JP2881828B2 - 気相成長装置及び気相成長方法 - Google Patents

気相成長装置及び気相成長方法

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【発明の詳細な説明】 〔概要〕 横型の気相成長装置に関し、 膜厚分布が均一な気相成長装置を実用化することを目
的とし、 サセプタ(2)上に載置した被処理基板(3)を加熱
しながら、流入口(6)より原料ガスを炉内に供給して
気相成長を行う横型成長炉において、サセプタ(2)と
天井との間に原料ガスの流入側は高く、排出側に行くに
従って低くなる高さ可変の耐熱板(13)を設け、原料ガ
スの被処理基板(3)面への流量調整を行うと共に、高
さ可変の耐熱板(13)と天井との間にキャリアガスを通
じ、原料ガス流通部(17)との差圧を正に保つと共に、
炉内に供給する原料ガスの交換を行う際に生ずる待ち時
間を利用して耐熱板(13)の傾きを変えることを特徴と
して気相成長方法を構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は気相成長装置とその成長方法に関する。
半導体集積回路の製造工程において、半導体層や絶縁
層の形成には気相成長法(Chemical Vapor Deposition
法,略してCVD法)が多用されている。
特に、化合物半導体基板上に不純物濃度を変えたり、
組成を変えたり、伝導型を変えたりした化合物半導体層
を形成する場合には、加熱してある被処理基板上に蒸気
圧の高い複数の有機金属化合物をキャリアガスと共に炉
内に供給し、被処理基板上で熱分解させると共に、化学
反応せしめて化合物半導体層を形成させており、かゝる
気相成長法は有機金属気相成長法(Metal Organic Chem
ical Vapor Deposition略してMOCVD法)として区別され
ている。
このような気相成長は横型のCVD炉を用いて行われて
いるが、気相成長の必要条件は被処理基板の全域に亙っ
て均一な膜厚で半導体層の成長が行われることである。
〔従来の技術〕
第7図(A),(B)は従来のMOCVD炉の構成を示す
断面図であって、石英などからなる反応管1の中にカー
ボンからなるサセプタ2があり、この上にガリウム・砒
素(GaAs)などの半導体からなる被処理基板3が載置さ
れている。
また、サセプタ2が設置されている反応管1の下側に
は複数個の赤外線ランプ4があり、反射鏡5により集光
してサセプタ2を加熱するよう構成されている。
そして、水素(H2)などをキャリアとし、GaAs膜を形
成する場合にはトリメチルガリウム〔(Ga(CH3
とアルシン(AsH3)の蒸気を、またインジウム・燐(In
P)膜を形成する場合にはトリメチルインジウム〔In(C
H3〕とフォスフィン(PH3)の蒸気をキャリアガス
と共に、反応管1の流入口6より、例えば全ガス流量10
/分,反応管内圧力1気圧の条件で供給すると共に、
サセプタ2を500〜700℃に加熱することにより被処理基
板3の上で化学反応を生じさせ、GaAsやInPからなる被
処理基板3の上にGaAsやInPの薄膜を形成している。
然し、原料ガスは被処理基板3の上で上流側から下流
側にかけて徐々に消費されるために形成される膜厚は被
処理基板3の上流側で厚く、下流側で薄くなる。
第8図は被処理基板として半導体ウエハを用いた場合
の膜厚分布を示すもので、ウエハの直径をLとする場合
に上流側から下流側にかけて実線7で示すような膜厚分
布となっている。
かゝる膜厚分布を解決する方法として第7図(B)に
示すようにサセプタ2を傾けることが行われている。
すなわち、サセプタ2を5〜10゜傾けることにより第
8図の破線8で示すように膜厚分布を均一化することが
可能となる。
然し、最適な傾き角を得るには何回かのサセプタの試
作と成長実験が必要であり、また成長膜の組成に応じて
傾き角を変える必要があり、実際的ではない。
例えば、In0.47Ga0.53As/InPのヘテロ接合結晶膜の成
長において、最適角に傾けたサセプタを用い、第6図の
実線9で示すようにInP膜を膜厚分布よく形成しても、
この傾き角ではIn0.47Ga0.53Asは破線10に示すような膜
