JPH1178999A - 車両用エアバックシステム - Google Patents

車両用エアバックシステム

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JPH1178999A
JPH1178999A JP9252409A JP25240997A JPH1178999A JP H1178999 A JPH1178999 A JP H1178999A JP 9252409 A JP9252409 A JP 9252409A JP 25240997 A JP25240997 A JP 25240997A JP H1178999 A JPH1178999 A JP H1178999A
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airbag
airbag system
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の乗員に加えられた衝撃を正確に検出
し、その衝撃の状態を記録する車両用エアバックシステ
ムの提供。 【解決手段】 第1Gセンサは、制御ユニット11内部
に設けられ、車室内のフロントパネル54の内部であっ
てエンジンルームの後方に備えられる。第2Gセンサ
は、事故発生時の衝撃によって乗員に加えられる実際の
加速度をできるだけ正確に検出するため、Bピラー51
の内部の位置A、クロスメンバ52の左右の位置B、セ
ンターコンソール55の下部の位置C、サイドシル53
の位置D、不図示のシートのシートバック内部またはシ
ート座面内部に設ける。制御ユニット11は、第1及び
第2Gセンサの出力値を所定の条件になったときに記録
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用のエアバッ
クシステムに関し、例えば、代表的な車両としての自動
車のエアバックシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】代表的な車両である自動車においては、
近年、ユーザの安全性に対する関心の高揚から、事故発
生時の乗員への衝撃を緩和する、所謂エアバックシステ
ムが急速に普及しつつある。
【0003】従来、このようなエアバックシステムに
は、車両に加えられた衝撃を検出するセンサとして加速
度センサが設けられており、エアバックの展開タイミン
グの制御に使用されている。
【0004】また、エアバック作動時、或は事故発生時
の車両等の状態を事後に再現(検証)すべく、例えば特
開平1−164649号では、エアバックが作動する加
速度を検出したときにその加速度をメモリに記憶する技
術が提案されている。また、例えば特開平5−2703
52号では、検出した加速度が最大となったときから経
過時間を計測し、その最大加速度と経過時間とをメモリ
に記憶する技術が提案されている。また、例えば特開平
7−277230号では、車両が急旋回等の異常な挙動
起していることを加速度センサによって検出したとき
に、その検出した加速度をメモリに記憶する技術が提案
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の加速度センサ
は、車両に加えられた衝撃をいち早く検出するために車
両の前方に設けることが一般的である。このため、例え
ば衝突時の衝撃で乗員の着座姿勢が変化した場合、或は
衝撃によってシートが移動した場合等、その衝撃により
乗員に実際に加わった加速度の大きさと、加速度センサ
が検出した加速度の値とが一致しない可能性が有り、車
両等の状態を正確に再現する上で障害となる。
【0006】そこで本発明は、車両の乗員に加えられた
衝撃を正確に検出し、その衝撃の状態を記録する車両用
エアバックシステムの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の車両用エアバックシステムは以下の構成を
特徴とする。
【0008】即ち、車両に加えられる加速度を検出する
第1の検出手段と、その第1の検出手段による検出値に
基づいてエアバックの展開制御を行う制御手段を備える
車両用エアバックシステムであって、前記車両の乗員の
近傍に配置され、その乗員に加えられる加速度を検出す
る第2の検出手段を備え、前記制御手段は、所定条件に
なったときに、前記第2の検出手段による検出値をメモ
リに記憶することを特徴とする。これにより、車両の乗
員に加えられた衝撃を正確に検出し、その衝撃の状態を
記録する。
【0009】この場合、前記所定条件には、前記第1及
び/または第2の検出手段による検出値と所定値との大
