JP2003329507A - 車両用乗員検知装置およびエアバッグ展開制御装置 - Google Patents

車両用乗員検知装置およびエアバッグ展開制御装置

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JP2003329507A
JP2003329507A JP2002137176A JP2002137176A JP2003329507A JP 2003329507 A JP2003329507 A JP 2003329507A JP 2002137176 A JP2002137176 A JP 2002137176A JP 2002137176 A JP2002137176 A JP 2002137176A JP 2003329507 A JP2003329507 A JP 2003329507A
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孝幸 世戸
Yosuke Nishimoto
洋介 西本
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光弘 矢本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乗員が車両に乗り込む態様・姿勢は、どんな乗
員であってもほぼ同一で、シートにかかる着座初期の荷
重はその乗員の体格に正確に対応した荷重であることに
着目し、車両のシート座面の荷重を検知することのみに
より、車両に乗り込むわずかな時間で、早期に正確な判
定することができる装置を提供することを目的としてい
る。 【解決手段】本願発明の車両用乗員検知装置は、車両座
席にかかる荷重を検出する荷重検出手段と、荷重を演算
する演算手段と、乗員の荷重領域を判定する荷重領域判
定手段とを備え、上記荷重検出手段によって検出した荷
重を、上記演算手段で演算し、上記荷重領域判定手段で
演算の結果の値と乗員の荷重領域を判定するために設定
した比較設定値との比較によって乗員の荷重領域を判定
する車両用乗員検知装置であって、上記演算手段により
任意の時間内の荷重を積分演算するように設定した車両
用乗員検知装置であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、車両の
座席に着座する乗員の体格を判別する車両用乗員検知装
置およびエアバッグ展開制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エアバッグ、プリテンショナ等の
乗員保護装置の作動・不作動を制御するために、車両の
シート座面に作用する荷重に基づいて、該乗員の体格に
応じたクラス分けを行なうこととしているものは、多く
知られている。
【0003】また、特開2001−74541号公報に
は、かかるクラス分けを正確に行なうために、二つの閾
値を設けて判別する方法、所定期間における検出荷重の
平均値を求めて判別する方法などが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、車両運行中
の乗員の乗車状態・乗車姿勢は、大きく変化する場合が
あり、かかる乗員の乗車状態・乗車姿勢に伴ってシート
座面にかかる荷重は大きく変動する場合がある。
【0005】このようなときには、従来の乗員判別方法
では誤った乗員判別をしてしまう可能性が高く、車両衝
突時にエアバッグ等の誤作動の原因となってしまう。
【0006】かかる乗員保護装置の誤作動とは、例え
ば、本来はエアバッグの十分な展開が必要な大人が乗車
しているにもかかわらずエアバッグが展開しない場合、
エアバッグを高圧で展開させると却って危険が生ずる子
供が乗車しているにもかかわらず必要以上の高圧でエア
バッグが展開してしまう場合、または、エアバッグを展
開させる必要のないチャイルドシート上に乳幼児が乗車
しているにもかかわらずエアバッグが展開してしまう場
合などがあり、不都合が生ずる。
【0007】また、かかる誤った乗員判定を防止するた
めに、荷重検知手段以外にも種々のセンサを設けること
は可能であるが、装置がさらに複雑化し、コストが高く
なってしまうという問題がある。
【0008】そこで、本願発明は、上記の点に鑑みてな
されたものであり、乗員が車両に乗り込む態様・姿勢
は、どんな乗員であってもほぼ同一で、シートにかかる
着座初期の荷重はその乗員の体格に正確に対応した荷重
であることに着目し、車両のシート座面の荷重を検知す
ることのみにより、車両に乗り込むわずかな時間で、早
期に正確な判定することができる装置を提供することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本願発明の車両用乗員検知装置は、車両座席にかかる
荷重を検出する荷重検出手段と、荷重を演算する演算手
段と、乗員の荷重領域を判定する荷重領域判定手段とを
備え、上記荷重検出手段によって検出した荷重を、上記
演算手段で演算し、上記荷重領域判定手段で演算の結果
の値と乗員の荷重領域を判定するために設定した比較設
定値との比較によって乗員の荷重領域を判定する車両用
乗員検知装置であって、上記演算手段により任意の時間
内の荷重を積分演算するように設定した車両用乗員検知
装置であることを特徴とする。
【0010】更に有効に上記課題を解決するために、請
求項2に記載するように、本願発明の車両用乗員検知装
置は、荷重が所定の演算閾値を越えたこと、及び、該演
算閾値を下回ったことを検出する演算閾値検出手段を備
え、前記演算手段により積分演算する時間を、該演算閾
値を越えてから下回るまでの時間に設定することができ
る。
【0011】また、更に、請求項3に記載するように、
本願発明の車両用乗員検知装置は、前記演算手段により
積分演算する荷重を、前記所定の演算閾値を越えている
部分の荷重に設定することができる。
【0012】他の態様として、上記課題を解決するため
に、請求項4に記載するように、本願発明の車両用乗員
検知装置は、乗員が乗車してから最初の荷重の極大値及
びその時点を検出する極大検出手段を備え、前記演算手
段により積分演算する時間を、任意の時点から荷重が上
記極大値となる時点までの時間に設定することができ
る。
【0013】また、更に、請求項5に記載するように、
本願発明の車両用乗員検知装置は、荷重が所定の演算閾
値を越えたことを検出する演算閾値検出手段を備え、前
記演算手段により積分演算する時間を、荷重が前記演算
閾値を越えてから前記極大値となる時点までの時間に設
定し、前記演算手段により積分演算する荷重を、前記所
定の演算閾値を越えている部分の荷重に設定することが
できる。
【0014】上記課題を解決するために本願発明の車両
用乗員検知装置は、請求項6に記載するように、車両座
席にかかる荷重を検出する荷重検出手段と、荷重の極大
値およびその時点を検出する極大検出手段と、時間を計
時する計時手段と、乗員の荷重領域を判定する荷重領域
判定手段とを備え、上記荷重検出手段によって検出した
荷重に基づいて、上記極大検出手段で乗員が乗車してか
ら最初の荷重の極大値を検出し、上記計時手段で任意の
時点から荷重が該極大値となる時点までの時間を計時
し、上記荷重領域判定手段で乗員の荷重領域を判定する
装置であって、乗員の荷重領域を判定するための判定基
準情報を設定し、上記荷重領域判定手段により、上記極
大値及び上記時間に基づいて、上記判定基準情報に照ら
