JP2003329640A - ガス濃度測定装置 - Google Patents

ガス濃度測定装置

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JP2003329640A
JP2003329640A JP2002133949A JP2002133949A JP2003329640A JP 2003329640 A JP2003329640 A JP 2003329640A JP 2002133949 A JP2002133949 A JP 2002133949A JP 2002133949 A JP2002133949 A JP 2002133949A JP 2003329640 A JP2003329640 A JP 2003329640A
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gas
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voltage
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Yusuke Suzuki
裕介 鈴木
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はガス濃度測定装置に関し、特定成分
の濃度を測定する機能と、良好な応答性で酸素濃度を検
出する機能とを実現することを目的とする。 【解決手段】 測定対象の空間内から被測定ガスが導か
れる被測定ガス室48を備える。被測定ガス室48の内
部に配置される第1電極60と、大気に晒された状態に
配置される大気電極62とを設ける。被測定ガスに晒さ
れた状態に配置された第2電極78を設ける。大気電極
62と第2電極78の間に電圧を印加する可変電源80
と、それらの間を流れる電流を計測する電流計82を設
ける。測定対象の空間内から被測定ガスが第1電極60
の表面に拡散するための時間に比して、被測定ガスが第
2電極78の表面に拡散するための時間が短くなるよう
に核酸抵抗層56や拡散孔54を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス濃度測定装置
に係り、特に、排気ガス中のNOx濃度の測定に好適なガ
ス濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開2000−21413
0号公報には、排気ガス中に含まれるNOx濃度を検出す
るガス濃度センサが開示されている。このガス濃度セン
サは、内燃機関の排気通路から排気ガスが拡散してくる
ように設けられた被測定ガス室と、一対の電極を含むポ
ンプセルと、一対の電極を含むセンサセルとを備えてい
る。
【0003】ポンプセルが有する一方の電極は被測定ガ
ス室に露出しており、他方の電極は大気に露出してい
る。ポンプセルは、それらの電極に所定の電圧が印加さ
れることにより、被測定ガス室から酸素を排出(ポンピ
ング)し、電極間にその排出量に応じた電流を流通させ
る。
【0004】センサセルが有する一方の電極は、ポンプ
セルの電極の下流において被測定ガス室に露出してい
る。また、センサセルの他方の電極は大気に露出してい
る。センサセルは、被測定ガス室に存在するNOxを窒素
と酸素に分解し、更に、所定電圧が印加された状況下で
は、被測定ガス室中の酸素を排出し、その排出量に応じ
た電流を流通させる。
【0005】上記従来のガス濃度センサによれば、被測
定ガス室に流入した排気ガス中から、先ずポンプセルに
より酸素を排出することができる。次いで、ポンプセル
の下流に配置されているセンサセルにより排気ガス中の
NOxを分解することができる。この場合、センサセルの
周辺に発生する酸素の濃度は、排気ガス中のNOx濃度に
対応した値となる。このため、上記従来のガス濃度セン
サによれば、センサセルの電極間を流れる電流の値よ
り、排気ガス中のNOx濃度を検知することができる。
【0006】更に、上記従来のガス濃度センサにおい
て、ポンプセルの電極間を流れる電流の値は、既述した
通り、被測定ガス室から排出される酸素の量、すなわ
ち、排気ガス中の酸素濃度に対応している。このため、
上記従来のガス濃度センサによれば、ポンプセルの電極
間を流れる電流の値より、排気ガス中の酸素濃度を検知
することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した通り、上記従
来のガス濃度センサは、排気通路を流れる排気ガスを被
測定ガス室内部に導き、その排気ガス中の酸素をポンプ
セルで排出することで酸素を含まない排気ガスをセンサ
セルの周辺に流通させている。そして、センサセルがNO
xを分解することにより生じた酸素の量に基づいて、NOx
濃度を検知することとしている。
【0008】この場合、内燃機関の排気通路から被測定
ガス室に拡散してくる排気ガスの量は、ポンプセルに到
達する酸素の量が、ポンプセルにより排出できる量を超
えないように抑制されていることが必要である。つま
り、上記従来のガス濃度センサにおいては、排気通路か
ら被測定ガス室への排気ガスの拡散速度が十分に律速さ
れていることが必要である。
【0009】更に、上記従来のガス濃度センサにおいて
は、ポンプセルにより処理された排気ガスだけをセンサ
セルの周辺に流通させる必要があり、また、ポンプセル
により処理された全てのガスがセンサセルの周辺に到達
することが好ましいことから、ポンプセルは、閉じた空
間、つまり、被測定ガス室の内部に配置されている。こ
の場合、排気通路とポンプセルとの間には、必然的にあ
る程度の距離が発生する。
【0010】以上説明した通り、従来のガス濃度センサ
においては、排気通路から被測定ガス室への排気ガスの
拡散速度が十分に律速されていると共に、排気通路とポ
ンプセルとの間にある程度の距離が存在している。この
ような状況下では、排気通路を流れる排気ガス中の酸素
濃度が変化した後、その変化がポンプセルの電極に到達
するまでに比較的長い期間を要する。このため、従来の
ガス濃度センサは、ポンプセルにより排気ガス中の酸素
濃度は検知できるものの、その検知に関して、優れた応
答性を得ることが困難であった。
【0011】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、被測定ガス室の内部で被測定ガス中の特定成分
の濃度を測定する機能と、被測定ガス中の酸素濃度を良
好な応答性で検出する機能とを併せ持つガス濃度測定装
