JP2003329588A - 材料識別方法および材料識別システム並びに材料識別装置 - Google Patents

材料識別方法および材料識別システム並びに材料識別装置

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JP2003329588A
JP2003329588A JP2002138595A JP2002138595A JP2003329588A JP 2003329588 A JP2003329588 A JP 2003329588A JP 2002138595 A JP2002138595 A JP 2002138595A JP 2002138595 A JP2002138595 A JP 2002138595A JP 2003329588 A JP2003329588 A JP 2003329588A
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Masaya Fukui
眞彌 福井
Atsushi Kurita
厚 栗田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、材料により多くの材料に関する
情報を内有させることができるとともに、その材料を簡
単かつ確実に識別することができる材料識別方法および
材料識別システム並びに材料識別装置の提供を目的とす
る。 【解決手段】 一種ないし二種以上の元素またはそれら
の化合物からなり、かつ蛍光の時間的減衰特性に対応し
て材料に関する情報が関連付けられた情報提示物質が含
有された材料を作製する。その材料の識別に際しては、
材料に対して所定の波長領域の電磁波を照射し、その電
磁波の照射に伴って前記情報提示物質から放射される蛍
光を検出し、その検出した情報提示物質の蛍光の時間的
減衰特性に基づいて材料に関する情報を特定することに
より材料を識別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種プラスチッ
ク、塗料、インク、紙、あるいは金属などの材料につい
ての材料識別方法及び材料識別システム並びに材料識別
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック等の材料の識別は、
材料の比重、硬度、融点、誘電率あるいは色調などを分
析する物理的分析や、赤外線分析や熱分析などの化学的
分析の一ないし複数の組合せにより行われていた。
【0003】ところが、物理的分析による材料の識別
は、一般に素材の調整や破壊が必要な上に、分析に長時
間を要するという難点があった。また、化学的分析によ
る材料の識別は、例えば赤外線分析の場合は、表面に汚
れが付着していると正確に行うことができないという難
点があり、また熱分析の場合は、材料を溶融しなければ
ならないという難点があった。しかも、物理的分析およ
び化学的分析のいずれの分析も、材料の種類までは識別
できるものの、材料の製造履歴や製造メーカ等までを識
別することは難しいという難点があった。
【0004】そこで、上記難点を解消するために、特開
平8−269370号に示されるように、材料に一種な
いし二種以上の元素や化合物(以下、添加物という)を
添加した材料が知られている。この材料の識別に際して
は、その材料に対してX線を照射し、その添加物から放
射される蛍光X線のスペクトルに基づいて添加物の種類
および含有量を測定し、それら添加物の種類および含有
量により材料を識別する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
添加物から放射される蛍光X線のスペクトルから添加物
の含有量の絶対値を測定することは困難であり、1種類
の添加物だけを使用して材料を識別することができず、
必ず2種以上の添加物を使用しなければならない。例え
ば、一の添加物は基準物質としのみ使い、その基準物質
に対する他の添加物の含有量の相対値により材料を識別
する。このため、必ず2種以上の添加物を使用する上記
材料識別方法では、有限の添加物の種類を十分に有効活
用することができないという問題があった。
【0006】また、それぞれ異なる添加物が添加された
2つの材料が混合された場合、混合材料の添加物の含有
量の相対値は、混合される前の各材料の各添加物の含有
量の相対値が組み合わさっただけなので、材料が混合さ
れたか否かを判別することができない。このため、偶然
の混合による情報の読み誤りや、意図的な混合による情
報の偽造や改竄に弱いという問題もあった。
【0007】さらにまた、材料が光を吸収または散乱す
る性質を持っている場合、材料の内部から発した蛍光が
材料中を通過する際に、その蛍光は吸収または散乱され
るが、吸収または散乱される蛍光の割合は一般に波長に
より異なるため、その蛍光の透過率は蛍光の波長により
異なり、添加物の含有量の絶対値の測定に誤差を生じる
という問題もあった。
【0008】あるいはまた、従来の材料識別方法におい
て材料に大量の情報を内有させる方法として、検出装置
の波長分解能を高め、スペクトルの微細な変化をも検出
するものが考えられる。しかしながら、分光装置では一
般に、波長分解能を高めるためには分光装置への蛍光の
入口を小さくしなければならない。すると、材料から発
した蛍光のうち、分光装置に入って検出される蛍光の割
合が減少する。これを補うためには、強力な励起光源、
材料と分光装置の間の光学系の精密な制御、または高感
度の光検出器が必要となるという問題もあった。
【0009】この発明は、上述の問題に鑑みてなされた
ものであって、材料により多くの材料に関する情報を内
有させることができるとともに、その材料を簡単かつ確
実に識別することができる材料識別方法および材料識別
