JP2003335768A - 高純度ビフェニルテトラカルボン酸二無水物およびその製造方法 - Google Patents

高純度ビフェニルテトラカルボン酸二無水物およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族ポリイミドを重合した際の分子量が向
上し、優れたポリマーを得られるビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物を提供する。 【構成】 ビフェニルテトラカルボン酸一無水物の含有
量が0.4%以下であることを特徴とするビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物とその製造方法に関する。詳しくは、ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物を用いてポリイミドま
たはポリアミック酸を製造する際に高分子量のポリイミ
ドまたはポリアミック酸の生成を妨害する不純物含有量
や水分含有量が極めて少ない高純度ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、およびこれを安定して製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
(以下「BPDA」という事がある)は、耐熱性樹脂と
して注目されている芳香族ポリイミドの製造原料として
有用な化合物である。BPDAを用いた芳香族ポリイミ
ドは、BPDAと芳香族ジアミン類との重合反応によっ
て製造する方法や、BPDAと芳香族ジアミンを常温付
近の低温で重合して得られるポリアミック酸を閉環イミ
ド化する方法等によって製造することができる。
【0003】BPDAの製造方法は、一般的にビフェニ
ルテトラカルボン酸(以下BTCと言う。)を脱水閉環
することによって行われている。BTCの製造方法とし
ては、例えば以下の(i)、(ii)がある。 (i)O−フタル酸ジメチルの脱水素二量化反応で得ら
れたビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルを、酸触
媒の存在下で、水性媒体中で加水分解する方法。 (ii)無水フタル酸をハロゲン化して得られる4−ハ
ロフタル酸を水性媒体中で、アルカリ・還元剤・Pd触
媒の存在下、脱ハロゲン二量化し、ビフェニルテトラカ
ルボン酸テトラアルカリ金属塩水溶液を得、これを鉱酸
で中和する方法。
【0004】またBPDA中にビフェニルトリカルボン
酸無水物などの不純物が混入すると、上記ポリマーを製
造する際に重合度(粘度)の上昇が妨げられ、高分子量
のポリイミドまたはポリアミック酸の生成が妨げられて
しまう。よってBTCを脱水閉環させてBPDAを得る
際に、着色、不溶性微粉体の含有、更には微量金属含有
抑制、また不純物生成を抑制する様々な方法が提案され
ている。
【0005】例えばBTCを固体状態で150〜230
℃の温度に加熱し、脱水閉環反応させて得られたBPD
Aを減圧下、250〜400℃の温度に加熱し揮発さ
せ、次いで、この揮発したBPDAの蒸気を冷却して、
BPDA精製結晶として回収する方法が提案されている
(例えば特許文献1参照)。しかしこの方法のみでは不
純物であるビフェニルトリカルボン酸無水物(以下「ト
リ体」と言う。)が混入する場合があり、高分子量のポ
リイミドまたはポリアミック酸の生成が妨げられると言
う問題があった。トリ体は主に150〜230℃の温度
に加熱し、脱水閉環反応させる段階、および250〜4
00℃の温度に昇温する段階で生成する。
【0006】このトリ体の生成を抑制する目的で、BP
DAから付着水や結晶水等の水分を除去することが行わ
れてきた。例えば、水分を除去する温度に昇温する際の
平均昇温速度を50℃/hr以下とし、続いて250〜
300℃の温度で少なくとも3時間加熱して無水化する
方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。別の
方法として、BTCを加熱処理してBPDAを生成させ
る際、250〜300℃の温度で不活性気体を8〜40
時間接触させ、副生するトリ体を反応混合物から除去し
つつBPDAを製造する方法が提案されている(例えば
特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】特公平4−37078号公報
【特許文献2】特開平1−104063号公報
