JP2003339341A - 香辛料抽出物 - Google Patents
香辛料抽出物Info
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Abstract
の香辛料の風味・呈味を充分に確保できる天然香辛料抽
出物を得る。 【解決手段】 ペパーミント、セージ、パセリ、バジ
ル、オレガノ、タイム、ローズマリー、シソ、アロエ、
胡椒、パプリカ、ナツメグ、コリアンダー、アニス、ウ
コン、シナモン、カルダモン、クローブ、キャラウェ
ー、ローレル、ジンジャー、赤唐辛子、マスタード、ワ
サビ、ゴマ、オニオン、ガーリックなどの天然香辛料を
くん液に浸漬して静置し、常温下で天然香辛料に親水抽
出を施し、液相から抽出済みの天然香辛料を除去する香
辛料抽出物である。天然香辛料をくん液で抽出するた
め、常温下で行ってもくん液の作用により香辛料を有効
・確実に殺菌できる。また、抽出は常温であり、加熱し
ないため、風味・呈味を損なうことがなく、生の天然香
辛料が有する豊かな風味・呈味を保持できる。
Description
て、くん液を用いて天然香辛料の有効成分を抽出するこ
とにより、殺菌効果に優れ、且つ、生の香辛料が有する
豊かな風味・呈味を保持できるものを提供する。
雑菌が付着しており、また、貯蔵中に菌が侵入し、繁殖
する恐れもあるため、最近の傾向としては、殺菌処理を
施すことが少なくない。従って、従来、香辛料抽出物
は、生の天然香辛料を加熱殺菌した後、水、アルコー
ル、n−ヘキサンなどで溶媒抽出して製造する場合が一
般的である。しかしながら、殺菌加熱をすると、天然香
辛料の風味・呈味が低下する問題があった。
香味を損なわずに、一般細菌を死滅させることを目的と
して、天然香辛料に有機酸、エタノール、食塩及び水を
添加して混合し、pH4.0以下の有機酸で熟成させる
ことにより、細菌が弱まるような前処理を施した後、こ
の熟成物を比較的低温の85〜90℃程度で殺菌処理す
る天然香辛料の殺菌方法が開示されている。この方法
は、天然香辛料自体の殺菌方法であり、香辛料抽出物を
製造目的としたものではない。そのうえ、酸による熟成
工程や加熱工程を必須とするため、処理が煩雑になる。
また、加熱殺菌温度は100℃より低いとはいえ、85
〜90℃の高温レベルにあることから、生の香辛料の香
味を完全に保持することは容易でない。
製造方法として、特開平7−87923号公報、特開平
7−8209号公報、特開平7−8202号公報に、香
辛料の粉体などに亜臨界又は超臨界炭素ガスを接触させ
て、有効成分を抽出する方法が開示されている。特開2
000−256346号公報には、上記超臨界炭素ガス
抽出、或は水蒸気蒸留などによって、香辛料から香気成
分を抽出した後の抽出物残渣を、水とエタノールなどの
親水性溶剤からなるアルカリ性水溶液で抽出して、ポリ
フェノール類の豊富な抽出物を得る方法が開示されてい
る。
ではあるが、殺菌効果は不明であるうえ、超臨界炭酸ガ
スなどを使用するために処理や設備が複雑になり、さら
には、香辛料を親水性溶媒で抽出したものに比べて、香
辛料から抽出される香味成分が異なる懸念もある。本発
明は、簡便な操作で製造でき、殺菌効果に優れ、生の香
辛料の風味・呈味を充分に確保できる天然香辛料抽出物
を得ることを技術的課題とする。
号公報(以下、先行技術という)には、香辛料抽出物自体
の製造を目的としたものではないが、木材チップを用い
た焙乾法などで燻すことにより、香辛料自体にくん煙処
理を施すことが開示されている。本発明者らは、食品衛
生法でも食品添加物として認められ、ハム・ソーセージ
