JP2003328097A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置および製造方法 - Google Patents
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置および製造方法Info
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Abstract
び/または急速加熱を施しても、鋼板表面に合金化むら
が発生しない合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置およ
び製造方法を提供する。 【解決手段】冷間圧延された鋼板の表面に溶融亜鉛めっ
きを施した後、高さが3.0m以内の誘導加熱装置を有
する合金化炉により合金化処理を行う合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の製造装置であって、溶融亜鉛めっきポットの
前段に均熱炉を有することを特徴とする合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の製造装置および製造方法。好ましくは、前
記均熱炉が、前記均熱炉の炉温が300℃〜500℃
で、前記鋼板の板温を20秒以上、等温保持できるライ
ン長を有する。
Description
鋼板表面に溶融亜鉛めっきを施した後に合金化処理を行
う合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置および製造方法
に関する。
板の製造プロセスを示す図である。図3の横軸は、時間
(秒)を示し、縦軸は、板温(℃)を示す。冷間圧延
後、焼鈍された鋼板は、冷却帯にてN2ガスなどの不活性
ガスを吹き付けられて、500℃以下に冷却された後、
溶融めっき装置にて表面に亜鉛めっきが施された後、燃
焼ガスを用いたガス加熱装置により、ゆっくりと加熱さ
れて合金化処理がなされる。ここに、合金化処理とは、
溶融亜鉛めっきされた鋼板表面を再度加熱して焼付ける
ことにより、母材中のFeとめっき中のZnとの合金化反応
を起こさせる処理をいう。
鋼板の製造装置および製造方法には以下のような問題点
があった。 1)冷却帯において鋼板が冷却される際に、図3の点線
で示すように鋼板両側のエッジ部の温度が鋼板の中央部
の温度に比べて低くなり、この温度差が大きい状態で、
合金化処理がなされると、合金化むらが発生して表面品
質が劣るという問題があった。
れる際に、溶接部の後段の鋼板は薄いため冷却されやす
いので、図3の点線で示すようにこの部分の温度が溶接
部前段の鋼板に比べて低くなり、この温度差は縮まらな
い状態で、合金化処理がなされると、溶接点の後段にお
ける鋼板の合金化不良が生じ歩留まり落ちが発生すると
いう問題があった。 3)特に合金化処理設備として誘導加熱を行うなどして
急速加熱によりライン長を短くする場合、急速な温度変
化によって、前記の鋼板エッジ部や溶接部と鋼板の中央
部との温度差の影響が大きくなって、前述のめっき表面
の合金化むらが顕著になるという問題点があった。
文献として、特開昭56−51531号公報には、以下
のような技術が開示されている。この先行技術は、70
℃以上の冷却速度にてロール冷却した後、300〜50
0℃の温度範囲に10秒以上保持した後に亜鉛めっきす
る溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。しかし、特開
昭56−51531号公報は溶融亜鉛めっき鋼板の製造
法について開示されているが、その後、再加熱して合金
化処理を施す点、および、合金化処理に際して鋼板の幅
方向および長手方向の温度差により鋼板表面に合金化む
らが発生するという問題点およびその解決手段について
全く開示されていない。
な従来技術の問題点を解決し、急速加熱によるコンパク
トな合金化処理設備を用いても、鋼板表面に合金化むら
が発生しない合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置およ
び製造方法を提供することを課題とする。
解決するために、均熱炉と合金化炉を組み合わせた装置
を用いて、均熱炉により特定の条件にて均熱処理を行っ
た鋼板表面に溶融亜鉛めっきを施し、誘導加熱装置にて
急速加熱して合金化処理を行うことにより、板幅方向お
よび長手方向の板温の相違による鋼板表面の合金化むら
をなくすことができる合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
装置および製造方法を提供するものであり、その要旨と
するところは、特許請求の範囲に記載した通りの下記内
容である。
鉛めっきを施した後、高さが3.0m以内の誘導加熱装
置を有する合金化炉により合金化処理を行う合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の製造装置であって、溶融亜鉛めっきポ
ットの前段に均熱炉を有することを特徴とする合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造装置。 (2)前記均熱炉が、前記鋼板の板温を20秒以上、等
温保持できるライン長を有することを特徴とする(1)