小関係や、前記制御手段がエアバックを展開させたタイ
ミング等を用いると良い。これにより、記憶容量に制限
の有る前記メモリの効率の良い使用と、衝撃状態の再現
に有効なデータの記録とを実現する。
【0010】また、例えば、前記第2の検出手段を、前
記車両のBピラー下方、サイドシル、フロアパネル、シ
ート内部等の前記乗員の着座位置近傍に設けることを特
徴とする。これにより、乗員への実際の衝撃をできるだ
け正確に検出する。
【0011】また、好ましくは、前記制御手段は、前記
第2の検出手段による検出値と前記所定条件になった時
刻とを、前記メモリに記憶するとよい。或は、前記所定
条件になった時刻を含む所定時間内の前記第2の検出手
段による検出値を、前記メモリに記憶するとよい。これ
により、例えば、事故が発生したときの状況再現(検
証)の用に供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両用エアバ
ックシステムを、代表的な車両としての自動車に適用
し、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
【第1の実施形態】はじめに、本実施形態におけるエア
バックシステムのシステム構成を図1を参照して説明す
る。
【0014】図1は、本発明の第1の実施形態としての
エアバックシステムの概略を示すシステム構成図であ
る。
【0015】図中、本実施形態におけるエアバックシス
テムの制御ユニット11には、以下に説明する各種セン
サからの出力信号が入力される。
【0016】助手席用インフレータ16は、助手席13
の前方のダッシュボードに納められた不図示のエアバッ
クを展開させる。運転席インフレータ17は、ステアリ
ングホイール内の納められた不図示のエアバックを展開
させる。計器パネル15内に設けられた状態表示ランプ
151は、制御ユニット11による運転席用及び助手席
用エアバックの現在の制御状態を乗員に報知する。計器
パネル15内に設けられた故障警告ランプ152は、運
転席用及び助手席用エアバックの故障状態を乗員に報知
する。
【0017】また、第2加速度(以下、Gと称する)セ
ンサ31は、後述する第1Gセンサと共に主として車両
の前方向の衝撃を検出するセンサであり、車室内に備え
られ、乗員に加えられる衝撃を検出する(詳細は後述す
る)。第3Gセンサ32は、主として車両の横方向の衝
撃を検出するセンサであり、不図示のサイドエアバック
の制御に使用される。CCD(Charge Coupled Device)
カメラ33は、車室内の乗員の有無及び姿勢を撮影す
る。乗員検知センサ34は、超音波等を使用して車室内
の乗員の有無を検知する。
【0018】また、運転席21には、シートベルト27
の繰り出し量を検知するシートベルト繰り出し量検知セ
ンサ22、当該シートを前後にスライドさせるスライダ
機構23のスライド位置を検知するシートスライド量検
知センサ24、当該シートのシートバックをリクライニ
ング機構25のリクライニング角度を検知するリクライ
ニング角検知センサ26、並びに当該シート上の乗員の
有無並びに乗員の着座姿勢を検出するための複数の圧力
センサ35が埋め込まれており、それらのセンサの出力
信号も制御ユニット11に入力される。尚、これら運転
席21に設けられているセンサ群は、助手席13にも同
様に設けられているが、説明の便宜上、図1には示して
いない。
【0019】シートセンサユニット18は、助手席13
上の乗員の有無、乗員の着座姿勢、並びにチャイルドシ
ート12の装着状態を制御ユニット11に通信する。図
1では、助手席13にチャイルドシート12が装着され
た状態を示している。
【0020】ここで、本実施形態における助手席13の
状態検知の構成を、図9及び図10を参照して説明す
る。
【0021】図9は、本発明の第1の実施形態としての
助手席内の通信アンテナの配置を説明する図である。ま
た、図10は、本発明の第1の実施形態としてのチャイ
ルドシート12の構成を示す図である。シートセンサユ
ニット18には、助手席13内に埋め込まれて乗員の着
座の有無、そして乗員の着座姿勢を検知する複数の圧力
センサ35、助手席13の内部に埋め込まれた受信アン
テナ131及び送信アンテナ132とが接続されてお
り、チャイルドシート12に備えられたトランスポンダ
121との間で無線通信を行うと共に、受信アンテナ1
31が受信した信号を所定のフォーマットに基づいて変
換し、制御ユニット11に送信する。
【0022】尚、上述したエアバックシステムにおい
て、乗員の着座状態(チャイルドシートの装着状態を含
む)を検出するセンサの構成は一例であり、必要に応じ
て異なる構成としても本発明を適用できる。
