JP2003335065A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2003335065A
JP2003335065A JP2002148784A JP2002148784A JP2003335065A JP 2003335065 A JP2003335065 A JP 2003335065A JP 2002148784 A JP2002148784 A JP 2002148784A JP 2002148784 A JP2002148784 A JP 2002148784A JP 2003335065 A JP2003335065 A JP 2003335065A
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optical
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Application number
JP2002148784A
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Hiroko Tashiro
浩子 田代
Kazunori Ito
和典 伊藤
Masato Harigai
眞人 針谷
Miki Mizutani
未来 水谷
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DVD-ROMと同容量以上の高密度記録が可能で
あり、記録線速度が1.0倍速〜10倍速以上の範囲におい
ても、十分な変調度が確保され、かつ保存信頼性が高
く、繰り返し記録特性が良好な光記録媒体を提供するこ
と。 【解決手段】 相変化記録材料からなる記録層を少なく
とも備えた光記録媒体1において、記録層4は、少なく
とも1つの準安定結晶相を含む単数または複数の結晶相
を有する結晶化状態とアモルファス相からなるアモルフ
ァス状態との間の相転移における光学的性質の変化を利
用して情報の記録を行うものであり、かつ記録層4の組
成が、組成式MnαSbβで表され、なおかつαおよびβは
それぞれ原子比率で5≦α≦35および65≦β≦95の範囲
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ビームを照射す
ることにより記録層に光学的な変化を生じさせ、情報の
記録、再生を行ない、かつ書換えが可能な相変化型の光
記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特公平3-55892号公報には、Ga10〜60at
%およびSb40〜90at%の合金からなる記録層を備えた光
記録媒体が開示されている。この従来技術は、結晶−結
晶状態間の相変化で起こる反射率の変化を利用し、情報
の記録、再生、消去、再記録を行なう光記録媒体に関す
るものである。なお該公報には、どのような記録層の結
晶構造変化によって異なった反射率の結晶相が得られる
かは記載されていないが、本発明者らが検討を行なった
結果、結晶−結晶状態間の相変化は、結晶粒径が異なる
GaSb結晶およびSb結晶の2つの相の間の相変化であり、
それぞれの結晶の存在比の相違により反射率が変わるこ
とを利用していることが判明した。しかしながら、この
従来技術では、書きこみ(溶融)、消去を繰り返すこと
によりGaSb結晶とSb結晶の相分離がさらに進むため、安
定した繰り返し特性を得ることができないという欠点が
ある。また、反射率が70%近いため、変調度が小さくな
る等の問題点もある。
【0003】また本発明者らは、SbTeを必須元素とし、
これにAg、Au、Cu、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P
b、N、P、Bi、La、Ce、GdおよびTbから選択した元素を
添加してなる相変化型記録層を有し、この記録層がレー
ザー光の照射により結晶相からアモルファス相へ変化す
ることにより情報の記録を行うことを特徴とする光記録
媒体を提案した(特開2000-322740号公報)。この技術
は、DVD-ROMと同容量以上の高密度記録が可能であり、
しかもこの2倍速以上(約7m/s以上)をカバーでき、具体
的には3.0m/sから14m/sの範囲の記録線速度で高速記
録が可能な相変化型光記録媒体を提供することができ
る。さらに特開2000-322740号公報は、前記相変化型光
記録媒体を用い、これに記録マークを形成する際、レー
ザー光の発光波形を複数のオンパルスとこれに続くオフ
パルスからなる記録パルス列とし、内周から外周あるい
は外周から内周へ記録半径位置に対応して連続的に記録
周波数ν(ν=1/Tw;Twはウインドウ幅)を変化
させて記録する光記録媒体の記録方法も提案している。
