JP2003335688A - ブラジキニン受容体拮抗剤 - Google Patents

ブラジキニン受容体拮抗剤

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JP2003335688A
JP2003335688A JP2002144387A JP2002144387A JP2003335688A JP 2003335688 A JP2003335688 A JP 2003335688A JP 2002144387 A JP2002144387 A JP 2002144387A JP 2002144387 A JP2002144387 A JP 2002144387A JP 2003335688 A JP2003335688 A JP 2003335688A
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Kazuma Yoshizumi
一真 吉積
Toshihiro Ono
智弘 大野
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ブラジキニン受容体拮抗作用を有し、長期間服
用しても安全で尚且つ確実な治療を行うのに充分満足で
きるような医薬や健康補助食品のような食品、化粧料を
提供する。 【解決手段】プロポリス、ケール又はそれらの抽出物を
含有するブラジキニン受容体拮抗剤、血管拡張抑制又は
血管透過性増大抑制剤、低血圧治療剤、疼痛治療剤、結
合組織増大抑制剤、髪の喪失予防治療剤、止瀉剤、平滑
筋弛緩剤、しゅさ性ざ瘡、末梢血管拡張若しくは、鼻瘤
の治療、又はケロイド形成の予防用剤、消炎鎮痛用、喘
息予防治療用、又はアレルギー性鼻炎予防治療用組成
物、これらをを含有する経口用組成物、食品、医薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ブラジキニン受容
体拮抗作用を有する血管拡張又は血管透過性の増大を治
療するための剤、低血圧を治療するための剤、疼痛を治
療するための剤、結合組織の増大を治療するための剤、
髪の喪失を治療するための剤、下痢を治療するための
剤、子宮、消化管又は気道の平滑筋収縮を治療するため
の剤、しゅさ性ざ瘡、末梢血管拡張若しくは、鼻瘤の治
療、又はケロイドの形成を予防するための剤、消炎剤、
鎮痛剤、喘息予防・治療剤及びアレルギー性鼻炎予防・
治療剤、それを含有する経口用組成物又は食品、医薬及
び化粧品に関する。
【0002】
【従来の技術】カリクレイン−キニン系は循環調節、炎
症・アレルギー、痛み、ショックなどにおいて、多くの
生理的、病態生理的役割を果たしていると考えられてい
る。
【0003】ブラジキニンは、カリクレイン(EC:3.4.
21.24)と称されるプラズマプロテアーゼによって、キ
ニノーゲン前駆物質から放出されるプラズマ由来のペプ
チドである。この9個のアミノ酸から成るペプチドは、
炎症の重要なメディエーターの一つであり、分裂促進特
性を有している。
【0004】ブラジキニンをはじめとしたキニンは、そ
れらの受容体を介して作用を示す。このキニンの受容体
は、2つの主要なサブタイプB1とB2とに分けられ
る。B2受容体は多くの組織において恒常的に発現され
ており、キニンの大部分の生理学的活性を媒介している
と考えられている。一方、B1受容体は炎症反応や組織
傷害などにより発現が誘導され、炎症反応の維持やそれ
に伴う痛みに関与していることが示唆されている。
【0005】ブラジキニンは特にB2受容体に作用し、
ケラチノサイトを含む細胞中の細胞内貯蔵部位からのカ
ルシウムの放出を生じさせることが知られている、イノ
シトール三リン酸(ip3)を含む、数多くの二次メッ
センジャー産生系を刺激する。また、ブラジキニンは、
B2受容体の活性化、細胞膜の脱分極又は過分極、並び
にアラキドン酸の代謝の活性化を通して、チロシン残基
のリン酸化を誘導する。
【0006】ブラジキニンは、非常に多くの生理的、病
理学的疾患、例えば、血管拡張および血管透過性の増
大、低血圧、疼痛あるいは結合組織の増殖に関与してい
