JP3047969B2 - ガス拡大整流器 - Google Patents

ガス拡大整流器

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JP3047969B2
JP3047969B2 JP9317272A JP31727297A JP3047969B2 JP 3047969 B2 JP3047969 B2 JP 3047969B2 JP 9317272 A JP9317272 A JP 9317272A JP 31727297 A JP31727297 A JP 31727297A JP 3047969 B2 JP3047969 B2 JP 3047969B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスの整粒拡大に
関し、特に気相成長(Chemical Vapor Deposition: CVD)
装置の反応室へのガス導入部やガス分配部におけるガス
の均一分配に関する。
【0002】
【従来の技術】気相成長の一つである有機金属気相成長
((Metalorganic Vapor Phase Epitaxy: MOVPE)は、近
年、半導体レーザの化合物半導体の結晶成長方法として
用いられている。このMOVPE結晶成長法により結晶
成長が行われる様子を述べる。図8は、MOVPE結晶
成長装置の従来の反応管を示す模式図である。MOVP
E結晶成長では、トリメチルアルミニウムや、トリメチ
ルガリウム、トリメチルインジウムなどの有機金属およ
びアルシン、ホスフィンなどの水素化物を原料としてい
る。これら原料の種類または濃度比を変えることによ
り、異なる化合物半導体結晶を成長させることができ
る。例えば、AlGaAs化合物半導体結晶を成長させ
る場合には、トリメチルアルミニウム201とトリメチ
ルガリウム202、アルシン203を原料とする。これ
らの原料を水素や窒素などのキャリアガス中に混合し混
合ガス100として配管208を流す。配管208は、
反応管101に接続される。反応室101には、基板1
03を支持するサセプタ102と、基板103が設置さ
れる。サセプタ102を高周波の電磁誘導により加熱す
るために、反応室101の外側には、高周波コイル10
4が設けられる。また反応室101の外壁を冷却するた
め冷却水105を流す。反応室101はさらに、ガスを
排出するための排気機構106に接続される。この排気
機構106の排気量を調節することにより、反応室10
1の圧力を変えることができる。サセプタ102を加熱
し、反応室上流の配管208から原料を含んだ混合ガス
100を流すことにより、基板103上で原料の熱分解
が起こり結晶成長が始まる。
【0003】ここまでMOVPE成長について述べてき
たが、MOVPE成長に限らず一般的に気相成長装置
は、複数のガスが混合され、その混合ガスが配管によっ
て反応室へ導かれる構成となっている。反応室で混合ガ
スは加熱された基板全体にわたって流れ、原料が熱分解
され基板全体で成長が行われる。
【0004】結晶成長速度や結晶の組成を基板全体で均
一にするためには、ガスの流れ(流速やガス成分)が基
板103上で均一であることが必要となる。一般的に反
応室101にガスを導く配管208の断面積は成長が行
われる反応室101または基板103の面積に対して小
さい。そのため、ガスの流れを基板103上で均一にす
るためには、配管208から反応室101の基板までの
間でガスの流れを均一に広げる必要がある。その手法の
一つとして、ホーンのように徐々に配管を広げる形状が
用いられている(例えば、特開昭62−061318号
公報や特開平3−111571号公報)。図9は、ホー
ンの形状の一例を示す模式図である。ガスは、ガス導入
用配管8を通って導入口1に誘導され、導入口1からホ
ーン204でガスが広がり、排出口3から排気される。
このように配管を徐々に広げる形状を採る理由は、急激
に配管を広げるとガスの流れが壁面から剥がれ、流速が
壁面付近で遅くなったり、極端な場合壁面付近で逆流が
起こったりし、流速がホーンの中央と周辺で差が生じ、
基板上の結晶成長が不均一になるからである。
【0005】しかしながら、単なるホーン形状だけでは
ガスの流れを均一に広げられないことは、既に課題とな
っていた。その解決策としては、ホーンの壁に小さな排
気口を設け、ホーン壁付近の流速を速めるように工夫し
たもの(特開昭62−061318号公報)、ホーンを
