JP2003332396A - 半導体装置の検査方法 - Google Patents

半導体装置の検査方法

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JP2003332396A
JP2003332396A JP2002137261A JP2002137261A JP2003332396A JP 2003332396 A JP2003332396 A JP 2003332396A JP 2002137261 A JP2002137261 A JP 2002137261A JP 2002137261 A JP2002137261 A JP 2002137261A JP 2003332396 A JP2003332396 A JP 2003332396A
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Toshiharu Katayama
俊治 片山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の検査方法では、半導体装置におけるビ
アプラグに対する配線のビアカバー量、重ね合わせずれ
量等のプロセスばらつきを高精度かつ簡便に検査できな
かった。 【解決手段】 SEM式画像比較型検査装置において、
所定のパターンを有する被検査パターンとおよび参照パ
ターンの電位コントラスト画像を比較することにより、
二値化されているコントラストの一方のコントラストの
みを含む比較画像を生成し、当該比較画像のコントラス
トに基づく寸法を測定し、当該測定結果から、前記半導
体形成によりばらつきが生じる特性化寸法を解析する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置の検
査方法に係る発明であって、特に、製造途中でビアカバ
ー量、重ね合わせずれ量およびショートマージン等の特
性化寸法を測定する半導体装置の検査方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、製品の品質を維持するため、ま
た、製造不良を早期検出するために、半導体装置の製造
過程において、半導体装置の検査が適宜行われている。
この検査方法として、特に製造過程でばらつきが生じ
る、ビアプラグに対する上層配線の接続関係(ビアカバ
ー量)や、配線間のショートマージン等を測定する方法
があり、この方法では、走査型二次電子顕微鏡(Sca
nning Electron Microscop
e:SEM)や、光学的手法による重ね合わせ検査機が
複合的に用いられている。
【0003】まず従来技術における、ビアプラグに対す
る上層配線の接続不良の検査方法を説明する。図23
は、半導体装置の設計を示す断面図である。また、図2
4は、図23の設計に基づいて実際に製造された半導体
装置の断面図を示す。
【0004】図23、24において、1は下層配線、2
は層間絶縁膜、4は上層配線、3は下層配線1と上層配
線4とを電気的に接続するビアプラグであり、また、a
はビアカバー量、bはビアプラグ径、cは上層配線幅、
b’はビアプラグ径の設計値であり、a’はビアカバー
量の設計値、c’は上層配線幅の設計値、d’はずれ量
(ビアプラグ径b’の中心と上層配線幅c’の中心との
距離)の設計値である。さらに、dは重ね合わせずれ量
であり、実際のパターン形成時に生ずる、ずれ量の設計
値d’からのずれの量である。したがって、d+d’が
実際に形成されたビアプラグ径bの中心と上層配線幅c
の中心との距離である。
【0005】なお設計段階において、ビアカバー量a’
を次のように定義する。つまり、ビアプラグ3の中心軸
に近い側の上層配線4の端部を第一の端部とし、当該第
一の端部が面していない側のビアプラグ3の端部を第二
と端部とすると、ビアカバー量a’は第一の端部から第
二の端部からの距離である(図23参照)。
【0006】ビアカバー量aに関しては、上記設計時で
定義した端部において、第一の端部から第二の端部まで
の距離である(図24参照)。
【0007】以下、図23、24を用いて、ビアプラグ
3に対する上層配線4のビアカバー量aの従来の検査方
法について説明する。
【0008】図23において、ビアプラグ3に対する上
層配線4のビアカバー量a’は、 a’=(b’+c’)/2−d’ ・・・(1) で与えられる。
【0009】これに対して、図24において、ビアプラ
グ3に対する上層配線4のビアカバー量aは、同様にし
て、 a=(b+c)/2−(d’±d) ・・・(2) で与えられる。
【0010】したがって、式(2)−式(1)により、 a=a’+(b−b’)/2+(c−c’)/2±d ・・・(3) となり、実際に製造されたときのビアカバー量aに関す
る式が得られる。ここで、設計段階における上層配線4
の中心を基準にして、実際に形成された上層配線4の中
心が左側方向にずれている場合は、「マイナス」であ
り、右側方向にずれている場合は、「プラス」である。
【0011】したがって、SEMを用いてビアプラグ径
b、上層配線幅cを測定し、光学的手法による重ね合わ
せ検査機を用いて重ね合わせずれ量dを測定することに
より、式(3)から間接的に、ビアプラグ3に対する上
部配線4のビアカバー量aを測定することができる。
【0012】このように、ビアカバー量aを測定するこ
とによりビアプラブに対する上層配線の接続不良を検査
していた。
【0013】また、従来技術における隣接する配線間不
良の検査方法であるが、これは、SEMを用いて隣接す
る上層配線4間のショートマージンを直接的に測定する
ことにより、検査を行っていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ビアカバー量
aを求める際に用いられる光学的手法による重ね合わせ
検査機は、当該装置の性能上、誤差を無視できる程度に
は取り除くことができず、当該誤差により高精度にビア
カバー量aを測定することができず、ビアプラグ3に対
する上層配線4の接続不良を正確に検査することができ
なかった。
【0015】また、上層配線4間のショートマージンを
測定するにあたり、図25のように上層配線4の幅が均
一であれば問題ないのだが、実際の製造では図26のよ
うにテーパ(傾斜)を形成する。つまり、上層配線4の
トップ幅c1よりもボトム幅c2の方が大きく形成され
る。上記のようにテーパが形成されており、アスペクト
比が高い場合においては、上記のSEMによる検査方法
ではボトム幅c2が観測できなかった。
【0016】また、図27のダマシン構造においても、
上層配線4の底部が層間絶縁膜2内部に形成されている
ので、上記SEMによる検査方法では、同じくボトム幅
c2を観測することができなかった。
【0017】したがって、図26、27の場合、上層配
線4間不良の検査方法において、高精度に上層配線4間
のショートマージンを測定することができず、配線間の
不良を正確に検査することが困難であった。
【0018】そこで、この発明は、プロセスばらつきが
生じる、ビアプラグに対する上層配線のビアカバー量や
(上層)配線間のショートマージン等のを高精度に測定
することができる半導体装置の検査方法を提供すること
を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る請求項1に記載の半導体装置の検査
方法は、所定の領域に一次電子線を照射することで発生
する二次電子を検出し、当該二次電子の強度に基づいて
生成した電位コントラスト画像を用いて半導体基板上に
形成途中の半導体装置を検査する検査方法において、
(a)所定のパターンを有する被検査パターンを用意す
る工程と、(b)前記一次電子線を照射する主面上にお
いて、前記被検査パターンとパターンにおいて同じ構成
を有する参照パターンを用意する工程と、(c)前記被
検査パターンの前記電位コントラスト画像を生成する工
程と、(d)前記参照パターンの前記電位コントラスト
画像を生成する工程と、(e)前記被検査パターンの電
位コントラスト画像と前記参照パターンの電位コントラ
スト画像とを比較することにより、比較画像を生成し、
当該比較画像を二値化する工程と、(f)前記工程
(e)において、二値化されたコントラストの一方のコ
ントラストのみを含む比較画像を生成する工程と、
(g)前記一方のコントラストのみを含む比較画像のコ
ントラストに基づく寸法を測定する工程と、(h)前記
工程(g)の測定結果から、前記半導体装置の製造過程
によりばらつきが生じる特性化寸法を決定する工程と
を、備えている。
【0020】また、請求項2に記載の半導体装置の検査
方法は、前記工程(a)は、線形の導電体と複数の第一
の導体とを有しており、前記線形の導電体は電位固定さ
れており、前記複数の第一の導体は、前記線形の導電体
と交差し、第一の傾きを有する第一の仮想直線上に一定
の間隔で点在している、被検査パターンを用意する工程
である。
【0021】また、請求項3に記載の半導体装置の検査
方法は、前記工程(a)は、前記線形の導電体の線方向
に所定の間隔ずつ隔てて形成されている複数の第二の導
体をさらに有しており、前記第一の導体と前記第二の導
体とが各々電気的に接続されている、被検査パターンを
用意する工程である。
【0022】また、請求項4に記載の半導体装置の検査
方法は、前記工程(a)は、複数のビアプラグを有して
おり、前記複数のビアプラグは、前記複数の第一の導体
である第一のビアプラグ群と、前記複数の第二の導体で
あり、かつ第二の傾きを有する第二の仮想直線上に一定
の間隔で点在している第二のビアプラグ群とを含んで構
成されている、被検査パターンを用意する工程である。
【0023】また、請求項5に記載の半導体装置の検査
方法は、前記工程(a)は、前記第一の傾きと前記第二
の傾きとは同じ大きさであり、向きは反対である被検査
パターンを用意する工程であり、前記工程(b)は、前
記主面上において、電位固定されていない参照パターン
を用意する工程である。
【0024】また、請求項6に記載の半導体装置の検査
方法は、前記工程(a)は、前記第一の傾きと前記第二
の傾きとが方向、大きさ共に同じである被検査パターン
を用意する工程であり、前記工程(b)は、前記主面上
において、電位固定されている参照パターンを用意する
工程である。
【0025】また、請求項7に記載の半導体装置の検査
方法は、前記工程(a)は、前記第一および第二のビア
プラグ群の構成要素であるビアプラグ同士が電気的に接
続され、対のビアプラグを複数対形成し、前記複数対の
ビアプラグのうち電位固定しているビアプラグを一対備
えて構成されている、被検査パターンを用意する工程で
ある。
【0026】また、請求項8に記載の半導体装置の検査
方法は、前記工程(a)は、前記第一の傾きと前記第二
の傾きとの大きさが異なっている被検査パターンを用意
する工程であり、前記工程(b)は、前記主面上におい
て、電位固定されていない参照パターンを用意する工程
である。
【0027】また、請求項9に記載の半導体装置の検査
方法は、前記工程(a)は、前記第一の傾きと前記第二
の傾きとの大きさが異なっている被検査パターンを用意
する工程であり、前記工程(b)は、前記主面上におい
て前記線形の導電体に該当するパターンは電位固定され
ており、前記主面上において前記第一のビアプラグ群に
該当するパターンと前記第二のビアプラグ群に該当する
パターンとは電気的に独立である、参照パターンを用意
する工程である。
【0028】また、請求項10に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、前記複数のビアプラグと
して、前記線形の導電体の線方向に沿って一定の間隔で
点在している第三のビアプラグ群を、さらに含んで構成
し、前記第一〜三のビアプラグ群の構成要素であるビア
プラグの対応するもの同士が電気的に接続されている、
被検査パターンを用意する工程である。
【0029】また、請求項11に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、前記主面上に、前記複数
のビアプラグとそれぞれ接続しており、前記線形の導電
体とは接続していなくて、前記線方向の幅が同一であ
り、当該ビアプラグよりも面積が大きい、複数の孤立導
体を形成する工程を、さらに備えている。
【0030】また、請求項12に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、長さが一定の規則に基づ
いて変化している前記複数の孤立導体を形成する工程で
ある。
【0031】また、請求項13に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、前記線方向の幅が同一な
前記複数の第二の導体を備える被検査パターンを用意す
る工程であり、前記工程(b)は、前記主面上におい
て、電位固定されていない参照パターンを用意する工程
である。
【0032】また、請求項14に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、前記線方向の幅が同一な
前記複数の第二の導体を備える被検査パターンを用意す
る工程であり、前記工程(b)は、前記主面上において
前記線形の導電体に該当するパターンは電位固定されて
おり、前記主面上において前記第一の導体に該当するパ
ターンと前記第二の導体に該当するパターンとは電気的
に独立である、参照パターンを用意する工程である。
【0033】また、請求項15に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(g)は、前記一方のコントラスト
のみを含む比較画像に点在するコントラストを所定の集
合として認識し、当該集合の範囲の寸法測定をする工程
である。
【0034】また、請求項16に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(h)は、予め用意されている対応
表に基づいて前記特性化寸法を決定する工程である。
【0035】また、請求項17に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、前記複数の第二の導体に
おいて、前記線方向の前記第二の導体間の距離である縦
方向のずらし量は、前記第二の導体の前記線方向の幅よ
りも大きい、被検査パターンを用意する工程である。
【0036】また、請求項18に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、前記複数の第一の導体に
おいて、前記線方向と垂直な方向の前記第一の導体間の
距離である横方向のずらし量は、前記第一の導体の大き
さの1/10未満である、被検査パターンを用意する工
程である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、この発明をその実施の形態
を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、従来技
術で記した符号と同一符号のものは、同一または同等の
部材および変数を示している。また、本発明においてビ
アカバー量a、重ね合わせずれ量dおよび配線間ショー
トマージンを表すために用いる変数e(変数eとは、隣
接する配線のボトム幅c2同士が接触した瞬間におけ
る、トップ幅c1間の距離のことである。以下、トップ
幅間距離と称す。)等を、まとめて特性化寸法と称す
る。
【0038】本発明では、パターン欠陥の検出だけでな
く、電位コントラストの差異から判明する電位不良欠陥
(電位コントラスト欠陥)等を検出可能な、走査型二次
電子顕微鏡(Scanning Electron M
icroscope:SEM)を基本としたSEM式画
像比較型検査装置が用いられている。図1は、SEM式
画像比較型検査装置500の構成を模式的に示す図であ
る。
【0039】<装置構成>図1に示すように、SEM式
画像比較型検査装置500は、SEM本体部SEと、S
EM本体部SEの各構成を制御する制御部SCとを備え
ている。
【0040】SEM本体部SEは、電子銃501、電子
銃501から放出される一次電子線502を収束させる
収束レンズ503、一次電子線502を試料上で収束さ
せる対物レンズ504、一次電子線502を走査する偏
光器505、試料を搭載するステージ507、試料から
放出される二次電子512を検出する二次電子検出器5
13とを備え、ステージ507上には試料として半導体
装置508が搭載されている。
【0041】また、制御部SCは、偏光器505を制御
して一次電子線502を走査する一次電子線走査部50
6、二次電子検出器513の出力を受ける画像取得部5
14、画像取得部514で得られた電位コントラスト画
像を比較する画像比較部515、画像比較部515で生
成された比較画像のコントラストの寸法を測定するため
のコントラスト寸法測定部516、およびコントラスト
寸法測定部516の測定結果によりビアカバー量a等の
特性化寸法を解析する特性化寸法解析部517を備えて
いる。
【0042】<装置動作>次に、SEM式画像比較型検
査装置500の基本的な動作について、図1を参照して
説明する。
【0043】電子銃501から放出された一次電子線5
02は、収束レンズ503および対物レンズ504によ
り半導体装置508の被検査パターンに照射される。
【0044】そして、一次電子走査線部506により制
御された偏光器505により一次電子線502が半導体
装置508上を走査する。前記走査と同期して二次電子
検出器513が、一次電子線502の照射を受けて半導
体装置508から放出される二次電子512を受ける。
【0045】画像取得部514は、前述で受信した二次
電子512を二次電子強度として受け取る。画像取得部
514では、二次電子強度を輝度変調して被検査パター
ンの電位コントラスト画像を生成する。
【0046】次に、検査領域を同じ半導体装置508上
に形成されている参照パターンに変更し、上記と同様な
処理を行う。これにより画像取得部514では、参照パ
ターンの電位コントラスト画像を生成する。
【0047】さらに、画像比較部515では、被検査パ
ターンの電位コントラスト画像と参照パターンの電位コ
ントラスト画像とをコントラスト比較し、比較画像を生
成する。また、画像比較部515では、前記比較画像の
コントラストを二値化し、一方のコントラストのみを含
む比較画像を生成する。
【0048】コントラスト寸法測定部516では、画像
比較部515で生成された、一方のコントラストのみを
含む比較画像のコントラストの寸法を、クラスタリング
機能と寸法測定機能とを用いて測定する。具体的に、比
較画像のコントラスト領域が複数存在するとき、クラス
タリング機能を用いて必要なコントラストを一つの集合
領域として再認識させ、前記集合領域の大きさを寸法測
定機能を用いて測定する。
【0049】ここで、電位コントラスト画像および比較
画像がデジタル化されているので、容易な設定により、
画像比較部515での比較画像の生成、比較画像の二値
化、一方のコントラストのみを含む比較画像の生成、コ
ントラスト寸法測定部516でのコントラスト寸法測定
およびクラスタリング処理を自動的に行うことが可能で
ある。
【0050】その後、特性化寸法解析部517では、コ
ントラスト寸法測定部516で測定された、一方のコン
トラストのみを含む比較画像のコントラストに基づく寸
法を自動的に解析し、特性化寸法(ビアカバー量a等)
を導出する。
【0051】次に、SEM式画像比較型検査装置500
の動作処理の流れについて、図2に示すフローチャート
を用いて説明する。
【0052】まず、半導体装置508上に一次電子線5
02が照射されるようにステージ507を移動する(ス
テップST11)。
【0053】次に、半導体装置508上の被検査パター
ン領域を一次電子線502で走査し、当該検査領域から
放出される二次電子512を二次電子検出器513で検
出することにより、被検査パターンの電位コントラスト
画像を生成する(ステップST12)。
【0054】次に、半導体装置508上の参照パターン
領域を一次電子線502で走査し、当該検査領域から放
出される二次電子512を二次電子検出器513で検出
することにより、参照パターンの電位コントラスト画像
を生成する(ステップST13)。
【0055】その後、画像比較部515において、被検
査パターンの電位コントラスト画像と参照パターンの電
