JP2003340246A - 脂肪族トリカルボン酸の製造方法 - Google Patents

脂肪族トリカルボン酸の製造方法

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JP2003340246A
JP2003340246A JP2002155358A JP2002155358A JP2003340246A JP 2003340246 A JP2003340246 A JP 2003340246A JP 2002155358 A JP2002155358 A JP 2002155358A JP 2002155358 A JP2002155358 A JP 2002155358A JP 2003340246 A JP2003340246 A JP 2003340246A
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aqueous solution
tricarboxylic acid
aliphatic
salt
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JP2002155358A
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Akiyoshi Shimoda
晃義 下田
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英城 伊達
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気透析法を用い、高収率で脂肪族トリカル
ボン酸を効率的に得る方法を提供する。 【解決手段】 分子量が180以上の脂肪族トリカルボ
ン酸の、塩基性塩又はその部分塩を1〜80質量%含む
水溶液(A)を、電気透析することによって、対応する
脂肪族トリカルボン酸の水溶液(B)に変換することを
特徴とする脂肪族トリカルボン酸の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族トリカルボ
ン酸の製造方法に関する。さらに詳しくは、脂肪族トリ
カルボン酸の塩又は部分塩からなる水溶液を、電気透析
を行うことにより、高収率、かつ、効率的に脂肪族トリ
カルボン酸を高純度に製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】脂肪族カルボン酸、とりわけ3価の塩基酸
である脂肪族トリカルボン酸及びその金属塩は、塗料用
途、各種硬化剤、さらには洗剤用ビルダーとして用いる
ことができ、また各種誘導体の原料として、工業上、有
用な化合物である。脂肪族カルボン酸は、一般的に酸素
や硝酸等を用いた酸化反応、対応するニトリル化合物又
はエステルの加水分解等の方法により得ることができ、
反応終了時や精製工程において、アルカリ金属等の塩基
性塩又はその部分塩からなる水溶液として存在する過程
が含まれる。
【0003】脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩水溶液
から脱アルカリ金属を行い、遊離した脂肪族カルボン酸
又はその水溶液を得る方法として、塩酸や硫酸等の鉱酸
を添加することにより、アルカリ金属の無機塩を生じさ
せ、同時に生じる遊離した脂肪族カルボン酸を溶媒等に
より抽出分離する方法、陽イオン交換樹脂にアルカリ金
属塩塩水溶液を接触させることよりアルカリ金属をイオ
ン交換し、遊離した脂肪族カルボン酸の水溶液を回収す
る方法等が一般的に行われている。
【0004】しかしながら、鉱酸を用いる方法において
は、脂肪族カルボン酸と当量の無機塩が副生し、特に、
3価の塩基酸である脂肪族トリカルボン酸の場合には多
大な量の無機塩が生じ、さらには、生じた無機塩と脂肪
族トリカルボン酸との混合物から遊離した脂肪族トリカ
ルボン酸を抽出分離するため、多量の溶媒を必要とす
る。イオン交換樹脂を用いる方法においては、脂肪族ト
リカルボン酸単位重量あたり、多大な量のイオン交換樹
脂を必要とし、さらにはイオン交換終了後の樹脂の再生
時に、上記同様に多量の無機塩の発生とともに膨大なる
量の排水を生じる結果となる。
【0005】ところで、脂肪族カルボン酸の塩基性塩や
その部分塩からなる水溶液から脂肪族カルボン酸水溶液
を得るに際し、上記のような抽出分離がなく、さらには
排水量を低減させる方法として、電気透析法を用いた各
種の方法が多く提案されている。例えば、特開昭57−
64619号公報には、酢酸やグルタミン酸等のモノカ
ルボン酸のアルカリ金属塩からなる水溶液に対する電気
透析法が提案されている。特開平7−216571号公
報には、アジピン酸等のジカルボン酸やβ−アラニン−
N、N−二酢酸等の窒素含有多価塩基酸の塩の水溶液に
対して電気透析する方法が提案されている。特表平7−