出た後、ガス通路を狭めることにより流速を増大させ逆
流を防ぐもの(特開昭63−134600号公報)、ホ
ーンの根元にガスを強制的に広げるような流れを形成す
る噴射口を設けたもの(特開平1−082614号公
報)、ホーン内部にフィンを設けたもの(特開平1−3
15130号公報)、ホーンの根元にガスを広げるため
の衝立てを設けたもの(特開平6−005525号公
報)が提案されている。そのほかの手法として、小さな
穴を多数開けた板を通す方法も提案されている(特開平
1−047018号公報、特開平1−081216号公
報、特開平1−081217号公報、特開平7−050
260号公報、特開平6−216033号公報)。この
方法は、小さな穴をガスが通る際、差圧が生じるためガ
スが拡がるという効果を利用している。また小さな穴で
はなく、流速を制御する機構を有した複数の導入口を設
けることによりガスを広げるものも提案されている(特
開昭62−229927号公報、特開平4−33863
6号公報)。さらに複数の導入口に、それぞれホーンを
設けた構造も提案されている(特開平4−187594
号公報、特開平5−291151号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ホーン型の場合、様々な工夫が提案されているが、いず
れの工夫であっても減圧状態や流速が速い場合には、ホ
ーン形状を長くしなければならなかったり、極端な場合
には長くしてもガスの流れを十分に広げられなかったり
するという課題があった。また小さな穴を用いた場合も
同様で、減圧状態や流速が速い場合には、穴を極端に小
さくしなければならなかったり、逆に小さくするとガス
は拡がるがその板の上流側で逆流が生じてしまうという
課題があった。また、小さな穴を精度よく作製しなけれ
ばならないという課題もあった。流量制御機構を有した
複数の導入口の場合、導入口を敷き詰めた構造とすれば
均一な流れになるが流量制御機構が膨大になるという欠
点があった。逆に導入口を間引した構造とすれば流量制
御機構は現実的な程度に抑えられるが、間引された領域
の流速は低下し均一性が損なわれるという課題があっ
た。
【0007】本発明の目的は、省スペースでありなが
ら、逆流を抑え、減圧状態や流速が速い場合でも確実
に、細い配管から導入されるガスの流れを均一に広げる
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】ガスの整流拡大に関する
第1の本発明は、配管に接続されるガス導入口と、一方
向を向いた扁平なガス排出口とを有し、そのガス導入口
とガス排出口との間が扁平なガス通路で構成され、かつ
その扁平なガス通路の高さが端や通路の折れ曲がり部分
を除き一様で、かつその扁平なガス通路上におけるガス
導入口の中心点とガス排出口の任意の点との最短距離が
すべて±10%以内で等しいことを特徴とするガス拡大
整流器である。
【0009】第2の本発明のガス拡大整流器は、第1の
発明の特徴のもとに、ガス導入口が扁平なガス通路の端
にあることを特徴としている。
【0010】第3の本発明のガス拡大整流器は、配管に
接続されるガス導入口と、一方向を向いた扁平なガス排
出口とを有し、そのガス導入口とガス排出口との間が扁
平なガス通路で構成され、かつその扁平なガス通路上に
おいてガス導入口の中心点とガス排出口の任意の点とを
最短で結んだときに得られる、そのガス排出口の点の扁
平方向の微小変位に相当するガス導入口の中心点の回り
の微小変位角が、ガス排出口のいかなる点の場合でも±
10%以内で等しいことを特徴としている。
【0011】第4の本発明のガス拡大整流器は、第3の
発明の特徴のもとに、ガス導入口が扁平なガス通路の端
にあることを特徴としている。
【0012】第5の本発明のガス拡大整流器は、第1の
発明および第3の発明の特徴を同時に満たすことを特徴
としている。
【0013】第6の本発明のガス拡大整流器は、第5の
発明の特徴のもとに、ガス導入口が扁平なガス通路の端
にあることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて、各発明の作用の原理とともに、図面を用いて説明
する。
【0015】図1(a)は、第1の発明の一実施例を示
す正面図、図1(b)は、第1の発明を示す立面図、図
1(c)は、第1の発明を示す底面図である。図2から
図4までには、同様にそれぞれ第2から第4までの発明