【0023】次に、制御ユニット11の機器構成を図2
を参照して説明する。
【0024】図2は、本発明の第1の実施形態としての
制御ユニット11の概略を示すブロック構成図である。
【0025】図中、制御ユニット11は、第1Gセンサ
11A、バッテリ36からの直流電圧を安定化する電源
回路11B、マイクロコンピュータ110が出力する制
御信号に応じてインフレータ16,17を起爆する出力
制御ユニット11C、制御ユニット11の動作状態を監
視すると共に表示ランプ151,152の点灯・消灯を
行う監視ユニット11D、時間を計測する計時ユニット
11E、マイクロコンピュータ110が出力するデータ
(詳細は後述する)を記録する記憶ユニット11F、そ
して外部の装置を接続可能なコネクタ11Gを備える。
【0026】コネクタ11Gには、必要に応じて記憶ユ
ニット11Fに記憶されたデータを読み取る外部装置と
してのデータ読み取り装置37が接続される。記憶ユニ
ット11Fは、マイクロコンピュータ110が出力する
データを記憶する読み出し・書き込みが可能なメモリ
(不図示)を備えている。このメモリに記憶された情報
は、その性格から制御ユニット11が衝撃によって動作
停止した場合にも該メモリ内に保持される必要が有るた
め、該メモリには、例えば、フラッシュメモリ等の不揮
発性のメモリ、或は電池によりバックアップされている
メモリを使用する。
【0027】マイクロコンピュータ110は、CPU1
10A、ROM110B、そしてRAM110Cを備え
ている。CPU110Aは、RAM110Cを各種デー
タの一時記憶エリア、ワークエリアとして使用しなが
ら、予めROM110Bに記憶されているエアバックの
展開制御プログラム等に従って本エアバックシステムを
制御する。
【0028】<加速度センサの取り付け位置>次に、本
実施形態における加速度センサの取り付け位置について
図7及び図8を参照して説明する。
【0029】図7及び図8は、本発明の第1の実施形態
としての加速度センサの取り付け位置のバリエーション
を説明する図であり、図7は自動車の車室内、図8は運
転席21を表わす。
【0030】第1Gセンサ11Aが備えられている制御
ユニット11は、図7に示すように、車室内のフロント
パネル54の内部であってエンジンルームの後方に備え
られる。
【0031】第3Gセンサ32は、サイドエアバックの
制御に使用されるものであり、図7に示すようにBピラ
ー51内の位置Aに備えられる。
【0032】第2Gセンサ31の取り付け位置について
は、以下に説明する6箇所の何れかを想定している。こ
の第2Gセンサ31は、何れの場合も、事故発生時の衝
撃によって乗員に加えられる実際の加速度をできるだけ
正確に検出するために設けられている。
【0033】(1)第2Gセンサ31を、第3Gセンサ
32と一体構造とし、図7の左右のBピラー51の内部
の位置Aにそれぞれ取り付ける。この位置Aは、実験等
によって経験的に求めた位置であり、第2Gセンサ31
が衝撃を正確に計測可能な位置である。この場合、制御
ユニット11への第1及び第2Gセンサの配線ラインを
共通にすることができるため、製造工程において取り付
け作業及び配線の敷設作業を簡略化することができる。
【0034】(2)第2Gセンサ31を、車体構造の補
強部材であるクロスメンバ52の左右の位置Bにそれぞ
れ取り付ける。この位置に取り付ける場合は、車体の共
振による影響が低いため、当該センサの出力信号への共
振振動によるノイズの重畳を低減することができる。
【0035】(3)第2Gセンサ31を、センターコン
ソール55の下部のフロアパネルの位置Cに取り付け
る。この場合、車体の中央付近であるため、当該センサ
を運転席用及び助手席用で共用することができる。
【0036】(4)第2Gセンサ31を、サイドエアバ
ックのインフレータと一体構造とし、例として運転席側
の場合を示す図8のように、サイドエアバックのインフ
レータ61と共に運転席21及び助手席13のそれぞれ
のシートバック内部の位置Eに埋め込む。この場合、第
2Gセンサ31は、事故発生時の衝撃によってシートス
ライダ23が破損し、シートの位置が移動したことによ
る加速度をも含めて検出することができ、衝撃により乗
員に加わる実際の加速度により正確に検出することがで
きる。また、制御ユニット11への第2Gセンサ及びイ
ンフレータ61の配線ラインを共通にすることができる
ため、製造工程において取り付け作業及び配線の敷設作
業を簡略化することができる。
【0037】(5)第2Gセンサ31を、例として運転
席側の場合を示す図8のように、運転席21及び助手席
13のそれぞれのシート座面内部の位置Fに埋め込む。