に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。 (3)前記均熱炉の炉温が300℃〜500℃であるこ
とを特徴とする(1)または(2)に記載の合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の製造装置。 (4)前記合金化炉は、前記鋼板の昇温速度が10〜1
50℃/secの加熱誘導加熱装置を有することを特徴とす
る(1)乃至(3)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造装置。 (5)前記均熱炉の前段にロール冷却装置を有すること
を特徴とする(1)乃至(4)に記載の合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の製造装置。 (6)(1)乃至(5)に記載の合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の製造装置を用いる製造方法であって、冷間圧延さ
れた鋼板の板温を300℃〜500℃の範囲で20秒以
上、等温保持した後に、該鋼板表面に溶融亜鉛めっきを
施し、該鋼板の昇温速度が10〜150℃/secにて加熱
して合金化処理を行うことを特徴とする合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の製造方法。
っき鋼板の製造方法の実施形態を、図1および図2、図
4および図5を用いて説明する。図1は、本発明におけ
るの合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置の実施形態を
示す図である。図1において、冷間圧延された鋼板は焼
鈍されロール冷却装置1により70℃/秒以上の冷却速
度で冷却された後、均熱炉2にて20秒以上、等温保持
された後、スナウト3を通じて溶融亜鉛めっきポット4
にて鋼板表面に溶融亜鉛めっきが施される。冷却装置を
ロール冷却装置としたが、ガス冷却においてもその効果
は同等である。溶融亜鉛めっきが施された鋼板は、めっ
き付着量制御装置5により適正な目付け量とした後、高
さ3.0m以下の誘導加熱装置6、保定炉7により合金
化処理がなされ、鋼板上昇路8および鋼板下降路9を介
して水冷槽10にて常温まで冷却される。
めっき鋼板の製造方法の実施形態を示す図である。図2
において、横軸は時間(秒)を示し、縦軸は板温(℃)
を示す。冷間圧延後、焼鈍された鋼板は、500℃以下
の温度まで冷却され、均熱炉によりその温度にて20秒
以上保持される。冷却されることにより、図2の点線で
示した鋼板のエッジ部または厚さの薄い溶接部の温度
は、鋼板の中央部の温度より15℃程度低くなるが、こ
の温度差は均熱炉にて300〜500℃にて20秒以上
保持されることによりほとんどなくなっている。ここ
に、300〜500℃としたのは、この温度範囲が溶融
めっきを施すのに好ましい温度範囲だからである。
鉛めっきが施される際に、この温度差は多少広がるが、
均熱炉出側(溶融めっき装置入側)にて、この温度差が
5℃以内になっているため、溶融亜鉛めっき後に、誘導
加熱装置を用いて昇温速度が10〜150℃/secの範
囲で急速に加熱しても、前記温度差はさほど問題になら
ない。その結果、鋼板のエッジ部や板厚の薄い部分の溶
接部であっても鋼板表面の合金化が均一に進むので、鋼
板表面の合金化むらの発生を防止することできる。
部とエッジ部の板温の変化を例示する図である。均熱炉
の入り側における、鋼板の中央部とエッジ部の温度差は
15℃であるが、均熱炉出側(11パス)における温度
差は5℃に縮まっている。図5は、均熱炉の前後におけ
る、鋼帯の長手方向の温度変化を示す図である。図5の
右側が板厚の厚い(1.0mm)の鋼板の板温を示して
おり、左側は板厚の薄い(0.8mm)の鋼板の板温を
示しており、その境界部分が溶接点を示している。
装置入側、および、本発明の均熱炉入側の板温は溶接点
の前後で、約20℃の温度差が認められるが、本発明の
めっき装置入側(均熱炉の出側)の板温は、溶接点の前
後で約5℃に縮まっている。
き鋼板の製造方法の実施例を示す。板厚0.8mm、板幅1
250mmの鋼板を、冷却帯にて冷却し、均熱炉にて20
秒以上均温保持した後、溶融めっきを施し、誘導加熱装
置にて加熱速度が10〜150℃の範囲で加熱して合金
化処理を行った。
を出てから均熱炉に入るまでの冷却をN2ガスを用いたガ
ス冷却を行った場合を示している。ラインスピードが遅
いので、均熱炉および誘導加熱装置における在炉時間が
他の実施例に比べて長くなっているため、板幅方向およ
び長手方向の温度差が比較的小さく抑えられることから
合金化層の評価は◎であり、鋼板表面の合金化むらは全
く認められなかった。
mにて、焼鈍炉を出てから均熱炉に入るまでの冷却をロ
ール冷却法を用いて冷却速度70℃/sec以上の急速冷
却を行った場合を示している。ラインスピードが速いの
で、均熱炉および誘導加熱装置における在炉時間は短い
が、均熱炉により、板幅方向および長手方向の温度差が
ある程度低減できることから合金化層の評価は○であ
り、鋼板表面の合金化むらはほとんど認められなかっ
た。
mpmにて、ガス冷却を用いてゆっくりと冷却を行った
場合を示している。ラインスピードが遅いので、誘導加
熱装置における在炉時間は比較的長いが、均熱炉により
均熱を行っていないので、板幅方向および長手方向の温