位コントラスト画像とのコントラスト比較を行い、比較
画像を生成し、当該比較画像の二値化を行い、さらに、
一方のコントラストのみを含む比較画像を生成する(ス
テップST14)。
【0056】さらに、コントラスト寸法測定部516に
おいて、前記一方のコントラストのみを含む比較画像の
コントラストに基づく寸法を測定する(ステップST1
5)。
【0057】最後に、特性化寸法解析部517におい
て、ステップST15で測定されたコントラストに基づ
く寸法を元に、特性化寸法(ビアカバー量a等)の解析
を行い、導出する(ステップST16)。
【0058】以上の機能を備えたSEM式画像比較型検
査装置500を用いて、以下の各実施の形態において、
半導体装置508に形成されたビアプラグに対する上層
配線のビアカバー量a、重ね合わせずれ量dまたはトッ
プ幅間距離e等を測定することによる半導体装置の検査
方法を具体的に説明する。
【0059】<実施の形態1>本実施の形態では、ビア
プラグに対する上層配線のビアカバー量aを高精度に測
定することを目的とする。具体的、本実施の形態では、
図3に示すように、設計段階としてd’=0(ビアプラ
ブ3の径の中心と上層配線4の幅の中心とが一致)をデ
ザインしたときに、これを基に実際の半導体装置508
に形成されたビアプラグ3に対する上層配線4のビアカ
バー量aと重ね合わせずれ量dを高精度に求めることを
目的とする。そのために、図4に示すテスト構造を設計
する。
【0060】図4は、デザインされたテスト構造を上方
向から見た図である。図4において、11は下層配線、
12は第一の上層配線(線形の導電体)、13は下層配
線11と電気的に接続しているビアプラグ、14は第一
の上層配線12の電位を固定するための第一の電位固定
ビアプラグである。
【0061】ここで、本発明では、第一の上層配線(線
形の導電体)12の形成方向(線方向)をy軸とした右
手座標系を用いる。
【0062】図4において、下層配線11がx方向にス
トライプ状にデザインされており、第一の上層配線12
がy方向にデザインされている。ここで、測定対象とな
るビアプラグ131が、その径の中心と第一の上層配線
12の幅の中心とが一致(d’=0)するようにデザイ
ンされている。
【0063】また、複数のビアプラグ13が第一の上層
配線12を対称軸として、対の状態でデザインされてい
る。ここで、対のビアプラグ13は、お互いに下層配線
11を介して電気的に接続されるように、また、y方向
に進むにつれて、対のビアプラグ13の一方と他方との
間の距離は、2s(sを横方向のずらし量と称す)単位
で広がってデザインされている。つまり、対のビアプラ
グ13は、所定の傾き(第一の傾き)の大きさを有する
第一の仮想直線上に一定の間隔で点在して配列する第一
のビアプラグ群13f(第一の導体)の構成要素となる
ビアプラグと、第一の仮想直線と大きさは同じであるが
向きが異なる傾きを有する第二の仮想直線上に一定の間
隔で点在して配列する第二のビアプラグ群13g(第二
の導体)の構成要素となるビアプラグとで構成されてい
る。また、測定対象となるビアプラグ131は、第一の
仮想直線と第二の仮想直線の交点に位置している。
【0064】また、第一の電位固定ビアプラグ14が第
一の上層配線12と電気的に接続するようにデザインさ
れている。
【0065】次に、図4に示す設計図に基づいてテスト
構造を実際に形成する。これが図5であり、以下、図5
に示すテスト構造を用いて説明する。
【0066】ここで、図5(a)は、半導体装置508
を上方から見た被検査パターンおよび被検査パターンで
の電位コントラスト画像を示す図である。また図5
(b)は、同じく半導体装置508を上方から見た、被
検査パターンとの比較に用いる参照パターン、および参
照パターンでの電位コントラスト画像を示す図である。
さらに図5(c)は、図5(a)の被検査パターンでの
電位コントラスト画像と図5(b)の参照パターンでの
電位コントラスト画像との比較画像から生成した、一方
のコントラストのみを含む比較画像を示す図である。
【0067】まず、図5(a)の被検査パターン構造に
ついて具体的に説明する。
【0068】はじめに、シリコン基板(図示せず)の主
面上には、層間絶縁膜(図示せず)がz軸方向に堆積さ
れている。この層間絶縁膜中には、図5(a)から分か
るように下層配線11がx方向にストライプ状に形成さ
れている。ここで、下層配線11は層間絶縁膜中に形成
されているので、点線にてその形状を図示している。
【0069】また、層間絶縁膜表面上を貫通して下層配
線11に達するように(z軸方向に)、複数のビアプラ
グ13が形成されている。これらのビアプラグ13は、
一つの下層配線11に対して、x方向に対の状態で形成
されており、y方向に進むにつれて、対の間隔は2sず
つ増加する。
【0070】また、層間絶縁膜表面上に、第一の上層配
線12がy方向に形成されている。ここで、設計時に
は、第一の仮想直線と第二の仮想直線との交点に測定対
象となるビアプラグ131がデザインされており、ビア
プラグ131の径の中心と第一の上層配線12の中心軸
とが一致(d’=0)してデザインされていたが、実際
のテスト構造の形成時には、第一の仮想直線の傾きと第
二の仮想直線の傾きは変わらないが、両仮想直線の交点
に位置する測定対象となるビアプラグ131の径の中心
が、第一の上層配線12の中心軸に対してx方向にdだ
けずれて形成されている。したがって、d’=0でデザ
インされているので、ビアプラグ131の径の中心と第
一の上層配線12の中心軸とのずれ量dが重ね合わせず
れ量dに該当する。
【0071】さらに、第一の電位固定ビアプラグ14
が、第一の上層配線12とシリコン基板を電気的に接続
するようにz軸方向に形成されており、シリコン基板は
アースに接続されている。したがって、第一の上層配線
12もアースに接続されることとなり、第一の上層配線
12の電位はアース電位に固定される。ここで、第一の
電位固定ビアプラグ14は第一の上層配線12の下側に
位置しているので、点線にてその形状を図示している。
【0072】上記構造において、下層配線11上に形成
された複数のビアプラグ13の一部が、第一の上層配線
12とショートしている。
【0073】次に、図5(a)の被検査パターンでの電
位コントラスト画像について具体的に説明する。
【0074】図1のSEM式画像比較型検査装置500
を用いて図5(a)の被検査パターンを観察すると(ス
テップST12)、電位が固定されていない領域(第一
の上層配線12と電気的に接続されていない対のビアプ
ラグ13a)は電気的にフローティング状態となるた
め、一次電子線502が照射された当該領域を正電位に
帯電させることができる。その結果、対のビアプラブ1
3aからの二次電子512の発生効率が下がるので、当
該領域は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0075】他方、電位がアース電位に固定されている
領域(第一の上層配線12および、第一の上層配線12
と電気的に接続している対のビアプラグ13b)は電荷
が帯電することがないので、当該領域上に一次電子線5
02が照射されると、正常に二次電子512が発生し、
第一の上層配線12および対のビアプラグ13bは、明
るいコントラスト画像として認識される。
【0076】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られるので、
第一の上層配線12とビアプラグ13の電位情報のみ反
映し、下層配線11と第一の電位固定ビアプラグ14の
電位情報は反映されない。
【0077】次に図5(b)の参照パターン構造につい
てであるが、これは、図5(a)の構造とほぼ同じであ
るが、第一の電位固定ビアプラグ14が形成されていな
い点において図5(a)と異なる。
【0078】したがって、図1のSEM式画像比較型検
査装置500を用いて図5(b)の参照パターンを観察
すると(ステップST13)、電位が固定されていない
領域(第一の上層配線12とビアプラグ13)は電気的
にフローティング状態となるため、一次電子線502が
照射された当該領域を正電位に帯電させることができ
る。その結果、第一の上層配線12およびビアプラグ1
3からの二次電子512の発生効率が下がるので、当該
領域は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0079】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られるので、
第一の上層配線12とビアプラグ13の電位情報のみ反
映し、下層配線11の電位情報は反映されない。
【0080】上記のようにして得られた、図5(a)と
図5(b)の電位コントラスト画像の比較を、画像比較
部515にて行う(ステップST14)。この比較は、
コントラストの差をとることにより行われる。すなわ
ち、被検査パターンの電位コントラスト画像と参照パタ
ーンの電位コントラスト画像とを比較して、明るいコン
トラスト領域同士(または、暗いコントラスト領域同
士)は相殺され、明と暗とでコントラストの異なる領域
は、被検査パターンの電位コントラスト画像がそのまま
残る。これが図5(c)である。
【0081】したがって、図5(c)の比較画像におい
て、第一の上層配線12および対のピアプラグ13b
は、明るいコントラストとしてそのまま残り、対のビア
プラグ13aは相殺される。
【0082】次に、コントラスト寸法測定部516にお
いて、クラスタリング機能により、図5(c)の比較画
像のコントラストのうち、ビアプラグに該当するすべて
のコントラストを含む最小限のx方向の距離を認識し、
当該コントラストのx方向の寸法を測定する(ステップ
ST15)。
【0083】その後、特性化寸法解析部517におい
て、コントラスト寸法測定部516で測定された寸法結
果を元に、測定対象となるビアプラグ131に対する第
一の上層配線12の実際のビアカバー量aを導出する
(ステップST16)。具体的な解析方法は、以下の通
りである。
【0084】図6は、ビアカバー量aの導出を説明する
ための図である。
【0085】図6のビアプラグに該当するすべてのコン
トラストを含む最小限のx方向の距離lは、 l=c+2b+2d ・・・(4) で与えられる。ここで、cは第一の上層配線12の幅で
あり、bはビアプラグ13の径である。なお、本実施の
形態において、横方向のずらし量sを微小となるように
設計することにより、式(4)の導出に際し、lの測定
の対象となった対のビアプラグ13の一方は、第一の上
層配線12に接するように形成されていると近似した。
ここで、横方向のずらし量sの具体的な量として、ビア
プラグの径bの大きさの1/10未満程度であれば、当
該近似は妥当とみなせる。
【0086】式(4)において、ビアプラグ径bと第一
の上層配線幅cとを別途SEMで測定した値を代入し、
lとしてコントラスト寸法測定部516で測定した値を
代入することにより、重ね合わせずれ量dが求まる。
【0087】したがって、式(2)により、ビアカバー
量aの寸法を導出することができる。ここで、特性化寸
法解析部517において、上記式に基づいたコントラス
トの寸法と、ビアカバー量aおよび重ね合わせずれ量d
の対応表をデータベースとして予め記憶させておくこと
により、当該特性化寸法解析部517は自動かつ迅速に
特性化寸法の導出を行うことが可能となる。
【0088】以上のようにして、比較画像のビアプラグ
に該当するすべてのコントラストを含む最小限のx方向
の寸法を測定することにより、重ね合わせずれ量dとビ
アカバー量aとを求めることができる。よって、横方向
のずらし量sを微小に設計すればするほど、ビアカバー
量aと重ね合わせずれ量dの精度は向上させることがで
きる。
【0089】また、被検査パターンの電位コントラスト
画像と参照パターンの電位コントラスト画像から比較画
像を生成し、当該比較画像を二値化させることにより、
当該コントラストに基づく寸法測定が容易となり、設定
によっては自動での検査も可能となり、人的誤差が生じ
ることもない。
【0090】ここで、本実施の形態ではd’=0につい
て考えたが、d’が有限の値を持っていても良く、この
値は、設計値であり既知なので式(2)にその値を代入
するだけである。
【0091】このように本実施の形態では、光学的手法
による重ね合わせ検査機を用いることなく、高精度にビ
アカバー量a等を測定することができるので、ビアプラ
グに対する第一の上層配線の接続不良の正確な検査が可
能となる。
【0092】<実施の形態2>本実施の形態において
も、図3に示すように、設計段階としてd’=0(ビア
プラブ3の径の中心と上層配線4の幅の中心とが一致)
をデザインしたときに、これを基に実際の半導体装置5
08に形成されたビアプラグ3に対する上層配線4のビ
アカバー量aを求めることを目的とする。そのために、
図7に示すテスト構造を設計する。
【0093】図7は、デザインされたテスト構造を上方
向から見た図である。図7において、21は下層配線、
22は第一の上層配線(線形の導電体)、23は下層配
線21と電気的に接続しているビアプラグ、24は第一
の上層配線22の電位を固定するための第一の電位固定
ビアプラグである。
【0094】図7に示しているように、第一の上層配線
22がy方向にデザインされている。ここで、第一の上
層配線22の幅は、実際に評価したい上層配線幅の2倍
の幅をデザインする。ここでの第一の上層配線22のデ
ザインは、後の特性化寸法解析部517での解析時の便
宜上のものであり、後で算出されるビアカバー量aの値
に影響しない。
【0095】また、複数のビアプラグ23は以下のよう
にデザインされている。
【0096】複数のビアプラグ23は、第一のビアプラ
グ群(第一の導体)23fと第二のビアプラグ群(第二
の導体)23gとから構成されている。ここで、第一の
ビアプラグ群23fの構成要素となるビアプラグは、測
定対象となるビアプラグ231(第一の上層配線22の
幅の中心軸とビアプラグ231の径の中心とが一致
(d’=0)するようにデザインされている)を含み、
お互いのビアプラグは、y方向の距離t(縦方向のずら
し量)の間隔毎に、x方向に微小距離s(横方向のずら
し量)ずつシフトさせてデザインされている。
【0097】一方、第二のビアプラグ群23gの構成要
素となるビアプラグにおいても、お互いのビアプラグ
は、y方向の距離t(縦方向のずらし量)の間隔毎に、
x方向に微小距離s(横方向のずらし量)ずつシフトさ
せてデザインされている。
【0098】つまり、第一のビアプラグ群23fは、所
定の傾き(第一の傾き=t/s)を有する第一の仮想直
線上に一定の間隔でビアプラグが点在して配列されてお
り、第二のビアプラグ群23gは、同じ傾き(t/s)
を有する第二の仮想直線上に一定の間隔でビアプラグが
点在して配列されている。ここで、第一のビアプラグ群
23fから−x方向に所定の距離だけ隔てて、第二のビ
アプラグ群23gをデザインされている。
【0099】後は、第一のビアプラグ群23fを構成し
ているビアプラグと、第二のビアプラグ群23gを構成
しているビアプラグとを電気的に接続するように下層配
線21がx方向にストライプ状にデザインされている。
つまり下層配線にビアプラグが対となってデザインされ
ている。
【0100】さらに、第一の電位固定ビアプラグ24
が、第一の上層配線22と接続するようにデザインされ
ている。
【0101】次に、図7に示す設計図に基づいてテスト
構造を実際に形成する。これが図8であり、以下、図8
に示すテスト構造を用いて説明する。
【0102】ここで、図8(a)は、半導体装置508
を上方から見た被検査パターンおよび被検査パターンで
の電位コントラスト画像を示す図である。また図8
(b)は、同じく半導体装置508を上方から見た、被
検査パターンとの比較に用いる参照パターン、および参
照パターンでの電位コントラスト画像を示す図である。
さらに図8(c)は、図8(a)の被検査パターンでの
電位コントラスト画像と図8(b)の参照パターンでの
電位コントラスト画像との比較画像から生成した、一方
のコントラストのみを含む比較画像を示す図である。
【0103】まず、図8(a)の被検査パターン構造に
ついて具体的に説明する。
【0104】はじめに、シリコン基板(図示せず)の主
面上には、層間絶縁膜(図示せず)がz軸方向に堆積さ
れている。この層間絶縁膜中には、下層配線21がx方
向にストライプ状に形成されている。ここで、下層配線
21は層間絶縁膜中に形成されているので、点線にてそ
の形状を図示している。
【0105】また、層間絶縁膜表面上を貫通して下層配
線21に達するように(z軸方向に)、複数のビアプラ
グ23が形成されている。ここで、複数のビアプラグ2
3は、図7で説明した関係で配列している、第一のビア
プラグ群23fと第二のビアプラグ群23gとで構成さ
れている。
【0106】また、層間絶縁膜表面上に、第一の上層配
線22がy方向に形成されている。ここで、本実施の形
態では、図7でデザインされた通り、製造による重ね合
わせのずれが生じることなく(d=0)図8に示された
テスト構造が形成されている。つまり、図8において
も、測定対象となるビアプラグ231の径の中心と、第
一の上層配線22の幅の中心軸とが一致している。
【0107】さらに、第一の電位固定ビアプラグ24
が、第一の上層配線22とシリコン基板とを電気的に接
続するようにz軸方向に形成されており、シリコン基板
はアースに接続されている。したがって、第一の上層配
線22もアースに接続されることとなり、第一の上層配
線22の電位はアース電位に固定される。ここで、第一
の電位固定ビアプラグ24は第一の上層配線22の下側
に位置しているので、点線にてその形状を図示してい
る。
【0108】上記構造において、下層配線21上に形成
された複数のビアプラグ23の一部が、第一の上層配線
22とショートしている。
【0109】次に、図8(a)の被検査パターンでの電
位コントラスト画像について具体的に説明する。
【0110】図1のSEM式画像比較型検査装置500
を用いて図8(a)の被検査パターンを観察すると(ス
テップST12)、電位が固定されていない領域(第一
の上層配線22と電気的に接続していない対のビアプラ
グ23a)は電気的にフローティング状態となるため、
一次電子線502が照射された当該領域を正電位に帯電
させることができる。その結果、対のビアプラグ23a
からの二次電子512の発生効率が下がるので、当該領
域は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0111】他方、電位がアース電位に固定されている
領域(第一の上層配線22および、第一の上層配線22
と電気的に接続している対のビアプラグ23b)は電荷
が帯電することがないので、当該領域上に一次電子線5
02が照射されると、正常に二次電子512が発生し、
第一の上層配線22および対のビアプラグ23bは、明
るいコントラスト画像として認識される。
【0112】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られるので、
第一の上層配線22とビアプラグ23の電位情報のみ反
映し、下層配線21と第一の電位固定ビアプラグ24の
電位情報は反映されない。
【0113】次に図8(b)の参照パターン構造につい
てであるが、これは、図8(a)の構造とほぼ同じであ
るが、以下に示す点において図8(a)と異なる。
【0114】それは、図8(b)には、下層配線21の
電位を固定するための第二の電位固定ビアプラグ25が
形成されているという点である。
【0115】第二の電位固定ビアプラグ25は、下層配
線21とシリコン基板を電気的に接続するようにz軸方
向に形成されており、シリコン基板はアースに接続され
ている。したがって、下層配線21もアースに接続され
ることとなり、下層配線21の電位はアース電位に固定
される。ここで、第二の電位固定ビアプラグ25は下層
配線21の下側に位置しているので、点線にてその形状
を図示している。
【0116】したがって、図1のSEM式画像比較型検
査装置500を用いて図8(b)の参照パターンを観察
すると(ステップST13)、電位がアース電位に固定
されている領域(第一の上層配線22およびビアプラグ
23)は電荷が帯電することがないので、当該領域上に
