JP2003343449A - 往復動型圧縮機 - Google Patents

往復動型圧縮機

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JP2003343449A
JP2003343449A JP2002154120A JP2002154120A JP2003343449A JP 2003343449 A JP2003343449 A JP 2003343449A JP 2002154120 A JP2002154120 A JP 2002154120A JP 2002154120 A JP2002154120 A JP 2002154120A JP 2003343449 A JP2003343449 A JP 2003343449A
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cylinder
vibration
cylinders
compressor
failure
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JP2002154120A
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English (en)
Inventor
Takahisa Hirasawa
貴久 平澤
Hiroshi Mihashi
博 三橋
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子を用いて振動を検出することによ
り、往復動機構の故障を簡単な構造で診断し、信頼性を
向上させる。 【解決手段】 多気筒型圧縮機の故障診断装置21を、
シリンダ7,8,9の振動を検出する圧電素子22と、
診断処理回路23とにより構成する。また、診断処理回
路23は、圧電素子22の検出信号Sを用いて気筒判別
信号Kを発生すると共に、クランク軸6、ピストン1
6、連接棒18等を含む往復動機構の故障により検出信
号Sが異常に大きくなったときには、故障信号Eを発生
する。そして、圧縮機の運転中には、シリンダ7〜9の
故障を故障信号Eの有無によって診断し、故障したシリ
ンダを気筒判別信号Kによって判別する。これにより、
簡単で低コストな構造によって往復動機構の故障をシリ
ンダ7〜9毎に確実に診断することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばシリンダ内
でピストンを往復動させることにより空気等の気体を圧
縮するのに好適に用いられる往復動型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、往復動型圧縮機は、シリンダ内
でピストンを往復動させることにより空気等の圧縮を行
うものである。
【0003】この種の従来技術による空気圧縮機は、ク
ランクケースと、該クランクケースに回転可能に設けら
れたクランク軸と、前記クランクケースに設けられたシ
リンダと、前記クランク軸に連接棒を介して連結され該
シリンダ内で往復動することにより気体を圧縮するピス
トンとを備えている。
【0004】そして、空気圧縮機の運転時には、電動モ
ータ等の駆動源によってクランク軸を回転駆動すると、
その回転が連接棒を介してピストンの往復動に変換さ
れ、ピストンがシリンダ内で摺動する。これにより、空
気圧縮機は、ピストンの往復動に応じてシリンダ内に空
気を吸込んで圧縮し、この圧縮空気を外部のエアタンク
等に向けて吐出するものである。
【0005】また、従来技術の空気圧縮機としては、複
数個のシリンダをクランクケース等に搭載し、これらの
シリンダの吐出側をエアタンク等に対して並列に接続す
る構成とした多気筒型の空気圧縮機もある。また、例え
ば複数個のシリンダを直列に接続し、1段目のシリンダ
から最終段のシリンダに向けて空気を複数段階で順次高
圧に圧縮する構成とした多段式の空気圧縮機も知られて
いる。
【0006】ここで、圧縮機の運転中に、例えばクラン
ク軸、連接棒、ピストン等の部品に異常が生じた場合に
は、これらの部品が高温となって劣化したり、他の部品
が連鎖的に損傷することがある。特に、ピストンの連接
棒が折損した場合には、圧縮機を正常に運転できないば
かりでなく、折れた連接棒によってシリンダ、ピストン
等を損傷する虞れがあるため、運転を速やかに停止する
必要がある。
【0007】このため、従来技術では、例えば加速度セ
ンサ等を用いて圧縮機の運転中に発生する振動を検出
し、検出した振動波形を高速フーリエ変換(FFT)等
の手段を用いて周波数分析する構成とした圧縮機があ
る。そして、例えば連接棒の折損等が生じた場合には、
圧縮機から発生する振動のうち連接棒の折損等による異
常な振動波形を周波数分析によって判別し、圧縮機の異
常を検出するものである。
【0008】また、従来技術の圧縮機には、例えばシリ
ンダの異常な温度上昇を検出する温度センサ等を取付け
たり、ピストンの連接棒に導電性の検知線を取付ける構
成としたものもある。この場合、検知線は、連接棒が折
損したときに一緒に断線することにより、外部から折損
を検知可能とするものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、例えば加速度センサを用いて圧縮機の振動
