JP2003328136A - 気相成長装置および気相成長法 - Google Patents

気相成長装置および気相成長法

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JP2003328136A
JP2003328136A JP2002135254A JP2002135254A JP2003328136A JP 2003328136 A JP2003328136 A JP 2003328136A JP 2002135254 A JP2002135254 A JP 2002135254A JP 2002135254 A JP2002135254 A JP 2002135254A JP 2003328136 A JP2003328136 A JP 2003328136A
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gas
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Yutaka Araki
豊 新木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱ヒータによって発生する原料ガスの対流
を抑制し、高品質かつ均一性に優れた成膜を行なう気相
成長装置および気相成長法を提供する。 【解決手段】 気相成長装置1は、基板7上に気相成長
法を用いて膜を形成する気相成長装置であって、基板7
を取り囲む反応管3と、基板7を支持する頂面8bと、
頂面8bに連なる側面8aとを有する基板ホルダ8と、
反応管3内に原料ガスを導入するガス導入部11と、側
面8aに沿った形状を有し、かつ側面8aに向い合う側
面6aを含む予備加熱ヒータ6と、基板ホルダ8を加熱
する基板ヒータとを備える。予備加熱ヒータ6は、基板
ホルダ8の近傍で、かつ基板ホルダ8とガス導入部11
との間に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、気相成長装置お
よびこれを用いた気相成長法に関し、特に、気相温度を
制御するための加熱ヒータを有する気相成長装置、およ
びこれを用いた気相成長法に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱された基板に種々の原料ガスを供給
することで、原料ガスが化学反応を起こし基板上に成膜
される気相成長法は、半導体製造工程で広く用いられて
いる。気相成長法では、成膜に寄与する反応種が気相温
度により変化し、得られる結晶性に大きな影響を与え
る。このため、原料ガスが基板に達する前に気相温度を
制御し中間反応を最適化することで、成膜の品質を向上
させることができる場合がある。たとえば、有機金属ガ
スを原料ガスとして用いる有機金属気相成長法(MOC
VD;Metalorganic Chemical Vapor Deposition)にこ
のような手法を用いると、顕著に成膜の品質が向上す
る。したがって、基板を加熱する加熱ヒータのほかに、
基板上流において原料ガスの気相温度を制御するための
加熱ヒータを備えた気相成長装置が開発されている。
【0003】そして、このように原料ガスの気相温度を
制御するための加熱ヒータを備えた有機金属気相成長装
置が、特開平11−74202号公報に開示されてい
る。図10は、特開平11−74202号公報に開示さ
れている有機金属気相成長装置を示す断面図である。
【0004】図10を参照して、有機金属気相成長装置
101は、第1の加熱部110および第2の加熱部11
1を備える。第1の加熱部110は、加熱管103およ
びヒータ104から構成されている。加熱管103の一
方端にガス導入口102が形成されている。第2の加熱
部111は、高周波コイル105、リアクタ107およ
びサセプタ108から構成されている。リアクタ107
の一方端にガス排気口109が形成されている。基板1
06がサセプタ108上に設けられる。
【0005】原料ガスおよびキャリアガスが混合された
状態で、ガス導入口102から加熱管103に導入され
る。ヒータ104により原料ガスを加熱し気相温度を制
御する。加熱された原料ガスがリアクタ107に導入さ
れる。サセプタ108上の基板106は、リアクタ10
