JP2003342722A - スパッタリング装置、及びスパッタリング方法 - Google Patents

スパッタリング装置、及びスパッタリング方法

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JP2003342722A JP2002144017A JP2002144017A JP2003342722A JP 2003342722 A JP2003342722 A JP 2003342722A JP 2002144017 A JP2002144017 A JP 2002144017A JP 2002144017 A JP2002144017 A JP 2002144017A JP 2003342722 A JP2003342722 A JP 2003342722A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光触媒活性の高い酸化チタン薄膜を成膜する。 【解決手段】本発明のスパッタリング装置では、スパッ
タガスは円筒状のターゲット5の内部、又はターゲット
間の隙間を流れるようになっており、反応ガスはターゲ
ットよりも成膜対象物11に近い位置から、スパッタガ
スとは別々に放出されるようになっているので、反応ガ
スがターゲット5に向かって拡散したとしても、ターゲ
ット5の内部を流れるスパッタガスに押し戻されるの
で、反応ガスがターゲット5の内壁表面と反応せず、放
電安定性が高い。本発明によれば、スパッタ粒子25は
アルゴンガスの流れに乗って成膜対象物11に運ばれ、
運動エネルギーの低いスパッタ粒子25を成膜対象物1
1に到達させることができるので、スパッタ粒子25に
よって成膜対象物がダメージを受けないだけではなく、
多孔質構造の薄膜が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリングに
よる薄膜形成の技術分野にかかり、特に、光触媒機能を
有する薄膜を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、防汚、抗菌、浄化、セルフク
リーニング効果と超親水性が得られる薄膜材料として、
酸化チタンが注目されている。酸化チタンは光触媒の一
種であり紫外線が照射されると活性化し、空気中の水分
(水蒸気)や酸素からヒドロキシラジカルやスーパーオ
キサイドアニオンが生成され、それによって表面に付着
した有機汚染物質が分解されるため防汚、抗菌、浄化、
セルフクリーニング効果がある。
【0003】また、紫外線の照射により、表面が超親水
性になるため、防滴や防曇の効果があり、さらに、超親
水性は表面の汚れを落ちやすくする性質もあることが知
られている。天然の酸化チタンには、三種類の結晶があ
る。これらは、ルチル構造、アナターゼ構造、ブルッカ
イト構造と呼ばれ、同じTiO2の化学式で示されるが
結晶構造が異なる。工業用として利用されているもの
は、主にルチル構造とアナターゼ構造であり、白色顔料
・塗料としての用途にはルチル構造が、光触媒としては
アナターゼ構造が使われている。
【0004】用途によって適切な結晶構造が存在するの
は、これらの結晶構造の原子配置の違いにより、利用で
きる特性が異なるためであり、光触媒としての能力はア
ナターゼ構造の酸化チタンのほうがルチル構造よりも高
い光触媒活性を示す為である。光触媒としての酸化チタ
ンは様々な基板に膜状に固定して使用されるが、一般的
には以下の方法がある。
【0005】1つ目は、接着性能を有するバ゛インダー
に酸化チタン微粒子を分散させ、基板上にコーティング
し接着させることにより膜状にさせる方法がある。バイ
ンダーとしては光触媒から発生する活性酸素(ヒドロキ
シラジカルやスーパーオキサイドアニオン)により劣化
しないシリカなどのシロキサン系の材料が多く使われて
いる。
【0006】2つ目は、バインダーを使用せず、基板表
面に光触媒材料を直接膜状に形成する方法である。非晶
質(アモルファス)な酸化チタンを基板上に形成し、こ
れを焼成して結晶性のアナターゼ型の酸化チタンを得る
ことが知られている。方法としては、有機チタン化合物
を用いたゾルゲル法や、無機チタンを用いたスプレーコ
ーティング、ディップコーティング、または、スパッタ
リング等の蒸着法により非晶質な酸化チタンを形成し、
その後400〜500℃以上の温度で熱処理することに
より、アナターゼ構造の酸化チタンに変換させることが
できる。また、スパッタリング等の真空蒸着では、成膜
時に基板過熱を行いアナターゼ構造の酸化チタンを得る
方法もある。
【0007】尚、非晶質な酸化チタンを600〜700
℃以上の温度で熱処理を行うとルチル構造の酸化チタン
