JP2003343419A - 風車の制動装置及びそれを用いた風力発電装置 - Google Patents

風車の制動装置及びそれを用いた風力発電装置

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JP2003343419A JP2002146426A JP2002146426A JP2003343419A JP 2003343419 A JP2003343419 A JP 2003343419A JP 2002146426 A JP2002146426 A JP 2002146426A JP 2002146426 A JP2002146426 A JP 2002146426A JP 2003343419 A JP2003343419 A JP 2003343419A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強風に対する安全性に優れ、風車の高出力
化を妨げない風車の制動装置及びそれを用いた風力発電
装置を提供する。 【解決手段】風力発電用風車の制動装置は、ブレードを
有する風力発電用風車の回転を制動する制動部材と、制
動部材の駆動を制御する制御部とからなり、制動部材
が、ブレードと連動して回転する回転体と、回転体を押
圧して回転体の回転を制御するための押圧部とからな
り、制御部が、ブレードの回転状態を検出し、この検出
結果に基づいて押圧部に回転体を押圧させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、風車の制動装置
及びそれを用いた風力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クリーンエネルギーを利用した発電方法
として風力発電が実施されている。風力発電は、通常、
海岸あるいは丘陵地帯などの比較的強い風が安定して吹
く場所に風力発電装置を設置して行われる。風力発電装
置は、ブレード(風車)と発電機からなる発電素子をフ
レームに支持し、ブレードの回転を入力軸に伝えて発電
機を回す構成となっている。風力発電に使用されるブレ
ードには、プロペラ形、多翼形、セイルウィング形等の
風車の回転軸が風の吹く方向に対して並行に配置される
水平軸風車と、パドル形、サボニウス形、ダリウス形等
の風車の回転軸が風の吹く方向に対して垂直に配置され
る垂直軸風車とに分類される。また、周速比(ブレード
の周速度/風速)の高いプロペラ形、ダリウス形等の風
車と、周速比の低いサボニウス形、多翼形等の風車とに
分類することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】風力発電装置は、前記
したように、海岸あるいは丘陵地帯などの比較的強い風
が安定して吹く場所に設置される。しかし、突風等の瞬
間的な強風が突発的に発生することがある。このため、
このような強風による風力発電装置の破損および人身事
故を防ぐため、安全を考慮して設計段階で風力発電装置
に十分な強度が付与される。
【0004】これにより、風力発電装置の各部の剛性お
よび耐久性は増すが、発電素子を支持するフレームある
いは風車の回転軸の支持構造等において大型化、複雑化
を招くことになる。特に、サボニウス形のように、ブレ
ードの受風面積が大きい風車の場合、フレームあるいは
風車の回転軸の支持構造等における大型化は顕著なもの
になり、風車を大きくして高出力を得ようとした場合の
障害となっていた。
【0005】この発明は、上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、強風に対する安全性に優れ、風車の高出
力化を妨げない風車の制動装置及びそれを用いた風力発
電装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、ブレ
ードを有する風力発電用風車の回転を制動する制動部材
と、制動部材の駆動を制御する制御部とからなり、制動
部材が、ブレードと連動して回転する回転体と、回転体
を押圧して回転体の回転を制御するための押圧部とから