507598号公報には、アジピン酸を電気透析法によ
り得る方法が提案されている。これらの提案されている
方法においては、脂肪族トリカルボン酸の電気透析法に
より、高収率、かつ、効率的に脂肪族トリカルボン酸水
溶液を得る具体的方法が開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気透析法
を用い、高収率で脂肪族トリカルボン酸を効率的に得る
方法を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、脂肪族ト
リカルボン酸の製造方法、特に、その塩又は部分塩から
なる水溶液から遊離のカルボン酸として再生する方法と
して、電気透析法を行う方法に関し、鋭意検討を行っ
た。その結果、分子量180以上の脂肪族トリカルボン
酸の、塩基性塩又はその部分塩を含む水溶液を原料とし
て用いた場合、電気透析に用いるイオン交換膜を透過す
ることによる損失に基づく収率低下を大きく抑制でき、
さらに、電気透析を実施する際の水溶液濃度を特定の濃
度範囲とすることにより、脱塩率の高い、高純度の脂肪
族トリカルボン酸水溶液を得ると同時に透析時間を短縮
でき、また、排水中に含有される有機物量を大きく低減
でき、効率的に脂肪族トリカルボン酸を製造できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】特に、脂肪族ニトリル化合物を加水分解し
て、対応する脂肪族トリカルボン酸塩水溶液を製造した
場合、とりわけ、電気透析前に固体吸着剤を用いて該水
溶液を処理することにより、イオン交換膜の劣化を防止
でき、さらに効率的に脂肪族トリカルボン酸を製造でき
ることを見出した。
【0009】すなわち、本発明は以下の通りである。 (1) 分子量が180以上の脂肪族トリカルボン酸
の、塩基性塩又はその部分塩を1〜80質量%含む水溶
液(A)を、電気透析することによって、対応する脂肪
族トリカルボン酸の水溶液(B)に変換することを特徴
とする脂肪族トリカルボン酸の製造方法。 (2) 脂肪族トリニトリル化合物を加水分解して得ら
れる、脂肪族トリカルボン酸の塩基性塩又はその部分塩
からなる水溶液(A)を電気透析することを特徴とする
(1)に記載の脂肪族トリカルボン酸の製造方法。 (3) 脂肪族トリニトリル化合物を加水分解し、固体
吸着剤による処理を行って得られる、脂肪族カルボン酸
の塩基性塩又はその部分塩からなる水溶液(A)を電気
透析することを特徴とする請求項1記載の脂肪族トリカ
ルボン酸の製造方法。 (4) 脂肪族トリニトリル化合物が、アクリロニトリ
ルから得られることを特徴とする(2)又は(3)に記
載の脂肪族トリカルボン酸の製造方法。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる脂肪族トリカルボン酸は、分子量180以上
の3価の塩基酸である。本発明は、このような分子量を
有する脂肪族トリカルボン酸の、塩又は部分塩を含む水
溶液(A)を電気透析に用いる点に特徴がある。このよ
うな脂肪族トリカルボン酸として、例えば、ブタントリ
カルボン酸、ペンタントリカルボン酸、ヘキサントリカ
ルボン酸、オクタントリカルボン酸等が挙げられる。脂
肪族トリカルボン酸は1種でもよく、2種以上の混合物
でもよい。特に、本発明は、1,3,6−ヘキサントリ
カルボン酸の製造に好適に使用できる脂肪族トリカルボ
ン酸の分子量は180以上であり、好ましくは180〜
1000、より好ましくは180〜300である。分子
量が180未満の脂肪族トリカルボン酸の、塩又は部分
塩を含む水溶液を電気透析すると、脂肪族トリカルボン
酸の塩又は部分塩がイオン交換膜を拡散透過し、収率が
低下する。分子量が1000を越える場合には、イオン
交換膜への吸着が発生したり、透析時間を多く必要とす
る場合がある。
【0011】本発明で用いる、脂肪族トリカルボン酸の
塩又は部分塩を含む水溶液(A)(以下、水溶液
(A)、と略記することがある)の中の、脂肪族トリカ
ルボン酸の塩又は部分塩の濃度は1〜80質量%であ
り、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは8〜4
0質量%である。濃度が1質量%未満の場合は、電気透
析により得られる、脂肪族トリカルボン酸の水溶液
(B)(以下、水溶液(B)、と略記することがある)
から、遊離した脂肪族トリカルボン酸を分離する場合
に、除去すべき水の量が多くなり、また、一般に、遊離
の脂肪族トリカルボン酸は、水溶性が高いために収率が
低下し、生産効率が低くなる。濃度が80質量%を越え
る場合は、脱塩効率が低下し、塩が残留する。さらに
は、例えば、硫酸等の鉱酸を電解液等に用いて電気透析
を実施した場合には、得られる水溶液(B)に硫酸イオ
ンが混入し、結果的に、得られる脂肪族トリカルボン酸
の純度が低下する。
【0012】本発明で用いられる水溶液(A)における