の一実施例を示してある。本発明のガス拡大整流器は第
1から第6の発明まですべて、ガス導入用の配管が接続
される導入口1、扁平な通路2、および排出口3から構
成されることを特徴としている。第1および第2の発明
では、扁平な通路2は、端や通路の折れ曲がり部分4を
除き高さが一様で、かつ、その扁平な通路2上における
導入口の中心点5と排出口の任意の点6との最短経路7
の距離がすべて等しいという特徴を有する。このような
扁平な通路2の一例として図1(a)に示す放物線型形
状がある。導入口の中心点5は、図1(a)の通路の折
れ曲がり部分4の形状である放物線の焦点に位置する。
その場合、最短経路7は、排出口の任意の点6が排出口
のいずれの位置であっても距離が等しい。このような構
成とすると、ガス導入用配管8から導入されたガスは扁
平な通路2で壁面より抵抗を受け、上流から下流に向か
って僅かながら圧力降下(差圧)が生じる。この圧力降
下を導入口1から排出口3までガスの流れに沿って足し
合わせた(積分した)ものが、導入口1と排出口3の圧
力差に相当する。ガスは、導入口1と排出口3の圧力差
をできる限り小さくするようになるべく最短経路7を通
り、また流速を低減して圧力差を小さくするようにでき
る限り拡がる。さらに導入口1および排出口3は扁平な
通路2と反対側に扁平な通路2に比べ広い空間をそれぞ
れもっているため、導入口1および排出口3のそれぞれ
の内の各点の圧力は一様(同圧)でなければならない
(正確には、扁平な通路2で生じる圧力差に比べて十分
に小さい圧力差はあってもよい)。そのためガスはさら
に、排出口3のいかなる点から流れ出すガスであっても
導入口1と排出口3の圧力差が等しいという条件を満足
するように流れる。一般的に高さが一定の通路を一定距
離流れたときの圧力降下の大きさは流速のみに依存す
る。本発明では、導入口の中心点5と排出口の任意の点
6との最短距離をすべて等しくし、かつ高さを一定とし
てある。そのため前述の条件、導入口1と排出口の任意
の点6との圧力差が等しいという条件を満足するには、
導入口の中心点5と排出口の任意の点6との最短距離を
結ぶ等距離な最短経路7を一様な流速で流れればよい。
すると排出口のすべての点での流速が等しくなり、反応
室に均一な流速のガスを流れ込ませることが可能にな
る。
【0016】また第1および第2の発明は導入口1から
排出口3までのどの経路をとってもその高さと距離が等
しいため、導入口1から排出口3までガスが流れる時間
が等しいという特徴も備えている。すなわちガス切り換
え時において排出口の各点のガス成分が同時に切り換わ
る。このようなガスの同時性がない場合、ガス成分の濃
度差による拡散が生じ、切り換え前のガスの中に切り換
え後のガスの成分が混じり、切り換え後のガスの中に切
り換え前のガスの成分が混じり、急峻なガスの切り換え
が阻害される。
【0017】次に第1の発明に対する第2の発明の関係
を述べる。第1の発明では導入口1が扁平な通路2の端
にないため、導入口1から導入されるガスが僅かではあ
るが逆方向に流れるものがある。この流れは、渦を形成
する、いわゆる逆流とは異なり、その意味では逆流はな
いといえる。しかし逆方向への流れは扁平な通路の端に
ぶつかるところでよどみ9が生じることになり、導入さ
れるガスの成分をある時点で切り換えたとき、排出口か
ら排出されるガスはしばらくの間よどみ9の残留成分を
含み、ガスの急峻な切り換えが阻害される。この欠点を
取り除いたのが第2の発明である。図2(a)は、第2
の発明の一実施例を示す正面図、図2(b)は、第2の
発明を示す立面図、図2(c)は、第2の発明を示す底
面図である。導入口が扁平な通路の端にあるため、導入
口から導入されるガスはすべて排出口に向かって流れ出
す。よどみを生じないためガスが急峻に切り換えられ
る。
【0018】図3(a)は、第3の発明の一実施例を示
す正面図、図3(b)は、第3の発明を示す立面図、図
3(c)は、第3の発明を示す底面図である。第3およ
び第4の発明の扁平な通路2は、その扁平な通路2上に
おいて導入口の中心点5と排出口の任意の点6とを最短
で結んだときに得られる、その排出口の任意の点6の扁
平方向の微小変位角Δx10に相当する導入口の中心点
5の回りの微小変位角Δθ11が、排出口3のいかなる
点においても等しいという特徴を有する。このような扁
平な通路2の例として図3(a)に示す曲線型形状があ
る。図3のようにx軸とy軸を設け、排出口の幅12を