なり、制御部が、ブレードの回転状態を検出し、この検
出結果に基づいて押圧部に回転体を押圧させる風車の制
動装置が提供される。
【0007】すなわち、この発明の風車の制動装置及び
それを用いた風力発電装置では、ブレードの回転状態を
検出し、この検出結果に基づいて押圧部に回転体を押圧
させるので、強風による風力発電用風車および風力発電
装置の破損および人身事故を防ぐことができる。また、
風力発電装置の各部に対する過剰な強度の付与が不要と
なり、風力発電装置の各部の構造等における大型化、複
雑化を避けることができる。特に、サボニウス形のよう
に、ブレードの受風面積が大きい風車の場合、フレーム
あるいは風車の回転軸の支持構造等における大型化を回
避し、風車を大きくして高出力を得ることが容易にな
る。
【0008】この発明におけるブレードの回転状態の検
出は、その方法について特に限定されるものではなく、
例えば、ブレードの回転数を光学的あるいは物理的に測
定するタコメーター等を用いたり、ブレードの回転軸に
接続された発電機の出力を検出することにより行うこと
ができる。この発明における風車の制動とは、風車の回
転速度を下げることを意味し、必ずしも風車の回転を停
止させることを要求するものではない。制御部は、風車
の回転状態を検出し、検出結果が予め設定された閾値を
上回ったとき、回転体を押圧するように押圧部に指令を
行い、次いで、予め設定された時間が経過したとき、回
転体の押圧を解除するように押圧部に対して指令を行う
ので、風車が制動あるいは停止された後に、ブレードの
回転による発電動作とブレードの制動動作とを人手によ
りリセットする操作が不要となり、風力発電装置の安定
した連続運転が可能となる。
【0009】押圧部は、回転体に押圧される摩擦片と、
摩擦片を回転体に押圧するソレノイドとからなる構成が
挙げられる。摩擦片は、遊動可能に軸支され、回転体に
押圧された際、回転体の回転によって遊動するので、回
転体に当接した摩擦片はその軸周りに回転して当接部分
が替わるので、摩擦片の局部的な消耗を回避することが
できる。この発明におけるソレノイドとは、リニア電磁
ソレノイドであり、プランジャ形、平板形、磁気漏れ
形、支点形、脚形等の公知のソレノイドを用いることが
できる。回転体は、少なくともブレードの直径より大き
い直径を有するので、回転体の制動に要する押圧部の制
動トルクを小さくすることができる。
【0010】さらに、この発明によれば、ブレードを有
する風車と、風車に接続された発電機と、前記の制動装
置とからなる風力発電装置が提供される。制御部は、発
電機に発生した出力電流を検出することにより、風車の
回転状態を検出するので、ブレードの回転状態検出手段
が簡略化される。制動部材および/または制御部は、発
電機の駆動により得られた電力を用いて駆動されるの
で、外部からの電力の供給を不要にあるいは最小限にす
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいてこの発明の
実施の形態を説明するが、これらによってこの発明は限
定されるものではない。図1〜図7は、この発明の風力
発電用風車の制動装置を用いた風力発電装置の具体的な
構成例を示す。
【0012】図1は風力発電装置100の正面図であ
る。図1において、風力発電装置100は、ブレード1
およびブレード1に固着されブレード1とともに回転す
る回転軸2からなるサボニウス形の風力発電用風車3
と、発電機4と、制動装置5と、これらの各部材を支持
するフレーム6とからなる。このような風力発電装置1
00は、1つの風力発電装置100をユニットとして複
数をフレーム6を介して図示しない大フレームに取り付
け、ユニット集合型の風力発電装置とすることができ
る。上記のフレーム6および大フレームは、図示しない
ベース部材を用いて設置場所にしっかりと固定される。
【0013】図2は、図1の風力発電装置100のA−
A断面図である。図1および図2に示すように、ブレー
ド1は、円筒体をその軸線に沿って所定の中心角で縦割
りにしてなる2つの湾曲板11と、各湾曲板11の円弧
状両端を閉じかつ2つの湾曲板11を軸を対称に結合し
