JP2003342255A - ヒドロペルオキシヒドロキシオクタデカン酸エステル組成物、及び該組成物からの9−オキソノナン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

ヒドロペルオキシヒドロキシオクタデカン酸エステル組成物、及び該組成物からの9−オキソノナン酸誘導体の製造方法

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JP2003342255A JP2002150394A JP2002150394A JP2003342255A JP 2003342255 A JP2003342255 A JP 2003342255A JP 2002150394 A JP2002150394 A JP 2002150394A JP 2002150394 A JP2002150394 A JP 2002150394A JP 2003342255 A JP2003342255 A JP 2003342255A
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Shinichiro Ichikawa
真一郎 市川
Sunao Nagai
永井  直
Takuji Nagata
卓司 永田
Hiroko Kato
紘子 加藤
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 香料原料として有用な9-オキソノナン酸誘導
体の製造に適した中間体、及びその製造方法を提供する
こと。また、環境に対する負荷が少なく、安価で安全な
酸化剤を用いた工業的に有利な、9-オキソノナン酸誘導
体の製造方法を提供すること。 【解決手段】触媒存在下、酸化剤として過酸化水素水を
用いて、オレイン酸誘導体を酸化することにより9-ヒド
ロペルオキシ-10-ヒドロキシオクタデカン酸エステル及
び10-ヒドロペルオキシ-9-ヒドロキシオクタデカン酸エ
ステルからなる組成物を製造する。さらに該組成物を熱
分解することにより9-オキソノナン酸誘導体を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規化合物である
9-ヒドロペルオキシ-10-ヒドロキシオクタデカン酸エス
テルとその位置異性体である10-ヒドロペルオキシ-9-ヒ
ドロキシオクタデカン酸エステルからなる組成物、及び
それらの製造方法に関する。また、本発明は香料の中間
体として有用な9-オキソノナン酸誘導体の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルデヒド化合物の1つである9-オキソ
ノナン酸誘導体は、香料等の原料として有用である。9-
オキソノナン酸誘導体の製造法としては、酸化オスミウ
ム触媒存在下、酸化剤として過ヨウ素酸ナトリウムを用
いて、オレイン酸誘導体を酸化する方法が知られている
(Communications 1989,47、J.Biol.Chem. 257 14586,1
982)。また、9,10-ジヒドロキシオクタデカン酸を原料
として過ヨウ素酸(J.Am.Chem.Soc.70 742,1948)、四酢
酸鉛あるいは酸化鉛(IV)鉛(II) (J.Am.Chem.Soc. 62 23
07,1940)で酸化する方法が公知である。また、9-ヒドロ
キシノナン酸を酸化クロムにより酸化する方法が知られ
ている(Chem.Ber.60 906,1927)。
【0003】しかし、これらの方法では、酸化オスミウ
ムの場合は、昇華性があり毒性が強く高価であること、
また、過ヨウ素酸、四酢酸鉛、酸化鉛(IV)鉛(II)、酸化
クロムの場合は、量論量以上が必要であり酸化剤のコス
トが高くなること、及び多量の廃棄物が生成するなどの
問題があり、工業的な製造法としては好ましくない。
【0004】他の方法として、オレイン酸をオゾン酸化
して得られるオレイン酸オゾニドを、パラジウム/炭酸
カルシウム触媒存在下、水素により還元する方法が公知
である(Chem.Ber.65 1471,1932)。しかし、この方法
は、酸化剤となるオゾンのコストが高いこと、及び中間
体であるオゾニドが極めて爆発性の高い化合物であり取
り扱いが難しいという問題があり、工業的な製造に適し
ているとは言えない。
【0005】一方、1-ヒドロペルオキシ-2-ヒドロキシ
化合物は、熱分解によりアルデヒドに変換することが可
能であり、その合成法として、オレフィンを酸化して得
られたエポキシ化合物に、触媒存在下、無水過酸化水素
を反応させる方法が知られている。しかし、この方法は
エポキシ化合物を経由するため2段反応になること、及
び爆発の危険がある無水の過酸化水素を用いるという問
題点がある(特公昭58-121234)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、9-オキソノ
ナン酸誘導体の製造に有用な中間体、及び安価で安全な
酸化剤を用いる該中間体の製造方法を提供することを目