Wとし、導入口の中心点5とx軸との距離13をFとす
れば、折れ曲がり部4上の点T(x,y)は、
【0019】
【数1】 という関係で表される。このような構成とすると、ガス
導入用配管8から導入されたガスは扁平な通路2で壁面
より抵抗を受け、上流から下流に向かって僅かながら圧
力降下(差圧)が生じる。ガスは、導入口1と排出口3
の圧力差をできる限り小さくするようになるべく最短経
路7を通り、また流速を低減して圧力差を小さくするよ
うにできる限り拡がる。後者の作用により導入口1にお
いて扁平な通路2に拡がるとき、ガスは角度θに対して
均等に分配されるように流れる。本発明では、前述した
通り、扁平な通路2上において導入口の中心点5と排出
口の任意の点6とを最短で結んだときに得られる、その
排出口3の点の扁平方向の微小変位Δx10に相当する
導入口の中心点5の回りに微小変位角Δθ11が、排出
口3のいかなる点においても等しくしてある。そのため
導入口1において角度θに対して均等に分配されたガス
は、導入口1と排出口3の最短経路7をガスが流れると
すれば、排出口3においても扁平方向に均等に分配され
ることになる。すると排出口3の各点での流速が等しく
なり、反応室に均一な流速のガスを流れ込ませることが
可能になる。
【0020】図4(a)は、第4の発明の一実施例を示
す正面図、図4(b)は、第4の発明を示す立面図、図
4(c)は、第4の発明を示す底面図である。第1の発
明に対する第2の発明の改良と同様に、第3の発明に対
しても第4の発明の改良が成り立つ。すなわち第3の発
明のよどみ9の欠点を解消したものが第4の発明であ
る。作用は第1に対する第2の発明の説明で述べたこと
と同様である。
【0021】第5の発明は第1の発明と第3の発明をと
もに成立するようにしたもので両発明の特徴を引き継い
でいる。ガスおよび扁平な配管の性質により、第1の発
明が有効であったり、第3の発明が有効であったりする
が、第5の発明ならばどちらの発明に対して有効かを問
う必要がないので、混合ガスの成分の組み合わせの制限
がなくなる利点が生じる。
【0022】第1の発明に対する第2の発明の改良と同
様に、第5の発明に対しても第6の発明の改良が成り立
つ。すなわち第5の発明のよどみの欠点を解消したもの
が第6の発明である。
【0023】作用は第1に対する第2の発明の説明で述
べたことと同様である。
【0024】なお、上述の第1から第6までの発明にお
いて、最短距離7または微小変位角Δθ11を厳密に等
しくしなくても、ガスは粘性のため周囲のガスも同じ流
速にしようとする働きがあるため、上記の効果は発揮さ
れる。経験上±10%程度はずれていても均一性に顕著
な異常は見られなかった。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、特許請求の範囲内であれば適宜変更できるものであ
る。実施例1 図1(a)は、第1の発明の一実施例を示す正面図、図
1(b)は、第1の発明を示す立面図、図1(c)は、
第1の発明を示す底面図である。本発明のガス拡大整流
器は第1から第6の発明まですべて、導入口1、扁平な
通路2、および排出口3から構成されている。この扁平
な通路2を形成する材質としては、石英ガラスやステン
レスなど、通路を流れるガスと反応せず、また不純物が
湧き出てこないものが結晶成長上望ましい。扁平の程度
は、通路の幅と高さの比で示すと、10:1以上でガス
を均一に拡大する効果が顕著になった。ただし、この結
果は水素ガスを用いた場合である。この比はガスの種類
に依存するので、本発明はこの数値に限定されるもので
はない。扁平な通路2に温度分布があると、ガスの流れ
の抵抗に相当する粘性が場所によって変わってしまうの
で、ガスを均一に拡げることが妨げられる。そのため、
温度分布が一様になるように制御することが望ましい。
【0026】実施例2 実施例1に述べたような本発明のガス拡大整流器を、気
相成長の一つの例であるMOVPE法結晶成長装置に適
用した例を述べる。
【0027】図5は、第2の発明のガス拡大整流器を搭
載した、MOVPE結晶成長装置の反応管を示す模式図
である。MOVPE結晶成長では、トリメチルアルミニ
ウムや、トリメチルガリウム、トリメチルインジウムな
どの有機金属およびアルシン、ホスフィンなどの水素化
物を原料とし、成長する結晶に応じて原料を変える。例
えば、AlGaAs化合物半導体結晶を成長する場合に