して、乗員の荷重領域を判定することを特徴とする。
【0015】更に、より正確に上記課題を解決するため
に本願発明の車両用乗員検知装置は、請求項7に記載す
るように、車両座席にかかる荷重を検出する荷重検出手
段と、荷重を演算する演算手段と、荷重の極大値および
その時点を検出する極大検出手段と、時間を計時する計
時手段と、乗員の荷重領域を判定する第1の荷重領域判
定手段および、第2の荷重領域判定手段とを備え、上記
荷重検出手段によって検出した荷重を、上記演算手段に
より任意の時間内の荷重を積分演算し、上記第1の荷重
領域判定手段で演算の結果の値と乗員の荷重領域を判定
するために設定した比較設定値との比較によって乗員の
荷重領域を判定すると共に、上記荷重検出手段によって
検出した荷重に基づいて、上記極大検出手段で乗員が乗
車してから最初の荷重の極大値を検出し、上記計時手段
で任意の時点から荷重が該極大値となる時点までの時間
を計時し、乗員の荷重領域を判定するための判定基準情
報を設定し、上記第2の荷重領域判定手段で上記極大値
及び上記時間に基づいて、上記判定基準情報に照らし
て、乗員の荷重領域を判定する装置であって、該両方の
判定結果に基づいて乗員の荷重領域を判定することを特
徴とする。
【0016】加えて、より早期に、複雑な演算・照合を
行なうことなく上記課題を解決するために本願発明の車
両用乗員検知装置は、請求項8に記載するように、荷重
が所定の乗車閾値を越えたことを検出する乗車閾値検出
手段と、該乗車閾値よりも大きい所定の重荷重閾値を越
えたことを検出する重荷重閾値検出手段とを備え、該乗
車閾値を越えてから所定時間以内に、該重荷重閾値に達
しないときには、乗員が軽い荷重領域であると判定する
ように成すことができる。
【0017】請求項8に記載の発明と同様、請求項9に
記載の本願発明の車両用乗員検知装置も、より早期に、
複雑な演算・照合を行なうことなく上記課題を解決する
ために、荷重が所定の重荷重閾値を越えたこと、および
下回ったことを検出する重荷重閾値検出手段を備え、荷
重が該重荷重閾値を越えてから所定時間以内に、該重荷
重閾値を下回らないときには、乗員が重い荷重領域であ
ると判定するように成すことができる。
【0018】また、いったん乗員の荷重領域を判定した
後は、みだりに判定を覆さないよう、請求項10に記載
の本願発明の車両用乗員検知装置は、荷重が所定の再判
定閾値を下回ったことを検出する再判定閾値検出手段を
備え、いったん判定を下した後には、荷重が該再判定閾
値を下回るまで、前記判定結果の更新を禁止するように
成すことができる。
【0019】請求項11に記載の本願発明の車両用乗員
検知装置も、みだりに判定を覆さないよう、荷重が所定
の荷重帯に安定したことを検出する安定検出手段を備
え、荷重が安定した状態から安定した別の荷重帯に移行
するまで、前記判定結果の更新を禁止するように成すこ
とができる。
【0020】上記の車両用乗員検知装置を用いて、本願
発明はさらに、車両衝突時に前記乗員の荷重領域の判定
結果に基づいて、エアバッグの作動態様を選択する請求
項1乃至11のうち一つに記載の車両用乗員検知装置を
備えたエアバッグ展開制御装置とすることができる。
【0021】また、本願発明の上記エアバッグ展開制御
装置は、車両衝突時に前記乗員の荷重領域の判定結果に
基づいて、エアバッグの作動圧力を選択するように成す
ことができる。
【0022】
【発明の作用・効果】請求項1に記載の本願発明によ
り、乗員の体格に正確に対応する乗員が乗り込む時のシ
ート座面にかかる荷重を用いることで、乗員が車両に乗
り込むわずかな時間で、正確な乗員の荷重領域を判定す
ることができ、これにより、エアバッグ、プリテンショ
ナ等の乗員保護装置の誤作動を防止することができる。
【0023】また、荷重検知手段以外にも種々のセンサ
を設けることなく、装置を単純、簡単で、かつ低コスト
のまま、早期に、且つ正確な乗員判定を実現することが
できる。
【0024】請求項2に記載の本願発明により、乗員の
正確な荷重領域と密接な関係を有する所定の閾値を越え
てから下回るまでの時間を積分演算する時間にすること
ができるため、積分演算の結果に乗員の荷重による特徴
をより大きく反映することができ、さらに正確な乗員判
定を行なうことができる。
【0025】請求項3に記載の本願発明により、請求項
2に記載の発明の効果に加えて、乗員の正確な荷重領域
をより明確に表す荷重のみを積分演算することができる
ため、積分演算の結果に乗員の荷重による特徴をより大
きく反映することができ、さらに正確な乗員判定を行な
うことができる。
【0026】請求項4に記載の本願発明により、乗員の
正確な荷重領域と密接な関係を有する乗員の車両への乗
り込みから最初の荷重の極大値までの時間を積分演算す
る時間にすることができるため、積分演算の結果に乗員
の荷重による特徴をより大きく反映することができ、さ
らに正確な乗員判定を行なうことができる。
【0027】請求項5に記載の本願発明により、請求項
4に記載の発明の効果に加えて、乗員の正確な荷重領域
をより明確に現す荷重のみを積分演算することができる
ため、積分演算の結果に乗員の荷重による特徴をより大
きく反映することができ、さらに正確な乗員判定を行な
うことができる。
【0028】請求項6に記載の本願発明により、乗員の
体格に正確に対応する乗員が乗り込む時のシート座面に
かかる荷重を用いることで、乗員が車両に乗り込むわず
かな時間で、正確な乗員の荷重領域を判定することがで
き、これにより、エアバッグ、プリテンショナ等の乗員
保護装置の誤作動を防止することができる。
【0029】また、請求項1に記載の発明と同様、荷重
検知手段以外にも種々のセンサを設けることなく、装置
を単純、簡単で、かつ低コストのまま、早期に、且つ正
確な乗員判定を実現することができる。
【0030】さらに、判定基準情報を設定しておくこと
で、乗員が車両に乗り込んでから最初の荷重の極大値を
検出するだけで、経験に基づく正確な乗員判定を行なう
ことができる。
【0031】請求項7に記載の本願発明により、請求項
1に記載の発明による乗員の荷重領域判定の結果と、請
求項6に記載の発明による乗員の荷重領域判定の結果に
基づいて、さらに正確な乗員の荷重領域判定を行なうこ
とができる。
【0032】請求項8および9に記載の本願発明によ
り、上記積分演算や、極大検出をするまでもなく、明ら
かに軽い乗員、または重い乗員に対しては、早期に、且
つ簡単に、正確な荷重領域判定を行なうことができる。
【0033】請求項10に記載の本願発明により、上記
の乗員の荷重領域判定を行なった後には、かかる乗員が
降車する、つまり、荷重が荷重検出手段の誤差の程度に
非常に小さくなるまでは、同じ乗員が着座していると考
えられることから、最初に判定した結果を正確なものと
して、乗員が降車したと判断されるまで、判定結果を更
新しないこととすることにより、乗員の乗車状態・乗車
姿勢に左右されずに、正確な判定結果を維持することが
できる。
【0034】請求項11に記載の本願発明により、上記
の乗員の荷重領域判定を行なった後には、同じ乗員が着
座しているものと考えられることから、最初に判定した
結果を正確なものとして、乗員の荷重が安定した別の荷
重帯に移行するまで、判定結果を更新しないこととする
ことにより、乗員の一時の乗車状態・乗車姿勢に左右さ
れずに、正確な判定結果を保持することができるととも
に、判定結果が誤っていた場合には、速やかに正しい乗
