JP2003331828A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
非水電解質二次電池Info
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Abstract
放出する際の体積変動の小さい非水電解質二次電池を提
供することを目的とする。 【解決手段】 リチウムイオンを吸蔵、放出する正極
と、リチウムイオンを吸蔵、放出する負極と、を有する
非水電解質二次電池において、炭素の平均粒径Rとケイ
素の平均粒径R’との比が、0.5≦R/R’≦2.0
をみたす炭素とケイ素とからなる負極活物質が、多孔性
金属からなる負極芯体に充填されている非水電解質二次
電池。
Description
した非水電解質二次電池の改良に関する。
動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その
電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されてい
る。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二
次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるの
で、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利
用されている。
る炭素材料を負極に使用した非水電解質二次電池では、
リチウムが金属状態で存在しないため、樹枝状(デンド
ライト状)リチウムの析出が抑制されるので、電池寿命
と安全性に優れる。
電池容量は十分なものではなく、さらなる高容量化に対
する要望が大きくなっている。このため、炭素材料より
理論容量の大きいケイ素材料が注目されている。
時におけるリチウムイオンの吸蔵、放出により大きく体
積変動を起こすため、電池の厚み変動が大きくなるとい
う問題があった。
炭素材料と、マグネシウム等と結合させ且つ粒径を前記
炭素材料の粒径以下としたケイ素化合物との混合物から
なる負極活物質を、ガラス転移温度が−40℃以下の結
着剤で結着して負極となす技術が開示されている。この
技術によると、炭素材料やガラス転移温度が−40℃以
下の結着剤や、ケイ素と結合している原子が、ケイ素の
体積変動を吸収するように作用するため、電池のふくれ
を抑制することができるとされる。
素より理論容量の小さいケイ素化合物を用いているた
め、容量の向上が十分でないという問題や、炭素表面を
微細なケイ素化合物が取り囲んでしまい、負極の導電性
を低下させるとともに、炭素材料でのリチウムイオンの
吸蔵、放出を阻害する結果、十分に電池容量を向上させ
ることができないという問題がある。
鑑みなされたものであって、電池容量が大きく、リチウ
ムイオンが吸蔵、放出する際の体積変動の小さい非水電
解質二次電池を提供することを目的とする。
め、本発明は、リチウムイオンを吸蔵、放出する正極
と、リチウムイオンを吸蔵、放出する負極とを有する非
水電解質二次電池において、前記負極は、黒鉛系炭素質
物を主成分とする炭素材料とケイ素との混合物からなる
負極活物質が、多孔性金属からなる負極芯体に充填され
ており、前記炭素材料の平均粒径をR、前記ケイ素の平
均粒径をR’とするとき、RとR’との比R/R’が、
0.5≦R/R’≦2.0をみたすことを特徴とする。
材料とともに、炭素より理論容量の大きい単体のケイ素
が用いられているため、単位体積当たりの電池容量及び
単位重量当たりの電池容量の双方を高めることができ
る。
なる負極芯体と炭素材料とが、リチウムイオンの吸蔵、
放出によるケイ素の体積変動を吸収するので、電池全体
の体積変動を抑制することができる。
均粒径R’との比R/R’が、0.5未満であると、炭
素材料の粒径に比べてケイ素の粒径が過大であるため、
ケイ素の体積変動を炭素材料が十分に吸収することがで
きず、この結果として電池のふくれが大きくなる。一
方、R/R’が2.0より大きいと、炭素材料の粒径に
対しケイ素の粒径が過小となるため、炭素材料粒子の周
りをケイ素粒子が取り囲んでしまう。この結果、負極全
体としての抵抗が大きくなるとともに、ケイ素粒子が炭
素材料でのリチウムイオンの吸蔵、放出を阻害するた
め、容量の増大の効果が十分に得られなくなる。以上の
ことから、R/R’の値は0.5以上2.0以下の範囲
に規制されていることが好ましく、より好ましくは、
0.8≦R/R’≦1.25の範囲、さらに好ましく
は、0.8≦R/R’≦0.95の範囲とするのがよ
い。
鉛、人造黒鉛等の黒鉛系炭素質物が好適に使用できる。
そして、本発明の効果を奏する限りにおいて、該黒鉛系
炭素質物にカーボンブラック、コークス、ガラス状炭
素、炭素繊維、あるいはこれらの焼成体等の炭素質物
を、さらに含んでもよい。
負極芯体の面密度や空孔率に大きく影響を受けるため、
好ましくは面密度が400g/m2以下、空孔率90%
以上の負極芯体を用いる。このような負極芯体を用いる
と、電池容量の向上を十分に図れる。負極芯体の材質は