塩又は部分塩は、カルボキシル基と塩を形成できる塩基
性物質であり、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金
属イオン、アンモニウムイオン、4級アンモニウムイオ
ン、各種アミン類等が挙げられる。特に、カリウム、ナ
トリウム等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩からなる
場合が、脱塩効率が高く、高純度の脂肪族トリカルボン
酸が得られるので好ましい。本発明で用いられる水溶液
(A)中に、例えば、1価や2価の脂肪族や芳香族のカ
ルボン酸が、電気透析法における脱塩効率等に影響を与
えず、かつ、最終的に得られる脂肪族トリカルボン酸の
純度に影響しない範囲で含有されていてもよい。
【0013】以下、水溶液(A)を水溶液(B)に変換
する電気透析法を説明する。本発明で用いられる電気透
析法は、公知の、一般的な、イオン交換膜を具備した設
備を用いることができる。イオン交換膜を具備した設備
としては、陽イオン交換膜のみを用いた設備、陽イオン
交換膜と陰イオン交換膜を同時に具備した設備、陽イオ
ン交換膜とバイポーラ膜(両性膜)を同時に具備した設
備、陰イオン交換膜とバイポーラ膜を同時に具備した設
備、さらには陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、及びバ
イポーラ膜を同時に具備した設備等が挙げられる。
【0014】例えば、陽イオン交換膜を具備した電気透
析設備を用いる方法としては、特開昭50−11101
0号公報に記載されている方法を好適に使用できる。陽
イオン交換膜と陰イオン交換膜とを同時に具備した設備
を用いる方法としては、特開平2−115025号公報
に記載されている方法を好適に使用できる。陽イオン交
換膜とバイポーラ膜を同時に具備した設備を用いる方法
としては、特表平7−507598号公報に記載されて
いるものが好適に用いられる。陰イオン交換膜とバイポ
ーラ膜とを同時に具備した設備としては、特開平8−2
81077号公報に記載された設備を好適に使用でき
る。
【0015】本発明の電気透析法で用いられる各種イオ
ン交換膜の材質は、一般的に用いられる材質であればよ
い。材質としては、例えば、フッ素化オレフィン系樹
脂、スチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、塩素化オレフィン系樹脂等が挙げられ
る。陽イオン交換膜の場合には、これらにスルホン酸基
やカルボキシル基等のマイナスの電荷を有する基を1種
以上有する膜が、陰イオン交換膜の場合には、上記材質
に4級アンモニウム基、1級アミノ基、2級アミノ基、
3級アミノ基等の官能基を1種以上有する膜が好適に使
用できる。
【0016】バイポーラ膜も、公知の方法により製造さ
れた膜が使用できる。例えば、陽イオン交換膜と陰イオ
ン交換膜とを、硬化性接着剤や熱可塑性樹脂含有ペース
ト等のバインダーを介して張り合わせて製造する方法が
挙げられる。硬化性接着剤を用いる方法としては、例え
ば、ポリエチレンイミン−エピクロルヒドリンの混合物
を用いる方法(特公昭32−3962号公報)、イオン
交換性接着剤で接着させる方法(特公昭34−3961
号公報)等が挙げられる。
【0017】ビニルピリジンとエポキシ化合物とを陽イ
オン交換膜に塗布し、放射線硬化させる方法(特公昭3
8−16633号公報)、陰イオン交換膜の表面にスル
ホン酸型高分子電解質とアリルアミン類を付着させた後
に電離性放射線を照射して架橋させる方法(特公昭51
−4113号公報)、イオン交換膜の表面に反対電荷を
有するイオン交換樹脂の分散系と母体重合体との混合物
を沈着させる方法(特開昭53−37190号公報)、
ポリエチレンフィルムにスチレン、ジビニルベンゼンを
含浸重合したシート状物をステンレス等の金属枠にはさ
みつけ、一方の側をスルホン化させた後、シートを取り
外して残りの部分にクロルメチル化を行い、次いで、ア
ミノ化処理する方法(米国特許第3562139号明細
書)、特定の金属イオンを陰・陽イオン交換膜の表面に
塗布し、両方のイオン交換膜を重ね合わせてプレスする
方法(エレクトロケミカアクタ、31巻、1175−1
176頁(1986年))等が挙げられる。
【0018】水溶液(A)の電気透析を行うに際して、
電極には、公知のものを使用できる。例えば、陽極とし
ては、白金、チタン/白金合金、カーボン、ニッケル、
ルテニウム/チタン合金、イリジウム/チタン合金等が
好適に使用できる。陰極としては、鉄、ニッケル、白
金、チタン/白金合金、カーボン、ステンレス鋼等が好
適に使用できる。電極の構造も公知の構造が使用でき、
例えば、棒状、板状、メッシュ状、格子状等が挙げられ
る。
【0019】本発明において、例えば、陽イオン交換膜
のみを用いる場合には、電極間を陽イオン交換膜で複数
