JP2004104975A - 風力発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】稼動部品破損や低周波騒音発生といった不都合を生じさせることなく、かつ、交流発電機への過負荷を抑えつつ,強風下でも一定の発電量を得ることができる風力発電装置を提供すること。
【解決手段】風車ロータ(4)の回転により発生した動力を交流発電機(9)によって交流電力へ変換し、当該交流電力を整流子(11)を介して直流電力としてバッテリ(14)へ蓄える風力発電装置において、風車ロータ(4)を制動して回転数を減少可能な渦電流ブレーキ(30)と、交流発電機(9)の出力電力が設定値以上となった場合に余剰出力電力を渦電流ブレーキ(30)へ供給して作動させるブレーキ制御手段(20)とを設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】風車ロータ(4)の回転により発生した動力を交流発電機(9)によって交流電力へ変換し、当該交流電力を整流子(11)を介して直流電力としてバッテリ(14)へ蓄える風力発電装置において、風車ロータ(4)を制動して回転数を減少可能な渦電流ブレーキ(30)と、交流発電機(9)の出力電力が設定値以上となった場合に余剰出力電力を渦電流ブレーキ(30)へ供給して作動させるブレーキ制御手段(20)とを設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風力エネルギを電気エネルギへ変換して蓄電可能な風力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
風力発電装置は、風の力を利用して発電する装置であり、公害を出さない電気供給源として次第に普及しつつある。図7および図8に、風力発電装置の従来構成を示す。
【0003】
図7において、2はタワーである。タワー2の上部には、ナセル(機械箱)3が取り付けられている。風車ロータ4は、駆動軸5に取り付けられた複数枚の翼6から形成されている。駆動軸5は、ナセル3に内蔵された軸受7によって回転自在に支持されている。駆動軸5は、増速機8を介して交流発電機(PMG型同期発電機等)9に連結されている。
【0004】
風車ロータ4によって得られた動力は、図8に示す交流発電機9で交流電力へ変換され、整流子11を介して直流電力となる。この直流電力は、バッテリ充放電コントロールユニット12を介してバッテリ14へ蓄えられる。蓄電された電力はインバータ15などを介して負荷16へ供給される。なお、図8において、13は逆流防止ダイオードである。
【0005】
ここで、風車ロータ4は、風速の3乗に比例するエネルギを発生する。そして、その際の風車ロータ4の回転数は、周速比(風車ロータ回転速度と風速の比)に一致する。そのため、台風等の強風下では、風車ロータ4が過回転となる。また、これに伴い、交流発電機9から出力される交流電力が異常に増大する。
【0006】
かかる風車ロータ4の過回転および発電機9の過電力発生は、風力発電装置の破損や故障を招く原因となるため、通常、装置には風車ロータ4の回転数を検知する回転数検知手段が設けられ、回転数が設定回転数以上となった場合には、(イ)風向に対して風車ロータ回転面を偏向させてロータ4が受ける風の力を逃したり、(ロ)交流発電機9への負荷をコントロールして、ロータ回転数増加を抑える方法が採られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した風力発電装置において、風車ロータ4の過回転防止等を図るために上記(イ)の方策をとった場合、ナセル3のハンチング現象によって低周波振動が発生し構成部品が破損したり、低周波騒音が発生することがある。また、上記(ロ)の方策をとった場合には、交流発電機9に極めて大きな負担がかかり、最悪の場合にはコイルの焼き付きや、励磁用マグネットの減磁を招くことがある。
【0008】
本発明の目的は、構成部品破損や低周波騒音発生といった不都合を生じさせることなく、かつ、交流発電機への過負荷を抑えつつ、強風下でも一定の発電量を得ることができる風力発電装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、風車ロータの回転により発生した動力を交流発電機によって交流電力へ変換し、当該交流電力を整流子を介して直流電力としてバッテリへ蓄える風力発電装置において、前記風車ロータを制動して回転数を減少可能な渦電流ブレーキと、前記交流発電機の出力電力が設定値以上となった場合に余剰出力電力を渦電流ブレーキへ供給して作動させるブレーキ制御手段と、を設けたものである。