一次電子線502が照射されると、正常に二次電子51
2が発生し、当該領域は、明るいコントラスト画像とし
て認識される。
【0117】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0118】上記のようにして得られた、図8(a)と
図8(b)の電位コントラスト画像の比較を、画像比較
部515にて行う(ステップST14)。この比較は、
コントラストの差をとることにより行われる。すなわ
ち、被検査パターンの電位コントラスト画像と参照パタ
ーンの電位コントラスト画像との間でコントラストが明
るい領域同士(または、コントラストの暗い領域同士)
は相殺され、明と暗とでコントラストの異なる領域は、
被検査パターンの電位コントラスト画像がそのまま残
る。これが図8(c)である。
【0119】したがって、図8(c)の比較画像におい
て、対のピアプラグ23aは、暗いコントラストとして
そのまま残り、対のビアプラグ23bと第一の上層配線
22は相殺される。
【0120】次に、コントラスト寸法測定部516で
は、クラスタリング機能を用いて、図8(c)の比較画
像の点在するコントラストを一つの集合として認識さ
せ、当該集合の範囲の寸法を測定する(ステップST1
5)。ここで、この集合範囲の規定は、すべてのコント
ラストを含有する最小限の大きさの長方形であり、当該
長方形のx方向、y方向の寸法をそれぞれ測定する。
【0121】その後、特性化寸法解析部517におい
て、コントラスト寸法測定部516で測定された寸法結
果を元に、図3に描かれたビアプラグ3に対する上層配
線4の実際のビアカバー量aを導出する(ステップST
16)。具体的な解析方法は、以下の通りである。
【0122】まず、前記集合範囲のy方向の寸法Yは、 Y=b+(n−1)・t ・・・(5) で与えられる。bはビアプラグ23の径であり、tは縦
方向のずらし量であり、nは認識されるコントラストの
対の数である。
【0123】したがって、コントラスト寸法測定部51
6で測定された、前記集合範囲のy方向の測定結果を、
式(5)に代入し、t>>b(この条件は、デザイン上
容易に実現可能である)とすることにより、 n=Y/t+1 ・・・(6) となり、nの値を求めることができる。式(6)によ
り、特性化寸法解析部517では、nの値を認識でき
る。ここで、式(6)で得られるnの値は、小数の値で
算出されるが、特性化寸法解析部517では、nに対し
て最も近い整数の値を認識する。
【0124】他方、前記集合範囲のx方向の寸法Xは、 X=2c+2b+2n・s ・・・(7) で与えられる。ここで、2cは第一の上層配線幅であ
り、sは横方向のずらし量である。なお、式(7)の導
出に際し、横方向のずらし量sを微小であることを用い
た。すなわち、ビアプラグ23が第一の上層配線22を
横切る際、近似的に第一の上層配線22に接するビアプ
ラグ23が存在する。ここで、横方向のずらし量sの具
体的な量として、ビアプラグの径の大きさの1/10未
満程度であれば、当該近似は妥当とみなせる。
【0125】式(7)より、 b+c=X/2−n・s ・・・(8) となり、これを式(2)に代入することにより、 a=(X−2n・s)/4・・・(9) が導出される。ここで、本実施の形態ではd=d’=0
について考えているので、これを加味している。
【0126】したがって、上式(9)に、コントラスト
寸法測定部516で測定された前記集合範囲のx方向の
測定結果Xと、式(6)で近似される整数値nとを代入
することにより、特性化寸法解析部517では、ビアカ
バー量aの値を求めることができる。
【0127】ここで、特性化寸法解析部517におい
て、上記式に基づいたコントラストの寸法X,Y(また
は、整数値n)と、ビアカバー量aの対応表をデータベ
ースとして予め記憶させておくことにより、当該特性化
寸法解析部517は自動かつ迅速に特性化寸法の導出を
行うことが可能となる。
【0128】以上のようにして、一方のコントラスト
(明もしくは暗)のみを含む比較画像のコントラスト集
合範囲の寸法を測定することにより、ビアカバー量aを
求めることができる。よって、縦方向のずらし量tを大
きく設計すればするほど、また、横方向のずらし量sを
微小に設計すればするほど、ビアカバー量aの精度は向
上させることができ、ビアプラグに対する上層配線の接
続関係を正確に検査することができる。
【0129】また、実施の形態1では、第一の上層配線
のコントラスト像も含まれていたので、クラスタリング
機能を用いて希望するコントラストだけを選択するの
に、困難な処理を要していたが、本実施の形態において
は、図8(c)の比較画像内に特性化寸法を求めるため
に必要なコントラストしか現れていないので、クラスタ
リング機能での集合範囲は容易に設定することができ
る。
【0130】また、本実施の形態において、デジタル化
された画像を取り扱うので、簡単な設定により、上記一
連の作業を自動化させることができる。
【0131】ここで、本実施の形態ではd’=0につい
て考えたが、d’が有限の値を持っていても良く、この
値は、設計値であり既知なので式(2)にその値を代入
するだけである。
【0132】<実施の形態3>本実施の形態は、実施の
形態2を基にした変形形態である。実施の形態2では、
テスト構造が、重ね合わせのずれが生じることなく形成
される場合についてビアカバー量aを求めた。これに対
して本実施の形態では、重ね合わせずれ量dが生じる場
合において、半導体装置508に形成されたビアプラグ
に対する上層配線のビアカバー量a、およびビアプラグ
に対する上層配線の重ね合わせずれ量dを測定すること
を目的とする。
【0133】まず、図9に示す設計図に基づいてテスト
構造(図10)を実際に形成する。ここで、図9(本実
施の形態)は図7(実施の形態2)の設計図とほぼ同じ
であるが、以下の点において異なる。
【0134】それは、第一の上層配線32に対して対称
となる対のビアプラグ33c同士を電気的に接続してい
る基準箇所となる下層配線31cを選択し、前記下層配
線31cの電位を固定するための第二の電位固定ビアプ
ラグ35を下層配線31cにデザインされている点であ
る。
【0135】以下、図10に示すテスト構造を用いて説
明する。
【0136】ここで、図10(a)は、半導体装置50
8を上方から見た被検査パターンおよび被検査パターン
での電位コントラスト画像を示す図である。また図10
(b)は、同じく半導体装置508を上方から見た、被
検査パターンとの比較に用いる参照パターン、および参
照パターンでの電位コントラスト画像を示す図である。
さらに図10(c)は、図10(a)の被検査パターン
での電位コントラスト画像と図10(b)の参照パター
ンでの電位コントラスト画像との比較画像から生成し
た、一方のコントラストのみを含む比較画像を示す図で
ある。
【0137】図10(a),(b)において、31は下
層配線、32は第一の上層配線(線形の導電体)、33
は下層配線31と電気的に接続しているビアプラグ、3
4は第一の上層配線32の電位を固定するための第一の
電位固定ビアプラグ、35は下層配線31の電位を固定
するための第二の電位固定ビアプラグである。
【0138】まず、図10(a)の被検査パターン構造
については、図8(a)の被検査パターン構造とほぼ同
じであるが、以下の点において異なる。
【0139】まず、第二の電位固定ビアプラグ35が、
基準箇所となる下層配線31cと、シリコン基板とを電
気的に接続するようにz軸方向に形成されているという
点である。ここで、シリコン基板はアースに接続されて
いるので、基準箇所となる下層配線31cもアースに接
続されることとなり、下層配線31cの電位はアース電
位に固定される。また、第二の電位固定ビアプラグ35
は下層配線31cの下側に位置しているので、点線にて
その形状を図示している。
【0140】さらに本実施の形態では、実際のテスト構
造の形成時には、測定対象となるビアプラグ331の径
の中心に対して第一の上層配線32の幅の中心軸は、x
方向にdだけずれて形成されているという点である。
【0141】今、d’=0でデザインされているので、
前記ずれ量dが重ね合わせずれ量に該当する。
【0142】上記構造において、下層配線31上に形成
されたビアプラグ33の一部が、第一の上層配線32と
ショートしている。
【0143】次に、図10(a)の被検査パターンでの
電位コントラスト画像について具体的に説明する。
【0144】図1のSEM式画像比較型検査装置500
を用いて図10(a)の被検査パターンを観察すると
(ステップST12)、電位が固定されていない領域
(第一の上層配線32と電気的に接続していない対のビ
アプラグ33a。ここで、対のビアプラグ33cは除か
れる。)は電気的にフローティング状態となるため、一
次電子線502が照射された当該領域を正電位に帯電さ
せることができる。その結果、対のビアプラグ33aか
らの二次電子512の発生効率が下がるので、当該領域
は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0145】他方、電位がアース電位に固定されている
領域(第一の上層配線32、第一の上層配線32と電気
的に接続している対のビアプラグ33b、および対のビ
アプラグ33c)は電荷が帯電することがないので、当
該領域上に一次電子線502が照射されると、正常に二
次電子512が発生し、当該領域は、明るいコントラス
ト画像として認識される。
【0146】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0147】次に図10(b)の参照パターン構造につ
いてであるが、これは、図10(a)の構造とほぼ同じ
であるが、以下に示す点において図10(a)と異な
る。
【0148】それは、図10(b)には、すべての下層
配線31に対して、下層配線31の電位を固定するため
の第二の電位固定ビアプラグ35が形成されているとい
う点である。
【0149】第二の電位固定ビアプラグ35は、下層配
線31とシリコン基板を電気的に接続するようにz軸方
向に形成されており、シリコン基板はアースに接続され
ている。したがって、下層配線31もアースに接続され
ることとなり、下層配線31の電位はアース電位に固定
される。ここで、第二の電位固定ビアプラグ35は下層
配線31の下側に位置しているので、点線にてその形状
を図示している。
【0150】したがって、図1のSEM式画像比較型検
査装置500を用いて図10(b)の参照パターンを観
察すると(ステップST13)、電位がアース電位に固
定されている領域(第一の上層配線32およびビアプラ
グ33)は電荷が帯電することがないので、当該領域上
に一次電子線502が照射されると、正常に二次電子5
12が発生し、当該領域は、明るいコントラスト画像と
して認識される。
【0151】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0152】上記のようにして得られた、図10(a)
と図10(b)の電位コントラスト画像の比較を、画像
比較部515にて行う(ステップST14)。この比較
は、コントラストの差をとることにより行われる。すな
わち、被検査パターンの電位コントラスト画像と参照パ
ターンの電位コントラスト画像との間でコントラストが
明るい領域同士(または、コントラストの暗い領域同
士)は相殺され、明と暗とでコントラストの異なる領域
は、被検査パターンの電位コントラスト画像がそのまま
残る。これが、図10(c)である。
【0153】したがって、図10(c)の比較画像にお
いて、対のピアプラグ33aは、暗いコントラストとし
てそのまま残り、対のビアプラグ33b,33cおよび
第一の上層配線32は相殺される。
【0154】次に、図10(c)の比較画像を用いてビ
アカバー量aと重ね合わせずれ量dとを求める。まず、
重ね合わせずれ量dの求め方について説明する。
【0155】コントラスト寸法測定部516では、クラ
スタリング機能を用いて、図10(c)の比較画像の点
在するコントラストを二つの集合38,39として認識
させ、当該集合の範囲の寸法を測定する(ステップST
15)。ここで、これらの集合範囲の規定は、該当する
コントラストを含有する最小限の大きさの長方形であ
り、当該長方形のy方向の寸法をそれぞれ測定する。
【0156】その後、特性化寸法解析部517におい
て、コントラスト寸法測定部516で測定された寸法結
果を元に、パターン形成された測定対象となるビアプラ
グ331に対する第一の上層配線32の実際の重ね合わ
せずれ量dを導出する(ステップST16)。具体的な
解析方法は、以下の通りである。
【0157】もし、重ね合わせのずれ量dが生じなけれ
ば、ビアプラグ33は下層配線31cに関する反転対象
の構成となっているため、集合38のy方向の寸法Y1
と集合39のy方向の寸法Y2とは、同じとなり、両者
の差分はゼロである。
【0158】しかし、実際に半導体装置508を製造す
るにあたり、重ね合わせのずれが生じており、Y1とY
2との寸法に差が現れる。ここで、縦方向のずらし量t
をビアプラグの径bと比べて大きく設定し、横方向のず
らし量sを微小とすることにより、重ね合わせずれ量d
は、 d=(n1−n2)・s ・・・(10) で表される。ここで、n1とn2は、それぞれ集合38
に含まれるコントラストの対の数と集合39に含まれる
コントラストの対の数であり、式(6)と前記測定結果
であるY1、Y2とを用いることにより、求められる整
数(n1、n2が小数で表されるときは、最も近い整数
で表す)である。当該整数n1,n2を式(10)に代
入することにより、重ね合わせずれ量dを求めることが
できる。
【0159】ここで、横方向のずらし量sの具体的な量
として、ビアプラグの径の大きさの1/10未満程度で
あれば、当該近似は妥当とみなせる。
【0160】以上のようにして本実施の形態では、図1
0(c)の比較画像の二つの集合範囲38,38のy方
向の寸法Y1,Y2を測定し、式(6)により、特性化
寸法解析部517が整数値n1,n2を認識すること
で、重ね合わせのずれ量dを求めることができる。さら
に、縦方向のずらし量tを大きく設計すればするほど、
および横方向のずらし量sを微小に設計すればするほ
ど、重ね合わせのずれ量dの精度は向上させることがで
きる。
【0161】ここで、特性化寸法解析部517におい
て、上記式に基づいたコントラストの寸法Y1,Y2
(または、整数値n1,n1)と、重ね合わせずれ量d
の対応表をデータベースとして予め記憶させておくこと
により、当該特性化寸法解析部517は自動かつ迅速に
特性化寸法の導出を行うことが可能となる。
【0162】次に、ビアカバー量aであるが、これは、
実施の形態2と同様な解析方法で導出できるの説明を省
略する。なお、本実施の形態においては、重ね合わせず
れ量dが生じているため、式(9)に上述で導出された
重ね合わせずれ量dを加える必要がある。
【0163】ここで、本実施の形態ではd’=0につい
て考えたが、d’が有限の値を持っていても良く、この
値は、設計値であり既知なので式(2)にその値を代入
するだけである。
【0164】<実施の形態4>本実施の形態は、実施の
形態2を基にした変形形態である。実施の形態2で得ら
れる比較画像図8(c)のコントラストは、ビアプラグ
の径の大きさに相当する大きさであり、その大きさは小
さいので、クラスタリング機能を用いてコントラストの
集合範囲を規定するに際し、コントラストの認識が困難
なものとなり、正確に集合範囲を規定できない場合があ
る。本実施の形態は、上記問題を克服するためのもので
る。そこで本実施の形態では、図11に示すテスト構造
を形成する。
【0165】ここで、図11(a)は、半導体装置50
8を上方から見た被検査パターンおよび被検査パターン
での電位コントラスト画像を示す図である。また図11
(b)は、同じく半導体装置508を上方から見た、被
検査パターンとの比較に用いる参照パターン、および参
照パターンでの電位コントラスト画像を示す図である。
さらに図11(c)は、図11(a)の被検査パターン
での電位コントラスト画像と図11(b)の参照パター
ンでの電位コントラスト画像との比較画像から生成し
た、一方のコントラストのみを含む比較画像を示す図で
ある。
【0166】また、図11(a),(b)において、4
1は下層配線、42は第一の上層配線(線形の導電
体)、43は下層配線41と電気的に接続しているビア
プラグ、44は第一の上層配線42の電位を固定するた
めの第一の電位固定ビアプラグ、45は下層配線41の
電位を固定するための第二の電位固定ビアプラグであ
る。ここで、本実施の形態において第一の上層配線42
の幅cとする。
【0167】なお、本実施の形態においても実施の形態
2と同様に、製造による重ね合わせのずれは生じないも
のとする。
【0168】この図11から分かるように本実施の形態
のテスト構造は、図8(実施の形態2)のテスト構造
に、ビアプラグの径の面積よりも大きい面積の複数の孤
立導体46を形成したものである。
【0169】孤立導体46は、第一の上層配線42と同
一層に、かつ第一の上層配線42と接続しないように形
成されている。また、孤立導体46は、各下層配線41
に対応して、その上方に孤立状態で配置されており、か
つ、孤立導体46は、複数ののビアプラグ43と電気的
に接続されている。
【0170】まず、図11(a)の被検査パターンでの
電位コントラスト画像について具体的に説明する。
【0171】図1のSEM式画像比較型検査装置500
を用いて図11(a)の被検査パターンを観察すると
(ステップST12)、電位が固定されていない領域
(第一の上層配線42と電気的に接続していない対のビ
アプラグ43a、および対のピアプラグ43aと電気的
に接続している孤立導体46a)は電気的にフローティ
ング状態となるため、一次電子線502が照射された当
該領域を正電位に帯電させることができる。その結果、
対のビアプラグ43aおよび孤立導体46aからの二次
電子512の発生効率が下がるので、当該領域は、暗い
コントラスト画像として認識される。
【0172】他方、電位がアース電位に固定されている
領域(第一の上層配線42、第一の上層配線42と電気
的に接続している対のビアプラグ43b、および対のピ
アプラグ43bと電気的に接続している孤立導体46
b)は電荷が帯電することがないので、当該領域上に一
次電子線502が照射されると、正常に二次電子512
が発生し、当該領域は、明るいコントラスト画像として
認識される。
【0173】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0174】次に図11(b)の参照パターン構造につ
いてであるが、これは、図11(a)の構造とほぼ同じ
であるが、以下に示す点において図11(a)と異な
る。
【0175】それは、図11(b)には、すべての下層
配線41に電位を固定するための第二の電位固定ビアプ
ラグ45が形成されているという点である。第二の電位
固定ビアプラグ45は、下層配線41とシリコン基板を
電気的に接続するようにz軸方向に形成されており、シ
リコン基板はアースに接続されている。したがって、下
層配線41もアースに接続されることとなり、下層配線
41の電位はアース電位に固定される。ここで、第二の
電位固定ビアプラグ45は下層配線41の下側に位置し
ているので、点線にてその形状を図示している。
【0176】したがって、図1のSEM式画像比較型検
査装置500を用いて図11(b)の参照パターンを観
察すると(ステップST13)、電位がアース電位に固
定されている領域(第一の上層配線42、ビアプラグ4
3および孤立導体46)は電荷が帯電することがないの
で、当該領域上に一次電子線502が照射されると、正
常に二次電子512が発生し、当該領域は、明るいコン
トラスト画像として認識される。
【0177】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0178】上記のようにして得られた、図11(a)
と図11(b)の電位コントラスト画像の比較を、画像
比較部515にて行う(ステップST14)。この比較
は、コントラストの差をとることにより行われる。すな
わち、被検査パターンの電位コントラスト画像と参照パ
ターンの電位コントラスト画像との間でコントラストが
明るい領域同士(または、コントラストの暗い領域同
士)は相殺され、明と暗とでコントラストの異なる領域