【特許文献3】特公平4−76991号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述した方法で
トリ体の生成を抑制しても、未だに芳香族ポリイミドと
した際に粘度が増加しない(分子量が向上しない)こと
が問題となっていた。そしてこの原因としては、BPD
Aが吸湿した水分によって加水分解を受け、BPDAの
酸無水物基の一つが開環したビフェニルテトラカルボン
酸一無水物(以下、「ハーフ体」と言うことがある。)
が不純物として存在することが考えられていた。つま
り、このハーフ体は重合に寄与する無水物基と重合に寄
与しないカルボキシル基を有するので芳香族ポリイミド
重合の際にトリ体と同様に重合反応停止末端となるため
であるが、このハーフ体の抑制手段については、有効な
手段が提案されていなかった。
【0009】またBPDAに吸湿された水分は、BPD
Aにおいて遊離水、結晶水、またはBPDAの無水環状
基部分を開環させる形で存在すると考えられているが、
BPDA中での水の存在形態の把握やこの存在形態によ
る芳香族ポリイミドポリマーの分子量等への影響等は解
明されておらず、ハーフ体を抑制するための有効な水分
除去方法は不明なままであった。
【0010】そして芳香族ポリイミドを製造するに際し
ては、BPDAは一般的に粉砕されて微粒子化された後
に反応に供されるが、BPDAには吸湿性があり、粉砕
されることにより表面積が増大するという問題がある。
つまり、化学工業規模の反応装置内においては、反応装
置の気相部分においてBPDA微粒子が舞い上がり、外
気のと接触機会が増え、気相中の水分をより吸湿するこ
とで不純物である、上述のハーフ体が生成する懸念があ
った。
【0011】よってBPDAの吸湿を避けて良好な芳香
族ポリイミドを得るために、芳香族ポリイミドの製造に
於いては、製造装置内の乾燥条件が不明故に過剰な乾燥
条件とせざるを得ず、工業的にコストが掛かりすぎると
言う問題があった。本発明の目的は、高分子量の芳香族
ポリイミド製造に適したBPDAを提供することにあ
る。即ち、BPDAを製造する際のBPDAの吸湿を抑
制しBPDAの分解を低減させることにより、高分子量
の芳香族ポリイミド製造を阻害するBPDA分解生成物
であるハーフ体含有量が少ないBPDAを提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
問題を解決すべく、粉砕時の吸湿を抑制し、且つ吸湿し
た水分がBPDA中の無水物基の開環に極力消費されな
い方法を鋭意検討した。その結果、単に微粉化雰囲気の
水分含有量を低下させるのではなく、特定量以下の水分
含有量で且つ特定温度以下の不活性ガスの存在下、好ま
しくは流通下で粉砕を行うことによって、吸湿量を抑制
できるだけでなく、BPDAに吸湿された水分がBPD
A中の無水物基の開環へ消費されることをも抑制でき
る、即ち、高分子量の芳香族ポリイミド製造を阻害する
不純物であるハーフ体等の含有量を低減できるというこ
とを見出し、本発明を完成させた。
【0013】さらに、BPDA中の水分量を気化式水分
計により昇温到達温度248℃で測定した場合、得られ
たBPDA中の水分濃度と、そのBPDAを用いて得ら
れた芳香族ポリイミドポリマーの粘度との間には、必ず
しも一定の相関性がないことを見出した。一方、BPD
A中の水分含有量を測定する際に、BPDAからの気化
による水分含有量を測定すると、水分を気化させるため
にBPDAを昇温させる際の昇温到達温度を210℃と
するとBPDA中の遊離水及び結晶水の含有量が測定で
き、またこの昇温到達温度を248℃とするとBPDA
の開環物の無水化により生じる水分が測定できることを
見出した。
【0014】そしてこれを利用し、BPDAが含有する
水分の形態の比率によってポリマー粘度が変化すること
を見出し、BPDAに含有される水分の形態の内、BP
DA中の無水物基が開環する際に消費される水分の量が
多い時に最も、ポリマー粘度への影響が大きいことを見
出した。つまり、BPDA中の水分含有量に於いて、単
一条件下で測定された水分含有量が少ないだけではな
く、複数の特定測定条件下で測定した水分含有量の差が
一定量以下である際に、芳香族ポリイミドポリマー原料
として優れたBPDAと成りうるということを見出し、
本発明を完成させた。
【0015】即ち本発明の要旨は、ビフェニルテトラカ
ルボン酸一無水物の総含有量が0.4%以下である事を
特徴とするビフェニルテトラカルボン酸二無水物に存す