などの練り肉製品に添加されるくん液を天然香辛料に適
用することを着想し、くん液で天然香辛料の抽出を行う
ことにより、加温抽出ではなく、非加熱下の抽出であっ
ても天然香辛料の殺菌効果は有効に働くこと、非加熱下
での抽出なので生の香辛料が有する豊かな風味・呈味を
損なわないことなどを見いだして、本発明を完成した。
浸漬し、非加熱下で天然香辛料に親水抽出を施し、抽出
済みの天然香辛料を浸漬液から除去することを特徴とす
る香辛料抽出物である。
香辛料が、ペパーミント、セージ、パセリ、バジル、オ
レガノ、タイム、ローズマリー、シソ、アロエ、胡椒、
パプリカ、ナツメグ、コリアンダー、アニス、ウコン、
シナモン、カルダモン、クローブ、キャラウェー、ロー
レル、ジンジャー、赤唐辛子、マスタード、ワサビ、ゴ
マ、オニオン、ガーリックなどの少なくとも一種である
ことを特徴とする香辛料抽出物である。
て、くん液がpH4.0以下であることを特徴とする香
辛料抽出物である。
浸漬して、非加熱下で天然香辛料の有効成分をくん液内
に抽出した香辛料抽出物である。上記くん液は、基本的
にくん煙材を不完全燃焼させた際に生じるくん煙成分を
含有する液であり、市販のくん液剤を初め、木炭製造の
際に副生する木酢液などを含む概念である。このくん液
は、組成的には、フェノール類、アルデヒドやケトンな
どのカルボニル化合物、有機酸、エステルなどを混然一
体とする親水性の液である。従って、本発明は、当該く
ん液を用いて天然香辛料に対する親水抽出を行い、天然
香辛料の有効成分のうち、主に親水性成分を抽出するこ
とを目的とする。
ーブ類や、他の風味料、調味料を含む広義の概念であっ
て、広義の香辛料、或はハーブ類といわれるものを任意
で使用でき、特に限定はされない。天然香辛料として
は、ペパーミント、セージ、パセリ、バジル、オレガ
ノ、タイム、ローズマリー、シソ、アロエ、チャイブ、
ディル、ナスタチウム、フローレンス・フェンネル、レ
モングラス、レモンバーム、ロケット、カモミール、コ
ーンサラダ、シャンツァイ、スィートマジョラム、スペ
アミント、ソレル・フレンチ、タラゴン・フレンチ、チ
ャービルなどのハーブ類を初め、胡椒、パプリカ、ナツ
メグ、コリアンダー、アニス、ウコン、シナモン、カル
ダモン、クローブ、キャラウェー、ローレル、ジンジャ
ー、赤唐辛子、マスタード、ワサビ、ゴマ、オニオン、
ガーリックなどを単用又は併用できる。好ましくは、胡
椒、セージ、タイム、バジル、オレガノ、シナモン、オ
ニオン、ガーリック、赤唐辛子などである。
本発明では、生の香辛料の風味・呈味を損なわない見地
から、浸漬処理は非加熱の条件下で行う。非加熱下の浸
漬処理とは、室温を中心とした1〜45℃程度の温度域
で熱を加えずに行う抽出をいい、加熱による抽出は排除
される。また、浸漬時間に特に制限はないが、香辛料の
親水性成分の円滑な抽出と生産コストの面とを考慮する
と、1〜2週間前後をかけて浸漬するのが好ましい。香
辛料のくん液中の浸漬は静置下で行っても良いし、必要
に応じて撹拌しても良い。特に、初期の段階で香辛料を
くん液になじませるために、撹拌は有効である。香辛料
を浸漬するくん液の濃度については、例えば、市販のく
ん液剤を原液のまま使用しても良いが、香辛料抽出物は
香辛料の風味・呈味がくん煙風味で減殺されないよう
に、適正に原液を希釈して使用しても良い。例えば、市
販のくん液剤では、希釈率が50重量%程度以上なら充
分な殺菌効果を有し、希釈率が30重量%程度以上でも
静菌効果が期待できることから、くん液をある程度希釈
しても、香辛料の殺菌効果を有効に担保できる。上述し