員の荷重領域判定をやり直すことができる。
【0035】請求項12および13に記載の本願発明の
ように、エアバッグ展開制御装置とすることで、車両用
乗員検知装置による正確な乗員の荷重領域判定の結果
を、エアバッグ装置に適用することができ、乗員の有
無、又は乗員の荷重に対応させて、エアバッグの展開作
動の許可・不許可、および展開圧力の調節を、正確に行
なうことができる。
【0036】これにより、必要なときにエアバッグが作
動しないという不都合を防止することができるととも
に、エアバッグ展開圧力の判断の誤りにより、不十分な
保護、または、過剰な展開により乗員を傷つけるという
不都合をも防止することができる。
【0037】また、荷重検知手段以外にも種々のセンサ
を設けることなく、装置を単純、簡単で、かつ低コスト
のまま、正確な乗員の荷重領域判定によるエアバッグ展
開制御装置を実現することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】この発明の実施例を以下図面に基
づいて詳述する。
【0039】図1は、車両用座席の構造の一例を表して
いる。
【0040】この車両用座席は、フロアパネル(図示せ
ず)にシートブラケット10、11及び、荷重検出手段
12L、12R、シートスライドロアーレール13L、
13R、シートスライドアッパーレール14L、14R
を介して、座席15を前後スライド可能に配設してい
る。
【0041】また、この座席15は、シートクッション
16、シートバッグ17、ヘッドレスト18を有してい
る。
【0042】次に、図2は、請求項1に記載の発明であ
る車両用乗員検知装置及び、これを用いたエアバッグ展
開制御装置をブロック図によって表している。
【0043】この車両用乗員検知装置は、上述の荷重検
出手段12L、12Rが、例えば、それぞれ前方と、後
方の荷重を別々に検出できるようになっており、荷重検
出手段12Lの前方が荷重検出手段FL20、後方が荷
重検出手段RL21、荷重検出手段12Rの前方が荷重
検出手段FR22、後方が荷重検出手段RR23と対応
しており、一つの座席につき4箇所の荷重を検出して、
乗員判定を行なうこととしている。
【0044】なお、これらの荷重のうち、全てを用いて
判定を行うか、また、これらのうちのいくつかを用いて
判定を行うかは、適宜、選択できるものとする。
【0045】これらの荷重検出手段20、21、22、
23によって検出した荷重は、中央処理装置24に送ら
れ、情報一時記憶手段RAM28に記憶される。
【0046】中央処理装置24では、演算手段29によ
り、RAM28に記憶された任意の時間内の荷重を積分
演算し、荷重領域判定手段30により、演算の結果の値
と乗員の荷重領域を判定するために設定した比較設定値
との比較によって、乗員の荷重領域を判定する。
【0047】この判定結果は、一時、中央処理装置24
内に保存され、車両の衝突など、エアバッグを展開する
ことが必要な場合には、インフレータドライバ25にエ
アバッグ展開命令信号が発せられ、インフレータドライ
バ25によりエアバッグ26が展開される。
【0048】またこのとき、後述する低圧、高圧による
エアバッグ展開命令信号に対応して、インフレータドラ
イバ25は、対応する圧力により、エアバッグ26を展
開することとしている。
【0049】また、中央処理装置24は、衝突などの際
に乗員を保護するため、プリテンショナ27に命令信号
を送り、作動させることとしている。
【0050】図8乃至図12に示したグラフは、本願発
明に関係する荷重の変化を表すグラフである。
【0051】時間を横軸、荷重を縦軸にとり、時間に対
応した検出荷重をグラフに表すと、これらの図のように
なり、各図の斜線部分の荷重を積分演算して乗員の荷重
領域を判定している。
【0052】図3は、請求項2、3に記載の発明である
車両用乗員検知装置及び、これを用いたエアバッグ展開
制御装置をブロック図によって表している。
【0053】この図については、上述の図2と異なる構
成部分について説明をする。
【0054】中央処理装置24内のRAM28に記憶さ
れた荷重に基づいて、演算閾値検出手段31は、予め設
定された演算閾値35を越えた時点および、下回った時
点を検出する。
【0055】この結果を演算手段29に送ることによ
り、演算手段29はかかる時間内の荷重を積分演算し
て、乗員の荷重領域を判定する。
【0056】図8に示したグラフは、本願発明に関係す
る荷重の変化を表すグラフであり、W2は演算閾値35
に対応する。
【0057】特に、請求項3に記載の発明にあっては、
演算手段29で積分演算する荷重は、上述の時間内の荷
重であって、演算閾値35を越えている部分の荷重に設
定している。
【0058】この場合は、特に図9に示したグラフが対
応し、演算閾値35であるW2よりも越えている部分の
荷重を積分演算している。
【0059】図4は、請求項4に記載の発明である車両
用乗員検知装置及び、これを用いたエアバッグ展開制御
装置をブロック図によって表している。
【0060】やはり、図2と異なる構成部分について説
明をすると、中央処理装置24内のRAM28に記憶さ
れた荷重に基づいて、極大検出手段32は、乗員が乗車
してから最初の荷重の荷重極大値Wmax及び、その時
点を検出する。
【0061】この結果を演算手段29に送ることによ
り、演算手段29は任意の時点からかかる極大値Wma
xとなる時点までの時間内の荷重を積分演算して、乗員
の荷重領域を判定する。
【0062】ここで荷重極大値Wmaxとは、荷重の変
化を、時間を横軸、荷重を縦軸にとってグラフにしたと
き、荷重の所定時間当たりの変化量ΔWが、正から負に
変化した時点の荷重の値を意味する。
【0063】図10に示したグラフは、本願発明に関係
する荷重の変化を表すグラフであり、荷重Wが後に説明
する乗車閾値36を越えた時点を荷重検出開始時とし、
ここから荷重極大値Wmaxとなる時点までの荷重を積
分演算している。
【0064】他の実施態様として、図11に示したグラ
フのように、演算手段29により積分演算する時間を、
荷重が演算閾値35を越えてから極大値Wmaxとなる
時点までの時間に設定することができる。
【0065】図5は、請求項5に記載の発明である車両
用乗員検知装置及び、これを用いたエアバッグ展開制御
装置をブロック図によって表している。
【0066】やはり、図2と異なる構成について説明を
すると、中央処理装置24内のRAM28に記憶された
荷重に基づいて、演算閾値検出手段31は、予め設定さ
れた演算閾値35を越えた時点および、下回った時点を
検出する。
【0067】また、中央処理装置24内のRAM28に
記憶された荷重に基づいて、極大検出手段32は、乗員
が乗車してから最初の荷重の極大値Wmax及び、その
時点を検出する。
【0068】これらの結果を演算手段29に送ることに
より、演算手段29は演算閾値35を越えている部分の
荷重であって、かかる演算閾値35を越えてからかかる
極大値Wmaxとなる時点までの時間内の荷重を積分演
算して、乗員の荷重領域を判定する。
【0069】図12に示したグラフは、本願発明に関係
する荷重の変化を表すグラフであり、演算手段29によ
り積分演算する時間を、荷重が演算閾値35を越えてか
ら極大値Wmaxとなる時点までの時間に設定し、演算
手段29により積分演算する荷重を、演算閾値35を越
えている部分の荷重に設定している。
【0070】図6は、請求項6に記載の発明である車両