てなる一対の支持板12とからなる。湾曲板11は、
0.4〜1.0mmの板厚を有する矩形のアルミニウム
板を長辺と平行な軸で円弧状にロール成形してなり、そ
れぞれが略同形同寸の円弧を有する。
【0014】支持板12は、1.0〜5.0mmの板厚
を有するアルミニウム板を、対向する二辺の一方が平行
な直線、他方が円弧状曲線となるようそれぞれが成形さ
れてなり、両湾曲板11の各円弧状端部に互いに平行に
配設される。支持板12は、両湾曲板11の円弧の弦が
互いに平行で、かつ弦の幅の一部だけ両円弧の内側が互
いに対向するよう両湾曲板1を軸対称位置に支持する。
各支持板12には、軸心が通る軸孔13が形成される。
【0015】湾曲板11の形状および支持板12上にお
ける両湾曲板11の位置関係を図3を用いて説明する。
図3に示すように、軸対称位置に配置された湾曲板11
の中心角θはそれぞれ148°であり、両湾曲板11の
円弧の端点を結んでなる弦Cは互いに平行となる。弦C
の長さの19%の幅wを有して両湾曲板11が各弦Cの
一部で互いに向き合い、かつ互いに向き合う弦Cがその
長さの7.5%の距離dで隔てられた位置に配置され
る。
【0016】ブレード1は、以下のような条件で構成さ
れている。すなわち、対向する弦の幅の一部が、弦の長
さの18〜25%であり、両弦の距離が、弦の長さの5
〜8%である。これは、実験的に見出されたものであ
る。ブレードの大きさは、回転直径(図2における幅)
200〜2000mm、高さ300〜3000mm程度
のものが用いられる。これは、3m/s前後の風速を設
定条件とした場合である。ブレードの回転直径と回転数
は反比例の関係にあり、ブレードの軸方向の長さはトル
クに比例する。したがって、平均風速や発電機の仕様な
どに応じて、これらのサイズを調整すればよい。このよ
うなブレード1は、微風下での起動性に優れる。つま
り、微風、例えば、0.3〜1m/s程度の風速で起動
する利点を有する。
【0017】図4は、図1の風車3の底面図である。図
4に示すように、発電機4は回転軸2に接続された入力
軸41を有する。入力軸41には、ボス42と、ボス孔
に挿入された入力軸41を、ボス孔と直交する方向に形
成されたねじ孔に挿入される締結部材43とが接続され
ている。ボス42は、図1に示したフレーム6の横材6
aに固定されて、風車3が締結された発電機4の下部を
支持する。発電機4は、円筒状のカバー67を介して下
部支持板12に固定されている。
【0018】図5は、図1のフレーム6に対する風車3
の上部の支持構造および発電機4の要部縦断面図であ
る。図5に示すように、上部支持板12には、図2に矢
印で示した、発電機4側から見てブレード1の回転方向
と同方向にねじきりされたねじ部24を基端に有する支
持軸25(回転軸)が取り付けられる。上部支持板12
の軸孔12bを貫通したビス26がねじ部24に螺合す
ることによって支持軸25とブレード1はビス26の締
結方向に接続される。支持軸25は、先端25aが垂直
方向に突出して横材6bに穿設された孔部31を貫通す
る。孔部31にはナイロン製ブッシング32が嵌入され
る。ブッシング32は、ブッシング32を貫通して上方
に突出した支持軸25のラジアル軸受け部を形成する。
【0019】さらに、図5に示すように、発電機4は、
入力軸41と、入力軸41に対して直角に、かつ回転不
能に取り付けられたディスク62と、ディスク62の外
周部分に同心に捲回されたコイル63と、磁石64が内
部に配列固定された円筒状の発電機ケース65とからな
る三相交流発電機として構成される。磁石64は、複数
の偏平な円柱状のネオジウム磁石からなり、発電機ケー
ス65の上下のケース板65a、65bの各内側にそれ
ぞれが環状に配列固定される。上下のケース板65a、
65bに取り付けられた上下の磁石64は、コイル63
が横切るギャップを介して共軸で対向配置されている。
【0020】入力軸41は、発電機ケース65の上下の
ケース板65a、65bの各外側にそれぞれ配設され
た、ラジアルボールベアリングからなる軸受け66によ
って発電機ケース65に対して回転可能に支持されてい
る。コイル63は、各磁石64対の間に発生する磁束を