に変換させることができる。しかし、従来の酸化チタン
の成膜方法は下記に示す問題点がある。光触媒反応は、
酸化チタン表面で起きる反応であり、空気や水の浄化な
どでは、有害物質が酸化チタン表面に吸着される必要が
あるため、表面積が広いほど、浄化効率が高い。しか
し、酸化チタンが接着性バインダーなどに分散されて形
成された薄膜では、光触媒が埋もれ、表面にバインダー
材料が占める部分ができ、浄化効率はその分低くなる。
【0008】バインダーを使用せず、基板表面に光触媒
材料を直接膜状に形成する方法では、ゾルゲル法、スプ
レーコーティング、ディップコーティング、または、ス
パッタリング法などの真空蒸着により作製した非晶質酸
化チタンを400〜500℃以上の高い温度で熱処理す
ることが必要なため、耐熱性に優れた基板でしか作製で
きない。また、全ての方法で熱処理という工程が必要で
あり、更にゾルゲル法、スプレーコーティング、ディッ
プコーティングなどでは乾燥工程も必要なため手間がか
かり、同時に安価に作製することはできない。
【0009】一般的なスパッタリング法では、板状のタ
ーゲットと、基板とを10-1Pa〜1Pa程度の圧力の
真空雰囲気中に配置し、ターゲットと基板とをで対向さ
せた状態でスパッタリングを行い、ターゲットから放出
されたスパッタ粒子が、ターゲットと対向する基板に到
達することで薄膜が形成されるため、乾燥工程が必要な
い。
【0010】しかし、酸化チタンからなるターゲットを
用いてスパッタリングを行う場合、酸化物表面がスパッ
タリングされることになるため、ターゲット表面の金属
結合が強く、放電安定性が極めて悪い。RFスパッタリ
ング装置を用いれば、放電安定性は改善されるが、その
ような装置は高価である。
【0011】金属チタンからなるターゲットを用い、真
空雰囲気中に酸素を供給しながらスパッタリングを行え
ば(リアクティブスパッタリング法)、スパッタリング
初期の状態では放電安定性が高いが、酸素ガスによりタ
ーゲット表面の酸化が除々に進行し、放電が不安定にな
る。従って、リアクティブスパッタリング法では、成膜
処理の経過時間と共にスパッタ条件を変化させて放電を
安定させる必要があり、そのような調整は困難である。
また、上述したように酸化チタン薄膜は、表面積が大き
い程浄化効率が高く、膜表面が凸凹形状が望ましいが、
いずれの場合もスパッタリング法で形成された薄膜は表
面が平滑になりやすく、膜全体の光触媒活性が低い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不都合を解決するために創作されたものであり、その
目的は、光触媒活性の高い光触媒層を形成することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、金属材料からなる円筒状の
ターゲットの開口と、成膜対象物とを対向配置し、前記
ターゲットの内部にスパッタガスを流しながら、前記タ
ーゲットの内壁をスパッタリングし、前記開口から、ス
パッタリングされた前記金属材料の粒子と、前記スパッ
タガスとを放出させ、成膜対象物に到達させるスパッタ
リング方法であって、前記金属材料と反応する反応ガス
を、前記開口よりも前記成膜対象物に近い位置に放出
し、前記金属材料と前記反応ガスとの反応物からなる薄
膜を形成するスパッタリング方法である。請求項2記載
の発明は、金属材料からなる板状の2枚のターゲットを
互いに平行に配置し、前記2枚のターゲットの間の隙間
の一端をガス導入口として、前記ガス導入口から前記隙
間にスパッタガスを供給し、前記2枚のターゲットをス
パッタリングし、前記隙間の他端を放出口とし、前記放
出口から、スパッタリングされた前記金属材料の粒子
と、前記スパッタガスとを放出させ、成膜対象物に到達
させる時に、前記放出口よりも前記成膜対象物に近い位
置に反応ガスを供給し、前記金属材料と前記反応ガスと
の反応物からなる薄膜を形成するスパッタリング方法で
ある。請求項3記載の発明は、請求項2記載のスパッタ
リング方法であって、前記成膜対象物として長尺状のフ
ィルムを用い、前記フィルムと前記放出口とを前記フィ
ルムの長手方向に相対的に移動させるスパッタリング方
法である。請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項
3のいずれか1項記載のスパッタリング方法であって、
前記反応ガスの流量を前記スパッタガスの流量の1/6
000倍以上1/30倍以下に制御して、前記反応ガス
を放出するスパッタリング方法である。請求項5記載の
発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のス
パッタリング方法であって、前記金属材料として金属チ