システム並びに材料識別装置の提供を目的とする。さら
に詳しくは、材料の種類情報のみならず、製造履歴情
報、真偽判別情報などの様々な情報を材料に暗号的に内
有させ、廃材料の分別、製品の製造履歴等の追跡調査、
真偽判別などの各種処理操作を簡単かつ確実に行いうる
材料識別方法および材料識別システム並びに材料識別装
置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するために、一種ないし二種以上の元素またはそれ
らの化合物からなり、かつ蛍光の時間的減衰特性に対応
して材料に関する情報が関連付けられた情報提示物質が
含有された材料を作製し、該材料の識別に際して、材料
に対して所定の波長領域の電磁波を照射し、その電磁波
の照射に伴って前記情報提示物質から放射される蛍光を
検出し、その検出した情報提示物質の蛍光の時間的減衰
特性に基づいて材料に関する情報を特定することにより
材料を識別することを特徴とする。なお、情報提示物質
の蛍光の時間的減衰特性とは、横軸を時間とした場合に
おける情報提示物質の蛍光強度の減衰についての特性の
ことをいう。
【0011】これによれば、情報提示物質の蛍光の時間
的減衰特性は簡単かつ確実に求められるので、材料によ
り多くの材料に関する情報を内有させることができると
ともに、材料を簡単かつ確実に識別することができる。
【0012】また、前記情報提示物質の蛍光の時間的減
衰特性は、その蛍光強度の時間的減衰曲線であってもよ
い。これによれは、情報提示物質の蛍光強度の時間的減
衰曲線そのものを求めればよいので、材料をより簡単か
つ確実に識別することができる。
【0013】また、前記情報提示物質の蛍光の時間的減
衰特性は、その蛍光強度の時間的減衰曲線の時定数であ
ってもよい。この時定数とは、時間的減衰曲線がA・e
xp(−t/T)と表されるときの定数T(A:係数、
t:時間)に相当するものである。これによれば、情報
提示物質の蛍光強度の時間的減衰曲線の時定数を求めれ
ばよいので、材料をより簡単かつ確実に識別することが
できる。
【0014】また、前記情報提示物質の蛍光の時間的減
衰特性は、情報提示物質から蛍光が放射され始めた時か
ら一定時間経過後の時間的減衰特性であってもよい。こ
れによれば、情報提示物質以外の物質から放射される減
衰の早い蛍光を検出した場合であっても、情報提示物質
から蛍光が放射され始めた時から一定時間経過後の時間
的減衰特性を求めるので、前記情報提示物質以外の物質
の影響に関わらず情報提示物質の時間的減衰特性を正確
に求めることができる。
【0015】また、前記情報提示物質の蛍光の時間的減
衰特性は、情報提示物質から蛍光が放射され始めた後の
所定時点における一ないし複数の蛍光強度であってもよ
い。これによれば、情報提示物質の蛍光強度の一部を求
めればよいので、材料をより一層簡単に識別することが
できる。
【0016】また、前記情報提示物質の蛍光の時間的減
衰特性は、情報提示物質から蛍光が放射され始めた後の
一定時間内における時間的減衰特性であってもよい。こ
れによれば、情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性の一
部が何らかの要因により変化する場合であっても、蛍光
が変化していない一定時間内における蛍光の時間的減衰
特性を求めることによって、材料を簡単かつ確実に識別
することができる。
【0017】また、前記情報提示物質の蛍光の時間的減
衰特性は、検出された光強度から情報提示物質の蛍光以
外の光強度が差し引かれたものであってもよい。これに
よれば、例えば周辺光等、情報提示物質から放射された
蛍光以外の光を同時に検出した場合であっても、検出さ
れた光強度から周辺光等の光強度が差し引かれることに
より、情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性を正確に求
めることができる。
【0018】また、この発明に係る材料識別システム
は、一種ないし二種以上の元素またはそれらの化合物か
らなり、かつ蛍光の時間的減衰特性に対応して材料に関
する情報が関連付けられた情報提示物質が含有された材
料を識別する材料識別システムであって、前記材料に対
して所定の波長領域の電磁波を照射し、その電磁波の照
射に伴って前記情報提示物質から放射される蛍光を検出
する検出手段と、情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性
と材料に関する情報とが互いに対応するように設定され
た参照テーブルを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に
記憶されている参照テーブルを参照し、該検出手段によ
り検出された情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性に基
づいて材料に関する情報を特定することにより材料を識
別する識別手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0019】これによれば、材料に対して所定波長領域
の電磁波を照射し、その電磁波の照射に伴って情報提示
物質から照射される蛍光を検出し、その検出した情報提
示物質の蛍光の時間的減衰特性に基づいて材料に関する
情報を特定するという一連の処理を自動的に行うことが
できる。
【0020】また、この発明に係る識別装置は、請求項
8に記載の識別システムに用いられる識別装置であっ
て、情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性と材料に関す
る情報とが互いに対応するように設定された参照テーブ
ルを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されてい