横切るようにディスク62に取り付けられ、入力軸41
が発電機ケース65に対して相対回転するとき、コイル
63に発生した電流が、コイル63から延出したリード
線(図示しない)で外部に取り出される。このリード線
は、入力軸41の軸線に沿って穿設された孔部41aを
通って外部の回路部に接続される。
【0021】カバー67は上部ケース板65aより大径
の底板67aを有し、底板67aの中心部には軸受け6
6の貫通孔67bを有する。底板67aと後記に回転体
51と下部支持板12とがリベット68によって互いに
接合されることにより、カバー67はブレード10に固
定される。さらに、底板67aに上部ケース板65aが
接着される。カバー67は、発電機ケース65との接着
面積を確保し、発電機4の防水性を高める。
【0022】この発明に用いられる発電機4について説
明する。風車用の発電機の特性として特に次の点が求め
られる。 (1)低い回転数で高い出力電圧が得られること。 (2)起動トルクが小さいこと。 低回転数で高出力電圧が得られるということは、弱い風
でも発電が可能になるということである。これは、発電
機を構成する磁石や鉄芯の性能、巻線仕様により決定さ
れる。起動トルクが小さいということは、弱い風でも発
電機が起動できるということである。この点から、直流
発電機は整流子の摩擦による起動トルクが比較的大きい
ため、交流発電機を用いることが好ましい。また、交流
発電機は整流子を持たないためメンテナンスもほとんど
必要としない点からも有利である。
【0023】しかし、交流発電機においても、電機子鉄
心と回転子の界磁とが回転位置によっては引き合って、
いわゆる磁気トルクが生じるため、これを小さくする必
要がある。この磁気トルクの最も小さい発電機はタコメ
ータ用のコアレスジェネレータであるが、これは電機子
コイルが鉄心に巻かれていないため、出力電流をほとん
ど得ることができない。
【0024】従って、この発明に用いる交流発電機は電
機子コイルを巻回する鉄心量や電機子鉄心と回転子との
ギャップなどを調整し、磁気トルクを最小限に抑制しな
がら、効率よく電流出力を得ることができるように構成
される。つまり、交流発電機は、出力電流が大きくなる
と出力電圧がある程度低下する、いわゆる垂下特性を有
するものとなる。この特性は、複数の交流発電機の出力
を整流して並列接続する場合に、電圧を平衡させるのに
有効である。また、磁気トルクを回転角に対して分散さ
せるために、電機子および回転子の極数は多い方が好ま
しい。また、発電機の相数は直流に整流した場合の波形
率の点から多い方が好ましく、単相よりも3相のものが
選択される。
【0025】図6は、図1の制動装置5の拡大正面図で
ある。図6に示すように、制動装置5は、ブレード1と
連動して回転する回転体51と、回転体51を押圧して
回転体51の回転を制御するための押圧部50と、ブレ
ード1の回転状態を検出し、この検出結果に基づいて押
圧部50に回転体51を押圧させる後記の制御部7とか
らなる。
【0026】押圧部50は、制動てこ52と、制動てこ
52に取り付けられた摩擦片53と、制動てこ52に軸
支され励磁により制動てこ52を介して摩擦片53を回
転体51の周面51aに押圧して回転体51を摩擦によ
り制動させるプランジャー形のソレノイド54とからな
る。
【0027】回転体51は、図5に示したように、下部
支持板12の下面にブレード1と同軸に固着された円板
で構成されている。回転体51の材料は、軽量で耐摩耗
性を有する点からアルミニウム等の軽金属が挙げられ
る。回転体51の厚さ、つまり周面51aの高さは、ブ
レード1の大きさによって、例えば3〜10mmの範囲
に設定される。回転体51の大きさは、ブレード1の回
転直径よりも大きい直径で構成される。制動てこ52
は、フレーム6の横材6aに固着されたベース52a
と、基端部がベース52aにピボット接続され、先端部
が摩擦片53を支持するレバー52bとからなる。ソレ
ノイド54は、可動子54aと、フレーム6の横材6a
に固着され、図示しない磁石、コイル等を収容し、可動
子54aを図中矢印方向に往復移動させるハウジング5
4bとからなる。可動子54aは、レバー52bの中央