この場合、第2Gセンサ31は、事故発生時の衝撃によ
ってシートスライダ23が破損し、シートの位置が移動
したことによる加速度をも含めて検出することができ、
衝撃により乗員に加わる実際の加速度により正確に検出
することができる。
【0038】(6)第2Gセンサ31を、左右のサイド
シル53の位置Dにそれぞれ取り付ける。この位置D
は、実験等によって経験的に求めた位置であり、第2G
センサ31が衝撃を正確に計測可能な位置である。
【0039】<エアバックの展開制御>次に、本実施形
態におけるエアバックの展開制御について説明する。本
実施形態のエアバックシステムは、所謂スマートエアバ
ックシステムと言われる高機能型のエアバックシステム
であり、マイクロコンピュータ110は上述した各種セ
ンサの出力信号に基づいて、運転席等のエアバックの展
開タイミング、展開圧力を制御する。具体的には、例え
ば、運転席21の後方へのスライド量に応じて、或はシ
ートバックがリクライニングされている量に応じて、エ
アバックの展開圧力を高くする。また、チャイルドシー
ト12が助手席12に後ろ向きに装着されているときは
助手席用のエアバックの展開を禁止する。また、圧力セ
ンサ35によりシート上の乗員の姿勢が不安定なとき等
は、エアバックの展開を禁止するか、或は展開圧力を低
くする。
【0040】これらのエアバックの展開時の動作制御自
体は一般的な手法を採用するものとし、以下の説明にお
いて詳細な説明は省略し、各種センサのデータの記録処
理を中心に説明する。
【0041】また、本実施形態では、第3Gセンサ32
の検出結果を使用したサイドエアバック自体の展開制御
の説明を、説明の便宜上、後述するエアバックの展開制
御からは省略している。
【0042】はじめに、本実施形態におけるエアバック
の展開制御におけるデータ記録処理の概要を述べれば、
制御ユニット11に入力される各種センサの出力信号、
そして制御ユニットによるエアバックの制御状態を、後
述する所定のタイミングで記憶ユニット11Fに記憶す
る。記憶ユニット11Fに記憶されたデータは、データ
読み取り装置37により読み取りが可能であり、例え
ば、事故が発生したときの状況再現(検証)の用に供す
る。
【0043】以下、本実施形態のエアバックの展開制御
について図3及び図4を参照して説明する。
【0044】図4は、本発明の第1の実施形態としての
エアバックの展開制御の流れを示すフローチャートであ
る。このフローチャートに示す処理は、例えば、乗員が
イグニッションキーをオンにすることにより、制御ユニ
ット11のマイクロコンピュータ110にて開始され
る。
【0045】尚、図4のフローチャートの制御は、運転
席用エアバック、助手席用エアバックのそれぞれについ
て行われ、展開圧、展開タイミング等は運転席側と助手
席側とでは異なることは言うまでもない。特に、助手席
用エアバックの制御についてはチャイルドシート12の
装着状態(前向き、後ろ向き等)が考慮されることは言
うまでもない。
【0046】図4において、ステップS1:CPU11
0Aは、制御ユニット11及びシステム全体のイニシャ
ルチェックを行う。このイニシャルチェックが終了する
と、CPU110Aは、図1及び図2を参照して説明し
た各種センサの出力値を、RAM110Cに所定の周期
で記憶する別プロセス(タスク)を開始する。この別プ
ロセスは、RAM110C内に予め確保した所定のメモ
リ空間を所謂ロータリバッファとして使用し、各種セン
サの出力値を所定の周期毎に順次記憶すると共に、最新
の出力値を記憶するために該所定のメモリ空間に一時記
憶している一番古いセンサ出力値のデータを消去する。
【0047】ステップS2,ステップS3:CPU11
0Aは、RAM110C内の第1Gセンサ11A及び第
2Gセンサ31の検出値G1,G2を読み込み、検出値
G1及びG2の平均値Gaを算出する。
【0048】ステップS4:CPU110Aは、ステッ
プS3で算出した平均値Gaを、予め登録した所定値の
加速度(本実施形態では3Gとする)と比較し、NOの
場合はエアバックの展開は必要ないと判断してステップ
S2に戻る。
【0049】ステップS5,ステップS6:ステップS
4でYESの場合、CPU110Aは、図1及び図2を
参照して説明した各種センサの出力値をRAM110C
から読み込み、それらの出力値に基づいて、エアバック
展開スレショルドV1,L1、エアバックの展開圧p
1、エアバックの展開タイミングt1、並びにエアバッ
クの展開を許容するか禁止するかを表わす展開禁止フラ
グf1のステータスを演算する。この演算には、予めR
OM110B等に登録したマップのデータ等が使用され
ることは言うまでもない。