置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの第1の発明は、測定対象の空間内に存在する被測定
ガス中の濃度を測定するためのガス濃度測定装置であっ
て、前記空間内から前記被測定ガスが導かれる被測定ガ
ス室と、前記被測定ガス室の内部に配置される第1電極
と、大気に晒された状態に配置される大気電極とを備
え、前記第1電極と前記大気電極との間で酸素をポンピ
ングすることのできるポンプセルと、前記被測定ガス室
に前記第1電極の下流に位置するように配置され、前記
被測定ガス中の特定成分の濃度を検出するセンサ部材
と、前記被測定ガスに晒された状態に配置され、前記大
気電極との間に、前記被測定ガス中の酸素濃度に応じた
電気出力を発生させる第2電極と、前記大気電極と前記
第2電極との間に生ずる前記電気出力に基づいて前記被
測定ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、
前記第1電極表面におけるガスの拡散速度を律する第1
拡散律速部材と、前記第2電極表面におけるガスの拡散
速度を律する第2拡散律速部材とを備え、前記第1拡散
律速部材および前記第2拡散律速部材は、前記空間内の
被測定ガスが前記第1電極表面に拡散するための時間に
比して、前記空間内の被測定ガスが前記第2電極表面に
拡散するための時間が短くなるように設けられているこ
とを特徴とする。
【0013】また、第2の発明は、第1の発明におい
て、前記第2電極および前記大気電極は、前者から後者
に向かう電圧が印加されることにより、前者の表面上に
存在する酸素を後者の側へポンピングする特性を有し、
前記酸素濃度検出手段は、前記第2電極と前記大気電極
との間に、前記第2電極から前記大気電極に向かう電圧
を印加する電圧印加手段と、前記第2電極と前記大気電
極との間を流れる電流を検出する限界電流検出手段とを
備え、前記電気出力は、前記電圧の印加中に前記第2電
極と前記大気電極との間を流れる電流であることを特徴
とする。
【0014】また、第3の発明は、第1または第2の発
明において、前記第2電極および前記大気電極は、それ
らの表面における酸素の存在状況に応じた起電力を発す
る特性をそれぞれ有し、前記酸素濃度検出手段は、前記
第2電極と前記大気電極との間に生ずる電位差を検出す
る起電力差検出手段を備え、前記電気出力は、前記起電
力差検出手段によって検出される電位差であることを特
徴とする。
【0015】また、第4の発明は、第1乃至第3の何れ
かの発明において、前記第1拡散律速部材は、前記被測
定ガスを前記空間から前記被測定ガス室に導くための拡
散孔と、前記空間と前記第1電極との間に配置される第
1拡散抵抗部材とを備え、前記第2拡散律速部材は、前
記拡散孔の外に配置された第2拡散抵抗部材を備え、前
記第2電極は、前記第2拡散抵抗部材の直下に配置され
ていることを特徴とする。
【0016】また、第5の発明は、第1乃至第4の何れ
かの発明において、前記第1電極および前記大気電極
は、後者から前者に向かう電圧が印加されることによ
り、前記第1電極の表面上に存在する酸素を前記大気電
極の側へポンピングする特性を有し、前記センサ部材
は、前記被測定ガス室内のNOxを窒素と酸素に分解し、
かつ、その表面上における酸素濃度に応じた電流を発生
するセンサ電極であり、前記第1電極と前記大気電極と
の間に、後者から前者に向かう電圧を印加する第1ポン
プ電圧印加手段と、前記センサ電極が発生する電流を検
出するセンサ電流検出手段と、を備えることを特徴とす
る。
【0017】また、第6の発明は、第5の発明におい
て、前記酸素濃度検出手段により検出された前記被測定
ガス中の酸素濃度に基づいて、前記第1ポンプ電圧印加
手段により印加される電圧を制御するポンプ電圧制御手
段を備えることを特徴とする。
【0018】また、第7の発明は、第1乃至第4の何れ
かの発明において、前記第1電極および前記大気電極
は、前者から後者に向かう電圧が印加されることによ
り、前記大気電極の表面上に存在する酸素を前記第1電
極の側へポンピングすると共に、ポンピングされた酸素
を用いて前記被測定ガス室中の可燃成分を燃焼させる機
能を有し、前記センサ部材は、前記被測定ガス室内のNO
x濃度と酸素濃度との和に応じた電圧を発生する第1セ
ンサ電極と、前記被測定ガス室内の酸素濃度に応じた電
圧を発生する第2センサ電極とを含み、前記第1電極と
前記大気電極との間に、前者から後者に向かう電圧を印
加する第2ポンプ電圧印加手段と、前記第1センサ電極
が発生する電圧と、前記第2センサ電極が発生する電圧
との差を検出するセンサ差圧検出手段と、を備えること
を特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。尚、各図において共通す
る要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略す
る。
【0020】実施の形態1.図1は、本発明の実施の形
態1のガス濃度測定装置を備える内燃機関10の構成を
説明するための図である。図1に示すように、内燃機関
10には吸気通路12および排気通路14が連通してい
る。吸気通路12には、吸気温センサ15、エアフロメ
ータ16、スロットルセンサ18などのセンサ、並びに
燃料噴射弁20などが組み込まれている。排気通路14
には、始動触媒22とNOx吸蔵触媒24とが直列に配置
されていると共に、NOx吸蔵触媒24の下流にガス濃度
測定装置26が配置されている。
【0021】始動触媒22は、酸化還元反応を利用して
排気ガスの浄化を図る装置であり、主として内燃機関1
0の始動直後に排気ガスを浄化するために設けられてい
る。NOx吸蔵触媒24は、以下に説明する通り、排気ガ
スに含まれるNOxを吸蔵することで排気ガスの浄化を図
る装置である。
【0022】すなわち、本実施形態の内燃機関10で
は、混合気の空燃比を理論空燃比よりリーンに制御する
リーン制御が実行される。排気ガスには、空燃比がリッ
チになるほどHCやCOなどの未燃成分が含まれやすく、一
方、空燃比がリーンになるほどNOxが含まれやすくな
る。このため、リーン制御の実行中は、内燃機関10か
ら、NOxを多量に含む排気ガスが排出される。
【0023】NOx吸蔵触媒24は、自己の吸蔵能力の範
囲内でNOxを吸蔵することができると共に、NOxを吸蔵し
ている状況下でHCやCOを含む排気ガスが排出されてきた
場合(排気ガス中の酸素濃度が低下した場合)は、吸蔵
しているNOxを放出しながら、NOxに含まれる酸素を用い
てHCやCOを酸化することができる。本実施形態におい