タンを用いると共に、前記反応ガスとして酸素ガスを用
い、酸化チタンを主成分とする前記薄膜を形成するスパ
ッタリング方法である。請求項6記載の発明はスパッタ
リング装置であって、真空槽と、前記真空槽内に配置さ
れた円筒状のターゲットと、前記ターゲットの一端の開
口に対向して設けられた基板ホルダと、前記開口よりも
前記基板ホルダに近い位置に、反応性ガスを放出する反
応性ガス放出口が設けられ、前記ターゲットの他の開口
に接続され、前記ターゲット内にスパッタリングガスを
供給するスパッタリングガス供給管とを有するスパッタ
リング装置である。請求項7記載の発明は、真空槽と、
前記真空槽内に所定間隔で配置された板状の2枚のター
ゲットと、前記2枚のターゲットが形成する隙間の一端
をガス導入口とし、前記導入口から前記隙間内にスパッ
タリングガスを供給するスパッタリングガス供給管とを
有し、前記隙間を通り、前記隙間の他端である放出口か
ら放出された前記スパッタリングガスと共に、前記2枚
のターゲットから前記隙間内に放出されたスパッタリン
グ粒子を成膜対象物に吹き付け、薄膜を形成するスパッ
タリング装置であって、前記放出口よりも前記成膜対象
物に近い位置に、反応ガスを放出する反応ガス放出口が
設けられたスパッタリング装置である。請求項8記載の
発明は、請求項7記載のスパッタリング装置であって、
前記成膜対象物は細長のフィルムであり、前記ターゲッ
トに対し前記フィルムがその長手方向に相対的に移動し
ながら薄膜が形成されるように構成されたスパッタリン
グ装置である。
【0014】本発明は上記のように構成されており、反
応ガスはスパッタガスとは別にターゲットの開口、又は
放出口よりも成膜対象物に近い位置から放出されるよう
になっている。ターゲットの内部やターゲット間の隙間
にはスパッタガスを流しており、ターゲットに向かって
拡散する反応ガスはスパッタガスに押し戻され、ターゲ
ットの内部やターゲット間の隙間に侵入しないので、タ
ーゲットの表面に反応ガスとの反応物(例えば酸化物)
が形成されることがなく、成膜中の放電安定性は高い。
【0015】従来のスパッタリング法では、1.333
×10-1Pa〜1.33Pa、又はそれ以下の高真空状
態で成膜を行うため、ターゲットから放出されるスパッ
タ粒子の平均自由工程が数10cm以上と大きく、その
運動エネルギー(10eV程度)をあまり失わないまま
基板に入射される。基板に入射されるスパッタ粒子の運
動エネルギーが大きすぎると、基板がダメージを受ける
だけではなく、非晶質な膜が形成される。
【0016】これに対し、本発明では1.333Pa×
102程度の低真空状態の成膜を行うため、ターゲット
から放出されたスパッタ粒子はわずかな距離でスパッタ
ガス原子と衝突するので(平均自由工程0.05mm程
度)、その運動エネルギーが数eV以下と小さくなる。
【0017】運動エネルギーが小さいスパッタ粒子は移
動性が低く、そのままでは成膜対象物に到達しないが、
本発明ではターゲットの内部又はターゲット間の隙間に
スパッタガスを流すので、運動エネルギーの小さいスパ
ッタ粒子はスパッタガスの流れに乗って成膜対象物に到
達する。
【0018】このように、本発明によれば運動エネルギ
ーが小さいスパッタ粒子を堆積させることができる。従
って、金属チタンからなるターゲットと、反応ガスであ
る酸素とを用い、本発明方法により成膜を行えば、成膜
対象物や成膜された酸化チタン薄膜を加熱しなくても、
アナターゼ構造の酸化チタンを含む結晶性の良い薄膜を
形成することができる。更に、本発明によれば、薄膜が
成長する際に、堆積するスパッタ粒子により該薄膜が受
けるダメージが極めて少ないため、境界のはっきりした
多孔質な薄組織が成長する。このような膜は表面構造が
複雑で、水や空気等との接触面積が大きいので、膜全体
の光触媒活性が極めて高い。
【0019】本発明では、成膜対象物であるフィルムと
反応ガスとを、フィルムの長手方向に相対的に移動させ
るので、フィルム上にはその長手方向に薄膜が連続して
形成される。この場合、フィルムを固定し、2枚のター
ゲットをフィルムの長手方向に移動させても良いし、タ
ーゲットを固定した状態でフィルムを長手方向に走行さ
せても良い。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明のスパッタリング方
法について詳細に説明する。図1の符号1は本発明のス
パッタリング装置の第一例を示している。スパッタリン
グ装置1は、真空槽2と、スパッタ源3とを有してい
る。
【0021】スパッタ源3は金属材料(ここでは金属チ
タン)からなる円筒形状のターゲット5を有している。
ターゲット5は、該ターゲット5の2個の開口26、2