7の外部に設けられた高周波コイル105によって加熱
されている。原料ガスが加熱された基板106上に導か
れ、化学反応を経て基板106上に成膜される。原料ガ
スが、ガス排気口109を通じて排気される。
【0006】このように原料ガスは、基板106表面に
達する前にヒータ104によって所定の気相温度に設定
されるため、成膜に最適な温度で基板106上に原料ガ
スを導入することができる。このため、有機金属気相成
長装置101によれば良好な特性をもつ成膜を得ること
ができる。
【0007】また気相成長法では、供給する種々の原料
ガス間の不要な気相反応を抑制して、成膜の品質を向上
させることができる場合がある。たとえば、トリメチル
アルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TM
G)およびアンモニア(NH3)の3種の原料ガスから
基板上にAlGaN膜を成膜する場合、トリメチルアル
ミニウムおよびトリメチルガリウムとアンモニアが混合
された状態が長時間に渡ると成膜に不要な気相反応が生
じ、AlGaN膜の正常な成膜が妨げられる。したがっ
て、成膜を行なう基板の近傍までは、トリメチルアルミ
ニウムおよびトリメチルガリウムと、アンモニアとを別
々に供給し、基板の近傍に至ったときにこれらの原料ガ
スを混合するガス供給方法が望ましい。
【0008】そして、このように原料ガスを別々に供給
する手段を備えた横形有機金属気相成長結晶炉が、特開
2001−118799に開示されている。図11は、
特開2001−118799に開示されている横形有機
金属気相成長結晶炉を示す断面図である。
【0009】図11を参照して、横形有機金属気相成長
結晶炉121はガス導入路128を備え、ガス導入路1
28は上層路123および下層路124に分割されてい
る。ガス導入路128の一方端にはガス流入口122が
形成されている。横形有機金属気相成長結晶炉121は
下流部に、高温のサセプタ125を備える。サセプタ1
25上に基板126が設けられている。横形有機金属気
相成長結晶炉121の最下流部には、ガス流出口127
が形成されている。
【0010】たとえば、トリメチルアルミニウム(TM
A)、トリメチルガリウム(TMG)およびアンモニア
(NH3)の3種の原料ガスから基板126上にAlG
aN膜を成膜する場合、ガス流入口122から上層路1
23に向けてトリメチルアルミニウムおよびトリメチル
ガリウムを、下層路124に向けてアンモニアを導入す
る。トリメチルアルミニウム、トリメチルガリウムおよ
びアンモニアは、ガス合流面129で合流する。合流し
た原料ガスは、層流を維持した状態で高温に加熱された
基板126上に導かれ、化学反応を経て基板126上に
成膜される。原料ガスが、ガス流出口127から排気さ
れる。
【0011】このようにトリメチルアルミニウムおよび
トリメチルガリウムは上層路123から、アンモニアは
下層路124から基板126の近傍まで供給されるた
め、ガス導入路128を原料ガスが通過している間に成
膜に不要な反応が起こらない。さらに、これらの原料ガ
スはガス合流面129で合流するため、基板126の近
傍において原料ガスの供給は平面的に一様となってい
る。このため、基板126上の全面に渡って良好な特性
を持つAlGaN膜を成膜することができる。
【0012】図12は、従来技術において、原料ガスの
気相温度を制御するための加熱ヒータと、種々の原料ガ
スを別々に供給する手段とを備えた気相成長装置を示す
平面図である。図13は、図12中のXIII−XII
I線上に沿った断面図である。
【0013】図12および図13を参照して、気相成長
装置147は反応管141を備える。反応管141の一
方端にはガス供給口145が、他方端にはガス排気口1
46が形成されている。ガス供給口145は上下に分割
されており、ガス供給口145aおよびbが形成されて
いる。反応管141の底面に予備加熱ヒータ144およ
び基板ホルダ142が設けられている。予備加熱ヒータ
144は長方形形状を、基板ホルダ142は円形形状を
有する。基板ホルダ142の底面に接触するように、基
板ホルダ142とほぼ同一形状の基板加熱ヒータ148
が設けられている。基板ホルダ142の上面には、基板
143が設けられている。
【0014】ガス供給口145aからトリメチルアルミ