室に仕切り、仕切られた各室の隣り合った室内に水溶液
(A)と硫酸や塩酸等の鉱酸を流通させて電気透析を行
うことにより、各室交互に水溶液(B)及び鉱酸塩水溶
液が生成する。バイポーラ膜を併用する場合には、陽イ
オン交換膜のみを用いる場合と同様に、脂肪族トリカル
ボン酸塩から遊離するアルカリと結合させるべく、鉱酸
を水溶液(A)と隣りあう室に流通させてもよく、さら
には鉱酸を用いることなく、遊離するアルカリをそのま
まアルカリ水溶液として回収する方法も好適に使用でき
る。後者の場合には、回収されるアルカリ水溶液を、脂
肪族トリカルボン酸塩を得るための脂肪族トリニトリル
化合物の加水分解に使用できるため好ましい。
【0020】本発明で用いられるイオン交換膜の分子分
画性は、通常、2000以下、好ましくは1000以
下、より好ましくは300以下である。分子分画性が3
00であるとは、イオン交換膜の一方の膜面に各種分子
量の1質量%のポリエチレングリコール水溶液を、ま
た、もう一方の膜面に蒸留水をそれぞれ接触させた状態
で、大気圧下、25℃で1時間両方の液体を撹拌したと
きに、蒸留水側に拡散してくるポリエチレングリコール
の濃度を測定し、用いたポリエチレングリコールが5%
拡散する場合のポリエチレングリコールの分子量をい
う。分子分画性が2000を越える場合には、電気透析
により遊離した脂肪族トリカルボン酸がイオン交換膜を
透過してリークするため、収率が低下する傾向にある。
【0021】電気透析を行う際の温度は、脂肪族カルボ
ン酸の塩又は部分塩、さらには生成してくる遊離した脂
肪族トリカルボン酸が析出しない温度範囲であれば制限
はなく、通常、5℃〜80℃、好ましくは10℃〜60
℃の範囲である。電流密度は、通常、0.1〜100A
/dcm2、好ましくは0.2〜50A/cm2の範囲で
ある。イオン交換膜の膜間隔は、一般的に適用されてい
る間隔でよく、通常、0.01〜10mm、好ましくは
0.05〜1.50mmの範囲である。
【0022】本発明において、高い純度の脂肪族トリカ
ルボン酸を得る目的で、用いる水溶液(A)に対し、通
常、脱塩基率が90%以上、好ましくは95%以上、よ
り好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上に
なるまで電気透析操作が行われる。脱塩基率が90%未
満の場合には、後工程として行う晶析等により水と分離
する際に、得られる脂肪族トリカルボン酸に塩基が残留
し、純度が低くなる傾向にあり、例えば、晶析の回数を
複数回繰り返す必要がある。電気透析法は、バッチで操
作してもよく、連続的に実施してもよい。
【0023】以上、説明した電気透析法により得られた
水溶液(B)に対し、さらに残留する塩基を除去する目
的で、例えば、陽イオン交換樹脂による脱塩操作を追加
の工程として行ってもよい。陽イオン交換樹脂として
は、例えば、スルホン酸基を有するスチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体等が好適に使用できるが、この限りで
はない。以上説明した方法により得られた遊離の脂肪族
トリカルボン酸の水溶液(B)から、対応する脂肪族ト
リカルボン酸を分離することができる。
【0024】水溶液(B)から脂肪族トリカルボン酸を
遊離させる方法には制限はなく、蒸発乾固法、濃縮析出
法、晶析法等が好ましく用いられる。また、脂肪族トリ
カルボン酸に対する貧溶媒を添加して析出させてもよ
い。特に、高純度の脂肪族トリカルボン酸を得るために
は、濃縮析出法及び晶析法が好ましい。電気透析により
得られた水溶液(B)を、例えば、そのままの濃度で冷
却することにより晶析してもよく、さらには、新たに水
を添加したり、濃縮する等して、所望の濃度に調整して
もよい。
【0025】晶析を行う場合、水溶液(B)中の脂肪族
トリカルボン酸の濃度は、通常、1〜80質量%、好ま
しくは10〜60質量%である。脂肪族トリカルボン酸
の濃度が60質量%を越える場合には、得られる脂肪族
トリカルボン酸析出物を含有するスラリーの粘性が高
く、濾過が困難となる場合があり、結果的に、得られる
脂肪族トリカルボン酸の純度が低下する傾向にある。ま
た、濃度が1質量%未満の場合は、十分な量の析出物が
得られない場合がある。脂肪族トリカルボン酸をその水
溶液(B)から分離した後、乾燥させることにより高純
度の脂肪族トリカルボン酸が得られる。本発明の製造方
法は、脂肪族トリニトリル化合物の加水分解により得ら
れる、対応する脂肪族トリカルボン酸の塩又は部分塩の
水溶液に対して、好適に使用できる。
【0026】脂肪族トリニトリル化合物としては、加水
分解により、分子量が180以上の脂肪族トリカルボン
酸が得られるものであればよく、例えば、1,2,4−
トリシアノブタン、トリシアノペンタン、トリシアノヘ
キサン、トリシアノオクタン等が挙げられる。本発明で