7のうち、一方の開口26が真空槽2の内部に向けられ
た状態で真空槽2の天井に取り付けられ、他方の開口2
7は配管13を介してスパッタガス供給源7に接続され
ている。
【0022】スパッタガス供給源7にはスパッタガス
(ここではアルゴンガス、Ar)が充填されており、マ
スフローコントローラ14を制御すると、流量が制御さ
れた状態のスパッタガスをターゲット5内に供給するよ
うに構成されている。真空槽2内の底壁上には、後述す
る成膜対象物を載置する基板ホルダ20がターゲット5
の真空槽2内部側の開口26と対向するように設置され
ている。
【0023】真空槽2の壁面からは、反応ガス供給源9
の配管15が突き出されており、その先端部分には反応
ガス放出口22が取りつけられている。反応ガス放出口
22はターゲット5の真空槽2内部に向けられた開口2
6よりも基板ホルダ20に近い位置に配置されており、
配管15の反応ガス放出口22とは逆側の端部は真空槽
2外へ導出されて、反応ガス供給源9に接続されてい
る。
【0024】反応ガス供給源9には反応ガス(ここでは
酸素ガス、O2)が充填されており、マスフローコント
ローラ16を制御すると、反応ガスを流量を制御した状
態で反応ガス放出口22から放出するように構成されて
いる。ターゲット5の外周には不図示のカソード電極が
設置されている。該カソード電極とターゲット5は真空
槽2や配管13、15から絶縁されており、直流電源6
を起動すると、ターゲット5と真空槽2との間に電圧が
印加されるように構成されている。
【0025】真空槽2には真空排気系19が接続されて
おり、真空排気系19によって真空槽2内が真空廃棄さ
れるようになっている。このスパッタリング装置1を用
いて薄膜を形成するには、真空排気系19によって真空
槽2内に所定圧力の真空雰囲気を形成した後、該真空雰
囲気を維持したまま成膜対象物である基板11(ここで
はガラス基板)を真空槽2内に搬入し、該基板11を基
板ホルダ20上に載置する。
【0026】真空排気を続け、流量が制御されたスパッ
タガスをターゲット5内に供給すると共に、流量が制御
された反応ガスを基板ホルダ20に近い位置に供給し、
真空槽2内の圧力を所定圧力(ここでは1.333Pa
×102)に維持した状態で、直流電源6を起動する
と、ターゲット5内にスパッタガスのプラズマが発生し
て、ターゲット5の内壁がスパッタリングされ、チタン
からなる金属材料の粒子245が放出される。
【0027】スパッタガスは、配管13が接続された開
口27から、真空槽2に向けられた開口26に向かって
流れるので、金属材料の粒子25はスパッタガスの流れ
に乗り、真空槽2内部に向けられた開口26から放出さ
れる。該開口26と基板11との間にはシャッター29
が配置されており、ターゲット5内のプラズマが安定し
た状態になったところで、シャッター29を開けると、
金属材料の粒子25がスパッタガスと共に基板11表面
に到達するようになる。
【0028】上述したように、基板ホルダ20に近い位
置には反応ガス放出口22から反応ガスが供給されてお
り、金属材料の粒子25は基板11表面と反応ガスが供
給される位置との間で反応ガスと反応し、反応ガスと金
属材料との反応物である酸化チタンの薄膜が基板11表
面に形成される。
【0029】このとき、反応ガスがターゲット5に向か
って拡散したとしても、反応ガスはターゲット5内を流
れるスパッタガスに押し戻され、ターゲット5内に浸入
することがないので、ターゲット5の内壁表面に酸化物
のような絶縁物が形成されることがなく、安定した放電
が維持される。
【0030】基板11表面に所定膜厚の酸化チタン薄膜
が形成されたところで、シャッター29を閉じ、基板1
1を開口26から放出される金属材料の粒子25から遮
断した後、基板11を真空槽2外部へ取り出す。図2の
符号10は基板11表面に所定膜厚の酸化チタン薄膜
(光触媒層)12が形成された状態の光触媒装置を示し
ている。酸化チタン薄膜12は光触媒活性を有するた
め、この光触媒装置10はセルフクリーニング効果と超
親水性を有する。
【0031】
【実施例】上述したスパッタリング装置1のターゲット
5内に、6N(99.9999%)のアルゴンガスを流
量300sccmに制御しながら供給すると共に、基板
11に近い位置に酸素ガス(99.9%)を流量2.0
sccmに制御しながら供給し、真空排気によって真空
槽2内に1.33322×102Paの低真空雰囲気を
形成した。
【0032】その状態でターゲット5に250Wの電力
を供給し、ガラス基板11の表面に膜厚2μmの酸化チ
タン薄膜12を形成して実施例1の光触媒装置を得た。
ここではターゲット5として、内径7mm、長さ5cm
の円筒形状の金属チタンターゲット(チタン純度99.