る。血管拡張と血管透過性の増大は、とりわけ、しゅさ
性ざ瘡、末梢血管拡張又は鼻瘤に至る。さらに、結合組
織の増殖は、ケロイドの形成に結果的に至る。
【0007】また、ブラジキニンは、髪の喪失に至るプ
ロセスにおいて、ある役割を担っていると考えられてい
る。さらに、ブラジキニンは、ホスホリパーゼA2の活
性化とプロスタグランジンの形成および/又は様々な炎
症性メディエーター、サイトカイン、ロイコトリエンの
放出によって、炎症プロセスを惹起する。また、ブラジ
キニンは神経終末の刺激、子宮及び消化管と気道の平滑
筋の収縮にも関与している。また、ブラジキニンの過剰
な産生は、胃腸障害における下痢を引き起こし、アレル
ギー性鼻炎における鼻咽頭分泌を刺激する。
【0008】さらに、ブラジキニンは、様々な上皮によ
る流体分泌とイオン輸送を刺激することが知られてい
る。よって、ブラジキニン作動性拮抗剤の使用は、上述
の系を含むあらゆる化粧料及び/又は、病理学的障害、
特に神経原性などの炎症性プロセスに対する有効な選択
手段の一つとして考えられている。
【0009】そこで、現在、数多くの化合物が、ブラジ
キニン受容体拮抗剤として開発されている。例えば、合
成あるいは天然のペプチドとしては、p−グアニド−ベ
ンゾイル−[Hyp3,Thi5,D−Tic7,Oic8]−ブラジキニ
ン(S16118)(Feletou M.ら;Pharmacol. Exp. The
r.,273,1078−1084,1995)、D−Arg−[Hyp3,Thi5,
D−Tic7,Oic8]−ブラジキニン(HOE140)(Feletou M.
ら;Eur. J. Pharmacol.,274,57−64,1995)、D−Ar
g−[Hyp.3,D−Phe7]−ブラジキニン(NPC567)(シグ
マ社)、[Thi5,8,D−Phe7]−ブラジキニン(シグマ
社)などが挙げられ、近年では、非ペプチド性の拮抗薬
が主流となってきている。
【0010】しかし、これらの薬剤は、鼻炎、気管支喘
息、全身性炎症性反応症候群(Systemic inflammatory
response syndrome:SIRS)、敗血症、外傷性脳傷害な
どで評価され、ある程度のブラジキニンの関与について
示唆する役割を果たしたが、いずれも治療薬として期待
されたほどの作用は示さず、有害な副作用だけが認めら
れたことが報告されている(平山 良孝・茅切 浩;日薬
理誌,119(1),45−53,2002)。
【0011】また、天然の植物由来のブラジキニン拮抗
作用を有するものとしてバラ科植物の抽出液からなるブ
ラジキニンアンタゴニスト作用が報告されている(特開
平11−180880号公報)が、ブラジキニン拮抗作用が非常
に弱く、食品や医薬の形態での経口投与あるいは化粧料
の形態での皮膚に外用した場合、ほとんど効果を得る事
ができないと考えられる。
【0012】しかし、上述したような問題点を克服する
ような、長期間服用しても安全で尚且つ確実な治療を行
うのに充分満足できるような天然物由来の医薬品や健康
補助食品、化粧料は、現在までのところ全く開発されて
いないのが現状である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ブラ
ジキニン受容体拮抗作用を有し、長期間服用しても安全
で尚且つ確実な治療を行うのに充分満足できるような医
薬や健康補助食品のような食品、化粧料を提供すること
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した問
題点を解決するために鋭意研究を行った結果、日本で抗
癌作用や免疫賦活作用などの目的で健康補助食品に利用
されているプロポリス及び青汁と称されて搾汁を飲用し
ているアブラナ科植物のケールに、ブラジキニン受容体
拮抗作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0015】すなわち、本発明は、 1.プロポリス、ケール又はそれらの抽出物を含有する
ブラジキニン受容体拮抗剤、 2.プロポリス、ケール又はそれらの抽出物を含有する
