JP2003331865A - 小型燃料電池及びその製造方法 - Google Patents
小型燃料電池及びその製造方法Info
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Abstract
池、その製造方法、並びに小型燃料電池システムを提供
する。 【解決手段】 電解質膜(1)と、当該電解質膜(1)
の一方の面に接合されたアノード(2)と、当該電解質
膜の他方の面に接合されたカソード(3)とを備えた電
解質膜/電極接合体(6)が、1回折り曲げられて構成
された小型燃料電池(10)であり、折り曲げられるこ
とによりアノードが対向配置されて形成された内側部分
には拡散層(5)が介在されて構成されている。
Description
製造方法、並びに小型燃料電池システムに関し、特に、
小型化と大出力とを両立させた小型燃料電池等に関す
る。
質、及びカソード(空気極)が積層されて構成され、ア
ノードに水素を供給しカソードに酸素を供給して、化学
反応(アノード:H2→2H++2e−、カソード:1
/2O2+2H++2e−→H 2O)の自由エネルギー
変化を直接に電気エネルギーとして取り出すものであ
る。燃料電池は、化石燃料を使用しないクリーンエネル
ギーであるため、二酸化炭素排出量削減に貢献する環境
調和型電源として注目されている。
体高分子型燃料電池(PEFC)は、低温での出力が大
きいため、小型の家庭用電源、ポータブル電源、移動体
用電源としての実用化が検討されている。また、メタノ
ール燃料を電池内部で直接改質する形のPEFCである
直接メタノール型燃料電池(DMFC)も、実用化が検
討されている。
しては、リチウムイオン電池等の二次電池が主流であっ
たが、最近ではPEFCやDMFCを携帯機器の電源と
して用いるための開発がなされている。PEFCやDM
FCは、充電が不要であり、燃料を連続供給すれば連続
使用が可能であるので、実用化されれば携帯機器の電源
の連続使用時間が著しく長くなることが期待されてい
る。
携帯機器の電源として適用しようとする場合、PFEC
を小型化する必要がある。
の各構成部品のサイズをそれぞれ小さくして小型化して
も、電池の出力はセルの合計表面積に比例するので、十
分な出力を得ることが難しい。
(スタック数)を増加させることも考えられるが、スタ
ック数を増加させると、セパレータ等のスタッキングの
ための部品も多く必要となり、小型化を実現することが
難しい。また、スタック数が増えると、組立て工程数が
増え、製造が煩雑となる。
立させた小型燃料電池、その製造方法、並びに小型燃料
電池システムを提供する。
当該電解質膜の一方の面に接合されたアノードと、当該
電解質膜の他方の面に接合されたカソードとを備えた電
解質膜/電極接合体が、1回又は複数回折り曲げられて
構成された小型燃料電池を提供するものである。
又は複数回折り曲げる(折り畳む)ことにより、セルの
表面積を大きく取ることができるので、小型でありなが
ら大出力を得ることができる。
(スタック構造)をとらず、セパレータが不要であり小
型化を実現することができる。
定されないが、例えば、10円玉サイズ(幅2.3cm
×長さ2.3cm×高さ3mm)の超小型とすることが
できる。このように超小型化した場合、カソード側を開
放するだけで、特に供給機構を設けなくとも、小型燃料
電池の周囲から空気(酸素)がカソードへ供給されるほ
か、放熱や調湿も不要であるというメリットがある。
タノール溶液が供給されることが好ましい。
ードは、電解質膜上に連続的に形成されていてもよい。
あるいは、折り曲げられる折り曲げ部位にはアノード及
び/又はカソードを形成せず、電解質膜上に断続的に形
成されてもよい。
接合された面を内側にして1回折り曲げられ、折り曲げ
られることによりアノードが対向配置されて形成された
内側部分に拡散層が介在されてもよい。
挟んで両側にアノードが存在するので、この拡散層一つ
によって両側のアノードに燃料を供給することができ、
すなわち拡散層を両側のアノードに燃料を供給する際に