99%)を用いた。尚、1sccmはガス圧力が1at
m(約1.013×105Pa)の場合に1分間当たり
に流れるガスの体積(cm3)を表す値であり、1sc
cmは1.66667×10-2atm・cm3・s-1であ
る。
【0033】<実施例2〜9>酸素ガスの流量を下記表
1の「成膜条件」の欄に記載するようにそれぞれ変化さ
せた以外は実施例1と同じ条件で実施例2〜9の光触媒
装置を製造した。
【0034】
【表1】
【0035】<比較例1>実施例1で用いたスパッタリ
ング装置1に変え、高周波マグネトロンスパッタ装置
(周波数:13.56MHz)を用い、該装置の真空槽
内に圧力0.83Paの中真空雰囲気を維持した状態
で、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス(Ar90
%、O210%)を真空槽内に供給しながら、ターゲッ
トに150Wの電力を供給し、ガラス基板表面に膜厚2
μmの酸化チタン薄膜を形成した。
【0036】尚、比較例1ではターゲットとして直径1
0cmの円板状の金属チタンターゲット(チタン純度9
9.99%)を用い、該ターゲットを基板とガラス基板
と対面させた状態でスパッタリングを行った。上記実施
例1〜9、比較例1の光触媒装置10について、下記に
示す方法で光触媒効果の測定を行った。
【0037】〔光触媒効果〕光触媒効果を確認するため
に、空気中の浄化作用の評価を行った。これは、一般生
活上で悪臭の主成分とされているアセトアルデヒドやイ
ソプロパールなどの有機化合物ガスを密閉容器内に一定
量入れ、物質の吸着・分解作用のある試料(光触媒装
置)を入れる。その分解対象ガスである有機化合物ガス
と、分解対象ガスが分解して生成される生成ガスの濃度
をガスクロマトグラフ等で測定して、その濃度変化から
評価する方法である。
【0038】ここでは、光触媒装置10を活性化させる
紫外線の光源としてブラックライト(主波長:約360
nm、電力:10W)を用い、分解対象ガスとしてアセ
トアルデヒドガス(CH3CHO)を用いた。アセトア
ルデヒド濃度の初期値は50ppmに設定し、実施例1
〜9、比較例1の光触媒装置10について測定を行っ
た。その測定結果を上記表1に記載すると共に、アセト
アルデヒド濃度と紫外線照射時間との関係を図3のグラ
フに示した。図3の横軸は紫外線照射時間(分)を、縦
軸は検出されるアセトアルデヒド濃度(ppm)を、符
号E1〜E9は実施例1〜9の測定結果を、符号C1は比
較例1の測定結果をそれぞれ示している。
【0039】上記表1と図3から明かなように、反応ガ
スである酸素ガスの流量が0.05sccm以上10s
ccm以下(スパッタガスの流量の1/6000倍以上
1/30倍以下)であった実施例1〜7では、紫外線照
射によってアセトアルデヒド濃度の減少が見られ、光触
媒効果が確認された。
【0040】これらの中でも反応ガスの流量がスパッタ
ガスの流量の1/1000倍以上1/150倍以下であ
った実施例1〜3では、紫外線照射開始から40分後に
はアセトアルデヒド濃度が4ppm以下に減少してお
り、特に光触媒効果が高いことが確認された。特に、酸
素ガスの流量が2.0sccm(アルゴンガスの流量の
1/150倍)であった実施例1では、40分後のアセ
トアルデヒド濃度が2.5ppmにまで減少しており、
顕著な光触媒効果が確認された。
【0041】アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスを供
給しながら、0.83Paの低い圧力下でスパッタリン
グを行った比較例1では、紫外線照射後もアセトアルデ
ヒド濃度が変化せず、光触媒効果がないことが分かる。
また、比較例1の光触媒装置では、酸化チタン薄膜を成
膜する際に、その放電を安定させるためにスパッタ条件
を経時的に変化させる必要があった。
【0042】次に、実施例1〜3、比較例1の光触媒装
置10について、X線回析による酸化チタン薄膜12の
結晶構造の解析を行い、得られた回析パターンにより結
晶構造の同定を行った。図4はその回析パターンを示す
グラフであり、図4の横軸は回析角(2θ)を、縦軸は
強度をそれぞれ示している。尚、図4中のA(hkl)
はアナターゼ構造の回析ピークを、R(hkl)はルチ
ル構造の回析ピークを、B(hkl)はブルッカイト構
造の回析ピークを示している。
【0043】図4から明かなように、実施例2ではアナ
ターゼの独立したピークは見られないが、ルチル、ブル
ッカイトの独立したピークが見られ、少なくとも2つの
結晶相が成長していることが分かる。実施例3ではアナ
ターゼ、ルチル、ブルッカイトの独立したピークが見ら
れ、3つの結晶相が成長していることが分かる。
【0044】また、実施例1では、ピークは得られてい
ないが、アセトアルデヒド濃度減少による光触媒効果が
確認されているため、X線回折ではピークが得られない