て、内燃機関10は、NOx吸蔵触媒24が吸蔵能力に余
裕を有している間はリーン制御を継続する。この場合、
排気ガス中のNOxがNOx吸蔵触媒24に吸蔵されるため、
優れたエミッション特性が実現される。
【0024】また、本実施形態のシステムは、NOx吸蔵
触媒24の吸蔵能力に余裕がなくなってくると、短い期
間だけ(例えば5sec)空燃比をリッチ化するリッチス
パイク制御を実行する。リッチスパイク制御の実行中
は、酸素濃度が薄く、HCやCOを多量に含む排気ガスがNO
x吸蔵触媒24に流入する。この場合、NOx吸蔵触媒24
は、NOxを放出することで吸蔵能力を回復させながら、H
CやCOを酸化して排気ガスの浄化を図る。本実施形態の
システムでは、このような処理が繰り返されることによ
り、常に良好な排気エミッション特性が維持される。
【0025】ガス濃度測定装置26は、NOx吸蔵触媒2
4の下流に流出してくる排気ガス中のNOx濃度を測定す
る機能と、その排気ガス中に含まれる酸素濃度を検出す
る機能とを有している。尚、ガス濃度測定装置26の構
成は、後に図2を参照して詳細に説明する。
【0026】図1に示すシステムは、ECU(Electronic C
ontrol Unit)30を備えている。上述した各種センサの
出力は、ECU30に供給されている。ECU30は、それら
の出力に基づいて燃料噴射弁20の制御や、ガス濃度測
定装置26の駆動制御などを実行する。
【0027】図2は、図1に示すガス濃度測定装置26
の構成を説明するための図である。図2に示すように、
ガス濃度測定装置26は、ジルコニア層42,44およ
び絶縁層46を備えている。2つのジルコニア層42お
よび44の間には、被測定ガス室48が設けられてい
る。また、ジルコニア層42および44に隣接する位置
には、それらの層により被測定ガス室48から隔絶され
た大気室50,52が形成されている。
【0028】ガス濃度測定装置26には、被測定ガス室
48に通じる拡散孔54が設けられている。拡散孔54
は、排気通路14を流れる排気ガスを被測定ガス室48
に導くための通路であり、拡散抵抗層56を介して排気
通路14に連通している。拡散抵抗層56は、排気通路
14内の排気ガスが拡散する速度を律するための多孔質
物質である。上記の構成によれば、排気通路14内の排
気ガスは、拡散抵抗層56により律せられた速度で拡散
抵抗層56とジルコニア層44との境界まで拡散し、そ
の後更に、拡散孔54の絞り効果により律せられた速度
で、被測定ガス室48の内部に向かって拡散する。従っ
て、排気通路14から被測定ガス室48へ向かう排気ガ
スの拡散速度は、拡散抵抗層56と拡散孔54の双方で
律せられた速度となる。
【0029】拡散孔54から流入した排気ガスは、所定
の流通経路に沿って被測定ガス室48の内部を進行す
る。この流通経路には、ポンプセル58が設けられてい
る。ポンプセル58は、ジルコニア層42と、その両側
に配置された第1電極60および大気電極62とで構成
されている。第1電極60は、Pt-Au合金で構成された
電極であり、被測定ガス室48に露出するように設けら
れている。また、大気電極62は、Ptで構成された電極
であり、大気室50に露出するように設けられている。
第1電極60と大気電極62との間には、大気電極62
から第1電極60へ向かう電圧を印加するための可変電
源64が接続されている。尚、可変電源64は、ECU3
0に内蔵されている。
【0030】ポンプセル58の下流には、センサセル6
8が設けられている。センサセル68は、ジルコニア層
44と、その両側に配置されたセンサ電極70および大
気電極72とで構成されている。センサ電極70は、Pt
-Rh合金で構成された電極であり被測定ガス室48に露
出するように設けられている。一方、大気電極72は、
Ptで構成された電極であり大気室52に露出するように
設けられている。センサ電極70および大気電極72の
間には、大気電極72からセンサ電極70へ向かう電圧
を印加するための電源74、およびそれらの電極間を流
れる電流を検出するための電流計76が接続されてい
る。尚、電源74および電流計76は、ECU30に内蔵
されている。
【0031】ガス濃度測定装置26は、また、拡散抵抗
層56の直下に、ジルコニア層44の表面に沿って配置
されている第2電極78を備えている。第2電極78は
Pt-Au合金で構成された電極である。排気通路14内の
排気ガスは、拡散抵抗層56を通過することで第2電極
78の表面に到達することができる。
【0032】第2電極78には、第2電極78と大気電
極62との間に、大気電極62から第2電極78へ向か
う電圧を印加するための電源80と、それらの電極間を
流れる電流を検出するための電流計82とが接続されて
いる。尚、電源80および電流計82は、ECU30に内
蔵されている。
【0033】ポンプセル58の第1電極60および大気
電極62、センサセル68のセンサ電極70および大気
電極72、並びに第2電極78は、所定の活性温度に達
すると、それぞれ排気ガス中の酸素をイオン化したり、
排気ガス中のNOをNOに分解したり、或いは、排気ガス
中のNOを窒素と酸素イオンとに分解したりする特性を発
揮する。ガス濃度測定装置26は、それらの電極を活性
温度に昇温させるために、絶縁層46の内部にヒータ8
4を備えている。
【0034】次に、ガス濃度測定装置26の動作につい
て説明する。第1電極60は、上述した活性温度に達す
ると、被測定ガス室48中のNOをNOと酸素イオンに分
解し、また、酸素を酸素イオンに分解する特性を示す。
更に、ポンプセル58、すなわち、第1電極60と大気
電極62とでジルコニア層42を挟んだ構成は、可変電
源64により適当な電圧が印加されると、被測定ガス室
48内で生じた酸素イオンをポンピングして、大気室5
0に排出する特性を示す。従って、ポンプセル58によ
れば、被測定ガス室48に流入してきた排気ガス中のNO
x(NOとNO)をNOに単ガス化することができると共
に、排気ガス中に存在する酸素を大気室50に排出する
ことができる。
【0035】拡散抵抗層56および拡散孔54は、排気
通路14から被測定ガス室48に拡散してくるNOxの量
が、ポンプセル58により単ガス化できる量を超えない
ように、かつ、被測定ガス室48に拡散してくる酸素量
と、NOxの単ガス化に伴って発生する酸素量との和がポ
ンプセル58により排出できる量を超えないように、十
分に拡散速度を律速できるように構成されている。この
ため、ガス濃度測定装置26によれば、センサセル68