兼用できるので、一層小型化を図ることができる。
曲げられ、折り曲げられることにより形成された各内側
部分に拡散層が介在されてもよい。
合と同様に、アノード側に介在された拡散層を両側のア
ノードに燃料を供給する際に兼用することができ、ま
た、カソード側に介在された拡散層を両側のカソードに
空気(酸素)を供給する際に兼用することができるの
で、一層小型化を図ることができる。
も端部には、前記アノードが設けられていない露出部が
あり、当該露出部にセパレータ膜の端部が固定されるこ
とにより、燃料を前記アノードへ供給するための供給室
が形成されることが好ましい。
奇数回折り曲げられることにより、前記露出部が小型燃
料電池本体の同じ方向に延出するので、当該露出部にセ
パレータ膜の端部を固定して燃料を前記アノードへ供給
するための供給室を簡易かつ省スペースに形成すること
ができる。
膜/電極接合体と、一体に成型されており、折り曲げら
れることにより形成された各内側部分に相補する形状を
なしていてもよい。
成でありながら小型化と大出力とを両立することができ
る。また、一体に成型されているので、電解質膜/電極
接合体の折り曲げられた状態の形状を適切に保持するこ
とができる。
曲げられた折り曲げ部位における曲率半径は、1μm以
上であることが好ましい。折り曲げ部位における好まし
い曲率半径は、小型燃料電池の大きさ、電解質膜の厚
さ、アノードやカソードの厚さ等により適宜変わり得
る。
することにより、アノードへの燃料の適切な供給、及び
/又はカソードへの空気(酸素)適切な供給、並びに燃
料電池の小型化を一層図ることができる。
曲げられて構成され、当該折り曲げの角度は均一ではな
くともよい。折り曲げの角度とは、隣り合うアノード同
士、若しくは隣り合うカソード同士がなす角度である。
折り曲げの角度が均一でないとは、例えば、ある箇所で
は角度180°で折り曲げ、また他の箇所では90°で
折り曲げる、といったような場合である。このように構
成することにより、セルの表面積を一層大きく取ること
ができる。また、折り曲げる各箇所における折り曲げ角
度を変えることにより、小型燃料電池の形状を容易に変
えることができるので、設計の自由度が向上する。
有する第一の拡散層と、当該凹凸面上に形成された第一
の電極と、当該第一の電極上に形成された電解質膜と、
当該電解質膜上に形成された第二の電極と、当該第二の
電極上に形成された第二の拡散層とを備えたものであっ
てもよい。凹凸面を有する第一の拡散層を用い、この上
に順次第一の電極、電解質膜、第二の電極、第二の拡散
層を形成することにより、小型燃料電池のセルの表面積
を一層大きく取ることができる。
好ましい。
換膜、部分フッ素化系イオン交換膜、炭化水素系イオン
交換膜、有機無機ハイブリッドイオン交換膜、電解質含
浸イオン交換膜、混合イオン交換膜等の固体電解質膜が
挙げられる。
が含浸されたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
からなることが好ましい。このような電解質膜は適度な
強度、伸度、弾性、硬さ、こわさを有しているので、本
発明の小型燃料電池を構成する上で好適である。プロト
ン輸送材料としては、例えば、パーフルオロスルホン酸
系高分子が好ましい。電解質膜としては、例えば、フレ
オミン膜(旭硝子社商標名)、ナフィオン膜(Du Pont
社商標名)、アシプレックス膜(旭化成工業社商標名)
等の高分子膜が好適に用いられる。電解質膜としては、
高分子膜のほか、固体酸化膜等の固体電解質膜やリン酸
系膜であってもよい。
型燃料電池システムを提供するものである。小型燃料電
池システムは、例えば、燃料タンク、燃料タンクから小
型燃料電池の燃料供給口へ導びかれた供給チューブ、小
型燃料電池の燃料排出口から燃料タンクへ導かれた排出
チューブ、当該供給チューブ又は排出チューブに設けら
れたポンプ手段、等を含んでいてもよい。
を接合し、他方の面にカソードを接合して、電解質膜/
電極接合体を作製する工程と、当該電解質膜/電極接合
