.75mmまで変化させ
たときの距離WDの計算結果を示している。図3によれ
ば、距離WDを0.3mm以上とするには、曲率半径R
を約0.53mm以上とすればよいことがわかる。な
お、図3のデータは、開口数NAを0.2に設定したと
きのもので、発明者の実験によれば、図3の線Wに示す
ような曲率半径Rと距離WDとの相関関係は、NAを
0.15又は0.1875等に変化させても殆ど変化し
ないことがわかっている。
結合系においてビーム有効径及び結合損失が開口数NA
及び曲率半径Rに依存する様子を示すもので、(A)、
(B)、(C)は、それぞれ曲率半径Rが0.55、
0.6、0.65の場合に対応している。
レイを用いた光ファイバ結合系を示すものである。第1
のマイクロレンズアレイML1は、図1,2に関して前
述したと同様のもので、透光板10に平凸レンズL11
〜L14を形成した構成になっている。第2のマイクロ
レンズアレイML2は、第1のマイクロレンズアレイM
L1と同様に構成されたもので、透光板12に平凸レン
ズL31〜L34を形成した構成になっている。
レンズL11とL31、レンズL1 2とL32,レンズ
L13とL33、レンズL14とL34がそれぞれ光軸
を一致させるようにして対向配置される。透光板10の
平坦面側には、光ファイバF 11〜F14がそれぞれレ
ンズL11〜L14に光を射出するように配置され、透
光板12の平坦面の側には、光ファイバF21〜F24
がそれぞれレンズL3 1〜L34から受光するように配
置される。
L31−光ファイバF21の光路において、光ファイバ
F11からの射出光は、レンズL11によりコリメート
され、このコリメート光は、レンズL31により集束さ
れて光ファイバF21に入射する。このような光結合動
作は、光ファイバF12−レンズL12−レンズ32−
光ファイバF22の光路、光ファイバF13−レンズL
13−レンズL33−光ファイバF23の光路、光ファ
イバF14−レンズL14−レンズL34−光ファイバ
F24の光路についても同様である。
1つの光路(例えばF11−L11−L31−F21の
光路)についてビーム有効径及び結合損失を計算した結
果を示している。ここで、ビーム有効径(Entrance Pu
pil Diameter)は、線E1〜E3で示され、結合損失
は、線C1〜C3で示される。この場合、各レンズの直
径を0.5mmとすると共にレンズ間ピッチを0.5m
mとしているので、レンズ面でのビーム有効径は、0.
5mm以下でなければならない。そこで、ビーム有効径
を示す線E1,E2,E3に関してそれぞれ0.5mm
の有効径の点を通る垂線NU1,NU2,NU3を
(A),(B),(C)のグラフの横軸に下ろすと、開
口数NAの上限が求められる。
以下がよいとされているので、結合損失を示す線C1,
C2,C3に関してそれぞれ0.3dBの結合損失の点
を通る垂線NL1,NL2,NL3を(A),(B),
(C)のグラフの横軸に下ろすと、開口数NAの下限が
求められる。この結果、開口数NAの許容範囲は、曲率
半径Rが小さいほど広いことがわかる。また、曲率半径
R=0.55mm、0.6mm又は0.65mmのいず
れの場合にも、結合損失を0.3dB以下に低減できる
ことがわかる。
平凸レンズについてレンズ突出高さSAGが曲率半径R
に依存する様子を示すものである。図7によれば、曲率
半径Rを小さくするほど平凸レンズの突出高さSAGが
大きくなることがわかる。直径0.5mmの平凸レンズ
において、0.3dB以下の結合損失を達成するには、
曲率半径Rを0.65mm以下(好ましくは0.65m
m〜0.55mm)にする必要があり、レンズ突出高さ
SAGを50μm以上(好ましくは50μm〜60μ
m)にする必要がある。この場合、曲率半径Rを0.7
mmとすると、開口数NAは0.15、レンズ突出高さ
SAGは46.2μm、結合損失は0.449dBとな
り、結合損失は、0.3dB以下とならない。
マイクロレンズアレイの製法の一例を説明する。
