JP2003334804A - 木材防腐剤およびそれを用いる木材の処理方法 - Google Patents
木材防腐剤およびそれを用いる木材の処理方法Info
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- JP2003334804A JP2003334804A JP2002145032A JP2002145032A JP2003334804A JP 2003334804 A JP2003334804 A JP 2003334804A JP 2002145032 A JP2002145032 A JP 2002145032A JP 2002145032 A JP2002145032 A JP 2002145032A JP 2003334804 A JP2003334804 A JP 2003334804A
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- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 オオウズラタケ、カワラタケおよびナミダタ
ケなどの木材腐朽菌に対して強力な防除効果を発揮し、
かつ優れた安全性を有する木材防腐剤を提供することを
課題とする。 【解決手段】 トロポロン系化合物と桂皮アルデヒドと
を相乗効果を奏する割合で含有することを特徴とする木
材防腐剤により、上記の課題を解決する。
ケなどの木材腐朽菌に対して強力な防除効果を発揮し、
かつ優れた安全性を有する木材防腐剤を提供することを
課題とする。 【解決手段】 トロポロン系化合物と桂皮アルデヒドと
を相乗効果を奏する割合で含有することを特徴とする木
材防腐剤により、上記の課題を解決する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、木材防腐剤およ
びそれを用いる木材の処理方法に関する。さらに詳しく
は、この発明は、オオウズラタケ、カワラタケおよびナ
ミダタケなどによる木材の腐朽を防止または抑制しう
る、安全性に優れた木材防腐剤およびそれを用いる木材
の処理方法に関する。
びそれを用いる木材の処理方法に関する。さらに詳しく
は、この発明は、オオウズラタケ、カワラタケおよびナ
ミダタケなどによる木材の腐朽を防止または抑制しう
る、安全性に優れた木材防腐剤およびそれを用いる木材
の処理方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】木材は軽量でありながら強度が大きいこ
とや、加工のしやすさ、人体にやさしいなど、その優れ
た特質により様々な分野で重用されている。しかしなが
ら、生物系材料であるために避けられない幾つかの欠
点、すなわち燃え易い、狂い易い、腐り易い、虫に食わ
れ易い、変色し易い、割れ易いなどの性質を併せもって
いる。これらの欠点、特に木材腐朽菌による腐朽や、シ
ロアリなどによる虫害を防ぐことは、木材の供用期間の
延長や木材製品の信頼性向上のために必要不可欠であ
り、これらの欠点が克服されれば、資源としての木材を
より一層有効に利用でき、ひいては地球環境の保全に大
きく寄与できる。
とや、加工のしやすさ、人体にやさしいなど、その優れ
た特質により様々な分野で重用されている。しかしなが
ら、生物系材料であるために避けられない幾つかの欠
点、すなわち燃え易い、狂い易い、腐り易い、虫に食わ
れ易い、変色し易い、割れ易いなどの性質を併せもって
いる。これらの欠点、特に木材腐朽菌による腐朽や、シ
ロアリなどによる虫害を防ぐことは、木材の供用期間の
延長や木材製品の信頼性向上のために必要不可欠であ
り、これらの欠点が克服されれば、資源としての木材を
より一層有効に利用でき、ひいては地球環境の保全に大
きく寄与できる。
【０００３】このような点に鑑み、木材腐朽菌を防除す
る薬剤、すなわち木材防腐剤として、フェノール系化合
物、有機ハロゲン系化合物、有機錫系化合物、ナフテン
酸系化合物およびタール系化合物などの有機系薬剤、銅
化合物とクロム化合物とヒ素化合物との混合物であるＣ
ＣＡ薬剤、銅化合物と有機系薬剤との併用、ならびに第
４級アンモニウム塩とホウ酸系化合物と水溶性アルカノ
ールアミンと亜鉛イオン供給化合物とから構成される木
材防腐剤などが提案されている。
る薬剤、すなわち木材防腐剤として、フェノール系化合
物、有機ハロゲン系化合物、有機錫系化合物、ナフテン
酸系化合物およびタール系化合物などの有機系薬剤、銅
