JP2003328172A - 水素利用システム - Google Patents

水素利用システム

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JP2003328172A
JP2003328172A JP2002136471A JP2002136471A JP2003328172A JP 2003328172 A JP2003328172 A JP 2003328172A JP 2002136471 A JP2002136471 A JP 2002136471A JP 2002136471 A JP2002136471 A JP 2002136471A JP 2003328172 A JP2003328172 A JP 2003328172A
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hydrogen
power
water
cooling
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Arata Ito
新 伊藤
Seiichi Yokobori
誠一 横堀
Tatsuo Miyazawa
竜雄 宮沢
Takashi Ishitori
隆司 石鳥
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱効率が高く、炭酸ガスの排出が無く、大量の
水素を継続して製造し貯蔵し供給することのできる水素
利用システムを提供する。 【解決手段】熱および電力を発生する発電プラント1
と、水より沸点の低い媒体を作動媒体とし前記発電プラ
ント1からの排熱を用いて電力と冷媒を生成する低沸点
媒体電力・冷熱プラント2と、この低沸点媒体電力・冷
熱プラント2および前記発電プラント1から電力を供給
されて水を電気分解する水電解プラント3と、前記低沸
点媒体電力・冷熱プラント2から冷媒を供給されて前記
水電解プラント3において生成された水素と酸素を冷却
し液化する液化プラント4と、前記冷却された水素を水
素吸蔵合金に吸着させて貯蔵する水素貯蔵施設5と、前
記液化された酸素を貯蔵する液体酸素貯蔵施設6とを備
えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電プラントで生
成した電気で水の電気分解を行って水素を製造して供給
する水素利用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、人類は中国を筆頭とした東南アジ
ア地域の急速な経済発展に伴うエネルギー需要の急増が
現実化する下で、地球温暖化や酸性雨等の地球規模的な
環境問題に直面している。増大するエネルギー需要を賄
うのに資源の偏在が無く、豊富に存在する石炭資源の利
用は必然的な状況にある。エネルギーの利用形態として
は電気と熱があるが、所得水準が向上するにつれて使い
易い電気の需要が増大する傾向がある。
【0003】石炭発電プラント、天然ガス発電プラント
や石油火力発電プラントでは炭酸ガスの排出が問題であ
る。この排出される炭酸ガスを100%回収する方法とし
て、化石燃料を炭酸ガス雰囲気中で酸素燃焼する方法が
ある。電力や熱の昼間の需要に対して夜間にはその40%
程度に減少する変動があるため、夜間の発電プラントの
稼動率を向上させる方策が検討されている。
【0004】自動車の動力源として、現在はガソリンや
軽油を燃料とするレシプロエンジンが主流となっている
が、自動車が排出する炭酸ガスを削減することが重要な
課題になっている。そのため大気汚染対策として水素燃
料エンジンの開発が行われている。
【0005】水素の貯蔵と輸送には気体より液体の方が
効率的であるが、−252.6℃の液化温度の液体水素を入
れる容器の経済性が問題になるため水素吸蔵合金に貯蔵
する方法が検討されている。
【0006】水深200mの海洋深層水は、7℃程度の低温
であり、海表面水との温度差で発電が可能であるが、低
温側と高温側に大型の熱交換器が必要であり、建設費が
高くなるため、既設発電プラントのボトミングに付設し
て建設費を削減する検討がされている。
【0007】海洋深層水の取水適地として琉球諸島や伊
豆諸島、小笠原諸島がある。富栄養塩で清浄で、かつ低
温な海洋深層水を加温して魚類の養殖を行うことによ
り、今後中国などでの動物性たんぱく質に対する膨大な
需要に対処することができるようになるが、これらの諸
島には大きな電力需要が無いため発電設備を設置する需
要が無かった。しかしながら、今後水素自動車への水素
供給が重要になり、電気分解で得られる水素を東京圏、
大阪圏、中国の長江デルタ圏、珠江デルタ圏等に輸送し
て販売する道が開ける情勢になりつつある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】今後中国等の東南アジ
アの経済発展に伴い膨大な電気エネルギーや自動車駆動
エネルギーの需要が発生するが、炭酸ガスの排出による
地球温暖化を防止をしながらこれに対処するには原子力
エネルギーの利用あるいは100%炭酸ガスを回収する化
石燃料の利用による発電と水素製造を行う必要がある。
また、東南アジアでの経済発展に伴う動物性蛋白質に対
する需要に対応するための大規模な魚の養殖を行う必要
がある。
【0009】本発明はかかる従来の事情に対処してなさ
れたものであり、熱効率が高く、炭酸ガスの排出が無
く、大量の水素を継続して製造し貯蔵し供給することの
できる水素利用システムを提供することを目的とする。