英基板20の一方の面に所望の4個の平凸レンズに対応
するポジレジストからなるレジスト層S1〜S4をホト
リソグラフィ処理により形成する。平凸レンズとして直
径が1mm以下で且つレンズ突出高さが50μm以上の
ものを製作する場合、各レジスト層の直径は、1mm以
下のレンズ直径が得られるように定めると共に、各レジ
スト層の厚さtは、50μm以上のレンズ突出高さが得
られるように定める。この場合、通常より厚いポジレジ
スト層をレンズアレイパターンに従ってパターニングす
ることになる。
S4に熱処理を施して各レジスト層をリフローさせるこ
とにより各レジスト層に平凸レンズ形状を付与する。
スを用いるドライエッチング処理によりレジスト層S1
〜S4及び基板20の一方の面をエッチングして各レジ
スト層の平凸レンズ形状を基板20の一方の面に転写す
ることにより基板20の一方の面にレジスト層S1〜S
4にそれぞれ対応する平凸レンズL11〜L14を形成
する。この場合、フッ素系エッチングガスとしては、C
F4、CHF3、C2F6,C3F8等のガス又はこれ
らのガスのうち二種以上のものを混合したガスを使用す
ることができ、使用するフッ素系エッチングガスには酸
素(O2)、水素(H2)、窒素(N2)又はアルゴン
(Ar)を添加してもよい。
性イオンエッチング)処理を行なう場合、エッチングガ
スとしてCF4を用いると、CF4ガスはプラズマ化
し、プラズマは、CF3 +、CF2 +、CF+、F+等
のイオンを含む。これらのイオンのうちCF3 +は、石
英(SiO2)と反応し、SiF4を生成して気化する
ため、石英のエッチングが可能になる。しかし、その他
の石英エッチングに寄与しないガスは、重合してフロン
重合物(−CF2−)を生成するため、エッチング中に
基板表面にフロン重合物が堆積することがある。上記し
た50μm以上の突出高さを有する平凸レンズを製作す
る場合、レジスト厚さが大きく、エッチング時間が長い
ので、フロン重合物の堆積が起こり易く、堆積したフロ
ン重合物に起因して基板表面にピットが発生する。な
お、従来行なわれているような短時間の石英エッチング
では、フロン重合物に起因するピット発生は認められな
い。
なピット発生のメカニズムを説明する。図11は、ドラ
イエッチング中に石英基板20の表面にフロン重合物2
2が堆積した状態を示している。
と、図12に示すようにフロン重合物22がエッチング
されるのに伴ってその回りのエッチングレートが速くな
り、フロン重合物22の周囲にピット24が発生する。
更にエッチングが進むと、図13,14に示すようにフ
ロン重合物22が更にエッチングされると共に、ピット
24が更に深くなる。
と、図15に示すようにフロン重合物22がエッチング
により消失し、ピット24は、更に深くなり、その中央
部にへそ状の山が出現する。そして、更にエッチングが
進むと、図16に示すようにピット24内で山の斜面が
エッチングされるため、山が低くなる。この後、更にエ
ッチングが進むと、図17に示すようにピット24内の
山がエッチングにより消失し、ピット24が残ることに
なる。
ンズアレイにあっては、次の(イ)〜(ニ)のような問
題点がある。
散乱が起こるため、光学特性が低下する。
内に入り込み、透明度を劣化させる。
ットに起因して亀裂が生ずる。
ため、商品価値を著しく損ねる。
に係るマイクロレンズアレイの製法を示すものである。
図18〜25の製法は、図8〜10の製法において上記
のようなピット発生を防止したものに相当する。図18
〜25において、図8〜10と同様の部分には同様の符
号を付して詳細な説明を省略し、簡単のため、レジスト
層及びレンズはいずれも1個のみ示す。
と同様に石英基板20の表面にレジスト層Sを形成す
る。そして、図19の工程では、図9に関して前述した
と同様のリフロー処理によりレジスト層Sを平凸レンズ
形状とする。
前述したと同様のドライエッチング処理によりレジスト
層S及び基板20の一方の面をエッチングする。基板2