を含有する血管拡張抑制又は血管透過性増大抑制剤、 3.プロポリス、ケール又はそれらの抽出物を含有する
低血圧治療剤、 4.プロポリス、ケール又はそれらの抽出物を含有する
疼痛治療剤、 5.プロポリス、ケール又はそれらの抽出物を含有する
結合組織増大抑制剤、 6.プロポリス、ケール又はそれらの抽出物を含有する
髪の喪失予防治療剤、 7.プロポリス、ケール又はそれらの抽出物を含有する
止瀉剤、 8.プロポリス、ケール又はそれらの抽出物を含有する
平滑筋弛緩剤、 9.子宮、消化管又は気道の平滑筋である、8記載の平
滑筋弛緩剤、 10.プロポリス、ケール又はそれらの抽出物を含有す
るしゅさ性ざ瘡、末梢血管拡張若しくは、鼻瘤の治療、
又はケロイド形成の予防用剤、 11.1記載のブラジキニン受容体拮抗剤を含む、消炎
鎮痛用、喘息予防治療用、又はアレルギー性鼻炎予防治
療用組成物、 12.1〜11記載の少なくとも1種以上を含有する経
口用組成物、 13.食品である、12記載の組成物、及び、医薬であ
る、12記載の組成物に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で使用するプロポリスは、
蜂が集めた樹脂状の黒い塊であり、ブラジル産プロポリ
ス、中国産プロポリス、オーストラリア産プロポリス、
ウルグアイ産プロポリス、日本産プロポリスなど何れの
産地のものでもよく、特に限定されるものではないが、
汎用性の面から見て、ブラジル産プロポリス、中国産プ
ロポリスが好ましい。
【0017】本発明で使用されるケール(Brassicca Ol
eracea L.var.acephala DC.)には、キッチンケール、
マローケール、ブッシュケール、ツリーケール、コラー
ド、緑葉カンランなどがある。アブラナ科の植物でもと
もと南ヨーロッパ原産の野菜であり、キャベツの原種と
いわれている。葉など通常食用として供されているもの
で構わないし、栽培方法や栽培地も特に限定されるもの
でもない。
【0018】本発明におけるプロポリス又はケールは、
プロポリス又はケール自身を乾燥させた乾燥物、その粉
砕物、超臨界抽出物、水あるいはアルコール、エーテ
ル、アセトンなどの有機溶媒による粗抽出物、および粗
抽出物を分配、カラムクロマトなどの各種クロマトグラ
フィーなどで段階的に精製して得られた抽出物画分な
ど、全てを含む。これらは単独で用いても良く、また2
種以上混合して用いても良い。
【0019】例えば、ブラジル産プロポリスの原塊乾燥
物1kgに99.5%エタノール抽出液3Lを加え、室
温で一晩浸漬することにより得た抽出液を、そのまま有
効成分として使用しても良いし、各種クロマトグラフィ
ーを組み合わせて、精製したものを使用しても良い。
【0020】抽出されたプロポリス或はケール抽出物の
溶液中のプロポリス又はケール抽出物濃度は特に制限は
ないが、15〜70質量%、好ましくは20〜60質量
%程度が好ましい。この濃度が15質量%未満では、乾
燥時に多量のエタノールや水などの溶液を蒸発させる必
要があり、70質量%を超えると溶液の粘度が高くなり
過ぎ、加工適性が悪くなる恐れがある。
【0021】これらの本発明によるプロポリス又はケー
ルの乾燥物または抽出物に、ブラジキニン受容体拮抗作
用を有することは、従来から全く知られておらず、本発
明により得られた新知見である。
【0022】プロポリス、ケール又はその抽出物は、卓
越したブラジキニン受容体拮抗作用を有しており、ブラ
ジキニンの関与する、血管拡張の抑制及び血管透過性の
増大抑制に、さらに、それにより引き起こされるしゅさ
性ざ瘡、末梢血管拡張、鼻瘤に有効である。そして、同
じくブラジキニンの関与する低血圧、疼痛の治療、結合
組織の増大抑制に使用される。ブラジキニンがその過程
においてある役割を担っている、髪の喪失の治療に、ブ
ラジキニンの過剰な産生によって引き起こされる胃腸障
害における下痢の治療、アレルギー性鼻炎における鼻咽
頭分泌刺激の抑制に有用である。すなわち、アレルギー
性鼻炎の予防、治療剤としても使用される。ブラジキニ
ンが関与する、子宮、消化管及び気道の平滑筋収縮の治
療にも使用される。結合組織の増殖により導かれるケロ
