JP2003344025A - プリズムアレイ形状の計測方法および計測装置 - Google Patents
プリズムアレイ形状の計測方法および計測装置Info
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Abstract
アンラッピング処理を行うことができ、高精度に計測可
能な高精度干渉計測を従来方式より効率よく行うことが
できる計測方法及び計測装置を提供する。 【解決手段】 干渉光学系により撮像した3枚以上の高
コヒーレンス干渉画像に基づき、撮像部の視野内の領域
を位相が不連続となる箇所で分割した複数の分割領域に
おける位相をそれぞれ算出する。干渉光学系により撮像
した1枚以上の低コヒーレンス干渉画像に基づき、各分
割領域においてそれぞれ光路差がゼロになる基準位置を
算出する。各分割領域においてそれぞれ、算出された基
準位置を基準とする位相アンラッピング処理を行う。各
分割領域における干渉縞のコントラスト情報を用いて、
次の干渉縞撮像位置に移動するために最適な移動方向と
移動量を算出し、その算出結果に基づいて精密移動ステ
ージを制御する。
Description
利用して物体の表面形状を計測する計測方法及び計測装
置に関し、特に、光の波長を超える段差を含む、フロン
トライト導光板等のプリズムアレイの表面形状をナノレ
ベル精度で計測する計測方法及び計測装置に関する。
トライト導光板の形状を示す。フロントライト導光板
は、図1に示したようなプリズムアレイ形状を有し、携
帯電話等に用いられる光学部品である。図1のプリズム
アレイのような計測対象の表面形状を計測する干渉計測
方法として、高精度干渉計測法が知られている。
す。この干渉計測装置は、高精度干渉計測法の最も一般
的な構成を使用した例である。
レンジの波長フィルタ2で擬似単色化し、計測対象6と
干渉レンズ5内の参照面に同時に照射する。撮像部3
(CCD:Charge−Coupled Devic
e)により、計測対象6と参照面の光路差OPD(Op
tical Path Difference)の違い
で生じる干渉縞を撮像する。計測対象6の表面からの反
射光と干渉レンズ5内の参照面からの反射光の光路差を
ΔL(x,y)、計測対象6の高さをd(x,y)、位
相差をφ(x,y)、照射光の波長をλとすると,撮像
部3で観測される干渉縞強度g(x,y)は次式で表す
ことができる。
の背景強度、明暗振幅である。図2の高精度干渉法は、
式(1)における位相項を次式(4)のように変調し、
背景強度a(x,y)、明暗振幅b(x,y)の影響を
排除して、位相差φ(x,y)を高精度に求める方式で
ある。
レンズをピエゾ素子等の精密移動ステージで動かして式
(4)のパラメータδを変調させる。例えば、ピエゾ素
子の移動ステージを移動してパラメータδをπ/2づつ
変化させながら、次式(5)のように、4枚の干渉画像
を撮像すれば,位相φ(x,y)は次式(6)のように
求められる。
ら位相φ(x,y)を求める方式を4−BUCKET法
とよぶ。この方式は、位相シフト法の中でも最も基本的
な方式として知られている。位相シフト法には、4−B
UCKET法以外にN枚の干渉画像から位相を算出する
N−BUCKET法(例えば、N=5,7,9,11,
13)がある。これらの方式は、位相の算出の際に、ピ
エゾ素子のシフト量誤差の影響を少なく抑える効果があ
る。例えば、5−BUCKET法における位相の算出
は、次式のように、5枚の干渉画像の干渉縞強度g1乃
至g 5から位相φ(x,y)を求めることができる。
り、計測対象の形状をナノレベル精度で計測することが
可能となる。しかしながら、式(6)や式(8)に示さ
れるように、位相がアークタンジェントの関数として求
められるため、値域が制限され、位相の折り返しが生じ
るという問題がある。すなわち、計測対象の位相変化が
2π(高さ変化がλ/2)以上ある場合には,算出した
全ての位相が2πの範囲に折り返されてしまう。従っ
て、計測対象の高さを正確に求めるためには位相の折り
返しを元の高さに戻すためのアンラッピング処理が必要