たように、くん液には殺菌効果を有する各種成分が含ま
れるが、本発明3に示すように、くん液のpHが4.0
以下の酸性に傾いた場合、香辛料の殺菌効果がより増進
される。また、殺菌作用増強の見地から、くん液の好ま
しいpHは3.0以下である。ちなみに、くん液のpH
は希釈濃度と指数関係にあるため、大幅に希釈しない限
り、pHが急激に中性側に変動することはない。くん液
に対する天然香辛料の添加割合は、天然香辛料の種類や
くん液の組成及び濃度にも左右されて、一概には決めら
れないが、例えば、市販のくん液剤を原液使用する場
合、くん液100重量部に対して天然香辛料5〜50重
量部程度が好ましい。
の状態を継続し、くん液の水相内に香辛料の親水性成分
が充分に抽出されたなら、濾過により固・液分離を行っ
て、抽出済みの天然香辛料を浸漬液から除去して、液相
のみの香辛料抽出物を得るのである。従って、本発明の
抽出物には、抽出後の香辛料残渣は含まれない。尚、濾
過後の香辛料残渣には残余の抽出液分が付着して残って
いる場合が多いため、後処理として、濾過後の香辛料残
渣をさらに水又は含水アルコールで洗浄し、この残余液
分を含んだ洗浄液を既に抽出済みの抽出液本体に合わせ
ることもできる。
として使用でき、例えば、ハム・ソーセージや魚肉練り
製品の風味・調味付けの外、魚などの動物臭のマスキン
グなどに使用することができる。
は、一般に、生の天然香辛料を加熱殺菌し、水、アルコ
ール、n−ヘキサンなどで溶媒抽出していた。これに対
して、本発明は天然香辛料をくん液で抽出するため、非
加熱下の抽出であるにも拘わらず、くん液特有の作用に
より香辛料を有効・確実に殺菌できる。例えば、腐敗し
易い天然香辛料であるジンジャー、オニオン、ガーリッ
クなども、本発明を適用することで非加熱下で有効に殺
菌できるため、従来のような凍結流通ではなく、室温流
通を実現できる。
め、天然香辛料の風味・呈味が低下する問題があった
が、本発明では、くん液により非加熱下で抽出するた
め、風味・呈味を損なうことがなく、生の天然香辛料が
有する豊かな風味・呈味を保持できる。また、本発明の
香辛料抽出物をハム・ソーセージなどの畜肉又は魚肉練
り製品に適用すると、食品にスモーク成分を付与して食
品の臭みを解消し、且つ、鮮度保持効果を付与できるば
かりでなく、くん液が有する渋みや苦みをハーブ類など
の香辛料の作用で抑制して、食品の味をまろやかに改善
できる。
と、抽出物に有機溶媒が残留する懸念があるが、くん液
は食品添加物として認められたものなので、残留濃度の
問題はない。さらに、アルコールやn−ヘキサンなどの
有機溶媒を用いると、爆発の危険があったり、n−ヘキ
サンでは除去工程が必要になって、処理設備が複雑にな
り、生産コストが増すうえ、有機溶媒や設備の管理も煩
雑になるが、くん液では爆発の危険も除去の必要もな
く、生産性は高く、管理も容易である。
した香辛料が開示されているが、本発明はくん液で香辛
料の有効成分を抽出した後、残滓の香辛料を除去した抽
出液であるため、発明の対象が異なる。また、後述の試
験例に示すように、くん液に香辛料を浸漬して親水抽出
する場合、抽出する側のくん液には殺菌又は静菌作用が
認められるが、抽出後の香辛料残渣には、一部に微生物
の増殖傾向が認められるため、仮に、香辛料に液くん法
を適用したとしても、香辛料成分を吸収する側のくん液
とは異なり、液くん処理した後の香辛料(即ち、香辛料
残渣)には食品衛生上の保証が得られない問題が出て来
る。さらに、くん煙処理を施した香辛料には、生の香辛
料に含まれる有効成分の全体がそのまま保持されるが、
本発明では、くん液の水相に香辛料の有効成分のうちの