体を1回又は複数回折り曲げる工程と、折り曲げられた
各内側部分に拡散層を介在させる工程と、を含む小型燃
料電池の製造方法を提供するものである。
型化と大出力とを両立させた小型燃料電池を簡易に製造
することができる。また、電解質膜/電極接合体を1回
又は複数回折り曲げる工程において、折り曲げる箇所
(電解質膜/電極接合体における折り曲げる位置)、折
り曲げる回数、折り曲げ加工の方法等を調整することに
よって、製造する小型燃料電池のサイズや出力を調整で
きるので、容易に多様なサイズや出力の小型燃料電池を
製造することができる。
いては、アノード及び/又はカソードは、電解質膜上に
連続的に形成されてもよく、あるいは、折り曲げられる
折り曲げ部位にはアノード及び/又はカソードを形成せ
ず、電解質膜上に断続的に形成されてもよい。また、電
解質膜へのアノード及びカソードの接合は、あらかじめ
成膜したアノード及びカソードをそれぞれ電解質膜上に
熱圧着法により接合してもよく、あるいは、電解質膜上
にスパッタリング法によりアノード及びカソードをそれ
ぞれ形成してもよい。あるいは、電解質膜へのアノード
及びカソードの接合は、触媒材料である金属粉体やカー
ボン粉を、ナフィオン、ポリピロール、ポリチオフェン
等の導電性有機樹脂を溶媒に溶かしたものに分散させた
ものを、スプレー噴霧や印刷し、その後乾燥することに
よって作製してもよい。
/電極接合体における折り曲げる箇所において電解質膜
/電極接合体の厚さをあらかじめ薄くしておいてもよ
い。このようにすれば、折り曲げる作業が容易となり、
また、折り曲げの位置決めも正確となる。また、このよ
うにすれば、折り曲げた後の形状をより安定して維持す
ることができる。あるいは、折り曲げる箇所にあらかじ
めミシン目や穴を形成しておき、小型燃料電池を製造し
た後、当該ミシン目や穴を樹脂等により封止してもよ
い。
介在させる工程は、拡散層を、折り曲げられた前記電解
質膜/電極接合体と、一体に成型する工程であってもよ
い。
/電極接合体と一体に成型することにより、小型化及び
大出力を両立した燃料電池を簡易に作成することができ
る。
散層の一方の面に凹凸面を形成する工程と、当該凹凸面
上に第一の電極を形成する工程と、当該第一の電極上に
電解質膜を形成する工程と、当該電解質膜上に第二の電
極を形成する工程と、当該第二の電極上に第二の拡散層
を形成する工程と、を含む小型燃料電池の製造方法を提
供するものである。
及び第二の拡散層は、スプレーコート法又はディップコ
ート法により形成されることが好ましい。
削加工が好ましい。
面を参照しつつ説明する。
に係る小型燃料電池システムの構成図を模式的に示す。
は、小型燃料電池10と、メタノールタンク21と、メ
タノールタンク21に連通されたミキシングタンク22
と、ミキシングタンク22から小型燃料電池10へ導か
れた供給チューブ24aと、供給チューブ24aに設け
られたポンプ23と、小型燃料電池10からミキシング
タンク22へ導かれた排出チューブ24bを備えてい
る。
II−II断面図を示す。図2に示すように、小型燃料電池
10は、電解質膜1、アノード2、及びカソード3から
なる電解質膜/電極接合体(以下、「接合体」という)
6と、燃料拡散層5と、空気拡散層4と、セパレータ膜
7を備えている。また、燃料拡散層5及び空気拡散層4
には、それぞれ図示しない集電部材が設けられている。
態の正面図を示す。図3に示すように、接合体6は、電
解質膜1と、当該電解質膜1の一方の面(図3における
上方側の面)に接合されたアノード2と、他方の面(図
3における下方側の面)に接合されたカソード3からな
る。電解質膜1は、ナフィオン膜(デュポン社商標名)
からなり、アノード2は白金(Pt)及びルテニウム
(Ru)の合金を担持したカーボン触媒電極膜からな
り、カソードは白金(Pt)を担持したカーボン触媒電
極膜からなる。電解質膜1の両端部には、アノード2が
設けられていない電解質膜1の露出部C、C’が存在す
る。
10は、接合体6が、アノード2が接合された面を内側
にして1回折り曲げられ、折り曲げられることによりア