程度の微小ではあるが、光触媒効果を得るには有効なだ
けの結晶粒が成長していると思われる。
【0045】これに対し比較例1では、アナターゼ構造
のピークが見られるが、上記「光触媒効果」試験で光触
媒活性が殆ど見られなかったことから、薄膜固有の表面
構造が寄与し、光触媒効果を得難くしている可能性が考
えられる。更に、実施例1〜3、比較例1の光触媒装置
10について、酸化チタン薄膜12表面の電子顕微鏡写
真を撮影した。実施例1〜3の電子顕微鏡写真を図5〜
7に示し、比較例1の電子顕微鏡写真を図8に示す。
【0046】実施例1では、表面に起伏のついた直径5
0nm〜400nmの隆起組織が、実施例2では、表面
に起伏のついた直径80nm〜600nmの隆起組織
が、実施例3では、表面に起伏のついた直径80nm〜
1.5μmの隆起組織が確認できる。実施例1〜3では
各隆起組織が境界をもって密集している。他方、比較例
1は、実施例1〜3に比べて酸化チタン薄膜の表面構造
が単純で、その表面が平滑なことがわかる。
【0047】このように、本願発明によれば、多孔質な
表面構造の酸化チタン薄膜が形成できるため、空気や水
などの浄化対象物と、酸化チタン薄膜との接触面積が大
きく、浄化対象物を浄化する光触媒効果が高いことがわ
かる。また、実施例1〜3を比較すると、酸素ガスの流
量が大きい程隆起組織が細かく、酸化チタン薄膜12の
表面積が大きいことがわかる。
【0048】以上は、ターゲットが円筒状の場合につい
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
い。図9の符号50は本願発明のスパッタリング装置の
第二例を示している。このスパッタリング装置50は真
空槽52と、真空槽52内に配置されたスパッタ源53
とを有している。上述した第一例のスパッタ源3は円筒
状のターゲット5を有していたのに対し、このスパッタ
源53は金属チタンで構成された2枚の板状のターゲッ
ト55a、55bを有しており、ターゲット55a、5
5bは互いに所定間隔を空けて対向して平行に配置され
ている。
【0049】2枚のターゲット55a、55bは鉛直に
されており、2枚のターゲット55a、55bが構成す
る隙間59の上端を導入口57とし、その導入口57に
配管63の一端が取り付けられている。その配管63の
他端は、真空槽52外に配置されたスパッタガス供給源
62に接続されており、スパッタガス供給源62に充填
されたスパッタガス(ここではアルゴンガス)をマスフ
ローコントローラ64によって流量を制御した状態で、
導入口57からターゲット55a、55b間の隙間59
に導入するように構成されている。
【0050】図10は図9のスパッタリング装置50の
中程の位置からフィルム71の表面を見た図である。図
10の符号78a、78bはターゲット55a、55b
の側面に配置された絶縁体であり、その絶縁体78a、
78bによってターゲット55a、55b間の隙間の側
面部分は閉塞されている。従って、ターゲット55a、
55b間の隙間59の導入口57に供給されたアルゴン
ガスは、隙間の側面から流出せずに、隙間を鉛直下方に
向かって流れるようになっており、2枚のターゲット5
5a、55bが構成する隙間59の下端を放出口58と
し、その放出口58からスパッタガスが放出されるよう
になっている。
【0051】真空槽52内には、巻き出しロール75と
巻き取りロール76と配置されている。巻き出しロール
75には成膜対象物である長尺状のフィルム71が巻き
取られており、巻き取りロール76を動かすと、フィル
ム71は巻き出しロール75から繰り出されて走行し、
放出口58から放出されるスパッタガスが走行中のフィ
ルム71に吹き付けられるようになっている。
【0052】樹脂フィルム71と、放出口58との間に
は、配管68の先端に取りつけられた反応ガス放出口5
1が配置されており、その配管68の他端は真空槽52
外に配置された反応ガス供給源67に接続されている。
反応ガス供給源67に充填された反応ガス(ここでは酸
素ガス)をマスフローコントローラ69によって流量を
制御した状態で、反応ガス放出口51から樹脂フィルム
71に向かって放出するように構成されている。
【0053】各ターゲット55a、55bの互いに対向
する面を裏側とすると、その裏側にはそれぞれカソード
電極79a、79bが取り付けられており、各カソード
電極79a、79bは真空槽52外に配置された直流電
源56に接続されている。真空槽52に接続された真空
排気系61を起動し、真空槽52内に所定圧力の真空雰
囲気を形成する。真空排気を続けながら、流量が制御さ
れたスパッタガスを導入口57からターゲット55a、
55b間の隙間59に供給すると共に、流量が制御され
た反応ガスを樹脂フィルム71に向けて放出し、真空槽
2内の圧力を所定圧力(1.333Pa×102程度)