化合物とクロム化合物とヒ素化合物との混合物であるＣ
ＣＡ薬剤、銅化合物と有機系薬剤との併用、ならびに第
４級アンモニウム塩とホウ酸系化合物と水溶性アルカノ
ールアミンと亜鉛イオン供給化合物とから構成される木
材防腐剤などが提案されている。
【０００４】上記の木材防腐剤の中で、有機系薬剤は殺
菌効力の持続性に問題があり、また有害な元素や重金属
を含有する薬剤は、環境規制に抵触する懸念があること
からその使用が困難となっている。そこで、優れた安全
性と効力持続性を兼ね備えた木材防腐剤の早期開発が望
まれている。
菌効力の持続性に問題があり、また有害な元素や重金属
を含有する薬剤は、環境規制に抵触する懸念があること
からその使用が困難となっている。そこで、優れた安全
性と効力持続性を兼ね備えた木材防腐剤の早期開発が望
まれている。
【０００５】他方、青森ヒバ材などヒノキ科の木材に含
まれるヒノキチオールなどのトロポロン系化合物は、木
材の高耐久性の原因物質であることが報告されており、
現に天然または合成のヒノキチオールを抗菌剤として種
々の用途に応用する試みが行われ、木材防腐剤の成分と
して利用する提案もなされている。ヒノキチオールは優
れた木材防腐効果を有する反面、その価格は高価（６５
０００〜２０００００円／ｋｇ程度）であり、単独での
使用は実用上難しい。
まれるヒノキチオールなどのトロポロン系化合物は、木
材の高耐久性の原因物質であることが報告されており、
現に天然または合成のヒノキチオールを抗菌剤として種
々の用途に応用する試みが行われ、木材防腐剤の成分と
して利用する提案もなされている。ヒノキチオールは優
れた木材防腐効果を有する反面、その価格は高価（６５
０００〜２０００００円／ｋｇ程度）であり、単独での
使用は実用上難しい。
【０００６】また、桂皮アルデヒドを含むフェノール誘
導体を基剤とする木材防腐剤も提案されている（特開平
１０−７５０３号公報参照）。さらに、桂皮アルデヒ
ド、ヒノキチオール、アリルカラシ油およびニンニク抽
出物からなる群から選択される少なくとも一種および乳
化剤を含有する乳剤を農作物栽培用施設内において加熱
して施設内に揮発、拡散させ施設内の除菌、減菌、害虫
の忌避、芳香付加を行う農作物の保護方法が提案されて
いる（特開平１０−１５２４０３号公報参照）。しかし
ながら、この先行技術には、木材防腐に関する記載はな
い。
導体を基剤とする木材防腐剤も提案されている（特開平
１０−７５０３号公報参照）。さらに、桂皮アルデヒ
ド、ヒノキチオール、アリルカラシ油およびニンニク抽
出物からなる群から選択される少なくとも一種および乳
化剤を含有する乳剤を農作物栽培用施設内において加熱
して施設内に揮発、拡散させ施設内の除菌、減菌、害虫
の忌避、芳香付加を行う農作物の保護方法が提案されて
いる（特開平１０−１５２４０３号公報参照）。しかし
ながら、この先行技術には、木材防腐に関する記載はな
い。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、オオウズ
ラタケ、カワラタケおよびナミダタケなどの木材腐朽菌
に対して強力な防除効果を発揮し、かつ優れた安全性を
有する木材防腐剤を提供することを課題とする。
ラタケ、カワラタケおよびナミダタケなどの木材腐朽菌
に対して強力な防除効果を発揮し、かつ優れた安全性を
有する木材防腐剤を提供することを課題とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者らは、
上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、トロポ
ロン系化合物と桂皮アルデヒドとを併用した場合に、そ
れぞれ単独で使用した場合に比べて顕著に相乗的な木材
防腐効果が発揮される事実を見出し、この発明を完成す
るに到った。
上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、トロポ
ロン系化合物と桂皮アルデヒドとを併用した場合に、そ
れぞれ単独で使用した場合に比べて顕著に相乗的な木材
防腐効果が発揮される事実を見出し、この発明を完成す
るに到った。
【０００９】かくして、この発明によれば、トロポロン
系化合物と桂皮アルデヒドとを相乗効果を奏する割合で
含有することを特徴とする木材防腐剤が提供される。
系化合物と桂皮アルデヒドとを相乗効果を奏する割合で
含有することを特徴とする木材防腐剤が提供される。
【００１０】また、この発明によれば、相乗効果を奏す