ノード2が対向配置されて形成された内側部分に燃料拡
散層5が介在され、さらにこれらが空気拡散層4に覆わ
れて構成されている。本実施形態においては、電解質膜
1の厚さが約20μm〜約50μmであり、アノード2
及びカソード3の厚さがそれぞれ約5μm〜約30μm
であり、折り曲げられた折り曲げ部位における曲率半径
は、約100μmであることにより、燃料拡散層5を適
切に保持しながら介在させることができ、アノード2へ
燃料を適切に供給することができる。電解質膜1のアノ
ード側両端部の露出部C、C’には、セパレータ膜7の
端部が気密に接着固定されている。また、小型燃料電池
10の折り曲げられた両サイドはフィルム状シール部材
11、12によって気密にシールされている(図1)。
これにより、燃料であるメタノールをアノード2に供給
するための供給室8(図2)が形成されている。すなわ
ち、電解質膜1のアノード側両端部の露出部C、C’
を、供給室8を構成する隔壁の一部として使用してい
る。
られており、ここに前記供給チューブ24aが気密に接
続されている。また、小型燃料電池10の折り曲げ部位
近傍には図示しない燃料排出口が設けられており、ここ
に前記排出チューブ24bが気密に接続されている。
態1の小型燃料電池10の動作について説明する。
ール溶液(例えば、メタノールの3%水溶液)を充填
し、ポンプ23を作動させると、メタノール溶液がミキ
シングタンク22、供給チューブ24a、前記燃料供給
口(図示せず)を通じて収容室8へ導かれる(矢印
A)。この際、収容室8の内部が正圧となるようにポン
プ23を作動させる。燃料拡散層5はメッシュの金属フ
ォーム(例えば、スチールウール等)からなる多孔性膜
であり、収容室8へ導かれたメタノール溶液は、燃料拡
散層5内を拡散してアノード2へ導かれる。アノード2
において、メタノールはプロトンに変換(改質)され
る。一方、空気拡散層4もメッシュの金属フォーム(例
えば、スチールウール等)からなる多孔性膜であり、空
気(酸素)が図1のB及びB’方向に空気拡散層4内を
拡散して、カソード3へ導かれる。これによって得られ
る小型燃料電池10からの出力を、前記集電部材(図示
せず)を通じて取り出す。前記燃料排出口(図示せず)
からは、未使用のメタノール溶液や副生物が排出チュー
ブ24bを通じてミキシング22に還流される(矢印
A’)。燃料拡散層5及び空気拡散層4は、それぞれ、
Al、SUSなどであってもよく、また、スポンジチタ
ン等の多孔性金属材料、カーボンペーパー紙にカーボン
を担持したもの、カーボンクロス等であってもよい。カ
ーボンペーパー紙にカーボンを担持したものやカーボン
クロスを用いる場合には、燃料拡散層5及び集電部材の
双方の機能を持たせることができる。
能な燃料カートリッジであってもよい。
表面積を大きく取ることができるので、小型でありなが
ら大出力を得ることができる。また、折り曲げて構成す
るので、スタック構造を取らず、セパレータが不要であ
り小型化を実現することができる。また、電解質膜1の
一方の面にアノード2を設け他方の面にカソード3を設
けており、すなわち電解質膜1の同じサイドにアノード
2を形成しているので、接合体6を折り曲げることによ
って燃料拡散層5を挟んで両側にアノード2が存在する
こととなり、この燃料拡散層5を両側のアノード2に燃
料を供給する際に兼用することができ、一層小型化が図
られている。さらに、電解質膜1の露出部C、C’を、
供給室8を構成する隔壁の一部として使用するので、大
出力でありながら一層の小型化を実現することができ
る。
燃料電池10における接合体6を接合体6’とした点の
みが実施形態1とは異なっている。
を展開した状態の正面図を、(b)に上面図を示す。図
4(a)及び(b)に示すように、本実施形態では、ア
ノード2’及びカソード3’は、それぞれ電解質膜1上
の長手方向中央(折り曲げ部位)には形成されておら
ず、電解質膜1上に断続的に形成されている。これによ
って、接合体6’は折り曲げる箇所において厚さが薄く
なっている。また、当該折り曲げ部位には、穴9が複数