る。中でも好ましくは、20℃のビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物を248℃まで昇温させ、248℃到達
後30分経過するまでの総気化水分濃度が500ppm
以下であり、且つこの昇温過程に於いて、210℃以降
の総気化水分濃度が、200ppm以下であることを特
徴とするビフェニルテトラカルボン酸二無水物に存す
る。
【0016】また本発明の今ひとつの要旨は、水分含有
量が200ppm以下であり、且つ温度が30℃以下の
不活性ガス雰囲気下でビフェニルテトラカルボン酸二無
水物を粉砕することを特徴とするビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物の製造方法に存する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。1)ビフェニルテトラカルボン酸二無水物 本発明のビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、ビフ
ェニルテトラカルボン酸一無水物(ハーフ体)の総含有
量が0.4%以下であることを特徴とする。ハーフ体の
含有量は低い程好ましいが、一般的には0.1%以上で
ある。さらに好ましくは、20℃のビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物を248℃まで昇温させ、248℃到
達後30分経過するまでの総気化水分濃度が500pp
m以下であり、且つこの昇温過程に於いて、210℃以
降の総気化水分濃度が200ppm以下であることを特
徴とする。
【0018】BPDA中のハーフ体量は高速液体クロマ
トグラフィーにより測定することができる。20℃のビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物を248℃まで昇温
させ、248℃到達後30分経過するまでの総気化水分
濃度が500ppm以下、中でも300ppm、特に1
50ppm以下が好ましい。これが多すぎるということ
はすなわちBPDA中の開環物の量が多いということで
あり、BPDAがジアミン類と反応する際、重合しにく
くなり、ポリイミドポリマーの粘度が向上しないという
不利な場合がある。また500ppm以下で有れば少な
い程よいが、低減させるにはコストが嵩む等の工業的に
不利な場合があるので、一般的には200ppm程度の
水分濃度であってもよい。
【0019】また20℃から248℃まで昇温させる昇
温過程に於いて、210℃以降の総気化水分濃度が20
0ppm以下、中でも100ppm以下、特に50pp
m以下が好ましい。これが多すぎるとハーフ体の含有量
が増加し、ポリイミドポリマーの粘度が向上しないとい
う不利な場合がある。また200ppm以下で有れば少
ない程よいが、低減させるにはコストが嵩む等の工業的
に不利な場合があるので、一般的には100ppm程度
の水分濃度であってもよい。
【0020】本発明に於いて、BPDAを昇温させ、気
化水分濃度を測定する際には、20℃からの気化水分量
を測定する。この際、開始時の温度は任意であり、20
℃に満たないBPDAを用いて測定を開始してもよい。
また本発明におけるBPDAの温度とはBPDA自体の
温度であるが、気化水分測定に於いては、測定装置内の
温度を示す。尚、気化水分測定開始時におけるBPDA
の温度は、BPDA周囲の雰囲気温度を示す。
【0021】この際の昇温速度は任意であり、正確な測
定が出来る範囲であれば適宜選択すればよい。一般的に
は、5〜20℃/min、中でも10〜15℃/min
であることが好ましい。昇温速度が早すぎるとBPDA
の温度が周囲の昇温雰囲気に追従することが困難とな
り、逆に遅すぎても実際のBPDA温度と周囲の昇温雰
囲気との差が過大となって正確な測定が出来なくなる可
能性がある。
【0022】尚、吸湿量が同じでも吸湿した水分の形態
により、ポリマー粘度が変化する要因は明らかではない
が、遊離水や結晶水が多少多くてもポリマー粘度が大き
く低下しない理由は、BPDAとアミン成分との重合時
に、アミンとの重合速度の方が、 遊離水や結晶水によ
るBPDA中の無水基の開環速度よりも大きい為ではな
いかと考えられる。上述した本発明のBPDAの製造方
法は任意であるが、中でも後述の方法で製造すること
が、BPDAにおける各不純物や水分含有量を低減出来
るので好ましい。
【0023】2)ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