は、被検査パターンの電位コントラスト画像がそのまま
残る。これが図11(c)である。
【0179】したがって、図11(c)の比較画像にお
いて、対のピアプラグ43aおよび孤立導体46aは、
暗いコントラストとしてそのまま残り、対のビアプラグ
43b、孤立導体46bおよび第一の上層配線42は相
殺される。
【0180】次に、コントラスト寸法測定部516で
は、クラスタリング機能を用いて、図11(c)の比較
画像のコントラストを一つの集合として認識させ、当該
集合の範囲の寸法を測定する(ステップST15)。こ
こで、この集合範囲の規定は、すべてのコントラストを
含有する最小限の大きさの長方形であり、当該長方形の
y方向の寸法を測定する。
【0181】その後、特性化寸法解析部517におい
て、コントラスト寸法測定部516で測定された寸法結
果を元に、パターン形成された測定対象となるビアプラ
グ431に対する第一の上層配線42の実際のビアカバ
ー量aを導出する(ステップST16)。具体的な解析
方法は、以下の通りである。
【0182】まず、前記孤立導体46のy方向の幅をp
とすると、式(5)において、bがpに変わるだけであ
る。次に、コントラスト寸法測定部516で測定された
前記集合範囲のy方向の寸法をbとpに置き換えた式
(5)に代入し、t>>p(この条件は、デザイン上容
易に実現可能である)とすることにより、nの値が式
(6)で与えられる。
【0183】式(6)により、特性化寸法解析部517
ではnの値を認識できる。ここで、式(6)で得られる
nの値は、小数の値で算出される場合もあるが、特性化
寸法解析部517では、nに対して最も近い整数の値を
認識する。
【0184】他方、前記集合範囲のx方向の寸法Xは、
対のビアプラグ43の中心間距離をuとすると、式
(7)は、 X=c+2b+2n・s=u+b+(n−1)・s ・・・(11) で与えられる。ここで、本実施の形態では第一の上層配
線42の幅はcとしている。なお、式(11)の導出に
際し、横方向のずらし量s(<b/10)を微小である
ことを用いた。すなわち、ビアプラグ43が第一の上層
配線42と横切る際、近似的に第一の上層配線42に接
するビアプラグ43が存在する。
【0185】式(11)より、 (b+c)/2=u/2−(n+1)・s/2 ・・・(12) となり、これを式(2)に代入することにより、測定対
象となるビアプラグ431に対する第一の上層配線42
の実際のビアカバー量aは、 a=u/2−(n+1)・s/2 ・・・(13) で導出される。ここで、本実施の形態ではd=d’=0
について考えているので、これを加味している。
【0186】したがって、上式(13)のnとして式
(6)で近似される整数値を代入することにより、特性
化寸法解析部517では、ビアカバー量aの値を求める
ことができる。なお、u,s,tはデザイン値なので、
既知量である。
【0187】以上のようにして、図11(c)の比較画
像のコントラスト集合範囲の寸法を測定することによ
り、ビアカバー量aを求めることができる。ここで、縦
方向のずらし量tを大きく設計すればするほど、および
横方向のずらし量sを微小に設計すればするほど、ビア
カバー量aの精度は向上させることができる。
【0188】本実施の形態では、ビアプラグ43の面積
よりも広い面積の孤立導体46を導入したことにより、
コントラストがより鮮明に認識されるので、コントラス
ト集合範囲の設定をより容易に、しかも正確に行うこと
ができる。
【0189】ここで、本実施の形態ではd’=0につい
て考えたが、d’が有限の値を持っていても良く、この
値は、設計値であり既知なので式(2)にその値を代入
するだけである。
【0190】なお、本実施の形態においても、実施の形
態3のように、被検査パターンの下層配線に基準箇所と
なる下層配線を設けることにより、実際のパターン形成
で重ね合わせずれが生じても、当該ずれ量を求めること
ができる。
【0191】ここで本実施の形態においても、特性化寸
法解析部517において、上記式に基づいたコントラス
トの寸法Y(または整数値n)と、ビアカバー量aの対
応表をデータベースとして予め記憶させておくことによ
り、当該特性化寸法解析部517は自動かつ迅速に特性
化寸法の導出を行うことが可能となる。
【0192】また、本実施の形態の孤立導体は、他の実
施の形態においても適用できることは、言うまでもな
い。
【0193】<実施の形態5>本実施の形態において
も、図3に示すように、設計段階としてd’=0(ビア
プラブ3の径の中心と上層配線4の幅の中心とが一致)
をデザインしたときに、これを基に実際の半導体装置5
08に形成されたビアプラグ3に対する上層配線4のビ
アカバー量a、および重ね合わせずれ量dを求めること
を目的とする。そのために、図12に示すテスト構造を
設計する。
【0194】図12は、デザインされたテスト構造を上
方向から見た図である。図12において、51は下層配
線、52は第一の上層配線(線形の導電体)、53は下
層配線51と電気的に接続しているビアプラグ、54は
第一の上層配線52の電位を固定するための第一の電位
固定ビアプラグである。
【0195】図12に示しているように、第一の上層配
線52がy方向にデザインされている。
【0196】また、測定対象となるビアプラグ531
が、第一の上層配線52の幅の中心軸とビアプラグ53
1の径中心とが一致(d’=0)するようにデザインさ
れている。
【0197】次に、測定対称となるビアプラグ531に
対して対となるように、−x方向に間隔rを隔ててビア
プラグ532がデザインされている。
【0198】複数のビアプラグ53は、ビアプラグ53
1を有する第一のビアプラグ群(第一の導体)53f
と、ビアプラグ532を有する第二のビアプラグ群(第
二の導体)53gとで構成されている。
【0199】第一のビアプラグ群53fは、構成要素と
なるビアプラグが、所定の傾き(第一の傾き)を有する
第一の仮想直線上を一定の間隔で点在して配列してい
る。ここで、第一のビアプラグ群53fを構成するビア
プラグ同士は、y方向に距離t(縦方向のずらし量)、
x方向に距離s1(第一の横方向のずらし量)だけシフ
トさせてデザインされている。つまり第一の仮想直線の
傾きは、t/s1であり、各ビアプラグ間の間隔は、
(t2+s121/2である。
【0200】一方、第二のビアプラグ群53gは、構成
要素となるビアプラグが、所定の傾き(第二の傾き)を
有する第二の仮想直線上を一定の間隔で点在して配列し
ている。ここで、第二のビアプラグ群53gを構成する
ビアプラグ同士は、y方向に距離t(縦方向のずらし
量)、x方向に距離s2(第二の横方向のずらし量)だ
けシフトさせてデザインされている。つまり第二の仮想
直線の傾きは、t/s2であり、各ビアプラグ間の間隔
は、(t2+s221/2である。
【0201】ここで、s2>s1の関係を満たしていれ
ば、s1,s2のシフトさせる向きが上記と逆の場合で
もかまわないが、s1とs2とでシフトの方向は反対で
ある方が望ましい。また、第一のビアプラグ群53fの
構成要素のビアプラグと、第二のビアプラグ群53gの
構成要素のビアプラグとが対を形成しており、当該対の
方向はx方向である。
【0202】後は、対のビアプラグ53を電気的に接続
するように下層配線51がx方向にストライプ状にデザ
インされており、さらに、第一の電位固定ビアプラグ5
4が、第一の上層配線52と接続するようにデザインさ
れている。
【0203】次に、図12に示す設計図に基づいてテス
ト構造を実際に形成する。これが図13であり、以下、
図13に示すテスト構造を用いて説明する。
【0204】ここで、図13(a)は、半導体装置50
8を上方から見た被検査パターンおよび被検査パターン
での電位コントラスト画像を示す図である。また図13
(b)は、同じく半導体装置508を上方から見た、被
検査パターンとの比較に用いる参照パターン、および参
照パターンでの電位コントラスト画像を示す図である。
さらに図13(c)は、図13(a)の被検査パターン
での電位コントラスト画像と図13(b)の参照パター
ンでの電位コントラスト画像との比較画像から生成し
た、一方のコントラストのみを含む比較画像を示す図で
ある。
【0205】まず、図13(a)の被検査パターン構造
について具体的に説明する。
【0206】はじめに、シリコン基板(図示せず)の主
面上には、層間絶縁膜(図示せず)がz軸方向に堆積さ
れている。この層間絶縁膜中には、図13(a)から分
かるように下層配線51がx方向にストライプ状に形成
されている。ここで、下層配線51の間隔はt(縦方向
のずらし量)である。なお、下層配線51は層間絶縁膜
中に形成されているので、点線にてその形状を図示して
いる。
【0207】また、層間絶縁膜表面上を貫通して下層配
線51に達するように(z軸方向に)、複数のビアプラ
グ53が形成されている。複数のビアプラグ53は、図
12で説明した関係を有する第一のビアプラグ群53f
と第二のビアプラグ群53gとで構成されている。
【0208】また、層間絶縁膜表面上に、第一の上層配
線52がy方向に形成されている。
【0209】なお、設計時には、測定対象となるビアプ
ラグ531の径の中心と第一の上層配線52の幅の中心
軸とが一致するようにデザインされていたが、実際のテ
スト構造の形成時には、ビアプラグ531の径の中心に
対して第一の上層配線52の幅の中心軸は、x方向にd
だけずれて形成されている。今、d’=0でデザインさ
れているので、前記ずれ量dが重ね合わせずれ量に該当
する。
【0210】また、第一の電位固定ビアプラグ54が、
第一の上層配線52とシリコン基板とを電気的に接続す
るようにz軸方向に形成されており、シリコン基板はア
ースに接続されている。したがって、第一の上層配線5
2もアースに接続されることとなり、第一の上層配線5
2の電位はアース電位に固定される。ここで、第一の電
位固定ビアプラグ54は第一の上層配線52の下側に位
置しているので、点線にてその形状を図示している。
【0211】上記構造において、第一のビアプラグ群5
3fを構成するビアプラグの一部が、第一の上層配線5
2とショートしている。
【0212】次に、図13(a)の被検査パターンでの
電位コントラスト画像について具体的に説明する。
【0213】図1のSEM式画像比較型検査装置500
を用いて図13(a)の被検査パターンを観察すると
(ステップST12)、電位が固定されていない領域
(第一の上層配線52と電気的に接続していない対のビ
アプラグ53a)は電気的にフローティング状態となる
ため、一次電子線502が照射された当該領域を正電位
に帯電させることができる。その結果、対のビアプラグ
53aからの二次電子512の発生効率が下がるので、
当該領域は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0214】他方、電位がアース電位に固定されている
領域(第一の上層配線52、第一の上層配線52と電気
的に接続している対のビアプラグ53b)は電荷が帯電
することがないので、当該領域上に一次電子線502が
照射されると、正常に二次電子512が発生し、当該領
域は、明るいコントラスト画像として認識される。
【0215】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0216】次に図13(b)の参照パターン構造につ
いてであるが、これは、図13(a)の構造とほぼ同じ
であるが、以下に示す点において図13(a)と異な
る。
【0217】それは、図13(b)には、第一の上層配
線52をアース電位に固定するための第一の電位固定ビ
アプラグ54が形成されていないという点である。
【0218】したがって、図1のSEM式画像比較型検
査装置500を用いて図13(b)の参照パターンを観
察すると(ステップST13)、電位が固定されていな
い領域(第一の上層配線52およびビアプラグ53)は
電気的にフローティング状態となるため、一次電子線5
02が照射された当該領域を正電位に帯電させることが
できる。その結果、第一の上層配線52およびビアプラ
グ53からの二次電子512の発生効率が下がるので、
当該領域は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0219】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0220】上記のようにして得られた、図13(a)
と図13(b)の電位コントラスト画像の比較を、画像
比較部515にて行う(ステップST14)。この比較
は、コントラストの差をとることにより行われる。すな
わち、被検査パターンの電位コントラスト画像と参照パ
ターンの電位コントラスト画像との間でコントラストが
明るい領域同士(または、コントラストの暗い領域同
士)は相殺され、明と暗とでコントラストの異なる領域
は、被検査パターンの電位コントラスト画像がそのまま
残る。これが図13(c)である。
【0221】したがって、図13(c)の比較画像にお
いて、第一の上層配線52および対のビアプラグ53b
は、明るいコントラストとしてそのまま残り、対のビア
プラグ53aは相殺される。
【0222】次に、コントラスト寸法測定部516で
は、クラスタリング機能を用いて、図13(c)の比較
画像の点在する第二のビアプラグ群53gに該当するコ
ントラストを一つの集合として認識させ、当該集合の範
囲のy方向の寸法Yを測定し、さらに、x方向のクラス
タリング機能を用いることにより、間隔の最も広い対の
ビアプラブ53のx方向の寸法Xを測定する(ステップ
ST15)。
【0223】その後、特性化寸法解析部517におい
て、コントラスト寸法測定部516で測定された寸法結
果を元に、パターン形成された測定対象となるビアプラ
グ531に対する第一の上層配線52の実際のビアカバ
ー量a、重ね合わせのずれ量dを導出する(ステップS
T16)。具体的な解析方法は、以下の通りである。
【0224】はじめに、重ね合わせずれ量dを求める。
【0225】まず前記寸法Xは、測定対象となるビアプ
ラグ531より+y方向側に見えるコントラストの対の
数をn1とすると、 X=r+n1・(s1+s2)+b ・・・(14) で与えられる。ここで、rはビアプラグ531の中心と
ビアプラグ532の中心との距離であり、s1,s2は
第一、第二の横方向のずらし量であり、bはビアプラグ
53の径である。
【0226】式(14)において、s1+s2>>b
(この条件は、デザイン上容易に実現可能である)とす
ることにより、n1は、 n1=(X−r)/(s1+s2) ・・・(15) で与えられる。
【0227】次に、前記集合範囲のy方向の寸法Yは、
測定対象となるビアプラグ531より−y方向側に見え
るコントラストの対の数をn2とすると、 Y=b+(n1+n2)・t ・・・(16) で与えられる。ここで、tは縦方向のずらし量である。
【0228】式(16)において、t>>b(この条件
は、デザイン上容易に実現可能である)とすることによ
り、n2は、 n2=Y/t−(X−r)/(s1+s2) ・・・(17) で与えられる。ここで、n1として式(15)を用いて
いる。
【0229】したがって、コントラスト寸法測定部51
6で測定された、前記寸法Xおよび前記寸法Yの測定結
果を、式(15)、(17)に代入することにより、n
1とn2を求めることができ、この値を特性化寸法解析
部517が認識する。ここで、n1、n2が小数値であ
る場合は、最も近い整数値をn1、n2を採用する。
【0230】ところで、重ね合わせずれ量dは、整数値
n1、n2および第一の横方向のずらし量s1を用いる
ことにより、 d=(n1−n2)・s1 ・・・(18) で与えられる。ここで、s1(<b/10)は微小量で
あることを用いている。
【0231】したがって、式(15)、(17)により
求められた整数値n1、n2を用いることにより、式
(18)から重ね合わせずれ量dを求めることができ
る。
【0232】一方、ビアカバー量aは次のようにして求
めることができる。
【0233】第一の横方向のずらし量s1を微小(すな
わち、ビアプラグ53が第一の上層配線52と横切る
際、近似的に第一の上層配線52に接するビアプラグ5
3が存在する)とすると、b+cは、 b+c=(n1+n2)・s1 ・・・(19) で与えられる。ここで、cは第一の上層配線52の幅で
ある。したがって式(2)に式(18)、(19)を代
入することにより、ビアカバー量aは、 a=(n1+n2)・s1/2±(n1−n2)・s1 ・・・(20) で与えられる。ここで、本実施の形態ではd’=0につ
いて考えているので、これを加味している。したがっ
て、式(20)に、式(15),(17)により求めら
れた整数値n1、n2を代入することにより、ビアカバ
ー量aを求めることができる。
【0234】ここで、特性化寸法解析部517におい
て、上記式に基づいたコントラストの寸法X,Y(また
は、整数値n1,n2)と、ビアカバー量aおよび重ね
合わせずれ量dの対応表をデータベースとして予め記憶
させておくことにより、当該特性化寸法解析部517は
自動かつ迅速に特性化寸法の導出を行うことが可能とな
る。
【0235】以上のようにして、図13(c)の比較画
像のコントラストの寸法を測定することにより、ビアカ
バー量aおよび重ね合わせずれ量dを求めることができ
る。よって、縦方向のずらし量t、第二の横方向のずら
し量s2を大きく設計すればするほど、また、第一の横
方向のずらし量s1を微小に設計すればするほど、ビア
カバー量aおよび重ね合わせずれ量dの精度は向上させ
ることができる。
【0236】また、本実施の形態では、第二の横方向の
ずらし量s2を導入し、s2をs1よりも大きい値とす
ることにより、寸法Xの範囲が広がるので、クラスタリ
ング機能を用いてコントラストのx方向の範囲を規定す
るとき、より明確となり、x方向の範囲の規定を容易に
設定することができる。
【0237】ここで、本実施の形態ではd’=0につい
て考えたが、d’が有限の値を持っていても良く、この
値は、設計値であり既知なので式(2)にその値を代入
するだけである。
【0238】<実施の形態6>本実施の形態は、実施の
形態5の変形形態である。実施の形態5では、x方向の
範囲の規定を容易に設定することができたが、本実施の
形態では、y方向の集合範囲の規定においても容易に設
定できるようにすることを目的とする。
【0239】本実施の形態においても、図3に示すよう
に、設計段階としてd’=0(ビアプラブ3の径の中心
と上層配線4の幅の中心とが一致)をデザインしたとき
に、これを基に実際の半導体装置508に形成されたビ
アプラグ3に対する上層配線4のビアカバー量a、およ
び重ね合わせずれ量dを求めることを目的とする。その
ために、図14に示すテスト構造を設計する。
【0240】図14は、デザインされたテスト構造を上
方向から見た図である。図14において、61は下層配
線、62は第一の上層配線(線形の導電体)、63は下
層配線61と電気的に接続しているビアプラグ、64は
第一の上層配線62の電位を固定するための第一の電位
固定ビアプラグである。
【0241】図14に示しているように、第一の上層配
線62がy方向にデザインされている。
【0242】また、測定対象となるビアプラグ631
が、第一の上層配線62の幅の中心軸とビアプラグ63
1の径の中心とが一致(d’=0)するようにデザイン
されている。
【0243】次に、測定対称となるビアプラグ631に
対して、−x方向に所定の間隔を隔ててビアプラグ63
2がデザインされており、さらにビアプラグ632に対
して、−x方向に間隔wを隔ててビアプラグ633がデ
ザインされている。つまり、ビアプラグ632と633
との中心点間距離がwである。
【0244】複数のビアプラグ63は、ビアプラグ63
1を有する第一のビアプラグ群(第一の導体)63f
と、ビアプラグ632を有する第二のビアプラグ群(第
二の導体)63gと、ビアプラグ633を有する第三の
ビアプラグ群63hとで構成されている。
【0245】第一のビアプラグ群63fは、構成要素と
なるビアプラグが、所定の傾き(第一の傾き)を有する
第一の仮想直線上を一定の間隔で点在して配列してい
る。ここで、第一のビアプラグ群63fを構成するビア
プラグ同士は、y方向に距離t(縦方向のずらし量)、
x方向に距離s1(第一の横方向のずらし量)だけシフ