の位置には、酸素を含まず、かつ、NOxがNOに単ガス化
された後の排気ガスを拡散させることができる。
【0036】センサセル68が有するセンサ電極70
は、ポンプセル58の第1電極60に比して高い活性力
を有している。このため、第1電極60がNOをNOに分
解するだけであるのに対して、センサ電極70は、排気
ガス中のNOを更に窒素と酸素にまで分解する。そして、
センサセル68は、電源74による電圧印加の下では、
NOが分解されることにより生じた酸素イオンをポンピン
グすることにより、それらの酸素イオンの量に応じた電
流を流通させる。このため、電流計76によれば、排気
ガス中に単ガス化された状態で存在しているNOの濃度に
対応する電流値、つまり、排気ガス中に存在していたNO
xの濃度に対応する電流値を検知することができる。
【0037】以上説明した通り、センサセル68に接続
されている電流計76によれば、センサ電極70の周辺
に拡散してきた排気ガス中のNO濃度に応じた電流、つま
り、排気通路14を流れる排気ガス中のNOx濃度に応じ
た電流を検知することができる。このため、ガス濃度測
定装置26によれば、電流計76の出力に基づいて、排
気ガス中のNOx濃度を精度良く検出することができる。
【0038】次に、排気ガス中の酸素濃度の検出の必要
性について説明する。図3は、ポンプセル58の大気電
極62に対する印加電圧と、ポンプセル58を流通する
電流(以下、「ポンプセル電流」と称す)との関係を、
排気ガスの空燃比をパラメータとして表した図である。
【0039】図3中にA/F16、またはA/F18の符号と
共に描かれている曲線は、それぞれ、排気ガスの空燃比
(A/F)が16、または18である場合の電圧−電流特
性を示す。また、図3中にAirの記号と共に描かれてい
る曲線は、被測定ガスが純粋な空気である場合の電圧−
電流特性を示す。これらの曲線は、それぞれ、ポンプセ
ル58を流れる電流は、印加電圧の増加に対してある限
界値(平坦な領域)を有することを示している。
【0040】この限界値は、律速された状態で被測定ガ
ス室48中に拡散してくる排気ガス中の殆ど全ての酸素
がイオン化して排出される際の電流値に相当している。
従って、ポンプセル58に効率的に排気ガス中の酸素を
除去させるためには、ポンプセル58を流れる電流が限
界値に至るような電圧を、排気ガスの空燃比、すなわ
ち、排気ガス中の酸素濃度に応じて、適切に第1電極6
0と大気電極62の間に印加することが必要である。
【0041】また、図3において、NOx分解領域として
示した領域は、排気ガスに含まれる全てのNOxが、すな
わち、NOのみならずNOまでもが窒素と酸素に分解され
てしまう領域を示している。本実施形態のガス濃度測定
装置26において、センサセル68がNOx濃度に応じた
電流を流通させるためには、ポンプセル58にNOだけ
を分解させ、センサセル68にはNOを含む排気ガスを到
達させることが必要である。従って、ポンプセル58の
電極間に加える電圧は、NOx分解領域より低い電圧でな
ければならない。
【0042】つまり、本実施形態のガス濃度測定装置2
6によって精度良くNOx濃度を検出するためには、ポン
プセル58の電極間に印加する電圧を、排気ガス中の酸
素濃度に応じて、ポンプセル58に限界電流を流通さ
せ、かつ、NOx分解領域に至らない適切な値に制御する
ことが必要である。図3中に制御中心として示した直線
は、それらの要求を満たす印加電圧の集合である。従っ
て、本実施形態のシステムにおいては、ポンプセル58
を適切に駆動するうえで、排気ガス中の酸素濃度を精度
良く検出する必要がある。
【0043】また、本実施形態のシステムでは、既述し
た通り、NOx吸蔵触媒24の吸蔵能力に余裕がなくなっ
た時点(例えば、ガス濃度測定装置26により検出され
るNOx濃度が所定の判定値を超えた時点)でリッチスパ
イク制御を実行する。リッチスパイク制御は、NOx吸蔵
触媒24に吸蔵されているNOxが十分に放出された時点
で終了させることが望ましい。
【0044】本実施形態のシステムでは、リッチスパイ
ク制御が開始された後、NOx吸蔵触媒24中のNOxが十分
に放出されるまでの間は、排気ガス中のHCやCOが、NOx
吸蔵触媒24から脱離してきたNOx中の酸素により酸化
される。従って、その間は、NOx吸蔵触媒24の下流に
おいて、排気空燃比はほぼ理論空燃比に維持される。一
方、リッチスパイク制御が開始された後、NOx吸蔵触媒
24中のNOxが十分に放出された後は、排気ガス中に酸
素が放出されなくなるため、NOx吸蔵触媒24の下流の
空燃比はリッチとなり、その位置での酸素濃度はほぼ0
となる。
【0045】このため、本実施形態のシステムでは、ガ
ス濃度測定装置26によって排気ガス中の酸素濃度が検
出できれば、その検出値に基づいてリッチスパイク制御
の最適な終了タイミングを決定することができる。本実
施形態のシステムでは、この点においても、ガス濃度測
定装置26により排気ガス中の酸素濃度が検知できるこ
とが望まれる。
【0046】更に、本実施形態のシステムでは、NOx吸
蔵触媒24の被毒が認識された場合に、その被毒を解消
するために被毒再生処理が実行される。より具体的に
は、NOx吸蔵触媒24のNOx吸蔵容量が所定の判定値を下
回ることが検知された場合に、そのNOx吸蔵触媒24の
吸蔵容量を再生するために、NOx吸蔵触媒24に、僅か
にリッチな排気ガスを所定期間(例えば10分間)に渡
って継続的に供給する処理が行われる。
【0047】上述した被毒再生処理の実行中は、排気空
燃比が僅かにリッチな値となるように継続的に燃料噴射
量を制御することが必要である。従って、新たな空燃比
センサを設けることなく被毒再生処理を可能にするため
にも、ガス濃度測定装置26により排気ガス中の酸素濃
度が検知できることが望まれる。
【0048】図3に示した通り、ポンプセル58を流れ
る限界電流、つまり、第1電極60と大気電極62との
間に適当な印加電圧が加えられている場合にそれらの電
極間を流れる電流は、排気ガス中の酸素濃度に対応して
いる。従って、第1電極60と大気電極62との間に流
通する電流を検出すれば、その値に基づいて排気ガス中
の酸素濃度を検知することは可能である。
【0049】しかしながら、本実施形態のガス濃度測定
装置26において、拡散抵抗層56および拡散孔54
は、既述した通り、排気通路14から被測定ガス室48
に流入してくる排気ガスの拡散速度が十分に低速となる
ように構成されている。更に、ガス濃度測定装置26に
おいては、ポンプセル58により処理された排気ガスだ