る割合のトロポロン系化合物と桂皮アルデヒドとで木材
を処理することを特徴とする木材の防腐処理方法が提供
される。
る割合のトロポロン系化合物と桂皮アルデヒドとで木材
を処理することを特徴とする木材の防腐処理方法が提供
される。
【００１１】
【発明の実施の形態】この発明の木材防腐剤は、トロポ
ロン系化合物と桂皮アルデヒドとを相乗効果を奏する割
合で含有することを特徴とする。
ロン系化合物と桂皮アルデヒドとを相乗効果を奏する割
合で含有することを特徴とする。
【００１２】この発明で用いられるトロポロン系化合物
としては、ヒノキチオール（別名：β−ツヤプリシ
ン）、α−ツヤプリシン、γ−ツヤプリシン、β−ドラ
ブリンおよびノートカチンなどが挙げられ、これらの中
でもヒノキチオールが特に好ましく、天然物からの抽出
品、合成品を問わず好適に用いることができる。天然物
からの抽出品は、他の精油成分との混合物であってもよ
い。この場合、トロポロン系化合物の配合量は、抽出品
に含有するトロポロン系化合物に換算して求める。この
発明において、トロポロン系化合物は、単独でまたは２
種以上のものを組み合わせて用いることができる。
としては、ヒノキチオール（別名：β−ツヤプリシ
ン）、α−ツヤプリシン、γ−ツヤプリシン、β−ドラ
ブリンおよびノートカチンなどが挙げられ、これらの中
でもヒノキチオールが特に好ましく、天然物からの抽出
品、合成品を問わず好適に用いることができる。天然物
からの抽出品は、他の精油成分との混合物であってもよ
い。この場合、トロポロン系化合物の配合量は、抽出品
に含有するトロポロン系化合物に換算して求める。この
発明において、トロポロン系化合物は、単独でまたは２
種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【００１３】また、この発明で用いられる桂皮アルデヒ
ドは、桂皮様の香を有する化合物であり、食品添加物に
指定されており、食品・香料品・医薬品などの着香料と
して市販されているものを好適に用いることができる。
ドは、桂皮様の香を有する化合物であり、食品添加物に
指定されており、食品・香料品・医薬品などの着香料と
して市販されているものを好適に用いることができる。
【００１４】この発明において、トロポロン系化合物と
桂皮アルデヒドとは、相乗効果を奏する割合で配合され
る。その配合割合は、重量比として７：３〜３：７、好
ましくは６：４〜４：６である。
桂皮アルデヒドとは、相乗効果を奏する割合で配合され
る。その配合割合は、重量比として７：３〜３：７、好
ましくは６：４〜４：６である。
【００１５】この発明の木材防腐剤の剤型としては、使
用目的により液剤（例えば乳剤、水溶剤、水和剤（フロ
アブル製剤）、油剤）、固型剤（例えば粉剤、粒剤）、
エアゾール剤など種々の剤型が可能であるが、乳剤、水
溶剤または油剤が好ましい。上記のいずれの製剤も公知
の方法を利用して製剤化することができる。以下に、こ
の発明の木材防腐剤の製剤法について述べる。
用目的により液剤（例えば乳剤、水溶剤、水和剤（フロ
アブル製剤）、油剤）、固型剤（例えば粉剤、粒剤）、
エアゾール剤など種々の剤型が可能であるが、乳剤、水
溶剤または油剤が好ましい。上記のいずれの製剤も公知
の方法を利用して製剤化することができる。以下に、こ
の発明の木材防腐剤の製剤法について述べる。
【００１６】乳剤とする場合には、通常、有効成分を乳
化のための乳化剤と混合し、これに有機溶媒と水を加え
て製剤化する。また、乳剤を塗布処理した場合の被膜形
成のために、乳剤には必要に応じて樹脂エマルションを
添加してもよい。乳剤において、有効成分を溶解させる
有機溶媒としては、疎水性有機溶媒が好適に用いられ
る。
化のための乳化剤と混合し、これに有機溶媒と水を加え
て製剤化する。また、乳剤を塗布処理した場合の被膜形
成のために、乳剤には必要に応じて樹脂エマルションを
添加してもよい。乳剤において、有効成分を溶解させる
有機溶媒としては、疎水性有機溶媒が好適に用いられ
る。
【００１７】この発明の木材防腐剤を乳剤とする場合に
好適に用いられる有機溶媒を以下に例示する。 １）脂肪族炭化水素系 ｎ−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタンな
ど ２）芳香族炭化水素系 キシレン、トルエン、エチルベンゼン、クメンなど ３）エステル系 酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ｎ−ブチル、酢酸アミル