となる。ただし、アンラッピング処理を正確に行う条件
として,アンラッピング処理を行う領域内では、位相が
連続しており、かつ、滑らかに変化することが必要であ
る。
た形状を示す図である。緩斜面6aからの反射光は干渉
レンズ5に入射するが、急斜面6bの部分からの反射光
はけられて干渉レンズ5に入射しないため、急斜面を挟
んだ2つの緩斜面の間に位相が不連続な領域が存在す
る。以下、位相が不連続な領域を計測不感帯とよぶ。通
常のアンラッピング処理では、位相が不連続な計測不感
帯を間に挟む、異なる緩斜面同士の高さを計測すること
が出来ない。言い換えれば、同一緩斜面のように、位相
が連続しており、滑らかに変化する領域においてのみ、
通常のアンラップ処理を行うことができる。
する従来の干渉計測方式としては、低コヒーレンス干渉
系を用いた方式と2波長干渉法を用いた方式とが知られ
ている。
来の干渉計測装置の構成例を示す。この例では、波長フ
ィルタ2を挿入せず、照明1からの光を計測対象6と干
渉レンズ5内の参照面に同時に照射して、撮像部3によ
り低コヒーレンス状態の干渉縞を撮像する。低コヒーレ
ンス状態での干渉縞は、計測対象6と参照面からの反射
光の光路差がゼロとなる場合の縞が最も振幅が大きくな
る。ピエゾ駆動ステージ(PZT)4を上下方向に走査
し、撮像部3の各画素について干渉縞の振幅が最大とな
ったピエゾ駆動ステージ4の位置を記録することで計測
対象の高さを求めることができる。この方式では、式
(1)に基づく位相の算出を行わないため、上記したア
ンラッピング処理の問題は生じない。例えば、特開20
00−9444号公報には、低コヒーレンス干渉系を用
いた干渉計測方式の他の例が示されている。この公報に
示された方式では、上記の低コヒーレンス干渉法による
結果を高精度干渉法の縞次数決定に用いて、高精度干渉
法のアンラッピング処理に利用している。
計測装置の構成例を示す。この例では、2つの光源とし
て照明1aと照明1bを用意し、それぞれに異なる波長
λ1,λ2の波長フィルタ2a、2bを適用することで
2波長の光による干渉縞を得る。すなわち、照明1aか
らの光を波長フィルタ2aで波長λ1の単色光とし、照
明1bからの光を波長フィルタ2bで波長λ2の単色光
とし、それぞれの単色光を計測対象6と干渉レンズ5内
の参照面に別々に照射して、撮像部3により、波長λ1
に関する干渉縞と、波長λ2に関する干渉縞とを撮像す
る。
つの異なる波長の照射光により得られる干渉縞からそれ
ぞれ高精度干渉法を適用して算出できる位相をφ
1(x,y)、φ2(x,y)とし、得られた位相の差
{φ1(x,y)−φ2(x,y)}を計算すること
で、等価波長λeq=λ1λ2/(λ1−λ2)を基準
にした位相が算出できる。λ1λ2を適当に選ぶことに
より,折り返しの範囲λeq/2を大きく広げることが
可能となる。
は2波長干渉法を用いた干渉計測方式として、他の例が
示されている。この公報に示された方式では、上記2波
長干渉法と同様の方法で、位相{φ1(x,y)−φ2
(x,y)}を求めて、精度の低い高さを求める。その
後、先に求めた精度の低い高さ情報に基づいて、高精度
干渉法によるφ1(x,y)のアンラッピング処理を行
う。
低コヒーレンス法を用いた従来方式の問題点を説明する
ための図である。
用いた従来方式では、光路差がゼロとなるピエゾ駆動ス
テージ4の高さ位置(撮像位置)を検出する必要がある
ため、計測対象6の形状に対し多数の箇所でピエゾ駆動
ステージの移動制御による走査、撮像が必要となる。従
って、図4に示した低コヒーレンス法を用いた従来方式
を利用した場合には、計測時間が遅いために、短時間で
計測対象の形状を計測することが困難であった。
た従来方式の問題点を説明するための図である。
式は、得られた{φ1(x,y)−φ2(x,y)}を
そのまま位相(高さ)情報としているため、計測範囲λ
eq/2は広くできるが、求められる高さの計測精度は
悪くなる。
報の従来方式の場合は、得られた{φ1(x,y)−φ
2(x,y)}をそのまま位相(高さ)情報とせず、高