ニウムおよびトリメチルガリウムを、ガス供給口145
bからアンモニアをそれぞれ反応管141内に供給す
る。原料ガスは反応管141に入ると同時に予備加熱ヒ
ータ144によって加熱され、所定の気相温度に設定さ
れる。また基板加熱ヒータ148によって加熱された基
板ホルダ142の発熱効果から基板143は加熱されて
いる。原料ガスは、加熱された基板126上に導かれ、
化学反応を経て基板126上に成膜される。原料ガス
が、ガス排気口146から排気される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような気相成長装
置147によると、基板加熱ヒータ148によって加熱
された基板ホルダ142の発熱効果から、反応管141
内の原料ガスも加熱される。図14は、図12中に示す
反応管内の原料ガスの温度分布を示す図である。図15
は、図14中のXV−XV線上に沿った断面の原料ガス
の温度分布を示す図である。
【0016】図14および図15を参照して、原料ガス
が高温となる領域161は、予備加熱ヒータ144およ
び基板ホルダ142を中心とした領域となる。原料ガス
が中温度となる領域162が領域161を取り囲むよう
に広がる。原料ガスが低温度となる領域163が反応管
141の周縁部に広がる。
【0017】このように原料ガスの温度分布が反応管1
41の中心部で高温となり、両端部に近づくに従い低温
となることによって、反応管141内部の原料ガスに対
流が発生する。図16は、図14中のXV−XV線上に
沿った断面の原料ガスに発生する対流の様子を示す断面
図である。
【0018】図16を参照して、反応管141の下層部
で中心付近に位置する原料ガスが基板ホルダ142の発
熱効果によって加熱される。これにより反応管141の
中心付近では、原料ガスが下層部から上層部に向かう流
れが発生する。また、反応管141の両端部では、原料
ガスが上層部から下層部に向かう流れが発生する。
【0019】図14中のXV−XVに沿った断面の原料
ガスを見ると、上層部にはトリメチルアルミニウムおよ
びトリメチルガリウムが多く含まれており、また下層部
にはアンモニアが多く含まれている。このような状態の
原料ガスに上述の対流が発生すると、反応管141の中
心部と両端部とで原料ガスの均一性が乱され、基板14
3上で原料ガスの意図する混合状態を得ることができな
い。このため、基板143上に均一な成膜を行なうこと
ができないという問題が発生する。
【0020】そこでこの発明の目的は、上記の課題を解
決することであり、加熱ヒータによって発生する原料ガ
スの対流を抑制し、高品質かつ均一性に優れた成膜を行
なう気相成長装置および気相成長方法を提供することで
ある。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明に従った気相成
長装置は、被処理体上に気相成長法を用いて膜を形成す
る気相成長装置である。この気相成長装置は、被処理体
を取り囲む反応管と、被処理体を支持する頂面と、頂面
に連なる側面とを有する支持部材と、反応管内に原料ガ
スを導入するガス導入部と、側面に沿った形状を有し、
かつ側面に向い合う第1の面を含む第1の加熱部材と、
支持部材を加熱する第2の加熱部材とを備える。第1の
加熱部材は、支持部材の近傍で、かつ支持部材とガス導
入部との間に配置される。
【0022】このように構成された気相成長装置によれ
ば、支持部材の側面に沿った形状を有する第1の加熱部
材が、支持部材の近傍で、かつ支持部材とガス導入部と
の間に配置されている。このため、支持部材の形状がい
かなる形状であっても、ガス導入部から導入された原料
ガスが、第2の加熱部材によって加熱された支持部材に
よって不均一に加熱されることを抑制できる。これによ
り原料ガスに対流が発生することを防止して、被処理体
上に高品質かつ均一性に優れた成膜を行なうことができ
る。また、第1の加熱部材が原料ガスを加熱すること
で、原料ガスが被処理体上に達する前に気相温度を制御
することができる。これにより、気相成長法における原
料ガスの中間反応を最適化し、成膜の品質を向上させる
ことができる。
【0023】また好ましくは、支持部材は、円柱形状を
有し、第1の面は円柱の側面と同心円上に位置する凹状
