JP2003342910A - 円筒型切断機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】切断刃に必要十分な冷却水を的確に送水して刃
を冷却し、冷却排水の量を低減し、環境汚染防止する。 【解決手段】円筒型切断機１の天板１２の周縁部に水止
め板３０を設け、天板１２に冷却水を供給し、切断機の
回転による遠心力で冷却水を周縁部に移動させ、水止め
板３０と仕切板３１で区切られた複数の水溜室３２に冷
却水を貯留し、水溜室３２の天板に形成した排出孔３３
から冷却水が自由落下するようにして、切断刃のダイヤ
モンドチップ１１に適量の冷却水を供給するようにし
た。また、排出孔３３を水溜室３２の角部に形成するこ
とによって冷却水を円筒型切断機１の垂直壁１０を伝わ
って落下するようにし、ダイヤモンチップ１１に確実に
供給されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、舗装路面等を円形
に切断する円筒型切断機に関し、特に切断時の冷却水を
カッターのダイヤモンド刃に適切に供給する構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】マンホール等の道路占用物周囲の舗装路
面を円形に切断して、舗装路面に埋設されているマンホ
ール蓋受枠を撤去することがおこなわれている。（特公
昭６１−３３９３８号公報、及び特公昭６１−２５８４
４号公報参照）この工法においては、特公昭６１−５２
２８３号公報及び実公平２−２６９６９号公報に示され
る円筒型切断機が使用されている。

【０００３】円筒型切断機に切断刃としてダイヤモンド
刃が用いられおり、切断時の摩擦によって刃が高熱にな
ると共に切断された舗装材が細かい粉となって残留して
切断効率を低下させるので、この切削粉を除去するため
にも刃には冷却水が必要である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、切断刃に必要
十分な冷却水を的確に送水することが難しく、必要以上
の量を送水して冷却するため、切削粉を含む余剰の水が
周辺に散逸し、冷却排水が環境汚染の原因となってい
た。本発明は、余剰の冷却水を送水することなく、必要
な冷却水を確実に切断刃に供給できるようにし、刃を冷
却して切断を円滑におこなえるようにすると共に、冷却
排水の量を低減し、環境汚染防止することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】円筒型切断機の天板の周
縁部に水止め板を設け、天板に冷却水を供給し、切断機
の回転による遠心力で冷却水を周縁部に移動させ、水止
め板に設けた仕切板で区切られた複数の水溜室に冷却水
を貯留し、水溜室に形成した冷却水排出孔から冷却水が
自由落下するようにして、切断刃に適量の冷却水を供給
するようにした。

【０００６】また、冷却水排出孔を水溜室の角部に形成
することによって冷却水を円筒型切断機の垂直壁を伝わ
って落下するようにし、切断刃に確実に供給されるよう
にした。

【０００７】

【実施例】図１に示すように、円筒型切断機１は、円筒
の垂直壁１０の先端部にダイヤモンドチップ１１の切断
刃が取り付けてあり、シャフト４を中心軸としてスリー
ブ２を介して回転可能、かつ、昇降可能にシャフト４に
取り付けてある。スリーブ２には従動歯車５が設けてあ
り、油圧モータ等の回転駆動装置７の回転力が駆動歯車
６を介して伝達される。油圧シリンダからなる昇降装置
（図示しない）により従動歯車５、駆動歯車６及び回転
駆動装置７はシャフト４に沿って昇降し、舗装等の被切
断物に対して圧力を加えながら円筒型切断機１の下端に
設けたダイヤモンドチップ１１により円形に切断する。

【０００８】円筒型切断機１の天板１２周縁には板材ま
たはアングル材からなる水止め板３０が設けてある。水
止め板３０には円筒型切断機１の中心に向かう仕切板３
１が複数取り付けてあり、天板１２上には水止め板３０
及び仕切板３１によって区切られた水溜室３２が形成さ
れる。仕切板３１の根元には天板上に注水された冷却水
を切断刃に供給するための排出孔３３が形成されてい
る。

【０００９】天板には冷却水を供給する注水管１３が配
置され、更に、伸縮可能な筒状の防音カバー２１が円筒
型切断機１を包囲するように設けてある。防音カバー２
１の下端に環状の吸水パイプ２２が配設されている。吸
水パイプ２２には吸水口２３が全周にわたって一定間隔
で設けてあり、吸引装置２４がホース２５を介して連結
されている。

【００１０】不使用時には防音カバー２１は縮められて
いるが、切断持には伸長させてその下端縁を舗装路面８
と接触させ、吸水パイプ２２の吸水口２３を舗装路面８
に対向させる。吸水パイプ２２は、吸引装置２４と連結
されており、舗装路面８に流れ出た冷却排水は吸引し、
外側に流出させない。注水管１３から天板１２に供給さ
れた冷却水は、円筒型切断機１の回転による遠心力によ
って周縁方向に流動し、水止め板３０に当たって円周方
向に向きを変え、仕切板によって流動が遮られ、冷却水
排出孔３３から垂直壁を伝わって円筒型切断機１内部へ
と流下し、切断刃に供給される。切断に供された後の切
削粉を含んだ冷却排水は、防音カバー２１の下端に設け
た吸水パイプ２２の吸水口２３から吸引され、ホース２
５を介して回収されので、環境に影響を与えることが少
なくなる。

【００１１】防音カバー２１は、防音、防塵及び安全確
保等のために装着されものであり、円筒形でも多角形で
もよく、ベローズ構造として上下に伸縮可能である。更
に、円筒型切断機の径の変更に即応できるように径方向
にも伸縮可能とする。防音カバー２１の下端縁は、冷却
排水の回収効果を上げるためゴムやスポンジを取り付け
て路面との密着度を高め、冷却排水が防音カバーより外
部に漏出しないようにする。

【００１２】

【発明の効果】円筒型切断機の天板の周縁部に水止め板
と仕切板を設けて水溜室を形成したことによって必要量
の冷却水を確実に円筒型切断機の切断刃に供給でき、余
剰の冷却水を送水する必要がなくなったので冷却排水量
を低減できる。また、環境を汚染するという恐れがなく
なった。また、円筒型切断機による注水下での舗装路面
等の切断に際して、発生する切削廃水を周辺に散逸させ
ずに効果的に回収できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】円筒型切断機の断面図。

【図２】円筒型切断機の平面図。

【符号の説明】

１ 円筒型切断機 ３０ 水止め板 ３１ 仕切板 ３２ 水溜室 ３３ 排出孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 勝也 京都府京都市山科区勧修寺南大日町１番地 の１ (72)発明者 村瀬 優 東京都新宿区西新宿１−22−２ Ｆターム(参考） 2D053 AA25 BA03 DA02 DA03 DA11 DA13

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒型切断機の天板の周縁部に水止め板及
   び仕切板からなる複数の水溜室を設け、水溜室に冷却水
   排出孔を形成した円筒型切断機。
2. 【請求項２】請求項１において、冷却水排出孔が水溜室
   の角部に形成してある円筒型切断機。