精度干渉法によるφ1(x,y)のアンラッピング処理
の次数情報に使用している。従って、図7に示した2波
長干渉法を用いた従来方式のように計測精度が悪くなる
点は改良できる。しかしながら、いずれの従来方式にお
いても、2つの異なる波長の照射光でそれぞれ高精度干
渉法による計測を繰り返し行う必要があるため、画像取
得に必要となる撮像回数が多くなり、計測時間がかかる
という問題がある。例えば、5−BUCKET法を使用
する場合、合計で10回の干渉画像撮像が必要となる。
により計測レンジが増えても、最終的にはレンズの焦点
深度で計測レンジは制限され、焦点深度から外れた範囲
を計測するには,更に10×n回の画像取得の必要が生
じる。従って、2波長干渉法を用いた従来方式では、単
位時間あたりの計測数を増やすことが困難である。
であり、計測不感帯が発生する形状の場合にも適切にア
ンラッピング処理を行うことができ、高精度に計測可能
な高精度干渉計測を従来方式より効率よく行うことがで
きる計測方法及び計測装置を提供することを目的とす
る。
め、請求項1に記載した発明は、計測対象の高コヒーレ
ンス干渉画像と低コヒーレンス干渉画像を撮像部により
撮像可能な干渉光学系と、前記干渉光学系の参照面と計
測対象からの反射光の光路差を調節可能な精密移動ステ
ージとを備える計測装置を用いて、計測対象の形状を計
測する計測方法であって、前記干渉光学系により撮像し
た少なくとも3枚の高コヒーレンス干渉画像に基づい
て、前記撮像部の視野内の領域を位相が不連続となる箇
所で分割し、かつ、その分割した複数の分割領域におけ
る位相をそれぞれ独立に算出する位相算出手順と、前記
干渉光学系により撮像した少なくとも1枚の低コヒーレ
ンス干渉画像に基づいて、前記複数の分割領域の各分割
領域においてそれぞれ前記光路差がゼロになる基準位置
を算出する基準位置算出手順と、各分割領域においてそ
れぞれ独立して、前記位置算出手段により算出された基
準位置を基準とする位相アンラッピング処理を行うアン
ラッピング処理手順と、各分割領域における干渉縞のコ
ントラスト情報を用いて、次の干渉縞撮像位置に移動す
るために最適な移動方向と移動量を算出し、該算出され
た移動方向と移動量に基づいて前記精密移動ステージを
制御する移動制御手順とからなることを特徴とする。本
発明の計測方法によれば、アンラッピング処理の必要な
計測対象に対して、従来方式より少ない撮像回数で、高
精度に計測可能な高精度干渉計測法によるアンラッピン
グ処理を行うことができる。
に記載した発明は、計測対象の形状を計測する計測装置
であって、計測対象の高コヒーレンス干渉画像と低コヒ
ーレンス干渉画像を撮像部により撮像可能な干渉光学系
と、前記干渉光学系の参照面からの反射光と計測対象か
らの反射光の光路差を調節可能な精密移動ステージと、
前記干渉光学系により撮像した少なくとも3枚の高コヒ
ーレンス干渉画像に基づいて、前記撮像部の視野内の領
域を位相が不連続となる箇所で分割し、かつ、その分割
した複数の分割領域における位相をそれぞれ独立に算出
する位相算出手段と、前記干渉光学系により撮像した少
なくとも1枚の低コヒーレンス干渉画像に基づいて、前
記複数の分割領域の各分割領域においてそれぞれ前記光
路差がゼロになる基準位置を算出する位置算出手段と、
各分割領域においてそれぞれ独立して、前記位置算出手
段により算出された基準位置を基準とする位相アンラッ
ピング処理を行うアンラッピング処理手段と、各分割領
域における干渉縞のコントラスト情報を用いて、次の干
渉縞撮像位置に移動するために最適な移動方向と移動量
を算出し、該算出された移動方向と移動量に基づいて前
記精密移動ステージを制御する移動制御手段とを備える
ことを特徴とする。本発明の計測装置によれば、アンラ
ッピング処理の必要な計測対象に対して、従来方式より
少ない撮像回数で、高精度に計測可能な高精度干渉計測
法によるアンラッピング処理を行うことができる。
乃至図15を参照しながら具体的に説明する。
実施の形態としての計測方法及び計測装置は、高精度干