面を有する。このように構成された気相成長装置によれ
ば、被処理体の断面が円形形状を有する場合、支持部材
の断面形状を被処理体の断面形状と同一または相似とす
ることができる。このため、支持部材の小型化を図る場
合においても、支持部材により被処理体を確実に支持す
ることができる。また、支持部材は円柱形状を有するた
め、支持部材の製造が容易になる。
【0024】また好ましくは、ガス導入部側に位置する
第1の加熱部材の第2の面は、原料ガスの流れる方向と
ほぼ直交するように延びる。このように構成された気相
成長装置のよれば、ガス導入部から導入された原料ガス
が、第1の加熱部材のガス導入部側に位置する第2の面
上を通過する際に、第1の加熱部材によって不均一に加
熱されることを抑制できる。これにより原料ガスに対流
が発生することを防止でき、被処理体上に高品質かつ均
一性に優れた成膜を行なうことができる。
【0025】また好ましくは、第1の加熱部材の頂面と
支持部材の頂面とは、ほぼ同一平面である。このように
構成された気相成長装置によれば、ガス導入部から導入
された原料ガスが第1の加熱部材と支持部材の境界を通
過する際に、第1の加熱部材の頂面と支持部材の頂面と
が形成する段差によって、原料ガスの流れに乱れが発生
することを防止できる。これにより、被処理体上に高品
質かつ均一性に優れた成膜を行なうことができる。
【0026】この発明に従った気相成長法は、上述のい
ずれかに記載の気相成長装置を用いた気相成長法であ
る。この気相成長法は、支持部材の頂面に被処理体を載
置するステップと、ガス導入部から原料ガスを導入する
とともに、第1の加熱部材で原料ガスを加熱して被処理
体上に膜を形成するステップとを備える。このように構
成された気相成長法によれば、第1の加熱部材が原料ガ
スを加熱することで、原料ガスが被処理体上に達する前
に気相温度を制御することができる。これにより、気相
成長法における原料ガスの中間反応を最適化し、成膜の
品質を向上させることができる。また、上述のいずれか
に記載の気相成長装置を用いているので、原料ガスに対
流が発生することを防止して、被処理体上に高品質かつ
均一性に優れた成膜を行なうことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態について、
図面を参照して説明する。
【0028】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1における気相成長装置を示す平面図である。図
2は、図1中のII−II線上に沿った気相成長装置を
示す断面図である。
【0029】図1および図2を参照して、気相成長装置
1は筐体2を備える。筐体2内部には反応管3が設けら
れている。反応管3の一方端にはガス導入管5が、反応
管3の他方端にはガス排気管9がそれぞれ筐体2の外部
に向かって接続されている。ガス導入管5は、筐体2の
外部に設けられたガス供給器4に接続されている。ガス
導入管5およびガス供給器4は、ガス導入部11を構成
している。反応管3は、高温および反応性雰囲気に耐性
がある材料、たとえば石英により形成されている。
【0030】反応管3の底面には、ガス導入部11から
近い順に予備加熱ヒータ6と基板ホルダ8が設けられて
いる。基板ホルダ8の底面に接触するように、基板加熱
ヒータ10が設けられている。反応管3の内部で、基板
ホルダ8の頂面8bに基板7が設けられている。
【0031】基板ホルダ8は円柱形状を有する。基板7
および基板加熱ヒータ10も円柱形状を有し、基板ホル
ダ8、基板7および基板加熱ヒータ10が同心円上に配
置されている。予備加熱ヒータ6の基板7側の側面6a
が基板ホルダ8の側面8aと同心円上にあるように、予
備加熱ヒータ6が基板ホルダ8と所定の間隔を隔てて設
けられている。予備加熱ヒータ6の頂面6bと基板ホル
ダ8の頂面8bが同一平面上にあるように、予備加熱ヒ
ータ6および基板ホルダ8が設けられている。
【0032】この発明の実施の形態1に従った気相成長
装置は、被処理体としての基板7上に気相成長法を用い
て膜を形成する気相成長装置1であって、基板7を取り
囲む反応管3と、基板7を支持する頂面8bと、頂面8
bに連なる側面8aとを有する支持部材としての基板ホ
ルダ8と、反応管3内に原料ガスを導入するガス導入部