に維持する。
【0054】その状態で直流電源56を起動すると、タ
ーゲット55a、55b間の隙間59にスパッタガスの
プラズマが発生し、2枚のターゲット55a、55bの
互いに対向する面が両方ともスパッタリングされ、金属
チタンからなる金属材料の粒子65が放出される。金属
材料の粒子65はスパッタガスと共にターゲット55
a、55bの下端部に向かって流れ、放出口58から樹
脂フィルム71に向かって放出される。
【0055】反応ガス放出口51から放出される反応ガ
スは、スパッタガスの流れによってターゲット55a、
55b間の隙間59に侵入することがなく、放出口58
よりもフィルム71に近い位置で放出口58から放出さ
れる金属材料の粒子65と反応し、フィルム71の表面
に金属材料と反応ガスとの反応物である酸化チタンの薄
膜が形成される。このとき、フィルム71を巻き取りロ
ール76に巻き取り、一定速度で走行させておけば、フ
ィルム71がターゲット55a、55bの下方を通過す
るときに、フィルム71表面に連続して酸化チタンの薄
膜が形成され、結果としてフィルム71の長手方向に酸
化チタンの薄膜が形成される。
【0056】図9の符号70は、フィルム71表面に酸
化チタン薄膜が形成された光触媒装置を示しており、こ
の光触媒装置70は巻き取られ、巻き取りロール76が
形成される。以上は、スパッタガスとしてアルゴンガス
を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、スパッタガスとしては、キセノン
ガス等種々の不活性ガスを用いることができる。
【0057】また、以上は反応ガスとして酸素ガスを用
い、ターゲットの金属材料として金属チタンを用いて酸
化チタン薄膜を形成する場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではない。例えば、窒素ガス
(N2)等の種々の反応ガスと、銅や亜鉛等種々の金属
材料とを組み合わせ、多様な反応物の薄膜を形成するこ
とができる。
【0058】成膜対象物の材質もガラスに限定されるも
のではなく、金属や樹脂等種々のものを用いることがで
きる。本願発明によれば、成膜対象物を加熱しなくても
光触媒活性の高い光触媒装置が得られるので、成膜対象
物に用いる樹脂の種類も限定されることがない。
【0059】以上は、成膜対象物表面に直接酸化チタン
薄膜を形成する場合について説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、成膜対象物の表面にアンダ
ーコート層や他の種類の光触媒層を形成した後、それら
の表面に酸化チタン薄膜を形成することもできる。ま
た、本発明により形成された酸化チタン薄膜の表面にト
ップコート層を形成することもできる。
【0060】ターゲットの形状は円筒形状や板状に限定
されるものではなく、例えば、角筒のターゲットを用
い、該角筒の内部にスパッタガスを流すこともできる。
上記実施例1〜9ではスパッタガスの流量では300s
ccmであったが、本発明でスパッタガスの流量は特に
限定されるものではない。
【0061】スパッタガスの流量は、反応ガスの流量が
スパッタガス流量の1/6000倍以上1/30倍以下
の範囲になることを前提とし、真空槽内の圧力が1.3
33×102Pa程度のとき、ターゲットの開口、また
は放出口の単位面積当たりの流量として、0.8scc
m/mm2以上80sccm/mm2以下であればよい。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、成膜中の基板加熱や、
成膜後の熱処理を行わなくても、高い光触媒効果を有す
る酸化チタン薄膜を形成することができる。従来、結晶
性の良い膜でないと光触媒効果が得られなかったが、X
線回折でアナターゼのピークが明確に出ないような微結
晶状態の膜でも、高い光触媒効果を有する膜を作製でき
る。また、本発明によれば、酸化チタン薄膜の表面が多
孔質構造であるため、空気や水などの浄化に特に有効で
ある。本発明では、雰囲気ガス中に反応ガスとして酸素
を導入しているが、酸素をターゲットよりも基板に近い
位置で導入しており、スパッタガスの流れにより、ター
ゲットに向かう酸素の拡散が防止される。従って、ター
ゲットが酸化されることがなく、安定した放電が持続で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタリング装置の第一例を説明す
る図
【図2】本発明により得られた光触媒装置の一例を説明
する断面図
【図3】光触媒効果を説明するためのグラフ
【図4】本発明による酸化チタン薄膜のX線回析図
【図5】実施例1の酸化チタン薄膜の電子顕微鏡写真
【図6】実施例2の酸化チタン薄膜の電子顕微鏡写真
【図7】実施例3の酸化チタン薄膜の電子顕微鏡写真