イドの形成を予防するためにも使用される。炎症プロセ
スは、ブラジキニンによって惹起されるので、ブラジキ
ニン受容体拮抗剤は、消炎剤、鎮痛剤として、喘息の予
防、治療に使用できる。これらは、食品又は医薬として
使用可能である。
【0023】プロポリス、ケール又はその抽出物を、血
管拡張抑制及び血管透過性増大抑制、低血圧治療、疼痛
治療、結合組織増大抑制、髪の喪失の予防、治療、下痢
治療、子宮、消化管及び気道の平滑筋弛緩のような平滑
筋弛緩、しゅさ性ざ瘡、末梢血管拡張、鼻瘤の治療、あ
るいはケロイド形成の予防、消炎、鎮痛、喘息の予防、
治療、アレルギー性鼻炎の予防、治療作用を有する食品
又はそのような医薬として製造することができる。
【0024】医薬としての適用方法は、経口投与又は非
経口投与のいずれも採用することができる。投与に際し
ては、有効成分を経口投与、直腸内投与、注射などの投
与方法に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と混合
して、慣用の医薬製剤の形態で投与することができる。
このような製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散
剤、カプセル剤などの固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤な
どの液剤、凍結乾燥製剤などが挙げられ、これらの製剤
は製剤上の常套手段により調製することができる。上記
の医薬用無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳
糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪
酸グリセリド、ポリエチレングルコール、ヒドロキシエ
チルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、ア
ルブミン、水、生理食塩水などが挙げられる。また、必
要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張
化剤などの慣用の添加剤を適宜添加することもできる。
【0025】食品としては、そのまま、又は種々の栄養
成分を加えて、若しくは飲食品中に含有せしめて、それ
ぞれの疾病や症状の予防・治療に有用な保健用食品又は
食品素材として食される。例えば、上述した適当な助剤
を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形
態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペースト
などに成形して食用に供してもよく、また種々の食品、
例えば、ハム、ソーセージなどの食肉加工食品、かまぼ
こ、ちくわなどの水産加工食品、パン、菓子、バター、
粉乳、発酵乳製品に添加して使用したり、水、果汁、牛
乳、茶、清涼飲料などの飲料に添加して使用してもよ
い。
【0026】本発明のプロポリスの有効投与量は、患者
の年齢、体重、症状、患者の程度、投与経路、投与スケ
ジュール、製剤形態、素材の阻害活性の強さなどによ
り、適宜選択・決定されるが、例えば、経口投与の場
合、一般に1日当たり乾燥重量として10〜500mg
/kg体重程度、好ましくは、1日当たり150〜35
0mg/kg体重程度とされ、1日に数回に分けて投与
してもよい。また、ケールの投与量としては、乾燥重量
として、通常成人換算で0.1kg/体重kg以上であ
り、1日に数回に分けて投与してもよい。
【0027】また、プロポリス、ケール又はその抽出物
を含有する皮膚外用剤、化粧料として適用できる。髪の
喪失、しゅさ性ざ瘡、鼻瘤の治療、あるいはケロイドの
形成の予防及び/又は治療剤含有化粧料または化粧料素
材として使用する場合、例えば、中国産プロポリスの乾
燥物あるいは抽出物を小麦胚芽油あるいはオリーブ油に
添加してブラジキニン受容体拮抗作用剤含有組成物と
し、これを化粧料素材として使用することができる。本
発明のケールの乾燥物または抽出物の添加量は、特に限