【0050】ステップS7:CPU110Aは、ステッ
プS6で算出したエアバック展開禁止フラグf1のステ
ータスが「非展開(展開禁止)」か否かを判断する。
【0051】ステップS14:ステップS7でNOの場
合、CPU110Aは、エアバックの展開が必要無いと
判断し、前述した別プロセスによって順次記憶している
RAM110Cの出力値のデータから、ステップS4で
所定値3Gより大きいことを検出したタイミングt3G
より所定時間αだけ前のタイミングからタイミングt3
Gまでの期間の各種センサの出力値のデータを読み出す
(尚、以下の説明では、タイミングt3Gを現在時刻と
して扱う)。次に、CPU110Aは、それらの読出し
たセンサ出力値、現在時刻(タイミングt3G)、並び
に展開フラグのステータス(この場合は「展開無し」を
表わす)を、記憶ユニット11F内部の不図示のメモリ
に記憶し、ステップS2に戻る。尚、CPU110A
は、該メモリのデータの格納状況をアドレスで管理して
おり、本ステップで最新の出力値等のデータを記憶する
際、該メモリ内で現在一番古いデータが記憶されている
メモリ空間のアドレスを指定し、記憶ユニット11Fに
最新の出力値等のデータを記憶させる。この処理によ
り、記憶ユニット11Fの記録データは順次新しいデー
タに更新される。
【0052】ここで、記憶ユニット11F内部に記憶さ
れる情報について説明する。
【0053】図3は、本発明の第1の実施形態としての
メモリテーブルの概念を示す図であり、記録ユニット1
1F内部の不図示のメモリに格納されたときの情報の格
納状況を示している。
【0054】同図に示す各項目を説明すると、一番左か
ら、現在時刻(タイミングt3G)、第1Gセンサから
第3Gセンサの出力値、乗員検知センサ34の出力値、
シートリクライニング角検知センサ26の出力値、シー
トスライド量検知センサ24の出力値、CCDカメラ3
3の画像データ、エアバック(A・B)展開フラグのス
テータス、そしてエアバック展開禁止フラグf1のステ
ータス等の各項目のデータが記憶される。
【0055】これらの記録データのうち、第1Gセンサ
から第3Gセンサの出力値、乗員検知センサ34の出力
値、シートリクライニング角検知センサ26の出力値、
並びにシートスライド量検知センサ24の出力値は、タ
イミングt3Gより所定時間αだけ前からタイミングt
3Gまでの期間における連続的なデータとして記憶す
る。
【0056】尚、助手席エアバックの制御の場合、図3
のメモリテーブルには、チャイルドシートに関する情報
を表わすシートセンサユニット18からの状態信号のデ
ータも記憶されることは言うまでもない。
【0057】ステップS8:ステップS7でYES(エ
アバック展開の許容状態)の場合、CPU110Aは、
現在時刻(タイミングt3G)より所定時間αだけ前の
タイミングから現在時刻までの期間における乗員の頭部
の移動速度Vと移動距離Lとを算出する。具体的に、移
動速度Vは、ステップS3で算出した平均加速度Ga
を、現在時刻(タイミングt3G)より所定時間αだけ
前の時刻から現在時刻(t=0)まで積分して算出すれ
ばよい。また、移動距離Lは、算出した移動速度Vを同
時間内で積分するか、或は平均加速度Gaと所定時間α
との積を求めればよい。
【0058】ステップS9,ステップS10:CPU1
10Aは、ステップS8で算出した乗員の頭部の移動速
度Vと移動距離Lとをそれぞれ所定値V1,L1と比較
し、何れも所定値V1,L1より小さい場合は、エアバ
ックを展開する必要は無いと判断してステップS14に
進む。
【0059】ステップS11:ステップS10でYES
の場合はエアバックを展開する必要が有ると判断し、C
PU110Aは、ステップS6で算出したエアバック展
開タイミングt1、エアバック展開圧p1でエアバック
のインフレータを起爆する。
【0060】ステップS12:CPU110Aは、前述
したステップS14の処理と同様にRAM110Cから
読み出したセンサ出力値等のデータを、記憶ユニット1
1Fに記憶する。この場合、展開フラグのステータスは
「展開:有り」である。また、図3に示すように、ステ
ップS12でインフレータを起爆したタイミングをセン
サ出力値にマークする。
【0061】ステップS13:ステップS12で格納し
たセンサ出力等のデータのメモリ領域に、新たなデータ
を上書きすることを防止するため、CPU110Aは、
記憶禁止フラグをセットする。
【0062】
【第2の実施形態】次に、第2の実施形態について説明
する。本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、エア
バックの展開制御のフローチャートである。