【0004】一方、現在のDVD系の光記録媒体に関して
は、2.5倍速(記録線速度=約8.5m/s)において記録可
能なシステムがすでに市販され、さらに高速記録の要求
が高まってきている。前記の特開2000-322740号公報に
開示された技術では、具体例としてAgInSbTe記録層を採
用し、前記要求を満たしている。AgInSbTe系の記録層
は、不均一核生成によりマークの端から結晶化が進むた
め、マークとスペースのエッジがシャープであり、エッ
ジ記録には最適な材料系である。これに対し、DVD-RAM
で使用されているGeSbTe系の記録層は均一核生成により
結晶化が起こる。不均一核生成による結晶過程はマーク
サイズによってマーク全部を結晶化させる時間が変わる
ため、高密度化が進みマークサイズが小さくなればなる
ほど、不均一核生成の材料系の方が高速化には有利とな
る。このような理由から、GeSbTe系の記録層よりもAgIn
SbTe系の記録層の方が高速記録には有利であるが、次世
代の高速記録の要求をいまだ満たすことはできない。ま
た、AgInSbTe系の記録層としては、高速記録に対応する
ために、Sbの含有量をCD-RW対応の記録層より多くした
ものが用いられているが、Sbの含有量を多くすると結晶
化速度は促進されるものの、結晶化温度が低下するとい
う問題がある。結晶化温度の低下は、保存信頼性の悪化
につながることが実験により確認されている。光記録媒
体の保存信頼性の悪化の問題は、AgInSbTe系の記録層中
のAg量を増加させたり、あるいはGe等の第5元素を添加
したりして、実用上問題にならない程度に抑えている
が、さらなる高速記録を達成するためにSb量をさらに増
加すると、ついにはSbとその他の相に分相してしまい記
録層は相変化層として機能しなくなってしまう。このと
きの限界記録速度はDVDの記録密度において20 m/s前後
と本発明者らは推定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、DVD-ROMと同容量以上の高密度記録が可能であ
り、記録線速度が1.0倍速〜10倍速以上(約35m/s以
上)の範囲においても、十分な変調度が確保され、かつ
保存信頼性が高く、繰り返し記録(DOW)特性が良好な
光記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは検討の結
果、MnおよびSbの共晶組成近傍の組成を有する相変化記
録材料を記録層として用いることにより、前記目的が達
成されることを見出し、本発明を完成することができ
た。
【0007】請求項1の発明は、相変化記録材料からな
る記録層を少なくとも備えた光記録媒体において、前記
記録層は、少なくとも1つの準安定結晶相を含む単数ま
たは複数の結晶相を有する結晶化状態とアモルファス相
からなるアモルファス状態との間の相転移における光学
的性質の変化を利用して情報の記録を行うものであり、
かつ前記記録層の組成が、組成式MnαSbβで表され、な
おかつαおよびβはそれぞれ原子比率で5≦α≦35およ
び65≦β≦95の範囲であることを特徴とする光記録媒体
である。請求項2の発明は、前記単数または複数の結晶
相が、菱面体結晶系であるとともに空間群R-3mに属する
結晶であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒
体である。請求項3の発明は、前記記録層に、さらにG
e、Ga、In、Ag、Zn、BiおよびTeからなる群から選ばれ
た少なくとも一つの元素が添加されていることを特徴と
する請求項1に記載の光記録媒体である。請求項4の発
明は、前記菱面体結晶系の結晶面の各サイトの原子の種
類がランダムに存在することを特徴とする請求項2に記
載の光記録媒体である。請求項5の発明は、前記記録層
において、昇温速度10℃/分での結晶化温度が150〜220
℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の光
記録媒体である。請求項6の発明は、前記記録層の活性
化エネルギーが2.0〜3.5eVであることを特徴とする請求
項1または2に記載の光記録媒体である。請求項7の発
明は、前記記録層の融点が550〜650℃であることを特徴
とする請求項1または2に記載の光記録媒体である。請
求項8の発明は、前記結晶化状態が、不均一核生成によ
り生じることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体
である。請求項9の発明は、光記録媒体が、基板上に少
なくとも下部保護層、記録層、上部保護層および反射層
をこの順で積層し、レーザ光の照射により情報の記録を
行うものであり、前記各層の膜厚が、レーザ光の波長を