親水性成分が主に抽出されるため、本発明の抽出物は、
処理後の成分の点で先行技術の香辛料とは異なる。
実施例で得られた香辛料抽出物の香味評価試験例、及び
殺菌能評価試験例を順次説明する。また、実施例、試験
例中の「%」は基本的に重量基準である。尚、本発明は
下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発
明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは
勿論である。
・B〜4A・Bのうち、実施例1A・Bは市販のくん液
を原液のまま用いて抽出した例、実施例2A・Bは同く
ん液の50%希釈液を用いて抽出した例、実施例3A・
Bは市販の木酢液を原液のままを用いて抽出した例、実
施例4A・Bは同木酢液の50%希釈液を用いて抽出し
た例である。比較例1A・B〜4A・Bのうち、比較例
1A・Bは100%エタノールを用いて抽出した例、比
較例2A・Bは同エタノールを50%に希釈した含水エ
タノールを用いて抽出した例、比較例3A・Bは水を用
いて抽出した例である。但し、実施例及び比較例におい
て、A群は抽出される香辛料がセージであり、B群はコ
ショウであることを夫々指す。また、下記の室温は1〜
45℃程度の広範囲を意味する。
して、天然香辛料として滅菌処理を施していないセージ
を所定の含有率で配合し、セージがくん液になじむよう
に適宜撹拌した後、室温で浸漬・静置することにより、
11日間かけて親水抽出した。次いで、抽出処理を終え
たくん液を絞り濾過して、くん液からセージ残渣を分離
・除去して、香辛料抽出液を得た。尚、100%くん液
のpHは2.37であった。この場合、くん液に対する
セージの含有率は、後述の各種試験の性格に合わせて変
化させたため、各種試験には含有率の異なる条件で得ら
れた香辛料抽出液を別々に供した。即ち、殺菌能評価試
験では、くん液に対するセージの含有率を10%にし、
香味評価試験では、香りの感度を増すために、同含有率
は20%に増量した。この含有率の条件は、下記の実施
例2A〜4A及び比較例1A〜3Aでも同様とした。
ん液から、水で50%に希釈したくん液に代替し、それ
以外は実施例1Aと同様に処理して、香辛料抽出液を得
た。尚、50%希釈くん液のpHは2.61であった。
液(紀州炭工房社製)の100%原液に変更し、それ以外
は実施例1Aと同様に処理して、香辛料抽出液を得た。
100%木酢液のpHは2.46であった。
酢液から、水で50%に希釈した木酢液に変更し、それ
以外は実施例3Aと同様に処理して、香辛料抽出液を得
た。50%希釈木酢液のpHは2.64であった。
ん液から100%のエタノールに変更し、それ以外は実
施例1Aと同様に処理して、香辛料抽出液を得た。
ん液から、水で50%に希釈した含水エタノールに変更
し、それ以外は実施例1Aと同様に処理して、香辛料抽
出液を得た。
ん液からイオン交換水に変更し、それ以外は実施例1A
と同様に処理して、香辛料抽出液を得た。
B 実施例1A〜4A及び比較例1A〜3Aの夫々を基本と
しながら、香辛料をセージから滅菌処理を施していない
コショウに変更した以外は、各実施例及び比較例と同様
に処理して香辛料抽出液を得た。但し、後述の殺菌能評
価試験では、溶媒に対するコショウの含有率を30%に
し、また、後述の香味評価試験では、香りの感度を増す
ために、同含有率を50%に増量した。
び比較例1A・B〜3A・Bで得られた各香辛料抽出液
について、香味評価試験を行った。 《香辛料抽出液の香味評価試験例》くん液を用いた香辛
料抽出液の場合、得られた抽出液のままでは、強いくん