用乗員検知装置及び、これを用いたエアバッグ展開制御
装置をブロック図によって表している。
【0071】各荷重検出手段20、21、22、23に
よって検出した荷重は、中央処理装置24に送られ、情
報一時記憶手段RAM28に記憶される。
【0072】この発明の場合、中央処理装置24では、
RAM28に記憶された荷重に基づいて、極大検出手段
32は乗員が乗車してから最初の荷重の極大値Wmax
及び、その時点を検出する。
【0073】ここで、検出した極大値Wmaxは荷重領
域検出手段30に送られ、検出した荷重が極大値Wma
xとなる時点は、計時手段33に送られる。
【0074】計時手段33は、RAM28に記憶された
荷重に基づいて、任意の時点から検出した荷重が極大値
Wmaxとなる時点までの時間Tcを計時し、その結果
を荷重領域判定手段30に送る。
【0075】荷重領域判定手段30は、予め乗員の荷重
領域を判定するために設定し、記憶していた判定基準情
報34に、検出結果である極大値Wmaxと、任意の時
点から検出した荷重が極大値Wmaxとなる時点までの
時間Tcを照らし合せることによって、乗員の荷重領域
を判定する。
【0076】その後は、図2と同様に、この判定結果
を、一時、中央処理装置24内に保存し、車両の衝突な
ど、エアバッグを展開することが必要な場合などには、
判定結果に基づいてエアバッグ展開命令信号、プリテン
ショナ作動命令信号などが発せられる。
【0077】図13に示したグラフは、本願発明に関係
する荷重の変化を表すグラフであり、これにより、極大
値Wmaxおよび、荷重が極大値Wmaxとなる時点を
検出する。
【0078】例えば、計時手段33により計時を開始す
る時点を荷重Wが後に説明する乗車閾値36を越えた時
点として、Tcを図13のように取ると、例として図1
4に示すように判定基準情報34に照らし合せること
で、×印の点が大人判定領域34Aに含まれることが判
別できる。
【0079】これにより、荷重領域判定手段30は、車
両座席に乗車した乗員の荷重領域が、大人であると、又
は、重い荷重領域であると判定する。
【0080】図7は、請求項7に記載の発明である車両
用乗員検知装置及び、これを用いたエアバッグ展開制御
装置をブロック図によって表している。
【0081】この車両用乗員検知装置は、請求項1に記
載の発明による乗員の荷重領域判定と、請求項6に記載
の乗員の荷重領域判定とを並行して行い、両方の結果に
基づいて、最終的な乗員の荷重領域判定を行うものであ
る。
【0082】つまり、第1の荷重領域判定手段30Aに
よって、積分演算を用いた乗員の荷重領域判定を行い、
第2の荷重領域判定手段30Bによって、判定基準情報
34を用いた乗員の荷重領域判定を行い、両方の結果を
交換することによって、最終的に更に正確な乗員の荷重
領域判定を行うものである。
【0083】次に、図17乃至図24のフローチャート
図に基づいて、本願発明の車両用乗員検知装置の処理の
流れを説明する。
【0084】まず、図17乃至図21は、図17をメイ
ンフローチャートとした一連の処理の流れであり、請求
項2、3、8、9、10に記載の発明に対応し、図8、
図15、図16に示したグラフに基づいて説明する。
【0085】図17中の乗車検出はサブルーチン1とし
て図18に表され、W2到達検出はサブルーチン2とし
て図19に表され、W2降下検出はサブルーチン3とし
て図20に表され、降車検出はサブルーチン4として図
21に表される。
【0086】サブルーチン1である乗車検出(図18)
のステップS01では、座席にかかる荷重Wを、各荷重
検出手段20、21、22、23の検出値に基づいて読
込み、上述のRAM28に一時記憶する。
【0087】ステップS02で、記憶した荷重Wが乗車
閾値36であるW1よりも大きいか否かを判断する。こ
のとき、記憶した荷重Wが乗車閾値36よりも大きくな
い場合には、再度、座席にかかる荷重Wを読込み、記憶
するステップS01に戻る。W1よりも大きい場合に
は、次のステップS03に進む。
【0088】ステップS03は、前回記憶した荷重W
が、乗車閾値36であるW1よりも大きかったか否かを
判断する。つまり、これにより、今回記憶したWはW1
よりも大きいが、前回はW1よりも小さかったことが見
つけられ、荷重Wがだんだんと増加して行き、初めて乗
車閾値36を越えた時点を見つけることができる。
【0089】このW1である乗車閾値36の値は、荷重
検出手段20、21、22、23が安定して検出できる
最も小さい値に設定することが好ましい。正確に荷重0
を測定することは、測定誤差の関係上、難しいからであ
る。
【0090】このステップS03で、荷重Wが前回も乗
車閾値36であるW1よりも大きかったときは、ある乗
員が乗車中であり、新たに乗員検知を行なう必要はない
為、ステップS01に戻り、座席にかかる荷重Wを読込
み、記録して、次の新たな乗員の乗車に備える。
【0091】これに対し、前回はW1よりも小さく、今
回初めてW1を越えたことが判断できたときには、乗車
検出(図18)を終了し、W2到達検出(図19)に進
む。
【0092】サブルーチン2であるW2到達検出(図1
9)の処理は、請求項8に記載した発明に対応し、図1
5に示したグラフに基づいて説明する。ここで、W2と
は、演算閾値35であり、この発明の場合、これを越え
た時点から下回った時点までの荷重を、積分演算する荷
重の範囲として設定している。W2は、乗車閾値36で
あるW1よりも、大きいことが必要である。また、この
実施例においては、W2は重荷重閾値38としても用い
る。これらは別々の値であってもいいし、この例のよう
に同値であってもよい。
【0093】ステップS04では、タイマTaをリセッ
トし、作動させる。つまり、乗車閾値36であるW1を
越えた時点からタイマTaを作動させ、後述のステップ
S07でTa0と比較するためである。
【0094】次にステップS05では、座席にかかる荷
重Wを読込み、記憶する。これにより、演算閾値35、
重荷重閾値38であるW2を越えたか否かなどの判断
と、のちの積分演算のためのデータを蓄積することとな
る。
【0095】次にステップS06で、記憶した荷重Wが
演算閾値35、重荷重閾値38であるW2よりも大きい
か否かを判断する。ここでまだ、荷重WがW2よりも小
さいと判断されたときには、ステップS07に進み、W
2よりも大きくなったと判断されたときには、この時点
が演算閾値35、重荷重閾値38であるW2を越えた時
点であるとして、この結果を記憶し、次のW2降下検出
(図20)に進む。
【0096】ステップS07では、荷重WがW2よりも
小さい現在、タイマTaの値がタイマの上限Ta0より
も大きいか否かを判断する。このタイマの上限Ta0
は、乗員が通常の体重であればこの時間内に、荷重Wが
重荷重閾値38であるW2を越えると考えられる値であ
り、乗車閾値36であるW1を越えてから、この時間を
過ぎても未だ重荷重閾値38であるW2を越えないとい
うことは、この先もW2を越えることは予想されないと
考えられる値である。
【0097】つまり、図15に実線で示すグラフのよう
に、W1を越えてから、一定の時間内にW2を越えない
ということは、乗員は確かに乗車しているが、この乗員
の荷重は絶対的に小さく、軽い荷重領域、例えば、子供
の荷重領域であると、判定することができることにな
る。
【0098】したがって、現在のタイマTaの値が、タ
イマの上限Ta0よりも大きいときには、ステップS0