トさせてデザインされている。つまり第一の仮想直線の
傾きは、t/s1であり、各ビアプラグ間の間隔は、
(t2+s121/2である。
【0246】一方、第二のビアプラグ群63gは、構成
要素となるビアプラグが、所定の傾き(第二の傾き)を
有する第二の仮想直線上を一定の間隔で点在して配列し
ている。ここで、第二のビアプラグ群63fを構成する
ビアプラグ同士は、y方向に距離t(縦方向のずらし
量)、x方向に距離s2(第二の横方向のずらし量)だ
けシフトさせてデザインされている。つまり第二の仮想
直線の傾きは、t/s2であり、各ビアプラグ間の間隔
は、(t2+s221/2である。
【0247】さらに、第三のビアプラグ群63hでは、
構成要素となるビアプラグは、y方向に間隔t(縦方向
のずらし量)毎に点在して配列している。
【0248】ここで、s2>s1の関係を満たしていれ
ば、s1,s2のシフトさせる向きが上記と逆の場合で
もかまわない。また、第一のビアプラグ群63fの構成
要素のビアプラグと、第二のビアプラグ群63gの構成
要素のビアプラグと、第三のビアプラグ群63hの構成
要素のビアプラグとで組を形成しており、当該組の生成
方向はx方向である。
【0249】後は、x方向に並ぶ組のビアプラグ63を
電気的に接続するように下層配線61がx方向にストラ
イプ状にデザインされており、さらに、第一の電位固定
ビアプラグ64が、第一の上層配線62と接続するよう
にデザインされている。
【0250】次に、図14に示す設計図に基づいてテス
ト構造を実際に形成する。これが図15であり、以下、
図15に示すテスト構造を用いて説明する。
【0251】ここで、図15(a)は、半導体装置50
8を上方から見た被検査パターンおよび被検査パターン
での電位コントラスト画像を示す図である。また図15
(b)は、同じく半導体装置508を上方から見た、被
検査パターンとの比較に用いる参照パターン、および参
照パターンでの電位コントラスト画像を示す図である。
さらに図15(c)は、図15(a)の被検査パターン
での電位コントラスト画像と図15(b)の参照パター
ンでの電位コントラスト画像との比較画像から生成し
た、一方のコントラストのみを含む比較画像を示す図で
ある。
【0252】まず、図15(a)の被検査パターン構造
について具体的に説明する。
【0253】はじめに、シリコン基板(図示せず)の主
面上には、層間絶縁膜(図示せず)がz軸方向に堆積さ
れている。この層間絶縁膜中には、図15(a)から分
かるように下層配線61がx方向にストライプ状に形成
されている。ここで、下層配線61の間隔はt(縦方向
のずらし量)であり、また、下層配線61は層間絶縁膜
中に形成されているので、点線にてその形状を図示して
いる。
【0254】また、層間絶縁膜表面上を貫通して下層配
線61に達するように(z軸方向に)、複数のビアプラ
グ63が形成されている。ここで複数のビアプラグ63
は、図14で説明した関係を有する第一のビアプラグ群
63f、第二のビアプラグ群63g、第三のビアプラグ
群63hで構成されている。
【0255】また、層間絶縁膜表面上に、第一の上層配
線62がy方向に形成される。
【0256】なお、設計時には、測定対象となるビアプ
ラグ631の径の中心と第一の上層配線62の幅の中心
軸とが一致するようにデザインされていたが、実際のテ
スト構造の形成時には、ビアプラグ631の径の中心に
対して第一の上層配線62の幅の中心軸は、x方向にd
だけずれて形成されている。今、d’=0でデザインさ
れているので、前記ずれ量dが重ね合わせずれ量に該当
する。
【0257】また、第一の電位固定ビアプラグ64が、
第一の上層配線62とシリコン基板とを電気的に接続す
るようにz軸方向に形成されており、シリコン基板はア
ースに接続されている。したがって、第一の上層配線6
2もアースに接続されることとなり、第一の上層配線6
2の電位はアース電位に固定される。ここで、第一の電
位固定ビアプラグ64は第一の上層配線62の下側に位
置しているので、点線にてその形状を図示している。
【0258】上記構造において、第一のビアプラグ群6
3fを構成するビアプラグの一部が、第一の上層配線6
2とショートしている。
【0259】次に、図15(a)の被検査パターンでの
電位コントラスト画像について具体的に説明する。
【0260】図1のSEM式画像比較型検査装置500
を用いて図15(a)の被検査パターンを観察すると
(ステップST12)、電位が固定されていない領域
(第一の上層配線62と電気的に接続していない組のビ
アプラグ63a)は電気的にフローティング状態となる
ため、一次電子線502が照射された当該領域を正電位
に帯電させることができる。その結果、組のビアプラグ
63aからの二次電子512の発生効率が下がるので、
当該領域は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0261】他方、電位がアース電位に固定されている
領域(第一の上層配線62、第一の上層配線62と電気
的に接続している組のビアプラグ63b)は電荷が帯電
することがないので、当該領域上に一次電子線502が
照射されると、正常に二次電子512が発生し、当該領
域は、明るいコントラスト画像として認識される。
【0262】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0263】次に図15(b)の参照パターン構造につ
いてであるが、これは、図15(a)の構造とほぼ同じ
であるが、以下に示す点において図15(a)と異な
る。
【0264】それは、図15(b)には、第一の上層配
線62をアース電位に固定するための第一の電位固定ビ
アプラグ64が形成されていないという点である。
【0265】したがって、図1のSEM式画像比較型検
査装置500を用いて図15(b)の参照パターンを観
察すると(ステップST13)、電位が固定されていな
い領域(第一の上層配線62およびビアプラグ63)は
電気的にフローティング状態となるため、一次電子線5
02が照射された当該領域を正電位に帯電させることが
できる。その結果、第一の上層配線62およびビアプラ
グ63からの二次電子512の発生効率が下がるので、
当該領域は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0266】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0267】上記のようにして得られた、図15(a)
と図15(b)の電位コントラスト画像の比較を、画像
比較部515にて行う(ステップST14)。この比較
は、コントラストの差をとることにより行われる。すな
わち、被検査パターンの電位コントラスト画像と参照パ
ターンの電位コントラスト画像との間でコントラストが
明るい領域同士(または、コントラストの暗い領域同
士)は相殺され、明と暗とでコントラストの異なる領域
は、被検査パターンの電位コントラスト画像がそのまま
残る。これが図15(c)である。
【0268】したがって、図15(c)の比較画像にお
いて、第一の上層配線62および組のビアプラグ63b
は、明るいコントラストとしてそのまま残り、組のビア
プラグ63aは相殺される。
【0269】次に、コントラスト寸法測定部516で
は、クラスタリング機能を用いて、図15(c)の比較
画像の点在するコントラストを一つの集合として認識さ
せ、当該集合の範囲の寸法を測定する(ステップST1
5)。ここで、この集合範囲の規定は、第二のビアプラ
グ群63gと第三のビアプラグ群63hに該当するすべ
てのコントラストを含有する最小限の大きさの長方形で
あり、当該長方形のx方向、y方向の寸法をそれぞれ測
定する。
【0270】その後、特性化寸法解析部517におい
て、コントラスト寸法測定部516で測定された寸法結
果を元に、パターン形成された測定対象となるビアプラ
グ631に対する第一の上層配線62の実際のビアカバ
ー量a、重ね合わせのずれ量dを導出する(ステップS
T16)。具体的な解析方法は、以下の通りである。
【0271】はじめに、重ね合わせずれ量dを求める。
【0272】まず、前記集合範囲のx方向の寸法Xは、
測定対象となるビアプラグ631より+y方向側に見え
るコントラストの組の数をN1とすると、 X=w+N1・s2+b ・・・(21) で与えられる。ここで、wはビアプラグ632の中心と
ビアプラグ633の中心との距離であり、s2は第二の
横方向のずらし量であり、bはビアプラグ63の径であ
る。
【0273】式(21)において、s2>>b(この条
件は、デザイン上容易に実現可能である)とすることに
より、N1は、 N1=(X−w)/s2 ・・・(22) で与えられる。
【0274】次に、前記集合範囲のy方向の寸法Yは、
測定対象となるビアプラグ631より−y方向側に見え
るコントラストの組の数をN2とすると、 Y=b+(N1+N2)・t ・・・(23) で与えられる。ここで、tは縦方向のずらし量である。
【0275】式(23)において、t>>b(この条件
は、デザイン上容易に実現可能である)とすることによ
り、N2は、 N2=Y/t−(X−w)/s2 ・・・(24) で与えられる。ここで、N1として式(22)を用いて
いる。
【0276】したがって、コントラスト寸法測定部51
6で測定された、前記集合範囲のx方向の測定結果Xお
よびy方向の測定結果Yを、式(22)、(24)に代
入することにより、N1とN2を求めることができ、こ
の値を特性化寸法解析部517が認識する。ここで、N
1、N2が小数値である場合は、最も近い整数値をN
1、N2に採用する。
【0277】ところで、重ね合わせずれ量dは、整数値
N1、N2および第一の横方向のずらし量s1を用いる
ことにより、 d=(N1−N2)・s1 ・・・(25) で与えられる。ここで、s1は微小量(s1<b/1
0)であることを用いている。
【0278】したがって、式(22)、(24)により
求められた整数値N1、N2を用いることにより、式
(25)から重ね合わせずれ量dを求めることができ
る。
【0279】一方、ビアカバー量aは次のようにして求
めることができる。
【0280】第一の横方向のずらし量s1を微小(すな
わち、ビアプラグ63が第一の上層配線62と横切る
際、近似的に第一の上層配線62に接するビアプラグ6
3が存在する)とすると、b+cは、 b+c=(N1+N2)・s1 ・・・(26) で与えられる。ここで、cは第一の上層配線62の幅で
ある。したがって式(2)に式(25)、(26)を代
入することにより、ビアカバー量aは、 a=(N1+N2)・s1/2±(N1−N2)・s1 ・・・(27) で与えられる。ここで、本実施の形態ではd’=0につ
いて考えているので、これを加味している。したがっ
て、式(27)に、式(22)、(24)により求めら
れた整数値N1、N2を代入することにより、ビアカバ
ー量aを求めることができる。
【0281】ここで、特性化寸法解析部517におい
て、上記式に基づいたコントラストの寸法X,Y(また
は、整数値N1,N2)と、ビアカバー量aおよび重ね
合わせずれ量dの対応表をデータベースとして予め記憶
させておくことにより、当該特性化寸法解析部517は
自動かつ迅速に特性化寸法の導出を行うことが可能とな
る。
【0282】以上のようにして、図15(c)の比較画
像のコントラスト集合範囲の寸法を測定することによ
り、ビアカバー量aおよび重ね合わせずれ量dを求める
ことができる。よって、縦方向のずらし量t、第二の横
方向のずらし量s2を大きく設計すればするほど、ま
た、第一の横方向のずらし量s1を微小に設計すればす
るほど、ビアカバー量aおよび重ね合わせずれ量dの精
度は向上させることができる。
【0283】また、本実施の形態では、第二の仮想直線
の傾きを第一の仮想直線の傾きより小さくすることによ
り(s2>s1)、クラスタリング機能を用いてコント
ラストの集合範囲を規定するとき、x方向に関しては集
合範囲が広がり、より当該方向のコントラストの認識が
明確となるので、x方向の集合範囲の規定を容易に設定
することができる。他方、y方向に関しては、y方向に
沿ってコントラストが配列しているので、y方向の集合
範囲の規定を簡単に設定することができる。
【0284】ここで、本実施の形態ではd’=0につい
て考えたが、d’が有限の値を持っていても良く、この
値は、設計値であり既知なので式(2)にその値を代入
するだけである。
【0285】<実施の形態7>本実施の形態は、実施の
形態5の変形形態であり、実施の形態5と評価したい被
検査パターンが同じで、参照パターンが異なる場合のも
のである(したがって比較画像も異なる)。以下、図1
6に示すテスト構造を用いて説明する。
【0286】ここで、図16(a)は、半導体装置50
8を上方から見た被検査パターンおよび被検査パターン
での電位コントラスト画像を示す図である。また図16
(b)は、同じく半導体装置508を上方から見た、被
検査パターンとの比較に用いる参照パターン、および参
照パターンでの電位コントラスト画像を示す図である。
さらに図16(c)は、図16(a)の被検査パターン
での電位コントラスト画像と図16(b)の参照パター
ンでの電位コントラスト画像との比較画像から生成し
た、一方のコントラストのみを含む比較画像を示す図で
ある。
【0287】図16(a),(b)において、71は下
層配線、71a,71bはお互いに電気的に分断されて
いる下層配線片、72は第一の上層配線(線形の導電
体)、73は下層配線71、71aまたは71bと電気
的に接続しているビアプラグ、74は第一の上層配線7
2の電位を固定するための第一の電位固定ビアプラグで
ある。
【0288】まず、図16(a)の被検査パターン構造
および電位コントラスト画像については、図13(a)
の被検査パターン構造および電位コントラスト画像と同
じなので、ここでの説明は省略する。ここで、731は
測定対象となるビアプラグ(設計段階でd’=0、つま
り、ビアプラブの径の中心と第一の上層配線の幅の中心
とが一致)を示し、73aは第一の上層配線72と電気
的に接続していない対のビアプラグを示し、73bは第
一の上層配線72と電気的に接続している対のビアプラ
グを示している。
【0289】次に図16(b)の参照パターン構造につ
いてであるが、これは、図16(a)の構造とほぼ同じ
であるが、以下に示す点において図16(a)と異な
る。
【0290】それは、図16(b)は、下層配線71
が、電気的に分断された下層配線片71a,71bに置
換わっているという点である。ここで、前記分断の方法
は、対のビアプラグ73の一方と他方とを電気的に独立
となるように分断されている。
【0291】したがって、図1のSEM式画像比較型検
査装置500を用いて図16(b)の参照パターンを観
察すると(ステップST13)、電位が固定されていな
い領域(第一の上層配線72と電気的に接続していない
ビアプラグ73c)は電気的にフローティング状態とな
るため、一次電子線502が照射された当該領域を正電
位に帯電させることができる。その結果、ビアプラグ7
3cからの二次電子512の発生効率が下がるので、当
該領域は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0292】他方、電位がアース電位に固定されている
領域(第一の上層配線72、第一の上層配線72と電気
的に接続しているビアプラグ73d)は電荷が帯電する
ことがないので、当該領域上に一次電子線502が照射
されると、正常に二次電子512が発生し、当該領域
は、明るいコントラスト画像として認識される。
【0293】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0294】上記のようにして得られた、図16(a)
と図16(b)の電位コントラスト画像の比較を、画像
比較部515にて行う(ステップST14)。この比較
は、コントラストの差をとることにより行われる。すな
わち、被検査パターンの電位コントラスト画像と参照パ
ターンの電位コントラスト画像との間でコントラストが
明るい領域同士(または、コントラストの暗い領域同
士)は相殺され、明と暗とでコントラストの異なる領域
は、被検査パターンの電位コントラスト画像がそのまま
残る。これが図16(c)である。
【0295】したがって、図16(c)の比較画像にお
いて、対のビアプラグ73bからビアプラグ73dを除
いた部分は、明るいコントラストとしてそのまま残り、
第一の上層配線72、対のビアプラグ73aおよびビア
プラグ73dは相殺される。
【0296】次に、コントラスト寸法測定部516で
は、クラスタリング機能を用いて、図16(c)の比較
画像の点在するコントラストを一つの集合として認識さ
せ、当該集合の範囲の寸法を測定する(ステップST1
5)。ここで、この集合範囲の規定は、すべてのコント
ラストを含有する最小限の大きさの長方形であり、当該
長方形のx方向の寸法を測定する。
【0297】その後、特性化寸法解析部517におい
て、コントラスト寸法測定部516で測定された寸法結
果を元に、パターン形成された測定対象となるビアプラ
グ731に対する第一の上層配線72の実際のビアカバ
ー量aを導出する(ステップST16)。具体的な解析
方法は、以下の通りである。
【0298】まず、前記集合範囲のx方向の寸法Xは、
コントラストの数をNとすると、 X=N・s2+b ・・・(28) で与えられる。ここで、s2は第二の横方向のずらし量
であり、bはビアプラグ73の径である。
【0299】式(28)において、s2>>b(この条
件は、デザイン上容易に実現可能である)とすることに
より、Nは、 N=X/s2 ・・・(29) で与えられる。したがって、コントラスト寸法測定部5
16で測定された、前記集合範囲のx方向の測定結果X
を、式(29)に代入することにより、Nを求めること
ができ、この値を特性化寸法解析部517が認識する。
ここで、Nが小数値である場合は、最も近い整数値をN
に採用する。
【0300】ところで、第一の横方向のずらし量s1を
微小(すなわち、ビアプラグ73が第一の上層配線72
と横切る際、近似的に第一の上層配線72に接するビア
プラグが存在する。具体的にs1<b/10程度。)と
すると、b+cは、 b+c=N・s1 ・・・(30) で与えられる。ここで、cは第一の上層配線72の幅で
ある。
【0301】したがって式(2)に式(30)を代入す
ることにより、ビアカバー量aは、 a=N・s1/2±d ・・・(31) で与えられる。ここで、本実施の形態ではd’=0につ
いて考えているので、これを加味している。
【0302】したがって式(31)に、式(29)のN
を代入することにより、ビアカバー量aは重ね合わせず
れ量dの範囲で求まる。ここで、第二の横方向のずらし
量s2を大きく設計すればするほど、また、第一の横方
向のずらし量s1を微小に設計すればするほど、ビアカ
バー量aの精度は向上させることができる。
【0303】ここで、特性化寸法解析部517におい
て、上記式に基づいたコントラストの寸法X(または、
整数値N)と、ビアカバー量aの対応表をデータベース
として予め記憶させておくことにより、当該特性化寸法
解析部517は自動かつ迅速に特性化寸法の導出を行う
ことが可能となる。
【0304】また、本実施の形態では、第二の横方向の
ずらし量s2の値を大きく設定することにより、クラス
タリング機能を用いてコントラストの集合範囲を規定す
るとき、x方向に関しては集合範囲が広がり、よりコン
トラストが明確となるので、x方向の集合範囲の規定を
容易に設定することができる。
【0305】また、上記では、前記集合範囲のx方向の
寸法を測定することにより、ビアカバー量aを求めた
が、前記集合範囲のy方向の寸法を測定することによっ
てもビアカバー量aを求めることができる。
【0306】つまり、前記集合範囲のy方向の寸法Y
は、 Y=b+N・t ・・・(32) で与えられる。ここで、tは縦方向のずらし量である。
【0307】式(32)において、t>>b(この条件
は、デザイン上容易に実現可能である)とすることによ
り、Nは、 N=Y/t ・・・(33) で与えられる。したがって、式(31)に式(33)を
代入することにより、ビアカバー量aを求めることがで
きる。ここでも、縦方向のずらし量tを大きく設計すれ
ばするほど、ビアカバー量aの精度は向上させることが
できる。