部がピボット接続されている。
【0028】摩擦片53は、ソレノイド54の励磁によ
り、その周面が回転体51の周面51aに当接するよう
レバー52bの先端部に取り付けられた円筒形の成形部
材である。レバー52bの先端部は丸い軸状に形成さ
れ、摩擦片53は、レバー52bの先端部に同軸で遊動
可能に軸支されている。摩擦片53の材料は、回転体5
1の周面51aとの摩擦力および耐久性の点から、ゴム
または樹脂材料で構成されることが好ましく、具体的に
は、シリコンゴム、ポリカーボネイト、ポリプロピレン
等が挙げられる。
【0029】発電機4のコイル63から延出したリード
線(図示せず)およびソレノイド54から延出したリー
ド線55は、フレーム6に配設した図示しない制御部7
に接続されている。制動装置5は、後記のソレノイドド
ライブ回路が駆動されると、図6に示すように、ソレノ
イド54が励磁され、制動てこ52が作動する。これに
より、図中の破線で示した位置にあった摩擦片53が図
中の実線で示した位置に移動して回転体51の周面51
aを押圧し、それによって風車3を摩擦により制動させ
る。また、ソレノイド54が消磁されると、図中の破線
で示した位置に戻る。
【0030】摩擦片53は、レバー52bと同軸に遊動
可能に取り付けられているので、制動時に回転体51の
周面51aに当接して摩擦片53の周面がレバー52b
の軸周りに回転して当接部分が替わり、それによって摩
擦片53の局部的な消耗を回避することができる。した
がって制動による風車3の停止、つまり完全なブレーキ
ングを必要としない場合には都合がよい。
【0031】この実施例では、摩擦片をレバー52bと
同軸に遊動可能に取り付けられた円筒形の成形部材で構
成したが、この発明において摩擦片の形状および構成
は、特に限定されるものではない。したがって、例えば
摩擦片53をレバー52bに固定することがこの発明に
含まれる。この場合、回転体51に当接する摩擦片53
の周面が回転体51に対向する部分に限定されるので摩
擦片の局部的な消耗を生じるが、大きな摩擦力(制動
力)を発生することができる。
【0032】図7は、発電機4の出力回路と制動装置5
の制御回路とを有する風力発電装置100の制御部7の
構成を示すブロック図である。図7に示すように、制御
部7では、1台または複数の3相交流発電機4の交流出
力電圧は、まず整流平滑回路71により直流電圧として
出力され、電流検出用抵抗72で電流量(出力電流)を
電圧に変換し、検出値として検出する。次いで、検出値
は、コンパレータ73で基準電圧74(閾値)と比較さ
れる。検出値が、基準電圧74を超えた場合、その継続
時間が一定時間を超過したことを過電流継続タイマー7
5が計時すると、ソレノイドドライブ回路76およびタ
イマー77が駆動される。
【0033】ソレノイドドライブ回路76が駆動される
と、図6に示すように、ソレノイド54が励磁され、制
動てこ52が作動する。これにより、図中の破線で示し
た位置にあった摩擦片53が図中の実線で示した位置に
移動して回転体51の周面51aを押圧し、それによっ
て風車3を摩擦により制動させる。次いで、タイマー7
7が設定時間(例えば、5分〜1時間)を計時すると、
ソレノイドドライブ回路76が駆動されてソレノイド5
4が消磁され、制動てこ52が作動する。これにより、
図中の実線で示した位置に移動した摩擦片53は、図中
の破線で示した位置に戻り、回転体51の周面51aか
ら離れるので、回転体51の摩擦による制動は解除され
る。なお、タイマー77の設定時間は任意に設定できる
ので、風力発電装置100の設置条件や気象条件を考慮
してタイマー77の設定時間を決定することができる。
【0034】一方、整流平滑回路71を介して電流検出
用抵抗72から出力される直流電力は、充電制御回路7
8を経て発電出力充電用のバッテリー79に一旦蓄えら
れる。ソレノイド54の駆動用電源は、原則的にバッテ
リー79を使用するが、充電量が十分でないことも想定
されるので、商用電源も併用できる回路構成としてもよ
い。バッテリー79に蓄えられた電力は、必要に応じて
負荷に供給するようにしてもよいし、インバータによっ