など ４）アルコール系 イソブタノール、ｓｅｃ−ブタノール、２−エチル−１
−ブタノール、イソペンタノール、１−ヘプタノール、
１−オクタノール、ネオペンチルアルコール、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル（ＭＤＧ）、ジエチレ
ングリコール（ＤＥＧ）など ５）ケトン系 アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノンなど 上記の有機溶媒は、単独でまたは２種以上のものを組み
合わせて用いることができる。
好適に用いられる有機溶媒を以下に例示する。 １）脂肪族炭化水素系 ｎ−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタンな
ど ２）芳香族炭化水素系 キシレン、トルエン、エチルベンゼン、クメンなど ３）エステル系 酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ｎ−ブチル、酢酸アミル
など ４）アルコール系 イソブタノール、ｓｅｃ−ブタノール、２−エチル−１
−ブタノール、イソペンタノール、１−ヘプタノール、
１−オクタノール、ネオペンチルアルコール、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル（ＭＤＧ）、ジエチレ
ングリコール（ＤＥＧ）など ５）ケトン系 アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノンなど 上記の有機溶媒は、単独でまたは２種以上のものを組み
合わせて用いることができる。
【００１８】乳化剤としては、カチオン系界面活性剤、
アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤または両
性界面活性剤のいずれも使用できるが、製剤の安定性の
点でノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面
活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル（ＨＬＢ：１３．７）が挙げられる。
アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤または両
性界面活性剤のいずれも使用できるが、製剤の安定性の
点でノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面
活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル（ＨＬＢ：１３．７）が挙げられる。
【００１９】樹脂エマルションとしては、例えば、ポリ
酢酸ビニル樹脂エマルション（樹脂固形分率４０〜５０
％、平均分子量２，０００〜１００，０００）、ポリ酢
酸ビニル・エチレン共重合体樹脂エマルション（樹脂固
形分率４０〜５０％、平均分子量２，０００〜１００，
０００）、ポリアクリル酸エステル樹脂エマルション
（樹脂固形分率３０〜４０％、粘度１００〜５００ｃＰ
ｓ、平均分子量３，０００〜５０，０００）が挙げられ
る。
酢酸ビニル樹脂エマルション（樹脂固形分率４０〜５０
％、平均分子量２，０００〜１００，０００）、ポリ酢
酸ビニル・エチレン共重合体樹脂エマルション（樹脂固
形分率４０〜５０％、平均分子量２，０００〜１００，
０００）、ポリアクリル酸エステル樹脂エマルション
（樹脂固形分率３０〜４０％、粘度１００〜５００ｃＰ
ｓ、平均分子量３，０００〜５０，０００）が挙げられ
る。
【００２０】乳剤は、製剤を１００重量部としたとき、
有効成分の合計量が１〜１０重量部、乳化剤が有効成分
の合計１重量部に対して少なくとも１０重量部、残部を
有機溶媒または水、さらには樹脂エマルションとするの
が好ましい。これらの乳剤は使用時に、水で所望の倍
率、例えば２〜１０倍に希釈して使用される。
有効成分の合計量が１〜１０重量部、乳化剤が有効成分
の合計１重量部に対して少なくとも１０重量部、残部を
有機溶媒または水、さらには樹脂エマルションとするの
が好ましい。これらの乳剤は使用時に、水で所望の倍
率、例えば２〜１０倍に希釈して使用される。
【００２１】水溶剤とする場合には、通常、有効成分を
例えばアルコール系の有機溶媒に溶解したものを水に加
えて製剤化する。水溶剤は、製剤を１００重量部とした