【0308】また、本実施の形態は、実施の形態5の効
果に加えて次の効果も生じる。それは、実施の形態5の
比較画像(図13(c))では、第一の上層配線のコン
トラストも現れていたが、本実施の形態では現れないの
で、より簡単に点在するコントラストの集合範囲を規定
することができるという効果も生じる。
【0309】ここで、本実施の形態ではd’=0につい
て考えたが、d’が有限の値を持っていても良く、この
値は、設計値であり既知なので式(2)にその値を代入
するだけである。
【0310】なお、本実施の形態においては、参照パタ
ーンの下層配線を分断し対のビアプラグを電気的に切断
したが、参照パターンにおいて、対のビアプラグが電気
的に分断されるのであれば、これ以外の方法により分断
してもかまわない。例えば、下層配線自身を形成しない
等の方法が挙げられる。
【0311】<実施の形態8>本実施の形態は、実施の
形態7の変形形態である。実施の形態7では、重ね合わ
せずれ量を求めることはできなかったが、本実施の形態
では、ビアカバー量と重ね合わせずれ量とを同時に測定
することを目的とする。この目的を達成するために形成
されたテスト構造を図17に示す。
【0312】ここで、図17(a)は、半導体装置50
8を上方から見た被検査パターンおよび被検査パターン
での電位コントラスト画像を示す図である。また図17
(b)は、同じく半導体装置508を上方から見た、被
検査パターンとの比較に用いる参照パターン、および参
照パターンでの電位コントラスト画像を示す図である。
さらに図17(c)は、図17(a)の被検査パターン
での電位コントラスト画像と図17(b)の参照パター
ンでの電位コントラスト画像との比較画像から生成し
た、一方のコントラストのみを含む比較画像を示す図で
ある。
【0313】図17(a),(b)において、81は下
層配線、81a,81bはお互いに電気的に分断されて
いる下層配線片、82は第一の上層配線(線形の導電
体)、83は下層配線81、81aまたは81bと電気
的に接続しているビアプラグ、84は第一の上層配線8
2の電位を固定するための第一の電位固定ビアプラグで
ある。また、831は測定対象となるビアプラグであ
り、当該ビアプラグ831の径の中心と第一の上層配線
の幅の中心とは、設計段階において一致している(d’
=0)。
【0314】まず、図17(a)の被検査パターン構造
について具体的に説明する。
【0315】図17(a)の被検査パターン構造は、図
16(a)の被検査パターン構造とほぼ同じであるが、
以下の点において異なる。
【0316】それは、y方向に沿って点在するビアプラ
グを構成要素とする第三のビアプラグ群83hを形成し
た点である。ここで、第三のビアプラグ群83hの構成
要素であるビアプラグは、下層配線81と電気的に接続
している。また、第一のビアプラグ群(第一の導体)8
3f、第二のビアプラグ群(第二の導体)83gにおい
ては、実施の形態5のそれらと同じなので説明は省略す
る。
【0317】したがって、各下層配線81には、3つ一
組のビアプラブ83が電気的に接続されて形成されてい
る。ここで、第一のビアプラグ群83fの構成要素であ
る測定対象となるビアプラグ831に対して、−x方向
に所定の間隔を隔てて第二のビアプラグ群83gの構成
要素であるビアプラグ832が形成されており、さらに
ビアプラグ832に対して、−x方向に間隔wを隔てて
第三のビアプラグ群83hの構成要素である833が形
成されている。つまり、ビアプラグ832と833との
中心点間距離がwである。
【0318】上記構造において、第一のビアプラグ群8
3fを構成するビアプラグの一部が、第一の上層配線8
2とショートしている。
【0319】次に、図17(a)の被検査パターンでの
電位コントラスト画像について具体的に説明する。
【0320】図1のSEM式画像比較型検査装置500
を用いて図17(a)の被検査パターンを観察すると
(ステップST12)、電位が固定されていない領域
(第一の上層配線82と電気的に接続していない組のビ
アプラグ83a)は電気的にフローティング状態となる
ため、一次電子線502が照射された当該領域を正電位
に帯電させることができる。その結果、組のビアプラグ
83aからの二次電子512の発生効率が下がるので、
当該領域は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0321】他方、電位がアース電位に固定されている
領域(第一の上層配線82、第一の上層配線82と電気
的に接続している組のビアプラグ83b)は電荷が帯電
することがないので、当該領域上に一次電子線502が
照射されると、正常に二次電子512が発生し、当該領
域は、明るいコントラスト画像として認識される。
【0322】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0323】次に図17(b)の参照パターン構造につ
いてであるが、これは、図17(a)の構造とほぼ同じ
であるが、以下に示す点において図17(a)と異な
る。
【0324】それは、図17(b)は、下層配線81
が、電気的に分断された下層配線片81a,81bに置
換わっているという点である。ここで、前記分断の方法
は、第一のビアプラグ群83fと第二のビアプラグ群8
3gとが電気的に独立となるように分断されている。
【0325】したがって、図1のSEM式画像比較型検
査装置500を用いて図17(b)の参照パターンを観
察すると(ステップST13)、電位が固定されていな
い領域(第一の上層配線82と電気的に接続していない
ビアプラグ83c)は電気的にフローティング状態とな
るため、一次電子線502が照射された当該領域を正電
位に帯電させることができる。その結果、ビアプラグ8
3cからの二次電子512の発生効率が下がるので、当
該領域は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0326】他方、電位がアース電位に固定されている
領域(第一の上層配線82、第一の上層配線82と電気
的に接続しているビアプラグ83d)は電荷が帯電する
ことがないので、当該領域上に一次電子線502が照射
されると、正常に二次電子512が発生し、当該領域
は、明るいコントラスト画像として認識される。
【0327】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0328】上記のようにして得られた、図17(a)
と図17(b)の電位コントラスト画像の比較を、画像
比較部515にて行う(ステップST14)。この比較
は、コントラストの差をとることにより行われる。すな
わち、被検査パターンの電位コントラスト画像と参照パ
ターンの電位コントラスト画像との間でコントラストが
明るい領域同士(または、コントラストの暗い領域同
士)は相殺され、明と暗とでコントラストの異なる領域
は、被検査パターンの電位コントラスト画像がそのまま
残る。これが図17(c)である。
【0329】したがって、図17(c)の比較画像にお
いて、組のビアプラグ83bからビアプラグ83dを除
いた部分は、明るいコントラストとしてそのまま残り、
第一の上層配線82、組のビアプラグ83aおよびビア
プラグ83dは相殺される。
【0330】次に、コントラスト寸法測定部516で
は、クラスタリング機能を用いて、図17(c)の比較
画像の点在するコントラストを一つの集合として認識さ
せ、当該集合の範囲の寸法を測定する(ステップST1
5)。ここで、この集合範囲の規定は、すべてのコント
ラストを含有する最小限の大きさの長方形であり、当該
長方形のx方向、y方向の寸法をそれぞれ測定する。
【0331】その後、特性化寸法解析部517におい
て、コントラスト寸法測定部516で測定された寸法結
果を元に、パターン形成された測定対象となるビアプラ
グ831に対する第一の上層配線82の実際のビアカバ
ー量a、重ね合わせのずれ量dを導出する(ステップS
T16)。具体的な解析の考え方は実施の形態6と同じ
なので、ここでの説明は省略する。
【0332】以上のように本実施の形態では第三のビア
プラグ群83hをさらに形成することにより、実施の形
態7の効果に加えて次の効果が生じる。
【0333】それは、重ね合わせずれ量dが正確に求め
られることと、これにより、ビアカバー量aも正確に定
まるという効果である。
【0334】加えて、y方向に沿ってコントラストが配
列しているので、y方向の集合範囲の規定を簡単に設定
することができるという効果をも生じる。
【0335】ここで、特性化寸法解析部517におい
て、上記式に基づいたコントラストの寸法(または、コ
ントラストに基づく整数値)と、ビアカバー量aおよび
重ね合わせずれ量dの対応表をデータベースとして予め
記憶させておくことにより、当該特性化寸法解析部51
7は自動かつ迅速に特性化寸法の導出を行うことが可能
となる。
【0336】なお、本実施の形態では、下層配線を分断
することにより第一のビアプラグ群83fと第二のビア
プラグ群83gとを電気的に切断したが、両ビアプラグ
グ群を電気的に切断できるのであれば、他の方法を用い
ていも良く、例えば、下層配線片81aを形成しない方
法も挙げられる。
【0337】<実施の形態9>本実施の形態は、実施の
形態6の変形形態である。つまり、実施の形態6で形成
された第三のビアプラグ群63hの変わりに、本実施の
形態では、複数の孤立導体を形成している。
【0338】以下、図18に示すテスト構造を用いて説
明する。ここで、図18(a)は、半導体装置508を
上方から見た被検査パターンおよび被検査パターンでの
電位コントラスト画像を示す図である。また図18
(b)は、同じく半導体装置508を上方から見た、被
検査パターンとの比較に用いる参照パターン、および参
照パターンでの電位コントラスト画像を示す図である。
さらに図18(c)は、図18(a)の被検査パターン
での電位コントラスト画像と図18(b)の参照パター
ンでの電位コントラスト画像との比較画像から生成し
た、一方のコントラストのみを含む比較画像を示す図で
ある。
【0339】図18(a),(b)において、91は下
層配線、92は第一の上層配線(線形の導電体)、93
は下層配線91と電気的に接続しているビアプラグ、9
31は測定対象となるビアプラグ、94は第一の上層配
線92の電位を固定するための第一の電位固定ビアプラ
グ、96は第一の上層配線92と同一層に形成される孤
立導体である。
【0340】まず、図18(a)の被検査パターン構造
は、図15(a)の被検査パターンとほぼ同じである
が、以下の点において異なる。
【0341】それは、上記で説明したように、第三のビ
アプラグ群63hの変わりに、ビアプラグ93よりも面
積の大きい複数の孤立導体96が形成されているという
点である。その他の第一のビアプラグ群(第一の導体)
93f、第二のビアプラグ群(第二の導体)93g、第
一の上層配線92、下層配線91、第一の電位固定ビア
プラグ94等の構成は、実施の形態6のそれらと同じ構
成関係にあるので、ここでの説明は省略する。
【0342】さて、孤立導体96の詳細の構成である
が、各孤立導体96は、第一の上層配線92と同一層の
x方向に、ストライプ状に形成されている。また、各孤
立導体96は、第二のビアプラグ群93gの構成要素と
なるビアプラグと、それぞれ電気的に接続されている。
さらに、隣接する孤立導体96同士の長さおよび間隔
は、所定の関係を保持している。例えば本実施の形態で
は、隣接する孤立導体96の長さは、第二の横方向のず
らし量s2ずつ変化しており、また、間隔は縦方向のず
らし量tで形成されている。ここで、各孤立導体96
は、第一の上層配線92とショートしないように形成さ
れている。
【0343】なお、測定対象となるビアプラグ931と
対を形成しているビアプラグと電気的に接続している孤
立導体96cの長さは、mで形成されている。
【0344】次に、図18(a)の被検査パターンでの
電位コントラスト画像について具体的に説明する。
【0345】図1のSEM式画像比較型検査装置500
を用いて図18(a)の被検査パターンを観察すると
(ステップST12)、電位が固定されていない領域
(第一の上層配線92と電気的に接続していない対のビ
アプラグ93a、および、対のビアプラグ93aの一方
と電気的に接続している孤立導体96a)は電気的にフ
ローティング状態となるため、一次電子線502が照射
された当該領域を正電位に帯電させることができる。そ
の結果、対のビアプラグ93aおよび孤立導体96aか
らの二次電子512の発生効率が下がるので、当該領域
は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0346】他方、電位がアース電位に固定されている
領域(第一の上層配線92、第一の上層配線92と電気
的に接続している対のビアプラグ93b、および、対の
ビアプラグ93bの一方と電気的に接続している孤立導
体96b)は電荷が帯電することがないので、当該領域
上に一次電子線502が照射されると、正常に二次電子
512が発生し、当該領域は、明るいコントラスト画像
として認識される。
【0347】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0348】次に図18(b)の参照パターン構造につ
いてであるが、これは、図18(a)の構造とほぼ同じ
であるが、以下に示す点において図18(a)と異な
る。
【0349】それは、図18(b)には、第一の上層配
線92をアース電位に固定するための第一の電位固定ビ
アプラグ94が形成されていないという点である。
【0350】したがって、図1のSEM式画像比較型検
査装置500を用いて図18(b)の参照パターンを観
察すると(ステップST13)、電位が固定されていな
い領域(第一の上層配線92、ビアプラグ93および孤
立導体96)は電気的にフローティング状態となるた
め、一次電子線502が照射された、当該領域を正電位
に帯電させることができる。その結果、第一の上層配線
92、ビアプラグ93および孤立導体96からの二次電
子512の発生効率が下がるので、当該領域は、暗いコ
ントラスト画像として認識される。
【0351】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0352】上記のようにして得られた、図18(a)
と図18(b)の電位コントラスト画像の比較を、画像
比較部515にて行う(ステップST14)。この比較
は、コントラストの差をとることにより行われる。すな
わち、被検査パターンの電位コントラスト画像と参照パ
ターンの電位コントラスト画像との間でコントラストが
明るい領域同士(または、コントラストの暗い領域同
士)は相殺され、明と暗とでコントラストの異なる領域
は、被検査パターンの電位コントラスト画像がそのまま
残る。これが図18(c)である。
【0353】したがって、図18(c)の比較画像にお
いて、第一の上層配線92、ビアプラグ93b、および
孤立導体96bは、明るいコントラストとしてそのまま
残り、孤立導体96a、およびビアプラグ93aは相殺
される。
【0354】次に、コントラスト寸法測定部516で
は、クラスタリング機能を用いて、図18(c)の比較
画像のコントラストを一つの集合として認識させ、当該
集合の範囲の寸法を測定する(ステップST15)。こ
こで、この集合範囲の規定は、孤立導体96に該当する
すべてのコントラストを含有する最小限の大きさの長方
形であり、当該長方形のx方向、y方向の寸法をそれぞ
れ測定する。
【0355】その後、特性化寸法解析部517におい
て、コントラスト寸法測定部516で測定された寸法結
果を元に、パターン形成された測定対象となるビアプラ
グ931に対する第一の上層配線92の実際のビアカバ
ー量a、重ね合わせのずれ量dを導出する(ステップS
T16)。具体的な解析方法は、以下の通りである。
【0356】はじめに、重ね合わせずれ量dを求める。
【0357】まず、前記集合範囲のx方向の寸法Xは、
測定対象となるビアプラグ931より+y方向側に見え
る孤立導体のコントラストの数をN1とすると、 X=m+N1・s2 ・・・(34) で与えられる。ここで、mは、測定対象となるビアプラ
グ931と電気的に接続している孤立導体96cの長さ
であり、s2は隣接する孤立導体96の長さの変化量で
ある。
【0358】したがって、式(34)よりN1は、 N1=(X−m)/s2 ・・・(35) で与えられる。
【0359】次に、前記集合範囲のy方向の寸法Yは、
測定対象となるビアプラグ931より−y方向側に見え
る孤立導体のコントラストの数をN2とすると、 Y=v+(N1+N2)・t ・・・(36) で与えられる。ここで、tは縦方向のずらし量であり、
vは形成されている各孤立導体96のy方向の幅(設計
段階での既知量)である。
【0360】式(36)において、t>>v(この条件
は、デザイン上容易に実現可能である)とすることによ
り、N2は、 N2=Y/t−(X−m)/s2 ・・・(37) で与えられる。ここで、N1の値として式(35)を用
いた。
【0361】したがって、コントラスト寸法測定部51
6で測定された、前記集合範囲のx方向の測定結果Xお
よびy方向の測定結果Yを、式(35)、(37)に代
入することにより、N1とN2を求めることができ、こ
の値を特性化寸法解析部517が認識する。ここで、N
1、N2が小数値である場合は、最も近い整数値をN
1、N2に採用する。
【0362】ところで、重ね合わせずれ量dは、整数値
N1、N2および第一の横方向のずらし量s1を用いる
ことにより、 d=(N1−N2)・s1 ・・・(38) で与えられる。ここで、s1は微小量(s1<b/1
0)であることを用いている。
【0363】したがって、式(35)、(37)により
求められた整数値N1、N2を用いることにより、式
(38)から重ね合わせずれ量dを求めることができ
る。
【0364】一方、ビアカバー量aについては、実施の
形態6と同様にして導出できるので、ここでの説明は省
略する。
【0365】ここで、特性化寸法解析部517におい
て、上記式に基づいたコントラストの寸法X,Y(また
は、整数値N1,N2)と、ビアカバー量aおよび重ね
合わせずれ量dの対応表をデータベースとして予め記憶
させておくことにより、当該特性化寸法解析部517は
自動かつ迅速に特性化寸法の導出を行うことが可能とな
る。
【0366】以上のようにして、図18(c)の比較画
像のコントラスト集合範囲の寸法を測定することによ
り、ビアカバー量aおよび重ね合わせずれ量dを求める
ことができる。よって、縦方向のずらし量tを大きく設
計すればするほど、また、第一の横方向のずらし量s1
を微小に設計すればするほど、ビアカバー量aおよび重
ね合わせずれ量dの精度は向上させることができる。
【0367】また、本実施の形態では、ビアプラグより
も面積が大きい孤立導体96を用いたので、コントラス
トがビアプラグと比較して明瞭となり、クラスタリング
機能を用いてコントラストの集合範囲を規定するとき、
簡単に設定することができる。
【0368】ここで、本実施の形態ではd’=0につい
て考えたが、d’が有限の値を持っていても良く、この
値は、設計値であり既知なので式(2)にその値を代入
するだけである。
【0369】なお、本実施の形態において、各孤立導体
96と電気的に接続されるビアプラグとして、第二のビ
アプラグ群93gを採用したが、下層配線91を介し
て、第一のビアプラグ群93fの構成要素となるビアプ
ラグと電気的に接続されているビアプラグであれば、第
二のビアプラグ群93gでなくても良く、例えば、第三
のビアプラグ群93hであっても良い。
【0370】<実施の形態10>本実施の形態では、隣
接する配線間のショートマージンを高精度に測定するこ
とにより、配線間の不良を検査することを目的とする。
この目的を達成するために、図19に示すテスト構造を
形成する。以下、図19に示すテスト構造を用いて説明
する。
【0371】ここで、図19(a)は、半導体装置50
8を上方から見た被検査パターンおよび被検査パターン
での電位コントラスト画像を示す図である。また図19
(b)は、同じく半導体装置508を上方から見た、被
検査パターンとの比較に用いる参照パターン、および参
照パターンでの電位コントラスト画像を示す図である。
さらに図19(c)は、図19(a)の被検査パターン
での電位コントラスト画像と図19(b)の参照パター
