JP2003334732A - ロウによる部品取付け方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、治具上に取り付ける部品をロウに
よって取り付け、従来のジャッキによる高さ調整を省
き、歪の発生等を防止することを目的とする。 【解決手段】 本発明によるロウによる部品取付け方法
は、治具(1)の上面に形成された凹部(10)内に部品(3)を
配設し、この凹部(10)内に注入した溶融状のロウ(20)を
固化させることによって部品(3)をロウ(20)により位置
決め保持する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ロウによる部品取
付け方法に関し、特に、治具上の凹部内に溶けたロウを
注入して固化させることにより、凹部内の部品をロウで
固定し、従来、部品固定時に発生していた歪等を抑えて
フライスによる加工精度を向上させるための新規な改良
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、用いられていたこの種の部品取付
け方法としては、一般に、図２及び図３で示される構成
が採用されていた。すなわち、図２及び図３において符
号１で示されるものは全体形状が台状をなす治具であ
り、この治具１には、ねじ構成からなる複数の棒状のジ
ャッキ２が、この治具１を貫通した状態で設けられてい
る。

【０００３】前記各ジャッキ２の上端２ａ上には、板状
をなす薄物形状の部品３が載置され、この部品３は、そ
の側部が位置決めピン４で位置決めされ、その上面が固
定爪５、取付取外し爪６及びワーク受けポイント７によ
って保持されていると共に、その中央部分がワーク受け
部１１上に位置している。前述の状態で、各ジャッキ２
を調整して高さを揃えた後に、フライス（図示せず）に
よる加工を施し、前記固定爪５、取付取外し爪６及びワ
ーク受けポイント７を除去して加工済の部品３を治具１
から取り上げていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の部品取付け方法
は、以上のように構成されていたため、次のような課題
が存在していた。すなわち、治具上における部品の保持
を高さ調整用の複数のジャッキで行っていたため、高さ
調整用の時間が多大となり、この高さ調整が適切に行わ
れていないと、フライス加工による加工時に上方からの
押圧力によって薄物の部品に歪が発生し、フライス加工
自体は終了しても部品自体の仕上げ部品精度が低下する
ことになっていた。

【０００５】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、治具上の凹部内に溶けたロ
ウを注入して固化させることにより、凹部内の部品をロ
ウで固定し、従来、部品固定時に発生していた歪等を抑
えてフライスによる加工精度を向上させるようにしたロ
ウによる部品取付け方法を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によるロウによる
部品取付け方法は、治具上に部品を取り付け、前記部品
をフライスによって加工するようにした部品取付け方法
において、前記治具の上面に形成された凹部内に前記部
品を配設し、前記凹部内に注入した溶融状のロウを固化
させることによって前記部品を前記ロウにより位置決め
保持する方法であり、また、前記部品は薄物部品よりな
る方法である。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明によるロ
ウによる部品取付け方法の好適な実施の形態について説
明する。尚、従来例と同一又は同等部分には同一符号を
用いて説明する。図１において符号１で示されるものは
部品３を取り付けるための凹部１０（前記部品３の形状
に類似している）であり、この凹部１０の形状は前記部
品３の形状にほぼ沿った状態で形成されている。

【０００８】前記凹部１０内には、部品３を配設した場
合の水平方向の位置決めを行うための位置決めピン４が
設けられていると共に、部品３を上方から抑えて固定す
るための固定爪５が設けられている。

【０００９】次に治具１の凹部１０に部品３を取り付け
てフライス加工する場合について述べる。まず、図１の
ように凹部１０内に薄物形状の部品３をワーク受け部１
１上に載置すると共に位置決めピン４によって水平方向
の位置決めを行った後、供給位置Ａ、Ｂで示す位置から
凹部１０内に溶融したロウ２０を供給することにより、
このロウ２０は凹部１０内に注入されて部品３の下側に
入り込み、部品３は凹部１０内でロウ２０によって完全
に埋められた状態となる。

【００１０】前述の状態で、ロウ２０が冷却して固化す
ることにより、部品３は凹部１０内で完全に固定された
状態となる。この状態において、図示しないフライスを
用いて部品３の表面を加工する。

【００１１】

【発明の効果】本発明によるロウによる部品取付け方法
は、以上のように構成されているため、次のような効果
を得ることができる。すなわち、治具の凹部内に配設し
た部品に溶融したロウを注入して固めることにより、従
来の高さ調整用のジャッキを用いる必要がなく、フライ
ス加工時における歪が発生せず、かつ、高さ調整に要す
る時間が不要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるロウによる部品取付け方法を示す
斜視図である。

【図２】従来の方法を示す治具の平面図である。

【図３】図２の正面図である。

【符号の説明】 １ 治具 ３ 部品 １０ 凹部 ２０ ロウ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 治具(1)上に部品(3)を取り付け、前記部
   品(3)をフライスによって加工するようにした部品取付
   け方法において、前記治具(1)の上面に形成された凹部
   (10)内に前記部品(3)を配設し、前記凹部(10)内に注入
   した溶融状のロウ(20)を固化させることによって前記部
   品(3)を前記ロウにより位置決め保持することを特徴と
   するロウによる部品取付け方法。
2. 【請求項２】 前記部品(3)は薄物部品よりなることを
   特徴とする請求項１記載のロウによる部品取付け方法。