0の一方の面においては、エッチングの進行に伴ってレ
ジスト層Sの下に位置する石英部20Sが若干突出した
形になると共にフロン重合物22Aが堆積する。フロン
重合物22Aについて図12に示したようにピットが発
生する前にドライエッチング処理を中止し、図21の工
程に移る。
ロン重合物22Aを灰化して除去する。このような処理
をO2アッシング処理と称する。図22の工程では、前
述したようなドライエッチング処理を再び実行する。エ
ッチングの進行に伴って石英部20Sは更に突出した形
になると共に基板表面にはフロン重合物22Bが堆積す
る。フロン重合物についてピットが発生する前にドライ
エッチング処理を中止し、図23の工程に移る。
よりフロン重合物22Bを除去する。そして、図24の
工程では、前述したようなドライエッチング処理を実行
する。エッチングの進行に伴ってレジスト層Sが除去さ
れ、石英部20Sが平凸レンズLとなる。平凸レンズL
が得られた段階でドライエッチング処理を停止する。こ
のときに基板表面に堆積しているフロン重合物22C
は、図25に示すようにO2アッシング処理又はフッ酸
等の薬液処理により除去する。
て、フロン重合物を除去するためのO2アッシング処理
は、ドライエッチング処理を行なう装置とは別の装置で
行なってもよく、あるいはドライエッチング処理を行な
うのと同じ装置内でガスを交換して行なってもよい。ま
た、ドライエッチング処理を行なうのと同じ装置内でO
2アッシング処理を行なう場合、O2アッシングを行な
う別のプロセスプログラムに切替えて処理してもよく、
あるいは1つのプロセスプログラムに従って図20〜2
5に示したような一連のドライエッチング及びO2アッ
シングを連続的に処理してもよい。
ば、フロン重合物に基づくピット発生を防止することが
できるので、良好な光学特性を有する高品質のマイクロ
レンズアレイを歩留まりよく製作することができる。ま
た、ドライエッチング及びO 2アッシングは、いずれも
複数回繰返すことができるので、50μm以上のレンズ
突出高さが要求されるようなエッチング量の多いマイク
ロレンズアレイであっても簡単に製作することができ
る。
マイクロレンズアレイを示すものである。
グによりレンズパターンを転写して平凸レンズL41〜
L44が一列状に並べて形成されている。基板30の一
方の主面には、図1に示したようにマトリクス状に多数
の平凸レンズを形成してもよい。基板30の厚さaは、
1.25mm、各平凸レンズの開口径(周縁部の直径)
bは、0.49mm、各平凸レンズの突出高さcは、4
0〜45μm、隣り合う平凸レンズ間のピッチ(レンズ
中心間の距離)dは、0.5mmとすることができる。
L41等の各平凸レンズは、図30に平面パターンを示
すように円形状である。
ように透光被膜L51〜L54がスパッタ法等により形
成されている。各透光被膜は、一列としてSiO2等の
酸化シリコン膜からなるもので、対応する平凸レンズの
中央部から周縁部に進むにつれて厚さが漸減するように
形成されている。各平凸レンズの頂部における透光被膜
の厚さeは、30〜40μm、透光被膜を含めた平凸レ
ンズの突出高さfは、70〜80μmとすることができ
る。
れば、各平凸レンズを覆う透光被膜を該平凸レンズの中
央部から周縁部に進むにつれて厚さが漸減するように形
成したので、突出高さが70μm以上の平凸レンズを実
現することができ、光ファイバの光結合に使用するとき
に高い結合効率が得られる。なお、各透光被膜は、平凸
レンズ上に均一な厚さで形成することもできるが、この
ようにしても、透光被膜にレンズ機能を持たせることが
できず、レンズ高さを高くしたことにはならない。
っては、透光被膜L51〜L54の屈折率を制御するこ
とにより開口数(NA)、焦点距離等の光学特性を調整
することができる。例えばスパッタ法で形成されたSi
O2膜からなる透光被膜の屈折率は、フッ素(F)を添
加することにより低下し、ゲルマニウム(Ge)又はボ