渉法に5−BUCKET法を使用した方式であるものと
する。ただし、これに限定されるものではなく、N−B
UCKET法(N=7,9,11,13)を使用する方
式であってもよい。
例を示す。
装置は、光源としての照明1と、波長フィルタ2と、C
CD等で構成される撮像部3と干渉レンズ5を含む干渉
光学系と、干渉光学系の参照面の位置を微小に変化させ
ることにより計測対象6及び参照面からの反射光の光路
差を調節可能なピエゾ駆動ステージ4とから構成され
る。コンピュータ7(パーソナルコンピュータPC等)
は、この計測装置全体を制御するCPUを含むコンピュ
ータ本体を有する。コンピュータ7は、上記コンピュー
タ本体とともに、計測結果を表示するディスプレイと、
入力データや制御コマンドを入力するキーボード等の入
力装置とを備える。
した計測対象6の干渉縞の画像信号を受取り、デジタル
画像データに変換する変換装置を備える。上記コンピュ
ータ本体には、本発明の計測方法を実現するためにCP
Uにより実行されるプログラムが格納されたROMと、
計測対象の形状を計測するのに必要な各種の情報を格納
するRAMとを備える制御部が含まれる。図13の実施
例の計測装置には、コヒーレンスの高い状態とコヒーレ
ンスの低い状態の照明を切り替えることができるコヒー
レンス状態切り替え機構8が設けてある。図13の切り
替え機構8は、例えば、ロータリソレノイド等を使用し
て波長フィルタ2を任意に出し入れできる機構により照
明1のコヒーレンス状態を切り替える。この実施例のコ
ンピュータ7の制御部には、位相シフト法に従って、ピ
エゾ駆動ステージ4を移動制御しながら、撮像部3によ
り計測対象について3枚以上の高コヒーレンス画像を撮
像する手段と、撮像部3から取得した3枚以上の高コヒ
ーレンス画像の画像データに基づいて、撮像部3の視野
内の領域を位相が不連続となる箇所で分割し、その分割
した複数の分割領域における位相をそれぞれ算出する位
相算出手段と、撮像部3から取得した1枚以上の低コヒ
ーレンス画像の画像データに基づいて、各分割領域にお
いてそれぞれ光路差がゼロになる基準位置を算出する基
準位置算出手段と、各分割領域においてそれぞれ、算出
された基準位置を基準とする位相アンラッピング処理を
行うアンラッピング処理手段と、各分割領域における干
渉縞のコントラスト情報を用いて、次の干渉縞撮像位置
に移動するために最適な移動方向と移動量を算出し、該
算出された移動方向と移動量に基づいてピエゾ駆動ステ
ージ4を制御する移動制御手段とが含まれる。図15
は、本発明の計測方法の一実施例を説明するためのフロ
ー図である。
の計測装置を用いて計測対象6の形状を計測する場合の
計測手順をコンピュータ7のCPU制御で実行させてい
る。
ステージ4の高さ位置を所定量ずつ移動制御することに
より光路差OPDを変化させながら、計測対象6に対す
るN枚の高コヒーレンス画像を撮像部3で撮像して、そ
のN枚の高コヒーレンス画像データ(I)を撮像部3よ
り取得する(S1)。このとき、コヒーレンス状態切り
替え機構8により、波長フィルタ2は高コヒーレンス干
渉画像を撮像可能な位置に設定しておく。このステップ
S1で撮像される高コヒーレンス画像の枚数Nは、理論
上3枚以上であればよいが、この実施例のように、5−
BUCKET法を使用する場合には、5枚とすればよ
い。
ピュータ7は、N枚の高コヒーレンス画像データ(I)
の各画素毎のコントラストを算出する。算出されたコン
トラスト情報に基づいて、撮像部3の視野内の領域を、
位相が不連続となる箇所で分割して、それぞれ位相が連
続した複数の分割領域Siを算出する(S2)。
テージ4の高さ位置を表す変数Zを所定の初期値Zoに
セットする(S3)。
御して、計測対象6に対する1枚以上の低コヒーレンス
画像を撮像部3で撮像して、その低コヒーレンス画像デ
ータ(II)を撮像部3より取得する(S4)。このと
き、コヒーレンス状態切り替え機構8により、波長フィ
ルタ2は低コヒーレンス干渉画像を撮像可能な位置に設
定しておく。
ンピュータ7は、この低コヒーレンス画像データ(I