を検出し、FFT等の手段によって周波数分析を行うこ
とにより、連接棒の折損等を検出する構成としている。
【0010】しかし、この場合には、比較的高価な加速
度センサやFFT用の信号処理回路等を圧縮機に付設す
る必要があるため、これらの構造が複雑となり、圧縮機
全体のコストアップや大型化を招くという問題がある。
【0011】また、例えば温度センサ等により異常を検
出する場合には、折損等の異常検出が難しいばかりでな
く、圧縮機を使用する温度環境等によって異常発生時の
温度が異なるため、異常の検出動作にばらつきが生じる
という問題がある。
【0012】また、例えば検知線等により連接棒の折損
を検出する場合には、クランクケース内の連接棒から外
部に検知線を引出す必要があり、その配線構造が複雑化
するという問題がある。しかも、多気筒型や多段式の圧
縮機にあっては、各シリンダの連接棒に検知線を取付け
るため、配線構造がさらに複雑化する。また、連接棒が
折損したときには、これと一緒に検知線も新品に交換し
なければならない。
【0013】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、簡単で低コストな構造
によって連接棒の折損等を確実に検出でき、圧縮機の他
の部品等を保護できると共に、耐久性、信頼性を向上で
きるようにした往復動型圧縮機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1の発明は、クランクケースと、該クラン
クケースに回転可能に設けられたクランク軸と、クラン
クケースに設けられたシリンダと、クランク軸に連接棒
を介して連結され該シリンダ内で往復動することにより
気体を圧縮するピストンとを備えた往復動型圧縮機にお
いて、シリンダ内でピストンが往復動するときの振動を
振動検出手段を用いて検出し検出結果に応じて前記クラ
ンク軸、連接棒及びピストンを含む往復動機構の故障診
断を行う故障診断装置を設けてなる構成を採用してい
る。
【0015】このように構成することにより、圧縮機の
運転時には、例えば汎用的な圧電素子等からなる振動検
出手段を用いて比較的簡単な構造で圧縮機の振動を検出
でき、検出した振動を正常運転時の振動レベル等と比較
することができる。これにより、例えばクランク軸、連
接棒、ピストン等を含む往復動機構の故障、特に連接棒
の折損等によって振動が異常に大きくなった場合には、
この異常な振動を検出して圧縮機が故障したことを診断
することができる。
【0016】また、請求項2の発明によると、クランク
ケースと、該クランクケースに回転可能に設けられたク
ランク軸と、前記クランクケースに設けられた複数個の
シリンダと、前記クランク軸に連接棒を介して連結され
該シリンダ内で往復動することにより気体を圧縮するピ
ストンとを備えた往復動型圧縮機において、シリンダ内
でピストンが往復動するときの振動を振動検出手段を用
いて検出し検出結果に応じて前記クランク軸、連接棒及
びピストンを含む往復動機構の故障診断を行う故障診断
装置を設け、振動検出手段は複数個のシリンダに対する
距離が互いにほぼ等しくなる位置でクランクケースに取
付ける構成としている。
【0017】これにより、多気筒型や多段式の圧縮機等
においては、例えば振動検出手段をクランク軸の軸線上
となる位置でクランクケースに取付けることができ、圧
縮機の各シリンダからクランクケースを介して振動検出
手段に伝わる振動の伝達状態(振動レベル)を各シリン
ダ間でほぼ等しくすることができる。従って、いずれの
シリンダが故障した場合でも、故障による振動レベルの
変化を振動検出手段によって均等に検出でき、その故障
診断を安定的に行うことができる。
【0018】また、請求項3の発明によると、故障診断
装置はシリンダから正常運転時に発生する振動レベルよ
りも大きな振動に対応して予め設定された故障判定値を
有し、振動検出手段の検出信号が該故障判定値よりも大
きくなったことを判定したときに故障と診断する構成と
している。
【0019】これにより、故障判定値は、例えば圧縮機
の正常運転時に振動検出手段から出力される検出信号の
信号値よりも大きな値として予め設定しておくことがで
きる。そして、圧縮機の運転中に検出信号が故障判定値
よりも大きいと判定した場合には、例えば判定を複数回
行うことによって故障を確実に診断でき、ノイズ等によ
って誤診断が生じるのを防止することができる。
【0020】また、請求項4の発明によると、複数個の
シリンダはクランク軸の回転角に対して互いに位相差を
もって駆動し、故障診断装置は振動検出手段の検出信号
が周期的に増減するときの周期を計測することにより前
記各シリンダのうち故障したシリンダを判別する構成と
している。
【0021】この場合、多気筒型や多段式の圧縮機等で
は、例えば各シリンダが上死点の近傍で気体を圧縮、吐
出するときに振動レベルが大きくなるため、振動検出手
段の検出信号は、各シリンダの位相差に応じて周期的に
増減するようになる。このため、故障診断装置は、検出
信号の周期を計測することによって上死点の近傍にある
シリンダを判別でき、例えば個々のシリンダが上死点の
近傍となるタイミングで振動レベルを判定することによ
り、各シリンダ毎に故障を診断することができる。
【0022】さらに、請求項5の発明によると、故障診
断装置はシリンダが故障したときにクランク軸を駆動す