は、トリメチルアルミニウムとトリメチルガリウム、ア
ルシンを原料とする。これらの原料を水素や窒素などの
キャリアガス中に混合し混合ガス100として配管を流
す。この混合ガス100はガス導入用配管8により本発
明のガス拡大整流器の導入口1に誘導される。ガス拡大
整流器の排出口3は、成長が行われる反応室101に接
続される。その反応室101は、本発明のガス拡大整流
器の効果を維持しやすいように、矩形が好ましい。反応
室101においては、基板を支持するサセプタ102
と、サセプタを加熱する機構、基板013が設置され
る。サセプタ102の材質としては、カーボンやモリブ
デンなど高温においてもキャリアガスや原料に対して安
定な材質が望ましい。サセプタを加熱する機構として
は、高周波を利用した電磁誘導加熱や、赤外線を利用し
たランプ加熱、電流を利用した抵抗加熱などがある。図
5では電磁誘導加熱を例とし、高周波コイル104が設
けられている。また反応室101の外壁を冷却するため
冷却水105を流す。反応室101はさらに、ガスを排
出するための排気機構106に接続される。この排気機
構106の排気量を調節することにより、反応室101
の圧力を変えることができる。本発明のガス拡大整流器
は、常圧はもちろん減圧においても作用するため、圧力
に関する適用範囲が広く、成長条件に制限を与えないと
いう利点がある。
【0028】このような構成において、原料ガスは、ガ
ス導入用配管8を通過し、本発明のガス拡大整流器によ
って扁平かつ一様にガス拡大され、反応室101へ導入
される。反応室101においては、サセプタ102を加
熱する機構によって加熱されたサセプタ102が、基板
103を支持するとともに基板103を加熱する。加熱
された基板103上では、原料ガスは熱分解し、基板1
03上に結晶成長をする。流速が一様であるため、流れ
に対して垂直な方向では、結晶成長速度は均一となる。
【0029】実際に、高周波コイル104に高周波を流
し、電磁誘導加熱によりサセプタ102の温度を700
℃とし、反応室101の圧力を70Torr、水素をキ
ャリアガスとして、トリメチルアルミニウム、トリメチ
ルガリウム、アルシンの混合ガス100を反応室101
に流し、結晶成長を行った。図6は基板上の成長速度の
分布を示すグラフである。横軸が流れに垂直な方向の基
板103上の位置を表し、縦軸がAlGaAsの成長速
度を表す。本発明のガス拡大整流器を用いた場合は、従
来のホーン形状のガス拡大整流器を用いた場合に比べ、
成長速度の均一性が格段に向上した。
【0030】実施例3 原料ガスが反応室にまで到達する前に原料同士中間反応
が生じる場合がある。例えばトリメチルインジウムとホ
スフィンの組み合わせがある。この中間反応を防ぐため
には、反応しやすい原料ガスを反応室直前で混合するよ
うに、その前までは分離した構造が考えられる。そのた
めには、ガス導入用配管8を増設し、さらに本発明のガ
ス拡大整流器も同数増設し、それら複数のガス拡大整流
器の排出口3を近接した配置とすることにより実現でき
る。図7は、その一実施例である、第2の発明のガス拡
大整流器を2個密着させた構造を示す立面図である。
【0031】ここでMOVPE成長を例に挙げたが、一
般的な気相成長に適用可能であることは言うまでもな
い。
【0032】本発明のガス拡大整流器の排出口に、均等
な分割板を設け、その分割された領域ごとに配管に接続
することにより、等流量にガスを分けるガス分配器とし
て用いることもできる。
【0033】本発明のガス拡大整流器の排出口に、均等
に穴の空いた板で塞ぐ構成とすることにより、各穴から
均等なガスを吹き出させることが可能になる。一応用例
としては、有機金属原料をキャリアガスでバブリングす
る際の、バブリングガスの吹き出し口が考えられる。
【0034】本発明のガス拡大整流器の排出口を大気に
開放した構成では、他の応用例として例えば窒素ガスを
導入した場合、幅広い面積の基板を一様にブローするこ
とができる。
【0035】本発明では、ガスを想定して述べてきた
が、液体であっても粘性にあった扁平な通路を構成すれ
ば、適用可能である。
【0036】本発明では、ガスを均等に拡げることを想
定して述べてきたが、ガスを逆に流すことにより、均一
に吸引することも可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明を気相成長装置や特にMOVPE
装置の反応室へのガス導入部に用いることにより、流れ