【0010】
【発明が課題を解決するための手段】上記目的を達成す
るため、請求項1の発明の水素システムは、熱および電
力を発生する発電プラントと、水より沸点の低い媒体を
作動媒体とし前記発電プラントからの排熱を用いて電力
と冷媒を生成する低沸点媒体電力・冷熱プラントと、こ
の低沸点媒体電力・冷熱プラントおよび前記発電プラン
トから電力を供給されて水を電気分解する水電解プラン
トと、前記低沸点媒体電力・冷熱プラントから冷媒を供
給されて前記水電解プラントにおいて生成された水素と
酸素を冷却し液化する液化プラントと、前記冷却された
水素を水素吸蔵合金に吸着させて貯蔵する水素貯蔵施設
と、前記液化された酸素を貯蔵する液体酸素貯蔵施設と
を備えた構成とする。
【0011】請求項2の発明の水素システムは、水より
沸点の低い媒体を作動媒体として電力と冷媒を生成する
低沸点媒体電力・冷熱プラントと、この低沸点媒体電力
・冷熱プラントから電力を供給されて水を電気分解する
水電解プラントと、前記低沸点媒体電力・冷熱プラント
から冷媒を供給されて前記水電解プラントにおいて生成
された水素と酸素を冷却し液化する液化プラントと、前
記冷却された水素を水素吸蔵合金に吸着させて貯蔵する
水素貯蔵施設と、前記液化された酸素を貯蔵する液体酸
素貯蔵施設とを備えた構成とする。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、前記発電プラントまたは前記低沸点媒体電
力・冷熱プラントの加熱源は、原子力または地熱または
温泉水または太陽熱である構成とする。
【0013】請求項4の発明は、請求項1または2の発
明において、前記発電プラントまたは前記低沸点媒体電
力・冷熱プラントは、液体酸素を加圧・加熱して炭酸ガ
ス雰囲気中で燃焼させる化石燃料発電プラントまたはご
み発電所またはバイオマス発電所を備え、前記燃焼で発
生した炭酸ガスを液化し貯蔵するようにした構成とす
る。
【0014】請求項5の発明は、請求項1または2の発
明において、前記低沸点媒体電力・冷熱プラントの冷却
に海洋深層水を用いる構成とする。請求項6の発明は、
請求項5の発明において、前記低沸点媒体電力・冷熱プ
ラントの冷却に用いて加温された海洋深層水を養殖施設
に導き、前記養殖施設で使用した後の海洋深層水を海域
肥沃化に用いる構成とする。
【0015】請求項7の発明は、請求項1または2の発
明において、前記低沸点媒体電力・冷熱プラントで製造
した冷媒で海水を凍結させ解凍して得られる淡水を前記
水電解プラントに供給する凍結分離プラントと、この凍
結分離プラントから濃縮海水を供給されて食塩とミネラ
ル成分を分離するミネラル分離プラントとを備えた構成
とする。
【0016】請求項8の発明は、請求項1または2の発
明において、前記低沸点媒体電力・冷熱プラントは、水
とアンモニアの混合媒体を作動媒体とする構成とする。
請求項9の発明は、請求項1または2の発明において、
前記水素吸蔵合金は、水素分子を水素原子に分離させる
機能を有する金属もしくは合金の被膜を表面に有する多
孔性炭素質材料からなる構成とする。
【0017】請求項10の発明は、請求項9の発明におい
て、前記多孔性炭素質材料は、活性炭、フラーレン、カ
ーボンナノチューブ、またはこれらの混合物である構成
とする。
【0018】請求項11の発明は、請求項1または2に記
載の水素貯蔵施設に貯蔵された水素を水素自動車が搭載
するランタン・ニッケル合金または鉄・チタン合金から
なる水素吸蔵合金に供給する構成とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の水
素利用システムのいくつかの実施の形態を説明する。本
発明の第1の実施の形態の水素システムは図1に示すよ
うに、発電プラント1と、低沸点媒体電力・冷熱プラン
ト2と、水電解プラント3と、液化プラント4と、水素
貯蔵施設5および8と、液体酸素貯蔵施設6と、液体炭
酸ガス貯蔵施設7と養殖施設9とを備えている。
【0020】このような構成によって、発電プラント1
より水蒸気10を低沸点媒体電力・冷熱プラント2に輸送
して冷媒生成と発電を行い、冷媒11は液化プラント4へ
送る。電気14は水電解プラント3へ送り水を電気分解し
て酸素と水素を生成する。液化プラント4で液化した液
体酸素20を液体酸素貯蔵施設6に、液体炭酸ガス21を液
体炭酸ガス貯蔵施設7に貯蔵する。また水素19を水素貯
蔵施設5に貯蔵し、輸送船27で消費地の水素貯蔵施設8
に輸送して利用する。また、低沸点媒体電力・冷熱プラ
ント2の冷却に用いた海洋深層水25を養殖施設9に導い
て利用し、利用後の海洋深層水26を海域肥沃化のために
放流する。
【0021】発電プラント1は、燃焼器、ガスタービ
ン、ボイラ、水蒸気タービン、発電機および循環ポンプ
を備えている。燃焼器には化石燃料、ゴミ、バイオマス
等の燃料12のガス化されたものと、加圧・加熱された炭
酸ガス23、酸素ガス24とが導かれ、ボイラには化石燃
料、ゴミ、バイオマス等の燃料12と、加熱された炭酸ガ
ス23、酸素ガス24とが導かれて炭酸ガス雰囲気中酸素燃
焼が行われる。発生した燃焼ガスの炭酸ガスと水蒸気は
ガスタービンを駆動後に排熱回収ボイラーで冷却された
後に液化プラント4に導かれる。
【0022】ボイラーで発生した蒸気は、分岐して水蒸
気タービンに導かれるものと低沸点媒体電力・冷熱プラ
ント2に導かれるものがあり、水蒸気タービンに導かれ
たものはこれを駆動し、同軸に結合された発電機で発電
を行う。発電された電気13は、水電解プラント3に導か