の製造方法 本発明ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の製造方法
は、水分含有量が200ppm以下であり、且つ温度が
30℃以下の不活性ガス雰囲気下でビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物を粉砕することを特徴とする。
【0024】粉砕に用いるBPDAの製造方法は任意で
あり、従来公知の方法を用いればよい。中でも先述の特
公平4−37078号公報に記載の様に、BTCを固体
状態で加熱し、脱水閉環反応させて得られたBPDA
を、減圧下で加熱して揮発させ、次いで揮発したBPD
A蒸気を冷却してBPDAを精製結晶として回収する、
いわゆる昇華法を用いることで不純物等含有が低減でき
るので好ましい。
【0025】この様にして得られるBPDAの含有水分
量は少ない程良いが、一般的には100〜500ppm
である。また粉砕前の粒径も任意だが、例えば上述の昇
華法にて得られるBPDAであれば、一般的には1〜1
000μm、中でも1〜700μmであることが好まし
い。本発明のBPDAの製造方法は、この様にして得ら
れたBPDAを、水分含有量が200ppm以下で且つ
温度が30℃以下の不活性ガス雰囲気下で粉砕すること
を特徴とする。
【0026】中でも、粉砕の雰囲気を上述の様な不活性
ガス雰囲気下とするためには、この様なガスの流通下に
粉砕することが好ましい。流通させる不活性ガスの速度
や供給量は任意だが、例えば粉砕領域の空間体積が14
リットルの際には、直径15mmの不活性ガス供給口か
ら6000Paの圧力で供給し、直径15mmのガス排
出口より不活性ガスを排出すればよい。尚、一般的に不
活性ガスの供給口と排出口は、出来るだけ離して配置す
る。
【0027】不活性ガスの種類は任意であり、BPDA
に対して実質的に化学反応をしないなど、不活性である
ものであればよく、具体的には例えば窒素、ヘリウム、
アルゴン等の希ガス類が挙げられる。この不活性ガスの
水分含有量は200ppm以下とすることが重要であ
り、中でも150ppm以下、更には100ppm以
下、特に50ppm以下であることが好ましい。
【0028】また不活性ガスの温度を30℃以下とする
ことも重要である。ガスの温度が例えば50℃以上と高
すぎると、たとえ不活性ガスの水分含有量が少なくても
BPDA中無水物基の開環由来の水分量が上昇する場合
がある。これは温度を上げることにより、粉砕工程中に
無水物基の開環反応が進行することが考えられる。不活
性ガスの温度は30℃以下であればよいが、温度が低す
ぎると水分が凝縮する場合があるので、一般的には0〜
30℃、中でも15〜25℃とするのが好ましい。
【0029】粉砕後のBPDAの粒径は、一般的に1〜
500μm、中でも1〜200μmとすることが好まし
い。また粉砕器内に滞留する時間は5秒〜5min、中
でも5秒〜1minとすることが、吸湿を極力抑制する
という点から好ましい。
【0030】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
記載例に限定されるものではない。尚、以下の例におい
てBPDAの重合テストは、次の記載した方法によって
行ったものである。
【0031】<BPDA中の水分測定方法>三菱化学社
製 水分気化装置VA−100型及び微量水分測定装置
CA−100型を用い、測定試料1gを計量し装置にセ
ット後、昇温速度10℃/minにて210℃まで昇温
させ、自動終点後の水分値を測定する。さらに温度を2
48℃まで昇温させ、自動終点後30分間その温度を保
持する。その時の水分値がBPDA中の無水基の開環量
を示す。
【0032】<BPDA中のハーフ体の分析方法>ハー
フ体は高速液体クロマトグラフィー(以下LC)にて分
析した。ハーフ体の測定においてはBPDA試料の前処
理を行い、BPDAおよびハーフ体を各々誘導体化する
ことによりLC上の各ピークを分離、定量した。
【0033】[実施例1] (BPDAの精製)攪拌機、ジャケット、コンデンサ
ー、温度計、不活性ガス供給口を備えた縦型筒状反応器
に、BTC100重量部を仕込んだ。反応器内容物を攪
拌しながら、常圧下、215℃に加熱し、2m3/hrの
速度で窒素ガスを通し、生成する水を系外へ除去しつ
つ、脱水閉環反応を10時間継続して粗BPDAを得
た。続いて粗BPDAを300℃に昇温し、該温度で5
時間保持して粗BPDAを溶融させた。
【0034】粗BPDA溶融液を、ジャケットを備えた
縦型筒状蒸発釜に移送し、305℃、230Paの条件