I)に基づいて、ステップS2で算出した各分割領域S
i内において光路差OPD=0の位置xi(基準位置)
をそれぞれ算出する(S5)。
iが算出できた分割領域について上記画像データ(I)
と光路差OPD=0の位置xiに基づき、その分割領域
に対する位相アンラッピング処理を行う(S6)。
行われた分割領域について、アンラッピング処理後の位
相データに移動量データ(Zo−Zj)を加えて領域高
さ()を算出する(S7)。
7は、ステップS2で求めた全ての分割領域Siについ
て領域高さの算出が完了したか否かを判定する(S
8)。全ての分割領域Siについて領域高さの算出が完
了した場合には、上記の干渉計測手順を終了する。
していない分割領域が残されている場合には、上記画像
データ(II)の各画素毎のコントラストを算出し、算
出されたコントラスト情報に基づいて、残された分割領
域中の次の分割領域を撮像するために最適な移動量Zを
算出する(S9)。
S1と同様に、ピエゾ駆動ステージ4を移動制御するこ
とにより光路差OPDを変化させながら、計測対象6に
対するN枚の高コヒーレンス画像を撮像部3で再度撮像
して、そのN枚の高コヒーレンス画像データ(I)を撮
像部3より取得する(S10)。
プS4に戻り、同様の処理を繰り返す。
施例を示す。図14に示したように、この実施例の計測
装置には、低コヒーレンス用の照明1aと、波長フィル
タ2を光路上に設けた高コヒーレンス用の照明1bとが
設けてある。図14の切り替え機構8は、所望のコヒー
レンス状態に従ってどちらか一方の照明のみをONにする
ことで、撮像される画像のコヒーレンス状態を制御す
る。他の構成は、図13の実施例と同一であるので、説
明は省略する。図14の実施例の計測装置も、図13の
実施例と同様、低コヒーレンス、高コヒーレンス状態の
干渉画像を所定の枚数だけ撮像し、図15の計測手順を
実行することにより計測対象の高さを求めることができ
る。
位置が検出される場合に、本発明の計測方法により実行
される位相アンラッピング処理を説明する図である。
斜面6a−2の両方が光路差OPD=0の基準高さと交
わる位置に計測対象を移動させる。この状態で、コヒー
レンスの高い照明で位相シフト法に必要な干渉画像5枚
を撮像し、低コヒーレンス照明で低コヒーレンス画像を
1枚撮像する。図8(A)のグラフに示したように、低
コヒーレンス干渉縞の明るさピーク位置(0次の干渉
縞)を検出し、その位置(点Aまたは点B)を基準に、
緩斜面6a−1、緩斜面6a−2のそれぞれに対して位
相アンラッピング処理を行う。
ば、各緩斜面におけるアンラッピング基準を低コヒーレ
ンス画像から得られた0次縞位置(点A又は点B)とす
ることにより、各斜面同士に関する位相関係を適切に保
ちながらアンラッピング処理を行うことができる。
位置が検出される場合に、本発明の計測方法により実行
される位相アンラッピング処理を説明する図である。
が光路差OPD=0の基準高さと一方しか交わらない場
合の例である。この場合、図9に示したように、高さ1
及び高さ2の位置にピエゾ駆動ステージ4を移動させ
て、それぞれの位置(点A、点B)で位相シフト法に必
要な5枚の干渉画像と、1枚の低コヒーレンス画像を撮
像する。
ス干渉縞の明るさピーク位置(0次の干渉縞)を検出
し、その位置(点A)を基準に、緩斜面6a−1につい
て位相アンラッピング処理を行う。また、図9(B)に
示したように、低コヒーレンス干渉縞の明るさピーク位
置(0次の干渉縞)を検出し、その位置(点B)を基準
に、緩斜面6a−2についての位相アンラッピング処理
を行う。
に必要な移動量αを、緩斜面6a−2の高さデータから
差し引くことで緩斜面6a−1と緩斜面6a−2の高さ
を算出する。
(連続位相領域)についてそれぞれ、少なくとも一箇
所、光路差OPD=0の基準高さに対応する位置を特定
する必要があるため,あらかじめ撮像部3の視野内の連
続位相領域を個々に認識しておく必要がある。このた
め、位相シフト法に必要な5枚の干渉画像から画像の縞
コントラストを計算し、縞コントラストの連続性により