特に限定する必要はない。上記構成によると、負極に含
まれる炭素材料が導電剤として機能するため、導電性の
低い金属の多孔体を用いることもできるが、リチウムと
合金化しない金属が好ましい。なお、本明細書中におい
て「多孔性金属」とは、金属メッシュのような網状の金
属ではなく、発泡金属のように三次元的に多孔を有する
金属のことを意味する。
づいて以下に詳細に説明する。なお、本発明は下記実施
の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しな
い範囲において適宜変更することが可能である。
の非水電解質二次電池の断面図、図2は非水電解質二次
電池の正極板の平面図、図3は非水電解質二次電池の正
極集電体の平面図、図4は非水電解質二次電池の負極板
の平面図、図5は非水電解質二次電池の負極集電体の平
面図、図6は非水電解質二次電池のセパレータの平面図
である。
次電池は、セパレータ3を介して正極板1と負極板2と
が対向してなる電極体を有している。この電極体は負極
缶7と正極缶6との間にある空間に配置されている。正
極板1は正極缶6に、負極板2は負極缶7にそれぞれ接
続され、電池内部で生じた化学エネルギーを電気エネル
ギーとして外部へ取り出し得るようになっている。
間には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート
が混合された非水溶媒に、LiPF6が1M(モル/リ
ットル)の割合で溶解された電解液が注入されている。
また、前記セパレータは、有機溶媒との反応性が低く、
安価なオレフィン系樹脂からなる微多孔膜(厚み:0.
025mm)から構成されている。
とする炭素材料とケイ素とを含む負極活物質を有するも
のであり、この活物質が多孔性金属からなる負極芯体に
充填されている。
複合酸化物が単独で、あるいは二種以上混合して用いる
ことができる。具体例として、コバルト酸リチウム、ニ
ッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、鉄酸リチウ
ム、またはこれらの酸化物に含まれる遷移金属の一部を
他の元素で置換した酸化物等があげられる。
は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等のリチウ
ム塩の溶解度が高い高誘電率溶媒と、ジエチルカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
アニソール、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペ
ンタノン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピ
オニトリル、ジメチルホルムアミド、スルホラン、蟻酸
メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、プロピオン酸エチル等の低粘性溶媒とを、それ
ぞれ単独で、あるいは二種以上を混合して用いることが
できる。
SO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiClO4、Li
PF6、LiBF4等が単独で、あるいは二種以上を混合
して使用することができる。また、前期非水溶媒に対す
る溶解量は0.5〜2.0モル/リットルとすることが
好ましい。
次電池を、次のようにして作製した。
なる正極活物質92質量部と、アセチレンブラックから
なる導電剤3質量部、ポリフッ化ビニリデン5質量部と
をN−メチルピロリドンに溶解し、正極活物質スラリー
とした。その後、φ17.9×0.80mmのペレット
型内に、図3に示す形状を有するアルミニウムエキスパ
ンドメタル製正極集電体5を挿入した後、正極活物質ス
ラリーを注入し、60℃で2時間乾燥させた。その後、
ペレット型枠を取り外し、φ18.0mmの金型内で加
圧調厚したものを、図2に示す正極板1とした。この正
極板1のサイズはφ18.0×0.70mm、正極活物
質充填密度2.9g/cm2であった。
C)水性ディスパージョンに、平均粒径20μmの人造
黒鉛とメノウ乳鉢で平均粒径20μmに粉砕したケイ素
(キシダ化学製、純度99.9%)とを混合し、結着剤
としてスチレンブタジエンゴム(SBR)水溶液を添加
して、負極活物質スラリーとした。この負極活物質スラ
リーの混合比は質量比で炭素:ケイ素:CMC:SBR
=49:49:1:1となるよう調整した。この負極活
物質スラリーを発泡状ニッケル(空孔率98%、面密度
330g/m2)に充填し、100℃で乾燥し、調厚し
て打ち抜いたものを、図5に示すステンレス網集電体4
に抵抗溶接した。その後、図4に示す位置に絶縁テープ
9を貼り付け、図4に示す負極板2とした。この負極板
2のサイズはφ19.0×0.30mm、負極活物質充
填密度1.0g/cm2であった。
布測定装置(島津 SALD−2000A)を用いて測
定した。
mm)のポリプロピレン製微多孔膜からなるセパレータ
3を準備した。
ルカーボネート(DEC)と質量比で3:7となるよう