とき、有効成分の合計量が１〜１０重量部、残部を有機
溶媒と水とするのが好ましい。また、水和剤（フロアブ
ル製剤）は、製剤を１００重量部としたとき、有効成分
の合計量が５〜４０重量部、乳化剤または増粘剤（例え
ば、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルアルコー
ル）が１０〜４０重量部程度とするのが好ましい。
例えばアルコール系の有機溶媒に溶解したものを水に加
えて製剤化する。水溶剤は、製剤を１００重量部とした
とき、有効成分の合計量が１〜１０重量部、残部を有機
溶媒と水とするのが好ましい。また、水和剤（フロアブ
ル製剤）は、製剤を１００重量部としたとき、有効成分
の合計量が５〜４０重量部、乳化剤または増粘剤（例え
ば、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルアルコー
ル）が１０〜４０重量部程度とするのが好ましい。
【００２２】油剤とする場合には、乳剤で例示された有
機溶媒の他、灯油、重油、スピンドル油などの炭化水素
溶媒を用いて製剤化する。油剤は、製剤を１００重量部
としたとき、有効成分の合計量が１〜１０重量部、炭化
水素溶媒が９０〜９９重量部程度とするのが好ましい。
機溶媒の他、灯油、重油、スピンドル油などの炭化水素
溶媒を用いて製剤化する。油剤は、製剤を１００重量部
としたとき、有効成分の合計量が１〜１０重量部、炭化
水素溶媒が９０〜９９重量部程度とするのが好ましい。
【００２３】粉剤とする場合には、通常、有効成分を固
体希釈剤（例えば、カオリン、クレー、ベントナイト、
ＣＭＣ、二酸化チタン、ホワイトカーボン、タルク、木
粉、澱粉、デキストリン、シリカゲル粉末、無水石膏、
水酸化カルシウムなどのカルシウム塩など）で希釈し、
混合粉砕して製剤化する。また、粒剤とする場合には、
粉剤を成形して製剤化する。粉剤および粒剤のような固
型剤は、製剤を１００重量部としたとき、有効成分の合
計量が０．１〜５重量部、固体希釈剤が９５〜９９．９
重量部程度とするのが好ましい。
体希釈剤（例えば、カオリン、クレー、ベントナイト、
ＣＭＣ、二酸化チタン、ホワイトカーボン、タルク、木
粉、澱粉、デキストリン、シリカゲル粉末、無水石膏、
水酸化カルシウムなどのカルシウム塩など）で希釈し、
混合粉砕して製剤化する。また、粒剤とする場合には、
粉剤を成形して製剤化する。粉剤および粒剤のような固
型剤は、製剤を１００重量部としたとき、有効成分の合
計量が０．１〜５重量部、固体希釈剤が９５〜９９．９
重量部程度とするのが好ましい。
【００２４】エアゾール剤とする場合には、通常、油剤
と同じように、有効成分を揮発性の強い有機溶媒に溶解
して製剤化する。有機溶媒としては、前記乳剤とする場
合に好適に用いられる有機溶媒を使用することができ
る。また、噴射剤としては、代替フロン、液化天然ガス
を好適に用いることができる。使用時には、これを噴霧
部と弁を備えた気密容器に加圧充填して用いる。
と同じように、有効成分を揮発性の強い有機溶媒に溶解
して製剤化する。有機溶媒としては、前記乳剤とする場
合に好適に用いられる有機溶媒を使用することができ
る。また、噴射剤としては、代替フロン、液化天然ガス
を好適に用いることができる。使用時には、これを噴霧
部と弁を備えた気密容器に加圧充填して用いる。
【００２５】この発明によれば、上記の木材用防腐剤
で、あるいは相乗効果を奏する割合のトロポロン系化合
物と桂皮アルデヒドとで、木材を処理することを特徴と
する木材の防腐処理方法が提供される。具体的には、木
材処理用の減圧・加圧可能な注入缶、薬液貯蔵・回収用
タンクおよびこれらを接続する配管から構成される木材
注入処理系内で、木材を常法により処理することからな
る木材の防腐処理方法が提供される。木材の処理方法
は、この減圧・加圧注入法のほかに、塗布とか浸漬など
の通常の方法であってもよい。
で、あるいは相乗効果を奏する割合のトロポロン系化合
物と桂皮アルデヒドとで、木材を処理することを特徴と
する木材の防腐処理方法が提供される。具体的には、木
材処理用の減圧・加圧可能な注入缶、薬液貯蔵・回収用
タンクおよびこれらを接続する配管から構成される木材
注入処理系内で、木材を常法により処理することからな
る木材の防腐処理方法が提供される。木材の処理方法
は、この減圧・加圧注入法のほかに、塗布とか浸漬など
の通常の方法であってもよい。
【００２６】この方法で木材に注入されるべき処理剤中
の有効成分の量は、処理される木材の種類や用途、形状