れる。水蒸気タービン排気の水蒸気10は、低沸点媒体電
力・冷熱プラント2の加熱器に導かれて熱交換を行って
復水したものが発電プラント1の循環ポンプ入口に戻さ
れる。ボイラーで発生した蒸気で分岐され低沸点媒体電
力・冷熱プラント2に導かれたものも加熱器に導かれて
熱交換を行って復水したものが発電プラント1の循環ポ
ンプ入口に戻される。
【0023】低沸点媒体電力・冷熱プラント2は、加熱
器、分離器、混合媒体タービン、発電機、復液器、熱交
換器、断熱膨張装置および循環ポンプを備え、作動媒体
として水・アンモニア混合媒体が用いられる。
【0024】循環ポンプで加圧された混合媒体が加熱器
に導かれ、発電プラント1からの抽気水蒸気あるいは排
気水蒸気10と熱交換を行なって分離器に導かれ、高濃度
混合媒体蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。高濃度
混合媒体蒸気を分岐して混合媒体タービンに導いてこれ
を駆動して同軸に結合された発電機で発電を行う。混合
媒体タービンの排気は復液器に導かれ、海洋深層水22が
流れる熱交換部で熱交換をして復液して循環ポンプに導
かれる。
【0025】高濃度混合媒体蒸気を分岐した残りの蒸気
は熱交換器に導かれ海洋深層水22が流れる熱交換部で熱
交換をして冷却されて復液し、断熱膨張装置に導かれて
断熱膨張を行い、冷媒を生成する。冷媒11は液化プラン
ト4に導かれて熱交換器で熱交換を行って混合媒体蒸気
29となって低沸点媒体電力・冷熱プラント2の復液器に
導かれ、海洋深層水22が流れる熱交換部で熱交換をして
復液して循環ポンプに導かれる。発電された電気14は水
電解プラント3に導かれる。復液器で熱交換を行って加
熱された海洋深層水25は、養殖施設9に導かれる。
【0026】水電解プラント3は、アルカリ水電解法か
固体高分子型水電解法を用いる。発電プラント1と低沸
点媒体電力・冷熱プラント2からの交流電気13,14を直
流に整流し、淡水16を電気分解する。電気分解で得られ
た酸素17と水素18を液化プラント4に移送する。淡水1
6は、発電プラント1より液化プラント4に送られる炭
酸ガス15を除湿して得られる淡水を用いてもよい。
【0027】液化プラント4は、コンプレッサ、精製装
置、熱交換器、膨張弁、中圧精留塔、低圧精留塔および
過冷却器を備えている。発電プラント1からの炭酸ガス
15と水電解プラント3からの酸素17および水素18は、低
沸点媒体電力・冷熱プラント2からの冷媒11が流れる
熱交換部で冷却され除湿されてコンプレッサに導かれ
る。
【0028】コンプレッサで加圧された酸素と水素と炭
酸ガスは熱交換器に導かれ、低沸点媒体電力・冷熱プラ
ント2からの冷媒11が流れる熱交換部で冷却され、膨張
弁および中圧精留塔、過冷却器、低圧精留塔を経由し
て、液体酸素と、液体窒素温度(−196℃)程度の水素
と、膨張弁で断熱膨張をして液化した液体炭酸ガスが生
成される。水素19は水素貯蔵施設5に移送され、液体酸
素20は液体酸素貯蔵施設6に移送され、液体炭酸ガス21
は液体炭酸ガス貯蔵施設7に移送される。
【0029】水素貯蔵施設5は、活性炭、フラーレン、
カーボンナノチューブ等の多孔性炭素質材料の表面に、
水素分子を水素原子に分離させる機能を有する金属もし
くは合金の被膜を塗布し、−196℃で30気圧以上にして
水素を吸蔵させる水素吸蔵合金を収納する容器に水素を
充填する設備が設けられている。-196℃で30気圧以上に
して水素を充填した容器を輸送船27で需要地の水素貯蔵
施設8に移送し、水素貯蔵施設8より空の容器を水素貯
蔵施設5に移送する。
【0030】水素貯蔵施設8は、−196℃で30気圧以上に
して水素を吸蔵させた水素吸蔵合金を収容した容器よ
り、ランタン・ニッケル合金、鉄・チタン合金などから
なる水素吸蔵合金1モル当たり約3モルの20℃で3気圧
の水素を吸蔵させ水素自動車の水素燃料として供給す
る。水素自動車では80℃に加熱すると約17気圧の水素が
取り出せる。
【0031】液体酸素貯蔵施設6では、酸素をポンプで
加圧した後で冷熱を回収して加熱し、発電プラント1の
燃焼器に導く。液体炭酸ガス貯蔵施設7では、炭酸ガス
をポンプで加圧した後で冷熱を回収して加熱し、発電プ
ラント1の燃焼器に導く。
【0032】養殖施設9には、低沸点媒体電力・冷熱プ
ラント2の復液器で熱交換を行って加温された海洋深層
水25が導かれ、ひらめ、アワビ等の水産物の養殖に用い
られる。その後、残滓等を取り除いた海洋深層水26を海
域に放流し、海域肥沃化に用いる。
【0033】このように本発明の第1の実施の形態の水
素利用システムは、化石燃料・ゴミ・バイオマス等によ
る発電プラント1のタービン排気や抽気を水・アンモニ
ア混合媒体による低沸点媒体電力・冷熱プラント2に導
いて発電と冷媒製造を行い、発電した電力を水電解プラ
ント3に導いて電気分解で水素と酸素を製造し、製造し
た水素と酸素および、発電プラント1の炭酸ガス雰囲気
中酸素燃焼で得られた炭酸ガスを液化プラント4に導い
て低沸点媒体電力・冷熱プラント2で生成した冷媒で冷
却を行って液体酸素と液体炭酸ガスを製造して液体酸素
貯蔵施設6と液体炭酸ガス貯蔵施設7に貯蔵し、水素は
カーボンナノチューブ等の多孔性炭素材料の水素吸蔵合
金に吸着させて水素貯蔵施設5に貯蔵し、水素を吸着さ
せた水素吸蔵合金を輸送船27で消費地に輸送して水素貯
蔵施設8に貯蔵し、ランタン・ニッケル合金等の水素吸
蔵合金を搭載した水素自動車に水素を供給するととも
に、前記低沸点媒体電力冷熱プラント2の冷却に海洋深