る参照テーブルを参照し、該検出手段により検出された
情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性に基づいて材料に
関する情報を特定することにより材料を識別する識別手
段と、を備えてなることを特徴とする。
【0021】これによれば、当該識別装置を適切な箇所
に設置し、さらに前記検出手段に接続することによって
上記材料識別システムを簡単かつ確実に実現することが
できる。
【0022】
【発明の実施の形態】次にこの発明の一実施形態につい
て説明する。
【0023】この実施形態に係る材料識別方法に用いら
れる材料は、一種ないし二種以上の元素またはそれらの
化合物からなり、かつ蛍光の時間的減衰特性に対応して
材料に関する情報(以下、材料情報という)が関連付け
られた情報提示物質が含有されてなる。
【0024】前記材料としては、各種プラスチック材料
のほか、塗料、インク、繊維、紙、あるいは金属などが
挙げられ、当該材料に情報提示物質が添加されたもの
や、当該材料中に情報提示物質が重合、架橋、あるいは
イオン結合等の化学結合をもって導入されたものや、当
該材料の表面に情報提示物質が塗布されたものであって
もよい。なお、情報提示物質は10μmm以下の微粒子
状のものを用いるのが好ましい。
【0025】また、前記情報提示物質としては、汎用の
各種材料に対して一般に含有されることのない一種ない
し二種以上の元素またはそれらの化合物(酸化物、硫化
物、有機酸化物等)が好ましい。
【0026】このように各種材料に対して一般に含有さ
れることのない元素としては、元素番号21から元素番
号88までの元素、好ましくはランタノイド系元素、さ
らに好ましくはプラセオジウム(Pr)、ネオジウム(N
d)、サマリウム(Sm)、ユーロビウム(Eu)、ガドリ
ニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ホルミウム(Ho)、
イッテルビウム(Yb)を一種または二種以上の組合せに
おいて用いるのがよい。
【0027】また、前記情報提示物質は、その蛍光の時
間的減衰特性に対応して材料情報が関連付けられてい
る。
【0028】この情報提示物質の蛍光とは、材料に所定
の波長領域の電磁波を照射した際に、材料に含有されて
いる情報提示物質から放射される光のことをいう。そし
て、蛍光の時間的減衰特性とは、例えば図1に示すよう
に、横軸を時間とした場合の情報提示物質の蛍光強度の
減衰についての特性のことをいう。なお、図1の蛍光の
時間的減衰特性は、3種類の情報提示物質の蛍光強度の
時間的減衰特性(時間的減衰曲線)を示している。
【0029】この蛍光の時間的減衰特性は、情報提示物
質の種類や、情報提示物質の化合物中での構成比率や濃
度などによってそれぞれ異なる特性を示す。このため、
蛍光の時間的減衰特性と材料情報とを予め対応させてお
けば、情報提示物質はその蛍光の時間的減衰特性に対応
して材料情報が関連付けられることになる。従って、情
報提示物質が含有された材料は、その情報提示物質に対
応して所定の材料情報を暗号的に内有することができ
る。 (ケース1)例えば、情報提示物質がNdxPr(1-x)
3の場合、その構成元素Prの構成比率(x=0、x=
0.005、x=0.05、x=0.2)に応じて、情
報提示物質NdxPr(1-x)3はそれぞれ図2に示すよ
うな蛍光の時間的減衰特性(la、lb、lc、ld)
を示す。これらは情報提示物質NdxPr(1-x)3 中の
Prの蛍光の時間的減衰特性であり、Prの増加(Pr
の構成比率xの増加)に伴って蛍光の時間的減衰特性の
傾斜が急になる。
【0030】そしてこれら時間的減衰特性(la、l
b、lc、ld)と材料情報(A、B、C、D)とを予
め対応させておけば、各情報提示物質NdxPr(1-x)
3(x=0、x=0.005、x=0.05、x=0.
2)は、蛍光の時間的減衰特性(la、lb、lc、l
d)に対応して材料情報(A、B、C、D)が関連付け
られることになる。このため、これら情報提示物質Nd
xPr(1-x)3(x=0、x=0.005、x=0.0
5、x=0.2)のいずれかが含有された材料は、材料
情報(A、B、C、D)のいずれかを暗号的に内有する
ことができる。 (ケース2)また、例えば、情報提示物質がPrを添加
したLaF3の場合、その構成元素Prの濃度(1%、
5%、20%、50%、80%)に応じて、情報提示物
質LaF3(Pr含む)は、それぞれ図3に示すような
蛍光の時間的減衰特性(le、lf、lg、lh、l
i)を示す。これらは情報提示物質LaF3中のPrの
蛍光の時間的減衰特性であり、Prの濃度増加に伴って
蛍光の時間的減衰特性の傾斜が急になる。
【0031】そして各時間的減衰特性(le、lf、l
g、lh、li)と各材情報(E、F、G、H、I)と
を予め対応させておけば、各情報提示物質LaF3(P
r濃度:1%、5%、20%、50%、80%)は、蛍
光の時間的減衰特性(le、lf、lg、lh、li)
に対応して材料情報(E、F、G、H、I)が関連付け
られることになる。このため、これら情報提示物質La
3(Pr濃度:1%、5%、20%、50%、80
%)のいずれかが含有された材料は、材料情報(E、
F、G、H、I)のいずれかを暗号的に内有することが
できる。 (ケース3)また、例えば、情報提示物質がY(1-x-y)
YbxHoy3(x=0.003)の場合、その構成元
素Hoの構成比率(y=0.01、y=0.03、y=
0.06)に応じて、情報提示物質Y(1-x-y)YbxHo
y3(x=0.003)はそれぞれ図4に示すような蛍
光の時間的減衰特性(lj、lk、lm)を示す。これ
らは情報提示物質Y(1-x-y)YbxHoy3 (x=0.