λ(nm)とした場合、 下部保護層厚t1(nm): 0.070 ≦t1/λ≦ 0.16 記録層厚t2(nm) : 0.015 ≦t2/λ≦ 0.032 上部保護層t3(nm) : 0.011 ≦t3/λ≦ 0.040 反射層t4(nm) : 0.10 ≦t4/λ を満足することを特徴とする請求項1に記載の光記録媒
体である。請求項10の発明は、前記反射層の熱伝導率
が150W・m-1・K〜450 W・m-1・Kの範囲にあることを特
徴とする請求項9に記載の光記録媒体である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに説明する。
前記のように本発明の光記録媒体は、相変化記録材料か
らなる記録層を少なくとも備え、この記録層は、少なく
とも1つの準安定結晶相を含む単数または複数の結晶相
を有する結晶化状態とアモルファス相からなるアモルフ
ァス状態との間の相転移における光学的性質の変化を利
用して情報の記録を行うものである。そして記録層の組
成が、組成式MnαSbβで表され、なおかつαおよびβは
それぞれ原子比率で5≦α≦35および65≦β≦95の範囲
であることを特徴としている。
【0009】前記結晶相としては、菱面体結晶系である
とともに空間群R-3mに属する準安定結晶相であることが
望ましい。このような本発明の光記録媒体は、AgInSbTe
系と同様な結晶化過程をもちつつ高速結晶化が可能であ
り、MnおよびSbのみからなる2元材料でも約35m/sまで
の高速記録において充分な変調度を得られることが確認
された。なお、前記菱面体結晶系であるとともに空間群
R-3mに属する準安定結晶相は、初期結晶化時にレーザー
ビームにより記録層を加熱溶融し、その後の冷却速度を
調整することにより得ることが出来る。例えば該冷却速
度は、冷却速度20K/ns以下が例示される。
【0010】また、前記菱面体結晶系であるとともに空
間群R-3mに属する準安定結晶相は、MnSb比が特定した範
囲内であれば他の元素を添加しても基本的な結晶構造は
変わらない。したがって、必要に応じてその他の元素を
添加し、所望の特性を向上させることができる。このよ
うな添加元素としては、例えばGe、Ga、In、Ag、Zn、Bi
およびTeからなる群から選ばれた少なくとも一つの元素
が挙げられ、添加量は例えば記録層に対して0〜5at
%である。特にGe、In、Agは保存信頼性をさらに向上さ
せ、Ga、In、Zn、Biはさらなる高速結晶化を可能にし、
Teはアモルファス化を促進する効果がある。このような
効果が得られる理由は現在解析中であるが、結晶とアモ
ルファスそれぞれの各元素の局所構造によって決まるも
のと思われる。また、前記のような準安定結晶相である
Mn-SbまたはMn-Sb-M(式中、MはGe、Ga、In、Ag、Zn、Bi
およびTeからなる群から選ばれた少なくとも一つの元素
である)固溶体単相である光記録媒体を用いると、相分
離がおこることなく一層安定かつ良好な繰り返し記録特
性を達成できることがわかった。
【0011】また、前記菱面体結晶系であるとともに空
間群R-3mに属する準安定結晶相は、結晶面の各サイトの
原子の種類がランダムに存在する結晶構造であれば、各
原子の移動距離が最短ですむため、結晶化を高速に行な
うことができ好ましい。
【0012】さらに本発明によれば、昇温速度10℃/分
での結晶化温度が150〜220℃である記録層を採用するこ
と;活性化エネルギーが2.0〜3.5eVである記録層を採用
すること;融点が550〜650℃である記録層を採用するこ
と;のいずれかまたはこれらの組み合わせによって、保
存信頼性を一層高めることができる。また繰り返し記録
特性も向上する。
【0013】また本発明における記録層は、結晶化状態
が不均一核生成により生じることが確認された。したが
って、従来のAgInSbTe系の記録層と同様に、マークエッ
ジがシャープで制御性の良いアモルファスマークを形成
することができ、高密度化が進むほど高速記録に有利と
なる。
【0014】図1は、本発明の光記録媒体を説明するた
めの断面図である。図1において、光記録媒体1は、基
板2上に下部保護層3、記録層4、上部保護層5および
反射層6がこの順で積層されている。そして例えばレー
ザー光の照射により記録層4にアモルファスマーク41
が形成され、情報の記録を行うことができる。なお必要
に応じて反射層6上に公知の環境保護層7を設けること
もできる。このような構成を有する光記録媒体は、とく
に十分な変調度の確保と、繰り返し記録特性の向上を提
供することができ好ましい。また、前記各層の膜厚が、