に混合した混合溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1
M(モル/リットル)になるよう溶解させ、電解液を作
製した。
正・負極板1、2と、常温乾燥させたセパレータ3とを
図1のように重ね、ガスケット8を装着した後、電解液
を400mg注入した。その後、正極缶6をかぶせ、か
しめ封口して、φ24.0×3.0mmのボタン型電池
を作製した。この電池を実施例1に係る本発明電池A1
とした。
としたこと以外は上記実施例1と同様にして、実施例2
に係る本発明電池A2を作製した。
としたこと以外は上記実施例1と同様にして、実施例3
に係る本発明電池A3を作製した。
としたこと以外は上記実施例1と同様にして、実施例4
に係る本発明電池A4を作製した。
としたこと以外は上記実施例1と同様にして、実施例5
に係る本発明電池A5を作製した。
としたこと以外は上記実施例1と同様にして、実施例6
に係る本発明電池A6を作製した。
としたこと以外は上記実施例1と同様にして、実施例7
に係る本発明電池A7を作製した。
mとしたこと以外は上記実施例1と同様にして、比較例
1に係る比較電池X1を作製した。
mとしたこと以外は上記実施例1と同様にして、比較例
2に係る比較電池X2を作製した。
したこと以外は上記実施例1と同様にして、比較例3に
係る比較電池X3を作製した。
(高純度化学製:純度99.9%、粉砕せずそのまま用
いた)としたこと以外は上記実施例1と同様にして、比
較例4に係る比較電池X4を作製した。
比較電池X1〜X4を下記条件で充放電し、その放電容
量と、充電状態、放電状態の電池厚みを測定し、電池厚
みの変化量を算出した。その結果を下記表1に示す。ま
た、黒鉛の平均粒径とケイ素の平均粒径との比と、放電
容量および電池厚みの変化量との相関を図7に示した。
4.2V、20時間 放電条件:定電流 10mA、終止電圧 3.0V ΔT(電池厚みの変化、mm):(充電状態の電池厚
み)−(放電状態の電池厚み)
(R)とケイ素平均粒径(R’)との比(R/R’)が
2.0より大きいと放電容量の向上が十分ではなく、
0.5未満であると、ΔTが大きくなる(電池厚みが大
きく変化してしまう)ので好ましくない。このことは、
(R/R’)が2.0より大きいと、黒鉛粒子表面をケ
イ素粒子が覆ってしまうため負極の導電性が低下し、ま
た黒鉛粒子でのリチウムイオンの吸蔵、放出を阻害する
ためであり、0.5未満であるとケイ素粒子が黒鉛粒子
と比べ過大であるため、黒鉛粒子がケイ素粒子の体積変
動を吸収する効果が小さくなったためと考えられる。こ
のため、(R/R’)は、0.5以上2.0以下である
ことが好ましい。より好ましくは0.8以上1.25以
下であり、さらに好ましくは0.8以上0.95以下と
するのがよい。
1:1の電池を作製したが、この比に限定されることは
ない。ただし、黒鉛質量/(黒鉛+ケイ素質量)が0.
2未満であると、負極の導電性が低下するため好ましく
ない。好ましい黒鉛質量/(黒鉛+ケイ素質量)の範囲
は、0.2以上1.0未満である。
黒鉛を用いて電池を作製したが、この大きさの黒鉛に限
定されることはない。ただし、黒鉛及びケイ素が多孔性
金属の孔部に充填される構成であるため、黒鉛及びケイ
素の粒径は、多孔性金属の孔部の大きさより小さいこと
が好ましい。
したが、この形状に限定されるものではなく、極板を積
層した角型電池等他の形状の電池を作製することもでき
る。
径の比が1:2〜2:1である炭素とケイ素からなる負
極活物質が、多孔性金属からなる負極芯体に充填された
本発明電池では、電池容量が大きく、さらにリチウムイ
オンが吸蔵、放出する際の体積変動が小さい、という優
れた効果を奏する。
極板の平面図。
極集電体の平面図。
極板の平面図。
極集電体の平面図。
パレータの平面図。
び電池厚みの変化量との相関を示したグラフ。
Claims (3)
- 【請求項1】 リチウムイオンを吸蔵、放出する正極
と、リチウムイオンを吸蔵、放出する負極と、を有する
非水電解質二次電池において、 前記負極は、黒鉛系炭素質物を主成分とする炭素材料と
ケイ素との混合物を含む負極活物質が、多孔性金属から
なる負極芯体に充填されており、 前記炭素材料の平均粒径をR、前記ケイ素の平均粒径を
R’とするとき、RとR’との比R/R’が、0.5≦
R/R’≦2.0をみたす、 ことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 【請求項2】 請求項1記載の非水電解質二次電池にお
いて、 前記RとR’との比R/R’が、0.8≦R/R’≦
1.25をみたす、 ことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 【請求項3】 請求項1記載の非水電解質二次電池にお
いて、 前記RとR’との比R/R’が、0.8≦R/R’≦
0.95をみたす、 ことを特徴とする非水電解質二次電池。
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