定されるものではないが、一例としてあげると、小麦胚
芽油あるいはオリーブ油の重量に対して0.1質量%以
上60質量%以下、好ましくは、0.5質量%以上50
質量%以下が適当である。
【0028】また、上記のブラジキニン受容体拮抗作用
剤含有組成物を直接、化粧料成分として使用し、ブラジ
キニン受容体拮抗作用を有する化粧料を製造することが
できる。化粧料には、植物油のような油脂類、高級脂肪
酸、高級アルコール、シリコーン、アニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界
面活性剤、防腐剤、糖類、金属イオン封鎖剤、水溶性高
分子のような高分子、増粘剤、粉体成分、紫外線吸収
剤、紫外線遮断剤、ヒアルロン酸のような保湿剤、香
料、pH調整剤、乾燥剤等を含有させることができる。
ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロ
ール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等
の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもでき
る。
【0029】化粧料としては、化粧水、乳液、クリー
ム、パック等の皮膚化粧料、メイクアップベースローシ
ョン、メイクアップクリーム、乳液状又はクリーム状あ
るいは軟膏型のファンデーション、口紅、アイカラー、
チークカラーといったメイクアップ化粧料、ハンドクリ
ーム、レッグクリーム、ボディローション等の身体用化
粧料等、入浴剤、口腔化粧料、毛髪化粧料とすることが
できる。本発明の方法で得られるブラジキニン受容体拮
抗作用剤含有組成物を含有せしめた化粧料としては、機
能面からは、例えば乳液、化粧液、フェイスクリーム、
ハンドクリーム、ローション、エッセンス、シャンプ
ー、リンスなどが好ましい。
【0030】このような化粧料は、常法に従って製造す
ることができる。化粧料における本発明のプロポリスの
乾燥物または抽出物の添加量は、特に限定されるもので
はないが、一例としてあげると、化粧料全質量の0.0
1質量%以上20質量%以下程度が適当である。
【0031】プロポリス及びケールは、天然物であるた
めその毒性は低く、例えばケールのエタノール抽出物を
毎日1000mg/kg、100日間という長期間に亘って
ラットに経口投与しても、死亡例は認められず、体重変
化も観察されなかった。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて、具体的に説明する
が、これに限定されるものではない。
【0033】[製造例1]ブラジル産及び中国産プロポ
リス原塊それぞれ10gに99.5%エタノール(和光
純薬工業)3Lを加え、50℃で一晩浸漬した後、ロー
タリーエバポレーターにてエタノールを除去することに
より、プロポリス抽出物をそれぞれ324mg、216
mgを得た。
【0034】[製造例2]ケールの葉を90℃で乾燥さ
せ、苦みの渋味成分となる酵素を失活させた。その粉砕
物4kgを電熱式水浴機で加熱還流しながら、99.5
%エタノール(和光純薬工業)20Lを用いて抽出を行
い、ケール抽出物80gを得た。
【0035】[実施例1]モルモット回腸由来ブラジキ
ニンII型受容体への結合試験評価は、Y.−J.I.J
ONGらの方法(Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,90,10994−10998(199
3))を一部改変して行った。
【0036】すなわち、6週齢の雄性モルモット(日本
チャールズリバー)より摘出した回腸を、4℃下で、ダ
ルベコのリン酸塩緩衝液(以下、PBSと略す)も用い
て3回洗浄し、次ぎに、1mM トリス緩衝液(pH
7.5)用いて1回洗浄し、そして、1mM トリス緩
衝液(pH7.5)3ml中で10分間、膨潤させた。
その後、ホモジネート用緩衝液(10mM 塩化ナトリ
ウム、2mM EGTA、2mM 塩化マグネシウム及び
プロテアーゼ阻害剤(100μM フェニルメタンスル
ホニルフルオライド、16.8μM ロイペプチン、4