形成されている。これにより、折り曲げ作業が容易とな
り、折り曲げの位置決めも正確に行うことができるとと
もに、折り曲げた後の形状を安定して保持することがで
きる。
料電池を製造した後、穴9は樹脂等により封止する。
曲げ回数が5回である小型燃料電池を用いた点のみが実
施形態1とは異なっている。
の断面図を示す。図5に示すように、小型燃料電池30
は、電解質膜31、アノード32、及びカソード33か
らなる接合体36が5回折り曲げられ、燃料拡散層35
と空気拡散層34が設けられて構成されている。燃料拡
散層35は、接合体36が折り曲げられることにより形
成されたアノード側の3つの各内側部分に介在されると
ともに、その端部において互いに一体化されている。ま
た、空気拡散層34は、接合体36が折り曲げられるこ
とにより形成されたカソード側の2つの内側部分に介在
されるとともに、これら全体を覆っている。電解質膜3
1のアノード側両端部の露出部C、C’には、実施形態
1と同様にセパレータ膜37の端部が気密に接着固定さ
れている。その他の構成は実施形態1と同様である。
36を5回折り曲げてセルの表面積を一層大きく取るこ
とができ、また、セパレータが不要であるので、大出力
と小型化を両立することができる。また、本実施形態に
おいても、電解質膜31の同じサイドにアノード32を
形成し、他方の同じサイドにカソード33を形成してい
るので、接合体36を折り曲げることによって燃料拡散
層35を両側の各アノード32に燃料を供給する際に兼
用することができる。また、空気拡散層34について
も、両側の各カソード33に空気(酸素)を供給する際
に兼用することができる。これにより、大出力でありな
がら小型化を実現することができる。
げることにより、前記露出部C、C’が同じ方向(図5
における左方向)に延出するので、当該露出部C、C’
にセパレータ膜37の端部を接着固定して燃料をアノー
ド32へ供給するための供給室8を簡易に形成すること
ができ、露出部C、C’を収容室8を構成する隔壁の一
部として使用し、一層の小型化を図ることができる。
その端部において一体化して作製した場合について説明
したが、これに限定されず、拡散層塊にプレス成型や切
削加工等の機械加工を施し、アノード32やカソード3
3を介在させる凹部を形成してもよい。
拡散層45及び空気拡散層44がそれぞれ一体に成型さ
れている点のみが実施形態3とは異なっている。
の断面図を示す。図6に示すように、小型燃料電池40
は、電解質膜41、アノード42、及びカソード43か
らなる接合体46が5回折り曲げられ、燃料拡散層35
及び空気拡散層44が折り曲げられた接合体46に対し
てそれぞれ一体に成型されて、それぞれ折り曲げられる
ことにより形成された各内側部分に相補する形状をなし
構成されている。
46を5回折り曲げてセルの表面積を大きく取ることが
でき、また、セパレータが不要であるので、大出力と小
型化を両立することができる。また、本実施形態におい
ても、電解質膜41の同じサイドにアノード42を形成
し、他方の同じサイドにカソード43を形成しているの
で、接合体46を折り曲げることによって燃料拡散層4
5を両側の各アノード42に燃料を供給する際に兼用す
ることができる。また、空気拡散層45についても、両
側の各カソード43に空気(酸素)を供給する際に兼用
することができる。これにより、大出力でありながら小
型化を実現することができる。
44、及び空気拡散層45の形状は一体で成型(例え
ば、射出成型、粉末成型、加工成型等により成型)する
ことが可能なので、小型かつ大出力密度を有する燃料電
池を簡易に製造することができる。
いても、上記実施形態2と同様に、アノード及びカソー
ドを電解質膜上に断続的に形成してもよい。
曲げの角度及び回数が実施形態1とは異なる小型燃料電
池に係るものである。
の断面図を示す。図7に示すように、小型燃料電池50
は、電解質膜51、アノード52、及びカソード53か
らなる接合体56が15回折り曲げられ、燃料拡散層5
5及び空気拡散層54が折り曲げられた接合体56に一