煙臭によって香辛料に由来する香味が弱められる恐れが
あり、また、くん煙臭は域値が高く、濃度を薄くすると
香辛料の香味への影響が減衰するため、本香味試験で
は、得られた抽出液を1%水溶液に希釈してから官能試
験を行った。一方、実施例1A・B〜4A・B及び比較
例1A・B〜3A・Bの各香辛料抽出液においては、香
辛料を溶媒に浸漬してから、最終日の11日目だけでは
なく、中間の1日目、4日目にもサンプリングを行っ
て、抽出液の香味を経時的に観察した。さらには、本試
験例では、上記実施例1A・Bで用いた市販のくん液
と、市販のセージ又はコショウのエキスとの等量比の混
合液を比較例4A・Bとして新たに追加し、この追加例
についても香味試験を行った。香味に対する官能試験の
評価基準は次の通りである。 +++:香辛料の香りを強く感じた。 ++ :香辛料の香りを感じた。 + :香辛料の香りを微かに感じた。 − :香辛料の香りを感じなかった。
及びコショウ抽出液共に同じ結果であった。 1日目 4日目 11日目 実施例1A・B − + ++ 実施例2A・B − + ++ 実施例3A・B − − + 実施例4A・B − − + 比較例1A・B ++ +++ +++ 比較例2A・B + ++ +++ 比較例3A・B + + 腐敗臭 比較例4A・B + ++ 刺激臭
較例1A・B〜2A・Bが最良の香味評価を示したが、
市販のくん液を用いた実施例1A・B〜2A・Bも、こ
れに準じた評価であり、セージ又はコショウの香りがく
ん液に有効に付与されていることが確認できた。市販の
木酢液を用いた実施例3A・B〜4A・Bでは、香味は
くん液を用いた場合に比べて、一歩譲る評価であった。
ちなみに、実施例1A・B〜2A・Bのくん液を用いた
抽出液をハム・ソーセージなどに使用すると、くん液が
有する渋みや苦みを香辛料で抑制して、食品の味をまろ
やかに改善できる効能があり、この効能は上記エタノー
ルを用いた比較例1A・B〜2A・Bでは奏さないこと
から、当該実施例1A・B〜2A・Bでは、香りの評価
ばかりでなく、この効能を合わせて総合的に評価するこ
とが重要である。また、木酢液を用いた実施例3A・B
〜4A・Bにも同様の効能があり、同じような総合評価
が必要である。尚、水で抽出した比較例3A・Bでは、
香辛料の香りを感じた反面、4日目位から発酵現象が起
き、11日目には腐敗臭が感じられた。また、くん液と
香辛料エキスを単に混合した比較例4A・Bでは、香辛
料の香りは感じられたが、自然な香味というより、薬品
臭を伴う刺激臭があった。
び比較例1A・B〜3A・Bの香辛料抽出液について、
微生物の殺菌能評価試験を行った。 《香辛料抽出液の殺菌能評価試験例》微生物の検査項目
は、一般生菌数、耐熱性菌数及び大腸菌群とした。検査
対象は、香辛料抽出液ばかりでなく、香辛料残渣をも加
えた。検査方法は食品衛生検査指針(微生物編)に基づい
た。また、上記香味評価試験と同様に、検査時点は浸漬
開始後、1日目、4日目、11日目とした。その試験結
果は下表の通りである。
セージ抽出液にあっては、実施例1A〜4Aは、100
%又は50%エタノールを用いた比較例1A〜2Aと同
様、或はそれ以上の殺菌効果があることが明らかになっ
た。また、コショウ抽出液にあっては、市販のくん液を
用いた実施例1B〜2Bは、100%アルコールを用い
た比較例1Bより強力に殺菌効果があり、市販の木酢液
を用いた実施例3B〜4Bは、100%又は50%アル
コールを用いた比較例1B〜2Bと同様、或はこれに準
じた静菌作用があることが明らかになった。水を用いた
比較例3A・Bでは、セージ抽出液とコショウ抽出液を