る動力源を停止して警報を発生する構成としている。
【0023】これにより、シリンダが往復動機構の異常
等により故障したときには、圧縮機を直ちに停止させる
ことができ、他の部品が連鎖的に損傷するのを防止でき
ると共に、オペレータ等に故障を警報することができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
往復動型圧縮機として、3気筒型の空気圧縮機を例に挙
げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0025】1は圧縮空気を貯蔵するタンクとしてのエ
アタンクで、該エアタンク1の上部側には、後述のクラ
ンク軸6を回転駆動する動力源としての電動モータ2が
設けられ、該電動モータ2の出力側は、プーリ3、ベル
ト4等を介してクランク軸6と連結されている。
【0026】5はエアタンク1上に設けられたクランク
ケースで、該クランクケース5は金属ケース等からな
り、その上部側には、図2、図3に示す如く、後述のシ
リンダ7,8,9が搭載されている。
【0027】6はクランクケース5に軸受等を介して回
転可能に設けられたクランク軸で、該クランク軸6は、
その端部側がクランクケース5から突出して電動モータ
2と連結されている。そして、クランク軸6は、電動モ
ータ2により図3中の軸線O−Oを中心として回転駆動
されるものである。
【0028】7はクランクケース5上に設けられた例え
ば3個のシリンダで、該シリンダ7,8,9は、図2に
示す如く、クランク軸6の回転方向(周方向)に間隔を
もって配置され、これらの間隔はクランク軸6の中心O
(軸線O−O)を基準として例えば60°程度の角度θ
1に設定されている。また、シリンダ7〜9を左側から
順番に第1シリンダ7、第2シリンダ8、第3シリンダ
9とした場合に、第1シリンダ7と第3シリンダ9との
間には、角度θ1と径方向の反対側に位置して例えば2
40°程度の角度θ2をもつ間隔が設けられている。
【0029】ここで、シリンダ7〜9のうち第1シリン
ダ7を例に挙げて説明すると、該第1シリンダ7の上部
側には、図3に示す如く、弁板10を介してシリンダヘ
ッド11が搭載されている。また、シリンダヘッド11
内には、弁板10との間に位置して吸込室12、吐出室
13が画成され、弁板10には、吸込室12と後述の圧
縮室17との間を連通,遮断する吸込弁14と、吐出室
13と圧縮室17との間を連通,遮断する吐出弁15と
が取付けられている。一方、第2,第3シリンダ8,9
も、第1シリンダ7とほぼ同様に構成されているもので
ある。
【0030】16はシリンダ7〜9内にそれぞれ往復動
可能に設けられたピストンで、該各ピストン16は、ピ
ストンピン16Aを介して後述の連接棒18と連結さ
れ、シリンダ7〜9内に圧縮室17を画成している。
【0031】ここで、シリンダ7〜9内の各ピストン1
6が上死点に達するタイミングは、クランク軸6の回転
角に対して角度θ1分だけ互いに位相差をもって設定さ
れている。このため、圧縮機の運転時には、クランク軸
6が角度θ1だけ回転する毎に第1,第2及び第3シリ
ンダ7,8,9が順次上死点となる。また、第3シリン
ダ9が上死点となった後には、クランク軸6が角度θ2
だけ回転したときに第1シリンダ7が上死点となる。
【0032】18はクランク軸6とピストン16との間
を連結する連接棒で、該連接棒18は、図3に示す如
く、その大端部側が軸受18Aを介してクランク軸6に
回転可能に連結され、その小端部側が他の軸受18Bを
介してピストン16のピストンピン16Aに揺動可能に
連結されている。
【0033】19は吸気時の騒音を低減するためにシリ
ンダ7〜9の吸込室12側に設けられた吸込サイレン
サ、20はシリンダ7〜9の吐出室13側をエアタンク
1に対して並列に接続する吐出配管である。
【0034】そして、圧縮機は、電動モータ2によりク
ランク軸6が回転駆動されると、クランク軸6の回転が
連接棒18等を介してピストン16の往復動に変換さ
れ、シリンダ7〜9内で各ピストン16がそれぞれ往復
動する。これにより、シリンダ7〜9は、吸込サイレン
サ19、吸込室12、吸込弁14等を介して圧縮室17
内に空気を吸込んで圧縮し、この圧縮空気を吐出弁15
を介して吐出室13側に吐出すると共に、吐出配管20
を介してエアタンク1に貯留するものである。
【0035】次に、図4を参照しつつ、圧縮機の故障診
断装置について説明する。21はエアタンク1に取付け
られた故障診断装置で、該故障診断装置21は、後述の
振動検出手段としての圧電素子22と診断処理回路23
とを含んで構成されている。
【0036】そして、シリンダ7〜9内でピストン16
が往復動するときの振動を圧電素子22を用いて検出
し、例えばクランク軸6、ピストン16、ピストンピン
16A、連接棒18、軸受18A,18B、ピストンリ
ング等を含む往復動機構の故障診断を行い、特に連接棒
18の折損等による故障を診断するものである。
【0037】22は圧縮機の振動を検出する振動センサ
としての圧電素子で、該圧電素子22は、例えば歪み変
形することにより変形量に応じた電圧を発生する汎用的
な圧電材料を用いて構成されている。また、圧電素子2
2は、図3に示す如く、クランク軸6の軸線O−O上と
なる位置でクランクケース5の外面側に取付けられ、リ
ード線等の配線22Aを用いて診断処理回路23と接続