によっても左右されるが、通常、木材１ｍ3当たり、有
効成分は約１５０ｇである。そのためには処理液中の有
効成分の濃度を２５０〜８００ｍｇ／ｋｇとすると都合
がよい。相乗効果を奏する割合のトロポロン系化合物と
桂皮アルデヒドとで木材を処理する場合には、上記の製
剤化方法に準じて、トロポロン系化合物と桂皮アルデヒ
ドとを別々に製剤化し、得られた各製剤の有効成分が相
乗効果を奏する割合になるように、上記と処理方法に準
じて、処理すればよい。
の有効成分の量は、処理される木材の種類や用途、形状
によっても左右されるが、通常、木材１ｍ3当たり、有
効成分は約１５０ｇである。そのためには処理液中の有
効成分の濃度を２５０〜８００ｍｇ／ｋｇとすると都合
がよい。相乗効果を奏する割合のトロポロン系化合物と
桂皮アルデヒドとで木材を処理する場合には、上記の製
剤化方法に準じて、トロポロン系化合物と桂皮アルデヒ
ドとを別々に製剤化し、得られた各製剤の有効成分が相
乗効果を奏する割合になるように、上記と処理方法に準
じて、処理すればよい。
【００２７】この発明の木材防腐剤は、一般に建築用、
土木工事用および紙・パルプなど工業製品製造用および
繊維原料用の木材を対象とするが、特に環境、種々の条
件などにより木材腐朽菌が発生しやすいアカマツ、スギ
およびブナなどに好適に用いることができる。
土木工事用および紙・パルプなど工業製品製造用および
繊維原料用の木材を対象とするが、特に環境、種々の条
件などにより木材腐朽菌が発生しやすいアカマツ、スギ
およびブナなどに好適に用いることができる。
【００２８】この発明の木材防腐剤で処理された木材
を、浸透性・造膜性を有する硬化型合成樹脂塗料でさら
に全面塗装処理すれば、処理済みの木材を屋外で使用し
ても防腐有効成分の揮発や溶脱が抑制され、防腐効果が
より一層補強され、屋外での長期使用にも十分耐え得る
性能を付与することができる。そのような硬化型合成樹
脂塗料としては、例えばポリウレタン樹脂塗料などが挙
げられる。
を、浸透性・造膜性を有する硬化型合成樹脂塗料でさら
に全面塗装処理すれば、処理済みの木材を屋外で使用し
ても防腐有効成分の揮発や溶脱が抑制され、防腐効果が
より一層補強され、屋外での長期使用にも十分耐え得る
性能を付与することができる。そのような硬化型合成樹
脂塗料としては、例えばポリウレタン樹脂塗料などが挙
げられる。
【００２９】
【実施例】この発明を実施例により詳細に説明するが、
これらの実施例によりこの発明が限定されるものではな
い。
これらの実施例によりこの発明が限定されるものではな
い。
【００３０】下記の有効成分、乳化剤および有機溶媒を
混合、撹拌することにより乳剤を調製した。 製剤例１ ヒバ油（ヒノキチオールを２重量％含有） ２重量部 桂皮アルデヒド ２重量部 ノニオン系界面活性剤 （三洋化成株式会社製、イオネットＴ−２０ｃ） ２重量部 ノニオン系界面活性剤 （三洋化成株式会社製、イオネットＴ−６０ｃ） ２重量部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル（ＭＤＧ） １０重量部 水 ８２重量部
混合、撹拌することにより乳剤を調製した。 製剤例１ ヒバ油（ヒノキチオールを２重量％含有） ２重量部 桂皮アルデヒド ２重量部 ノニオン系界面活性剤 （三洋化成株式会社製、イオネットＴ−２０ｃ） ２重量部 ノニオン系界面活性剤 （三洋化成株式会社製、イオネットＴ−６０ｃ） ２重量部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル（ＭＤＧ） １０重量部 水 ８２重量部
【００３１】
製剤例２
ヒバ油（ヒノキチオールを２重量％含有） ２．８重量部
桂皮アルデヒド １．２重量部
ノニオン系界面活性剤
（三洋化成株式会社製、イオネットＴ−２０ｃ） ２重量部
ノニオン系界面活性剤
（三洋化成株式会社製、イオネットＴ−６０ｃ） ２重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル（ＭＤＧ） １０重量部
水 ８２重量部
【００３２】
製剤例３
ヒバ油（ヒノキチオールを２重量％含有） １．２重量部
桂皮アルデヒド ２．８重量部
ノニオン系界面活性剤
（三洋化成株式会社製、イオネットＴ−２０ｃ） ２重量部
ノニオン系界面活性剤
（三洋化成株式会社製、イオネットＴ−６０ｃ） ２重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル（ＭＤＧ） １０重量部