ンでの電位コントラスト画像との比較画像から生成し
た、一方のコントラストのみを含む比較画像を示す図で
ある。
【0372】図19(a),(b)において、101は
下層配線、102は第一の上層配線(線形の導電体)、
103は下層配線101と電気的に接続しているビアプ
ラグ、103fは第一の傾きを有する仮想直線上に一定
の間隔で点在している第一のビアプラグ群、104は第
一の上層配線102の電位を固定するための第一の電位
固定ビアプラグ、106は第一の上層配線102と同一
層に形成される導体(第二の導体)、107は第一の上
層配線102と同一層に形成される第二の上層配線(第
一の導体)である。ここで、上記各部材101〜106
および第一のビアプラグ群103fの構成関係は、実施
の形態9における各部材91〜96および第一のビアプ
ラグ群93fと同じであるので、詳細な説明は省略す
る。ここで導体106は孤立導体96とほぼ同じ構成で
あるが、導体106の長さに特定の関係を持たせる必要
はない。
【0373】まず、図19(a)の被検査パターン構造
は、図18(a)の被検査パターンとほぼ同じである
が、第一のビアプラグ群103fの構成要素であるビア
プラグと電気的に接続される第二の上層配線107が形
成されている点において異なる。
【0374】第二の上層配線107は、第一の上層配線
102および導体106と同一層に形成されており、導
体106とは接続していない。さらに、第二の上層配線
107は、第一のビアプラグ群103fの構成要素であ
る各ビアプラグと対応して、個別に形成されている。ま
た、各第二の上層配線107のx方向の幅は、それぞれ
同一であり、y方向に隣接する第二の上層配線107同
士は、第一の横方向のずらし量s1づつずれた状態で形
成されている。
【0375】ここで、本実施の形態では、複数の第二の
上層配線107のうち、基準となる第二の上層配線10
7cを形成する。この基準となる第二の上層配線107
cの幅の中心は、第一の上層配線102の幅の中心と一
致している。
【0376】なお、本実施の形態において、第一の上層
配線102と第二の上層配線107とは、テーパ構造を
有していてもよい(つまり上層配線のトップ幅がボトム
幅よりも小さい)。以下、本実施の形態では、第一およ
び第二の上層配線はテーパ構造を有しているものとして
説明する。
【0377】次に、図19(a)の被検査パターンでの
電位コントラスト画像について具体的に説明する。
【0378】図1のSEM式画像比較型検査装置500
を用いて図19(a)の被検査パターンを観察すると
(ステップST12)、電位が固定されていない領域
(第一の上層配線102と電気的に接続していない導体
106aおよび第二の上層配線107a)は電気的にフ
ローティング状態となるため、一次電子線502が照射
された当該領域を正電位に帯電させることができる。そ
の結果、導体106aおよび第二の上層配線107aか
らの二次電子512の発生効率が下がるので、当該領域
は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0379】他方、電位がアース電位に固定されている
領域(第一の上層配線102、第一の上層配線102と
電気的に接続している導体106bおよび第二の上層配
線107b)は電荷が帯電することがないので、当該領
域上に一次電子線502が照射されると、正常に二次電
子512が発生し、当該領域は、明るいコントラスト画
像として認識される。
【0380】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られるので、
第一の上層配線102、導体106および第二の上層配
線107の電位情報のみ反映し、下層配線101、ビア
プラグ103および第一の電位固定ビアプラグ104の
電位情報は反映されない。
【0381】次に図19(b)の参照パターン構造につ
いてであるが、これは、図19(a)の構造とほぼ同じ
であるが、以下に示す点において図19(a)と異な
る。
【0382】それは、図19(b)には、第一の上層配
線102をアース電位に固定するための第一の電位固定
ビアプラグ104が形成されていないという点である。
【0383】したがって、図1のSEM式画像比較型検
査装置500を用いて図19(b)の参照パターンを観
察すると(ステップST13)、電位が固定されていな
い領域(第一の上層配線102、導体106および第二
の上層配線107)は電気的にフローティング状態とな
るため、一次電子線502が照射された、当該領域を正
電位に帯電させることができる。その結果、第一の上層
配線102、導体106および第二の上層配線107か
らの二次電子512の発生効率が下がるので、当該領域
は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0384】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0385】上記のようにして得られた、図19(a)
と図19(b)の電位コントラスト画像の比較を、画像
比較部515にて行う(ステップST14)。この比較
は、コントラストの差をとることにより行われる。すな
わち、被検査パターンの電位コントラスト画像と参照パ
ターンの電位コントラスト画像との間でコントラストが
明るい領域同士(または、コントラストの暗い領域同
士)は相殺され、明と暗とでコントラストの異なる領域
は、被検査パターンの電位コントラスト画像がそのまま
残る。これが図19(c)である。
【0386】したがって、図19(c)の比較画像にお
いて、第一の上層配線102、導体106bおよび第二
の上層配線107bは、明るいコントラストとしてその
まま残り、導体106aおよび第二の上層配線107a
は相殺される。
【0387】次に、コントラスト寸法測定部516で
は、クラスタリング機能を用いて、図19(c)の比較
画像のコントラストを一つの集合として認識させ、当該
集合の範囲の寸法を測定する(ステップST15)。こ
こで、この集合範囲の規定は、導体106に該当するす
べてのコントラストを含有する最小限の大きさの長方形
であり、当該長方形のy方向の寸法を測定する。
【0388】その後、特性化寸法解析部517におい
て、コントラスト寸法測定部516で測定された寸法結
果を元に、パターン形成された第一の上層配線102と
第二の上層配線107とのトップ幅間距離eを導出する
(ステップST16)。具体的な解析方法は、以下の通
りである。
【0389】まず、前記集合範囲のy方向の寸法Yは、
導体106のコントラストの数をnとすると、 Y=f+(n−1)・t ・・・(39) で与えられる。ここで、fは導体106のy方向の幅
(設計段階での既知量)であり、tは縦方向のずらし量
である。
【0390】したがって、式(39)においてより、n
は、 n=Y/t+1 ・・・(40) で与えられる。ここで、t>>f(この条件は、デザイ
ン上容易に実現可能である)の関係を用いた。
【0391】したがって、コントラスト寸法測定部51
6で測定された、前記集合範囲のy方向の測定結果Y
を、式(40)に代入することにより、nを求めること
ができ、この値を特性化寸法解析部517が認識する。
ここで、nが小数値である場合は、最も近い整数値をn
に採用する。
【0392】ところで、第一の横方向のずらし量s1が
微小であるとすると、基準となる第二の上層配線107
cからx方向に第一の横方向のずらし量s1ずつずらし
て第二の上層配線107を形成していくと、第二の上層
配線107eは、近似的に、図20に示す状態とみなせ
る。つまり、第一の上層配線102のボトム幅と第二の
上層配線107eのボトム幅とが接している状態と近似
できる。
【0393】したがって、図20で示されているトップ
幅間距離eは、 e=(n−1)s1−(α+β)/2 ・・・(41) で与えられる。ここで、αは第一の上層配線102のト
ップ幅であり、βは第二の上層配線107eのトップ幅
である。
【0394】よって、式(41)のαとβとしてSEM
の実測値を、nの値として式(40)で得られる整数値
を代入することにより、トップ幅間距離eを求めること
ができ、同条件により製造された配線間ショートマージ
ンは、以下のようにして決められる。
【0395】つまり、図21の配線同士のトップ幅の間
隔が実測によりLだと判明すると、配線間ショートマー
ジンδ(ボトム幅間の間隔)は、 δ=L−e ・・・(42) で決められる。
【0396】ここで、特性化寸法解析部517におい
て、上記式に基づいた、コントラストの寸法Y(また
は、整数値n)と、トップ幅間距離eの対応表をデータ
ベースとして予め記憶させておくことにより、当該特性
化寸法解析部517は自動かつ迅速に特性化寸法の導出
を行うことが可能となる。
【0397】ところで上記では、クラスタリング機能に
より、図19(c)の比較画像の導体106に該当する
すべてのコントラストを含有する最小限の大きさの長方
形を認識し、当該長方形のy方向の寸法を測定し、当該
y方向の寸法に基づいてトップ幅間距離eを求めた。し
かし、同じクラスタリング機能を用いて、第二の上層配
線107に該当するすべてのコントラストを含有する最
小限のx方向の距離を認識し、当該x方向の距離を測定
することによっても、トップ幅間距離eを求めることが
できる。
【0398】すなわち、第一の横方向のずらし量s1を
微小とすると、前記x方向の寸法Xは、 X=β+(n−1)・s1 ・・・(43) で与えられる。故に、前記x方向の寸法の測定値Xと、
前記第二の上層配線107のトップ幅βのSEMによる
実測値を式(43)代入することにより、nが、 n=(X−β)/s1+1 ・・・(44) で求まる。ここで、式(44)から求まるnが小数の場
合は、最も近い整数をnとする。後の手順は上記と同じ
なので、説明は省略する。
【0399】以上のようにして、従来の技術では測定不
可能であったテーパ構造やダマシン構造の配線間ショー
トマージンを、図19(c)の比較画像のコントラスト
集合範囲の寸法を測定することにより、トップ幅間距離
eから間接的に求めることができる。さらに、縦方向の
ずらし量tを大きく設計すればするほど、また、第一の
横方向のずらし量s1を微小に設計すればするほど、配
線間ショートマージンの精度は向上させることができ
る。
【0400】また、本実施の形態では、導体106を用
いて検査したが、用いる必要もなく、第一のビアプラグ
群の構成要素であるビアプラグと電気的に接続してい
て、y方向の間隔が一定で点在する複数のビアプラグが
あれば、本実施の形態の効果は十分に得られる。しか
し、面積の大きい導体106を用いたので、コントラス
トがビアプラグと比較して明瞭なため、クラスタリング
機能を用いてコントラストの集合範囲を規定するとき、
簡単に設定することができる。
【0401】<実施の形態11>本実施の形態は、実施
の形態10の変形形態である。図19(c)の比較画像
から第一および第二の上層配線のコントラストを無くす
ことにより、クラスタリング処理を容易ならしめること
を目的とする。
【0402】以下、図22に示すテスト構造を用いて説
明する。ここで、図22(a)は、半導体装置508を
上方から見た被検査パターンおよび被検査パターンでの
電位コントラスト画像を示す図である。また図22
(b)は、同じく半導体装置508を上方から見た、被
検査パターンとの比較に用いる参照パターン、および参
照パターンでの電位コントラスト画像を示す図である。
さらに図22(c)は、図22(a)の被検査パターン
での電位コントラスト画像と図22(b)の参照パター
ンでの電位コントラスト画像との比較画像から生成し
た、一方のコントラストのみを含む比較画像を示す図で
ある。
【0403】図22(a),(b)において、111は
下層配線、111a,111bは下層配線片、112は
第一の上層配線(線形の導電体)、113は下層配線1
11と電気的に接続しているビアプラグ、113gは第
二の傾きを有する仮想直線上に一定の間隔で点在してい
る第二のビアプラグ群、114は第一の上層配線112
の電位を固定するための第一の電位固定ビアプラグ、1
16は第一の上層配線112と同一層に形成される導体
(第二の導体)、117は第一の上層配線112と同一
層に形成される第二の上層配線(第一の導体)である。
【0404】ここで、上記各部材111〜117および
第一のビアプラグ群113fの構成関係は、実施の形態
10における各部材101〜107および第一のビアプ
ラグ群103fとほぼ同じであり、参照パターンにおい
て構造が異なる。なお、第一のビアプラグ群113fの
構成要素であるビアプラグと、第二のビアプラグ群11
3gの構成要素であるビアプラグ群とで対を形成してい
る。また、本実施の形態において、第二のビアプラグ群
113gを構成しているビアプラグ同士がy方向に一定
の距離ずつ隔てているのであれば、前記第二の傾きは特
に要しない。
【0405】実施の形態10の参照パターン図19
(b)とは、図22(b)には、第一の上層配線102
の電位を固定するための第一の電位ビアプラグ114が
形成されているという点と、対のビアプラグ113を電
気的に分断しているという点において異なる。ここで、
図22(b)では、対のビアプラグ113を電気的に分
断する方法として、下層配線を下層配線片111aと1
11bとに分断する方法を採用しているが、結果的に、
第二の上層配線117と導体116とが電気的に分断さ
れているなら、例えば第二のビアプラグ群113gを省
略してもかまわない。
【0406】したがって、図1のSEM式画像比較型検
査装置500を用いて図22(b)の参照パターンを観
察すると(ステップST13)、電位が固定されていな
い領域(導体116、第一の上層配線112と電気的に
接続していない第二の上層配線117d)は電気的にフ
ローティング状態となるため、一次電子線502が照射
された当該領域を正電位に帯電させることができる。そ
の結果、導体116および第二の上層配線117dから
の二次電子512の発生効率が下がるので、当該領域
は、暗いコントラスト画像として認識される。
【0407】他方、電位がアース電位に固定されている
領域(第一の上層配線112、および第一の上層配線1
12と電気的に接続している第二の上層配線117c)
は電荷が帯電することがないので、当該領域上に一次電
子線502が照射されると、正常に二次電子512が発
生し、当該領域は、明るいコントラスト画像として認識
される。
【0408】ここで、電位コントラスト画像は、半導体
装置508の最表面の電位情報のみから得られる。
【0409】なお、図22(a)に示す被参照パターン
は、図19(a)に示す参照パターンと同じ構造である
ので、ここでの説明は省略する。
【0410】したがって、図22(a)電位コントラス
ト画像として、電位固定されていない領域(第一の上層
配線112と電気的に接続されていない導体116aお
よび第二の上層配線117a)は、暗いコントラストと
して認識され、電位固定されている領域(第一の上層配
線112、第一の上層配線112と電気的に接続してい
る導体116bおよび第二の上層配線117b)は、明
るいコントラストして認識される。
【0411】次に、図22(a)と図22(b)の電位
コントラスト画像の比較を、画像比較部515にて行う
(ステップST14)。この比較は、コントラストの差
をとることにより行われる。すなわち、被検査パターン
の電位コントラスト画像と参照パターンの電位コントラ
スト画像との間でコントラストが明るい領域同士(また
は、コントラストの暗い領域同士)は相殺され、明と暗
とでコントラストの異なる領域は、被検査パターンの電
位コントラスト画像がそのまま残る。これが図22
(c)である。
【0412】したがって、図22(c)の比較画像にお
いて、導体116bは、明るいコントラストとしてその
まま残り、第一の上層配線112、導体116aおよび
第二の上層配線117は相殺される。
【0413】次に、コントラスト寸法測定部516で
は、クラスタリング機能を用いて、図22(c)の比較
画像のコントラストを一つの集合として認識させ、当該
集合の範囲の寸法を測定する(ステップST15)。こ
こで、この集合範囲の規定は、導体116に該当するす
べてのコントラストを含有する最小限の大きさの長方形
であり、当該長方形のy方向の寸法を測定する。
【0414】その後、特性化寸法解析部517におい
て、コントラスト寸法測定部516で測定された寸法結
果を元に、パターン形成された第一の上層配線112と
第二の上層配線117とのトップ幅間距離eを導出する
(ステップST16)。
【0415】その結果、トップ幅間距離eを求めること
により、同条件により製造された配線間ショートマージ
ンを決定することができる。具体的な解析方法は実施の
形態10と同じなので、ここでの説明は省略する。
【0416】以上により、本実施の形態では、比較画像
(図22(c))に示したように第一および第二の上層
配線112,117のコントラストを取り除くことがで
きるので、クラスタリング機能により特徴あるコントラ
ストを簡単に一つの集合として認識することができる。
【0417】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の半導体装置の
検査方法は、所定の領域に一次電子線を照射することで
発生する二次電子を検出し、当該二次電子の強度に基づ
いて生成した電位コントラスト画像を用いて半導体基板
上に形成途中の半導体装置を検査する検査方法におい
て、(a)所定のパターンを有する被検査パターンを用
意する工程と、(b)前記一次電子線を照射する主面上
において、前記被検査パターンとパターンにおいて同じ
構成を有する参照パターンを用意する工程と、(c)前
記被検査パターンの前記電位コントラスト画像を生成す
る工程と、(d)前記参照パターンの前記電位コントラ
スト画像を生成する工程と、(e)前記被検査パターン
の電位コントラスト画像と前記参照パターンの電位コン
トラスト画像とを比較することにより、比較画像を生成
し、当該比較画像を二値化する工程と、(f)前記工程
(e)において、二値化されたコントラストの一方のコ
ントラストのみを含む比較画像を生成する工程と、
(g)前記一方のコントラストのみを含む比較画像のコ
ントラストに基づく寸法を測定する工程と、(h)前記
工程(g)の測定結果から、前記半導体装置の製造過程
によりばらつきが生じる特性化寸法を決定する工程とを
備えているので、被検査パターン等のテストパターンの
設計により測定誤差を限りなく小さくさせることができ
る。また、比較画像を生成し、二値化していることか
ら、当該コントラストに基づく寸法測定が容易となり、
設定によっては自動での検査も可能となり、人的誤差が
生じることもない。
【0418】本発明の請求項2に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、線形の導電体と複数の第
一の導体とを有しており、前記線形の導電体は電位固定
されており、前記複数の第一の導体は、前記線形の導電
体と交差し、第一の傾きを有する第一の仮想直線上に一
定の間隔で点在している、被検査パターンを用意する工
程であるので、当該線形の導電体と当該第一の導体とが
例えばテーパ形状を有しているなら、当該第一の導体の
コントラストの寸法を測定することにより、テーパ形状
の配線間のトップ配線間距離を求めることができ、当該
トップ配線間距離に基づいた配線間ショートマージンを
検査することができる。
【0419】本発明の請求項3に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、前記線形の導電体の線方
向に所定の間隔ずつ隔てて形成されている複数の第二の
導体をさらに有しており、前記第一の導体と前記第二の
導体とが各々電気的に接続されている、被検査パターン
を用意する工程であるので、前記第二の導体に該当する
コントラストの前記線方向の寸法を測定することによ
り、特性化寸法を決定することができる。
【0420】本発明の請求項4に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、複数のビアプラグを有し
ており、前記複数のビアプラグは、前記複数の第一の導
体である第一のビアプラグ群と、前記複数の第二の導体
であり、かつ第二の傾きを有する第二の仮想直線上に一