8に進み、軽い荷重領域である判定、ここでは例えば、
子供判定を結果として出力し、判定結果を記憶する。
【0099】未だ、タイマTa0よりも小さいときに
は、さらに荷重Wが増加していく可能性があり、判定を
下すには情報が足りないと判断して、ステップS05に
戻り、座席にかかる荷重Wを読込み、記憶を繰り返す。
【0100】このように、請求項8に記載の発明を用い
ることにより、積分演算をするまでもなく、明らかに軽
い乗員に対しては、速やかにかつ、簡易に、正確な乗員
の荷重領域判定をすることができる。
【0101】ステップS08で判定をした後は、サブル
ーチン4である降車検出(図21)に進む。この降車検
出の処理は、請求項10に記載した発明に対応してい
る。つまり、一旦、軽い荷重領域、例えば子供判定など
のように判定を下した後であって、乗員が降車したと判
断できない場合には、先に下した判定結果が正しいもの
であるとして、判定結果の更新を禁止するということで
ある。
【0102】まず、ステップS18では、座席にかかる
荷重Wを読込み、記憶する。次のステップS19では、
この荷重Wが再判定閾値37であるW1よりも小さい、
または、同値であるかを判断する。つまり、荷重Wが再
判定閾値37であるW1よりも小さいということは、今
まで乗っていた乗員が降車したと考えられ、先にした乗
員の荷重領域判定は更新しなければならないといえるか
らである。
【0103】ここで、再判定閾値37は荷重検出手段2
0、21、22、23が安定して検出できる最も小さい
値に設定することが好ましい。正確に荷重0を測定する
ことは、測定誤差の関係上、難しいからである。
【0104】また、この実施例では、再判定閾値37を
W1として、乗車閾値36と同値としているが、これら
は別々の値であってもいいし、この例のように同値であ
ってもよい。
【0105】ステップS19で降車が判断されたときに
は、この車両用乗員検知装置の処理は一旦終了した後、
再度開始され、次の新たな乗員の乗車に備える。
【0106】ステップS06で、タイマTa0の時間内
に演算閾値35を越えたと判断された場合に戻って説明
する。
【0107】サブルーチン3であるW2降下検出(図2
0)の処理は、請求項9に記載した発明に対応し、図1
6に示したグラフに基づいて説明する。ここで、W2と
は、演算閾値35であり、この発明の場合、これを越え
た時点から下回った時点までの荷重を、積分演算する荷
重の範囲として設定している。W2は、乗車閾値36で
あるW1よりも、大きいことが必要である。
【0108】W2降下検出(図20)に進むと、ステッ
プS09でタイマTbをリセットし、作動させる。つま
り、重荷重閾値38であるW2を越えた時点からタイマ
Tbを作動させ、後述のステップS12でTb0と比較
するためである。
【0109】次にステップS10では、座席にかかる荷
重Wを読込み、記憶する。これにより、演算閾値35、
重荷重閾値38であるW2を下回ったか否かなどの判断
と、のちの積分演算のためのデータを蓄積することとな
る。
【0110】次にステップS11では、記憶した荷重W
が演算閾値35、重荷重閾値38であるW2よりも小さ
い、または、同値であるか否かを判断する。ここでま
だ、荷重WがW2よりも大きいと判断されたときには、
ステップS12に進み、W2よりも小さい、または、同
値である判断されたときには、この時点が演算閾値3
5、重荷重閾値38であるW2を下回った時点であると
して、この結果を記憶し、図17に戻り、次の面積Sa
計算に進む(ステップS14)。
【0111】ステップS12では、荷重WがW2よりも
大きい現在、タイマTbの値がタイマの上限Tb0より
も大きいか否かを判断する。このタイマの上限Tb0
は、乗員が通常の体重であればこの時間内に、荷重Wが
重荷重閾値38であるW2を下回ると考えられる値であ
り、重荷重閾値38であるW2を越えてから、この時間
を過ぎても未だW2を下回らないということは、この先
もW2を下回ることは予想されないと考えられる値であ
る。
【0112】つまり、図16に実線で示すグラフのよう
に、W2を越えてから、一定の時間内にW2を下回らな
いということは、乗車している乗員の荷重は絶対的に大
きく、重い荷重領域、例えば、大人の荷重領域である
と、判定することができることになる。
【0113】したがって、現在のタイマTbの値が、タ
イマの上限Tb0よりも大きいときには、ステップS1
3に進み、重い荷重領域である判定、ここでは例えば、
大人判定を結果として出力し、判定結果を記憶する。
【0114】未だ、タイマTb0よりも小さいときに
は、さらに荷重Wが減少していく可能性があり、判定を
下すには情報が足りないと判断して、ステップS10に
戻り、座席にかかる荷重Wを読込み、記憶を繰り返す。
【0115】このように、請求項9に記載の発明を用い
ることにより、積分演算をするまでもなく、明らかに重
い乗員に対しては、速やかにかつ、簡易に、正確な乗員
の荷重領域判定をすることができる。
【0116】ステップS13で判定をした後は、降車検
出(図21)に進む。この降車検知の処理は、請求項1
0に記載した発明に対応しており、上述のとおりであ
る。
【0117】演算閾値35であるW2を下回ったと判断
したときには、ステップS14の面積Sa計算に進む。
ここでは、図8に示すグラフのように、演算閾値35で
あるW2を越えた時点からW2を下回った時点までの荷
重を積分演算するため、斜線で示した部分の面積Saを
計算することを意味する。他の実施例として、請求項3
に記載の発明に対応し、図9に示すグラフのように、演
算閾値35であるW2を越えた部分の荷重を積分計算す
るように設定することもできる。
【0118】ステップS15で、この計算結果であるS
aが、乗員の荷重領域を判定するために設定した比較設
定値Sa0よりも大きいか否かの比較を行う。
【0119】この比較設定値Sa0よりも大きい場合に
は、ステップS16に進み、乗員が重い荷重領域、この
実施例の場合、例えば、大人の荷重領域であると判定
し、そうでない場合にはステップS17に進み、乗員が
軽い荷重領域、この実施例の場合、例えば、子供の荷重
領域であると判定する。
【0120】これにより、どんな乗員であっても、乗員
が車両に乗り込む時の状態・姿勢はほぼ同一であり、か
かる際にシート座面にかかる荷重は、乗員の体格に正確
に対応した荷重であることに着目し、乗員が車両に乗り
込むわずかな時間で、正確な乗員の荷重領域を判定する
ことができる。
【0121】また、荷重検知手段以外にも種々のセンサ
を設けることなく、装置を単純、簡単で、かつ低コスト
のまま、早期に、且つ正確な乗員判定を実現することが
できる。
【0122】更に、この実施例のように、乗員の正確な
荷重領域と密接な関係を有する所定の閾値を越えてから
下回るまでの時間を積分演算する時間に設定することが
できるため、積分演算の結果に乗員の荷重による特徴を
より大きく反映することができ、さらに正確な乗員判定
を行なうことができる。
【0123】ステップS16、S17で荷重領域の判定
を行った後は、サブルーチン4である降車検出(図2
1)に進み、上述のように、一旦、荷重領域の判定を下
した後であって、乗員が降車したと判断できない場合に
は、先に下した判定結果が正しいものであるとして、判
定結果の更新を禁止し、乗員が降車したと判断した場合
には、新たな乗員が乗車することが考えられるため、先
にした乗員の荷重領域判定は更新しなければならない。