【0063】図5は、本発明の第2の実施形態としての
エアバックの展開制御の流れを示すフローチャートであ
る。基本的な処理の構成は図4の場合と同様であり、同
一の処理ステップには同一のステップ番号を付して説明
を省略する。
【0064】本実施形態では、CPU110Aは、ステ
ップS2でRAM110C内の第1Gセンサ11A及び
第2Gセンサ31の検出値G1,G2を読み込む。そし
て、ステップS4Aでは、検出値G1が所定値3Gより
大きいか否かを判断し、YESの場合はステップS5以
降で第1の実施形態と同様の処理を行う。一方、ステッ
プS4Aで検出値G1が所定値3Gより小さい場合に
は、ステップS21で検出値G2が所定値2Gより大き
いか否かを判断する。
【0065】ステップS21でNOの場合は、ステップ
S2に戻る。一方、ステップS21でYESの場合は、
ステップS22において、CPU110Aは、エアバッ
クを展開は行わないが、前述した図4のステップS14
の処理と同様にRAM110Cから読み出したセンサ出
力値等のデータを、記憶ユニット11Fに記憶し、ステ
ップS2に戻る。尚、この場合は、ステップS4Aで所
定値3Gより大きいことを検出したタイミングt3Gよ
り所定時間αだけ前のタイミングから現在時刻までの期
間における各種センサの出力値のデータを記憶する。
【0066】本実施形態によれば、車両に加わった衝撃
がエアバックを展開させるしきい値(3G)より小さい
場合でも、第2Gセンサ31の検出値G2が2Gより大
きいときは記憶ユニット11Fに記憶する構成としてい
るため、第1の実施形態と比較してエアバックを展開さ
せない場合の乗員に加わる衝撃をも詳細に収集・再現す
ることができる。
【0067】
【第3の実施形態】次に、第3の実施形態について説明
する。上記の第2の実施形態では、例えば乗員自身が着
座状態を調整するためにシートの前後方向の位置、或は
シートバックのリクライニング量を急激に変化させた場
合等、その調整による衝撃がしきい値(2G)より大き
ければ、制御ユニット11は、各種センサの出力値のデ
ータを記憶ユニット11Fに記憶してしまう可能性が有
る。そこで、本実施形態では、車両及び乗員に加えられ
た安全上問題となる衝撃を記憶するような処理を実現す
る。本実施形態も第1及び第2の実施形態を基本として
おり、異なるのはエアバックの展開制御のフローチャー
トである。
【0068】図6は、本発明の第3の実施形態としての
エアバックの展開制御の流れを示すフローチャートであ
る。基本的な処理の構成は図4の場合と同様であり、同
一の処理ステップには同一のステップ番号を付して説明
を省略する。
【0069】本実施形態では、CPU110Aは、ステ
ップS2でRAM110C内の第1Gセンサ11A及び
第2Gセンサ31の検出値G1,G2を読み込む。そし
て、ステップS4Aでは、検出値G1が所定値3Gより
大きいか否かを判断し、YESの場合はステップS5以
降で第1の実施形態と同様の処理を行う。一方、ステッ
プS4Aで検出値G1が所定値3Gより小さい場合に
は、ステップS31及びステップS32で検出値G1及
び検出値G2がそれぞれ所定値2Gより大きいか否かを
判断する。その結果、検出値G1または検出値G2が所
定値2Gより小さい場合は、ステップS2に戻る。一
方、ステップS31及びステップS32で検出値G1及
び検出値G2がそれぞれ所定値2Gより大きい場合は、
ステップS14に進んで第1の実施形態と同様にRAM
110Cから読み出したセンサ出力値等のデータを、記
憶ユニット11Fに記憶し、ステップS2に戻る。尚、
この場合も、第2の実施形態と同様に、ステップS4A
で所定値3Gより大きいことを検出したタイミングt3
Gより所定時間αだけ前のタイミングから現在時刻まで
の期間における各種センサの出力値のデータを記憶す
る。
【0070】本実施形態によれば、第2の実施形態と同
様に、車両に加わった衝撃がエアバックを展開させるし
きい値(3G)より小さい場合でも、第1及び第2Gセ
ンサの検出値が2Gより大きいときは記憶ユニット11
Fに記憶する構成としているため、第1の実施形態と比
較して乗員に加わる衝撃をより詳細に収集・再現するこ
とができる。特に、本実施形態では、検出値G1及び検
出値G2が何れもしきい値2Gより大きいとき(ステッ
プS31,32)に各種センサの出力値のデータを記憶
する構成としたため、記憶容量に限りが有る記憶ユニッ
ト11Fのメモリに、車両及び乗員への衝撃の検証には
不必要なデータを記憶することを防止することができ
る。
【0071】<実施形態の効果>以上説明したように、
上述した各実施形態によれば、車室内の乗員の近傍に第
2Gセンサ31を、図7に示した何れかの位置に設ける