体に成型されて、それぞれ折り曲げられることにより形
成された各内側部分に相補する形状をなし構成されてい
る。本実施形態においては、折り曲げ部位における折り
曲げ角度は、約50°となっている。
C、C’には実施形態1と同様にセパレータ膜57の端
部が気密に接着固定されている。その他の構成は実施形
態1と同様である。
56を15回折り曲げてセルの表面積を一層大きく取る
ことができ、また、セパレータが不要であるので、大出
力と小型化を両立することができる。また、本実施形態
においても、電解質膜51の同じサイドにアノード52
を一体に設け、他方の同じサイドにカソード53を一体
設けているので、接合体56を折り曲げることによって
燃料拡散層55を両側の各アノード52に燃料を供給す
る際に兼用することができる。また、空気拡散層54に
ついても、両側の各カソード53に空気(酸素)を供給
する際に兼用することができる。
数が多くなっているため、燃料拡散層55を通過する燃
料、空気拡散層54を通過する空気(酸素)の流路を短
く形成できるというメリットがある。これにより、流路
内を通過する燃料、空気(酸素)が充分に接合体56に
行き届くため、同じ面積の接合体を使った場合でも充分
な電気化学反応をさせることができ、高出力を達成する
ことができる。
実現することができる。
奇数回(15回)折り曲げることにより、前記露出部
C、C’が同じ方向(図7における右方向)に延出する
ので、当該露出部C、C’にセパレータ膜57の端部を
接着固定して燃料をアノード52へ供給するための供給
室8を簡易に形成することができ、露出部C、C’を収
容室8を構成する隔壁の一部として使用し、一層の小型
化を図ることができる。
曲げの角度が均一ではない点が実施形態1とは異なって
いる。
の模式図を示す。図8に示すように、小型燃料電池70
は、電解質膜71、アノード72、及びカソード73か
らなる接合体76が複数回折り曲げられ、当該折り曲げ
角度は180°と90°の2種類からなっている。上記
実施形態と同様に、アノード72側には燃料拡散層が設
けられ、カソード73側には空気拡散層が設けられてい
る(図示は省略)。
げの中にさらに小さな折り曲げが含まれるように複数回
折り曲げてセルの表面積を大きく取ることができ、ま
た、セパレータが不要であるので、大出力と小型化を両
立することができる。
係る小型燃料電池60の一部断面図を示す。図9(a)
に空気拡散層64を形成する前、(b)に空気拡散層6
4を形成した後の状態を示す。図9(a)(b)に示す
ように、小型燃料電池60は、凹凸面Sを有する燃料拡
散層65と、当該凹凸面上に順次形成されたアノード6
2、電解質膜61、カソード63、空気拡散層64を備
えている。燃料拡散層65の凹凸面Sは凹凸曲面形状を
なしており、これは、燃料拡散層塊にプレス成型や切削
加工等の機械加工を施し、凹凸面を形成して得られる。
凹凸面S上にアノード62を、アノード62上に電解質
膜61を、電解質膜61上にカソード63を、そしてカ
ソード63上に空気拡散層64を、順次スプレーコート
法又はディップコート法により形成することが好まし
い。
従来とほぼ同スペース内に配置してもセル面積を大きく
取ることができ、大出力と小型化を両立することができ
る。
の凹凸面上に順次アノード、電解質膜、カソード、空気
拡散層、を形成した場合について説明したが、これに限
定されず、空気拡散層が凹凸面を有しておりその凹凸面
上に順次カソード、電解質膜、アノード、燃料拡散層を
形成して小型燃料電池を構成してもよい。
池システムないしは小型燃料電池においては、空気(酸
素)が自然に空気拡散層内を拡散することにより、空気
(酸素)がカソードへ導かれる場合について説明した
が、これに限定されず、空気(酸素)を供給するための
供給手段を設けてもよい。
料がメタノール溶液であるDMFCの場合について説明
したが、これに限定されず、燃料は水素であってもよ
い。
れないことは、いうまでもない。
させた小型燃料電池を提供することができる。これによ