問わず、一般生菌の増殖が認められた。次いで、耐熱性
菌の殺菌評価をみると、セージ抽出液にあっては、実施
例1A〜4Aは、100%又は50%エタノールを用い
た比較例1A〜2Aと同様、或はそれ以上の殺菌効果が
あることが明らかになった。また、コショウ抽出液にあ
っては、市販のくん液を用いた実施例1B〜2Bは殺菌
効果が顕著であり、市販の木酢液を用いた実施例3B〜
4Bは100%アルコールを用いた比較例1Bと同様、
或はこれに準じた静菌作用があった。50%アルコール
を用いた比較例2Bは菌数の増殖傾向がみられた。水を
用いた比較例3A・Bでは、セージ抽出液とコショウ抽
出液を問わず、耐熱性菌の増殖がみられた。さらに、大
腸菌群の殺菌能評価にあっては、水を用いた比較例3A
・B以外のすべての実施例と比較例で、セージ抽出液と
コショウ抽出液を問わず、大腸菌に対する殺菌効果が認
められた。
総合評価すると、初発菌数が103台前後であるセージ
については、市販のくん液や木酢液で抽出した実施例1
A〜4Aは種類の異なる微生物に対して殺菌作用が顕著
であった。初発菌数が106台前後のコショウについて
は、市販のくん液で抽出した実施例1B〜2Bは微生物
に対して殺菌作用が顕著であり、木酢液で抽出した実施
例3B〜4Bは静菌作用を確認できた。特に、初発菌数
が多いコショウについて、くん液を用いた実施例1B〜
2Bの殺菌作用は、100%アルコールを用いた比較例
1Bより優位性が際立ったことは注目に値する。
なく、抽出後の香辛料自体(残渣)の菌数をみると、市販
のくん液で抽出した後の残渣では、セージとコショウを
問わず、微生物の殺菌作用が有効に働いていた。しか
し、初発菌数が多いコショウについては、100%及び
50%木酢液で抽出した後の残渣で、アルコールで抽出
した場合と同様に、一般生菌の増殖傾向が認められ、ま
た、50%木酢液で抽出した後の残渣では、アルコール
抽出の場合と同様に、耐熱性菌の増殖傾向が認められ
た。従って、木酢液を含む広義のくん液に香辛料を浸漬
して親水抽出する場合、上記試験結果のように、抽出す
る側のくん液には確実な殺菌又は静菌作用が認められた
が、抽出後の香辛料残渣には、一部に微生物の増殖傾向
が認められるため、仮に、冒述の先行技術を援用するこ
とにより、香辛料に液くん法を適用したとしても、香辛
料成分を抽出する側のくん液とは異なり、液くん処理し
た後の香辛料自体(即ち、香辛料残渣)には食品衛生上の
保証が得られないことが明らかになった。
Claims (3)
- 【請求項1】 天然香辛料をくん液に浸漬し、非加熱下
で天然香辛料に親水抽出を施し、抽出済みの天然香辛料
を浸漬液から除去することを特徴とする香辛料抽出物。 - 【請求項2】 天然香辛料が、ペパーミント、セージ、
パセリ、バジル、オレガノ、タイム、ローズマリー、シ
ソ、アロエ、胡椒、パプリカ、ナツメグ、コリアンダ
ー、アニス、ウコン、シナモン、カルダモン、クロー
ブ、キャラウェー、ローレル、ジンジャー、赤唐辛子、
マスタード、ワサビ、ゴマ、オニオン、ガーリックなど
の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記
載の香辛料抽出物。 - 【請求項3】 くん液がpH4.0以下であることを特
徴とする請求項1又は2に記載の香辛料抽出物。
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---|---|---|---|
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