位相空間の連続性を判断するとよい。例えば、図10
は、本発明の計測方法において、位相の連続する領域で
あるか否かを判定する手順を示す。図10に示したよう
に、急斜面6bによる不感帯の位置では、縞コントラス
トは急激に小さくなるため、緩斜面6a−1と緩斜面6
a−2の間に位相の不連続性(計測不感帯)があること
を判断できる。
4の高さ位置を変えて計測しなければならない場合、な
るべく少ない移動回数で高さ2の位置にピエゾ駆動ステ
ージ4の高さ位置(ステージ高さ)を移動させる必要が
ある。図11は、本発明の計測方法において、次の干渉
縞撮像位置にピエゾ駆動ステージ4を移動するための移
動方向を算出する手順を示す。
画像のボケ量により高さ制御の移動方向を予測して無駄
な移動を極力抑えるようにする。例えば、図11(A)
のように、右上がりの斜面が、光路差OPD=0の基準
高さより下側にあれば、左側のボケが大きく右側のボケ
が小さくなる。すなわち、画像のコントラストを算出す
る際に、コントラストが右側に上昇傾向であれば、ピエ
ゾ駆動ステージ4を上方向に移動するよう制御を行う。
これとは逆に、図11(B)のように、画像のコントラ
ストが右側に下降傾向である場合には、該当する領域を
光路差OPD=0の基準高さに近づけるために、ピエゾ
駆動ステージ4を下方向に移動するよう制御する。
の干渉縞撮像位置にピエゾ駆動ステージを移動するため
の最適な移動量を算出する手順を示す。
域における干渉縞のコントラスト情報から次の干渉縞撮
像位置(ステージ高さ)への最適な移動量を予測して、
ピエゾ駆動ステージ4を移動制御する。図12に示した
ように、T1とT2のコントラストが等しい場合、緩斜
面6a−2の中心を光路差OPD=0の基準高さに移動
するための最適な移動量dを次式(9)にしたがって算
出する。
高さからコントラストT1での高さまでの垂直距離、a
は緩斜面6a−1の光路差OPD=0であるA点からコ
ントラストT1の点までの水平距離、bは緩斜面6a−
2の左側端点からコントラストT2の点までの水平距
離、Lは緩斜面6a−2の水平方向長さである。
のように算出された移動量dに基づいて、ピエゾ駆動ス
テージ4を移動制御することにより、無駄な移動を極力
抑えるようにステージ制御を行うことができる。
て、低コヒーレンス干渉画像の振幅ピーク位置を検出す
る手順を示す。
渉縞から0次の干渉縞(振幅ピーク位置)を検出する際
のシェーディング補正処理に関する。1枚の低コヒーレ
ンス干渉縞からピーク位置(0次の干渉縞)を検出する
ためには、シェーディングとノイズの影響を抑える必要
がある。
ヒーレンス画像から求めた干渉縞である。シェーディン
グは、求めた干渉縞からλ(低コヒーレント照明の中心
波長)の数倍の波長でローパスフィルタをかけて、その
結果得られた曲線をシェーディング補正用のデータとし
て補正できる。また、干渉縞の含まれる区間の最小2乗
曲線をシェーディング補正用のデータとして補正しても
よい。
コヒーレンス干渉画像の振幅ピーク位置を検出する他の
手順を示す。
渉縞より0次縞を検出するためのノイズ処理に関する。
基本的には、0次の干渉縞の位置を特定するには、計測
対象の1つの面内における1点だけ検出されればよい
が、その場合、ノイズのために±n次の干渉縞を0次の
干渉縞と誤って検出してしまう場合がある。この問題を
解消するために、この実施例の検出手順では、図17
(B)に示したように、複数箇所の振幅ピーク位置を検
出する。図17(B)には、ピーク位置に矢印がある点
は、±1次の干渉縞を0次の干渉縞と誤って検出した例
を示す。
の検出位置について最小2乗曲線を求める。図17
(D)に示したように、最小2乗曲線からずれた検出点
は検出エラーと判断して除外する。残されたピーク位置
の中から最も確からしい点を0次の干渉縞位置とする。
コヒーレンス干渉縞から求める際に、図17(E)に示
すように、ある範囲の干渉縞を加算平均してから、振幅
ピーク位置を求めることでさらにノイズの影響を抑える
ことが可能である。
画像と低コヒーレンス干渉画像を撮像部により撮像可能