って、長時間連続使用可能な携帯機器用の小型電源を提
供することができる。
成図を模式的に示したものである。
である。
(a)正面図及び(b)上面図である。
る。
る。
る。
る。
である。
ミキシングタンク、23…ポンプ、24a…供給チュー
ブ、24b…排出チューブ、8…収容室、1…電解質
膜、2…アノード、3…カソード、4…空気拡散層、5
…燃料拡散層、6…電解質膜/電極接合体
Claims (15)
- 【請求項1】 電解質膜と、当該電解質膜の一方の面に
接合されたアノードと、当該電解質膜の他方の面に接合
されたカソードとを備えた電解質膜/電極接合体が、1
回又は複数回折り曲げられて構成された小型燃料電池。 - 【請求項2】 前記電解質膜/電極接合体は、アノード
が接合された面を内側にして1回折り曲げられ、折り曲
げられることによりアノードが対向配置されて形成され
た内側部分に拡散層が介在されて構成された請求項1記
載の小型燃料電池。 - 【請求項3】 前記電解質膜/電極接合体は、奇数回折
り曲げられ、折り曲げられることにより形成された各内
側部分に拡散層が介在されて構成された請求項1記載の
小型燃料電池。 - 【請求項4】 前記電解質膜の少なくとも両端部には、
前記アノードが設けられていない露出部があり、 当該露出部にセパレータ膜の端部が固定されることによ
り、燃料を前記アノードへ供給するための供給室が形成
された請求項2又は3記載の小型燃料電池。 - 【請求項5】 前記拡散層は、折り曲げられた前記電解
質膜/電極接合体と、一体に成型されており、折り曲げ
られることにより形成された各内側部分に相補する形状
をなす請求項2〜4のいずれかに記載の小型燃料電池。 - 【請求項6】 前記電解質膜/電極接合体において、折
り曲げられた折り曲げ部位における曲率半径が1μm以
上である請求項1〜5のいずれかに記載の小型燃料電
池。 - 【請求項7】 前記電解質膜/電極接合体は、複数回折
り曲げられて構成され、 当該折り曲げの角度は均一ではない請求項1記載の小型
燃料電池。 - 【請求項8】 凹凸面を有する第一の拡散層と、当該凹
凸面上に形成された第一の電極と、当該第一の電極上に
形成された電解質膜と、当該電解質膜上に形成された第
二の電極と、当該第二の電極上に形成された第二の拡散
層とを備えた小型燃料電池。 - 【請求項9】 前記凹凸面は、凹凸曲面形状をなす請求
項8記載の小型燃料電池。 - 【請求項10】 前記電解質膜はプロトン輸送材料が含
浸されたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)から
なる請求項1〜9のいずれかに記載の小型燃料電池。 - 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の小
型燃料電池を備えた小型燃料電池システム。 - 【請求項12】 電解質膜の一方の面にアノードを接合
し、他方の面にカソードを接合して、電解質膜/電極接
合体を作製する工程と、 当該電解質膜/電極接合体を1回又は複数回折り曲げる
工程と、 折り曲げられた各内側部分に拡散層を介在させる工程
と、を含む小型燃料電池の製造方法。 - 【請求項13】 前記折り曲げられた各内側部分に拡散
層を介在させる工程は、拡散層を、折り曲げられた前記
電解質膜/電極接合体と、一体に成型する工程である請
求項12記載の小型燃料電池の製造方法。 - 【請求項14】 機械加工により第一の拡散層の一方の
面に凹凸面を形成する工程と、 当該凹凸面上に第一の電極を形成する工程と、 当該第一の電極上に電解質膜を形成する工程と、 当該電解質膜上に第二の電極を形成する工程と、 当該第二の電極上に第二の拡散層を形成する工程と、を
含む小型燃料電池の製造方法。 - 【請求項15】 前記第一の電極、電解質膜、第二の電
極、及び第二の拡散層は、スプレーコート法又はディッ
プコート法により形成される請求項14記載の小型燃料
電池の製造方法。
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