されている。
【0038】そして、圧電素子22は、シリンダ7〜9
内でピストン16が往復動するときに発生する振動を検
出し、この振動波形に対応する電圧信号を検出信号Sと
して診断処理回路23に出力する。この場合、圧電素子
22はクランク軸6の軸線O−O上に配置され、3個の
シリンダ7〜9に対する圧電素子22の距離が互いにほ
ぼ等しくなっている。これにより、個々のシリンダ7〜
9からクランクケース5を介して圧電素子22に振動が
伝わるときには、振動の伝達状態(振動レベル)がシリ
ンダ7〜9間でほぼ均等となるように構成されている。
【0039】23は圧電素子22の出力側に接続された
診断処理回路で、該診断処理回路23は、圧電素子22
の検出信号Sを増幅する増幅器24と、検出信号Sのノ
イズを除去するフィルタ25と、検出信号Sの信号波形
の包絡線とほぼ等しい波形の包絡線信号S′(図5中に
点線で図示)を出力する包絡線検波器26と、後述の比
較器27,28、CPU29、警報器31等を含んで構
成されている。
【0040】27は包絡線検波器26の出力側に接続さ
れた気筒判別用比較器で、該気筒判別用比較器27に
は、例えば一定の電圧値として予め定められた気筒判別
用判定値Vkと、周期的に増大する包絡線信号S′とが
入力されている。
【0041】ここで、シリンダ7〜9は、クランク軸6
の回転方向に対して角度θ1だけ互いにずれたタイミン
グで上死点となり、この上死点の近傍では、例えばピス
トン16により空気が圧縮、吐出されることによって振
動レベルが大きくなる。このため、圧電素子22の検出
信号Sと包絡線信号S′の信号波形は、例えば図5に示
す如く、シリンダ7〜9が順次上死点の近傍となる毎に
周期的に増大する。
【0042】そして、比較器27は、気筒判別用判定値
Vkと包絡線信号S′との大小関係を比較することによ
り、シリンダ7〜9の上死点近傍に対応するタイミング
でパルス状の気筒判別信号KをCPU29に出力するも
のである。この場合、気筒判別信号Kは、例えば第1な
いし第3シリンダ7,8,9に対応する信号パルスK
1,K2,K3として出力され、これらの信号パルスK1〜
K3は、包絡線信号S′が判定値Vkを超えたときに低レ
ベルLから高レベルHへと立上り、包絡線信号S′が判
定値Vk以下となったときに高レベルHから低レベルL
へと立下がる。
【0043】28は包絡線検波器26とCPU29との
間に比較器27と並列に接続された故障診断用比較器
で、該故障診断用比較器28は、図6に示す如く、例え
ば圧縮機の正常運転時に発生する振動レベルよりも大き
な振動レベルに対応する電圧値として予め定められた故
障判定値Veと、包絡線信号S′との大小関係を比較
し、包絡線信号S′が故障判定値Veを超えたときに
は、パルス状の故障信号EをCPU29に出力するもの
である。
【0044】ここで、例えばシリンダ7で往復動機構の
各部品に異常が生じた場合には、圧電素子22に伝わる
振動レベルが異常に大きくなり、その検出信号Sが増大
する。即ち、例えばピストンリング等の摩耗が進んだ場
合には、ピストン16とシリンダ7との間に隙間が生
じ、シリンダ7へのピストン16の接触に変化が生じ
る。そして、この状態でシリンダ7が上死点の近傍とな
ったときには、図6に示す如く検出信号S(包絡線信号
S′)が判定値Veを超えるようになり、故障信号Eが
出力される。また、シリンダ7で連接棒18が折損した
場合等にも、故障信号Eが出力される。さらに、シリン
ダ8,9でも同様に、往復動機構に異常が生じると、上
死点の近傍で故障信号Eが出力される。
【0045】29は電動モータ2と一緒に電源回路30
によって給電されるCPUで、該CPU29は、その入
力側に比較器27,28が接続され、その出力側に後述
の警報器31、リレー駆動回路32等が接続されてい
る。また、CPU29は、例えばROM、RAM等の記
憶部(図示せず)を有し、この記憶部には、後述の図7
ないし図9に示す故障診断制御のプログラムと、カウン
タC1,C2,C3、故障判定用カウンタ値Ce、気筒判別
用の周期判定値Tk等が記憶されている。
【0046】そして、CPU29は、後述の如く比較器
27から入力される気筒判別信号Kの信号パルスK1〜
K3間の周期を個別に計測することにより、シリンダ7
〜9のうち上死点の近傍にあるシリンダを判別する。
【0047】また、CPU29は、比較器28から故障
信号Eが入力されたか否かをほぼ一定の間隔で判定し、
入力と判定した回数が故障判定用カウンタ値Ceを超え
たときに、シリンダ7〜9のいずれかが往復動機構の異
常等によって故障したと診断し、故障したシリンダを気
筒判別信号Kによって判別する。
【0048】さらに、CPU29は、シリンダ7〜9の
いずれかを故障と診断したときに、後述のリレー駆動回
路32を介して電源リレー33を開成(OFF)し、電
動モータ2を停止すると共に、警報ランプ31A,31
B,31Cのうち故障したシリンダに対応するランプを
点灯して警報を発生するものである。
【0049】31は圧縮機が故障したときに警報を発生
する警報器で、該警報器31は、例えばシリンダ7〜9
に対応する3個の警報ランプ31A,31B,31Cを
含んで構成されている。
【0050】32はCPU29の出力側に接続されたリ
レー駆動回路で、該リレー駆動回路32は、電動モータ
