JP2003342864A - クッション構造体及びその製造方法 - Google Patents
クッション構造体及びその製造方法Info
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Abstract
分な反発性をも有するクッション構造体及びその製造方
法を提供すること。 【解決手段】 繊維形成性ポリエステルポリマーと該繊
維形成性ポリエステルポリマーの融点より40℃以上低
い融点を有する熱可塑性エラストマーとからなり、前者
が少なくとも繊維表面に露出した複合繊維を用いて複合
短繊維となした後、熱可塑性エラストマーの融点より5
〜50℃低い温度で5〜30分熱処理した後、該複合短
繊維でウエッブを形成し、複合短繊維間に繊維交叉点を
形成せしめた後、前記繊維形成性ポリエステルポリマー
の融点よりも低く、かつ前記熱可塑性エラストマーの融
点よりも10〜80℃高い温度で熱処理して、繊維交叉
点のうちの少なくとも一部の繊維交差点を熱融着させ
る。
Description
熱固着点を散在させた、新規クッション構造体及びその
製造方法に関するものである。
用いられるクッション構造体の分野においては、発泡ウ
レタンフォーム、非弾性ポリエステル系捲縮短繊維詰
綿、ポリエステル系捲縮短繊維を接着した樹脂綿や固綿
などが使用されている。
製造中に使用される薬品等の取り扱いが難しく、かつフ
ロンを排出するという問題がある。また、得られた発泡
ウレタンフォームの圧縮特性は圧縮初期が硬く、その後
急に沈み込むという独特の特性を示すために、クッショ
ン性に乏しいばかりか、底突き感が大きいという欠点が
ある。しかも、該フォームは通気性に乏しいので蒸れや
すく、クッション構造体として好まれないことが多い。
綿においては、集合体構造が固定されていないため、使
用中に形が崩れ易く、構成短繊維が移動したり、該短繊
維の捲縮がへたったりして嵩性や反発性が大きく低下す
るという欠点がある。
合体をアクリル酸エステルポリマーなどの樹脂や低融点
バインダー繊維(例えば、特開昭58−31150号公
報)で固着させた樹脂綿や固綿などでは、固着力が弱い
ため容易に破壊されたり、固着点が硬くモービリテイが
ないため、クッション性に乏しいものしか得られないと
いう欠点があった。
ため、例えば、特開平5−179549号公報では、非
弾性ポリエステル系捲縮短繊維集合体をマトリックスと
し、弾性複合繊維で熱固着点を形成する方法が提案され
ている。かかる方法により、クッション性と耐久性が向
上するものの、用途によってはさらに高いクッション性
と耐久性が求められている。
4号公報では、熱可塑性エラストマーと非弾性ポリエス
テルとで形成された弾性複合繊維からなるクッション構
造体が提案されている。しかるに、このように弾性複合
繊維だけで構成されたクッション構造体においては、高
いクッション性と耐久性が得られるものの、弾性複合繊
維を熱融着させる際の熱処理により反発性が低下してし
まうという問題があり、その解決が望まれていた。
術の問題を解消するためになされたものであり、その課
題は、優れたクッション性と耐久性だけでなく、十分な
反発性をも有するクッション構造体及びその製造方法を
提供することを目的とする。
題を達成するため鋭意検討した結果、熱可塑性エラスト
マーと繊維形成性ポリエステルポリマーからなり、前者
が少なくとも繊維表面に露出した複合繊維を複合短繊維
化してウエッブを形成する際、該複合短繊維に前もって
特定の加熱条件で熱処理を施すことによりクッション構
造体作製時の熱収縮を押えることができ、その結果、優
れたクッション性と耐久性だけでなく、優れた反発性を
も有するクッション構造体が得られることを見出した。
そして、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明に到
達した。
ラストマーと繊維形成性ポリエステルポリマーからな
り、前者が少なくとも繊維表面に露出した複合短繊維で
構成された、密度が0.005〜0.15g/cm3、
厚さが5mm以上のクッション構造体であって、該クッ
ション構造体に、前記複合短繊維同士が交叉した状態で
互いに熱接着により形成された熱固着点が散在し、かつ
下記(1)〜(3)の要件を同時に満足することを特徴
とするクッション構造体」が提供される。 (1)クッション構造体の反発弾性が50%以上。 (2)クッション構造体の25%圧縮硬さが300N以
下。 (3)クッション構造体の圧縮耐久性歪が13%以下。