用いられる脂肪族トリニトリル化合物は、アクリロニト
リルから誘導されるものが好ましい。例えば、1,2,
4−トリシアノブタンは、アクリロニトリルから誘導さ
れるメチレングルタロニトリルや1,4−ジシアノブテ
ンと青酸との反応により得ることができる。1,3,6
−トリシアノヘキサンは、アクリロニトリルを電解2量
化することによりアジポニトリルを製造する際に副生物
として同時に得ることができ、蒸留法や抽出法により分
離することができる。
【0027】加水分解には、上記の脂肪族トリニトリル
化合物を、アルカリ又は酸と水の存在下で行う方法、酸
及び水を含有するアルコールの存在下でエステル体を一
旦、合成し、次いで、酸又はアルカリの存在下で行う方
法等、公知の方法が適用できる。例えば、アルカリの存
在下で脂肪族トリニトリルを加水分解した場合には、反
応終了後の反応液を本発明の範囲における所望の濃度に
調整することにより、上記水溶液(A)を容易に得るこ
とができるため好ましい。
【0028】加水分解に用いられるアルカリは、水溶液
においてアルカリ性を示す化合物であり、例えば、アル
カリ金属系化合物、アルカリ土類金属系化合物、窒素系
化合物等が挙げられる。アルカリ金属系化合物として
は、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムなどの
アルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウムなど
のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭
酸水素セシウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、重炭酸
リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸
ルビジウム、重炭酸セシウムなどのアルカリ金属重炭酸
塩、カリウムブトキシド、カリウムエトキシド、カリウ
ムメトキシド、ナトリウムブトキシド、ナトリウムエト
キシド、ナトリウムメトキシド、リチウムブトキシド、
リチウムエトキシド、リチウムメトキシドなどのアルカ
リ金属アルコキシド等が挙げられる。
【0029】アルカリ土類金属系化合物としては、水酸
化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化ラ
ジウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ベリリウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロン
チウム、炭酸バリウム、炭酸ラジウムなどのアルカリ土
類金属炭酸塩、炭酸水素ベリリウム、炭酸水素マグネシ
ウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ストロンチウム、
炭酸水素バリウム、炭酸水素ルビジウムなどのアルカリ
土類金属炭酸水素塩、重炭酸べりリム、重炭酸マグネシ
ウム、重炭酸カルシウム、重炭酸ストロンチウム、重炭
酸バリウム、重炭酸ラジウムなどのアルカリ土類金属重
炭酸塩等が挙げられる。
【0030】窒素系化合物としては、アンモニアや各種
アミン系化合物等が挙げられる。これらアルカリは、単
独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。加水分解
に用いられる酸は、水溶液で酸性を示す化合物であり、
塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸や、各種カルボン酸、スル
ホン酸等の有機酸が挙げられる。加水分解に、アルカリ
を水溶液として使用するときのアルカリ水溶液の濃度は
には制限はないが、通常、1.0〜50質量%の範囲で
ある。例えば、アルカリとして水酸化ナトリウムを用い
て、大気圧下で加水分解を行う場合は、通常、2.0〜
40.0質量%、好ましくは10.0〜30.0質量%
の範囲である。濃度が2.0質量%未満では、反応速度
が遅くなる傾向があり、40.0質量%を越えると脂肪
族トリニトリルのの反応場である水への溶解度が極端に
低くなり加水分解速度が著しく低下する傾向がある。
【0031】加水分解に用いるアルカリ量は、ニトリル
基に対して、塩基として理論的には1.00当量以上で
あるが、十分な反応速度を得る目的で、通常、1.01
〜3.00当量、好ましくは1.05〜2.00当量の
範囲である。アルカリ量が3.00当量を越える場合に
は、過剰のアルカリ量が多く反応系に残留し、電気透析
処理時間を多く必要とする。酸を用いて加水分解する場
合は、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や
メタンスルホン酸等の有機酸が用いられる。酸は、1
種、又は2種以上を混合して使用でき、中でも、塩酸及