003)中のYbの蛍光の時間的減衰特性であり、Ho
の増加(Hoの構成比率yの増加)に伴って蛍光の時間
的減衰特性の傾斜が急になる。
【0032】そしてこれら時間的減衰特性(lj、l
k、lm)と材料情報(J,K,M)とを予め対応させ
ておけば、各情報提示物質Y(1-x-y)YbxHoy3(x
=0.003;y=0.01、y=0.03、y=0.
06)は、蛍光の時間的減衰特性(lj、lk,lm)
に対応して材料情報(J、K、M)が関連付けられるこ
とになる。このため、これら情報提示物質Y(1-x-y)
xHoy3(x=0.003;y=0.01、y=
0.03、y=0.06)のいずれかが含有された材料
は、材料情報(J、K、M)のいずれかを暗号的に内有
することができる。 (ケース4)また、例えば、情報提示物質がY(1-x-y)
YbxHoy3(x=0.1)の場合、その構成元素H
oの構成比率(y=0.01、y=0.03、y=0.
06)に応じて、情報提示物質Y(1-x-y)YbxHoy3
(x=0.1)はそれぞれ図5に示すような蛍光の時間
的減衰特性(lp、lq、lr)を示す。これらは情報
提示物質Y(1-x-y)YbxHoy3 (x=0.1)中の
Ybの蛍光の時間的減衰特性であり、Hoの増加(Ho
の構成比率yの増加)に伴って蛍光の時間的減衰特性の
傾斜が急になる。
【0033】そしてこれら時間的減衰特性(lp、l
q、lr)と材料情報(P,Q,R)とを予め対応させ
ておけば、各情報提示物質Y(1-x-y)YbxHoy3(x
=0.1;y=0.01、y=0.03、y=0.0
6)は、蛍光の時間的減衰特性(lp、lq,lr)に
対応して材料情報(P、Q、R)が関連付けられること
になる。このため、これら情報提示物質Y(1-x-y)Ybx
Hoy3(x=0.1;y=0.01、y=0.03、
y=0.06)のいずれかが含有された材料は、材料情
報(J、K、M)のいずれかを暗号的に内有することが
できる。
【0034】なお、以上の例では、情報提示物質の時間
的減衰特性として、情報提示物質の蛍光強度の時間的減
衰曲線を対数変換したものが用いられている。このよう
に、情報提示物質の蛍光強度の時間的減衰曲線を対数変
換すれば、時間的減衰特性が直線または直線近似的に表
されるので、材料に関する情報をより簡単かつ確実に特
定することができる。
【0035】また、前記情報提示物質は、材料の外観や
物性への影響を抑えるために、当該材料の固有の性質に
影響を与えない微量の範囲で含有されるのが好ましい。
この材料の固有の性質に影響を与えない微量の範囲とし
ては、材料の種類等により様々に変動しうるが、好まし
くは材料に対して0.1ppmから1000ppmまで
の範囲(0.1ppmおよび1000ppmを含む)、
さらに好ましくは0.5ppmから200ppm(0.