ロン(B)を添加することにより上昇する。スパッタ法
で形成されたSiO2膜の屈折率は、ドーピング剤の種
類や濃度により1.4〜1.48の範囲内で適宜調整可
能である。なお、透光被膜の材料としては、SiO2の
他にTiO2、Ta2O5等も使用可能であり、複数種
類の材料を組合せて使用することもできる。
イクロレンズアレイを製作する方法の一例を説明する。
図27〜36において、図26と同様の部分には同様の
符号を付して詳細な説明を省略する。
面に所望の4個の平凸レンズに対応するポジレジストか
らなるレジスト層S11〜S14をホトリソグラフィ処
理により形成した後、レジスト層S11〜S14を熱処
理を施して各レジスト層をリフローさせることにより各
レジスト層に平凸レンズ形状を付与する。
たと同様にフッ素系エッチングガスを用いるドライエッ
チング処理によりレジスト層S11〜S14及び基板3
0の一方の面をエッチングして各レジスト層の平凸レン
ズ形状を基板30の一方の面に転写することにより基板
30の一方の面にレジスト層S11〜S14にそれぞれ
対応する平凸レンズL41〜L44を形成する。各平凸
レンズの突出高さ(図26のc)は、40〜45μm程
度であり、図27の工程で形成するレジスト層S11〜
S14としては、かようなレンズ高さが得られるような
厚さを有するものを用いればよい。
平凸レンズL41〜L44をそれぞれ露呈する孔R1〜
R4を有するリフトオフ用のレジスト層32をホトリソ
グラフィ処理により形成する。レジスト層32の厚さ
は、60〜100μmとすることができる。このときの
基板30の上面を図30に示す。図30に示すようにR
1等の各孔の直径は、L41等の各平凸レンズの開口径
より若干大きく設定されている。
レジスト層32及び平凸レンズL4 1〜L44を覆って
ネガレジストからなるレジスト層34を塗布する。この
とき、レジスト層34の塗布は、レジスト層34におい
て平凸レンズL41〜L44に対応する個所が凹面状と
なるように行なう。
処理を施す。すなわち、露光マスクMSを介してレジス
ト層34に露光用の光ELを照射する。露光マスクMS
には、平凸レンズL41〜L44にそれぞれ対応する円
形状の遮光部M1〜M4が設けられると共にこれらの遮
光部M1〜M4を取囲むように透光部Nが設けられてい
る。M1等の各遮光部の直径は、L41等の各平凸レン
ズの開口径より2Kだけ小さく設定されている。M1等
の各遮光部は、対応する平凸レンズと中心を合わせるよ
うに配置されている。レジスト層34を構成するネガレ
ジストは、空気より屈折率が大きいため、M1等の各遮
光部の周縁部から対応する平凸レンズに向けて下方に直
進した光ELは、線nで示すようにネガレジストにより
屈折されて該平凸レンズの周縁部に向かうようになる。
けたレジスト層34に現像処理を施す。ネガレジスト
は、露光された部分が現像液に溶解されずに残存するの
で、レジスト層34は、平凸レンズL41〜L44にそ
れぞれ対応した開口部Q1〜Q 4を有すると共にQ1等
の各開口部が対応する平凸レンズの頂部より上方の部分
Pにて対応する平凸レンズの開口径より小さな直径を有
するように残存する。すなわち、レジスト層34は、Q
1等の開口部毎に奥にいくほど直径が大きくなる逆テー
パー状の断面形状を有するように残存する。
の積層を選択マスクとしてSiO2をスパッタすること
により図35に示すように平凸レンズL41〜L44を
それぞれ覆うようにSiO2からなる透光被膜L51〜
L54を形成する。このとき、レジスト層34上には、
SiO2膜36が堆積する。また、レジスト層34がQ
1等の開口部毎に逆テーパー状の断面形状を有するた
め、L51等の各透光被膜は、対応する平凸レンズの中
央部から周縁部に進むにつれて厚さが漸減するように形
成される。
トオフ処理を施すことによりレジスト層32,34及び
SiO2膜36を除去する。この結果、平凸レンズL
41〜L44上にはそれぞれ透光被膜L51〜L54が
残存するので、図26に示したようなマイクロレンズア