【0124】次に、図22、図23、及び、先に説明し
た図18、図21は、図22をメインフローチャートと
した一連の処理の流れであり、請求項4、5、10に記
載の発明に対応し、図10、図11、図12に示したグ
ラフに基づいて説明する。
【0125】図22中の乗車検出はサブルーチン1とし
て図18に表され、極大検出はサブルーチン5として図
23に表され、降車検出はサブルーチン4として図21
に表される。
【0126】サブルーチン1である乗車検出(図18)
の処理の流れは、上述と同様である。
【0127】次にサブルーチン5である極大検出(図2
3)のステップS20では、タイマTcをリセットし、
作動させる。つまり、乗車閾値36であるW1を越えた
時点からタイマTcを作動させ、計時手段33で時間を
計時するためである。
【0128】次にステップS21では、座席にかかる荷
重Wを読込み、記憶する。
【0129】ステップS22では、記憶してある荷重W
のうち、最も新しいものと、所定時間前のもの、例え
ば、読込み一回分前の荷重Wとを比較して、所定時間当
たりの荷重Wの変化量ΔWを計算する。
【0130】ステップS23では、ステップS22で計
算した荷重変化量ΔWが正であるか否かを判断する。つ
まり、荷重変化量ΔWが正であるということは、荷重W
が現在も尚、増加を続けていることを意味しており、前
回の判断まで荷重変化量ΔWが正だったにもかかわら
ず、今回の荷重変化量ΔWが負になった場合には、荷重
Wは極大を迎えたことを意味している。
【0131】したがって、このときの荷重Wの値が荷重
極大値Wmaxである。よって、極大を見つけたときに
は、ステップS24に進みこのときのタイマTcの値を
記憶し、未だ、荷重Wが増加し続けているときには、ス
テップS21に進み、更に極大値の検出に努める。
【0132】図22のステップS25に進むと、任意の
時点から荷重Wが荷重極大値Wmaxとなった時点まで
の荷重を、積分計算する。これは、図10に示すグラフ
のように、斜線部分の面積Sbを計算することを意味す
る。
【0133】荷重の積分を開始する任意の時点は、この
実施例では、乗車閾値36であるW1を越えた時点とし
ているが、これは、任意に決められるものであり、例え
ば、乗車検出と、極大検出との間に、W2到達検出を加
えて、演算閾値35を越えた時点としてもよい(図1
1)し、その他の時点であってもよい。
【0134】また、他の実施例として、請求項5に記載
の発明に対応し、図12に示すグラフのように、演算閾
値35であるW2を越えた部分の荷重を積分計算するよ
うに設定することもできる。
【0135】ステップS26で、この計算結果であるS
bが、乗員の荷重領域を判定するために設定した比較設
定値Sb0よりも大きいか否かの比較を行う。
【0136】この比較設定値Sb0よりも大きい場合に
は、ステップS27に進み、乗員が重い荷重領域、この
実施例の場合、例えば、大人の荷重領域であると判定
し、そうでない場合にはステップS28に進み、乗員が
軽い荷重領域、この実施例の場合、例えば、子供の荷重
領域であると判定する。
【0137】これにより、乗員の正確な荷重領域と密接
な関係を有する、任意の時点から最初の荷重が極大値と
なる時点までの時間を積分演算する時間に設定すること
ができるため、積分演算の結果に乗員の荷重による特徴
をより大きく反映することができ、さらに正確な乗員判
定を行なうことができる。
【0138】また、上述の図12に示すグラフのよう
に、演算閾値35を越えた部分の荷重のみを積分演算す
ることにより、乗員の荷重領域を明確に現す荷重のみを
積分演算することができるため、積分演算の結果に乗員
の荷重による特徴をより大きく反映することができ、さ
らに正確な乗員判定を行なうことができる。
【0139】ステップS27、S28で荷重領域の判定
を行った後は、サブルーチン4である降車検出(図2
1)に進み、上述のように、一旦、荷重領域の判定を下
した後であって、乗員が降車したと判断できない場合に
は、先に下した判定結果が正しいものであるとして、判
定結果の更新を禁止し、乗員が降車したと判断した場合
には、新たな乗員が乗車することが考えられるため、先
にした乗員の荷重領域判定は更新しなければならない。
【0140】図24、及び、先に説明した図18、図2
1、図23は、図24をメインフローチャートとした一
連の処理の流れであり、請求項6、10に記載の発明に
対応し、図13、図14に示したグラフに基づいて説明
する。
【0141】図24中の乗車検出はサブルーチン1とし
て図18に表され、極大検出はサブルーチン5として図
23に表され、降車検出はサブルーチン4として図21
に表される。
【0142】サブルーチン1である乗車検出(図18)
の処理の流れは、上述と同様である。
【0143】次にサブルーチン5である極大検出(図2
3)の処理の流れも、上述と同様であり、荷重Wが乗車
閾値36であるW1を越えてから、荷重Wが荷重極大値
WmaxとなったときのタイマTcの値を記憶する。
【0144】ステップS29で、荷重極大値Wmaxを
記憶して、ステップS30に進む。
【0145】ステップS30では、荷重極大値Wmax
と、荷重極大時間とした記憶してあるTcの値とを用い
て、例えば判定基準情報34である図14のようなグラ
フ情報と照らし合せる。
【0146】このとき、例えば図14に示すように、W
maxとTcをとると、×印の領域は、大人判定領域3
4Aであるため、ステップS31において、この乗員は
重い荷重領域、この実施例の場合、例えば、大人の荷重
領域であると判定し、もし、×印が子供判定領域34B
に属している場合には、ステップS32において、この
乗員は軽い荷重領域、この実施例の場合、例えば、子供
の荷重領域であると判定する。
【0147】この判定基準情報34の形状は、さまざま
なものが考えられ、経験則からその車両に最も適した判
定基準情報34を適用することができる。
【0148】これにより、判定基準情報34を設定して
おくことで、乗員が車両に乗り込んでから最初の荷重の
荷重極大値Wmaxを検出するだけで、経験に基づく正
確な乗員判定を、迅速に、かつ簡易に行なうことができ
る。
【0149】また、請求項7に記載した発明のように、
上記請求項1に記載の発明による乗員の荷重領域判定
と、請求項6に記載の乗員の荷重領域判定とを並行して
行い、両方の結果に基づいて、最終的な乗員の荷重領域
判定を行うようにすることができる。
【0150】つまり、両方の乗員の荷重領域判定の結果
を交換することによって、最終的に更に正確な乗員の荷
重領域判定を行うことができる。
【0151】ステップS31、S32で荷重領域の判定
を行った後は、サブルーチン4である降車検出(図2
1)に進み、上述のように、一旦、荷重領域の判定を下
した後であって、乗員が降車したと判断できない場合に
は、先に下した判定結果が正しいものであるとして、判
定結果の更新を禁止し、乗員が降車したと判断した場合
には、新たな乗員が乗車することが考えられるため、先
にした乗員の荷重領域判定は更新しなければならない。
【0152】最後に、図25、図26に基づいて、本願
発明である車両用乗員検知装置を備えたエアバッグ展開
制御装置の処理の流れについて説明する。
【0153】まず、車両運転開始に伴う、装置への処理
開始命令により処理が開始される。
【0154】そしてすぐに、ステップQ01で、記憶さ
れた乗員の荷重領域判定結果の読込みが実行される。