【0010】
上記構成の本発明の場合、交流発電機の出力電力は、風車ロータの回転数増加に伴い増大する。例えば、交流発電機が同期型発電機である場合には、ロータ回転数に比例して増大する。したがって、交流発電機の出力電力から風車ロータの回転数を算出できる。そこで、上記設定値としては、風車ロータが過回転となる値が選定されている。
【0011】
ブレーキ制御手段は、交流発電機の出力電力が設定値以上となった場合には、余剰出力電力(設定値以上の出力電力)を渦電流ブレーキへ供給して作動させる。これにより、風車ロータは、渦電流ブレーキによって制動されて、その回転数増加が抑えられる。
【0012】
このように、強風下で発生した交流発電機の余剰出力電力を利用して、風車ロータの過回転等を防止するので、経済的であるとともに、一定の発電量を得ることができる。また、交流発電機の出力電力が設定値以上となったことを検知してロータを制動するので、従来例のように回転数検知手段を設ける必要がなく、構成も簡素化される。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0013】
本発明に係る風力発電装置は、図1に示すように、基本的構成は従来例(図8)と同様であるが、渦電流ブレーキ30とブレーキ制御手段20とを設け、強風下で発生した交流発電機9の余剰出力電力を利用して風車ロータ4を制動し、当該ロータ4の過回転等を防止する構成とされている。
【0014】
なお、従来例(図8)と共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略化または省略する。
【0015】
まず、渦電流ブレーキ30は、風車ロータ4を制動して回転数を減少可能に構成されている。具体的には、渦電流ブレーキ30は、本体31と、この本体31内に収容されたコイル32およびロータ33とを含み、風車ロータ4の回転に連動して円板状のロータ33が回転する中でコイル32に直流電圧が印加されて電磁石となると、ロータ33に渦電流が流れ当該ロータ33の回転抵抗を増大して制動する構成とされている。ロータ33は、銅やアルミニウム等で円板状に形成されており、交流発電機9を介して風車ロータ4と連結されている。
【0016】
ブレーキ制御手段20は、交流発電機9の出力電力が設定値以上となった場合に余剰出力電力を渦電流ブレーキ30へ供給して作動させる手段である。ここにおいて、この実施形態では、交流発電機9として同期型発電機を選定している。かかる発電機9では、ロータ回転数に比例して出力電力が増大する。したがって、交流発電機9の出力電力から風車ロータ4の回転数を算出できる。そこで、上記設定値としては、風車ロータ4が過回転となる値が選定されている。渦電流ブレーキ30のコイル32には、ブレーキ制御手段20を介して交流発電機9からの余剰電力(詳しくは、整流子11で整流された直流電圧)が供給される。
【0017】
上記構成の風力発電装置では、ブレーキ制御手段20は、交流発電機9の出力電力が設定値以上となった場合には、余剰出力電力(余剰直流電圧)を渦電流ブレーキ30へ供給して作動させる。これにより、風車ロータ4は、渦電流ブレーキ30によって制動されて、その回転数増加が抑えられる。なお、この際、ブレーキ制御手段20とバッテリ充放電コントロールユニット12とは並列接続となることから、バッテリ14に充電しながら風車ロータ4の回転数も制御できることになる。
【0018】
このように、強風下で発生した交流発電機9の余剰出力電力を利用して、風車ロータ4の過回転防止および交流発電機9の過電力発生を防止するので、経済的であるとともに、一定の発電量を得ることができる。また、交流発電機9の出力電力が設定値以上となったことを検知して風車ロータ4を制動するので、従来例のように回転数検知手段を設ける必要がなく、構成も簡素化される。
【0019】
【実施例1】
本風車発電装置の有用性を検証するために、足利工業大学機械工学科所有の風洞施設を利用して、各種実験を行った。
【0020】
(試験装置)本発明に係る試験装置の概要図を図2(A),(B),(C)に示す。渦電流ブレーキ30のロータ33は、同図(B),(C)に示すように、直径200[mm]で厚さ7[mm]の銅製円板である。また、コイル32は、直径65[mm]でコイル高さは47[mm]、抵抗値は55.25[Ω]である。かかる構成のコイル32が8個設置されている。
【0021】