な干渉光学系と、前記干渉光学系の参照面からの反射光
と計測対象からの反射光の光路差を調節可能な精密移動
ステージとを備える計測装置を用いて、計測対象の形状
を計測する計測方法であって、前記干渉光学系により撮
像した少なくとも3枚の高コヒーレンス干渉画像に基づ
いて、前記撮像部の視野内の領域を位相が不連続となる
箇所で分割し、かつ、その分割した複数の分割領域にお
ける位相をそれぞれ独立に算出する位相算出手順と、前
記干渉光学系により撮像した少なくとも1枚の低コヒー
レンス干渉画像に基づいて、前記複数の分割領域の各分
割領域においてそれぞれ前記光路差がゼロになる基準位
置を算出する基準位置算出手順と、各分割領域において
それぞれ独立して、前記位置算出手段により算出された
基準位置を基準とする位相アンラッピング処理を行うア
ンラッピング処理手順と、各分割領域における干渉縞の
コントラスト情報を用いて、次の干渉縞撮像位置に移動
するために最適な移動方向と移動量を算出し、該算出さ
れた移動方向と移動量に基づいて前記精密移動ステージ
を制御する移動制御手順とからなることを特徴とする計
測方法。
コヒーレンス干渉画像から求めた計測対象のコントラス
ト情報を用いて、各分割領域を算出することを特徴とす
る付記1記載の計測方法。
記低コヒーレンス干渉画像の振幅ピーク位置情報を用い
て、各分割領域における前記光路差がゼロになる基準位
置を算出することを特徴とする付記1記載の計測方法。
ンス状態と低コヒーレンス状態のいずれかに切り替える
ために、光路上に波長フィルタを出し入れする制御が可
能なコヒーレンス状態切り替え機構を備えることを特徴
とする付記1記載の計測方法。
画像と低コヒーレンス干渉画像を撮像部により撮像可能
な干渉光学系と、前記干渉光学系の参照面からの反射光
と計測対象からの反射光の光路差を調節可能な精密移動
ステージと、前記干渉光学系により撮像した少なくとも
3枚の高コヒーレンス干渉画像に基づいて、前記撮像部
の視野内の領域を位相が不連続となる箇所で分割し、か
つ、その分割した複数の分割領域における位相をそれぞ
れ独立に算出する位相算出手段と、前記干渉光学系によ
り撮像した少なくとも1枚の低コヒーレンス干渉画像に
基づいて、前記複数の分割領域の各分割領域においてそ
れぞれ前記光路差がゼロになる基準位置を算出する位置
算出手段と、各分割領域においてそれぞれ独立して、前
記位置算出手段により算出された基準位置を基準とする
位相アンラッピング処理を行うアンラッピング処理手段
と、各分割領域における干渉縞のコントラスト情報を用
いて、次の干渉縞撮像位置に移動するために最適な移動
方向と移動量を算出し、該算出された移動方向と移動量
に基づいて前記精密移動ステージを制御する移動制御手
段とを備えることを特徴とする計測装置。
ヒーレンス干渉画像から求めた計測対象のコントラスト
情報を用いて、各分割領域を算出することを特徴とする
付記5記載の計測装置。
低コヒーレンス干渉画像の振幅ピーク位置情報を用い
て、各分割領域における前記光路差がゼロになる基準位
置を算出することを特徴とする付記5記載の計測装置。
ンス状態と低コヒーレンス状態のいずれかに切り替える
ために、光路上に波長フィルタを出し入れする制御が可
能なコヒーレンス状態切り替え機構を備えることを特徴
とする付記5記載の計測装置。
計測方法によれば、フロントライト導光板のような微細
な形状であって、光の波長を超える段差を含む形状の計
測対象に対し、短時間で高精度な干渉計測ができるた
め、単位時間あたりの計測数を増やすことが可能とな
り、計測対象の検査や調査の効率を向上することができ
る。
の形状を示す図である。
例を示す図である。
る。
計測装置の構成例を示す図である。
成例を示す図である。
明するための図である。
明するための図である。
れる場合に、本発明の計測方法により実行される位相ア
ンラッピング処理を説明する図である。
れる場合に、本発明の計測方法により実行される位相ア
ンラッピング処理を説明する図である。
領域であるか否かを判定する手順を説明するための図で
ある。