【0155】例えば、この図で示すエアバッグ展開制御
装置の場合は、乗員の荷重領域が、エアバッグの展開作
動を許可する重い荷重領域、例えば大人の荷重領域と判
定しているか、展開作動を許可しない軽い荷重領域又は
不在であること、例えば子供の荷重領域と判定している
か、または不在と判定しているかという結果を読込む。
【0156】次に、ステップQ02は、車両が衝突など
をして、エアバッグを展開作動する必要があるか否かを
判断する。
【0157】このとき、衝突などが起っていない場合に
は、ステップQ01に戻り、乗員の荷重領域の判定結果
の読込みを行い、衝突などが起らない限り、これを繰返
し行う。
【0158】衝突などのエアバッグ展開作動の要請があ
った場合には、ステップQ03に進み、読込んでいる乗
員の判定結果に基づいて、判断が行われる。
【0159】ここで、例えば大人の荷重領域という判定
を読込んでいる場合には、ステップQ04に進み、エア
バッグ展開命令信号をインフレータドライバ25に発信
し、終了する。
【0160】また、子供の荷重領域、又は不在という判
定を読込んでいる場合には、ステップQ05に進み、エ
アバッグ不展開命令信号を、インフレータドライバ25
に発信、又は何の信号をも発信せずに終了する。
【0161】他の例として、図26に示すフローチャー
ト図のように、エアバッグ展開に高圧作動と低圧作動と
いう複数の作動態様を設けることができる(Q08、Q
09)。
【0162】つまり、例えば、重い荷重領域、つまり、
大人の荷重領域と判定されている乗員である場合には
(Q08)、高圧で作動させ(Q10)、軽い荷重領
域、つまり、重い荷重領域には満たないが、乗車検知
(図18)を受け乗員が乗車しているという判断があ
り、不在と判断できない小柄な大人、又は子供などが乗
員である軽い荷重領域の場合には(Q09)、低圧で作
動させることができる(Q11)。
【0163】軽い荷重領域にも満たない場合(Q0
9)、つまり、乗車検知(図18)を受けていない場合
には、誰も乗車していないとして、エアバッグを作動さ
せない(Q12)こととすることができる。
【0164】これにより、請求項12、13に記載した
発明のように、車両用乗員検知装置による正確な乗員の
荷重領域判定の結果を、エアバッグ装置に適用すること
ができ、乗員の有無、又は乗員の荷重に対応させて、エ
アバッグの展開作動の許可・不許可、および展開圧力の
調節を、正確に行なうことができる。
【0165】これにより、必要なときにエアバッグが作
動しないという不都合を防止することができるととも
に、エアバッグ展開圧力の判断の誤りにより、不十分な
保護、または、過剰な展開により乗員を傷つけるという
不都合をも防止することができる。
【0166】また、荷重検知手段以外にも種々のセンサ
を設けることなく、装置を単純、簡単で、かつ低コスト
のまま、正確な乗員の荷重領域判定によるエアバッグ展
開制御装置を実現することができる。
【0167】なお、この発明は、実施例の構成に限定さ
れるものではなく、可能な限りの組み合わせによって、
多くの実施態様を得ることができる。
【0168】また、ここで説明した閾値検出手段31
は、検出すべき閾値に応じて、演算閾値35を検出する
ときは演算閾値検出手段、乗車閾値36を検出するとき
は乗車閾値検出手段、再判定閾値37を検出するときは
再判定閾値検出手段、重荷重閾値38を検出するときは
再判定閾値検出手段として機能させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の車両用乗員検知装置が適用され
る車両座席の構造を示す斜視説明図。
【図2】 請求項1に記載の本願発明に対応した車両
用乗員検知装置、およびエアバッグ展開制御装置の構成
を表したブロック説明図。
【図3】 請求項2、3に記載の本願発明に対応した
車両用乗員検知装置、およびエアバッグ展開制御装置の
構成を表したブロック説明図。
【図4】 請求項4に記載の本願発明に対応した車両
用乗員検知装置、およびエアバッグ展開制御装置の構成
を表したブロック説明図。
【図5】 請求項5に記載の本願発明に対応した車両
用乗員検知装置、およびエアバッグ展開制御装置の構成
を表したブロック説明図。
【図6】 請求項6に記載の本願発明に対応した車両
用乗員検知装置、およびエアバッグ展開制御装置の構成
を表したブロック説明図。
【図7】 請求項7に記載の本願発明に対応した車両
用乗員検知装置、およびエアバッグ展開制御装置の構成
を表したブロック説明図。
【図8】 乗員が車両に乗車するときに座席にかかる
荷重Wの変化と、請求項2に記載の本願発明に対応した
積分演算領域を示すグラフ説明図。
【図9】 乗員が車両に乗車するときに座席にかかる
荷重Wの変化と、請求項3に記載の本願発明に対応した
積分演算領域を示すグラフ説明図。
【図10】 乗員が車両に乗車するときに座席にかか
る荷重Wの変化と、請求項4に記載の本願発明に対応し
た積分演算領域を示すグラフ説明図1。
【図11】 乗員が車両に乗車するときに座席にかか
る荷重Wの変化と、請求項4に記載の本願発明に対応し
た積分演算領域を示すグラフ説明図2。
【図12】 乗員が車両に乗車するときに座席にかか
る荷重Wの変化と、請求項5に記載の本願発明に対応し
た積分演算領域を示すグラフ説明図。
【図13】 乗員が車両に乗車するときに座席にかか
る荷重Wの変化と、請求項6に記載の本願発明に対応し
た荷重極大値WmaxとTcを示すグラフ説明図。
【図14】 請求項6に記載の本願発明に対応した、
荷重極大値WmaxとTcを照らし合せるための判定基
準情報34を示すグラフ説明図。
【図15】 乗員が車両に乗車するときに座席にかか
る様々な荷重Wの変化と、請求項8に記載の本願発明に
対応したタイマTa0を示すグラフ説明図。
【図16】 乗員が車両に乗車するときに座席にかか
る荷重Wの様々な変化と、請求項9に記載の本願発明に
対応したタイマTb0を示すグラフ説明図。
【図17】 請求項1乃至3に記載の本願発明の車両
用乗員検知装置において行なわれる、乗員の荷重領域判
定の処理の流れを示したフローチャート説明図。
【図18】 本願発明の車両用乗員検知装置において
行なわれる、乗員が車両に乗車したことを検出する処理
の流れを示したフローチャート説明図(サブルーチン
1)。
【図19】 本願発明の車両用乗員検知装置において
行なわれる、座席にかかる荷重Wが演算閾値35又は、
重荷重閾値38に到達したことを検出する処理の流れを
示したフローチャート説明図(サブルーチン2)。
【図20】 本願発明の車両用乗員検知装置において
行なわれる、座席にかかる荷重Wが演算閾値35又は、
重荷重閾値38を下回ったことを検出する処理の流れを
示したフローチャート説明図(サブルーチン3)。
【図21】 本願発明の車両用乗員検知装置において
行なわれる、乗員が車両から降車したことを検出する処
理の流れを示したフローチャート説明図(サブルーチン
4)。
【図22】 請求項4、または5に記載の本願発明の
車両用乗員検知装置において行なわれる、乗員の荷重領
域判定の処理の流れを示したフローチャート説明図。
【図23】 本願発明の車両用乗員検知装置において
行なわれる、座席にかかる荷重Wが荷重極大値Wmax
となったことを検出する処理の流れを示したフローチャ
ート説明図(サブルーチン5)。
【図24】 請求項6に記載の本願発明の車両用乗員
検知装置において行なわれる、乗員の荷重領域判定の処
理の流れを示したフローチャート説明図。