けをセンサセル68の周辺に流通させる必要があり、ま
た、ポンプセル58により処理された全てのガスがセン
サセル68の周辺に到達することが好ましいことから、
ポンプセル58が被測定ガス室48の内部に配置されて
いる。このため、排気通路14とポンプセル58との間
には、必然的にある程度の距離が生じている。
【0050】このような状況下では、排気通路14を流
れる排気ガス中の酸素濃度が変化した後、その変化がポ
ンプセル58の第1電極60に到達するまでに比較的長
い期間を要する。このため、ガス濃度測定装置26にお
いて、ポンプセル58を流れる電流に基づいて排気ガス
中の酸素濃度を検知する場合には、その酸素濃度を優れ
た応答性の下に検知することができない。
【0051】本実施形態のガス濃度測定装置26は、上
記の如く、拡散抵抗層56の直下に配置された第2電極
78を備えている。第2電極78と、大気電極62と、
それらの間に挟まれているジルコニアの層は、実質的に
ポンプセル58と同様の構成を有している。このため、
可変電源80により大気電極62と第2電極78との間
に、前者から後者に向かう適当な電圧を印加すれば、そ
れらの電極間に、第2電極78が晒されている排気ガス
中の酸素濃度を応じた限界電流を流通させることができ
る。そして、ECU30は、その限界電流に基づいて、つ
まり、電流計82の出力に基づいて、排気ガス中の酸素
濃度を検知することができる。
【0052】排気通路14の内部を流れる排気ガスは、
拡散抵抗層56を通過するだけで第2電極78の表面に
到達することができる。このため、排気通路14中の排
気ガスが第2電極78の表面に到達するのに要する拡散
時間は、そのガスがポンプセル58の第1電極60の表
面に到達するのに要する拡散時間に比して十分に短い時
間である。従って、第2電極78と大気電極62との間
を流れる電流に基づいて排気ガス中の酸素濃度を検知す
ることによれば、ポンプセル58を流れる電流に基づい
てその濃度を検知する場合に比して、十分に高い応答性
を実現することができる。
【0053】本実施形態において、ECU30は、第2電
極78と大気電極62との間を流れる電流に基づいて排
気ガス中の酸素濃度を検出する。このため、本実施形態
のガス濃度測定装置26によれば、ポンプセル58を流
れる電流が基礎とされる場合に比して、十分に高い応答
性により排気ガス中の酸素濃度を検知することができ
る。以下、このようにして検知された酸素濃度を「高応
答酸素濃度」と称す。
【0054】ECU30は、上記の高応答酸素濃度に基づ
いて可変電源64,80を制御する。つまり、ECU30
は、被測定ガス室48から効率的に酸素を排出するため
に第1電極60と大気電極62との間に印加する電圧、
および、酸素濃度を検出するために第2電極78と大気
電極62との間に印加する電圧の双方を、上記の高応答
酸素濃度に基づいて決定する。
【0055】図4および図5は、可変電源64が高応答
酸素濃度に基づいて制御されることにより効果を説明す
るためのタイミングチャートである。より具体的には、
図4は、可変電源64が、ポンプセル58を流れる電流
から求めた酸素濃度に基づいて制御される場合の動作を
説明するためのタイミングチャートである。一方、図5
は、可変電源64が、高応答酸素濃度に基づいて制御さ
れる場合の動作を説明するためのタイミングチャートで
ある。
【0056】更に具体的には、図4(A)および図5
(A)は、内燃機関10から排出される排気ガスの空燃
比をそれぞれ示している。これらの図において、空燃比
がリッチ化されている期間は、リッチスパイク制御の実
行期間に対応している。
【0057】図4(B)および図5(B)は、NOx吸蔵
触媒24の下流における排気ガス中の現実のNOx濃度を
示している。NOx吸蔵触媒24は、リッチスパイク制御
の開始に伴って排気ガス中の酸素濃度が低下すると、そ
の時点でNOxの放出を開始する。リッチスパイク制御の
開始直後は、HCやCOの酸化に伴って消費される量より多
くのNOxが放出される。このため、NOx吸蔵触媒24の下
流におけるNOx濃度は、リッチスパイク制御の開始直後
に一時的に高い値となる。その後、NOx濃度は、放出さ
れるNOx量の減少に伴って小さな値となる。
【0058】図4(C)および図5(C)は、被測定ガ
ス室48の内部における酸素濃度の波形を示す。図4
(C)中に符号を付して示す領域は、酸素濃度の応答
遅れに起因して可変電源64の発生電圧の増加が遅れた
結果、酸素のポンピング量が不足して、酸素濃度がオー
バーシュートした状態を示している。また、図4(C)
中に符号を付して示す領域は、領域のオーバーシュ
ートの反作用により、可変電源64の発生電圧が過剰に
増加された結果、酸素濃度がアンダーシュートした状態
を示している。
【0059】このように、可変電源64を制御するため
の酸素濃度が、排気ガス中の現実の酸素濃度に対して応
答遅れを有している場合、被測定ガス室48の内部で
は、酸素濃度のハンチングが生ずる。これに対して、可
変電源64が高応答酸素濃度に基づいて制御される場合
は、排気ガス中の酸素濃度の変化に合わせて可変電源6
4をフィードフォワード的に制御することができ、図5
(C)に示す通り、被測定ガス室48内の酸素濃度を安
定に維持することができる。
【0060】図4(D)および図5(D)は、センサセ
ル68が排気ガス中のNOx濃度を表すものとして発する
出力の波形を示す。センサセル68は、被測定ガス室4
8内部の酸素濃度が不安定な状態ではNOx濃度を正確に
表す出力を発することはできない。このため、可変電源
64がポンプセル58を流れる電流に基づいて制御され
る場合は、図4(D)に示すように、酸素濃度の応答遅
れに起因して、センサセル68の出力にハンチングが生
ずることがある。これに対して、可変電源64が高応答
酸素濃度に基づいて制御される場合は、図5(D)に示
す通り、現実のNOx濃度に適合した正確な出力をセンサ
セル68に発生させることができる。
【0061】以上説明した通り、可変電源64の制御
を、高応答酸素濃度に基づいて行う場合には、その制御
が、ポンプセル58の流通電流に基づいて行われる場合
に比して、センサセル68の出力をより精度良く現実の
NOx濃度に適合させることができる。このため、本実施
形態のガス濃度測定装置によれば、排気ガス中の酸素濃
度が急変するような場合にも、排気ガス中のNOx濃度を
精度良く検出することができる。
【0062】本実施形態において、ECU30は、更に、
リッチスパイク制御の終了タイミングも高応答酸素濃度
を基礎として決定し、また、被毒再生処理の実行中にお