層水を用いて、加温された海洋深層水で養殖と海域肥沃
化を行う水素システムである。
【0034】上記のような構成とした本発明の第1の実
施の形態の水素利用システムにおいては、化石燃料・ゴ
ミ・バイオマス等の燃料12をガス化したり、そのまま燃
焼させる発電プラント1の水蒸気タービンよりの40℃〜
50℃の排気を、水・アンモニア混合媒体を作動媒体とす
る低沸点媒体電力・冷熱プラント2の加熱器に導いて高
濃度の混合媒体蒸気を生成し、この混合媒体蒸気を混合
媒体タービンに導いてこれを駆動し、同軸に結合した発
電機で発電を行う。このとき、混合媒体タービンの排気
を7℃程度の低温の海洋深層水で冷却して混合媒体ター
ビンの出口背圧を下げることにより混合媒体タービンの
駆動力を向上させて発電量を向上させる。
【0035】発電プラント1および低沸点媒体電力・冷
熱プラント2で発電した電気を水電解プラント3に導い
て電気分解を行って水素と酸素を製造し、製造した水素
と酸素および、発電プラント1の炭酸ガス雰囲気中酸素
燃焼で得られた炭酸ガスを液化プラント4に導いて、低
沸点媒体電力・冷熱プラント2で生成した冷媒を利用し
て液体酸素と液体炭酸ガスを製造して液体酸素貯蔵施設
6および液体炭酸ガス貯蔵施設7に貯蔵する。水素は液
体窒素温度(−196℃)程度にして30気圧以上に加圧して
カーボンナノチューブ等の多孔性炭素材料の水素吸蔵合
金に吸着させて水素貯蔵施設5に貯蔵する。
【0036】水素を吸着させた水素吸蔵合金を輸送船27
で消費地の水素貯蔵施設8に輸送して貯蔵し、水素貯蔵
施設8では20℃、3気圧で多孔性炭素材料の水素吸蔵合
金からランタン・ニッケル合金等の水素吸蔵合金に水素
吸蔵の移し替えを行い、このランタン・ニッケル合金等
の水素吸蔵合金を自動車に搭載して水素自動車の燃料と
する。
【0037】また、低沸点媒体電力・冷熱プラント2の
混合媒体タービンの排気を冷却した海洋深層水25の排出
温度が、ひらめ、あわび等の適水温になるようにして養
殖施設9に供給する。海洋深層水25の排出温度を高くす
ると発電量が減少するため、養殖効率と発電効率のトー
タルで最大効率になるように調整をする。
【0038】琉球諸島や伊豆・小笠原諸島は、低温度の
海洋深層水を取水するための適地であるが発電需要がな
い。このような所に化石燃料等の発電プラントを設置
し、そのボトミングサイクルとして低沸点媒体電力・冷
熱プラントを設置し、低温度の海洋深層水で低沸点媒体
電力・冷熱プラントの復液器の冷却を行って発電量の増
加を行う。発電された電気で水の電気分解を行って酸素
と水素を製造し、酸素は化石燃料等の発電プラントでの
炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼に用いる。
【0039】低沸点媒体電力・冷熱プラントで生成され
た冷媒で水素を−196℃程度に冷却して水素吸蔵合金に
吸蔵させて大消費地に専用船で輸送する。冷媒は液体酸
素、液体炭酸ガスを生成するのにも用いる。低沸点媒体
電力・冷熱プラントの復液器の冷却に用いて加温された
海洋深層水をヒラメやアワビの養殖に用いる。
【0040】こうして、自動車等の動力源として環境へ
の炭酸ガス放出の無い水素が効率良く製造でき、低温の
海洋深層水を加温して養殖の適水温として、効率良く水
産物を養殖するシステムを提供することができる。ま
た、豊富に存在する石炭を炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼さ
せて発電に利用し、その排熱を海洋深層水の加温に用い
ることで炭酸ガスを容易に100%回収しながら利用する
システムも同時に提供することができる。
【0041】つぎに本発明の第2の実施の形態の水素利
用システムを図2を参照して説明する。すなわち、本実
施の形態の水素利用システムは、発電プラント1と、低
沸点媒体電力・冷熱プラント2と、水電解プラント3
と、液化プラント4と、水素貯蔵施設5および8と、液
体酸素貯蔵施設6と、養殖施設9とを備えている。
【0042】発電プラント1は原子力発電プラント、地
熱発電プラント、温泉水発電プラントあるいは太陽熱発
電プラントからなり、前記第1の実施の形態の水素シス
テムと比較すると、炭酸ガス中酸素燃焼系と炭酸ガス回
収・液化・貯蔵系を備えていない。
【0043】加熱源30からウラン、地熱、温泉水あるい
は太陽熱が発電プラント1に供給される。これ等の熱源
は炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼を行う必要がないために図
1と比較して、加熱・加圧した炭酸ガス23、酸素ガス24
の供給系と、燃焼で発生する炭酸ガス・水蒸気等の炭酸
ガス15の回収系と、液化プラント4における炭酸ガス液
化系と液体炭酸ガス貯蔵施設7を備えていない。
【0044】このように本発明の第2の実施の形態の水
素システムは、原子力、地熱、温泉水あるいは太陽熱に
よる発電プラント1のタービン排気や抽気を水・アンモ
ニア混合媒体による低沸点媒体電力・冷熱プラント2に
導いて発電と冷媒製造を行い、発電した電力を水電解プ
ラント3に導いて電気分解で水素と酸素を製造し、製造
した水素と酸素を液化プラント4に導いて低沸点媒体電
力・冷熱プラント2で生成した冷媒で冷却を行って液体
酸素と液体炭酸ガスを製造して液体酸素貯蔵施設6に貯
蔵し、水素はカーボンナノチューブ等の多孔性炭素材料
の水素吸蔵合金に吸着させて水素貯蔵施設5に貯蔵し、
水素を吸着させた水素吸蔵合金を輸送船27で消費地に輸