レーザ光の波長をλ(nm)とした場合、 下部保護層厚t1(nm): 0.070 ≦t1/λ≦ 0.16 記録層厚t2(nm) : 0.015 ≦t2/λ≦ 0.032 上部保護層t3(nm) : 0.011 ≦t3/λ≦ 0.040 反射層t4(nm) : 0.10 ≦t4/λ を満足することにより、さらに十分な変調度の確保と、
繰り返し記録特性の向上を提供でき好ましい。
【0015】本発明の光記録媒体において、基板2の材
料は、例えばガラス、セラミックス、樹脂等が挙げられ
るが、樹脂製の基板が成形性、コストの点から好適であ
る。該樹脂の代表例としては、ポリカーボネート樹脂、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アク
リロニトリルースチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられるが、加工
性、光学特性等の点から透明樹脂であるポリカーボネー
ト樹脂が好ましい。また、基板2の形状は、ディスク
状、カード状またはシート状のいずれであってもよい。
下部保護層3および上部保護層5の材料としては、Si
O、SiO2、ZnO、SnO2、Al 2O3、TiO2、In2I3、MgO、ZrO2
等の金属酸化物、Si3N4、AlN、TiN、BN、ZrN等の窒化
物、ZnS、In2S3、TaS4等の硫化物、SiC、TaC、B4C、W
C、TiC、ZrC等の炭化物、ダイヤモンド状カーボンある
いはそれらの混合物等があげられる。これらの材料は、
単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物とし
てもよい。また、必要に応じて不純物を含んでもよい。
ただし、下部保護層3および上部保護層5の融点は記録
層4よりも高いことが必要である。このような下部保護
層3および上部保護層5の材料は、各種気相成長法、た
とえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD
法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸
着法等によって成膜することができる。なかでも、スパ
ッタリング法が量産性、膜質等に優れている。反射層6
としては、Al、Au、Ag、Cu等の金属材料、またはそれら
の合金等を用いることができるが、特に熱伝導率が150W
・m-1・K〜450 W・m-1・Kの範囲にある材料を用いるこ
とにより、変調度を大きくすることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明について実施例を上げて説明す
る。下記表1に示した記録層組成の合金ターゲットを用
いて、スパッタリング法によりガラス基板上に記録層を
約200nm堆積させ、波長810nm、ビーム径100×1μmの半
導体レーザにより記録層を加熱し、その後の冷却速度を
10K/nsとして冷却を行い、初期結晶化を行った。この
ようにして得られたサンプルを用い、X線回折法により
結晶構造を、熱分析により結晶化温度を調べた。また結
晶化状態とアモルファス状態との間の相転移時の活性化
エネルギーおよび融点を調べた。X線回折スペクトル
は、菱面体結晶構造により指数付けすることができた。
下記表1から明らかなように、本発明における記録層は
すべて菱面体結晶構造であるのに対し、比較例の記録層
は閃亜鉛鉱構造または閃亜鉛鉱構造と他の結晶構造の2
相構造であった。本発明における記録層は、昇温速度10
℃/分での結晶化温度が150〜220℃であり、結晶化温度
から求めた活性化エネルギーが2.0〜3.5eVであり、かつ
融点が550〜650℃の範囲であった。比較例の記録層は融
点および結晶化温度が高く、初期結晶化が非常に困難で
あった。
【0017】
【表1】
【0018】次に図1に示すような本発明の光記録媒体
を作製した。トラックピッチ0.74μm、溝深さ400Å、厚
さ0.6mm、直径120mmφのポリカーボネート基板2上に、
厚さ75nmの下部保護層3、厚さ16nmの記録層4、厚さ12
nmの上部保護層5、厚さ150nmの反射層6をスパッタリ
ング法により順次設けた。なお、下部保護層3および上
部保護層5は、SiO2が20mol%のZnS-SiO2混合ターゲッ
トを用い、記録層4は、表1に示した組成のターゲット
を用い、反射層6はAg-Pd(1at%)-Cu(1at%)ターゲット
を用いた。なお、反射層の熱伝導率は、410W・m-1
Kであった。さらに反射層6上に、スピンコート法によ
り厚さ30μmのUV硬化樹脂からなる環境保護層を設
けた。得られた積層体の初期結晶化は、前記のようにし
て波長810nmの半導体レーザを用いて行なった。このよ
うにして得られた光記録媒体について、波長660nm、対
物レンズ0.65のピックアップヘッドを用い、記録線速、