ける燃料噴射量制御も高応答酸素濃度を基礎として実行
する。このため、本実施形態のシステムによれば、リッ
チスパイク制御を無駄なく終了させることができると共
に、被毒再生処理の実行中に、排気空燃比を極めて精度
良く所望の空燃比に制御することができる。
【0063】ところで、上述した実施の形態1において
は、第2電極78と大気電極62と、それらの間に挟ま
れるジルコニアの層とで構成される要素(高応答酸素濃
度を検出するための要素)を、限界電流方式で駆動する
こととしている。つまり、第2電極78と大気電極62
とに、それらの間に排気ガス中の酸素濃度に応じた限界
電流が流通するような電圧を印加することとしている。
【0064】しかしながら、第2電極78を用いて排気
ガス中の酸素濃度に応じた電気出力を得る手法はこれに
限定されるものではない。つまり、第2電極78および
大気電極62は、何れも、それらが晒されているガス中
に酸素が存在するか否かに応じて起電力を大きく変化さ
せる特性を有している。大気電極62は大気にさらされ
ているため常に酸素が存在する場合に生ずるべき起電力
を発生する。一方、第2電極78は、排気ガスに晒され
ているため、排気ガスがリーンであるかリッチであるか
に応じて大きく起電力を変化させる。このため、第2電
極78と大気電極62との間に電圧を印加することな
く、それら両者間に生ずる電位差を監視すれば、排気ガ
スがリッチであるかリーンであるかを精度良く検知する
ことができる。従って、上述した実施の形態1において
は、可変電源74による電圧印加を止めて、第2電極7
8と大気電極62の間に生ずる電位差を監視し、その電
位差に基づいて、排気ガスがリッチであるかリーンであ
るかを検知することとしてもよい。
【0065】また、上述した実施の形態1においては、
排気ガスがポンプセル58の第1電極60に向かって拡
散する際の速度を、拡散抵抗層56と拡散孔54とで律
すると共に、排気ガスが第2電極78に向かって拡散す
る際の速度を拡散抵抗層56だけで律することとしてい
るが、排気ガスの拡散速度を律する手法はこれに限定さ
れるものではない。例えば、第1電極60に向かう排気
ガスの拡散を律するための部分と、第2電極78に向か
う排気ガスの拡散を律するための部分とで、拡散抵抗層
56の材質を代えることにより上記の要件を満たすこと
としてもよい。或いは、第2電極78を覆う部分だけ、
拡散抵抗層56に孔を設けることで上記の要件を満たす
こととしてもよい。つまり、本発明においては、排気通
路14内の排気ガスが第1電極60の表面に達するのに
要する拡散時間に比して、排気通路14内の排気ガスが
第2電極78に達するのに要する拡散時間が短ければよ
く、その要件が満たされる限り、どのような拡散機構を
用いても良い。
【0066】尚、上述した実施の形態1においては、セ
ンサ電極70が前記第1の発明における「センサ部材」
に、拡散孔54および拡散抵抗層56が前記第1の発明
における「第1拡散律速部材」に、拡散抵抗層56が前
記第1の発明における「第2拡散律速部材」に、それぞ
れ相当していると共に、ECU30が電流計82の出力に
基づいて酸素濃度を検出することにより前記第1の発明
における「酸素濃度検出手段」が実現されている。
【0067】また、上述した実施の形態1においては、
可変電源80が前記第2の発明における「電圧印加手
段」に、電流計82が前記第2の発明における「限界電
流検出手段」に、それぞれ相当している。
【0068】また、上述した実施の形態1においては、
電圧印加を受けていない状況下で第2電極78と大気電
極62との間に発生する電位差をECU30に検出させる
ことにより前記第3の発明における「起電力差検出手
段」を実現することができる。
【0069】また、上述した実施の形態1においては、
拡散抵抗層56のうち、拡散孔54を覆う部分が前記第
1の発明における「第1拡散抵抗部材」に相当している
と共に、拡散抵抗層56のうち第2電極78を覆ってい
る部分が前記第4の発明における「第2拡散抵抗部材」
に相当している。
【0070】また、上述した実施の形態1においては、
可変電源64が前記第5の発明における「第1ポンプ電
圧印加手段」に、電流計76が前記第5の発明における
「センサ電流検出手段」に、それぞれ相当している。
【0071】また、上述した実施の形態1においては、
ECU30が、高応答酸素濃度に基づいて可変電源64を
制御することにより前記第6の発明における「ポンプ電
圧制御手段」が実現されている。
【0072】実施の形態2.次に、図6を参照して本発
明の実施の形態2について説明する。図6は、本実施形
態のガス濃度測定装置90の構成を説明するための図で
ある。本実施形態のガス濃度測定装置90は、混成電位
式の装置である。図6において、上記図2に示す構成要
素と実質的に同一の要素については、同一の符号を付し
てその説明を省略または簡略する。
【0073】本実施形態のガス濃度測定装置90は、ポ
ンプセル58の第1電極60と大気電極62との間に、
第1電極60から大気電極62に向かう電位を印加する
ことのできる可変電源92を備えている。尚、可変電源
92はECU30に内蔵されている。
【0074】ポンプセル58は、可変電源92により適
当な電圧が印加されることにより、大気室50内の酸素
を被測定ガス室48内にポンピングすると共に、ポンピ
ングされた酸素を用いて、被測定ガス室48内に存在す
る可燃成分、すなわち、HCやCOを燃焼させることができ
る。このため、ガス濃度測定装置90によれば、ポンプ
セル58の下流には、可燃成分(HC、CO)を含まない排
気ガスを流通させることができる。
【0075】ガス濃度測定装置90は、ポンプセル58
の下流に、第2ポンプセル94を備えている。第2ポン
プセル94は、ジルコニア層44と、その被測定室48
側に配置されたポンプ電極96と、その大気室52側に
配置された大気電極98とで構成されている。ポンプ電
極96と大気電極98との間には、大気電極98からポ
ンプ電極96へ向かう電圧を印加するための電源100
が接続されている。尚、電源100は、ECU30に内蔵
されている。
【0076】第2ポンプセル94は、電源100により
適当な電圧が印加されることにより、大気室52内の酸
素を被測定ガス室48内にポンピングすると共に、ポン
ピングされた酸素を用いて、被測定ガス室48内に存在
するNOをNO2とすること、つまり、被測定ガス室48内
のNOxをNO2に単ガス化することができる。従って、ガ
ス濃度測定装置90によれば、第2ポンプセル94の周
辺における排気ガスを、HCやCOを含まず、酸素とNO2だ