位置にピエゾ駆動ステージを移動するための移動方向を
算出する手順を説明するための図である。
位置にピエゾ駆動ステージを移動するための最適な移動
量を算出する手順を説明するための図である。
ある。
である。
のフロー図である。
干渉画像の振幅ピーク位置を検出する手順を説明するた
めの図である。
干渉画像の振幅ピーク位置を検出する手順を説明するた
めの図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 計測対象の高コヒーレンス干渉画像と低
コヒーレンス干渉画像を撮像部により撮像可能な干渉光
学系と、前記干渉光学系の参照面からの反射光と計測対
象からの反射光の光路差を調節可能な精密移動ステージ
とを備える計測装置を用いて、計測対象の形状を計測す
る計測方法であって、 前記干渉光学系により撮像した少なくとも3枚の高コヒ
ーレンス干渉画像に基づいて、前記撮像部の視野内の領
域を位相が不連続となる箇所で分割し、かつ、その分割
した複数の分割領域における位相をそれぞれ独立に算出
する位相算出手順と、 前記干渉光学系により撮像した少なくとも1枚の低コヒ
ーレンス干渉画像に基づいて、前記複数の分割領域の各
分割領域においてそれぞれ前記光路差がゼロになる基準
位置を算出する基準位置算出手順と、 各分割領域においてそれぞれ独立して、前記位置算出手
段により算出された基準位置を基準とする位相アンラッ
ピング処理を行うアンラッピング処理手順と、各分割領
域における干渉縞のコントラスト情報を用いて、次の干
渉縞撮像位置に移動するために最適な移動方向と移動量
を算出し、該算出された移動方向と移動量に基づいて前
記精密移動ステージを制御する移動制御手順と、 からなることを特徴とする計測方法。 - 【請求項2】 前記位相算出手順では、前記高コヒーレ
ンス干渉画像から求めた計測対象のコントラスト情報を
用いて、各分割領域を算出することを特徴とする請求項
1記載の計測方法。 - 【請求項3】 前記基準位置算出手順では、前記低コヒ
ーレンス干渉画像の振幅ピーク位置情報を用いて、各分
割領域における前記光路差がゼロになる基準位置を算出
することを特徴とする請求項1記載の計測方法。 - 【請求項4】 前記干渉光学系は、高コヒーレンス状態
と低コヒーレンス状態のいずれかに切り替えるために、
光路上に波長フィルタを出し入れする制御が可能なコヒ
ーレンス状態切り替え機構を備えることを特徴とする請
求項1記載の計測方法。 - 【請求項5】 計測対象の高コヒーレンス干渉画像と低
コヒーレンス干渉画像を撮像部により撮像可能な干渉光
学系と、 前記干渉光学系の参照面からの反射光と計測対象からの
反射光の光路差を調節可能な精密移動ステージと、 前記干渉光学系により撮像した少なくとも3枚の高コヒ
ーレンス干渉画像に基づいて、前記撮像部の視野内の領
域を位相が不連続となる箇所で分割し、かつ、その分割
した複数の分割領域における位相をそれぞれ独立に算出
する位相算出手段と、 前記干渉光学系により撮像した少なくとも1枚の低コヒ
ーレンス干渉画像に基づいて、前記複数の分割領域の各
分割領域においてそれぞれ前記光路差がゼロになる基準
位置を算出する位置算出手段と、 各分割領域においてそれぞれ独立して、前記位置算出手
段により算出された基準位置を基準とする位相アンラッ
ピング処理を行うアンラッピング処理手段と、 各分割領域における干渉縞のコントラスト情報を用い
て、次の干渉縞撮像位置に移動するために最適な移動方
向と移動量を算出し、該算出された移動方向と移動量に
基づいて前記精密移動ステージを制御する移動制御手段
と、 を備えることを特徴とする計測装置。
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- 2002-05-27 JP JP2002152344A patent/JP3921129B2/ja not_active Expired - Fee Related
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