5ppmおよび200ppmを含む)までの範囲がよ
い。
【0036】このように0.1ppm以上とするのは、
主として一般に使用に供されている蛍光検出装置の精度
との関係のためであり、1000ppm以下とするの
は、多くの材料の外観や物性に影響を与えないためであ
る。また、その範囲の中でも0.5ppmから200p
pmとするのは、測定の信頼性を十分に確保しつつ、ま
た経済的負担も低く抑え、さらに材料の固有の性質に与
える影響を極力軽減するためである。
【0037】また、前記材料への情報提示物質の含有方
法は、特に限定されるものではなく、材料や情報提示物
質の種類に応じた方法でよい。例えば、材料がプラスチ
ックの場合、ドラムタンブラー等によりドライブレンド
した後に直接成形する方法や、エクストルーダーにより
コンパウンド加工する方法や、インターナルミキサーあ
るいは加熱ロールによるコンパウンドあるいは成形を実
施する方法などが挙げられる。また、マスターバッチ化
した上での使用を実施してもよい。
【0038】また、前記材料に情報提示物質を含有させ
る際、均一な分布と分散を確保するために、脂肪酸アマ
イド、脂肪酸金属塩、あるいは脂肪酸エステルを滑剤と
して使用してもよい。
【0039】また、複数の情報提示物質を前記材料に含
有させる場合、各情報提示物質を前記材料に別々に含有
させるものとしてもよいし、各情報提示物質を前記材料
に同時に含有させるものとしてもよい。
【0040】また、前記材料情報は、特に限定されるも
のではなく、当該材料の種類、製造履歴、製造メーカな
どの材料そのものに関する情報のほか、当該材料が用い
られる製品に関する情報であってもよい。
【0041】しかして、前記材料は、前記情報提示物質
が含有されることによって、材料の種類、製造履歴、あ
るいは製造メーカ等の材料情報や、当該材料が用いられ
る製品に関する情報など、材料に関する様々な情報を暗
号的に内有することができる。
【0042】このような材料の識別に際しては、該材料
に対して所定の波長領域の電磁波を照射し、その電磁波
の照射に伴って前記情報提示物質から放射される蛍光を
検出し、その検出した情報提示物質の蛍光の時間的減衰
特性に基づいて材料情報を特定することにより材料を識
別する。 (ケース1)例えば、検出した情報提示物質の蛍光の時
間的減衰特性が図2に示す(lb)の場合、材料情報を
(B)と特定することができ、その材料情報(B)に基
づいて材料を識別することができる。 (ケース2)また、例えば、検出した情報提示物質の蛍
光の時間的減衰特性が図3に示す(lg)の場合、材料
情報を(G)と特定することができ、その材料情報
(G)に基づいて材料を識別することができる。 (ケース3)例えば、検出した情報提示物質の蛍光の時
間的減衰特性が図4に示す(lk)の場合、材料情報を
(K)と特定することができ、その材料情報(K)に基
づいて材料を識別することができる。 (ケース4)例えば、検出した情報提示物質の蛍光の時
間的減衰特性が図5に示す(lq)の場合、材料情報を
(Q)と特定することができ、その材料情報(Q)に基
づいて材料を識別することができる。
【0043】以上の材料識別方法によれば、まず第1
に、蛍光の時間的減衰特性は正確に求められることか
ら、1種類の情報提示物質のみ用いた場合でも、材料を
簡単かつ確実に識別することができる。
【0044】また、第2に、異なる蛍光の時間的減衰特
性を有する情報提示物質(それぞれ時定数をT1、T2
する)が含有された2つの材料が混合された場合、混合
された材料から得られる蛍光の時間的減衰特性は、図6
に示すように、混合される前の材料の蛍光の時間的減衰
特性の和であり、 A1・exp(−t/T1)+A2/exp(−t/T2) A1、A2:係数 t:時間 T1、T2:時定数 と表される。この関数は、A・exp(−t/T)の形
式で表すことができないので、時間的減衰特性の関数形
を調べることにより、それが混合された材料であるか否
かを判別することができる。このため、偶然の混合によ
る情報の読み誤りや、意図的な混合による情報の偽造や
改竄を防止することが可能となる。
【0045】また、第3に、材料が光を吸収または散乱
する性質を有している場合、蛍光の吸収または散乱によ
り係数Aは変化するが時定数Tは変化しないので、時定
数Tにより決まる蛍光の時間的減衰特性は蛍光の吸収ま
たは散乱に影響を受けることなく求められ、材料を確実
に識別することができる。
【0046】また、第4に、上述のように蛍光の時間的
減衰特性を正確に求められることから、同じ数の情報提
示物質の種類を使用する場合、従来の材料識別方法と比
較してより多くの材料情報を材料に内有させることがで
きる。このため、同じ量の材料情報について材料を識別
する場合、従来の材料識別方法に比べて波長分解能を下
げることができ、その結果、情報提示物質の検出感度を
高めることができる。
【0047】また、第5に、情報提示物質が混合される
可能性がなく、混合の判別をする必要がない場合は、異
なる時定数の情報提示物質を材料に含有させることによ
り、 ΣAi・exp(−t/Ti) Σ:iについての和 のような時間的減衰特性を持たせれば、材料にさらに多
くの情報を内有させることができる。
【0048】例えば、異なる時定数(Tx)(Ty)の2
種類の情報提示物質を材料に含有させれば、図6に示す
ように、時間的減衰特性(lx)と(ly)が組み合わ
さった折曲直線状の時間的減衰特性が得られるので、折
曲前の時間的減衰特性(lx)と折曲後の時間的減衰特
性(ly)とからそれぞれ対応する材料情報を特定する
ことができる。なお、図6に示す例では、各情報提示物