的とする。また、本発明は、上記中間体を原料として用
いることにより、環境への負荷が少なく工業的に有利な
9-オキソノナン酸誘導体の製造方法を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、工業的に
有利な9-オキソノナン酸誘導体製造法を鋭意検討した。
その結果、一般式(2)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、Rは水素原子またはアルキル基を
示す)で表わされるオレイン酸誘導体を、触媒存在下、
安価かつ安全で反応後は水になるクリーンな酸化剤であ
る過酸化水素水を用いて酸化することにより、一般式
(1)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、XおよびYは、互いに異なってい
て、OHおよびOOHから選ばれる基を表し、Rは水素
原子またはアルキル基を表す。)で表わされる9-ヒドロ
ペルオキシ-10-ヒドロキシオクタデカン酸エステル及び
その位置異性体である10-ヒドロペルオキシ-9-ヒドロキ
シオクタデカン酸エステルからなる組成物が得られるこ
とを見出した。この組成物は、加熱することにより容易
に一般式(3)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、Rは水素原子またはアルキル基を
示す)で表される9-オキソノナン酸誘導体に変換するこ
とができる。すなわち、本発明は、前記一般式(1)で
表される化合物からなる組成物、及びその製造方法、該
組成物を熱分解する前記9-オキソノナン酸誘導体の製造
方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
一般式(1)〜(3)で表わされる化合物のRは、水素
原子またはアルキル基である。この場合のアルキル基
は、置換または無置換のアルキル基のいずれであっても
よい。
【0015】無置換アルキル基としては、直鎖、分岐ま
たは環状の炭素数1〜16のアルキル基が挙げられ、例
えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピ
ル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、
tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、n
-へキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0016】置換アルキル基としては、上記無置換アル
キル基が、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキル基等により置換された基を挙げること
ができ、置換数、置換位置は特に限定されない。
【0017】ここでアルコキシ基としては、例えば、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ
基、iso-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペ
ンチルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。ア
リールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ
る。また、置換アルキル基の置換基であるアルキル基と
しては、前記と同じものが例示される。
【0018】[オレイン酸誘導体の酸化工程]オレイン酸
誘導体から、9-ヒドロペルオキシ-10-ヒドロキシオクタ
デカン酸エステル及び10-ヒドロペルオキシ-9-ヒドロキ
シオクタデカン酸エステルからなる組成物(以下、「有
機過酸化物」という)への酸化反応と、有機過酸化物か
ら9-オキソノナン酸誘導体への分解反応は同時に行って
もかまわないが、反応収率を高くするためには、オレイ
ン酸誘導体から有機過酸化物への酸化反応と、有機過酸
化物から9-オキソノナン酸誘導体への分解反応を別途行
うことが好ましい。
【0019】オレイン酸誘導体に対する過酸化水素の使
用量は、2倍モル以上であり、2〜2.5倍モルが好まし
い。過酸化水素水の濃度は特に限定されないが、ジオー
ル化合物の副生を抑制するには濃度が高いことが好まし
く、一方、安全性の面からは濃度が低いことが好まし
い。これらの点から、過酸化水素水の濃度として、30〜
60質量%が好ましい。
【0020】反応温度は、副生物であるジオール化合物
の生成を抑制するには温度が低いことが好ましく、一
方、反応時間を短くするには温度が高いことが好まし
い。これらの点から、反応温度としては、0〜100℃が好
ましく、10〜50℃が特に好ましい。反応時間は、反応温
度、触媒量などによって適宜選べば良いが、通常は1〜3
6時間、好ましくは1〜18時間である。
【0021】反応溶媒は、原料のオレイン酸誘導体と過