ため、第1Gセンサ11Aだけによって事故発生時の衝
撃を記録する場合と比較して、乗員に実際に加わる衝撃
をより正確に検出することができる。
【0072】また、図3に示した如くエアバックの展開
制御に使用する各種センサの出力値を、検出した加速度
が所定値(2Gまたは3G)を越える前(所定時間αだ
け前)の所定のタイミングから記憶ユニット11Fに記
録するため、例えば、事故が発生した後等において、記
憶ユニット11Fに記録したデータに基づいて、車両及
びその乗員の事故発生時の状況を正確に再現することが
できる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
車両の乗員に加えられた衝撃を正確に検出し、その衝撃
の状態を記録する車両用エアバックシステムの提供が実
現する。
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態としてのエアバックシ
ステムの概略を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態としての制御ユニット
11の概略を示すブロック構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態としてのメモリテーブ
ルの概念を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態としてのエアバックの
展開制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態としてのエアバックの
展開制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態としてのエアバックの
展開制御の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態としての加速度センサ
の取り付け位置のバリエーションを説明する図である。
【図8】本発明の第1の実施形態としての加速度センサ
の取り付け位置のバリエーションを説明する図である。
【図9】本発明の第1の実施形態としての助手席内の通
信アンテナの配置を説明する図である。
【図10】本発明の第1の実施形態としてのチャイルド
シート12の構成を示す図である。
【符号の説明】
11:制御ユニット,11A:第1Gセンサ,11B:
安定化電源回路,110:マイクロコンピュータ,11
C:出力制御ユニット,11D:監視ユニット,11
E:計時ユニット,11F:記憶ユニット,11G:コ
ネクタ,12:チャイルドシート,13:助手席,1
5:計器パネル,16:助手席用インフレータ,17:
運転席インフレータ,18:シートセンサユニット,2
1:運転席,22:シートベルト繰り出し量検知セン
サ,23:スライダ機構,24:シートスライド量検知
センサ,25:リクライニング機構,26:リクライニ
ング角検知センサ,27:シートベルト,31:第2G
センサ,32:第3Gセンサ,33:CCDカメラ,3
4:乗員検知センサ,35:圧力センサ,36:バッテ
リ,37:データ読み取り装置,51:Bピラー,5
2:クロスメンバ,53:サイドシル,54:フロント
パネル,55:センターコンソール,61:サイドエア
バック用インフレータ,110A:CPU,110B:
ROM,110C:RAM,121:トランスポンダ,
122:ベルト,131R,131F:受信アンテナ,
132:送信アンテナ,151:状態表示ランプ,15
2:故障警告ランプ,

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に加えられる加速度を検出する第1
    の検出手段と、その第1の検出手段による検出値に基づ
    いてエアバックの展開制御を行う制御手段を備える車両
    用エアバックシステムであって、 前記車両の乗員の近傍に配置され、その乗員に加えられ
    る加速度を検出する第2の検出手段を備え、前記制御手
    段は、所定条件になったときに、前記第2の検出手段に
    よる検出値をメモリに記憶することを特徴とする車両用
    エアバックシステム。
  2. 【請求項2】 前記所定条件とは、前記第1の検出手段
    による検出値が所定値より大きくなったときであること
    を特徴とする請求項1記載の車両用エアバックシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記所定値を、前記制御手段がエアバッ
    クを展開させる旨を判断するしきい値より小さい値とす
    ることを特徴とする請求項2記載の車両用エアバックシ