送して水素貯蔵施設8に貯蔵し、ランタン・ニッケル合
金等の水素吸蔵合金を搭載した水素自動車に水素を供給
するとともに、前記低沸点媒体電力冷熱プラント2の冷
却に海洋深層水を用いて、加温された海洋深層水で養殖
と海域肥沃化を行う水素利用システムである。この第2
の実施の形態の水素利用システムによれば、システムの
建設費用が低減される。また、設備が少なくてすむの
で、システムの信頼性が向上する。
【0045】つぎに本発明の第3の実施の形態の水素利
用システムを図3を参照して説明する。すなわち、本実
施の形態の水素利用システムは、低沸点媒体電力・冷熱
プラント31と、水電解プラント3と、液化プラント4
と、水素貯蔵施設5および8と、液体酸素貯蔵施設6
と、養殖施設9とを備えている。
【0046】低沸点媒体電力・冷熱システム31の低沸点
媒体の加熱器がボイラになっており、化石燃料、ゴミ、
バイオマス等の燃料12がボイラに供給され、炭酸ガス雰
囲気中燃焼を行って低沸点媒体を加熱する。
【0047】そして、低沸点媒体を高濃度低沸点媒体蒸
気と低濃度低沸点媒体液に分離し、高濃度低沸点媒体蒸
気でタービンを駆動して発電し、また、高濃度低沸点媒
体を冷却して液化し、断熱膨張を行って冷媒を生成す
る。
【0048】このように本発明の第3の実施の形態の水
素利用システムは、化石燃料・ゴミ・バイオマス等を水
・アンモニア混合媒体による低沸点媒体電力・冷熱プラ
ント31で燃焼させて発電と冷媒製造を行い、発電した電
力を水電解プラント3に導いて電気分解で水素と酸素を
製造し、製造した水素と酸素および、低沸点媒体電力・
冷熱プラント31の炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼で得られた
炭酸ガスを液化プラント4に導いて低沸点媒体電力・冷
熱プラント31で生成した冷媒で冷却を行って液体酸素と
液体炭酸ガスを製造して液体酸素貯蔵施設6と液体炭酸
ガス貯蔵施設7に貯蔵し、水素はカーボンナノチューブ
等の多孔性炭素材料の水素吸蔵合金に吸着させて水素貯
蔵施設5に貯蔵し、水素を吸着させた水素吸蔵合金を輸
送船27で消費地に輸送して水素貯蔵施設8に貯蔵し、ラ
ンタン・ニッケル合金等の水素吸蔵合金を搭載した水素
自動車に水素を供給するとともに、前記低沸点媒体電力
冷熱プラント31の冷却に海洋深層水を用いて、加温され
た海洋深層水で養殖と海域肥沃化を行う水素利用システ
ムである。
【0049】この第3の実施の形態の水素利用システム
によれば、化石燃料、ゴミ、バイオマス等の燃焼で得ら
れる高温度から海洋深層水の低温度までの温度範囲の熱
回収をするのに水蒸気サイクルを設けずに低沸点媒体サ
イクルのみで行うので、必要な機器が少なくてすみ建設
費が安くなる。また、システム構成が簡素化されるため
にシステムの信頼性が向上する。
【0050】つぎに本発明の第4の実施の形態の水素利
用システムを図4を参照して説明する。すなわち、本実
施の形態の水素利用システムは、低沸点媒体電力・冷熱
プラント32と、水電解プラント3と、液化プラント4
と、水素貯蔵施設5および8と、液体酸素貯蔵施設6
と、養殖施設9とを備えている。
【0051】低沸点媒体電力・冷熱システム32の低沸点
媒体の加熱器が地熱、温泉水、太陽熱等の加熱源30で加
熱され、低沸点媒体が昇温する。それによって、低沸点
媒体は高濃度低沸点媒体蒸気と低濃度低沸点媒体液に分
離する。高濃度低沸点媒体蒸気でタービンを駆動して発
電し、高濃度低沸点媒体を冷却して液化し、断熱膨張を
行って冷媒を生成する。
【0052】このように本発明の第4の実施の形態の水
素利用システムは、地熱、温泉水あるいは太陽熱を水・
アンモニア混合媒体による低沸点媒体電力・冷熱プラン
ト32に導いて発電と冷媒製造を行い、発電した電力を水
電解プラント3に導いて電気分解で水素と酸素を製造
し、製造した水素と酸素を液化プラント4に導いて低沸
点媒体電力・冷熱プラント32で生成した冷媒で冷却を行
って液体酸素と液体炭酸ガスを製造して液体酸素貯蔵施
設6に貯蔵し、水素はカーボンナノチューブ等の多孔性
炭素材料の水素吸蔵合金に吸着させて水素貯蔵施設5に
貯蔵し、水素を吸着させた水素吸蔵合金を輸送船27で消
費地に輸送して水素貯蔵施設8に貯蔵し、ランタン・ニ
ッケル合金等の水素吸蔵合金を搭載した水素自動車に水
素を供給するとともに、前記低沸点媒体電力冷熱プラン
ト32の冷却に海洋深層水を用いて、加温された海洋深層
水で養殖と海域肥沃化を行う水素利用システムである。
【0053】この第4の実施の形態の水素利用システム
によれば、地熱、温泉水、太陽熱等との熱交換で得られ
る高温度から海洋深層水の低温度までの温度範囲の熱回
収をするのに水蒸気サイクルを設けずに低沸点媒体サイ
クルのみで行うので、必要な機器が少なくてすみ建設費
が安くなる。また、システム構成が簡素化されるために
システムの信頼性が向上する。
【0054】つぎに本発明の第5の実施の形態の水素利
用システムを図5を参照して説明する。すなわち、本実
施の形態の水素利用システムは、発電プラント1と、低
沸点媒体電力・冷熱プラント2と、水電解プラント3
と、液化プラント4と、水素貯蔵施設5および8と、液
体酸素貯蔵施設6と、液体炭酸ガス貯蔵施設7と、凍結
分離プラント34と、ミネラル分離プラント36と、養殖施
設9とを備えている。
【0055】凍結分離プラント34は海洋深層水33より氷
を製造して得た淡水を水電解プラント3へ供給し、同時
に得られる濃縮海水をミネラル分離プラント36へ供給す