レイを得ることができる。
ては、スパッタターゲットとしてF,Ge又はB等を含
むSiO2材料を用いることによりスパッタSiO2膜
(透光被膜)の屈折率を適宜調整することができる。ま
た、レジスト層34においてQ1等の開口部の断面形状
を制御することによりL51等の透光被膜の膜厚分布を
調整することができるので、透光被膜を含めた平凸レン
ズの形状を適宜制御する(例えば非球面状化する)こと
ができる。さらに、レジスト層34においてQ 1等の各
開口部の中心をL41等の対応する平凸レンズの中心か
らずらすことにより透光被膜を含めた平凸レンズとして
中心に関して左右非対称の断面を有するレンズを得るこ
とができる。上記のような調整手段を用いることにより
光ファイバとの結合効率、光ファイバ射出光の発散角等
を調整することができ、光ファイバの光結合に好適なマ
イクロレンズアレイを実現することができる。
板にエッチングによりレンズアレイパターンを転写して
複数の平凸レンズを形成したマイクロレンズアレイにお
いて、各平凸レンズの直径を1mm以下とし且つ各平凸
レンズの突出高さを50μm以上としたので、光ファイ
バ間の光結合に使用したときに結合損失を0.3dB以
下に低減できる効果が得られる。
ライエッチング処理により透光性基板にレンズアレイパ
ターンを転写して複数の平凸レンズを形成する際に、ド
ライエッチング処理を複数ステップに分けて実行すると
共に、複数ステップのドライエッチング処理の間に基板
のレンズ形成面からフロン重合物を除去するようにした
ので、フロン重合物に起因するピット発生を防止するこ
とができ、光学特性が良好なマイクロレンズアレイを歩
留りよく製作できる効果も得られる。
アレイパターンを転写して複数の平凸レンズを形成した
マイクロレンズアレイにおいて、各平凸レンズを覆う透
光被膜を該平凸レンズの中央部から周縁部に進むにつれ
て厚さが漸減するように形成したので、平凸レンズの高
さ、形状、光学特性等を容易に調整することができ、光
ファイバの結合等に好適なマイクロレンズアレイを実現
できる効果が得られる。
性基板にレンズアレイパターンを転写して複数の平凸レ
ンズを形成した後、各平凸レンズを覆う透光被膜を選択
的スパッタ処理により形成するようにしたので、平凸レ
ンズ上に透光被膜を有するマイクロレンズアレイを簡単
に且つ歩留りよく製作できる効果も得られる。
アレイのレンズ形成面を示す平面図である。
距離WDが曲率半径Rに依存する様子を示すグラフであ
る。
トする光学系を示す光路図である。
においてビーム有効径及び結合損失が開口数NA及び曲
率半径Rに依存する様子を示すグラフである。
た光ファイバ結合系を示す光路図である。
曲率半径Rに依存する様子を示すグラフである。
の一例におけるレジスト層形成工程を示す断面図であ
る。
す断面図である。
面図である。
フロン重合物の堆積状況を示す断面図である。
ピットが発生した状態を示す断面図である。
状態を示す断面図である。
状態を示す断面図である。
フロン重合物が消失した状態示す断面図である。
状態を示す断面図である。
状態を示す断面図である。
ンズアレイの製法におけるレジスト層形成工程を示す断
面図である。
を示す断面図である。
を示す断面図である。
を示す断面図である。
を示す断面図である。
を示す断面図である。
を示す断面図である。
を示す断面図である。
ンズアレイを示す断面図である。
方法におけるレジストリフロー工程を示す断面図であ
る。
断面図である。
示す断面図である。
示す断面図である。
す断面図である。
す断面図である。
を示す断面図である。
況を示す断面図である。
した状態を示す断面図である。
イバ結合系を示す光路図である。
2A〜22C:フロン重合物、24:ピット、32,3
4:レジスト層、36:SiO2膜、L11〜L14,
L21〜L24,L31〜L34,L41〜L44,
L:平凸レンズ、L51〜L54:透光被膜、ML1,
ML2:マイクロレンズアレイ、F,F1 1〜F14,