2と電源回路30との間に設けられた電源リレー33を
開,閉するものである。
【0051】本実施の形態による空気圧縮機は上述の如
き構成を有するもので、次に図7ないし図9を参照しつ
つ、故障診断装置21による診断制御について説明す
る。
【0052】まず、圧縮機が運転を開始すると、CPU
29に気筒判別信号Kが入力されるようになるため、ス
テップ1では、後述の図8に示す気筒判別処理を行う。
そして、この気筒判別処理では、気筒判別信号Kのうち
第1シリンダ7の上死点の近傍に対応する信号パルスK
1が判別され、この信号パルスK1が出力されるタイミン
グでステップ2に移る。
【0053】これにより、ステップ2では、第1シリン
ダ7の信号パルスK1が出力されているときに、後述の
第1シリンダ診断処理(図9に示す第nシリンダ診断処
理でn=1とした場合)を行う。
【0054】この場合、シリンダ7〜9のうちいずれか
1個のシリンダ(第nシリンダ)で連接棒18が折損し
た場合には、このシリンダが上死点の近傍に達して第n
シリンダ診断処理を実行しているときに、大きな振動が
発生して故障信号Eが出力されるようになる。従って、
後述の如くステップ2,6,10によってシリンダ7〜
9が上死点となる毎に故障診断を行うことにより、故障
したシリンダを判別することができる。
【0055】次に、ステップ3では、第1シリンダ診断
処理の診断結果に基づいてシリンダ7が正常であるか否
かを判定し、「YES」と判定したときには、第1シリ
ンダ7が正常に作動しているので、後述のステップ5に
移る。
【0056】また、ステップ3で「NO」と判定したと
きには、第1シリンダ7が故障したと診断できるので、
ステップ4でシリンダ7用の警報ランプ31Aを点灯
し、後述のステップ14で電源リレー33を開成して圧
縮機を停止した後に、ステップ15で故障診断制御を終
了する。
【0057】次に、ステップ5では、第2シリンダ8の
信号パルスK2が出力されたか否かをパルスの立上りに
よって判定し、「YES」と判定したときには、第2シ
リンダ8の信号パルスK2が出力されているときに、ス
テップ6で第2シリンダ診断処理(第nシリンダ診断処
理でn=2とした場合)を行う。
【0058】また、ステップ5で「NO」と判定したと
きには、まだ第2シリンダ8が上死点の近傍となってい
ないので、信号パルスK2が出力されるまで待機した後
に、ステップ6で第2シリンダ診断処理を行う。
【0059】次に、ステップ7では、第2シリンダ診断
処理の診断結果に基づいてシリンダ8が正常であるか否
かを判定し、「YES」と判定したときには、後述のス
テップ9に移る。
【0060】また、ステップ7で「NO」と判定したと
きには、第2シリンダ8が故障したと診断できるので、
ステップ8でシリンダ8用の警報ランプ31Bを点灯
し、ステップ14で圧縮機を停止して故障診断制御を終
了する。
【0061】次に、ステップ9では、第3シリンダ9の
信号パルスK3が出力されたか否かを判定し、「YE
S」と判定したときには、第3シリンダ9の信号パルス
K3が出力されているときに、ステップ10で第3シリ
ンダ診断処理(第nシリンダ診断処理でn=3とした場
合)を行う。また、ステップ9で「NO」と判定したと
きには、信号パルスK3が出力されるまで待機する。
【0062】そして、ステップ11では、第3シリンダ
診断処理の診断結果に基づいてシリンダ9が正常である
か否かを判定し、「YES」と判定したときには、後述
のステップ13に移る。
【0063】また、ステップ11で「NO」と判定した
ときには、第3シリンダ9が故障したと診断できるの
で、ステップ12でシリンダ9用の警報ランプ31Cを
点灯し、ステップ14で圧縮機を停止して故障診断制御
を終了する。
【0064】次に、ステップ13では、シリンダ7〜9
の診断処理を繰返し実行するため、気筒判別信号Kの信
号パルスK1が出力されたか否かを判定し、「YES」
と判定したときには、ステップ2〜13を行うことによ
り、電源スイッチが開成されるまで第1ないし第3シリ
ンダ7〜9の診断処理を繰返し実行する。また、ステッ
プ13で「NO」と判定したときには、シリンダ7の信
号パルスが出力されるまで待機する。
【0065】また、ステップ14では、ステップ3,
7,11のいずれかで「NO」と判定したときに、電源
リレー33を開成して圧縮機を停止し、ステップ15で
故障診断制御を終了する。なお、ステップ1〜13のう
ちいずれの処理が実行途中であっても、圧縮機の電源ス
イッチ(図示せず)が開成された場合には、処理を中止
し、ステップ14,15で圧縮機を停止する。
【0066】次に、図8を参照しつつ、第1ないし第3
シリンダ7〜9を判別する気筒判別処理について述べ
る。
【0067】まず、ステップ21では、気筒判別信号K
のパルス周期を計測するためのメモリである時間t0,
t1を零にクリアし、ステップ22では、気筒判別信号
Kの信号パルスが出力されたか否かをパルスの立上りに
よって判定する。
【0068】そして、ステップ22で「YES」と判定
したときには、ステップ23でパルスの立上り時間を時
間t1として記憶する。また、ステップ22で「NO」
と判定したときには、信号パルスの立上りまで待機す
る。
【0069】次に、ステップ24では、ステップ23で
記憶した最新の信号パルスの立上り時間t1と、この信
号パルスの直前に出力された信号パルスの立上り時間t