    ステム。
  4. 【請求項4】 前記所定条件とは、前記第2の検出手段
    による検出値が所定値より大きくなったときであること
    を特徴とする請求項1記載の車両用エアバックシステ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記所定条件とは、前記第1の検出手段
    による検出値が第1の所定値より大きく、且つ前記第2
    の検出手段による検出値が第2の所定値より大きくなっ
    たときであることを特徴とする請求項1記載の車両用エ
    アバックシステム。
  6. 【請求項6】 前記所定条件とは、前記第1の検出手段
    による検出値が第1の所定値より大きくなったとき、或
    は前記第2の検出手段による検出値が第2の所定値より
    大きくなったときであることを特徴とする請求項1記載
    の車両用エアバックシステム。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2の所定値を、前記制御
    手段がエアバックを展開させる旨を判断するしきい値よ
    り小さい値とすることを特徴とする請求項4または請求
    項5記載の車両用エアバックシステム。
  8. 【請求項8】 前記所定条件とは、前記制御手段がエア
    バックを展開させたときであることを特徴とする請求項
    1記載の車両用エアバックシステム。
  9. 【請求項9】 前記第2の検出手段を、前記車両のBピ
    ラー下方に設けることを特徴とする請求項1記載の車両
    用エアバックシステム。
  10. 【請求項10】 更に、サイドエアバックの展開の有無
    を判断する第3の検出手段を備え、その第3の検出手段
    と前記第2の検出手段とは、一体構造を有することを特
    徴とする請求項9記載の車両用エアバックシステム。
  11. 【請求項11】 前記第2の検出手段を、前記車両のサ
    イドシルに設けることを特徴とする請求項1記載の車両
    用エアバックシステム。
  12. 【請求項12】 前記第2の検出手段を、前記車両のフ
    ロアパネルに設けることを特徴とする請求項1記載の車
    両用エアバックシステム。
  13. 【請求項13】 前記第2の検出手段を、前記フロアパ
    ネル上であって、前記車両のセンターコンソール下方に
    設けることを特徴とする請求項12記載の車両用エアバ
    ックシステム。
  14. 【請求項14】 前記第2の検出手段を、前記乗員の着
    座位置下方に位置するところの、前記車両を横方向に補
    強する部材に設けることを特徴とする請求項1記載の車
    両用エアバックシステム。
  15. 【請求項15】 前記第2の検出手段を、前記車両のシ
    ート内部に設けることを特徴とする請求項1記載の車両
    用エアバックシステム。
  16. 【請求項16】 前記第2の検出手段を、前記シートの
    座面内部に設けることを特徴とする請求項15記載の車
    両用エアバックシステム。
  17. 【請求項17】 前記第2の検出手段を、前記シートの
    シートバック内部に設けることを特徴とする請求項15
    記載の車両用エアバックシステム。
  18. 【請求項18】 更に、前記シートバック内部にサイド
    エアバックの起爆手段を備え、その起爆手段と前記第2
    の検出手段とは、一体構造を有することを特徴とする請
    求項17記載の車両用エアバックシステム。
  19. 【請求項19】 前記第1の検出手段は、前記車両の車
    室前方であって、前記第2の検出手段の取付位置より前
    方に設けることを特徴とする請求項1記載の車両用エア
    バックシステム。
  20. 【請求項20】 前記制御手段は、前記第1及び第2の
    検出手段による検出値に基づいて、エアバックの展開制
    御を行うことを特徴とする請求項1記載の車両用エアバ
    ックシステム。
  21. 【請求項21】 前記制御手段は、前記第2の検出手段
    による検出値と前記所定条件になった時刻とを、前記メ
    モリに記憶することを特徴とする請求項1記載の車両用
    エアバックシステム。
  22. 【請求項22】 前記制御手段は、前記所定条件になっ
    た時刻を含む所定時間内の前記第2の検出手段による検
    出値を、前記メモリに記憶することを特徴とする請求項
    1記載の車両用エアバックシステム。
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