質の蛍光の時間的減衰特性として、それぞれの蛍光の時
間的減衰曲線が対数変換されたものを用いている。
【0049】しかして、情報提示物質の蛍光の時間的減
衰特性は正確に求められるので、材料により多くの材料
情報を内有させることができるとともに、情報提示物質
が含有された材料を簡単かつ確実に識別することがで
き、ひいては材料の種類情報のみならず、製造履歴情
報、真偽判別情報などの様々な情報を暗号的に内有し、
廃材料の分別、製品の製造履歴等の追跡調査、真偽判別
などの各種処理操作を簡単かつ確実に行うことが可能と
なる。
【0050】次に情報提示物質が含有された材料を識別
する材料識別システムについて図9および図10を用い
て説明する。
【0051】この材料識別システムは、図9に示すよう
に、前記材料に含有される情報提示物質の蛍光を検出す
る検出装置(1)と、該検出装置により検出された蛍光
に基づいて前記材料を識別するコンピュータ(2)と、
該コンピュータによる識別結果に基づいて所定の動作を
行う応動装置(3)とを備えてなる。
【0052】前記検出装置(1)は、材料に対して所定
の波長領域の電磁波を照射し、その照射に伴って情報提
示物質から放射される蛍光を検出するものである。ま
た、前記検出装置(1)は、検出した蛍光に関する情報
を前記コンピュータに送信するようになっている。
【0053】なお、この検出装置(1)は、単一または
繰り返しのパルス光を発するフラッシュランプ、LE
D、またはレーザを励起光源として用い、材料中の情報
提示物質から放射される蛍光を分光または分光せずに検
出するのが好ましい。また、強度が周期的に変調された
励起光源を用い、材料中の情報提示物質から放射される
蛍光から励起光源の変調と同じ周波数で変化する成分を
取り出し、その強度と位相から蛍光の時間的減衰特性を
得るものとしてもよい。特に情報提示物質が希土類蛍光
体の場合は、その減衰の時定数は1ms前後なので、特
に高速の回路等を用いなくても蛍光の時間的減衰特性を
分析することができる。
【0054】前記コンピュータ(2)は、図10に示す
ように、前記検出装置(1)から送信されてきた蛍光に
関する情報を受信する受信部(21)と、情報提示物質
の蛍光の時間的減衰特性と材料情報とが互いに対応する
ように設定された参照テーブルを記憶する記憶部(2
2)と、所定の情報を応動装置(3)に送信する送信部
(23)と、各部を統括的に制御する制御部(24)と
を備えてなる。
【0055】前記制御部(24)は、中央演算処理装置
(CPU)等からなり、データの転送、種々の演算、デ
ータの一時的格納等を行う。この実施形態では、制御部
(24)は、前記受信部(21)により受信された蛍光
に関する情報に基づいて蛍光の時間的減衰特性を求める
機能を有する。また、制御部(24)は、前記記憶部
(22)に記憶されている参照テーブルを参照し、前記
情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性に基づいて材料情
報を特定することにより材料を識別する機能を有する。
【0056】次に上記識別システムの動作について図1
1に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下
の説明および図面において「ステップ」を「S」と略記
する。
【0057】まず、検出装置(1)は、所定箇所に配置
された材料に対して所定の波長領域の電磁波を照射し、
その照射に伴って情報提示物質から放射される蛍光を検
出する(S1)。
【0058】そして、検出装置(1)は、その検出した
蛍光に関する情報を前記コンピュータに送信する(S
2)。
【0059】次に、前記コンピュータ(2)は、前記検
出装置(1)から送信されてきた蛍光に関する情報を受
信部(21)により受信する(S3)そして、前記コン
ピュータ(2)は、制御部(24)によって、受信部
(21)により受信された蛍光に関する情報に基づいて
情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性を求める(S
4)。
【0060】そして、前記コンピュータ(2)は、制御
部(24)によって、記憶部(22)に記憶されている
参照テーブルを参照し、前記情報提示物質の蛍光の時間
的減衰特性に基づいて材料情報を特定することにより材
料を識別する(S5)。
【0061】そして、前記コンピュータ(2)は、前前
記制御部(24)の識別結果に基づいて所定の情報を送
信部(23)から前記応動装置(3)に送信する(S
6)。
【0062】応動装置(3)は、前記コンピュータ
(2)から送信されてきた所定の情報を受信し(S
7)、その受信した所定の情報に基づいて各種画面表示
や分別などの所定の動作を行う(S8)。
【0063】この材料識別システムによれば、材料に対
して所定波長領域の電磁波を照射し、その電磁波の照射
に伴って情報提示物質から照射される蛍光を検出し、そ
の検出した情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性に基づ
いて材料に関する情報を特定するという一連の処理を自
動的に行うことができる。
【0064】なお、この実施形態では、情報提示物質の
蛍光の時間的減衰特性として、情報提示物質の蛍光強度
の時間的減衰曲線、あるいはそれを対数変換したものを
用いたが、情報提示物質の蛍光強度の時間的減衰曲線の
時定数を用いてもよい。この時定数とは、時間的減衰曲
線がA・exp(−t/T)と表されるときの定数T
(A:係数、t:時間)に相当するものである。これに
よれば、情報提示物質の蛍光強度の時間的減衰曲線の時
定数を求めればよいので、材料をより簡単かつ確実に識