【図25】 本願発明のエアバッグ展開制御装置にお
いて行なわれる、エアバッグ展開処理の流れを表したフ
ローチャート説明図。
【図26】 エアバッグ展開圧力を調節できる本願発
明のエアバッグ展開制御装置において行なわれる、エア
バッグ展開処理の流れを表したフローチャート説明図。
【符号の説明】
12L、12R…荷重検出手段 20…荷重検出手段FL 21…荷重検出手段RL 22…荷重検出手段FR 23…荷重検出手段RR 26…エアバッグ 29…演算手段 30…荷重領域判定手段 30A…第1の荷重領域判定手段 30B…第2の荷重領域判定手段 31…閾値検出手段 32…極大検出手段 33…計時手段 34…判定基準情報 34A…重い荷重領域(大人判定領域) 34B…軽い荷重領域(子供判定領域) 35…演算閾値 36…乗車閾値 37…再判定閾値 38…重荷重閾値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01G 19/52 G01G 19/52 F (72)発明者 矢本 光弘 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3B087 DE08 3D018 MA00 3D054 AA02 AA03 EE11 EE25

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両座席にかかる荷重を検出する荷重検出
    手段と、荷重を演算する演算手段と、乗員の荷重領域を
    判定する荷重領域判定手段とを備え、上記荷重検出手段
    によって検出した荷重を、上記演算手段で演算し、上記
    荷重領域判定手段で演算の結果の値と乗員の荷重領域を
    判定するために設定した比較設定値との比較によって乗
    員の荷重領域を判定する車両用乗員検知装置であって、
    上記演算手段により任意の時間内の荷重を積分演算する
    ように設定した車両用乗員検知装置。
  2. 【請求項2】荷重が所定の演算閾値を越えたこと、及
    び、該演算閾値を下回ったことを検出する演算閾値検出
    手段を備え、前記演算手段により積分演算する時間を、
    該演算閾値を越えてから下回るまでの時間に設定した請
    求項1に記載の車両用乗員検知装置。
  3. 【請求項3】前記演算手段により積分演算する荷重を、
    前記所定の演算閾値を越えている部分の荷重に設定した
    請求項2に記載の車両用乗員検知装置。
  4. 【請求項4】乗員が乗車してから最初の荷重の極大値及
    びその時点を検出する極大検出手段を備え、前記演算手
    段により積分演算する時間を、任意の時点から荷重が上
    記極大値となる時点までの時間に設定した請求項1に記
    載の車両用乗員検知装置。
  5. 【請求項5】荷重が所定の演算閾値を越えたことを検出
    する演算閾値検出手段を備え、前記演算手段により積分
    演算する時間を、荷重が前記演算閾値を越えてから前記
    極大値となる時点までの時間に設定し、前記演算手段に
    より積分演算する荷重を、前記所定の演算閾値を越えて
    いる部分の荷重に設定した請求項4に記載の車両用乗員
    検知装置。
  6. 【請求項6】車両座席にかかる荷重を検出する荷重検出
    手段と、荷重の極大値およびその時点を検出する極大検
    出手段と、時間を計時する計時手段と、乗員の荷重領域
    を判定する荷重領域判定手段とを備え、上記荷重検出手
    段によって検出した荷重に基づいて、上記極大検出手段
    で乗員が乗車してから最初の荷重の極大値を検出し、上
    記計時手段で任意の時点から荷重が該極大値となる時点
    までの時間を計時し、上記荷重領域判定手段で乗員の荷
    重領域を判定する装置であって、乗員の荷重領域を判定
    するための判定基準情報を設定し、上記荷重領域判定手
    段により、上記極大値及び上記時間に基づいて、上記判
    定基準情報に照らして、乗員の荷重領域を判定する車両
    用乗員検知装置。
  7. 【請求項7】車両座席にかかる荷重を検出する荷重検出
    手段と、荷重を演算する演算手段と、荷重の極大値およ
    びその時点を検出する極大検出手段と、時間を計時する
    計時手段と、乗員の荷重領域を判定する第1の荷重領域
    判定手段および、第2の荷重領域判定手段とを備え、上
    記荷重検出手段によって検出した荷重を、上記演算手段
    により任意の時間内の荷重を積分演算し、上記第1の荷
    重領域判定手段で演算の結果の値と乗員の荷重領域を判
    定するために設定した比較設定値との比較によって乗員
    の荷重領域を判定すると共に、上記荷重検出手段によっ
    て検出した荷重に基づいて、上記極大検出手段で乗員が
    乗車してから最初の荷重の極大値を検出し、上記計時手
    段で任意の時点から荷重が該極大値となる時点までの時
    間を計時し、乗員の荷重領域を判定するための判定基準
    情報を設定し、上記第2の荷重領域判定手段で上記極大
    値及び上記時間に基づいて、上記判定基準情報に照らし
    て、乗員の荷重領域を判定する装置であって、該両方の
    判定結果に基づいて乗員の荷重領域を判定する車両用乗
    員検知装置。
  8. 【請求項8】荷重が所定の乗車閾値を越えたことを検出
    する乗車閾値検出手段と、該乗車閾値よりも大きい所定
    の重荷重閾値を越えたことを検出する重荷重閾値検出手
    段とを備え、該乗車閾値を越えてから所定時間以内に、
    該重荷重閾値に達しないときには、乗員が軽い荷重領域
    であると判定する請求項1乃至7のうち一つに記載の車
    両用乗員検知装置。
  9. 【請求項9】荷重が所定の重荷重閾値を越えたこと、お
    よび下回ったことを検出する重荷重閾値検出手段を備
    え、荷重が該重荷重閾値を越えてから所定時間以内に、
    該重荷重閾値を下回らないときには、乗員が重い荷重領
    域であると判定する請求項1乃至8のうち一つに記載の
    車両用乗員検知装置。
  10. 【請求項10】荷重が所定の再判定閾値を下回ったこと
    を検出する再判定閾値検出手段を備え、いったん判定を
    下した後には、荷重が該再判定閾値を下回るまで、前記
    判定結果の更新を禁止する請求項1乃至9のうち一つに
    記載の車両用乗員検知装置。
  11. 【請求項11】荷重が所定の荷重帯に安定したことを検
    出する安定検出手段を備え、荷重が安定した状態から安
    定した別の荷重帯に移行するまで、前記判定結果の更新
    を禁止する請求項1乃至10のうち一つに記載の車両用
    乗員検知装置。
  12. 【請求項12】車両衝突時に前記乗員の荷重領域の判定
    結果に基づいて、エアバッグの作動態様を選択する請求
    項1乃至11のうち一つに記載の車両用乗員検知装置を
    備えたエアバッグ展開制御装置。
  13. 【請求項13】車両衝突時に前記乗員の荷重領域の判定
    結果に基づいて、エアバッグの作動圧力を選択する請求
    項1乃至11のうち一つに記載の車両用乗員検知装置を
    備えたエアバッグ展開制御装置。
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