【図8】比較例1の酸化チタン薄膜の電子顕微鏡写真
【図9】本発明のスパッタリング装置の第二例を説明す
る図
【図10】ターゲットと成膜対象物との位置関係を説明
する図
【符号の説明】
1、50……スパッタリング装置 2、52……真空槽 5、55……ターゲット 11、71……成膜対象物 20……基板ホルダ 25、62……スパッタ粒子(金属材料の粒子) 26……ターゲットの開口 57……導入口 58……放出口 59……隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉原 佐知雄 栃木県宇都宮市下川俣町83番地 ニューグ リーンハウスA202号室 Fターム(参考) 4G047 CA02 CB04 CC03 CD02 CD07 4G069 AA03 AA08 BA04B BA48A CD10 DA06 EA08 EC22Y ED02 ED04 FA01 FA03 FA04 FB01 4K029 AA25 BA48 BC00 CA06 DA06 DC03 DC13 DC32 EA04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属材料からなる円筒状のターゲットの開
    口と、成膜対象物とを対向配置し、前記ターゲットの内
    部にスパッタガスを流しながら、前記ターゲットの内壁
    をスパッタリングし、前記開口から、スパッタリングさ
    れた前記金属材料の粒子と、前記スパッタガスとを放出
    させ、成膜対象物に到達させるスパッタリング方法であ
    って、 前記金属材料と反応する反応ガスを、前記開口よりも前
    記成膜対象物に近い位置に放出し、前記金属材料と前記
    反応ガスとの反応物からなる薄膜を形成するスパッタリ
    ング方法。
  2. 【請求項2】金属材料からなる板状の2枚のターゲット
    を互いに平行に配置し、前記2枚のターゲットの間の隙
    間の一端をガス導入口として、前記ガス導入口から前記
    隙間にスパッタガスを供給し、前記2枚のターゲットを
    スパッタリングし、前記隙間の他端を放出口とし、前記
    放出口から、スパッタリングされた前記金属材料の粒子
    と、前記スパッタガスとを放出させ、成膜対象物に到達
    させる時に、 前記放出口よりも前記成膜対象物に近い位置に反応ガス
    を供給し、前記金属材料と前記反応ガスとの反応物から
    なる薄膜を形成するスパッタリング方法。
  3. 【請求項3】前記成膜対象物として長尺状のフィルムを
    用い、前記フィルムと前記放出口とを前記フィルムの長
    手方向に相対的に移動させる請求項2記載のスパッタリ
    ング方法。
  4. 【請求項4】前記反応ガスの流量を前記スパッタガスの
    流量の1/6000倍以上1/30倍以下に制御して、
    前記反応ガスを放出する請求項1乃至請求項3のいずれ
    か1項記載のスパッタリング方法。
  5. 【請求項5】前記金属材料として金属チタンを用いると
    共に、前記反応ガスとして酸素ガスを用い、酸化チタン
    を主成分とする前記薄膜を形成する請求項1乃至請求項
    4のいずれか1項記載のスパッタリング方法。
  6. 【請求項6】真空槽と、 前記真空槽内に配置された円筒状のターゲットと、 前記ターゲットの一端の開口に対向して設けられた基板
    ホルダと、 前記開口よりも前記基板ホルダに近い位置に、反応性ガ
    スを放出する反応性ガス放出口が設けられ、 前記ターゲットの他の開口に接続され、前記ターゲット
    内にスパッタリングガスを供給するスパッタリングガス
    供給管とを有するスパッタリング装置。
  7. 【請求項7】真空槽と、 前記真空槽内に所定間隔で配置された板状の2枚のター
    ゲットと、 前記2枚のターゲットが形成する隙間の一端をガス導入
    口とし、前記導入口から前記隙間内にスパッタリングガ
    スを供給するスパッタリングガス供給管とを有し、 前記隙間を通り、前記隙間の他端である放出口から放出
    された前記スパッタリングガスと共に、前記2枚のター
    ゲットから前記隙間内に放出されたスパッタリング粒子
    を成膜対象物に吹き付け、薄膜を形成するスパッタリン
    グ装置であって、 前記放出口よりも前記成膜対象物に近い位置に、反応ガ
    スを放出する反応ガス放出口が設けられたスパッタリン
    グ装置。
  8. 【請求項8】前記成膜対象物は細長のフィルムであり、
    前記ターゲットに対し前記フィルムがその長手方向に相
    対的に移動しながら薄膜が形成されるように構成された
    請求項7記載のスパッタリング装置。
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