を有し、かつ鞘部が熱可塑性エラストマーからなり、他
方の芯部が繊維形成性ポリエステルポリマーからなるこ
とが好ましい。かかる熱可塑性エラストマーとしてはポ
リエステル系エラストマーが好適であり、他方の繊維形
成性ポリエステルポリマーとしてはポリブチレンテレフ
タレートが好適である。また、優れたクッション性を得
る上で、隣り合う熱固着点間に存在する複合短繊維がコ
イル状弾性捲縮及び/又は弾性ループを発現した形で存
在することが好ましい。
エステルポリマーと該繊維形成性ポリエステルポリマー
の融点より40℃以上低い融点を有する熱可塑性エラス
トマーとからなり、後者が少なくとも繊維表面に露出し
た複合繊維を用いて複合短繊維となした後、前記熱可塑
性エラストマーの融点より5〜50℃低い温度で5〜3
0分熱処理した後、該複合短繊維でウエッブを形成し、
複合短繊維間に繊維交叉点を形成せしめた後、前記繊維
形成性ポリエステルポリマーの融点よりも低く、かつ前
記熱可塑性エラストマーの融点よりも10〜80℃高い
温度で熱処理して、繊維交叉点のうちの少なくとも一部
の繊維交差点を熱融着させることを特徴とするクッショ
ン構造体の製造方法により容易に得られる。
て詳細に説明する。
る複合短繊維は、熱可塑性エラストマーと繊維形成性ポ
リエステルポリマーとで形成され、前者の熱可塑性エラ
ストマーが少なくとも繊維表面に露出している必要があ
る。熱可塑性エラストマーが繊維表面に露出していない
場合は、後記の特性を有するクッション構造体が得られ
ず好ましくない。重量割合としては、前者と後者が30
/70〜70/30の範囲が適当である。かかる複合短
繊維の複合形態としては、サイドバイサイド型、偏心芯
鞘型のいずれであってもよいが、鞘部が熱可塑性エラス
トマーからなり、他方の芯部が熱可塑性ポリエステルポ
リマーからなる偏心芯鞘構造が好ましい。かかる偏心芯
鞘構造を採用することにより、複合短繊維がコイル状捲
縮を発現しやすく、本発明の主目的のひとつである優れ
たクッション性が得られやすい。なお、該複合短繊維の
断面形状としては、中空、中実、異型いずれでもよい。
壊伸度が大きく、伸張回復特性が良いものが好ましい。
このような熱可塑性エラストマーを採用することによ
り、クッション構造体中の熱固着点に変形応力が付加、
除荷された際、熱固着点が容易に変形回復することがで
きる。かかる熱可塑性エラストマーとしてはポリエステ
ル系エラストマーが好ましく例示される。
可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(ア
ルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとし
て共重合してなるポリエーテルエステルブロック共重合
体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン
−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3−スル
ホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカル
ボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セパシン
酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸
またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれた
ジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオ
ール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、
テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオール、ある
いは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノ
ール等の脂環族ジオール、またはこれらのエステル形成
性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1
種、および平均分子量が約400〜5000程度の、ポ
リエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−
プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレ
ンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレ
ンオキシドとの共重合体等のポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールのうち少なくとも1種から構成される三
次元重合体が例示される。
をハードセグメントとし、ポリオキシブチレングリコー
ルソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテル
ポリエステルが好ましい。この場合、ハードセグメント
を構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフ
タル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分
であるポリブチレンテレフタレートである。もちろん、
この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカル
ボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても
よく、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以
下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置
換されていてもよい。また、ソフトセグメントを構成す
るポリエーテル成分は、テトラメチレングリコール以外
のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってもよ
い。なお、ポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収
剤、増粘分枝剤、艶消し剤、着色剤、その他各種改良剤
等も必要に応じて配合されていてもよい。
は、固有粘度で0.8〜1.7、特に0.9〜1.5の
範囲にあることが好ましい。この固有粘度が低すぎる
と、形成される熱固着点が破壊され易くなる。逆に、こ
の固有粘度が高すぎると、熱固着点が形成されにくくな
る恐れがある。
形成性ポリエステルポリマーの融点よりも40℃以上、
特に60℃以上低いことが好ましい。かかる熱可塑性エ
ラストマーの融点は例えば130〜220℃の範囲の温
度であることができる。
の融着加工時の熱処理温度が高くなり過ぎて、複合短繊
維の力学特性が低下する恐れがある。なお、熱可塑性エ
ラストマーについて、その融点が明確に観察されないと
きは、軟化点をもって融点の代替とする。
方成分として用いられる繊維形成性ポリエステルポリマ
ーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど
が例示され、なかでもポリブチレンテレフタレートがよ
り好ましく例示される。
体特性を得る上で、また、クッション構造体を製造する
際の工程安定上、単糸繊度は、0.5〜150dtex
(より好ましくは1〜70dtex)であることが好ま
しい。該繊度が、0.5dtexよりも小さいと結合点
が増えすぎて充分なクッション性が得られない恐れがあ
る。逆に、該繊度が150dtexよりも大きいと、結
合点が少ないため充分な反発性が得られなかったり、硬
い風合いになる恐れがある。複合短繊維のカット長さは
25〜255mm(より好ましくは32〜178m
m)、捲縮数は、4〜50個/2.54cm(より好ま
しくは6〜35個/2.54cm)であることが、クッ
ション構造体のクッション性、圧縮耐久性、クッション
構造体の製造工程の安定上好ましい。
複合短繊維同士が交叉した状態で互いに熱接着により形
成された熱固着点が散在する必要がある。かかる熱固着
点は、熱可塑性エラストマー同士の熱融着により形成さ
れた熱固着点でもよいし、熱可塑性エラストマーと繊維
形成性ポリエステルポリマーとの熱融着により形成され
た熱固着点でもよいが、前者であることが好ましい。熱
可塑性エラストマー同士の熱融着により形成された熱固
着点は優れた可撓性を有するため、クッション構造体に
荷重が加えれたとき、すなわち、該固着点にも荷重が加
えられたとき、この固着点が荷重の方向に沿って、自由
自在に変形回復可能となる。そして、かかる熱固着点の
間に位置する複合短繊維は、コイル状弾性捲縮及び/又
は弾性ループを発現した形で存在することがクッション
性の点で好ましい。
は、0.005〜0.15g/cm3(好ましくは0.