定の間隔で点在している第二のビアプラグ群とを含んで
構成されている、被検査パターンを用意する工程である
ので、規則的に配列している当該第一および第二のビア
プラグ群に該当するコントラストの寸法を測定すること
により、特性化寸法の解析が容易に行える。
【0421】本発明の請求項5に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、前記第一の傾きと前記第
二の傾きとは同じ大きさであり、向きは反対である被検
査パターンを用意する工程であり、前記工程(b)は、
前記主面上において、電位固定されていない参照パター
ンを用意する工程であるので、例えば、線形の導電体と
ビアプラグの重ね合わせずれの測定誤差を被検査パター
ン等の設計によりいくらでも小さくでき、大きな誤差が
生じる光学的手法による重ね合わせ検査機を用いずに済
むので、当該重ね合わせずれを高精度に決定することが
できる。
【0422】本発明の請求項6に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、前記第一の傾きと前記第
二の傾きとが方向、大きさ共に同じである被検査パター
ンを用意する工程であり、前記工程(b)は、前記主面
上において、電位固定されている参照パターンを用意す
る工程であるので、一方のコントラストのみを含む比較
画像から線形の導電体のコントラストを削除でき、規則
的に配列している当該第一および第二のビアプラグ群に
該当するコントラストの寸法を容易に測定することによ
り、特性化寸法の解析が簡単に行える。
【0423】本発明の請求項7に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、前記第一および第二のビ
アプラグ群の構成要素であるビアプラグ同士が電気的に
接続され、対のビアプラグを複数対形成し、前記複数対
のビアプラグのうち電位固定しているビアプラグを一対
備えて構成されている、被検査パターンを用意する工程
であるので、電位固定している対のビアプラグを基準と
して、一方のコントラストのみを含む比較画像のコント
ラストを2つ集合として認識できるので、当該2つの集
合の寸法を測定することにより、重ね合わせずれを決定
することができる。
【0424】本発明の請求項8に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、前記第一の傾きと前記第
二の傾きとの大きさが異なっている被検査パターンを用
意する工程であり、前記工程(b)は、前記主面上にお
いて、電位固定されていない参照パターンを用意する工
程であるので、一方のビアプラグ群の構成要素となるビ
アプラグ間の、前記線方向に垂直な方向の間隔は広くな
り、コントラストの識別が容易となり寸法測定が容易に
行える。
【0425】本発明の請求項9に記載の半導体装置の検
査方法は、前記工程(a)は、前記第一の傾きと前記第
二の傾きとの大きさが異なっている被検査パターンを用
意する工程であり、前記工程(b)は、前記主面上にお
いて前記線形の導電体に該当するパターンは電位固定さ
れており、前記主面上において前記第一のビアプラグ群
に該当するパターンと前記第二のビアプラグ群に該当す
るパターンとは電気的に独立である、参照パターンを用
意する工程であるので、一方のコントラストのみを含む
比較画像から線形の導電体のコントラストを削除でき、
寸法測定されるコントラストの認識がより容易なものと
なる。
【0426】本発明の請求項10に記載の半導体装置の
検査方法は、前記工程(a)は、前記複数のビアプラグ
として、前記線形の導電体の線方向に沿って一定の間隔
で点在している第三のビアプラグ群を、さらに含んで構
成し、前記第一〜三のビアプラグ群の構成要素であるビ
アプラグの対応するもの同士が電気的に接続されてい
る、被検査パターンを用意する工程であるので、コント
ラストの前記線方向の寸法測定が容易となる。
【0427】本発明の請求項11に記載の半導体装置の
検査方法は、前記工程(a)は、前記主面上に、前記複
数のビアプラグとそれぞれ接続しており、前記線形の導
電体とは接続していなくて、前記線方向の幅が同一であ
り、当該ビアプラグよりも面積が大きい、複数の孤立導
体を形成する工程を、さらに備えているので、一方のコ
ントラストのみを含む比較画像の寸法測定されるコント
ラストが大きくなり、よりコントラストを認識しやすく
なる。
【0428】本発明の請求項12に記載の半導体装置の
検査方法は、前記工程(a)は、長さが一定の規則に基
づいて変化している前記複数の孤立導体を形成する工程
であるので、当該導体に該当するコントラストは非常に
認識しやすくなり、前記長さ方向は一定の規則に基づい
て形成されているので、特性化寸法の解析も容易に行え
る。
【0429】本発明の請求項13に記載の半導体装置の
検査方法は、前記請求項3において、前記工程(a)
は、前記線方向の幅が同一な前記複数の第二の導体を備
える被検査パターンを用意する工程であり、前記工程
(b)は、前記主面上において、電位固定されていない
参照パターンを用意する工程であるので、請求項3の効
果に加えて、一方のコントラストのみを含む比較画像と
して寸法測定されるコントラストが効率よく抽出でき、
前記線方向の幅が同一にすることで、特性化寸法の解析
が容易に行える。
【0430】本発明の請求項14に記載の半導体装置の
検査方法は、請求項3において、前記工程(a)は、前
記線方向の幅が同一な前記複数の第二の導体を備える被
検査パターンを用意する工程であり、前記工程(b)
は、前記主面上において前記線形の導電体に該当するパ
ターンは電位固定されており、前記主面上において前記
第一の導体に該当するパターンと前記第二の導体に該当
するパターンとは電気的に独立である、参照パターンを
用意する工程であるので、請求項13の効果に加えて、
一方のコントラストのみを含む比較画像から線形の導電
体のコントラストを削除できことにより、より寸法測定
されるコントラストの認識が容易に行える。
【0431】本発明の請求項15に記載の半導体装置の
検査方法は、前記工程(g)は、前記一方のコントラス
トのみを含む比較画像に点在するコントラストを所定の
集合として認識し、当該集合の範囲の寸法測定をする工
程であるので、一方のコントラストのみを含む比較画像
から特徴あるコントラストを一つの集合として自動で認
識できる。
【0432】本発明の請求項16に記載の半導体装置の
検査方法は、前記工程(h)は、予め用意されている対
応表に基づいて前記特性化寸法を決定する工程であるの
で、特性化寸法の決定が迅速かつ自動で行え、一連の検
査処理を通じて自動化が可能となり、人的誤差が働く余
地がなくなる。
【0433】本発明の請求項17に記載の半導体装置の
検査方法は、前記工程(a)は、前記複数の第二の導体
において、前記線方向の前記第二の導体間の距離である
縦方向のずらし量は、前記第二の導体の前記線方向の幅
よりも大きい、被検査パターンを用意する工程であるの
で、前記縦方向のずらし量を前記第二の導体の前記線方
向の幅よりも大きく設定すればするほど、特性化寸法は
より高精度に求めることができる。
【0434】本発明の請求項18に記載の半導体装置の
検査方法は、前記工程(a)は、前記複数の第一の導体
において、前記線方向と垂直な方向の前記第一の導体間
の距離である横方向のずらし量は、前記第一の導体の大
きさの1/10未満である、被検査パターンを用意する
工程であるので、前記横方向のずらし量を前記第二の導
体の大きさの1/10未満よりも小さく設定すればする
ほど、特性化寸法はより高精度に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のSEM式画像比較型検査装置の構成
を模式的に示した図である。
【図2】 本発明の半導体装置の検査方法の一連の流れ
を示すフローチャートである。
【図3】 設計段階で、ビアプラグビアプラグと上層配
線とがお互いの中心が一致する状況を示す断面図であ
る。
【図4】 実施の形態1の設計段階のテストパターンを
示す図である。
【図5】 実施の形態1の被検査パターン、参照パター
ンの構成および電位コントラスト画像と、比較画像を示
す図である。
【図6】 実施の形態1における特性化寸法を求めるた
めの説明図である。
【図7】 実施の形態2の設計段階のテストパターンを
示す図である。
【図8】 実施の形態2の被検査パターン、参照パター
ンの構成および電位コントラスト画像と、比較画像を示
す図である。
【図9】 実施の形態3の設計段階のテストパターンを
示す図である。
【図10】 実施の形態3の被検査パターン、参照パタ
ーンの構成および電位コントラスト画像と、比較画像を
示す図である。
【図11】 実施の形態4の被検査パターン、参照パタ
ーンの構成および電位コントラスト画像と、比較画像を
示す図である。
【図12】 実施の形態5の設計段階のテストパターン
を示す図である。
【図13】 実施の形態5の被検査パターン、参照パタ
ーンの構成および電位コントラスト画像と、比較画像を
示す図である。
【図14】 実施の形態6の設計段階のテストパターン
を示す図である。
【図15】 実施の形態6の被検査パターン、参照パタ
ーンの構成および電位コントラスト画像と、比較画像を
示す図である。
【図16】 実施の形態7の被検査パターン、参照パタ
ーンの構成および電位コントラスト画像と、比較画像を
示す図である。
【図17】 実施の形態8の被検査パターン、参照パタ
ーンの構成および電位コントラスト画像と、比較画像を
示す図である。
【図18】 実施の形態9の被検査パターン、参照パタ
ーンの構成および電位コントラスト画像と、比較画像を
示す図である。
【図19】 実施の形態10の被検査パターン、参照パ
ターンの構成および電位コントラスト画像と、比較画像
を示す図である。
【図20】 実施の形態10のテスト構造において、第
一の上層配線のボトム幅の一端と第二の上層配線のボト
ム幅の一端とが接している状況を示す図である。
【図21】 トップ幅間距離から配線間のショートマー
ジを求めるための説明図である。
【図22】 実施の形態11の被検査パターン、参照パ
ターンの構成および電位コントラスト画像と、比較画像
を示す図である。
【図23】 従来の技術において、特性化寸法を求める
ために設計された半導体装置の断面図である。
【図24】 図23の設計図に基づいて実際に形成され
た半導体装置の断面図である。
【図25】 配線幅が均一な配線の形成状況を示す図で
ある。
【図26】 テーパ構造の配線の形成状況を示す図であ
る。
【図27】 ダマシン構造の配線の形成状況を示す図で
ある。
【符号の説明】
12,22,32,42,52,62,72,82,9
2,102,112第一の上層配線(線状の導電体)、
13f,23f,53f,63f,83f,93f,1
03f,113f 第一のビアプラグ群(第一の導
体)、13g,23g,53g,63g,83g,93
g,113g 第二のビアプラグ群(第二の導体)、6
3h,83h 第三のビアプラグ群、107,117
第二の上層配線(第一の導体)、106,116 導体
(第二の導体)、46,96 孤立導体、500 SE
M式画像比較型検査装置、514 画像取得部、515
画像比較部、516 コントラスト寸法測定部、51
7 特性化寸法解析部、aビアカバー量(特性化寸
法)、d 重ね合わせずれ量、e トップ幅間距離、s
横方向のずらし量、s1 第一の横方向のずらし量、s
2 第二の横方向のずらし量、t 縦方向のずらし量。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の領域に一次電子線を照射すること
    で発生する二次電子を検出し、当該二次電子の強度に基
    づいて生成した電位コントラスト画像を用いて半導体基
    板上に形成途中の半導体装置を検査する検査方法におい
    て、 (a)所定のパターンを有する被検査パターンを用意す
    る工程と、 (b)前記一次電子線を照射する主面上において、前記
    被検査パターンとパターンにおいて同じ構成を有する参
    照パターンを用意する工程と、 (c)前記被検査パターンの前記電位コントラスト画像
    を生成する工程と、 (d)前記参照パターンの前記電位コントラスト画像を
    生成する工程と、 (e)前記被検査パターンの電位コントラスト画像と前
    記参照パターンの電位コントラスト画像とを比較するこ
    とにより、比較画像を生成し、当該比較画像を二値化す
    る工程と、 (f)前記工程(e)において、二値化されたコントラ
    ストの一方のコントラストのみを含む比較画像を生成す
    る工程と、 (g)前記一方のコントラストのみを含む比較画像のコ
    ントラストに基づく寸法を測定する工程と、 (h)前記工程(g)の測定結果から、前記半導体装置
    の製造過程によりばらつきが生じる特性化寸法を決定す
    る工程とを、備えることを特徴とする半導体装置の検査
    方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(a)は、 線形の導電体と複数の第一の導体とを有しており、 前記線形の導電体は電位固定されており、 前記複数の第一の導体は、前記線形の導電体と交差し、
    第一の傾きを有する第一の仮想直線上に一定の間隔で点
    在している、被検査パターンを用意する工程である、こ
    とを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の検査方
    法。
  3. 【請求項3】 前記工程(a)は、 前記線形の導電体の線方向に所定の間隔ずつ隔てて形成
    されている複数の第二の導体をさらに有しており、 前記第一の導体と前記第二の導体とが各々電気的に接続
    されている、被検査パターンを用意する工程である、こ
    とを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の検査方
    法。
  4. 【請求項4】 前記工程(a)は、 複数のビアプラグを有しており、 前記複数のビアプラグは、 前記複数の第一の導体である第一のビアプラグ群と、前
    記複数の第二の導体であり、かつ第二の傾きを有する第
    二の仮想直線上に一定の間隔で点在している第二のビア
    プラグ群とを含んで構成されている、被検査パターンを
    用意する工程である、ことを特徴とする請求項3に記載
    の半導体装置の検査方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(a)は、 前記第一の傾きと前記第二の傾きとは同じ大きさであ
    り、向きは反対である被検査パターンを用意する工程で
    あり、 前記工程(b)は、 前記主面上において、電位固定されていない参照パター
    ンを用意する工程である、ことを特徴とする請求項4に
    記載の半導体装置の検査方法。
  6. 【請求項6】 前記工程(a)は、 前記第一の傾きと前記第二の傾きとが方向、大きさ共に
    同じである被検査パターンを用意する工程であり、 前記工程(b)は、 前記主面上において、電位固定されている参照パターン
    を用意する工程である、ことを特徴とする請求項4に記
    載の半導体装置の検査方法。
  7. 【請求項7】 前記工程(a)は、 前記第一および第二のビアプラグ群の構成要素であるビ
    アプラグ同士が電気的に接続され、対のビアプラグを複
    数対形成し、 前記複数対のビアプラグのうち電位固定しているビアプ
    ラグを一対備えて構成されている、被検査パターンを用
    意する工程である、ことを特徴とする請求項6に記載の
    半導体装置の検査方法。
  8. 【請求項8】 前記工程(a)は、 前記第一の傾きと前記第二の傾きとの大きさが異なって
    いる被検査パターンを用意する工程であり、 前記工程(b)は、 前記主面上において、電位固定されていない参照パター
    ンを用意する工程である、ことを特徴とする請求項4に
    記載の半導体装置の検査方法。
  9. 【請求項9】 前記工程(a)は、 前記第一の傾きと前記第二の傾きとの大きさが異なって
    いる被検査パターンを用意する工程であり、 前記工程(b)は、 前記主面上において前記線形の導電体に該当するパター
    ンは電位固定されており、前記主面上において前記第一
    のビアプラグ群に該当するパターンと前記第二のビアプ
    ラグ群に該当するパターンとは電気的に独立である、参
    照パターンを用意する工程である、ことを特徴とする請
    求項4に記載の半導体装置の検査方法。
  10. 【請求項10】 前記工程(a)は、 前記複数のビアプラグとして、前記線形の導電体の線方
    向に沿って一定の間隔で点在している第三のビアプラグ
    群を、さらに含んで構成し、 前記第一〜三のビアプラグ群の構成要素であるビアプラ
    グの対応するもの同士が電気的に接続されている、被検
    査パターンを用意する工程である、ことを特徴とする請
    求項8または請求項9に記載の半導体装置の検査方法。
  11. 【請求項11】 前記工程(a)は、 前記主面上に、前記複数のビアプラグとそれぞれ接続し
    ており、前記線形の導電体とは接続していなくて、前記
    線方向の幅が同一であり、当該ビアプラグよりも面積が
    大きい、複数の孤立導体を形成する工程を、さらに備え
    ている、ことを特徴とする請求項4ないし請求項10の
    いずれかに記載の半導体装置の検査方法。
  12. 【請求項12】 前記工程(a)は、長さが一定の規則
    に基づいて変化している前記複数の孤立導体を形成する
    工程である、ことを特徴とする請求項11に記載の半導
    体装置の検査方法。
  13. 【請求項13】 前記工程(a)は、 前記線方向の幅が同一な前記複数の第二の導体を備える
    被検査パターンを用意する工程であり、 前記工程(b)は、 前記主面上において、電位固定されていない参照パター
    ンを用意する工程である、ことを特徴とする請求項3に
    記載の半導体装置の検査方法。
  14. 【請求項14】 前記工程(a)は、 前記線方向の幅が同一な前記複数の第二の導体を備える
    被検査パターンを用意する工程であり、 前記工程(b)は、 前記主面上において前記線形の導電体に該当するパター
    ンは電位固定されており、前記主面上において前記第一
    の導体に該当するパターンと前記第二の導体に該当する
    パターンとは電気的に独立である、参照パターンを用意
    する工程である、ことを特徴とする請求項3に記載の半
    導体装置の検査方法。
  15. 【請求項15】 前記工程(g)は、前記一方のコント
    ラストのみを含む比較画像に点在するコントラストを所
    定の集合として認識し、当該集合の範囲の寸法測定をす
    る工程である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項
    14のいずれかに記載の半導体装置の検査方法。
  16. 【請求項16】 前記工程(h)は、予め用意されてい
    る対応表に基づいて前記特性化寸法を決定する工程であ
    る、ことを特徴とする請求項1ないし請求項15のいず
    れかに記載の半導体装置の検査方法。
  17. 【請求項17】 前記工程(a)は、 前記複数の第二の導体において、前記線方向の前記第二
    の導体間の距離である縦方向のずらし量は、前記第二の
    導体の前記線方向の幅よりも大きい、被検査パターンを
    用意する工程である、ことを特徴とする請求項3ないし
    請求項16のいずれかに記載の半導体装置の検査方法。
  18. 【請求項18】 前記工程(a)は、 前記複数の第一の導体において、前記線方向と垂直な方
    向の前記第一の導体間の距離である横方向のずらし量
    は、前記第一の導体の大きさの1/10未満である、被
    検査パターンを用意する工程である、ことを特徴とする
    請求項2ないし請求項17のいずれかに記載の半導体装
    置の検査方法。
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