0とを用いて、時間t0,t1の差の絶対値をパルス周期
Tとして演算する。
【0070】ここで、気筒判別信号Kの信号パルスK1
〜K3が順次立上るときには、例えば最初のパルスの立
上り時間がステップ23で時間t1として記憶される
と、次のパルスの立上り時間が後述のステップ29で時
間t0として記憶され、これらの記憶処理は交互に行わ
れる。このため、時間t0,t1の差であるパルス周期T
は、互いに隣接する2つの信号パルス間の間隔となる。
【0071】次に、ステップ25では、パルス周期Tが
気筒判別用の周期判定値Tkよりも大きくなったか否か
を判定する。この場合、例えば圧縮機を一定の回転数で
運転しているときに、信号パルスK1,K2間のパルス周
期は、図5に示す如く、シリンダ7,8の位相差(角度
θ1)に対応した周期T1となり、信号パルスK2,K3間
のパルス周期もシリンダ8,9の位相差に対応した周期
T1となる。これに対し、信号パルスK3が出力されてか
ら信号パルスK1が出力されるまでのパルス周期は、シ
リンダ9,7間の角度θ2に対応しているため、周期T1
よりも大きな周期T2となる。また、周期判定値Tkは、
周期T2を判別するために、例えば周期T1よりも大きく
周期T2よりも小さな所定値として設定されている。
【0072】そして、ステップ25で「YES」と判定
したときには、パルス周期Tが周期T2となったので、
最新の出力パルスが第1シリンダ7の信号パルスK1で
あると判別することができる。このため、後述のステッ
プ34で気筒判別処理を終了してリターンし、図7中の
ステップ2で第1シリンダ7の診断処理を行う。
【0073】また、ステップ25で「NO」と判定した
ときには、パルス周期Tが周期T1であり、最新の出力
パルスが信号パルスK1ではないので、ステップ26で
パルスの立下りまで待機した後に、ステップ27でパル
ス周期Tを零にクリアする。
【0074】次に、ステップ28では、次の信号パルス
が出力されたか否かを判定し、「YES」と判定したと
きには、ステップ29でパルスの立上り時間を時間t0
として記憶する。また、ステップ28で「NO」と判定
したときには、信号パルスの立上りまで待機する。
【0075】次に、ステップ30では、ステップ24と
同様にパルス周期Tを演算し、ステップ31では、パル
ス周期Tが周期判定値Tkよりも大きくなったか否かを
判定する。そして、ステップ31で「NO」と判定した
ときには、ステップ32で信号パルスの立下りまで待機
し、ステップ33でパルス周期Tを零にクリアした後
に、ステップ22に戻って次なる信号パルスに対してパ
ルス周期の判定を行う。
【0076】また、ステップ31で「YES」と判定し
たときには、第1シリンダ7の信号パルスK1が判別さ
れたので、ステップ34で気筒判別処理を終了してリタ
ーンし、第1シリンダ7の診断処理を行う。
【0077】次に、図7中のステップ2,6,10でn
=1,2,3として実行される第nシリンダ診断処理に
ついて、図9を参照しつつ述べる。
【0078】まず、ステップ41では、故障診断用比較
器28から故障信号Eが入力されたか否かを判定し、
「YES」と判定したときには、第nシリンダが故障し
ている虞れがあるので、ステップ42で気筒判別信号K
の信号パルスの立下りまで待機した後に、後述のステッ
プ44に移る。
【0079】また、ステップ41で「NO」と判定した
ときには、ステップ43で気筒判別信号Kが立下りか否
かを判定し、「YES」と判定したときには、第nシリ
ンダを正常と診断できるので、後述のステップ47に移
る。また、ステップ43で「NO」と判定したときに
は、故障信号Eが出力されるか、または気筒判別信号K
の立下りまでステップ41,43の処理を繰返す。
【0080】次に、ステップ44では、第nシリンダ用
のカウンタCn(C1,C2,C3のうちいずれか1個のカウ
ンタ)を1だけ加算し、ステップ45では、このカウン
タCnが予め設定された故障判定用カウンタ値Ceを越え
たか否かを判定する。
【0081】そして、ステップ45で「YES」と判定
したときには、複数回にわたって故障信号Eが出力され
たので、ステップ46で第nシリンダを故障と判定し、
後述のステップ48でリターンする。
【0082】また、ステップ45で「NO」と判定した
ときには、第nシリンダが正常であるか、または故障と
診断するまでに至っていないので、これを正常と診断
し、ステップ48でリターンする。
【0083】かくして、本実施の形態では、圧電素子2
2を用いて振動を検出し、例えばクランク軸6、ピスト
ン16、ピストンピン16A、連接棒18、軸受18
A,18B等を含む往復動機構の故障診断を行う故障診
断装置21を設ける構成としたので、圧縮機の運転時に
は、例えば汎用的な圧電材料等からなる圧電素子22を
用いて比較的簡単な構造でシリンダ7〜9の振動を検出
でき、検出した振動を正常運転時の振動レベル等と比較
することができる。
【0084】これにより、シリンダ7〜9のいずれかに
おいて、例えば連接棒18の折損等によって振動が異常
に大きくなった場合には、この異常な振動を検出して圧
縮機が故障したことを確実に診断でき、連接棒18の周
囲に位置する他の部品等を保護できると共に、圧縮機の
耐久性、信頼性を向上させることができる。また、従来
技術のように高価な加速度センサやFFT用の信号処理