また、風車ロータ4は、CR001翼型仕様の翼を、CR001翼型仕様のロータには、コーニング角6度を設定している。交流発電機9は、CR001−G1を使用し、発電した電力はバッテリー蓄電およびブレーキ電力とした。
【0022】
風速は、ベッツマノメータ44とピトー管43を使用して、この測定値を基準風速とし、他に連続的なデータを計測するため風杯型のNOMAD風速計42を風洞41内に設置して計測した。この時の発電機出力(交流・直流)、バッテリー蓄電電力、ブレーキへの供給電力および風速のデータはハイテスター45により計測され、これらはすべて同時記録される。
【0023】
なお、ここで使用したバッテリー14は、フォークリフト用大型12[V]バッテリーを使用した。このバッテリー14はブレーキ回路と並列に接続されている。
【0024】
(供試ブレーキ性能試験) 渦電流ブレーキ30の制御は、交流発電機9より発生した余剰電力を利用して行うため、コイル32の結線仕様を変更しながら行った。図3〜図6に示すように、1回目にコイル1個のみに電力を供給してブレーキ性能試験を行い、2回目に相対するコイル2個を直列接続した場合の性能試験を、3回目に相対するコイル2個を並列接続した場合の性能試験、最後に相対する2個のコイルの直列接続し、それを2組並列接続して、計4個のコイルを接続した場合の計4種のブレーキ性能試験を行った。
【0025】
ブレーキ30は風速10[m/s]から作動させ、風速15[m/s]ではバッテリー14との接続を切り離し、ブレーキ30のみに電力を供給し実験を行った。
【0026】
(実験結果) 各条件でのブレーキ性能試験の結果を、図3〜図6に示す。すべての試験結果より、ブレーキをかけ始めた10[m/s]以上より風車ロータ4の回転数が落ちているのが確認できた。
【0027】
そのなかで、特に回転を落とすことができたのは、図5のコイルを2個使用し並列接続した場合のものであった。これは並列に接続したことによりコイル抵抗値が2.81[Ω]と低く、電流の流れが大きくなったために渦電流の発生が多くなり、その結果制動力が増したためと考えられる。
【0028】
また、この4条件の中で、ブレーキをかけた状態においてもバッテリー14への蓄電が行われていたのは、コイル1個と2個直列に接続された時のみであり、この時のコイル32にかかる電圧値は常にバッテリー電圧に近い値を示していたが、風速15[m/s]においてバッテリー14との接続を切断した時、電圧および回転数は急激にあがり、制動不可能の状態になった。
【0029】
また、図6の条件下において、風速15[m/s]以上の時にバッテリーとの接続を切断した結果、バッテリー接続時に比べ、多少であるが風車ロータ4の回転数が上がる傾向を示した。
【0030】
以上のことから、今回使用したコイル32を使用する場合、コイルの抵抗値を低めに設定するか、もしくはコイルの個数を増設する設計を行うことで、発電機9より発生した電力のみで風車ロータ4の回転数を制御できるだけの制動力を得られることが判明した。
【0031】
上記実験を行った結果、以下のことが明らかになった。
(1) 風車ロータを制動させるために渦電流ブレーキを使用した結果、それを制動させるだけの電力が交流発電機の余剰電力より得ることができることが実証された。
(2) 交流発電機とコイルおよびバッテリーの結線条件により、様々な制動の挙動が確認された。
(3) 本試験において、今回使用したコイルを使用する場合、コイルの抵抗値を低めに設定するか、もしくはコイルの個数を増設する設計を行うことで、より制動力が得られる渦電流ブレーキの製作が可能であることが判明した。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば 風車ロータを制動して回転数を減少可能な渦電流ブレーキと、交流発電機の出力電力が設定値以上となった場合に余剰出力電力を渦電流ブレーキへ供給して作動させるブレーキ制御手段と、を設けたので、構成部品破損や低周波騒音発生といった不都合を生じさせることなく、かつ、交流発電機への過負荷を抑えつつ、強風下でも一定の発電量を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための図である。
【図2】本発明に係る試験装置を示す図である。
【図3】実験データ(1)を示す図である。
【図4】実験データ(2)を示す図である。
【図5】実験データ(3)を示す図である。
【図6】実験データ(4)を示す図である。
【図7】風力発電装置の従来構成を説明するための図である。
【図8】従来の風力発電装置の電気的構成を説明するための図である。
【符号の説明】
4 風車ロータ
5 駆動軸
6 翼