記録パワーを8.5m/s(14mW)、17.5m/s(18mW)、35m/s
(28mW)の3種類とし、EFMランダムパターンでオーバー
ライトの繰り返しを行ない、3T信号のジッタ値で記録マ
ークの再生信号を評価した。また、保存信頼性は、初期
記録した光記録媒体を80℃85%RHで300時間保存した後
の初期記録マークの3T再生信号のジッタ値で評価した。
その結果を表2および3に示す。表2および3から明ら
かなように、本発明の光記録媒体は、8.5m/s、 17.5m
/s、 35m/sの広い範囲の記録線速、特に従来技術では
困難であった17m/sを超える記録線速においてもオーバ
ーライトが可能で、その再生信号のジッタ値と変調度が
良好であり、保存信頼性と繰り返し記録特性に優れてい
ることがわかる。一方比較例1、2の光記録媒体では、
結晶化温度が高すぎるため初期結晶化がしにくく初回記
録でのジッタから悪いことが分かった。また比較例3で
は、8.5m/sでは記録特性は良好であるが、17.5、 35m
/sでは記録することができないことが分かった。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【発明の効果】請求項1の発明は、相変化記録材料から
なる記録層を少なくとも備えた光記録媒体において、前
記記録層は、少なくとも1つの準安定結晶相を含む単数
または複数の結晶相を有する結晶化状態とアモルファス
相からなるアモルファス状態との間の相転移における光
学的性質の変化を利用して情報の記録を行うものであ
り、かつ前記記録層の組成が、組成式MnαSbβで表さ
れ、なおかつαおよびβはそれぞれ原子比率で5≦α≦3
5および65≦β≦95の範囲であることを特徴とする光記
録媒体であるので、DVD-ROMと同容量以上の高密度記録
が可能であり、記録線速度が1.0倍速〜10倍速以上(約3
5m/s以上)の範囲においても、十分な変調度が確保さ
れ、かつ保存信頼性が高く、繰り返し記録(DOW)特性
が良好な光記録媒体が提供される。このような本発明の
光記録媒体によれば、例えばユーザーがコンテンツの入
力を行う際に短時間の記録が可能となる。また、システ
ムによってはリアルタイムに再生しながら記録を行うこ
とが可能となり、記録システムの利便性が向上する。請
求項2の発明は、前記単数または複数の結晶相が、菱面
体結晶系であるとともに空間群R-3mに属する結晶である
ことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体であるの
で、DVD-ROMと同容量以上の高密度記録が可能であり、
記録線速度が1.0倍速〜10倍速以上(約35m/s以上)の
範囲においても、十分な変調度が確保され、かつ保存信
頼性が高く、繰り返し記録(DOW)特性が良好な光記録
媒体が提供される。請求項3の発明は、前記記録層に、
さらにGe、Ga、In、Ag、Zn、BiおよびTeからなる群から
選ばれた少なくとも一つの元素が添加されていることを
特徴とする請求項1に記載の光記録媒体であるので、保
存信頼性、高速結晶化およびアモルファス化をさらに向
上させることができる。請求項4の発明は、前記菱面体
結晶系の結晶面の各サイトの原子の種類がランダムに存
在することを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体で
あるので、さらなる高速記録を達成することができる。
請求項5の発明は、前記記録層において、昇温速度10℃
/分での結晶化温度が150〜220℃であることを特徴とす
る請求項1または2に記載の光記録媒体であるので、保
存信頼性をさらに高めることができる。請求項6の発明
は、前記記録層の活性化エネルギーが2.0〜3.5eVである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体
であるので、保存信頼性をさらに高めることができる。
請求項7の発明は、前記記録層の融点が550〜650℃であ
ることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒
体であるので、保存信頼性をさらに高めることができ
る。請求項8の発明は、前記結晶化状態が、不均一核生
成により生じることを特徴とする請求項1に記載の光記
録媒体であるので、マークエッジがシャープで制御性の
良いアモルファスマークを形成することができる。請求
項9の発明は、光記録媒体が、基板上に少なくとも下部
保護層、記録層、上部保護層および反射層をこの順で積
層し、レーザ光の照射により情報の記録を行うものであ
り、前記各層の膜厚が、レーザ光の波長をλ(nm)とし