て100/200 V、50/60Hz の交流電力に変換し、電力会社
へ販売するようにしてもよい。なお、図7に示した発電
機4の台数および各回路の個数は任意であり、電力を供
給する対象の仕様に応じて決定すればよい。
【0035】この実施例では、発電機4に、低い回転数
で高い出力電圧が得られ、起動トルクが小さい3相交流
発電機が用いられる。例えば、ブレード1の回転直径が
1550mm、ブレード1の高さが2440mmである
場合、1つの発電機4は、風速3m/sec のとき20〜30rp
mで回転し、1kWの電力が得られるようになってい
る。このような風力発電装置100では、制動装置5に
より、例えば発電機4の回転数が200〜300rpmに
上がった場合(風速30m/secを超えたとき)に、制御
部7の前記動作により、風車3の回転が制動される。
【0036】このように、風力発電装置100では、制
動装置5により強風時に風車3の回転が制動されるの
で、風車3および発電機4を含む風力発電装置100の
各部の損傷が防止され、これらの損傷に伴う人身事故が
回避されるので、強風に対する安全性が確保される。ま
た、装置各部における過剰な強度の付与が不要となり、
風力発電装置の各部の構造等における大型化、複雑化を
避けることができるとともに、風車3を大きくして高出
力を得ることが容易になる。なお、回転する風車3に身
体が接触しないように、風車3の周囲をケージ等で囲む
構成がこの発明の範囲に含まれている。実施例では、ブ
レード1と発電機4の入力軸41を直結したが、ブレー
ド1と発電機4の入力軸41は、例えば、プーリーとベ
ルト、歯車列等を介して接続してもよい。このような場
合、減速や増速を任意に設定することができる。
【0037】また、実施例に示したように、制御部7
が、風車3の回転状態を検出し、検出結果が予め設定さ
れた閾値を上回ったとき、回転体51を押圧するように
押圧部50に指令を行い、次いで、予め設定された時間
が経過したとき、回転体51の押圧を解除するように押
圧部50に対して指令を行うので、風車3が制動あるい
は停止された後に、風車3の回転による発電動作と押圧
部50の制動動作とを人手によりリセットする操作が不
要となり、無人状態でも風力発電装置100の連続した
運転が行える。
【0038】制御部7は、発電機4に発生した出力電流
を検出することにより、風車3の回転状態を検出するの
で、風車3の回転状態検出手段が簡略化される。回転体
51は、ブレード1に回動不能に取り付けられ、少なく
ともブレード1の直径より大きい直径を有する板状の円
筒体からなるので、回転体51の制動に要する押圧部5
0の制動トルクを小さくすることができる。押圧部50
および/または制御部7は、発電機4の駆動により得ら
れた電力を用いて駆動されるので、外部からの電力の供
給を不要または最小限にすることができる。さらに、風
力発電装置100をユニットとして、ユニットの数と設
置場所に適したユニットの集合形態を決定するだけで所
望する発電量を得る設計ができるので、所望する発電量
に応じて一から設計する労力および時間が節約される。
【0039】
【発明の効果】この発明の風車の制動装置及びそれを用
いた風力発電装置では、この発明の風車の制動装置及び
それを用いた風力発電装置では、風車の回転状態を検出
し、この検出結果に基づいて制動部材を駆動し、それに
よって風車の回転を制御することができるので、強風に
よる風力発電装置の破損および人身事故を防ぐことがで
きるとともに、風力発電装置の各部に対する過剰な強度
の付与が不要となり、風力発電装置の各部の構造等にお
ける大型化、複雑化を避けることができる。特に、サボ
ニウス形のように、ブレードの受風面積が大きい風車の
場合、フレームあるいは風車の回転軸の支持構造等にお
ける大型化を回避し、風車を大きくして高出力を得るこ
とが容易になる。
【0040】この発明の風車の風力発電装置では、静音
性および微風下での変換効率および起動性に優れる。ま
た、装置の小型化および軽量化が図られるので、風車を
設置する際の現場への搬入や現場での組み立てが容易に
なる。この発明によれば、強風に対する安全性に優れ、