る。凍結分離プラント34は、過冷却器、過冷却解除槽、
氷貯蔵槽、淡水製造器等で構成されている。低沸点媒体
電力・冷熱プラント2からの冷媒38を過冷却器の熱交換
部に導いて海洋深層水33を過冷却状態にする。冷媒38は
低沸点媒体蒸気39の状態で低沸点媒体電力・冷熱プラン
ト2の復液器に戻され、過冷却状態の海洋深層水は過冷
却解除槽に導かれ、衝撃などを与えて過冷却状態を解除
して氷を生成し、氷と濃縮海水に分離する。氷は氷貯蔵
槽に貯蔵され、貯蔵された氷は低沸点媒体蒸気39や海洋
深層水と熱交換を行って解凍されて淡水37となって水電
解プラント3に導かれる。分離された濃縮海水35はミネ
ラル分離プラント36に導かれる。
【0056】ミネラル分離プラント36には選択的にミネ
ラル成分を分離する電気式脱イオン水製造装置が設置さ
れていて、塩化ナトリウム、硫酸イオン、その他ミネラ
ル成分に分離する。
【0057】このように本発明の第5の実施の形態の水
素システムは、化石燃料・ゴミ・バイオマス等による発
電プラント1のタービン排気や抽気を水・アンモニア混
合媒体による低沸点媒体電力・冷熱プラント2に導いて
発電と冷媒製造を行い、凍結分離プラント34において前
記冷媒を用いて海水を凍結させて解凍した淡水を水電解
プラント3に供給し、前記海水の凍結によって生じた濃
縮海水をミネラル分離プラントに送って食塩等のミネラ
ルを分離し、前記発電プラント1で発電した電力を水電
解プラント3に導いて淡水の電気分解で水素と酸素を製
造し、製造した水素と酸素および、発電プラント1の炭
酸ガス雰囲気中酸素燃焼で得られた炭酸ガスを液化プラ
ント4に導いて低沸点媒体電力・冷熱プラント2で生成
した冷媒で冷却を行って液体酸素と液体炭酸ガスを製造
して液体酸素貯蔵施設6と液体炭酸ガス貯蔵施設7に貯
蔵し、水素はカーボンナノチューブ等の多孔性炭素材料
の水素吸蔵合金に吸着させて水素貯蔵施設5に貯蔵し、
水素を吸着させた水素吸蔵合金を輸送船27で消費地に輸
送して水素貯蔵施設8に貯蔵し、ランタン・ニッケル合
金等の水素吸蔵合金を搭載した水素自動車に水素を供給
するとともに、前記低沸点媒体電力冷熱プラント31の冷
却に海洋深層水を用いて、加温された海洋深層水で養殖
と海域肥沃化を行う水素利用システムである。
【0058】この第5の実施の形態の水素利用システム
によれば、低温の海洋深層水より淡水を凍結法で製造す
ることにより、発電プラントの排熱の多段階熱利用を行
い、熱利用効率を向上させることができる。熱エネルギ
ーを氷潜熱の形で貯蔵することにより、発電需要に変動
があっても発電プラントを一定条件で運転することが可
能となり、エネルギー利用効率を向上させることができ
る。凍結分離法で海洋深層水より得られた氷は、魚の輸
送に用いることができ、また濃縮海水からは安価に大量
に食塩とミネラル成分を分離することができる。
【0059】つぎに本発明の第6の実施の形態の水素利
用システムを図6を参照して説明する。すなわち、本実
施の形態の水素利用システムは、発電プラント1と、低
沸点媒体電力・冷熱プラント2と、水電解プラント3
と、液化プラント4と、水素貯蔵施設5および8と、液
体酸素貯蔵施設6と、凍結分離プラント34と、ミネラル
分離プラント36と、養殖施設9とを備えている。凍結分
離プラント34およびミネラル分離プラント36の構成およ
び動作は前記第5の実施の形態におけると同じである。
【0060】このように本発明の第6の実施の形態の水
素利用システムは、原子力、地熱、温泉水あるいは太陽
熱による発電プラント1のタービン排気や抽気を水・ア
ンモニア混合媒体による低沸点媒体電力・冷熱プラント
2に導いて発電と冷媒製造を行い、凍結分離プラント34
において前記冷媒を用いて海水を凍結させて解凍した淡
水を水電解プラント3に供給し、前記海水の凍結によっ
て生じた濃縮海水をミネラル分離プラントに送って食塩
等のミネラルを分離し、前記発電プラント1で発電した
電力を水電解プラント3に導いて淡水の電気分解で水素
と酸素を製造し、製造した水素と酸素を液化プラント4
に導いて低沸点媒体電力・冷熱プラント2で生成した冷
媒で冷却を行って液体酸素と液体炭酸ガスを製造して液
体酸素貯蔵施設6に貯蔵し、水素はカーボンナノチュー
ブ等の多孔性炭素材料の水素吸蔵合金に吸着させて水素
貯蔵施設5に貯蔵し、水素を吸着させた水素吸蔵合金を
輸送船27で消費地に輸送して水素貯蔵施設8に貯蔵し、
ランタン・ニッケル合金等の水素吸蔵合金を搭載した水
素自動車に水素を供給するとともに、前記低沸点媒体電
力冷熱プラント31の冷却に海洋深層水を用いて、加温さ
れた海洋深層水で養殖と海域肥沃化を行う水素利用シス
テムである。
【0061】この第6の実施の形態の水素利用システム
によれば、低温の海洋深層水より淡水を凍結法で製造す
ることにより、発電プラントの排熱の多段階熱利用を行
い、熱利用効率を向上させることができる。熱エネルギ
ーを氷僭越の形で貯蔵することにより、発電需要に変動
があっても発電プラントを一定条件で運転することが可
能となり、エネルギー利用効率を向上させることができ
る。凍結分離法で海洋深層水より得られた氷は、魚の輸
送に用いることができ、また濃縮海水からは安価に大量
に食塩とミネラル成分を分離することができる。
【0062】つぎに本発明の第7の実施の形態の水素利
用システムを図7を参照して説明する。すなわち、本実
施の形態の水素利用システムは、低沸点媒体電力・冷熱
プラント31と、水電解プラント3と、液化プラント4
と、水素貯蔵施設5および8と、液体酸素貯蔵施設6