11と、側面8aに沿った形状を有し、かつ側面8aに
向い合う第1の面としての側面6aを含む第1の加熱部
材としての予備加熱ヒータ6と、基板ホルダ8を加熱す
る第2の加熱部材としての基板加熱ヒータ10とを備え
る。予備加熱ヒータ6は、基板ホルダ8の近傍で、かつ
基板ホルダ8とガス導入部11との間に配置される。
【0033】予備加熱ヒータ6の頂面6bと基板ホルダ
8の頂面8bとは、ほぼ同一平面である。
【0034】なお実施の形態1における気相成長装置
は、図1中に示す円柱形状を有する基板ホルダ8に限ら
れるものではない。図3および図4は、異なる形状を有
する基板ホルダおよび予備加熱ヒータを示す平面図であ
る。
【0035】図3を参照して、基板ホルダ8の断面は長
円形状を有する。基板ホルダ8上には、原料ガスが流れ
る方向に対して垂直方向に3個の基板7が並んで設けら
れている。予備加熱ヒータ6の基板7側の側面6aが基
板ホルダ8の側面8aに沿うようにして、予備加熱ヒー
タ6が基板ホルダ8と所定の間隔を隔てて設けられてい
る。
【0036】図4を参照して、基板ホルダ8の断面は、
原料ガスが流れる方向にV字形状を有する。基板ホルダ
8上には、V字形状に沿って3個の基板7が設けられて
いる。予備加熱ヒータ6の基板7側の側面6aが基板ホ
ルダ8の側面8aに沿うようにして、予備加熱ヒータ6
が基板ホルダ8と所定の間隔を隔てて設けられている。
【0037】気相成長装置1を用いて基板7上に成膜を
行なう工程について、以下に説明する。
【0038】基板ホルダ8の頂面8bに基板7を載置す
る。基板7は、基板ホルダ8を介して基板加熱ヒータ1
0によって1000℃程度の温度まで加熱される。ガス
供給器4を用いて、ガス導入管5から反応管3内に原料
ガスであるトリメチルガリウム(TMG)およびアンモ
ニア(NH3)をキャリアガスである水素または窒素と
ともに注入する。
【0039】注入された原料ガスは、予備加熱ヒータ6
によって所定の温度まで加熱されて活性化し、気相中で
中間化学反応が生じる。原料ガスは反応管3の下流に進
み、基板7の近傍で基板加熱ヒータ10によって加熱さ
れた基板ホルダ8の放熱効果によりさらに加熱される。
原料ガスが基板7の表面に接触すると、基板7上にGa
N膜が成膜される。原料ガスは基板7上を通過したあ
と、ガス排気管9から排気される。
【0040】この発明の実施の形態1に従った気相成長
方法は、気相成長装置1を用いた気相成長法であり、基
板ホルダ8の頂面8bに基板7を載置するステップと、
ガス導入部11から原料ガスを導入するとともに、予備
加熱ヒータ6で原料ガスを加熱して基板7に膜を形成す
るステップとを備える。
【0041】図1中に示す気相成長装置1において、原
料ガスの熱流体シミュレーションを行なった。具体的に
は、基板ホルダ8の温度を1100℃、反応管3の下流
に向けたキャリアガスの流速を0.1m/sとした。反
応管3の高さを9mm、幅を90mm、基板ホルダ8の
直径を75mmとした。キャリアガスとして窒素を用い
た。
【0042】図5は、図1中のV−V線上に沿った断面
の原料ガスの速度分布ベクトル図である。図5中の矢印
の向きは原料ガスの流れの向きを示し、矢印の長さは原
料ガスの流速を示している。また反応管3の内部の断面
形状は中心軸に対して線対称であるため、原料ガスの下
流に向かって左側半分の計算結果のみを示している。
【0043】図5を参照して、反応管3の中心付近で下
層から上層に向けた原料ガスの流れが、反応管3の端部
で上層から下層に向けた原料ガスの流れが発生した。図
5中に示した反応管3の範囲において、全体として反時
計周りの循環流が発生した。原料ガスの循環流の速度
は、0.0015m/sから0.003m/sであっ
た。
【0044】比較例として、図1中に示す予備加熱ヒー
タ6とは形状が異なる予備加熱ヒータを用いて熱流体シ
ミュレーションを行なった。図6は、比較例として熱流
体シミュレーションを行なった気相成長装置を示す平面
図である。
【0045】図6を参照して、長方形形状を有する予備
加熱ヒータ31を用いた。この点を除けば、図1中に示
す気相成長装置1と同様の構成および条件のもとで熱流
体シミュレーションを行なった。
【0046】図7は、図6中のVII−VII線上に沿
った断面の原料ガスの速度分布ベクトル図である。図7