厚分布となると云う問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上記したように横型のCVD炉を用いて被処理基板上
に膜成長を行う場合には原料ガスの濃度が析出によって
上流より下流に到るに従って減少するために、膜厚分布
を一定に保つことは困難である。
そこで、これを解決するために傾き角を変えたサセプ
タが用いられているが、ヘテロ接合結晶膜の製造におい
ては一方の結晶に傾き角を合わせると、他の結晶成長で
は傾斜した膜厚分布がつくと云う問題があり、解決が必
要であった。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題は、サセプタ上に載置した被処理基板を加
熱しながら、原料ガス流入口より原料ガスを炉内に供給
して気相成長を行なう横型成長炉において、前記サセプ
タと該横型成長炉の天井との間に設けられ前記原料ガス
の流入側は高く、排出側に行くにしたがって低くなる高
さ可変の耐熱板と、該耐熱板と該天井との間にキャリア
ガスを供給するための1乃至複数個のキャリアガス流入
口を設けた気相成長装置、及び、前記気相成長装置を用
い、該原料ガス流入口より前記原料ガスを前記炉内へ供
給するとともに、該キャリアガス流入口より前記キャリ
アガスを前記サセプタと該横型成長炉の天井との間に供
給し、且つ該キャリアガスの圧力と該原料ガスの圧力と
の差圧を正に保つ気相成長方法、ないし、前記気相成長
装置を用いて前記被処理基板上にヘテロ接合膜の成長を
行なうにあたり、前記炉内に供給する前記原料ガスの交
換を行う際に生ずる待ち時間を利用して前記耐熱板の傾
きを変える気相成長方法によって解決することができ
る。
〔作用〕
被処理基板上に膜厚分布の均一な薄膜を成長させる方
法として、従来は成長させる材料に合わせて傾き角のサ
セプタを使用していたが、本発明はサセプタは従来と同
じ平坦な構造とし、その代わりに横型炉のサセプタと天
井の間に原料ガスの流入側は高く、排出側に行くほど低
くなる高さ可変の耐熱板を用い、これにより原料ガスの
流量調節を行うもので、傾斜したサセプタを用いたと同
じ効果を得るものである。
第1図および第2図は本発明に係るCVD装置の原理図
を示すもので、第1図は反応管1の上部に2個のベロー
ズ11を設け、フック12を備えた耐熱板13を吊り下げると
共に、ベローズ11の伸縮により耐熱板13の傾き角を調整
できるように構成されている。
また、第2図は耐熱板13の裏側への原料ガスの回り込
みを防ぐもので、反応ガスの流入口6の上にキャリアガ
ス流入口14を設け、流量計15を通してキャリアガスを耐
熱板13と反応管1の間に供給すると共に、差圧計16を設
け、原料ガス流通部17との差圧を正とすることにより反
応ガスの回り込みを無くし、精度よく反応ガスの流量調
整を行うものである。
なお、これ以外の構造は従来と同様であって、サセプ
タ2の上に被処理基板3を置き、反射鏡5を備えた赤外
線ランプ4によりサセプタ2の加熱を行う。
このような構造をとることにより簡単に反応ガスの流
量制御を行うことができ、ヘテロエピタキシャル成長の
ように連続して膜成長を行う場合でも従来のようにサセ
プタを交換する必要がなく、耐熱板13の傾き角を変える
ことにより膜厚分布の一様な膜成長を行うことができ
る。
〔実施例〕
実施例1 第3図は本発明を適用したCVD装置の構成図であっ
て、第1図と異なるところは耐熱板13を13′,13″…と
複数個に分割することにより自由度を増した点にある。
このCVD炉を用い、In0.47Ga.53As/InPのエピタキシャ
ル成長例を記すと次のようになる。
耐熱板13′,13″…としては石英板を用い、ステンレ
ス線を用いてベローズ11に吊り下げた。
また、被処理基板3としては径2インチのInPウエハ
を用い、カーボンよりなるサセプタ2の上に載置した。
そして、InP膜の形成には耐熱板13′,13″…の傾き角
を5゜とし、原料ガスとしては従来と同様にIn(CH3
とPH3を、またキャリアガスとしてH2を用い、反応ガ
ス圧力1気圧,全ガス流量10/分,サセプタ温度600
℃の条件でCVD成長を行い、その後、反応ガスをIn(C
H3とGa(CH3およびAsH3に切り換える待ち時間