と、液体炭酸ガス貯蔵施設7と、凍結分離プラント34
と、ミネラル分離プラント36と、養殖施設9とを備えて
いる。
【0063】このように本発明の第7の実施の形態の水
素利用システムは、化石燃料・ゴミ・バイオマス等を水
・アンモニア混合媒体による低沸点媒体電力・冷熱プラ
ント31に導いて発電と冷媒製造を行い、凍結分離プラン
ト34において前記冷媒を用いて海水を凍結させて解凍し
た淡水を水電解プラント3に供給し、前記海水の凍結に
よって生じた濃縮海水をミネラル分離プラントに送って
食塩等のミネラルを分離し、前記発電プラント1で発電
した電力を水電解プラント3に導いて淡水の電気分解で
水素と酸素を製造し、製造した水素と酸素および、低沸
点媒体電力・冷熱プラント31の炭酸ガス雰囲気中酸素燃
焼で得られた炭酸ガスを液化プラント4に導いて低沸点
媒体電力・冷熱プラント31で生成した冷媒で冷却を行っ
て液体酸素と液体炭酸ガスを製造して液体酸素貯蔵施設
6に貯蔵し、水素はカーボンナノチューブ等の多孔性炭
素材料の水素吸蔵合金に吸着させて水素貯蔵施設5に貯
蔵し、水素を吸着させた水素吸蔵合金を輸送船27で消費
地に輸送して水素貯蔵施設8に貯蔵し、ランタン・ニッ
ケル合金等の水素吸蔵合金を搭載した水素自動車に水素
を供給するとともに、前記低沸点媒体電力冷熱プラント
31の冷却に海洋深層水を用いて、加温された海洋深層水
で養殖と海域肥沃化を行う水素利用システムである。
【0064】この第7の実施の形態の水素利用システム
によれば、低温の海洋深層水より淡水を凍結法で製造す
ることにより、発電プラントの排熱の多段階熱利用を行
い、熱利用効率を向上させることができる。熱エネルギ
ーを氷潜熱の形で貯蔵することにより、発電需要に変動
があっても発電プラントを一定条件で運転することが可
能となり、エネルギー利用効率を向上させることができ
る。凍結分離法で海洋深層水より得られた氷は、魚の輸
送に用いることができ、また濃縮海水からは安価に大量
に食塩とミネラル成分を分離することができる。
【0065】つぎに本発明の第8の実施の形態の水素利
用システムを説明する。本実施の形態の水素利用システ
ムは、図8に示すように、低沸点媒体電力・冷熱プラン
ト32と、水電解プラント3と、液化プラント4と、水素
貯蔵施設5および8と、液体酸素貯蔵施設6と、凍結分
離プラント34と、ミネラル分離プラント36と、養殖施設
9とを備えている。
【0066】このように本発明の第8の実施の形態の水
素利用システムは、地熱、温泉水あるいは太陽熱を水・
アンモニア混合媒体による低沸点媒体電力・冷熱プラン
ト32に導いて発電と冷媒製造を行い、凍結分離プラント
34において前記冷媒を用いて海水を凍結させて解凍した
淡水を水電解プラント3に供給し、前記海水の凍結によ
って生じた濃縮海水をミネラル分離プラントに送って食
塩等のミネラルを分離し、前記発電プラント1で発電し
た電力を水電解プラント3に導いて淡水の電気分解で水
素と酸素を製造し、製造した水素と酸素を液化プラント
4に導いて低沸点媒体電力・冷熱プラント32で生成した
冷媒で冷却を行って液体酸素と液体炭酸ガスを製造して
液体酸素貯蔵施設6に貯蔵し、水素はカーボンナノチュ
ーブ等の多孔性炭素材料の水素吸蔵合金に吸着させて水
素貯蔵施設5に貯蔵し、水素を吸着させた水素吸蔵合金
を輸送船27で消費地に輸送して水素貯蔵施設8に貯蔵
し、ランタン・ニッケル合金等の水素吸蔵合金を搭載し
た水素自動車に水素を供給するとともに、前記低沸点媒
体電力冷熱プラント32の冷却に海洋深層水を用いて、加
温された海洋深層水で養殖と海域肥沃化を行う水素利用
システムである。
【0067】この第8の実施の形態の水素利用システム
によれば、低温の海洋深層水より淡水を凍結法で製造す
ることにより、発電プラントの排熱の多段階熱利用を行
い、熱利用効率を向上させることができる。熱エネルギ
ーを氷潜熱の形で貯蔵することにより、発電需要に変動
があっても発電プラントを一定条件で運転することが可
能となり、エネルギー利用効率を向上させることができ
る。凍結分離法で海洋深層水より得られた氷は、魚の輸
送に用いることができ、また濃縮海水からは安価に大量
に食塩とミネラル成分を分離することができる。
【0068】
【発明の効果】この発明によれば、熱効率が高く、炭酸
ガスの排出が無く、大量の水素を継続して製造し貯蔵し
供給することのできる水素利用システムを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の水素利用システム
の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の水素利用システム
の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の水素利用システム
の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の水素利用システム
の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第5の実施の形態の水素利用システム
の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の第6の実施の形態の水素利用システム
の構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第7の実施の形態の水素利用システム
の構成を示すブロック図。
【図8】本発明の第8の実施の形態の水素利用システム