び硫酸が好ましい。
【0032】加水分解に用いる酸の使用量は、酸の種類
によって異なるが、通常、1〜98質量%の範囲であ
る。例えば、塩酸の場合、通常、2〜37質量%、好ま
しくは10〜30%の範囲である。濃度が2.0質量%
未満では、反応速度が遅くなる傾向にあり、37質量%
を越えると工業的に入手が困難となる。硫酸の場合は、
通常、2〜85質量%、好ましくは20〜60質量%で
ある。使用量が2質量%未満では反応速度が遅くなる傾
向にあり、85質量%を越えると加水分解に要する水の
量を確保するため、必要以上に多くの硫酸を用いること
になる。
【0033】酸の脂肪族トリニトリルに対する当量比
は、ニトリル基に対して、通常、1.00〜5.0当
量、好ましくは1.01〜3.0当量の範囲である。反
応温度は、アルカリ、酸いずれの場合も、通常、50〜
250℃、好ましくは80〜140℃の範囲である。反
応温度が50℃未満では反応速度が遅く、250℃を越
えると分解等の副反応を併発する場合がある。反応時間
は、通常、1〜200時間の範囲である。反応時の圧力
には制限は無く、加圧下、大気圧下、さらには減圧下で
おこなってもよい。
【0034】酸を用いて加水分解を実施した後の反応液
中に、脂肪族トリカルボン酸は、遊離したカルボン酸又
はその部分塩、無機塩の状態で存在する。したがって、
例えば、溶媒抽出法等により脂肪族トリカルボン酸を分
離し、水溶液とすることにより水溶液(A)を調整する
ことができる。酸やアルカリを用いた加水分解反応時の
雰囲気は、副反応を併発しないものであれば制限はな
く、例えば、窒素等の不活性気体の存在下や空気下でも
よい。
【0035】加水分解は、1段の反応で行ってもよく、
例えば、アルカリによる加水分解後、反応系内に中間体
としてアミド化合物が存在する場合には、引き続き、他
のアルカリや酸を用いて加水分解を行ってもよい。アク
リロニトリルから誘導される脂肪族トリニトリル化合物
の加水分解反応を行うことにより得られた水溶液(A)
は、電気透析を実施する前処理として、固体吸着剤によ
る処理を行うことが好ましい。アクリロニトリルから誘
導される脂肪族トリニトリル化合物は、通常、不純物と
して、アクリロニトリルのオリゴマーや着色性物質を含
有しており、不純物に由来する着色性物質が得られる水
溶液(A)に含まれる傾向にある。このような場合に、
直接、電気透析を行った場合、用いるイオン交換膜に不
純物が吸着される傾向にあり、繰り返し電気透析を実施
する場合、経時的に透析効率が低下する傾向にある。
【0036】固体吸着剤とは、25℃及び水溶液(A)
の処理を行う温度において流動性がなく、固体の形状を
保つ物質であり、かつ、正吸着を起こさせる界面を有す
る物質をいう。具体的には、アルミニウム、鉄、チタ
ン、ケイ素、錫等の酸化物や水酸化物、活性炭、ベント
ナイト、活性白土、ケイソウ土、ゼオライト類、ハイド
ロタルサイト類、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂
等が挙げられる。上記アルミニウム、鉄、チタン、ケイ
素、錫等の酸化物や水酸化物としては、例えば、活性ア
ルミナ、シリカゲル、酸化チタン等が挙げられる。これ
らの中で、活性炭、活性アルミナ及びイオン交換樹脂
が、着色物質に対する除去効果が高く、好ましい。これ
ら固体吸着剤は、1種類でもよく、2種類以上を混合し
て、同時に又は別々に用いてもよい。固体吸着剤の形
状、粒径等には限定されない。
【0037】固体吸着剤の使用量は限定されないが、通
常、水溶液(A)に含まれる脂肪族トリカルボン酸10
0質量部に対し、固体吸着剤を0.0001〜500質
量部、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましく
は0.1〜50質量部の範囲である。固体吸着剤の使用
量が0.01質量部未満では十分な除去効果が得られに
くく、500質量部を越えると十分な脱色効果は得られ
るものの、脂肪族トリカルボン酸やその塩が吸着され、
最終的に収率が低下する傾向にある。
【0038】固体吸着剤で処理する際の、水溶液(A)
のpHには制限はないが、好ましくはpH1〜13の範
囲が好ましい。pHが13を越える場合は、脱色効果が
低下する傾向にある。pHを調整する方法には制限はな
く、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸、
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸などの有機酸、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水
酸化物等を添加する方法、各種イオン交換樹脂と接触さ
せる方法等により実施することができる。
【0039】固体吸着剤による処理時間に制限はなく、
通常、1分〜100時間の範囲である。固体吸着剤によ