下で、蒸発(揮発)させた。蒸発したBPDAは、蒸発
釜の気相部に直結するガス配管先端に配したドラム式回
転冷却器表面に接触させ、冷却析出させた。ドラム表面
に付着するBPDAの結晶は、かきとり装置によって連
続的にかきとり、フレークとして回収した。
【0035】(BPDAの粉砕)気相部に、水分含有量
が110ppm、30℃の窒素ガスを流通させた粉砕機
を用い、このフレークを粉砕した。粉砕時間は10秒で
あった。粉砕後のBPDA中のハーフ体含有量を測定し
たところ0.2%であった。また、BPDA中の水分を
上述の気化水分計を用い測定したところ、248℃まで
昇温させて測定した水分濃度が500ppmであり、2
10℃まで昇温させ測定した水分濃度が300ppmで
あった。
【0036】(BPDAの重合)攪拌機及び窒素流通管
を備えた300mlのフラスコに、上述の方法で得られ
たBPDA11.76g、ジアミノジフェニルエーテル
8g、及びN−メチル−2−ピロリドン177.84g
を入れた。窒素流通下に30℃で5.5時間攪拌して芳
香族ポリアミック酸を生成させた。反応生成液にN−メ
チル−2−ピロリドンを加えて、芳香族ポリアミック酸
濃度0.5g/100ml溶媒の溶液とし、この溶液の
粘度をウベローデ型粘度計を用いて30℃で測定した。
得られた粘度から下記式に従って対数粘度を算出した。
その結果、対数粘度は3.6であった。 対数粘度=ln(溶液粘度/溶媒粘度)/溶液濃度
【0037】[比較例1]BPDAフレーク粉砕時に、
気相部に流通させる窒素ガス中の水分量を1000pp
mとした他は、実施例1と同様に行った。粉砕後のBPDA
中のハーフ体含有量は0.35%であり、BPDA中の
水分は、248℃まで昇温させて測定した水分濃度が1
000ppmであり、210℃まで昇温させ測定し水分
濃度が800ppmであった。このBPDAを用いて実施例
1と同様に重合反応を行ったところ、得られた芳香族ポ
リアミック酸の対数粘度は2.9であり、粘度は実施例
1に対して低下していた。
【0038】[比較例2]BPDAフレーク粉砕時に、
気相部に流通させる窒素ガスの温度を50℃とした他
は、実施例1と同様に行った。粉砕後のBPDA中のハーフ
体含有量は0.6%であり、BPDA中の水分は、24
8℃まで昇温させて測定した水分濃度が500ppmで
あり、210℃まで昇温させ測定し水分濃度が100p
pmであった。このBPDAを用いて実施例1と同様に重合
反応を行ったところ、得られた芳香族ポリアミック酸の
対数粘度は2.6であり、実施例1及び比較例1に対し
て極めて低下していた。
【0039】
【発明の効果】本発明のビフェニルテトラカルボン酸二
無水物を用いることで、芳香族ポリイミドを重合した際
の分子量が向上し、優れたポリマーを得られることが出
来る。また本発明のビフェニルテトラカルボン酸二無水
物の製造方法によって、簡便な方法によって本発明のビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物を得ることが出来
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新田 誠 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 4C037 RA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビフェニルテトラカルボン酸一無水物の含
    有量が0.4%以下であることを特徴とするビフェニル
    テトラカルボン酸二無水物。
  2. 【請求項2】 20℃のビフェニルテトラカルボン酸二
    無水物を248℃まで昇温させ、248℃到達後30分
    経過するまでの総気化水分濃度が500ppm以下であ
    り、且つこの昇温過程に於いて、210℃以降の総気化
    水分濃度が、200ppm以下であることを特徴とする
    請求項1に記載のビフェニルテトラカルボン酸二無水
    物。
  3. 【請求項3】 水分含有量が200ppm以下であり、
    且つ温度が30℃以下の不活性ガス雰囲気下でビフェニ
    ルテトラカルボン酸二無水物を粉砕することを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のビフェニルテトラカルボン酸
    二無水物の製造方法。
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