の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…発電プラント、2…低沸点媒体電力・冷熱プラン
ト、3…水電解プラント、4…液化プラント、5…水素
貯蔵施設、6…液体酸素貯蔵施設、7…液体炭酸ガス貯
蔵施設、8…水素貯蔵施設、9…養殖施設、10…水蒸
気、11…冷媒、12…燃料、13…電気、14…電気、15…炭
酸ガス、16…淡水、17…酸素、18…水素、19…水素、20
…液体酸素、21…液体炭酸ガス、22…海洋深層水、23…
炭酸ガス、24…酸素ガス、25…海洋深層水、26…海洋深
層水、27…輸送船、28…復水、29…低沸点媒体蒸気、30
…加熱源、31…低沸点媒体電力・冷熱プラント、32…低
沸点媒体電力・冷熱プラント、33…海洋深層水、34…凍
結分離プラント、35…濃縮海水、36…ミネラル分離プラ
ント、37…淡水、38…冷媒、39…低沸点媒体蒸気。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮沢 竜雄 神奈川県川崎市川崎区浮島町4丁目1番地 アイテル技術サービス株式会社内 (72)発明者 石鳥 隆司 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 Fターム(参考) 4G140 AA22 AA34 AA43 AA44 AA45 AA48 4G146 AA06 AA07 AD15 AD32 CB23 CB34 4K021 AA01 BA02 BC07 CA12 DC03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱および電力を発生する発電プラント
    と、水より沸点の低い媒体を作動媒体とし前記発電プラ
    ントからの排熱を用いて電力と冷媒を生成する低沸点媒
    体電力・冷熱プラントと、この低沸点媒体電力・冷熱プ
    ラントおよび前記発電プラントから電力を供給されて水
    を電気分解する水電解プラントと、前記低沸点媒体電力
    ・冷熱プラントから冷媒を供給されて前記水電解プラン
    トにおいて生成された水素と酸素を冷却し液化する液化
    プラントと、前記冷却された水素を水素吸蔵合金に吸着
    させて貯蔵する水素貯蔵施設と、前記液化された酸素を
    貯蔵する液体酸素貯蔵施設とを備えたことを特徴とする
    水素利用システム。
  2. 【請求項2】 水より沸点の低い媒体を作動媒体として
    電力と冷媒を生成する低沸点媒体電力・冷熱プラント
    と、この低沸点媒体電力・冷熱プラントから電力を供給
    されて水を電気分解する水電解プラントと、前記低沸点
    媒体電力・冷熱プラントから冷媒を供給されて前記水電
    解プラントにおいて生成された水素と酸素を冷却し液化
    する液化プラントと、前記冷却された水素を水素吸蔵合
    金に吸着させて貯蔵する水素貯蔵施設と、前記液化され
    た酸素を貯蔵する液体酸素貯蔵施設とを備えたことを特
    徴とする水素利用システム。
  3. 【請求項3】 前記発電プラントまたは前記低沸点媒体
    電力・冷熱プラントの加熱源は、原子力または地熱また
    は温泉水または太陽熱であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の水素利用システム。
  4. 【請求項4】 前記発電プラントまたは前記低沸点媒体
    電力・冷熱プラントは、液体酸素を加圧・加熱して炭酸
    ガス雰囲気中で燃焼させる化石燃料発電プラントまたは
    ごみ発電所またはバイオマス発電所を備え、前記燃焼で
    発生した炭酸ガスを液化し貯蔵するようにしたことを特
    徴とする請求項1または2に記載の水素利用システム。
  5. 【請求項5】 前記低沸点媒体電力・冷熱プラントの冷
    却に海洋深層水を用いることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の水素利用システム。
  6. 【請求項6】 前記低沸点媒体電力・冷熱プラントの冷
    却に用いて加温された海洋深層水を養殖施設に導き、前
    記養殖施設で使用した後の海洋深層水を海域肥沃化に用
    いることを特徴とする請求項5に記載の水素利用システ
    ム。
  7. 【請求項7】 前記低沸点媒体電力・冷熱プラントで製
    造した冷媒で海水を凍結させ解凍して得られる淡水を前
    記水電解プラントに供給する凍結分離プラントと、この
    凍結分離プラントから濃縮海水を供給されて食塩とミネ
    ラル成分を分離するミネラル分離プラントとを備えたこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の水素利用シス
    テム。
  8. 【請求項8】 前記低沸点媒体電力・冷熱プラントは、
    水とアンモニアの混合媒体を作動媒体とすることを特徴
    とする請求項1または2に記載の水素利用システム。
  9. 【請求項9】 前記水素吸蔵合金は、水素分子を水素原
    子に分離させる機能を有する金属もしくは合金の被膜を
    表面に有する多孔性炭素質材料からなることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の水素利用システム。
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