μg/ml キモステイン、5.8μM ペプステイン、
6.6μM アンチパイン、トリプシンインヒビター
0.08units アプロチニン/ml、10mM ベ
ンズアミジン、0.25mg/ml 大豆トリプシンイ
ンヒビター及び5mM ε−アミノカプロン酸)から成
る)10mM HEPES緩衝液、以下、緩衝液Hと略
す)(pH7.5)9mlを添加し、B Dounce
ホモジナイザーを用いてホモジナイズした。このホモジ
ネートを50×gで5分間遠心分離し、得られた上清を
さらに、47000×gで30分間、遠心分離した。そ
して得られた膜画分を、上述の緩衝液Hを用いて再懸濁
させた。
【0037】50μl中にタンパク質量が150−20
0μgに調整した膜画分と0.03nMのトリチウム標
識したブラジキニン(DuPont社製;70−107
Ci/mmol;1Ci=37GBq、以下、[H]
BKと略す)、製造例1及び2で得られた各プロポリス
抽出物及びケール抽出物500μg/mlと結合緩衝液
100μlに100μM グアノシン 5'−[γ−チ
オ]トリリン酸(Boehringer Mannhe
im社製、以下、GTP[γ−S]と略す)の存在化で
22℃で90分間インキュベーションさせた。その後、
氷冷した50mMトリス緩衝液(pH7.1)3mlを
添加して反応を停止し、0.3% ポリエチレンイミン
水溶液を用いて予め処理しておいたガラスファイバーフ
ィルター(Schleicher & Schuell社
製 No.31)を用いてろ過し、同緩衝液3mlを用
いて洗浄した後、シンチレーションカウンター(Pac
kard Model 2425、30−40% eff
iciency)により測定し、下記式により阻害率
(%)を算出した。 阻害率(%)=100−〔(C−B)/(C0
B)〕×100 (式中、C1 は、既知量の供試化合物と[H]標識ブ
ラジキニンが共存している状態での[H]標識ブラジ
キニンの膜に対する結合量を表わし、C0 は、供試化合
物を除いた時の[H]標識ブラジキニンの膜に対する
結合量を表わし、Bは、過剰のブラジキニン(1×10
−6M)存在下での[H]標識ブラジキニンの膜に対
する結合量を表わす。)
【0038】また、すでにブラジキニン受容体拮抗作用
が報告されている植物であるバラ属ガリカ種の抽出液に
ついても同様に測定したので、併せて表1に示した。な
お、1μM 非放射標識ブラジキニンの存在化での[
H]BK非特異的結合は、常に全結合の25%以下であ
った。
【0039】本反応系におけるブラジキニン受容体拮抗
剤であるD−Arg−[Hyp.3,D−Phe7]−ブラジキニン(N
PC567)(シグマ社)のIC50値(結合を50%
阻害する濃度)は、5.8nMであった。
【0040】
【表1】
【0041】以下に処方例を示す。 [錠剤の製造]製造例1で得られたブラジル産プロポリ
スのエタノール抽出物を用いて、常法に従って、下記の
組成の錠剤を製造した。 (組 成) (配合:質量%) ブラジル産プロポリス抽出物 24 乳糖 63 コーンスターチ 12 グァーガム 1
【0042】[ジュースの製造]製造例2で得られたケ
ールのエタノール抽出物を用いて、常法に従って、下記
の組成のジュースを製造した。 (組 成) (配合:質量%) 冷凍濃縮温州みかん果汁 5.0 果糖ブドウ糖液糖 11.0 クエン酸 0.2 L−アスコルビン酸 0.02 香料 0.2 色素 0.1 ケール抽出物 0.2 水 83.28
【0043】[フェイスクリームの製造]製造例1で得
られた中国産プロポリスのエタノール抽出物を用いて、
常法に従って、下記の組成のフェイスクリームを製造し
た。 (組 成) (配合:質量%) イソステアリン酸イソプロピル 8.0 ホホバ油 6.0 セタノール 8.0 ステアリルアルコール 2.0 ポリオキシエチレンラウリルエーテル 1.5 プロピレングリコール 6.0 ソルビトール 1.0 パラベン 0.4 中国産プロポリス抽出物 0.5 ビタミンE 0.5 香料 0.1 精製水 66.0
【0044】
【発明の効果】プロポリス、ケール又はその抽出物が、