9 交流発電機
11 整流子
12 バッテリ充放電コントロールユニット
13 逆流防止ダイオード
14 バッテリ
15 インバータ
16 負荷
20 ブレーキ制御手段
30 渦電流ブレーキ
31 本体
32 コイル
33 ロータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、風力エネルギを電気エネルギへ変換して蓄電可能な風力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
風力発電装置は、風の力を利用して発電する装置であり、公害を出さない電気供給源として次第に普及しつつある。図7および図8に、風力発電装置の従来構成を示す。
【0003】
図7において、2はタワーである。タワー2の上部には、ナセル(機械箱)3が取り付けられている。風車ロータ4は、駆動軸5に取り付けられた複数枚の翼6から形成されている。駆動軸5は、ナセル3に内蔵された軸受7によって回転自在に支持されている。駆動軸5は、増速機8を介して交流発電機(PMG型同期発電機等)9に連結されている。
【0004】
風車ロータ4によって得られた動力は、図8に示す交流発電機9で交流電力へ変換され、整流子11を介して直流電力となる。この直流電力は、バッテリ充放電コントロールユニット12を介してバッテリ14へ蓄えられる。蓄電された電力はインバータ15などを介して負荷16へ供給される。なお、図8において、13は逆流防止ダイオードである。
【0005】
ここで、風車ロータ4は、風速の3乗に比例するエネルギを発生する。そして、その際の風車ロータ4の回転数は、周速比(風車ロータ回転速度と風速の比)に一致する。そのため、台風等の強風下では、風車ロータ4が過回転となる。また、これに伴い、交流発電機9から出力される交流電力が異常に増大する。
【0006】
かかる風車ロータ4の過回転および発電機9の過電力発生は、風力発電装置の破損や故障を招く原因となるため、通常、装置には風車ロータ4の回転数を検知する回転数検知手段が設けられ、回転数が設定回転数以上となった場合には、(イ)風向に対して風車ロータ回転面を偏向させてロータ4が受ける風の力を逃したり、(ロ)交流発電機9への負荷をコントロールして、ロータ回転数増加を抑える方法が採られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した風力発電装置において、風車ロータ4の過回転防止等を図るために上記(イ)の方策をとった場合、ナセル3のハンチング現象によって低周波振動が発生し構成部品が破損したり、低周波騒音が発生することがある。また、上記(ロ)の方策をとった場合には、交流発電機9に極めて大きな負担がかかり、最悪の場合にはコイルの焼き付きや、励磁用マグネットの減磁を招くことがある。
【0008】
本発明の目的は、構成部品破損や低周波騒音発生といった不都合を生じさせることなく、かつ、交流発電機への過負荷を抑えつつ、強風下でも一定の発電量を得ることができる風力発電装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、風車ロータの回転により発生した動力を交流発電機によって交流電力へ変換し、当該交流電力を整流子を介して直流電力としてバッテリへ蓄える風力発電装置において、前記風車ロータを制動して回転数を減少可能な渦電流ブレーキと、前記交流発電機の出力電力が設定値以上となった場合に余剰出力電力を渦電流ブレーキへ供給して作動させるブレーキ制御手段と、を設けたものである。
【0010】
上記構成の本発明の場合、交流発電機の出力電力は、風車ロータの回転数増加に伴い増大する。例えば、交流発電機が同期型発電機である場合には、ロータ回転数に比例して増大する。したがって、交流発電機の出力電力から風車ロータの回転数を算出できる。そこで、上記設定値としては、風車ロータが過回転となる値が選定されている。
【0011】
ブレーキ制御手段は、交流発電機の出力電力が設定値以上となった場合には、余剰出力電力(設定値以上の出力電力)を渦電流ブレーキへ供給して作動させる。これにより、風車ロータは、渦電流ブレーキによって制動されて、その回転数増加が抑えられる。
【0012】
このように、強風下で発生した交流発電機の余剰出力電力を利用して、風車ロータの過回転等を防止するので、経済的であるとともに、一定の発電量を得ることができる。また、交流発電機の出力電力が設定値以上となったことを検知してロータを制動するので、従来例のように回転数検知手段を設ける必要がなく、構成も簡素化される。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0013】