008〜0.12g/cm3)の範囲にある必要があ
る。該密度が、0.005g/cm3よりも小さいと、
構造体の反発性が乏しくなり、構造体に荷重が加えられ
ると1本1本の繊維に歪みや応力がかかりすぎて、構造
体そのものが変形し易く耐久性もなくなるので、好まし
くない。逆に、該密度が0.15g/cm3よりも大き
くなると、繊維密度が過度に高くなり、熱可塑性エラス
トマー同士が過密に相互融着しやすくなる。このような
構造のものは厚み方向のクッション性が著しく低下し、
通気性も極度に小さくなり蒸れ易いので好ましくない。
めた値を用いるものとする。すなわち、平板状に調整さ
れたクッション構造体の目付け(g/m2)を測定し、
0.49cN/cm2(0.5grf/cm2)の荷重下
での厚み(cm)を測定し、密度(g/cm3)を算出
するものとする。
は、反発性の点で5mm以上である必要がある。該厚み
は10mm以上(さらに好ましくは20mm以上)であ
ることが好ましい。用途によっては約10〜20cmに
達しても良い。なお、前記の厚みは0.49cN/cm
2(0.5grf/cm2)の荷重下での厚み(cm)を
測定するものとする。
記(1)〜(3)の要件を同時に満足する必要がある。 (1)クッション構造体の反発弾性が50%以上(より
好ましくは60%以上)である。 (2)クッション構造体の25%圧縮硬さが300N以
下(より好ましくは270N以下)である。 (3)クッション構造体の圧縮耐久性歪が13%以下
(より好ましくは12%以下)である。
はJIS K−6401により測定した値を用いるもの
とする。また、前記の圧縮耐久性歪は、下記の測定方法
で測定した値を用いるものとする。
5cmのクッション構造体に7.84N/cm2(80
0grf/cm2)の荷重で10秒間圧縮したのち除重
して5秒間放置する操作を360回繰り返し、24時間
後再び該クッション構造体の厚みを測定する。そして、
初期厚みに対する繰り返し圧縮後の厚みの比率(%)を
クッション構造体の圧縮耐久性歪とする。
の要件を全て満足する範囲内であれば、他の短繊維及び
/又は長繊維が少量含まれていてもさしつかえない。
法について説明する。まず、繊維形成性ポリエステルポ
リマーと該繊維形成性ポリエステルポリマーの融点より
40℃以上低い融点を有する熱可塑性エラストマーを用
いて、公知の紡糸方法により、複合繊維を得る。その
際、用いるポリマー、複合形態、単糸繊度については、
すでに説明した通りである。ここで、該複合繊維は、紡
出後1.5倍以上に延伸されていることが好ましい。延
伸された繊維により構成されたクッション構造体は、延
伸されていない繊維を用いたクッション構造体に比べて
反発性に優れ、へたりも少ない。この理由としては、延
伸を受けていると、短繊維化され弛緩状態になる過程で
非晶部の緩和が起こり非晶部がランダム化し、より弾性
の優れた繊維構造になり、それが溶融固化後も維持され
やすいと推察される。
り、複合短繊維化する。その際、カト長、捲縮数につい
ては先に説明した通りである。ここで、複合繊維を複合
短繊維化する前に、複合繊維の捲縮を発現させるため
に、40〜120℃の温度、20秒以上で、湿式又は乾
式熱処理してもよい。
エラストマーの融点より5〜50℃(より好ましくは1
0〜25℃)低い温度で、5〜30分(より好ましくは
8〜20分)熱処理する必要がある。該熱処理は乾式で
あってもよいし、湿式であってもよいが、乾式が好まし
い。かかる熱処理により、複合短繊維の熱収縮が十分低
下することによって、構造体作製時の熱収縮を押さえる
ことができ、最終的に得られるクッション構造体は優れ
た反発性を有することになる。ここで、前記熱処理温度
が前記範囲よりも低いと、充分な熱処理効果が得られず
収縮が十分押さえることができず好ましくない。逆に、
該熱処理温度が前記範囲よりも高いと、複合短繊維同士
が熱融着するため好ましくない。
成し、複合短繊維間に繊維交叉点を形成せしめた後、前
記繊維形成性ポリエステルポリマーの融点よりも低く、
かつ前記熱可塑性エラストマーの融点よりも10〜80
℃高い温度で熱処理して、繊維交叉点のうちの少なくと
も一部の繊維交差点を熱融着させることにより、本発明
のクッション構造体が容易に得られる。この際、前記ウ
エッブは必要に応じて積層された後、圧縮されながら熱