けを含むガスに調製することができる。
【0077】ガス濃度測定装置90は、ポンプセル58
の下流に、センサセル102を備えている。センサセル
102は、ジルコニア層42と、その被測定ガス室48
側に配置された第1および第2センサ電極104,10
6と、その大気室50側に配置された大気電極108と
で構成されている。第1センサ電極104と大気電極1
08との間には、それらの間に生ずる電位差を検出する
ための第1電圧計110が接続されている。また、第2
センサ電極106と大気電極108との間には、それら
の間に生ずる電位差を検出するための第2電圧計112
が接続されている。尚、第1および第2電圧計110,
112は、何れもECU30に内蔵されている。
【0078】本実施形態において、第1センサ電極10
4および大気電極108は、それらの間に、被測定ガス
室48内の酸素とNO2との和に応じた電位差を生じさせ
る特性を有している。一方、第2センサ電極106およ
び大気電極108は、それらの間に、被測定ガス室48
内の酸素濃度に応じた電位差を生じさせる特性を有して
いる。このため、第1電圧計110により検出される電
位差と、第2電圧計112により検出される電位差との
差は、被測定ガス室48内のNO2濃度に相当する。
【0079】本実施形態において、ECU30は、第1電
圧計110の検出値と、第2電圧計112の検出値との
差に基づいて、被測定ガス室48内のNO2濃度を検出す
る。被測定ガス室48内のN02濃度は、排気通路14を
流れる排気ガス中のNOx濃度と同一である。従って、本
実施形態のガス濃度検出装置90によれば、実施の形態
1の装置と同様に、排気ガス中のNOx濃度を精度良く検
出することができる。
【0080】また、本実施形態において、ガス濃度検出
装置90は、実施の形態1の場合と同様に、大気電極6
2と第2電極78の間を流れる電流に基づいて、排気ガ
ス中の酸素濃度を良好な応答性の下に検出することがで
きる。このため、ガス濃度検出装置90によれば、実施
の形態1装置26と同等の機能を実現することができ
る。
【0081】尚、上述した実施の形態2においては、第
1および第2センサ電極104,106が前記第1の発
明における「センサ部材」に相当している。また、上述
した実施の形態2においては、可変電源92が前記第7
の発明における「第2ポンプ電圧印加手段」に相当して
いると共に、ECU30が、第1電圧計110の検出値
と、第2電圧計112の検出値との差を検出することに
より前記第7の発明における「センサ差圧検出手段」が
実現されている。
【0082】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に示すような効果を奏する。第1の発
明によれば、被測定ガス室の内部で、ポンプセルにより
処理された後の被測定ガスをセンサ部材に供給し、セン
サ部材により特定成分の濃度を検出することができる。
また、本発明によれば、大気電極と第2電極との間に生
ずる電気出力に基づいて被測定ガス中の酸素濃度を検出
することができる。第2電極の表面には、第1電極の表
面に比して、測定対象の空間内で生じたガス濃度の変化
が短時間で反映される。このため、本発明によれば、被
測定ガス中の酸素濃度を優れた応答性の下に検出するこ
とができる。
【0083】第2の発明によれば、第2電極から大気電
極に向かう電圧を印加することにより、第2電極の表面
上に存在する酸素を大気電極側へポンピングすることが
できる。そして、そのポンピングに伴って両者間に生ず
る電流に基づいて被測定ガス中の酸素濃度を精度良く検
出することができる。
【0084】第3の発明によれば、第2電極と大気電極
との間に生ずる起電力の差に基づいて、被測定ガス中の
酸素濃度を検知することができる。
【0085】第4の発明によれば、第1電極へは拡散孔
と第1拡散抵抗部材とを通過したガスのみを供給するこ
とができる。また、第2電極には、第2拡散抵抗部材を
通過したガスを供給することができる。この場合、第2
電極に供給されるガスは、拡散孔を通過しないため、第
2電極の表面に、被測定ガスの濃度変化を迅速に反映さ
せることができる。
【0086】第5の発明によれば、ポンプセルにより、
被測定ガス室中の酸素を排出することができる。また、
センサ部材(センサ電極)により、残存するガス中のNO
xを分解すると共に、その分解により生じた酸素の濃度
に応じた電流を生成することができる。このため、本発
明によれば、センサ部材の生成する電流に基づいて、被
検出ガス中のNOx濃度を精度良く検出することができ
る。
【0087】第6の発明によれば、第2電極により検出
された酸素濃度、すなわち、優れた応答性の下で検出さ
れた酸素濃度に基づいて、第1電極と大気電極との間
(ポンプセル)に印加する電圧を制御することができ
る。この場合、被測定ガス中の酸素濃度の変化を、速や
かに印加電圧に反映させることができるため、濃度の急
変時にも、ポンプセルを理想的な状態に制御することが
できる。
【0088】第7の発明によれば、ポンプセルにより、
被測定ガス室中の可燃成分を燃焼させることができる。
また、第1センサ電極により、残存するガス中のNOxと
酸素の濃度に応じた電圧を生成させ、かつ、第2センサ
電極により、残存するガス中の酸素濃度に応じた電圧を
生成させることができる。このため、本発明によれば、
第1センサ電極が発する電圧と、第2センサ電極の発す
る電圧との差に基づいて、被検出ガス中のNOx濃度を精
度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1のガス濃度測定装置を
含むシステム例を説明するための図である。
【図2】 実施の形態1のガス濃度測定装置の構成を説
明するための図である。
【図3】 ポンプセルに対する印加電圧とポンプセルを
流れる電流との関係を説明するための図である。
【図4】 ポンプセルに対する印加電圧を、ポンプセル
により検出された酸素濃度に基づいて制御した場合の動
作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】 ポンプセルに対する印加電圧を、高応答酸素
濃度に基づいて制御した場合の動作を説明するためのタ
イミングチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態2のガス濃度測定装置の
構成を説明するための図である。
【符号の説明】