酸化水素水が溶解する溶媒であれば何れも用いることが
できる。このような溶媒としては、アルコール類、エー
テル類、アセトニトリルが挙げられる。
【0022】アルコール溶媒としては、炭素数1〜6の
アルコールが挙げられる。具体的には、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチ
レングリコール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられ
る。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、1,4-ジ
オキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等が挙
げられる。反応溶媒としてはtert-ブタノールが好
ましい。反応溶媒は、反応液中の基質濃度が1〜30質量
%、好ましくは5〜20質量%となるように添加すること
ができる。
【0023】触媒は、タングステン酸、モリブデン酸、
あるいはこれらのヘテロポリ酸、MoOが挙げられる。
ここでいうヘテロポリ酸とは、2種以上の酸素酸からな
る縮合酸であり、ポリ原子としては、タングステン及び
モリブデンであり、ヘテロ原子としては、以下に示すよ
うな各種のものが使用できる。
【0024】タングステン酸のヘテロポリ酸におけるヘ
テロ原子としては、P、As、Si、Ti、Co、Fe、B、V、B
e、I、Ni、Ga等が例示される。タングステン酸のヘテロ
ポリ酸の具体例としては、H3(PW12O40)、H3(AsW
12O40)、H4(SiW12O40)、H4(TiW12O40)、H5(CoW12O40)、
H5(FeW12O40)、H5(BW12O40)、H3(VW12O40)、H6(BeW
9O31)、H6(TeW6O24)、H5(IW6O24)、H4(NiW6O24H6)、H
3(GaW6O24H6)、H6(P2W18O62)、H6(As 2W18O62)、H7(PW11
O33)が例示される。
【0025】また、モリブデン酸のヘテロポリ酸におけ
るヘテロ原子としては、P、As、Si、Ge、Ti、Ce、Th、M
n、Ni、Te、I、Co、Cr、Fe、Ga等が例示される。モリブ
デン酸のヘテロポリ酸の具体例としては、H3(PMo
12O40)、H3(AsMo12O40)、H4(SiMo 12O40)、H4(GeMo
12O40)、H4(TiMo12O40)、H8(CeMo12O42)、H8(ThMo
12O42)、H7(PMo11O39)、H7(AsMo11O39)、H8(GeMo
11O39)、H6(MnMo9O32)、H6(NiMo9O32)、H6(TeMo6O24)、
H5(IMo6O24)、H3(CoMo6O24H6)、H3(CrMo6O24H6)、H3(Fe
Mo6O24H6)、H 3(GaMo6O24H6)、H3(NiMo6O24H6)、H6(P2Mo
18O62)、H6(As2Mo18O62)が例示される。
【0026】更に、各々の原子を2種類以上配位させた
混合ヘテロポリ酸、例えば、H4PMoW1 1O40、H4PReW11O40
、H4PVMo11O40、H5PV2Mo10O40、H3PMo6W6O40等も使用
可能である。これらの中では、タングステン酸触媒が特
に好ましい。触媒の使用量は、基質に対して1〜100質量
%、好ましくは1〜20質量%である。反応液の抽出・濃
縮操作を行うことにより、有機過酸化物の粗生成物が得
られる。
【0027】[有機過酸化物の分解反応工程]9-オキソノ
ナン酸誘導体の原料となる有機過酸化物は、前記粗生成
物を用いることができるが、粗生成物を更にカラム等に
より精製した化合物を用いることもできる。
【0028】分解反応の反応温度は、40〜200℃が好ま
しく、50〜100℃が特に好ましい。反応時間は、反応温
度によって適宜選べば良いが、通常は1〜36時間、好ま
しくは1〜18時間である。
【0029】反応溶媒は、原料の有機過酸化物が溶解す
る溶媒であれば何れも用いることができる。このような
溶媒としては、アルコール類、カルボン酸エステル類、
アセトニトリル、水、ケトン類、エーテル類、炭化水素
類が挙げられる。
【0030】アルコール溶媒としては、炭素数1〜6の
アルコールが挙げられる。具体的には、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチ
レングリコール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられ
る。
【0031】カルボン酸エステル類としては、酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、
プロピオン酸エチル、フタル酸ジエチル等が挙げられ
る。ケトン類としては、アセトン、メチルイソブチルケ
トン、メチルエチルケトン等が挙げられる。エーテル類
としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、1,4-
ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール
ジメチルエーテル等が挙げられる。炭化水素類として
は、ヘキサン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン等が挙げられる。
【0032】反応溶媒は、アセトニトリル、メタノール
が特に好ましい。ここで示した溶媒は、単独あるいは2
種以上を混合して反応溶媒として用いることができる。
【0033】反応溶媒は、反応液中の有機過酸化物の濃
度が0.01〜90質量%、好ましくは0.1〜50質量%となる
ように添加することができる。反応溶媒を用いないで、
有機過酸化物のみで分解反応を実施することも可能であ
るが、安全上、反応溶媒を用いて希釈して分解反応を行
うことが好ましい。
【0034】9-オキソノナン酸誘導体の精製は、反応液
を直接蒸留することによって行うことも可能であるし、
9-オキソノナン酸誘導体のアルデヒド基をメチルアルコ
ールでジメチルアセタール化して保護したのち蒸留し、
留分を脱アセタール化することによっても行うことがで
きる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明は実施例に何
ら限定されるものではない。 (分析条件)反応生成物のHPLC分析は、以下の条件で行
った。カラムは日本分光Finepack SIL C18-5 4.6φx250
mmを用い、カラム温度は35℃にした。溶離液は、A液と
して0.1質量%のH3PO4水溶液、B液としてHPLCグレードの
アセトニトリルを用い、A液とB液を併せた流量を1ml/分
にした。溶離液は、B液を70体積%含有する、A液とB液の
混合液を5分間流した後、10分かけてB液の濃度を90体積
%に増加させ、更に10分かけてB液の濃度を100体積%にし
た後、B液のみを10分間流した。UV検出器の波長を210nm
にして、目的物を検出した。9-ヒドロペルオキシ-10-ヒ
ドロキシオクタデカン酸メチルエステル及び10-ヒドロ
ペルオキシ-9-ヒドロキシオクタデカン酸メチルエステ
ルの混合物のリテンションタイムは11.5分であった。
【0036】(実施例1)30mlの3つ口フラスコに、
オレイン酸メチルエステル1.48g(5mmol)、tert-ブタノ
ール溶媒7.4ml及びタングステン酸触媒0.15gを加えて窒
素雰囲気下で35℃に昇温した。30質量%の過酸化水素水
1.13g(10mmol)を、セプタムキャップを通して注射器で1
分かけて滴下した後、35℃で5時間反応させた。反応終
了後、触媒をろ過し、ろ液のHPLC分析を行った。オレイ
ン酸メチルエステルの転化率は75mol%、9-ヒドロペルオ
キシ-10-ヒドロキシオクタデカン酸メチルエステル及び
10-ヒドロペルオキシ-9-ヒドロキシオクタデカン酸メチ
ルエステルをあわせた有機過酸化物の収率は50mol%(仕
込みオレイン酸メチルエステル基準)であった。9-オキ
ソノナン酸メチルエステルは検出されなかった。また、
副生物である9,10-ジヒドロキシオクタデカン酸メチル
エステルの収率は、13mol%(仕込みオレイン酸メチルエ
ステル基準)であった。
【0037】酢酸エチルで有機物を抽出後、亜硫酸水で
有機層を洗浄し、酢酸エチルを留去して粗生成物を得
た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、前
記有機過酸化物0.5gを単離した (HPLC純度(全ピーク
の総面積に対する有機過酸化物のピーク面積の割合)85
%)。
【0038】9-ヒドロペルオキシ-10-ヒドロキシオクタ
デカン酸メチルエステル及び10-ヒドロペルオキシ-9-ヒ
ドロキシオクタデカン酸メチルエステルからなる組成
物:1 H NMR(270MHz,DMSO):δ 11.20(s, 1H), δ 4.36(d, J
=2.64Hz, 1H),δ 3.62(m, 2H),δ 3.56(s, 3H), δ 2.2
7(t, J=7.42, 2H), δ 1.24(m, 26H),δ 0.85(t,J=6.60
Hz, 3H) MASS(FD):347[M+1]+
【0039】(実施例2)触媒をMoOにする以外は実
施例1と同様にして、実験を行った。オレイン酸メチル
エステルの転化率は23mol%、有機過酸化物の収率は8mol
%(仕込みオレイン酸メチルエステル基準)であった。9-
オキソノナン酸メチルエステルは検出されなかった。副
生物である9,10-ジヒドロキシオクタデカン酸メチルエ
ステルの収率は、5mol%(仕込みオレイン酸メチルエステ
ル基準)であった。
【0040】(実施例3)触媒をH3PMo12O40にする以外
は実施例1と同様にして実験を行った。オレイン酸メチ
ルエステルの転化率は21mol%、有機過酸化物の収率は13
mol%(仕込みオレイン酸メチルエステル基準)であった。
9-オキソノナン酸メチルエステルは検出されなかった。