り着色性物質を吸着させる方法は、水溶液(A)含む溶
液に固体吸着剤を添加して攪拌したり、固体吸着剤をカ
ラム等に充填させ、水溶液(A)を通液する等、限定さ
れるものではない。固体吸着剤による処理時の温度は、
水溶液(A)中に含まれる脂肪族トリカルボン酸塩や部
分塩が析出したり、さらには分解しない温度範囲であれ
ば制限はない。例えば、固体吸着剤として活性炭を用
い、溶媒に水を用いた場合は、温度は、通常、5〜10
0℃の範囲である。
【0040】固体吸着剤を用いた処理を行った後の、用
いた固体吸着剤を分離除去する方法は任意であって制限
はなく、濾過法等の公知の一般的方法を実施することが
できる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明する。
【実施例1】還流冷却器を取り付けた内容量1リットル
の攪拌装置付四つ口フラスコに、20%苛性ソーダ水溶
液780g(3.9モル)を仕込んだ。反応液温度を8
5℃に保つようにアクリロニトリルの電解還元反応を行
って得られる反応液を蒸留することにより得た1,3,
6−トリシアノヘキサン161g(1.0モル)を滴下
し、滴下終了後、反応液温度93℃において24時間加
熱還流を行って加水分解を行った。その結果、pH1
3.9の黄褐色の加水分解反応液を916g得た。
【0042】得られた反応液に、1,3,6−ヘキサン
トリカルボン酸を、上記反応液のpHが7.6となるよ
うに添加し、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸のN
a塩及び部分塩からなる水溶液を得た。これを、活性炭
(白鷺A(商標)、武田薬品(株)社製)25.0gを
加え、室温で1時間攪拌を行った。ろ過により活性炭を
除去し、透明に脱色反応液(反応液1)を得た。この水
溶液に蒸留水を添加して、濃度19.7質量%の水溶液
に調整した。
【0043】電気透析には、有効膜面積550cm2
分画分子量100の陽イオン交換膜(Aciplex
(登録商標)AC−110、旭化成(株)社製)により
仕切られたサンプル室と硫酸室とが交互に各10室配置
され、陽極及び陰極としてチタン/白金合金からなる電
極を用い、0.5N硫酸を電解液として用いた電気透析
装置(マイクロアシライザー(商標)S3、旭化成
(株)社製)を用いた。上記で得られた1,3,6−ヘ
キサントリカルボン酸のナトリウム塩及び部分塩からな
る水溶液500ml(554.0g)をサンプル室に、
硫酸室には2.25Nの硫酸をカルボキシル基に対し
2.02当量用いた。硫酸を6等分し、30分ごとに交
換し、6回に分けて、合計145分間、27℃、電圧7
V(電流2.2A)の条件下で電気透析を行なった。こ
の時、水溶液と硫酸の電気透析装置の各室内における通
液速度は、線速は6cm/sec、電流密度は4A/d
2であった。
【0044】実験開始前の溶液の電導度は61.8mS
/cmであったが、電気透析145分間後には4.1m
S/cmであった。電気透析終了後のサンプル室の溶液
回収量は436.4g、硫酸室の回収量は970mlで
あった。回収されたサンプル室の水溶液を乾燥させた結
果、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の収率は9
8.1%であり、ナトリウムの除去率は98.9%であ
った。
【0045】
【実施例2】実施例1と同様の方法により得られた反応
液1を蒸留水を用いて、濃度9.1質量%の1,3,6
−ヘキサントリカルボン酸のナトリウム塩及びその部分
塩水溶液を調整した。実施例1と同様の電気透析を12
0分間実施した。透析終了後、回収されたサンプル室の
水溶液を乾燥させた結果、1,3,6−ヘキサントリカ
ルボン酸の収率は99.3%であり、ナトリウムの除去
率は99.2%であった。
【0046】
【実施例3】実施例1と同様の方法により得た反応液1
を、蒸留水を用いて、濃度32.6質量%の1,3,6
−ヘキサントリカルボン酸のナトリウム塩及びその部分
塩水溶液を調整した。実施例1と同様の電気透析を17
0分間実施した。透析終了後、回収されたサンプル室の
水溶液を乾燥させた結果、1,3,6−ヘキサントリカ
ルボン酸の収率は98.5%であり、ナトリウムの除去
率は98.7%であった。
【0047】
【実施例4】実施例1と同様の方法により得た反応液1
を加熱濃縮し、濃度65.5量%の1,3,6−ヘキサ
ントリカルボン酸のナトリウム塩及びその部分塩水溶液
を調整した。透析時の温度を42℃とした以外は実施例
1と同様の電気透析を240分間実施した。透析終了
後、回収されたサンプル室の水溶液を乾燥させた結果、
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の収率は97.5
%でり、ナトリウムの除去率は97.28.7%であっ
た。
【0048】