水 ８２重量部
【００３３】試験例１（木材腐朽菌抑制効果確認試験）
（Ｂ培地の調製）
ペプトン ５ｇ
マルトエキス １０ｇ
グルコース ２５ｇ
リン酸二水素カリウム ３ｇ
硫酸マグネシウム・７水和物 ２ｇ
上記の組成に純水を添加して１０００ｍｌ溶液を調製し
た後、寒天２０ｇを添加して、Ｂ培地を得た。
た後、寒天２０ｇを添加して、Ｂ培地を得た。
【００３４】得られたＢ培地に、農林水産省森林総合研
究所（ＦＦＰＲＩ）で分離した木材防腐剤の防腐性能試
験用標準菌より継代培養したカワラタケ（ＣＯＶ）（Fo
mitopsis palustris (Berk.et Curt.) Gilbn.& Ryv. FF
PRI 0507）とオオウズラタケ（ＴＹＰ）（Trametes ver
sicolor (L.:Fr.) Pilat FFPRI 1030）を接種し、予め
３７℃で一週間培養した。滅菌済のペトリ皿に表１に示
す供試薬剤２ｍＬずつを表１に記載の各濃度になるよう
に添加した後、別に調製したＢ培地１８ｍＬを添加・混
合し、凝固させた後一夜静置した。予め培養したＣＯＶ
およびＴＹＰを直径５ｍｍの円筒状に取り出し、一夜静
置したＢ培地の中央部に接種した。接種から２日後およ
び５日後に、菌糸が成長した培地面積を算出した（単
位：ｃｍ2）。得られた結果を供試薬剤およびその有効
成分の添加量と共に表１に示す。なお、表１におけるヒ
バ油は、ヒノキチオールを２重量％含有するものであ
り、その有効成分の添加量は、ヒノキチオールの重量割
合を示す。
究所（ＦＦＰＲＩ）で分離した木材防腐剤の防腐性能試
験用標準菌より継代培養したカワラタケ（ＣＯＶ）（Fo
mitopsis palustris (Berk.et Curt.) Gilbn.& Ryv. FF
PRI 0507）とオオウズラタケ（ＴＹＰ）（Trametes ver
sicolor (L.:Fr.) Pilat FFPRI 1030）を接種し、予め
３７℃で一週間培養した。滅菌済のペトリ皿に表１に示
す供試薬剤２ｍＬずつを表１に記載の各濃度になるよう
に添加した後、別に調製したＢ培地１８ｍＬを添加・混
合し、凝固させた後一夜静置した。予め培養したＣＯＶ
およびＴＹＰを直径５ｍｍの円筒状に取り出し、一夜静
置したＢ培地の中央部に接種した。接種から２日後およ
び５日後に、菌糸が成長した培地面積を算出した（単
位：ｃｍ2）。得られた結果を供試薬剤およびその有効
成分の添加量と共に表１に示す。なお、表１におけるヒ
バ油は、ヒノキチオールを２重量％含有するものであ
り、その有効成分の添加量は、ヒノキチオールの重量割
合を示す。
【００３５】
【表１】
【００３６】
【発明の効果】この発明によれば、オオウズラタケ、カ
ワラタケおよびナミダタケなどの木材腐朽菌に対して強
力な防除効果を発揮し、かつ優れた安全性を有する木材
防腐剤を提供することができる。
ワラタケおよびナミダタケなどの木材腐朽菌に対して強
力な防除効果を発揮し、かつ優れた安全性を有する木材
防腐剤を提供することができる。
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フロントページの続き
Ｆターム(参考） 2B230 AA01 BA01 CB30
4H011 AA02 BA01 BA06 BB05 BC03
DA16 DC05 DD07 DF04
Claims (3)
- 【請求項１】 トロポロン系化合物と桂皮アルデヒドと
を相乗効果を奏する割合で含有することを特徴とする木
材防腐剤。 - 【請求項２】 トロポロン系化合物が、ヒノキチオール
である請求項１に記載の木材防腐剤。 - 【請求項３】 相乗効果を奏する割合のトロポロン系化
合物と桂皮アルデヒドとで木材を処理することを特徴と
する木材の防腐処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002145032A JP2003334804A (ja) | 2002-05-20 | 2002-05-20 | 木材防腐剤およびそれを用いる木材の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002145032A JP2003334804A (ja) | 2002-05-20 | 2002-05-20 | 木材防腐剤およびそれを用いる木材の処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003334804A true JP2003334804A (ja) | 2003-11-25 |