を参照して、図5に示した原料ガスと同様に全体として
反時計周りの循環流が発生した。原料ガスの循環流の速
度は、0.005m/sから0.007m/sであっ
た。したがって、図1中に示す気相成長装置1によれ
ば、比較例に対して原料ガスの循環流の速度を1/3か
ら1/5程度に低減できることが確認できた。
【0047】このように構成された気相成長装置によれ
ば、基板加熱ヒータ10によって加熱された基板ホルダ
8の放熱効果によって、反応管3内の原料ガスが不均一
に加熱されることを防止することができる。これによ
り、基板7上の原料ガスに発生する循環流の速度を軽減
させて、基板7上に高品質で均一性に優れた成膜を行な
うことができる。また、予備加熱ヒータ6の頂面6bと
基板ホルダ8の頂面8bとは、ほぼ同一平面であるた
め、原料ガスの流れが予備加熱ヒータ6と基板ホルダ8
の境界部分で乱されることがなく、基板7上に高品質で
均一性に優れた成膜を行なうことができる。
【0048】またこのように構成された気相成長法によ
れば、基板7上に成膜が行なわれる前に予備加熱ヒータ
6により原料ガスを加熱するので、気相温度を調節し原
料ガスの中間反応を最適化することができる。このた
め、基板7上に行なわれる成膜の品質を向上させること
ができる。
【0049】(実施の形態2)図8は、この発明の実施
の形態2における気相成長装置を示す平面図である。実
施の形態2では、予備加熱ヒータの断面形状が実施の形
態1と異なる。
【0050】図8を参照して、気相成長装置1は予備加
熱ヒータ21を備える。予備加熱ヒータ21の基板7側
の側面21aが基板ホルダ8の側面8aと同心円上にあ
るように、予備加熱ヒータ21が基板ホルダ8と所定の
間隔を隔てて設けられている。予備加熱ヒータ21のガ
ス導入部11側の側面21cが、原料ガスが流れる方向
に垂直方向に直線形状を有する。
【0051】この発明の実施の形態2に従った気相成長
装置は、基板ホルダ8は円柱形状を有し、予備加熱ヒー
タ21が含む側面21aは、円柱の側面8aと同心円上
に位置する凹状面を有する。ガス導入部11側に位置す
る予備加熱ヒータ21の第2の面としての側面21c
は、原料ガスの流れる方向とほぼ直交するように延び
る。
【0052】図8中に示す気相成長装置1において、実
施の形態1で行なった条件と同一条件のもと熱流体シミ
ュレーションを行なった。図9は、図8中のIX−IX
線上に沿った断面の原料ガスの速度分布ベクトル図であ
る。
【0053】図9を参照して、反応管3の中心付近で下
層から上層に向けた原料ガスの流れが、反応管3の端部
で上層から下層に向けた原料ガスの流れが発生した。図
9に示した反応管3の範囲において、全体として反時計
周りの循環流が発生した。原料ガスの循環流の速度は最
大で0.002m/sであった。したがって、図8中に
示す気相成長装置1によれば、実施の形態1における場
合と比較して原料ガスの循環流をさらに抑制できること
が確認できた。
【0054】このように構成された気相成長装置によれ
ば、原料ガスが予備加熱ヒータ21の側面21c上を通
過する際に予備加熱ヒータ21により不均一に加熱され
ることを抑制できる。このため、原料ガスに対流が発生
することをさらに抑制することができ、基板7上に高品
質かつ均一性に優れた成膜を行なうことができる。ま
た、基板ホルダ8は円柱形状を有するため、断面が円形
形状を有する基板7に合わせた形状とした場合にも基板
7を確実に支持することができる。また、基板ホルダ8
の製造が容易になる。
【0055】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0056】
【発明の効果】加熱ヒータによって発生する原料ガスの
対流を抑制し、高品質かつ均一性に優れた成膜を行なう
気相成長装置および気相成長方法を提供することができ
る。また、原料ガスの気相温度を制御することによっ
て、原料ガスの中間反応を最適化し成膜の品質を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における気相成長装
置を示す平面図である。
【図2】 図1中のII−II線上に沿った気相成長装
置を示す断面図である。
【図3】 異なる形状を有する基板ホルダおよび予備加
熱ヒータを示す平面図である。