処理されることが好ましい。かかる加熱圧縮方法として
は、パンチングプレートで構成される平板やキャタピラ
ー式の上下パンチングプレートによるコンベアーにウエ
ッブを挟み込んで加熱圧縮する方法やパンチングプレー
トなどで作製された金型に複合短繊維を吹き込み、加熱
圧縮する方法などが例示される。
は、複合短繊維でウエッブを形成する前に、該複合短繊
維に前記の熱処理が施されているため、クッション構造
体の反発性が損なわれることがない。さらに、熱可塑性
エラストマーと繊維形成性ポリエステルポリマーからな
り前者が少なくとも繊維表面に露出した複合短繊維で構
成されるため、優れたクッション性と耐久性をも有す
る。
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。 <クッション構造体の厚み>0.49cN/cm
2(0.5grf/cm2)の荷重下での厚み(cm)を
測定した。 <クッション構造体の密度>平板状に調整されたクッシ
ョン構造体の目付け(g/m2)を測定し、0.49c
N/cm2(0.5grf/cm2)の荷重下での厚み
(cm)を測定し、密度(g/cm3)を算出した。 <反発性>JIS K−6401により反発弾性(%)
を測定した。 <25%圧縮硬さ>JIS K−6401により25%
圧縮硬さ(N)を測定した。 <圧縮耐久性歪>平板状に調整された、初期厚み5cm
のクッション構造体に7.84N/cm2(800gr
f/cm2)の荷重で10秒間圧縮したのち除重して5
秒間放置する操作を360回繰り返し、24時間後再び
該クッション構造体の厚みを測定する。そして、初期厚
みに対する繰り返し圧縮後の厚みの比率(%)をクッシ
ョン構造体の圧縮耐久性歪(%)とした。
タル酸とを80/20(モル%)で混合した酸成分とブ
チレングリコールとを重合し、得られたポリブチレン系
テレフタレート38%(重量%)を更にポリテトラメチ
レングリコール(分子量2000)62%(重量%)と
加熱反応させ、熱可塑性エラストマーとしてブロック共
重合ポリエーテルポリエステルエラストマー(固有粘度
1.0、融点155℃)を得た。該熱可塑性エラストマ
ーを鞘部に、ポリブチレンテレフタレート(融点224
℃)を芯部に、鞘/芯の重量比で50/50になるよう
に常法により紡糸した。なお、この複合繊維は、偏心芯
鞘型複合繊維であり、熱可塑性エラストマーが繊維表面
に存在するものであった。この繊維を2.0倍に延伸し
80℃の温水で熱処理し、捲縮発現させ乾燥後、油剤を
付与し、64mmに切断した。
の乾式熱処理を施した後、開繊し、常法のカードにより
ウエッブ化し、該ウエッブを積層することによって積層
ウエッブを得た。
平板形モールドに挟み込み、200℃の熱風炉で10分
間加圧・加熱処理後、冷却し、平板状のクッション構造
体を得た。
したところ、複合短繊維同士が交叉した状態で、熱可塑
性エラストマー同士の熱融着により形成された熱固着点
が散在していた。また、隣り合う熱固着点間に存在する
複合短繊維がコイル状弾性捲縮を発現した形で存在して
いた。
ョン性と耐久性を有し、さらには、充分な反発性を有す
るものであった。評価結果を表1に示す。
エッブを得て、該積層ウエッブを実施例1よりも多く、
モールドに挟み込み、200℃の熱風炉で20分間加圧
・加熱処理する以外は実施例1と同様にして平板状のク
ッション構造体を得た。
したところ、複合短繊維同士が交叉した状態で、熱可塑
性エラストマー同士の熱融着により形成された熱固着点
が散在していた。また、隣り合う熱固着点間に存在する
複合短繊維がコイル状弾性捲縮を発現した形で存在して
いた。
ョン性と耐久性を有し、さらには、充分な反発性を有す
るものであった。評価結果を表1に示す。
維に熱処理を施さずにウエッブ化した以外は実施例1と
同様にして平板状のクッション構造体を得た。この時、
クッション構造体の収縮は非常に大きなものであり、密
度が高いものとなった。かかるクッション構造体におい
て、耐久性は充分であるものの、反発性は不十分であっ
た。評価結果を表1に示す。
複合短繊維30重量%と、常法にて得られたポリエチレ
ンテレフタレート短繊維(13dtex、カット長64
mm、捲縮数9個/2.54cm、捲縮度30%、融点
256℃、断面形状中空)70重量%とを混綿し、常法