副生物である9,10-ジヒドロキシオクタデカン酸メチル
エステルの収率は、5mol%(仕込みオレイン酸メチルエス
テル基準)であった。
【0041】(実施例4)30mlの3つ口フラスコに、
オレイン酸メチルエステル1.48g(5mmol)、tert-ブタノ
ール溶媒7.4ml及びタングステン酸触媒0.15gを加えて窒
素雰囲気下で70℃に昇温した。30質量%の過酸化水素水
1.13g(10mmol)を、セプタムキャップを通して注射器で1
分かけて滴下した後、70℃で1時間反応させた。反応終
了後、触媒をろ過し、ろ液のHPLC分析を行った。オレイ
ン酸メチルエステルの転化率は100mol%、有機過酸化物
の収率は37mol%(仕込みオレイン酸メチルエステル基準)
であった。9-オキソノナン酸メチルエステルは検出され
なかった。また、副生物である9,10-ジヒドロキシオク
タデカン酸メチルエステルの収率は、24mol%(仕込みオ
レイン酸メチルエステル基準)であった。
【0042】(実施例5)30mlの3つ口フラスコに、
実施例1で得られた有機過酸化物0.025g(0.072mmol)とア
セトニトリル7.5gを添加し、60℃に昇温し、15時間反応
させた。反応液を冷却後、HPLC分析を行った。有機過酸
化物の転化率は76mol%、9-オキソノナン酸メチルエステ
ルの収率65mol%(仕込み有機過酸化物基準)であった。
【0043】(実施例6)触媒をモリブデン酸にする以
外は実施例1と同様にして実験を行った。オレイン酸メ
チルエステルの転化率は11mol%、有機過酸化物の収率は
4mol%(仕込みオレイン酸メチルエステル基準)、9-オキ
ソノナン酸メチルエステルは検出されなかった。副生物
である9,10-ジヒドロキシオクタデカン酸メチルエステ
ルの収率は5mol%(仕込みオレイン酸メチルエステル基
準)であった。
【0044】(比較例)触媒をWOにする以外は実施例
1と同様にして実験を行った。オレイン酸メチルエステ
ルの転化率は5mol%、有機過酸化物、9-オキソノナン酸
メチルエステル及び9,10-ジヒドロキシオクタデカン酸
メチルエステルは検出されなかった。
【0045】
【発明の効果】9-オキソノナン酸誘導体の合成に有用な
中間体である、9-ヒドロペルオキシ-10-ヒドロキシオク
タデカン酸エステル及び10-ヒドロペルオキシ-9-ヒドロ
キシオクタデカン酸エステルからなる組成物を提供でき
る。また、安価で安全な酸化剤である過酸化水素水を用
いることにより、工業的に有利な方法で、該組成物を製
造することができる。さらに、該組成物を熱分解するこ
とにより、環境への負荷が少ない工業的に有利な方法
で、9-オキソノナン酸誘導体を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 407/00 C07C 407/00 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 加藤 紘子 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB84 AC40 AC41 AC45 BA14 BA30 BA75 BC10 BE32 KA31 4H039 CA62 CG90

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表わされる9-ヒドロペ
    ルオキシ-10-ヒドロキシオクタデカン酸エステル及び10
    -ヒドロペルオキシ-9-ヒドロキシオクタデカン酸エステ
    ルからなる組成物。 【化1】 (式中、XおよびYは、互いに異なっていて、OHおよ
    びOOHから選ばれる基を表し、Rは水素原子またはア
    ルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】触媒存在下、一般式(2) 【化2】 (式中、Rは水素原子またはアルキル基を示す)で表わさ
    れるオレイン酸誘導体を過酸化水素水で酸化する請求項
    1記載の組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】前記触媒が、タングステン酸、モリブデン
    酸及びそれらのヘテロポリ酸、MoOからなる群から選
    ばれる1種又は2種以上の触媒である請求項2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の組成物を熱分解することを
    特徴とする、一般式(3) 【化3】 (式中、Rは水素原子またはアルキル基を示す)で表わさ
    れる9-オキソノナン酸誘導体の製造方法。
JP2002150394A 2002-05-24 2002-05-24 ヒドロペルオキシヒドロキシオクタデカン酸エステル組成物、及び該組成物からの9−オキソノナン酸誘導体の製造方法 Pending JP2003342255A (ja)

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