度差が縮まっていないことから合金化層の評価は△であ
り、鋼板表面に合金化むらが認められた。NO.10は比較
例であり、ラインスピード150mpmにて、ロール冷
却を用いて70℃/sec以上の急速冷却を行った場合を
示している。ラインスピードが速いので、誘導加熱装置
における在炉時間が短いうえ、均熱炉により均熱を行っ
ていないので、板幅方向および長手方向の温度差が大き
いことから合金化層の評価は×であり、鋼板表面に合金
化むらが顕著に認められた。
のように急速冷却および/または急速加熱を施しても、
鋼板表面に合金化むらが発生しない合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造装置および製造方法を提供することでき、
具体的には、以下のような産業上有用な著しい効果を奏
する。
鋼板が冷却される際に、図3に示すように均熱炉にて2
0秒以上均温保持することにより鋼板中央部と両側のエ
ッジ部の温度差を5℃程度まで縮めることができるの
で、急速加熱によるコンパクトな合金化処理設備を用い
ても、合金化処理しためっき表面に合金化むらの発生を
防止することができる。 2)板厚が厚い鋼板から薄い鋼板に変更される際に、溶
接部の後段の鋼板は薄いため冷却されやすいが、図4に
示すように溶接点前後の鋼板温度の差を5℃程度に抑え
ることができるので、ロール冷却やガス冷却によって急
速冷却しても、合金化処理しためっき表面に合金化むら
の発生を防止することができる。 3)ロール冷却や誘導加熱装置によって急速冷却および
/または急速加熱を行うことにより、ラインスピードを
速く設定することができ、目標の生産量を確保しつつ設
備全体のライン長を短くるすことができるので、設備コ
ストを著しく低減することができる。
の製造装置の実施形態を示す図である。本発明の
の製造方法の実施形態を示す図である。
示す図である。
部の板温の変化を例示する図である。
度変化を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 冷間圧延された鋼板の表面に溶融亜鉛め
っきを施した後、高さが3.0m以内の誘導加熱装置を
有する合金化炉により合金化処理を行う合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の製造装置であって、溶融亜鉛めっきポット
の前段に均熱炉を有することを特徴とする合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造装置。 - 【請求項2】 前記均熱炉が、前記鋼板の板温を20秒
以上、等温保持できるライン長を有することを特徴とす
る請求項1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造装
置。 - 【請求項3】 前記均熱炉の炉温が300℃〜500℃
であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。 - 【請求項4】 前記合金化炉は、前記鋼板の昇温速度が
10〜150℃/secの加熱誘導加熱装置を有することを
特徴とする請求項1乃至は請求項3に記載の合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の製造装置。 - 【請求項5】 前記均熱炉の前段にロール冷却装置を有
することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5に記載の合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造装置を用いる製造方法であっ
て、冷間圧延された鋼板の板温を300℃〜500℃の
範囲で20秒以上、等温保持した後に、該鋼板表面に溶
融亜鉛めっきを施し、該鋼板の昇温速度が10〜150
℃/secにて加熱して合金化処理を行うことを特徴とする
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002142491A JP4005841B2 (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置および製造方法 |
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JP4005841B2 JP4005841B2 (ja) | 2007-11-14 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008255431A (ja) * | 2007-04-05 | 2008-10-23 | Nippon Steel Corp | 連続処理ラインにおける板温制御方法、装置、及びコンピュータプログラム |
JP2014025122A (ja) * | 2012-07-27 | 2014-02-06 | Jfe Steel Corp | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
-
2002
- 2002-05-17 JP JP2002142491A patent/JP4005841B2/ja not_active Expired - Fee Related
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