に対して垂直方向で均一な結晶成長を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の本発明の一実施例を示す図面で、(a)
は正面図、(b)は立面図、(c)は底面図である。
【図2】第2の本発明の一実施例を示す図面で、(a)
は正面図、(b)は立面図、(c)は底面図である。
【図3】第3の本発明の一実施例を示す図面で、(a)
は正面図、(b)は立面図、(c)は底面図である。
【図4】第4の本発明の一実施例を示す図面で、(a)
は正面図、(b)は立面図、(c)は底面図である。
【図5】第2の本発明のガス拡大整流器を搭載した、M
OVPE結晶生長装置の反応管を示す模式図である。
【図6】基板上の成長速度の分布を示すグラフである。
【図7】第2の本発明のガス拡大整流器を2個密着させ
た構造を示す立面図である。
【図8】MOVPE結晶成長装置の従来の反応管を示す
模式図である。
【図9】従来のホーン形状のガス拡大整流器の一例を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 ガス導入口 2 扁平なガス通路 3 ガス排出口 4 ガス通路の折れ曲がり部分 5 ガス導入口の中心点 6 ガス排出口の任意の点 7 ガス拡大整流器の扁平なガス通路における、ガス
導入口の中心点と、ガス排出口の任意の点との最短経路 8 ガス導入用配管 9 よどみ 10 ガス排出口の扁平方向の微小変位Δx 11 ガス導入口の中心点の回りの微小変位角Δθ 12 ガス排出口の幅W 13 ガス導入口の中心点とx軸との距離F 100 混合ガス 101 反応室 102 サセプタ 103 基板 104 高周波コイル 105 冷却水 106 排気機構 200 水素 201 水素ベースのトリメチルアルミニウム 202 水素ベースのトリメチルガリウム 203 水素ベースのアルシン 204 ホーン 208 配管

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配管に接続されるガス導入口と、一方向
    を向いた扁平なガス排出口とを有し、そのガス導入口と
    ガス排出口との間が扁平なガス通路で構成され、かつそ
    の扁平なガス通路の高さが端や通路の折れ曲がり部分を
    除き一様で、かつその扁平なガス通路上におけるガス導
    入口の中心点とガス排出口の任意の点との最短距離がす
    べて±10%以内で等しいことを特徴とするガス拡大整
    流器。
  2. 【請求項2】 前記ガス導入口が前記扁平なガス通路の
    端にある、請求項1に記載のガス拡大整流器。
  3. 【請求項3】 配管に接続されるガス導入口と、一方向
    を向いた扁平なガス排出口とを有し、そのガス導入口と
    ガス排出口との間が扁平なガス通路で構成され、かつそ
    の扁平なガス通路上においてガス導入口の中心点とガス
    排出口の任意の点とを最短で結んだときに得られる、そ
    のガス排出口の点の扁平方向の微小変位に相当するガス
    導入口の中心点の回りの微小変位角が、ガス排出口のい
    かなる点の場合でも±10%以内で等しいことを特徴と
    するガス拡大整流器。
  4. 【請求項4】 前記ガス導入口が前記扁平なガス通路の
    端にある、請求項3に記載のガス拡大整流器。
  5. 【請求項5】 配管に接続されるガス導入口と、一方向
    を向いた扁平なガス排出口とを有し、そのガス導入口と
    ガス排出口との間が扁平なガス通路で構成され、かつそ
    の扁平なガス通路の高さが端や通路の折れ曲がり部分を
    除き一様で、かつその扁平なガス通路上におけるガス導
    入口の中心点とガス排出口の任意の点との最短距離がす
    べて±10%以内で等しく、かつその扁平なガス通路上
    においてガス導入口の中心点とガス排出口の任意の点と
    を最短で結んだときに得られる、そのガス排出口の点の
    扁平方向の微小変位に相当するガス導入口の中心点の回
    りの微小変位角が、ガス排出口のいかなる点の場合でも
    ±10%以内で等しいことを特徴とするガス拡大整流
    器。
  6. 【請求項6】 前記ガス導入口が前記扁平なガス通路の
    端にある、請求項5に記載のガス拡大整流器。
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