本発明に係る風力発電装置は、図1に示すように、基本的構成は従来例(図8)と同様であるが、渦電流ブレーキ30とブレーキ制御手段20とを設け、強風下で発生した交流発電機9の余剰出力電力を利用して風車ロータ4を制動し、当該ロータ4の過回転等を防止する構成とされている。
【0014】
なお、従来例(図8)と共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略化または省略する。
【0015】
まず、渦電流ブレーキ30は、風車ロータ4を制動して回転数を減少可能に構成されている。具体的には、渦電流ブレーキ30は、本体31と、この本体31内に収容されたコイル32およびロータ33とを含み、風車ロータ4の回転に連動して円板状のロータ33が回転する中でコイル32に直流電圧が印加されて電磁石となると、ロータ33に渦電流が流れ当該ロータ33の回転抵抗を増大して制動する構成とされている。ロータ33は、銅やアルミニウム等で円板状に形成されており、交流発電機9を介して風車ロータ4と連結されている。
【0016】
ブレーキ制御手段20は、交流発電機9の出力電力が設定値以上となった場合に余剰出力電力を渦電流ブレーキ30へ供給して作動させる手段である。ここにおいて、この実施形態では、交流発電機9として同期型発電機を選定している。かかる発電機9では、ロータ回転数に比例して出力電力が増大する。したがって、交流発電機9の出力電力から風車ロータ4の回転数を算出できる。そこで、上記設定値としては、風車ロータ4が過回転となる値が選定されている。渦電流ブレーキ30のコイル32には、ブレーキ制御手段20を介して交流発電機9からの余剰電力(詳しくは、整流子11で整流された直流電圧)が供給される。
【0017】
上記構成の風力発電装置では、ブレーキ制御手段20は、交流発電機9の出力電力が設定値以上となった場合には、余剰出力電力(余剰直流電圧)を渦電流ブレーキ30へ供給して作動させる。これにより、風車ロータ4は、渦電流ブレーキ30によって制動されて、その回転数増加が抑えられる。なお、この際、ブレーキ制御手段20とバッテリ充放電コントロールユニット12とは並列接続となることから、バッテリ14に充電しながら風車ロータ4の回転数も制御できることになる。
【0018】
このように、強風下で発生した交流発電機9の余剰出力電力を利用して、風車ロータ4の過回転防止および交流発電機9の過電力発生を防止するので、経済的であるとともに、一定の発電量を得ることができる。また、交流発電機9の出力電力が設定値以上となったことを検知して風車ロータ4を制動するので、従来例のように回転数検知手段を設ける必要がなく、構成も簡素化される。
【0019】
【実施例1】
本風車発電装置の有用性を検証するために、足利工業大学機械工学科所有の風洞施設を利用して、各種実験を行った。
【0020】
(試験装置)本発明に係る試験装置の概要図を図2(A),(B),(C)に示す。渦電流ブレーキ30のロータ33は、同図(B),(C)に示すように、直径200[mm]で厚さ7[mm]の銅製円板である。また、コイル32は、直径65[mm]でコイル高さは47[mm]、抵抗値は55.25[Ω]である。かかる構成のコイル32が8個設置されている。
【0021】
また、風車ロータ4は、CR001翼型仕様の翼を、CR001翼型仕様のロータには、コーニング角6度を設定している。交流発電機9は、CR001−G1を使用し、発電した電力はバッテリー蓄電およびブレーキ電力とした。
【0022】
風速は、ベッツマノメータ44とピトー管43を使用して、この測定値を基準風速とし、他に連続的なデータを計測するため風杯型のNOMAD風速計42を風洞41内に設置して計測した。この時の発電機出力(交流・直流)、バッテリー蓄電電力、ブレーキへの供給電力および風速のデータはハイテスター45により計測され、これらはすべて同時記録される。
【0023】
なお、ここで使用したバッテリー14は、フォークリフト用大型12[V]バッテリーを使用した。このバッテリー14はブレーキ回路と並列に接続されている。
【0024】
(供試ブレーキ性能試験) 渦電流ブレーキ30の制御は、交流発電機9より発生した余剰電力を利用して行うため、コイル32の結線仕様を変更しながら行った。図3〜図6に示すように、1回目にコイル1個のみに電力を供給してブレーキ性能試験を行い、2回目に相対するコイル2個を直列接続した場合の性能試験を、3回目に相対するコイル2個を並列接続した場合の性能試験、最後に相対する2個のコイルの直列接続し、それを2組並列接続して、計4個のコイルを接続した場合の計4種のブレーキ性能試験を行った。