F21〜F24:光ファイバ、S1〜S4,S11〜S
14,S:レジスト層。
Claims (6)
- 【請求項1】 透光板と、この透光板の一方の主面にエ
ッチングによりレンズアレイパターンを転写して形成さ
れた複数の平凸レンズとを備えたマイクロレンズアレイ
であって、 各平凸レンズの直径を1mm以下に設定すると共に各平
凸レンズの前記一方の主面からの突出高さを50μm以
上に設定したことを特徴とするマイクロレンズアレイ。 - 【請求項2】透光性の基板の一方の主面にレンズアレイ
パターンに従って複数のレジスト層を形成する工程と、 各レジスト層にリフロー処理を施して各レジスト層を平
凸レンズ形状とする工程と、 フッ素系エッチングガスを用いるドライエッチング処理
を各レジスト層及び前記一方の主面に施して各レジスト
層の平凸レンズ形状を前記の一方の主面に転写すること
により前記一方の主面に前記複数のレジスト層にそれぞ
れ対応する複数の平凸レンズを形成する工程とを含むマ
イクロレンズアレイの製法であって、 前記複数の平凸レンズを形成する工程では、前記ドライ
エッチング処理を複数ステップに分けて実行すると共
に、該複数ステップのドライエッチング処理の間に前記
一方の主面からフロン重合物を除去する処理を実行する
ことを特徴とするマイクロレンズアレイの製法。 - 【請求項3】 前記複数のレジスト層を形成する工程で
は、各レジスト層を対応する平凸レンズの前記一方の主
面からの突出高さが50μm以上となるような厚さで形
成する請求項2記載のマイクロレンズアレイの製法。 - 【請求項4】 前記フロン重合物を除去する処理では、
酸素プラズマにより前記フロン重合物を除去する請求項
2又は3記載のマイクロレンズアレイの製法。 - 【請求項5】 透光板と、この透光板の一方の主面にエ
ッチングによりレンズアレイパターンを転写して形成さ
れた複数の平凸レンズとを備えたマイクロレンズアレイ
であって、 各平凸レンズを覆う透光被膜を該平凸レンズの中央部か
ら周縁部に進むにつれて厚さが漸減するように形成した
ことを特徴とするマイクロレンズアレイ。 - 【請求項6】透光性の基板の一方の主面にレンズアレイ
パターンに従って複数のレジスト層を形成する工程と、 各レジスト層にリフロー処理を施して各レジスト層を平
凸レンズ形状とする工程と、 ドライエッチング処理を各レジスト層及び前記一方の主
面に施して各レジスト層の平凸レンズ形状を前記の一方
の主面に転写することにより前記一方の主面に前記複数
のレジスト層にそれぞれ対応する複数の平凸レンズを形
成する工程と、 前記複数の平凸レンズをそれぞれ露呈する複数の開口部
を有するスパッタマスク層を前記一方の主面に形成する
工程であって、前記スパッタマスク層の各開口部が対応
する平凸レンズの頂部より上方の部分にて該平凸レンズ
の開口径より小さい直径を有するように前記スパッタマ
スク層を形成するものと、 前記スパッタマスク層を選択マスクとするスパッタ処理
により各平凸レンズを覆う透光被膜を該平凸レンズの中
央部から周縁部に進むにつれて厚さが漸減するように形
成する工程とを含むマイクロレンズアレイの製法。
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CN114609707A (zh) * | 2020-12-09 | 2022-06-10 | 微凤凰有限公司 | 设置有各自具有非球面形状的相反侧的微透镜 |
KR20220119844A (ko) * | 2021-02-22 | 2022-08-30 | 한국과학기술원 | 동시 열적 리플로우 기반 마이크로 렌즈 및 이의 제작 방법 |
-
2002
- 2002-08-26 JP JP2002244730A patent/JP3726790B2/ja not_active Expired - Fee Related
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