回路等を用いる必要がなくなり、診断装置の簡略化やコ
ストダウンを促進することができる。
【0085】この場合、圧電素子22をクランク軸6の
軸線O−O上となる位置でクランクケース5に取付けた
ので、3個のシリンダ7〜9からクランクケース5を介
して圧電素子22に伝わる振動レベルをシリンダ7〜9
間でほぼ等しくすることができる。これにより、シリン
ダ7〜9のうちいずれのシリンダが故障した場合でも、
故障による振動レベルの変化を圧電素子22によって均
等に検出でき、その故障診断を安定的に行うことができ
る。
【0086】また、圧電素子22の検出信号S(包絡線
信号S′)が故障判定値Veを超えたと判定したときに
は、この判定が故障判定用カウンタ値Ceよりも大きな
複数回だけ行われたときに故障と診断する構成としたの
で、複数回の判定を行うことによって故障を確実に診断
でき、ノイズ等による誤診断を防止して診断精度を高め
ることができる。
【0087】また、3個のシリンダ7〜9をクランク軸
6の回転角に対して角度θ1の位相差をもって駆動する
ことにより、圧電素子22の検出信号Sを用いてパルス
状の気筒判別信号Kを発生し、この気筒判別信号Kのパ
ルス周期Tを計測することにより、シリンダ7〜9のう
ち故障したシリンダを判別する構成としたので、例えば
多気筒型や多段式の圧縮機等においても、気筒判別用の
特別な機構等を設けることなく、圧電素子22の検出信
号Sを用いてシリンダ7〜9のうち上死点の近傍にある
シリンダを容易に判別でき、この上死点近傍での振動レ
ベルを検出することによってシリンダ7〜9毎に故障の
有無を正確に判定することができる。これにより、故障
したシリンダに対する往復動機構の部品交換、シリンダ
の点検等を容易に行うことができ、圧縮機のメンテナン
ス性を高めることができる。
【0088】また、故障診断装置21は、シリンダ7〜
9のいずれかが故障したときに電源リレー33を用いて
電動モータ2を停止し、警報器31により警報を発生す
る構成としたので、シリンダ7〜9で往復動機構が故障
したときには、圧縮機を直ちに停止させることができ、
例えば折損した連接棒18の周囲等で他の部品が連鎖的
に損傷するのを防止できると共に、警報ランプ31A〜
31Cのいずれかを点灯してオペレータ等に故障したシ
リンダを警報することができる。
【0089】なお、前記実施の形態では、比較器27,
28をCPU29と別個に設ける構成とした。しかし、
本発明はこれに限らず、例えば比較器27,28を廃止
して検出信号S(包絡線信号S′)をCPU29に直接
入力し、判定値Vk,Veとの比較判定処理をソフトウェ
アによって行う構成としてもよい。
【0090】また、実施の形態では、シリンダ7〜9が
故障したときに警報ランプ31A,31B,31C等を
点灯させる構成とした。しかし、本発明はこれに限ら
ず、例えばブザー等の警報音や音声ガイド、画面の表示
等によって警報を発生する構成としてもよい。
【0091】また、実施の形態では、3気筒型の空気圧
縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明は多気筒型
の圧縮機に限るものではなく、例えば1個のシリンダを
有する単気筒型の圧縮機に適用してもよい。
【0092】また、本発明は、例えば2個のシリンダま
たは4個以上のシリンダがエアタンク1に対して並列に
接続された多気筒型の圧縮機や、例えば複数個のシリン
ダが直列に接続され、低圧側のシリンダから高圧側のシ
リンダに向けて空気を複数段階で順次高圧に圧縮する構
成とした多段式の圧縮機に適用してもよい。さらに、本
発明は、空気以外の気体を圧縮する各種の往復動型圧縮
機にも適用できるのは勿論である。
【0093】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、振動検出手段を用いてシリンダの振動を検出し往
復動機構の故障診断を行う故障診断装置を設ける構成と
したので、圧縮機の運転時には、例えば汎用的な圧電材
料等からなる振動検出手段を用いて比較的簡単な構造で
シリンダの振動を検出でき、例えば連接棒の折損等によ
る異常な振動を検出して圧縮機が故障したことを確実に
診断することができる。これにより、診断装置の簡略化
やコストダウンを促進でき、圧縮機の耐久性、信頼性を
向上させることができる。
【0094】また、請求項2の発明によれば、振動検出
手段は、複数個のシリンダに対する距離が互いにほぼ等
しくなる位置でクランクケースに取付ける構成としたの
で、多気筒型や多段式の圧縮機等においては、各シリン
ダからクランクケースを介して振動検出手段に伝わる振
動レベルを各シリンダ間でほぼ等しくすることができ
る。従って、いずれのシリンダが故障した場合でも、故
障による振動レベルの変化を振動検出手段によって均等
に検出でき、その故障診断を安定的に行うことができ
る。
【0095】また、請求項3の発明によれば、故障診断
装置は、振動検出手段の検出信号が故障判定値よりも大
きいと判定したときに故障と診断する構成としたので、
例えばこの判定を複数回行うことによって故障を確実に
診断でき、ノイズ等による誤診断を防止して診断精度を
高めることができる。
【0096】また、請求項4の発明によれば、複数個の
シリンダが位相差をもって駆動している場合、故障診断
装置は、振動検出手段の検出信号の周期を計測すること