別することができる。
【0065】また、情報提示物質の蛍光の時間的減衰特
性として、情報提示物質から蛍光が放射され始めた時か
ら一定時間経過後の時間的減衰特性を用いてもよい。こ
れによれば、情報提示物質以外の物質から放射される減
衰の早い蛍光を検出した場合であっても、情報提示物質
から蛍光が放射され始めた時から一定時間経過後の時間
的減衰特性を求めるので、前記情報提示物質以外の物質
の影響に関わらず情報提示物質の時間的減衰特性を正確
に求めることができる。
【0066】即ち、プラスチック等に内在する熱安定
剤、光安定剤、紫外線吸収剤等の各種有機物は弱いなが
らも蛍光を発することがあり、着色加工をなされたプラ
スチック等は着色剤からも蛍光を発することがある。こ
れらの蛍光は、微量添加された情報提示物質の蛍光を検
出するのに影響を与える場合があるが、その減衰は非常
に早いものである。このため、希土類元素等のような減
衰が遅い情報提示物質を用いた場合、情報提示物質から
蛍光が放射され始めた時から一定時間経過後に情報提示
物質の蛍光を検出するものとすれば、上述の影響に関わ
らず情報提示物質の時間的減衰特性を正確に求めること
ができる。
【0067】前記情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性
として、情報提示物質から蛍光が放射され始めた後の所
定時点における一ないし複数の蛍光強度を用いてもよ
い。これによれば、情報提示物質の蛍光強度の一部を求
めればよいので、材料をより一層簡単に識別することが
できる。
【0068】また、前記情報提示物質の蛍光の時間的減
衰特性として、情報提示物質から蛍光が放射され始めた
後の一定時間内における時間的減衰特性であってもよ
い。これによれば、情報提示物質の蛍光の時間的減衰特
性の一部が何らかの要因により変化する場合であって
も、蛍光が変化していない一定時間内における蛍光の時
間的減衰特性を求めることによって、材料を簡単かつ確
実に識別することができる。
【0069】また、前記情報提示物質の蛍光の時間的減
衰特性として、図7に示すように、検出された光強度か
ら情報提示物質の蛍光以外の光強度が差し引かれたもの
を用いてもよい。これによれば、例えば周辺光等、情報
提示物質から放射された蛍光以外の光を同時に検出した
場合であっても、検出された光強度から周辺光等の光強
度が差し引かれることにより、情報提示物質の蛍光の時
間的減衰特性を正確に求めることができる。
【0070】また、この実施形態では、蛍光の一つの波
長について時間的減衰特性を求めるものとしたが、複数
の波長について時間的減衰特性を求めるものとしてもよ
い。即ち、図8に示すように、情報提示物質から発する
蛍光の時間的特性と、情報提示物質から発する蛍光を分
光して得られるスペクトル特性とを組合せ、例えば何点
かの波長での蛍光の時間的減衰特性を測定したり、蛍光
が放射され始めてから所定時間経過後の複数の蛍光スペ
クトルを測定するものとしてもよい。これによれば、情
報提示物質の蛍光の波長と減衰時間の両方を利用するこ
とになるので、材料により一層多くの材料情報を内有さ
せることができる。
【0071】また、検出装置(1)、コンピュータ
(2)、および応動装置(3)を別々に構成するものと
したが、これら装置の少なくとも2つが一体に構成され
たものとしてもよい。
【0072】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、情報提示
物質の蛍光の時間的減衰特性は簡単かつ確実に求められ
るので、材料により多くの材料に関する情報を内有させ
ることができるとともに、材料を簡単かつ確実に識別す
ることができる。
【0073】請求項2に係る発明によれは、情報提示物
質の蛍光強度の時間的減衰曲線そのものを求めればよい
ので、材料をより簡単かつ確実に識別することができ
る。
【0074】請求項3に係る発明によれば、情報提示物
質の蛍光強度の時間的減衰曲線の時定数を求めればよい
ので、材料をより簡単かつ確実に識別することができ
る。
【0075】請求項4に係る発明によれば、情報提示物
質以外の物質から放射される減衰の早い蛍光を検出した
場合であっても、情報提示物質から蛍光が放射され始め
た時から一定時間経過後の時間的減衰特性を求めるの
で、前記情報提示物質以外の物質の影響に関わらず情報
提示物質の時間的減衰特性を正確に求めることができ
る。
【0076】請求項5に係る発明によれば、情報提示物
質の蛍光強度の一部を求めればよいので、材料をより一
層簡単に識別することができる。
【0077】請求項6に係る発明によれば、情報提示物
質の蛍光の時間的減衰特性の一部が何らかの要因により
変化する場合であっても、蛍光が変化していない一定時
間内における蛍光の時間的減衰特性を求めることによっ
て、材料を簡単かつ確実に識別することができる。
【0078】請求項7に係る発明によれば、例えば周辺
光等、情報提示物質から放射された蛍光以外の光を同時
に検出した場合であっても、検出された光強度から周辺
光等の光強度が差し引かれることにより、情報提示物質
の蛍光の時間的減衰特性を正確に求めることができる。
【0079】請求項8に係る発明によれば、材料に対し
て所定波長領域の電磁波を照射し、その電磁波の照射に
伴って情報提示物質から照射される蛍光を検出し、その
検出した情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性に基づい
て材料に関する情報を特定するという一連の処理を自動
的に行うことができる。
【0080】請求項9に係る発明によれば、当該識別装