【0025】
ブレーキ30は風速10[m/s]から作動させ、風速15[m/s]ではバッテリー14との接続を切り離し、ブレーキ30のみに電力を供給し実験を行った。
【0026】
(実験結果) 各条件でのブレーキ性能試験の結果を、図3〜図6に示す。すべての試験結果より、ブレーキをかけ始めた10[m/s]以上より風車ロータ4の回転数が落ちているのが確認できた。
【0027】
そのなかで、特に回転を落とすことができたのは、図5のコイルを2個使用し並列接続した場合のものであった。これは並列に接続したことによりコイル抵抗値が2.81[Ω]と低く、電流の流れが大きくなったために渦電流の発生が多くなり、その結果制動力が増したためと考えられる。
【0028】
また、この4条件の中で、ブレーキをかけた状態においてもバッテリー14への蓄電が行われていたのは、コイル1個と2個直列に接続された時のみであり、この時のコイル32にかかる電圧値は常にバッテリー電圧に近い値を示していたが、風速15[m/s]においてバッテリー14との接続を切断した時、電圧および回転数は急激にあがり、制動不可能の状態になった。
【0029】
また、図6の条件下において、風速15[m/s]以上の時にバッテリーとの接続を切断した結果、バッテリー接続時に比べ、多少であるが風車ロータ4の回転数が上がる傾向を示した。
【0030】
以上のことから、今回使用したコイル32を使用する場合、コイルの抵抗値を低めに設定するか、もしくはコイルの個数を増設する設計を行うことで、発電機9より発生した電力のみで風車ロータ4の回転数を制御できるだけの制動力を得られることが判明した。
【0031】
上記実験を行った結果、以下のことが明らかになった。
(1) 風車ロータを制動させるために渦電流ブレーキを使用した結果、それを制動させるだけの電力が交流発電機の余剰電力より得ることができることが実証された。
(2) 交流発電機とコイルおよびバッテリーの結線条件により、様々な制動の挙動が確認された。
(3) 本試験において、今回使用したコイルを使用する場合、コイルの抵抗値を低めに設定するか、もしくはコイルの個数を増設する設計を行うことで、より制動力が得られる渦電流ブレーキの製作が可能であることが判明した。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば 風車ロータを制動して回転数を減少可能な渦電流ブレーキと、交流発電機の出力電力が設定値以上となった場合に余剰出力電力を渦電流ブレーキへ供給して作動させるブレーキ制御手段と、を設けたので、構成部品破損や低周波騒音発生といった不都合を生じさせることなく、かつ、交流発電機への過負荷を抑えつつ、強風下でも一定の発電量を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための図である。
【図2】本発明に係る試験装置を示す図である。
【図3】実験データ(1)を示す図である。
【図4】実験データ(2)を示す図である。
【図5】実験データ(3)を示す図である。
【図6】実験データ(4)を示す図である。
【図7】風力発電装置の従来構成を説明するための図である。
【図8】従来の風力発電装置の電気的構成を説明するための図である。
【符号の説明】
4 風車ロータ
5 駆動軸
6 翼
9 交流発電機
11 整流子
12 バッテリ充放電コントロールユニット
13 逆流防止ダイオード
14 バッテリ
15 インバータ
16 負荷
20 ブレーキ制御手段
30 渦電流ブレーキ
31 本体
32 コイル
33 ロータ
Claims (1)
- 風車ロータの回転により発生した動力を交流発電機によって交流電力へ変換し、当該交流電力を整流子を介して直流電力としてバッテリへ蓄える風力発電装置において、
前記風車ロータを制動して回転数を減少可能な渦電流ブレーキと、前記交流発電機の出力電力が設定値以上となった場合に余剰出力電力を渦電流ブレーキへ供給して作動させるブレーキ制御手段と、を設けたことを特徴とする風力発電装置。
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- 2002-09-12 JP JP2002267280A patent/JP2004104975A/ja active Pending
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