10 内燃機関 14 排気通路 22 始動触媒 24 NOx吸蔵触媒 26;90 ガス濃度測定装置 30 ECU(Electronic Control Unit) 42,44 ジルコニア層 48 被測定ガス室 50,52 大気室 58 ポンプセル 60 第1電極 62,72;98,108 大気電極 64,80 可変電源 68;102 センサセル 70 センサ電極 78 第2電極 82 電流計 104 第1センサ電極 106 第2センサ電極 110 第1電圧計 112 第2電圧計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/46 327C 327H 325D 327B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象の空間内に存在する被測定ガス
    の濃度を測定するためのガス濃度測定装置であって、 前記空間内から前記被測定ガスが導かれる被測定ガス室
    と、 前記被測定ガス室の内部に配置される第1電極と、大気
    に晒された状態に配置される大気電極とを備え、前記第
    1電極と前記大気電極との間で酸素をポンピングするこ
    とのできるポンプセルと、 前記被測定ガス室に前記第1電極の下流に位置するよう
    に配置され、前記被測定ガス中の特定成分の濃度を検出
    するセンサ部材と、 前記被測定ガスに晒された状態に配置され、前記大気電
    極との間に、前記被測定ガス中の酸素濃度に応じた電気
    出力を発生させる第2電極と、 前記大気電極と前記第2電極との間に生ずる前記電気出
    力に基づいて前記被測定ガス中の酸素濃度を検出する酸
    素濃度検出手段と、 前記第1電極表面におけるガスの拡散速度を律する第1
    拡散律速部材と、 前記第2電極表面におけるガスの拡散速度を律する第2
    拡散律速部材とを備え、 前記第1拡散律速部材および前記第2拡散律速部材は、
    前記空間内の被測定ガスが前記第1電極表面に拡散する
    ための時間に比して、前記空間内の被測定ガスが前記第
    2電極表面に拡散するための時間が短くなるように設け
    られていることを特徴とするガス濃度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記第2電極および前記大気電極は、前
    者から後者に向かう電圧が印加されることにより、前者
    の表面上に存在する酸素を後者の側へポンピングする特
    性を有し、 前記酸素濃度検出手段は、 前記第2電極と前記大気電極との間に、前記第2電極か
    ら前記大気電極に向かう電圧を印加する電圧印加手段
    と、 前記第2電極と前記大気電極との間を流れる電流を検出
    する限界電流検出手段とを備え、 前記電気出力は、前記電圧の印加中に前記第2電極と前
    記大気電極との間を流れる電流であることを特徴とする
    請求項1記載のガス濃度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記第2電極および前記大気電極は、そ
    れらの表面における酸素の存在状況に応じた起電力を発
    する特性をそれぞれ有し、 前記酸素濃度検出手段は、前記第2電極と前記大気電極
    との間に生ずる電位差を検出する起電力差検出手段を備
    え、 前記電気出力は、前記起電力差検出手段によって検出さ
    れる電位差であることを特徴とする請求項1または2記
    載のガス濃度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記第1拡散律速部材は、前記被測定ガ
    スを前記空間から前記被測定ガス室に導くための拡散孔
    と、前記空間と前記第1電極との間に配置される第1拡
    散抵抗部材とを備え、 前記第2拡散律速部材は、前記拡散孔の外に配置された
    第2拡散抵抗部材を備え、 前記第2電極は、前記第2拡散抵抗部材の直下に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項
    記載のガス濃度測定装置。
  5. 【請求項5】 前記第1電極および前記大気電極は、後
    者から前者に向かう電圧が印加されることにより、前記
    第1電極の表面上に存在する酸素を前記大気電極の側へ
    ポンピングする特性を有し、 前記センサ部材は、前記被測定ガス室内のNOxを窒素と
    酸素に分解し、かつ、その表面上における酸素濃度に応
    じた電流を発生するセンサ電極であり、 前記第1電極と前記大気電極との間に、後者から前者に
    向かう電圧を印加する第1ポンプ電圧印加手段と、 前記センサ電極が発生する電流を検出するセンサ電流検
    出手段と、 を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項
    記載のガス濃度測定装置。
  6. 【請求項6】 前記酸素濃度検出手段により検出された
    前記被測定ガス中の酸素濃度に基づいて、前記第1ポン
    プ電圧印加手段により印加される電圧を制御するポンプ
    電圧制御手段を備えることを特徴とする請求項5記載の
    ガス濃度測定装置。
  7. 【請求項7】 前記第1電極および前記大気電極は、前
    者から後者に向かう電圧が印加されることにより、前記
    大気電極の表面上に存在する酸素を前記第1電極の側へ
    ポンピングすると共に、ポンピングされた酸素を用いて
    前記被測定ガス室中の可燃成分を燃焼させる機能を有
    し、 前記センサ部材は、前記被測定ガス室内のNOx濃度と酸
    素濃度との和に応じた電圧を発生する第1センサ電極
    と、前記被測定ガス室内の酸素濃度に応じた電圧を発生
    する第2センサ電極とを含み、 前記第1電極と前記大気電極との間に、前者から後者に
    向かう電圧を印加する第2ポンプ電圧印加手段と、 前記第1センサ電極が発生する電圧と、前記第2センサ
    電極が発生する電圧との差を検出するセンサ差圧検出手
    段と、 を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項
    記載のガス濃度測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023026899A1 (ja) * 2021-08-25 2023-03-02 日本碍子株式会社 ガスセンサ

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