置を適切な箇所に設置し、さらに前記検出手段に接続す
ることによって上記材料識別システムを簡単かつ確実に
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】情報提示物質の蛍光強度の時間的減衰曲線を示
す図である。
【図2】情報提示物質(NdxPr(1-x)3)の蛍光の
時間的減衰特性を示す図である。
【図3】情報提示物質(LaF3)の蛍光の時間的減衰
特性を示す図である。
【図4】情報提示物質(Y(1-x-y)YbxHoy3(x=
0.003))の蛍光の時間的減衰特性を示す図であ
る。
【図5】情報提示物質(Y(1-x-y)YbxHoy3(x=
0.1))の蛍光の時間的減衰特性を示す図である。
【図6】異なる情報提示物質が含有された材料における
情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性を示す図である。
【図7】他の実施形態における情報提示物質の蛍光強度
の時間的減衰曲線を示す図である。
【図8】さらに他の実施形態における情報提示物質の蛍
光時間的減衰曲線を示す図である。
【図9】この実施形態に係る材料識別システムの構成概
略図である。
【図10】図9のコンピュータのハードウェア構成を示
す図である。
【図11】図9の材料識別システムの動作を示すフロー
チャート図である。
【符号の説明】 1・・・検出装置 2・・・コンピュータ 3・・・応動装置 21・・・受信部 22・・・記憶部 23・・・送信部 24・・・制御部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一種ないし二種以上の元素またはそれら
    の化合物からなり、かつ蛍光の時間的減衰特性に対応し
    て材料に関する情報が関連付けられた情報提示物質が含
    有された材料を作製し、 該材料の識別に際して、材料に対して所定の波長領域の
    電磁波を照射し、その電磁波の照射に伴って前記情報提
    示物質から放射される蛍光を検出し、 その検出した情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性に基
    づいて材料に関する情報を特定することにより材料を識
    別することを特徴とする材料識別方法。
  2. 【請求項2】 前記情報提示物質の蛍光の時間的減衰特
    性は、その蛍光強度の時間的減衰曲線である請求項1に
    記載の材料識別方法。
  3. 【請求項3】 前記情報提示物質の蛍光の時間的減衰特
    性は、その蛍光強度の時間的減衰曲線の時定数である請
    求項1に記載の材料識別方法。
  4. 【請求項4】 前記情報提示物質の蛍光の時間的減衰特
    性は、情報提示物質から蛍光が放射され始めた時から一
    定時間経過後の時間的減衰特性である請求項1に記載の
    材料識別方法。
  5. 【請求項5】 前記情報提示物質の蛍光の時間的減衰特
    性は、情報提示物質から蛍光が放射され始めた後の所定
    時点における一ないし複数の蛍光強度である請求項1に
    記載の材料識別方法。
  6. 【請求項6】 前記情報提示物質の蛍光の時間的減衰特
    性は、情報提示物質から蛍光が放射され始めた後の一定
    時間内における時間的減衰特性である請求項1に記載の
    材料識別方法。
  7. 【請求項7】 前記情報提示物質の蛍光の時間的減衰特
    性は、検出された光強度から情報提示物質の蛍光以外の
    光強度が差し引かれたものである請求項1ないし請求項
    6に記載の材料識別方法。
  8. 【請求項8】 一種ないし二種以上の元素またはそれら
    の化合物からなり、かつ蛍光の時間的減衰特性に対応し
    て材料に関する情報が関連付けられた情報提示物質が含
    有された材料を識別する材料識別システムであって、前
    記材料に対して所定の波長領域の電磁波を照射し、その
    電磁波の照射に伴って前記情報提示物質から放射される
    蛍光を検出する検出手段と、 情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性と材料に関する情
    報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを
    記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されている参照テーブルを参照し、
    該検出手段により検出された情報提示物質の蛍光の時間
    的減衰特性に基づいて材料に関する情報を特定すること
    により材料を識別する識別手段と、 を備えてなることを特徴とする材料識別システム。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の識別システムに用いら
    れる識別装置であって、 情報提示物質の蛍光の時間的減衰特性と材料に関する情
    報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを
    記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されている参照テーブルを参照し、
    該検出手段により検出された情報提示物質の蛍光の時間
    的減衰特性に基づいて材料に関する情報を特定すること
    により材料を識別する識別手段と、 を備えてなることを特徴とする識別装置。
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