ブラジキニン拮抗作用を有することから、これらを含有
する食品又は医薬は、血管拡張又は血管透過性の増大を
治療するための剤、低血圧を治療するための剤、疼痛を
治療するための剤、結合組織の増大を治療するための
剤、髪の喪失を治療するための剤、下痢を治療するため
の剤、子宮、消化管又は気道の平滑筋収縮を治療するた
めの剤、しゅさ性ざ瘡、末梢血管拡張若しくは、鼻瘤の
治療、又はケロイドの形成を予防するための剤、消炎
剤、鎮痛剤、喘息予防・治療剤、又はアレルギー性鼻炎
予防・治療に有用である。これらは、長期にわたって適
用しても安全である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/48 A61K 7/48 35/78 35/78 C A61P 1/00 A61P 1/00 1/12 1/12 9/00 9/00 9/02 9/02 11/00 11/00 11/02 11/02 11/06 11/06 15/00 15/00 17/02 17/02 17/10 17/10 17/14 17/14 19/04 19/04 21/02 21/02 29/00 29/00 37/08 37/08 43/00 111 43/00 111 Fターム(参考) 4C083 AA071 AA072 AA111 AA112 AA122 AC072 AC122 AC132 AC182 AC352 AC482 AD662 BB41 CC05 CC37 DD31 EE07 EE14 EE22 4C087 AA01 AA02 BB22 CA06 MA02 MA28 MA35 MA52 MA63 NA14 ZA08 ZA34 ZA36 ZA43 ZA59 ZA66 ZA89 ZA92 ZA94 ZA96 ZB13 ZC42 4C088 AB15 AC05 BA08 BA09 BA10 CA03 MA28 MA35 MA52 MA63 NA14 ZA08 ZA34 ZA36 ZA43 ZA59 ZA66 ZA89 ZA92 ZA94 ZA96 ZB13 ZC42

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロポリス、ケール又はそれらの抽出物
    を含有するブラジキニン受容体拮抗剤。
  2. 【請求項2】 プロポリス、ケール又はそれらの抽出物
    を含有する血管拡張抑制又は血管透過性増大抑制剤。
  3. 【請求項3】 プロポリス、ケール又はそれらの抽出物
    を含有する低血圧治療剤。
  4. 【請求項4】 プロポリス、ケール又はそれらの抽出物
    を含有する疼痛治療剤。
  5. 【請求項5】 プロポリス、ケール又はそれらの抽出物
    を含有する結合組織増大抑制剤。
  6. 【請求項6】 プロポリス、ケール又はそれらの抽出物
    を含有する髪の喪失予防治療剤。
  7. 【請求項7】 プロポリス、ケール又はそれらの抽出物
    を含有する止瀉剤。
  8. 【請求項8】 プロポリス、ケール又はそれらの抽出物
    を含有する平滑筋弛緩剤。
  9. 【請求項9】 子宮、消化管又は気道の平滑筋である、
    請求項8記載の平滑筋弛緩剤。
  10. 【請求項10】 プロポリス、ケール又はそれらの抽出
    物を含有するしゅさ性ざ瘡、末梢血管拡張若しくは、鼻
    瘤の治療、又はケロイド形成の予防用剤。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のブラジキニン受容体拮
    抗剤を含む、消炎鎮痛用、喘息予防治療用、又はアレル
    ギー性鼻炎予防治療用組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11記載の少なくとも1種
    以上を含有する経口用組成物。
  13. 【請求項13】 食品である、請求項12記載の組成
    物。
  14. 【請求項14】 医薬である、請求項12記載の組成
    物。
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