によりウエッブ化する以外は実施例1と同様にして、平
板状のクッション構造体を得た。かかるクッション構造
体は、硬く、耐久性に劣るものであった。評価結果を表
1に示す。
維とポリエチレンテレフタレート短繊維との重量比率を
(複合短繊維/ポリエチレンテレフタレート短繊維)で
(90/10)に変える以外は、比較例2と同様にして
平板状のクッション構造体を得た。かかるクッション構
造体は、少し硬く、やや耐久性に劣るものであった。評
価結果を表1に示す。
内へのウエッブの挟み込み量を変える以外は、比較例2
と同様にして平板状のクッション構造体を得た。かかる
クッション構造体、クッション性が改善されたものであ
ったが、耐久性の点で非常に劣るものであった。評価結
果を表1に示す。
耐久性を有するだけでなく、十分な反発性をも有するク
ッション構造体を得ることができる。かかるクッション
構造体は、寝具、ベビーべッドや病院用ベッドのクッシ
ョン、ブラジャーの中材や芯材、乗り物用クッション、
衛材等に好適である。
Claims (6)
- 【請求項1】 熱可塑性エラストマーと繊維形成性ポリ
エステルポリマーからなり前者が少なくとも繊維表面に
露出した複合短繊維で構成された、密度が0.005〜
0.15g/cm3、厚さが5mm以上のクッション構
造体であって、該クッション構造体に、前記複合短繊維
同士が交叉した状態で互いに熱接着により形成された熱
固着点が散在し、かつ下記(1)〜(3)の要件を同時
に満足することを特徴とするクッション構造体。 (1)クッション構造体の反発弾性が50%以上。 (2)クッション構造体の25%圧縮硬さが300N以
下。 (3)クッション構造体の圧縮耐久性歪が13%以下。 - 【請求項2】 複合短繊維が偏心芯鞘構造を有し、かつ
鞘部が熱可塑性エラストマーからなり、他方の芯部が繊
維形成性ポリエステルポリマーからなる請求項1に記載
のクッション構造体。 - 【請求項3】 熱可塑性エラストマーがポリエステル系
エラストマーである請求項1又は請求項2に記載のクッ
ション構造体。 - 【請求項4】 繊維形成性ポリエステルポリマーがポリ
ブチレンテレフタレートである請求項1〜3のいずれか
に記載のクッション構造体。 - 【請求項5】 隣り合う熱固着点間に存在する複合短繊
維がコイル状弾性捲縮及び/又は弾性ループを発現した
形で存在する請求項1〜4のいずれかに記載のクッショ
ン構造体。 - 【請求項6】 繊維形成性ポリエステルポリマーと該繊
維形成性ポリエステルポリマーの融点より40℃以上低
い融点を有する熱可塑性エラストマーとからなり、後者
が少なくとも繊維表面に露出した複合繊維を用いて複合
短繊維となした後、前記熱可塑性エラストマーの融点よ
り5〜50℃低い温度で5〜30分熱処理した後、該複
合短繊維でウエッブを形成し、複合短繊維間に繊維交叉
点を形成せしめた後、前記繊維形成性ポリエステルポリ
マーの融点よりも低く、かつ前記熱可塑性エラストマー
の融点よりも10〜80℃高い温度で熱処理して、繊維
交叉点のうちの少なくとも一部の繊維交差点を熱融着さ
せることを特徴とするクッション構造体の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002147427A JP3935776B2 (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | クッション構造体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3935776B2 JP3935776B2 (ja) | 2007-06-27 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006304969A (ja) * | 2005-04-27 | 2006-11-09 | Asahi Kasei Fibers Corp | クッション材 |
WO2009028564A1 (ja) | 2007-08-31 | 2009-03-05 | Kuraray Kuraflex Co., Ltd. | 緩衝材用基材及びその用途 |
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