【実施例5】蒸留水400mlに水酸化ナトリウム5
0.52g(1.263mol)及び1,2,4−ブタ
ントリカルボン酸(Aldrich社製)80.0g
(0.421mol)を溶解し、濃度25質量%の1,
2,4−ブタントリカルボン酸のナトリウム塩水溶液を
得た。得られた水溶液に対し、実施例1と同様の操作に
より電気透析を170分間行い、サンプル室内に得られ
た水溶液を乾燥させた結果、1,2,4−ブタントリカ
ルボン酸の収率は96.4%、ナトリウムの除去率は9
8.3%であった。
【0049】
【実施例6】活性炭による処理を実施しなかった以外
は、実施例1と同様の方法により19.7質量%の1,
3,6−ヘキサントリカルボン酸のナトリウム塩及びそ
の部分塩からなる水溶液を調整した。実施例1と同様の
電気透析を145分間実施した結果、ナトリウムの除去
率は92%であった。さらに20分間透析を続けた結
果、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の収率は9
8.4%、ナトリウムの除去率は95.8%であった。
【0050】
【比較例1】実施例1と同様の方法により得た反応液1
を加熱濃縮し、濃度85.5量%の1,3,6−ヘキサ
ントリカルボン酸のナトリウム塩及びその部分塩水溶液
を調整した。透析時の温度を42℃とした以外は実施例
1と同様の電気透析を240分間実施した。透析終了
後、回収されたサンプル室の水溶液を乾燥させた結果、
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の収率は92.4
%であり、ナトリウムの除去率は71.0%であった。
さらに、透析を実施した後、新たに、実施例1と同様の
水溶液を用いて、再度、実施例1と同様の透析を行った
結果、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の収率は9
7.6%であり、ナトリウム除去率は72.2%であっ
た。
【0051】
【比較例2】実施例1と同様の方法により得た反応液1
に蒸留水を添加し、濃度0.5質量%の1,3,6−ヘ
キサントリカルボン酸のナトリウム塩及びその部分塩水
溶液を調整した。実施例1と同様の電気透析を100分
間実施した。透析終了後、回収されたサンプル室の水溶
液を乾燥させた結果、1,3,6−ヘキサントリカルボ
ン酸の収率は91.4%であり、ナトリウムの除去率は
99.1%であった。
【0052】
【発明の効果】本発明の電気透析を用いた製造方法によ
り、脂肪族トリカルボン酸の塩基性塩又はその部分塩か
ら、高収率で、効率的に脂肪族トリカルボン酸を高純度
で得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07C 51/08 C07C 51/08 Fターム(参考) 4D006 GA17 HA47 JA41A JA42A JA43A JA44A KA01 KB12 MA03 MA13 MA14 MA15 MC22 MC24 MC25 MC28 MC50 MC74 MC75 NA42 NA46 NA54 PA01 PB12 PB70 PC80 4D017 AA01 AA20 BA20 CA03 CB01 DA07 4H006 AA02 AC46 AC47 BB31 BD10 BD70 BE60 BS10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量が180以上の脂肪族トリカルボ
    ン酸の、塩基性塩又はその部分塩を1〜80質量%含む
    水溶液(A)を、電気透析することによって、対応する
    脂肪族トリカルボン酸の水溶液(B)に変換することを
    特徴とする脂肪族トリカルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 脂肪族トリニトリル化合物を加水分解し
    て得られる、脂肪族トリカルボン酸の塩基性塩又はその
    部分塩からなる水溶液(A)を電気透析することを特徴
    とする請求項1記載の脂肪族トリカルボン酸の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 脂肪族トリニトリル化合物を加水分解
    し、固体吸着剤による処理を行って得られる、脂肪族カ
    ルボン酸の塩基性塩又はその部分塩からなる水溶液
    (A)を電気透析することを特徴とする請求項1記載の
    脂肪族トリカルボン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 脂肪族トリニトリル化合物が、アクリロ
    ニトリルから得られることを特徴とする請求項2又は3
    記載の脂肪族トリカルボン酸の製造方法。
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