【図4】 異なる形状を有する基板ホルダおよび予備加
熱ヒータを示す別の平面図である。
【図5】 図1中のV−V線上に沿った断面の原料ガス
の速度分布ベクトル図である。
【図6】 比較例として熱流体シミュレーションを行な
った気相成長装置を示す平面図である。
【図7】 図6中のVII−VII線上に沿った断面の
原料ガスの速度分布ベクトル図である。
【図8】 この発明の実施の形態2における気相成長装
置を示す平面図である。
【図9】 図8中のIX−IX線上に沿った断面の原料
ガスの速度分布ベクトル図である。
【図10】 特開平11−74202号公報に開示され
ている有機金属気相成長装置を示す断面図である。
【図11】 特開2001−118799に開示されて
いる横形有機金属気相成長結晶炉を示す断面図である。
【図12】 従来技術において、原料ガスの気相温度を
制御するための加熱ヒータと、種々の原料ガスを別々に
供給する手段とを備えた気相成長装置を示す平面図であ
る。
【図13】 図12中のXIII−XIII線上に沿っ
た断面図である。
【図14】 図12中に示す反応管内の原料ガスの温度
分布を示す図である。
【図15】 図14中のXV−XV線上に沿った断面の
原料ガスの温度分布を示す図である。
【図16】 図14中のXV−XV線上に沿った断面の
原料ガスに発生する対流の様子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 気相成長装置、3 反応管、6,21 予備加熱ヒ
ータ、6a,8a,21a,21c 側面、6b,8b
頂面、7 基板、8 基板ホルダ、10 基板加熱ヒ
ータ、11 ガス導入部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 BC04 BD05 BD14 CA02 DA02 EA06 EB21 EE02 EE31 FA05 4K030 AA11 AA13 BA02 BA08 BA38 EA06 GA02 KA09 KA23 LA12 5F045 AA04 AB14 AC08 AC15 AD15 BB02 DP04 DP20 DQ10 EK22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理体上に気相成長法を用いて膜を形
    成する気相成長装置であって、 被処理体を取り囲む反応管と、 被処理体を支持する頂面と、前記頂面に連なる側面とを
    有する支持部材と、 前記反応管内に原料ガスを導入するガス導入部と、 前記側面に沿った形状を有し、かつ前記側面に向い合う
    第1の面を含む第1の加熱部材と、 前記支持部材を加熱する第2の加熱部材とを備え、 前記第1の加熱部材は、前記支持部材の近傍で、かつ前
    記支持部材と前記ガス導入部との間に配置される、気相
    成長装置。
  2. 【請求項2】 前記支持部材は、円柱形状を有し、 前記第1の面は前記円柱の側面と同心円上に位置する凹
    状面を有する、請求項1に記載の気相成長装置。
  3. 【請求項3】 前記ガス導入部側に位置する前記第1の
    加熱部材の第2の面は、原料ガスの流れる方向とほぼ直
    交するように延びる、請求項1または2に記載の気相成
    長装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の加熱部材の頂面と前記支持部
    材の頂面とは、ほぼ同一平面である、請求項1から3の
    いずれか1項に記載の気相成長装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    気相成長装置を用いた気相成長法であって、 前記支持部材の頂面に被処理体を載置するステップと、 前記ガス導入部から原料ガスを導入するとともに、前記
    第1の加熱部材で原料ガスを加熱して前記被処理体上に
    膜を形成するステップとを備えた、気相成長法。
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KR101525210B1 (ko) * 2013-12-20 2015-06-05 주식회사 유진테크 기판 처리장치

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