を利用して耐熱板13′,13″…の傾き角を8゜に変え、
従来と同じ方法でIn0.47Ga0.53Asのエピタキシャル成長
を行った。
その結果、両者とも膜厚分布が均一なヘテロエピタキ
シャル膜を得ることができた。
実施例2: 第4図と第5図は本発明を適用した例のCVD装置の構
成例であって、第4図は第2図の原理図に対応するもの
で、原料ガス流通部17に流れる反応ガスが耐熱板13′,1
3″…の裏側に入り込まないようにキャリアガス流通口1
4を設け、流量計15を通してキャリアガスを流し、また
差圧計16を設けてキャリアガスの差圧を正に保つ構成で
ある。
また、第5図は耐熱板13′,13″…の個々にキャリア
ガスの流通口14′,14″…と圧力計18,18′…と隔壁19,1
9′…を設けるもので、構造は複雑となるが、膜厚制御
の再現性は向上する。
なお、これらのCVD炉を用いてIn0.47Ga0.53As/InPの
エピタキシャル成長を行った結果は実施例1と同様であ
って、絶縁板の傾き角を5゜にしてInPの成長を行った
後、絶縁板の傾き角を8゜としてIn0.47Ga0.53Asの成長
を行うことにより膜厚分布の均一なヘテロエピタキシャ
ル膜を得ることができた。
〔発明の効果〕
本発明の実施により被処理基板上に均一な厚さに膜成
長させることができ、またヘテロエピタキシャル膜の成
長においても、耐熱板の傾き角を変えることにより、容
易に膜厚分布の均一な膜成長を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るCVD装置の原理図、 第2図は本発明に係る別のCVD装置の原理図、 第3図は本発明を適用したCVD装置の構成図、 第4図は本発明を適用した別のCVD装置の構成図、 第5図は本発明を適用した別のCVD装置の構成図、 第6図はInGaAs/InPヘテロ接合の膜厚分布図、 第7図は従来のMOCVD炉の構成を示す断面図、 第8図はウエハの膜厚分布を示す図、 である。 図において、 1は反応管、2はサセプタ、 3は被処理基板、6は流入口、 11はベローズ、12はフック、 13,13′,13″…は耐熱板、 14,14′,14″はキャリアガス流入口、 15は流量計、16は差圧計、 17は原料ガス流通部、18,18′は圧力計、 19,19′は隔壁、 である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サセプタ上に載置した被処理基板を加熱し
    ながら、原料ガス流入口より原料ガスを炉内に供給して
    気相成長を行なう横型成長炉において、 前記サセプタと該横型成長炉の天井との間に設けられ前
    記原料ガスの流入側は高く、排出側に行くにしたがって
    低くなる高さ可変の耐熱板と、 該耐熱板と該天井との間にキャリアガスを供給するため
    の1乃至複数個のキャリアガス流入口を設けたことを特
    徴とする気相成長装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の気相成長装置を用い、該原
    料ガス流入口より前記原料ガスを前記炉内へ供給すると
    ともに、該キャリアガス流入口より前記キャリアガスを
    前記サセプタと該横型成長炉の天井との間に供給し、且
    つ該キャリアガスの圧力と該原料ガスの圧力との差圧を
    正に保つことを特徴とする気相成長方法。
  3. 【請求項3】請求項1の記載の気相成長装置を用いて前
    記被処理基板上にヘテロ接合膜の成長を行なうにあた
    り、前記炉内に供給する前記原料ガスの交換を行う際に
    生ずる待ち時間を利用して前記耐熱板の傾きを変えるこ
    とを特徴とする気相成長方法。
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JP2002261021A (ja) * 2001-02-28 2002-09-13 Japan Pionics Co Ltd 気相成長装置及び気相成長方法
JP5124760B2 (ja) * 2004-04-19 2013-01-23 静雄 藤田 成膜方法及び成膜装置

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