Family
ID=29704515
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002145032A Pending JP2003334804A (ja) | 2002-05-20 | 2002-05-20 | 木材防腐剤およびそれを用いる木材の処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003334804A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006045494A (ja) * | 2004-07-07 | 2006-02-16 | Sk Kaken Co Ltd | 水性塗料 |
| US7427316B2 (en) | 2005-12-30 | 2008-09-23 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Tropolone complexes as wood preservatives |
| US7462227B2 (en) | 2005-12-30 | 2008-12-09 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Ibuprofen complexes as wood preservatives |
| US7497901B2 (en) | 2005-12-30 | 2009-03-03 | E. I. Dupont De Nemours And Company | Tungstate and molybate wood preservatives |
| US7540906B2 (en) | 2005-12-30 | 2009-06-02 | E.I. Du Pont De Nemours & Company | Metal salts of hydrolyzed olefin/maleic anhydride copolymers and their use as wood preservatives |
| CN102528866A (zh) * | 2012-01-11 | 2012-07-04 | 辽宁科技大学 | 一种新型木材防腐剂的制备方法 |
-
2002
- 2002-05-20 JP JP2002145032A patent/JP2003334804A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006045494A (ja) * | 2004-07-07 | 2006-02-16 | Sk Kaken Co Ltd | 水性塗料 |
| US7427316B2 (en) | 2005-12-30 | 2008-09-23 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Tropolone complexes as wood preservatives |
| US7462227B2 (en) | 2005-12-30 | 2008-12-09 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Ibuprofen complexes as wood preservatives |
| US7497901B2 (en) | 2005-12-30 | 2009-03-03 | E. I. Dupont De Nemours And Company | Tungstate and molybate wood preservatives |
| US7540906B2 (en) | 2005-12-30 | 2009-06-02 | E.I. Du Pont De Nemours & Company | Metal salts of hydrolyzed olefin/maleic anhydride copolymers and their use as wood preservatives |
| CN102528866A (zh) * | 2012-01-11 | 2012-07-04 | 辽宁科技大学 | 一种新型木材防腐剂的制备方法 |
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