風車の高出力化を妨げない風車の制動装置及びそれを用
いた風力発電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による風力発電装置の
正面図である。
【図2】図1の風力発電装置のA−A断面図である。
【図3】図1のブレードの形状および位置関係を説明す
る図である。
【図4】図1の風車の底面図である。
【図5】図1の風車の上部支持構造および発電機の要部
を示す縦断面図である。
【図6】図1の制動装置5の拡大正面図である。
【図7】図1の風力発電装置の制御部の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 ブレード 2 回転軸 3 風力発電用風車 4 発電機 5 制動装置 6 フレーム(支持部材) 11 湾曲板 12 支持板 41 入力軸 50 押圧部(制動部材) 51 回転体(制動部材) 52 制動てこ(制動部材) 53 摩擦片(制動部材) 54 ソレノイド(制動部材) 100 風力発電装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレードを有する風力発電用風車の回転
    を制動する制動部材と、制動部材の駆動を制御する制御
    部とからなり、制動部材が、ブレードと連動して回転す
    る回転体と、回転体を押圧して回転体の回転を制御する
    ための押圧部とからなり、制御部が、ブレードの回転状
    態を検出し、この検出結果に基づいて押圧部に回転体を
    押圧させる風車の制動装置。
  2. 【請求項2】 制御部は、風車の回転状態を検出し、検
    出結果が予め設定された閾値を上回ったとき、回転体を
    押圧するように押圧部に指令を行い、次いで、予め設定
    された時間が経過したとき、回転体の押圧を解除するよ
    うに押圧部に対して指令を行う請求項1に記載の制動装
    置。
  3. 【請求項3】 押圧部は、回転体に押圧される摩擦片
    と、摩擦片を回転体に押圧するソレノイドとからなる請
    求項1に記載の制動装置。
  4. 【請求項4】 摩擦片は、遊動可能に軸支され、回転体
    に押圧された際、回転体の回転によって遊動する請求項
    3に記載の制動装置。
  5. 【請求項5】 回転体は、少なくともブレードの直径よ
    り大きい直径を有する請求項1に記載の制動装置。
  6. 【請求項6】 ブレードを有する風力発電用風車と、風
    車に接続された発電機と、請求項1から5のいずれか1
    つに記載の制動装置とからなる風力発電装置。
  7. 【請求項7】 制御部は、発電機に発生した出力電流を
    検出することにより、風車の回転状態を検出する請求項
    6に記載の風力発電装置。
  8. 【請求項8】 制動部材および/または制御部は、発電
    機の駆動により得られた電力を用いて駆動される請求項
    6に記載の風力発電装置。
  9. 【請求項9】 ブレードは、中空円筒体をその軸線に沿
    って所定の中心角で縦割りにしてなる2つの円弧状湾曲
    板と、各湾曲板の円弧状両端を閉じかつ2つの湾曲板を
    軸を対称に結合してなる一対の支持板とからなり、支持
    板は、両湾曲板の円弧の弦が互いに平行で、かつ弦の幅
    の一部だけ両円弧の内側が互いに対向するよう両湾曲板
    を支持するとともに前記軸を通る回転軸を支持し、前記
    所定の中心角が140°〜155°であり、対向する弦
    の幅の一部が、弦の長さの18〜25%であり、両弦の
    距離が、弦の長さの5〜8%であることを特徴とする請
    求項6に記載の風力発電装置。
  10. 【請求項10】 ブレードは、 回転直径が200〜2
    000mm、高さが300〜3000mmである請求項
    6から9のいずれか1つに記載の風力発電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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