た場合、 下部保護層厚t1(nm): 0.070 ≦t1/λ≦ 0.16 記録層厚t2(nm) : 0.015 ≦t2/λ≦ 0.032 上部保護層t3(nm) : 0.011 ≦t3/λ≦ 0.040 反射層t4(nm) : 0.10 ≦t4/λ を満足することを特徴とする請求項1に記載の光記録媒
体であるので、変調度を大きくすることができ、繰り返
し記録特性も向上する。請求項10の発明は、前記反射
層の熱伝導率が150W・m-1・K〜450 W・m-1・Kの範囲に
あることを特徴とする請求項9に記載の光記録媒体であ
るので、変調度を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体を説明するための断面図で
ある。
【符号の説明】 1 光記録媒体 2 基板 3 下部保護層 4 記録層 5 上部保護層 6 反射層 7 環境保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 B41M 5/26 X (72)発明者 針谷 眞人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 水谷 未来 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H111 EA04 EA23 EA32 EA36 FA01 FA12 FA14 FB05 FB09 FB10 FB12 FB16 FB17 FB19 FB21 FB30 5D029 JA01 JB18 JB35 JB47 JC09 JC11 LB07 MA14 MA17

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相変化記録材料からなる記録層を少なく
    とも備えた光記録媒体において、前記記録層は、少なく
    とも1つの準安定結晶相を含む単数または複数の結晶相
    を有する結晶化状態とアモルファス相からなるアモルフ
    ァス状態との間の相転移における光学的性質の変化を利
    用して情報の記録を行うものであり、かつ前記記録層の
    組成が、組成式MnαSbβで表され、なおかつαおよびβ
    はそれぞれ原子比率で5≦α≦35および65≦β≦95の範
    囲であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記単数または複数の結晶相が、菱面体
    結晶系であるとともに空間群R-3mに属する結晶であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記記録層に、さらにGe、Ga、In、Ag、
    Zn、BiおよびTeからなる群から選ばれた少なくとも一つ
    の元素が添加されていることを特徴とする請求項1に記
    載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記菱面体結晶系の結晶面の各サイトの
    原子の種類がランダムに存在することを特徴とする請求
    項2に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記記録層において、昇温速度10℃/分
    での結晶化温度が150〜220℃であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記記録層の活性化エネルギーが2.0〜
    3.5eVであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記記録層の融点が550〜650℃であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記結晶化状態が、不均一核生成により
    生じることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 光記録媒体が、基板上に少なくとも下部
    保護層、記録層、上部保護層および反射層をこの順で積
    層し、レーザ光の照射により情報の記録を行うものであ
    り、前記各層の膜厚が、レーザ光の波長をλ(nm)とし
    た場合、 下部保護層厚t1(nm): 0.070 ≦t1/λ≦ 0.16 記録層厚t2(nm) : 0.015 ≦t2/λ≦ 0.032 上部保護層t3(nm) : 0.011 ≦t3/λ≦ 0.040 反射層t4(nm) : 0.10 ≦t4/λ を満足することを特徴とする請求項1に記載の光記録媒
    体。
  10. 【請求項10】 前記反射層の熱伝導率が150W・m-1・K
    〜450 W・m-1・Kの範囲にあることを特徴とする請求項
    9に記載の光記録媒体。
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