により故障したシリンダを判別する構成としたので、多
気筒型や多段式の圧縮機等において、気筒判別用の特別
な機構等を設けることなく、振動検出手段の検出信号を
用いて各シリンダのうち上死点の近傍にあるシリンダを
容易に判別でき、この上死点近傍での振動レベルを検出
することによってシリンダ毎に故障の有無を正確に判定
することができる。これにより、故障したシリンダに対
する往復動機構の部品交換、シリンダの点検等を容易に
行うことができ、メンテナンス性を高めることができ
る。
【0097】さらに、請求項5の発明によれば、故障診
断装置は、シリンダが故障したときに動力源を停止して
警報を発生する構成としたので、シリンダが故障したと
きには、圧縮機を直ちに停止させることができ、例えば
折損した連接棒の周囲等で他の部品が連鎖的に損傷する
のを防止できると共に、オペレータ等に故障を警報する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による3気筒型の空気圧縮
機を示す正面図である。
【図2】図1中のクランクケース、各シリンダ等を拡大
して示す空気圧縮機の部分拡大正面図である。
【図3】図2中の矢示III-III方向からみたシリンダ等
の拡大断面図である。
【図4】圧縮機の故障診断装置を示す回路構成図であ
る。
【図5】全てのシリンダが正常なときの圧電素子の検出
信号、気筒判別信号及び故障信号を示す特性線図であ
る。
【図6】第1シリンダが故障したときの圧電素子の検出
信号、気筒判別信号及び故障信号を示す特性線図であ
る。
【図7】圧縮機の故障診断制御を示す流れ図である。
【図8】図7中の気筒判別処理を示す流れ図である。
【図9】図7中の第1ないし第3シリンダ診断処理を示
す流れ図である。
【符号の説明】
2 電動モータ(動力源) 5 クランクケース 6 クランク軸 7,8,9 シリンダ 16 ピストン 18 連接棒 21 故障診断装置 22 圧電素子(振動検出手段) 23 診断処理回路 31 警報器 31A,31B,31C 警報ランプ S 検出信号 Ve 故障判定値 θ1,θ2 角度(位相差)
フロントページの続き Fターム(参考) 3H003 AA02 AC02 CF00 3H045 AA03 AA13 AA26 BA38 CA22 DA02 EA12 EA26 EA50 3H076 AA03 BB01 BB36 CC98

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクケースと、該クランクケースに
    回転可能に設けられたクランク軸と、前記クランクケー
    スに設けられたシリンダと、前記クランク軸に連接棒を
    介して連結され該シリンダ内で往復動することにより気
    体を圧縮するピストンとを備えた往復動型圧縮機におい
    て、 前記シリンダ内でピストンが往復動するときの振動を振
    動検出手段を用いて検出し検出結果に応じて前記クラン
    ク軸、連接棒及びピストンを含む往復動機構の故障診断
    を行う故障診断装置を設ける構成としたことを特徴とす
    る往復動型圧縮機。
  2. 【請求項2】 クランクケースと、該クランクケースに
    回転可能に設けられたクランク軸と、前記クランクケー
    スに設けられた複数個のシリンダと、前記クランク軸に
    連接棒を介して連結され該シリンダ内で往復動すること
    により気体を圧縮するピストンとを備えた往復動型圧縮
    機において、 前記シリンダ内でピストンが往復動するときの振動を振
    動検出手段を用いて検出し検出結果に応じて前記クラン
    ク軸、連接棒及びピストンを含む往復動機構の故障診断
    を行う故障診断装置を設け、前記振動検出手段は前記複
    数個のシリンダに対する距離が互いにほぼ等しくなる位
    置で前記クランクケースに取付ける構成としたことを特
    徴とする往復動型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記故障診断装置は前記シリンダから正
    常運転時に発生する振動レベルよりも大きな振動に対応
    して予め設定された故障判定値を有し、前記振動検出手
    段の検出信号が該故障判定値よりも大きくなったことを
    判定したときに故障と診断する構成としてなる請求項1
    または2に記載の往復動型圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記複数個のシリンダは前記クランク軸
    の回転角に対して互いに位相差をもって駆動し、前記故
    障診断装置は前記振動検出手段の検出信号が周期的に増
    減するときの周期を計測することにより前記各シリンダ
    のうち故障したシリンダを判別する構成としてなる請求
    項2または3に記載の往復動型圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記故障診断装置は前記シリンダが故障
    したときに前記クランク軸を駆動する動力源を停止して
    警報を発生する構成としてなる請求項1,2,3または
    4に記載の往復動型圧縮機。
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