JP2003327662A - マレイミド化合物、これを含む樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

マレイミド化合物、これを含む樹脂組成物及びその硬化物

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JP2003327662A
JP2003327662A JP2002141305A JP2002141305A JP2003327662A JP 2003327662 A JP2003327662 A JP 2003327662A JP 2002141305 A JP2002141305 A JP 2002141305A JP 2002141305 A JP2002141305 A JP 2002141305A JP 2003327662 A JP2003327662 A JP 2003327662A
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Toru Ozaki
徹 尾崎
Minoru Yokoshima
実 横島
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光重合開始剤を使用しないか、従来の使用量よ
り少なく使用しても実用的な光照射量で十分硬化するマ
レイミド化合物、これを含有する樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】トリス(2,3−エポキシプロピル)イシ
ソアヌレートとマレイミド基を有するモノカルボン酸と
の反応物であるマレイミド化合物とこれ以外の重合性化
合物を含有することを特徴とする樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種コーティング
材、表面処理剤、光導波路用材料、成形材料、積層板、
接着剤、粘着剤、印刷インキ、レジストインキ、バイン
ダー等に有用な活性エネルギー線硬化性の新規な樹脂組
成物に関し、さらに詳しくは、光重合開始剤を使用しな
いか、又は従来の使用量よりも少なく使用しても実用的
な照射量の紫外線により十分硬化する新規な樹脂組成物
及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線や可視光線などの活性エネルギー
線により重合する樹脂組成物は、硬化が速いという利点
を有し、塗料、印刷インキ、接着剤、コーティング剤等
に広く利用されている。しかしながら従来の活性エネル
ギー線硬化性組成物は、それら単独では、重合が開始し
ないため、光重合開始剤を併用する必要がある。光重合
開始剤は、その添加量を増やすと硬化が速く進行するた
め、現場での事情により添加量が多めになる傾向にあ
る。
【0003】また、光重合開始剤を含有する活性エネル
ギー線硬化性組成物からなる硬化物中には、未反応の光
重合開始剤、あるいは光重合開始剤の分解物が残存する
ので、この硬化物に光又は熱が作用した場合、硬化物が
黄変したり、悪臭を発生する場合がある。また、光重合
開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物からな
る硬化物は、水中等に放置すると、未反応の光重合開始
剤等がブリードするため、食品包装用材料としての使用
は不適当である。
【0004】これら光重合開始剤を含む活性エネルギー
硬化性組成物の欠点を改良するために、光重合開始剤を
含まない活性エネルギー線硬化性組成物として、特開平
6−298817号公報には、マレイミド化合物を電子
受容体として用いて、電子供与体と組み合わせて形成さ
れる電荷移動錯体を経由する光重合方法が開示されてい
る。
【0005】更に、「ポリマー マテリアルズ サイエ
ンス アンド エンジニアリング(Polymer M
aterials Science and Engi
neering)」第72巻第470〜472頁(19
95年)や「第4回フュージョンUV技術セミナー」要
講集 第43〜77頁(1996年)には、電子受容体
としてマレイミド誘導体、電子供与体としてビニルエー
テルを利用する方法が報告されている。これらの文献に
は、光重合開始剤不存在下で重合性を示すものとして、
1,4−ビス(ビニルオキシメチル)シクロヘキサンと
シクロヘキシルマレイミドとの組み合わせから成る光重
合性組成物、あるいは4−ヒドロキシブチルビニルエー
テルとヒドロキシアルキルマレイミドとの組み合わせか
ら成る光重合性組成物が記載されている。しかし、これ
らの組成物は、反応が進行するものの、硬化塗膜を形成
しない、という問題点を有していた。
【0006】一方、「ポリマー プレプリンツ(Pol
ymer Preprints)」第37巻第2号第3
48〜349頁(1996年)には、1,6−ヘキサン
ジオールジアクリレートやポリエチレングリコール#4
00ジアクリレートの重合開始剤としてN、N’−4,
9−ジオキサ−1,12−ビスマレイミドドデカン等の
マレイミドが開示されている。しかし、これらのマレイ
ミドは、固体である場合が多く、また、アクリレートへ
の溶解性が悪い、という問題点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光重
合開始剤を使用しないか、従来の使用量より少なく使用
しても実用的な照射量の紫外線により十分硬化する新規
な樹脂組成物及びその硬化物を開発することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記のよう
な課題を解決するために、鋭意検討の結果、特定のマレ
イミド化合物(A)を含有する新規な樹脂組成物を使用
することにより前記課題を達成できることを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。即ち、本発明は、
(1)、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシア
ヌレート(d)とマレイミド基を有するモノカルボン酸
(b)との反応物であるマレイミド化合物(A)、
(2)、(1)項記載のマレイミド化合物(A)と
(A)成分以外の重合性化合物(B)を含有することを
特徴とする樹脂組成物、(3)重合性化合物(B)が
(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基又はN−ビ
ニル基を有する化合物から成る群から選ばれる1種以上
の化合物である(2)記載の樹脂組成物、(4)(メ
タ)アクリロイル基を有する化合物が(ポリ)エステル
(メタ)アクリレート(B−1−1)、ウレタン(メ
タ)アクリレート(B−1−2)、エポキシ(メタ)ア
クリレート(B−1−3)、(ポリ)エーテル(メタ)
アクリレート(B−1−4)、アルキル(メタ)アクリ
レート又はアルキレン(メタ)アクリレート(B−1−
5)、芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−1−
6)及び脂環構造を有する(メタ)アクリレート(B−
1−7)からなる群より選ばれる1種以上の化合物であ
る(3-)記載の樹脂組成物、(5)ビニルエーテル基
を有する化合物が他末端がハロゲン原子又は水酸基で置
換されていても良いアルキルビニルエーテル(B−2−
1)、他末端がハロゲン原子又は水酸基で置換されてい
ても良いシクロアルキルビニルエーテル(B−2−
2)、ビニルエーテル基がアルキレン基と結合し、さら
に置換基を有していても良いアルキル基、シクロアルキ
ル基及び芳香族基から成る群から選ばれる少なくとも一
つと、エーテル結合、ウレタン結合及びエステル結合か
ら成る群から選ばれる少なくとも一つの結合を介して結
合している構造を有するモノビニルエーテル、ビニルエ
ーテル及びポリビニルエーテル(B−2−3)から成る
群から選ばれる1種以上の化合物である(3)記載の樹
脂組成物、(6)光重合開始剤(C)を含有する(2)
乃至(5)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(7)、(2)乃至(6)のいずれか1項に記載の樹脂
組成物の硬化物、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の特定のマレイミド化合物
(A)は、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシ
アヌレート(a)とマレイミド基を有するモノカルボン
酸(b)にエステル化反応を行うことにより得ることが
できる。
【0010】トリス(2,3−エポキシプロピル)イソ
シアヌレート(a)は、市場より容易に入手することが
できる。例えば、TEPIC−S(日産化学工業(株)
製エポキシ当量105、溶融温度95〜125℃)等を
挙げることができる。マレイミド基を有するモノカルボ
ン酸(b)の具体例としては、例えば、無水マレイン酸
と1級アミノカルボン酸とから、公知の技術〔例えば、
デー・エイチ・ライヒ(D.H.Rich)を「ジャー
ナル・オブ・メディカル・ケミストリー(Journa
l of Medical Chemistry)」第
18巻、第1004〜1010頁(1975年)参照〕
を用いて合成できる化合物(b−1)、ヒドロキシル基
を有するマレイミド化合物と分子中に1個の酸無水物基
を有する化合物とのハーフエステル化物(b−2)等を
挙げることができる。
【0011】上記においてヒドロキシル基を有するマレ
イミド化合物としては、例えば、反応式
【0012】
【化1】
【0013】で示されるように、マレイミドとホルムア
ルデヒドとから、あるいは、無水マレイン酸と1級アミ
ノアルコールとから、公知の技術(例えば、米国特許2
526517号明細書、特開平2−268155号公報
等を参照)などを用いて合成することができる。
【0014】上記反応で用いられる1級アミノカルボン
酸の具体例としては、例えば、アスパラギン、アラニ
ン、β−アラニン、アルギニン、イソロイシン、グリシ
ン、グルタミン、トリプトファン、トレオニン、バリ
ン、フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、α−メ
チル−フェニルアラニン、リジン、ロイシン、シクロロ
イシン、3−アミノプロピオン酸、α−アミノ酪酸、4
−アミノ酪酸、アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、
7−アミノヘプタン酸、2−アミノカプリル酸、3−ア
ミノカプリル酸、6−アミノカプリル酸、8−アミノカ
プリル酸、9−アミノノナン酸、2−アミノカプリン
酸、9−アミノカプリン酸、15−アミノペンタデカン
酸、2−アミノパルミチン酸、16−アミノパルミチン
酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0015】上記反応で用いられる1級アミノアルコー
ルの具体例としては、例えば、2−アミノエタノール、
1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロ
パノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノー
ル、2−アミノ−3−フェニル−1−プロパノール、4
−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノー
ル、2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール、2−ア
ミノ−4−メチルチオ−1−ブタノール、2−アミノ−
1−ペンタノール、(1−アミノシクロペンタン)メタ
ノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、7−アミノ−
1−ヘプタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノ
ール、等などが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0016】前記、分子中に1個の酸無水物基を有する
化合物の具体例としては、無水マレイン酸、無水コハク
酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、メチル−ヘキサヒドロ無水フタル
酸、メチル−テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げること
ができる。
【0017】前記、ハーフエステル化物(b−2)は、
前記ヒドロキシル基を有するマレイミド化合物の水酸基
1化学当量と前記1個の酸無水物基を有する化合物の無
水物基約1化学当量を反応させることにより得ることが
できる。その場合、反応温度は、60〜100℃が好ま
しく、反応時間は、1〜10時間が好ましい。反応時に
は必要に応じて、有機溶剤を使用することもできる。
【0018】前記トリス(2,3−エポキシプロピル)
イソシアヌレート(a)とマレイミド基を有するモノカ
ルボン酸(b)との反応は、トリス(2,3−エポキシ
プロピル)イソシアヌレート(a)のエポキシ基1当量
に対してマレイミド基を有するモノカルボン酸(b)の
カルボキシル基0.3〜1.1当量を反応させるのが好
ましく、特に好ましくは0.5〜1.0当量である。反
応を促進するために、触媒として、トリエチルアミン、
トリ−n−ブチルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミ
ン、ジエチルアミノ酢酸塩、等の2級、3級のアミン類
又はその塩、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩
化ベンジルトリエチルアンモニウム等の四級アンモニウ
ム、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等
を使用しても良い。又、重合禁止剤として、ハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、P−メトキシフェノー
ル、BHTフェノチアジン、ヒンダードアミン等を使用
することもできる。又反応溶媒として、有機溶剤類や反
応性モノマー類を使用するのが好ましい。使用しうる有
機溶剤類の具体例としては、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、シクロペンチルメチルエーテル、セロソルブ、
メチルセロソルブ、カルビトール、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢
酸ブチル、セロソルブアセテート、等酢酸エステル類;
トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族
炭化水素類;エタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコール類等を挙げることができる。
【0019】又使用しうる反応性モノマー類の具体例と
しては、後述する(ポリ)エーテル(メタ)アクリレー
ト(B−1−2)、アルキル(メタ)アクリレート又は
アルキレン(メタ)アクリレート(B−1−5)、芳香
環を有する(メタ)アクリレート(B−1−6)及び脂
環構造を有する(メタ)アクリレート(B−1−7)等
を挙げることができる。
【0020】反応温度は、80〜150℃が好ましく、
反応時間は5〜25時間が好ましい。本発明の樹脂組成
物には、任意成分として(A)成分以外の重合性化合物
(B)を含有しうる。重合性化合物(B)の具体例とし
ては、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、
ビニルエーテル基を有する化合物、N−ビニル基を有す
る化合物、(A)成分以外のマレイミド化合物、(メ
タ)アクリルアミド化合物、不飽和ポリエステル等が挙
げられる。本発明の樹脂組成物に併用可能な(メタ)ア
クリロイルオキシ基を有する化合物を大別すると、(ポ
リ)エステル(メタ)アクリレート(B−1−1);ウ
レタン(メタ)アクリレート(B−1−2);エポキシ
(メタ)アクリレート(B−1−3);(ポリ)エーテ
ル(メタ)アクリレート(B−1−4);アルキル(メ
タ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレート
(B−1−5);芳香環を有する(メタ)アクリレート
(B−1−6);脂環構造を有する(メタ)アクリレー
ト(B−1−7)などが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0021】本発明の樹脂組成物に併用可能な(ポリ)
エステル(メタ)アクリレート(B−1−1)とは、主
鎖にエステル結合を1つ以上有する(メタ)アクリレー
トの総称として、ウレタン(メタ)アクリレート(B−
1−2)とは、主鎖にウレタン結合を1つ以上有する
(メタ)アクリレートの総称として、エポキシ(メタ)
アクリレート(B−1−3)とは、1官能以上のエポキ
シ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる
(メタ)アクリレートの総称として、(ポリ)エーテル
(メタ)アクリレート(B−1−4)とは、主鎖にエー
テル結合を1つ以上有する(メタ)アクリレートの総称
として、アルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン
(メタ)アクリレート(B−1−5)とは、主鎖が直鎖
アルキル、分岐アルキル、直鎖又は末端にハロゲン原子
及び/又は水酸基を有していてもよい(メタ)アクリレ
ートの総称として、芳香環を有する(メタ)アクリレー
ト(B−1−6)とは、主鎖又は側鎖に芳香環を有する
(メタ)アクリレートの総称として、脂環構造を有する
(メタ)アクリレート(B−1−7)とは、主鎖又は側
鎖に、構成単位に酸素原子又は窒素原子を含んでいても
よい脂環構造を有する(メタ)アクリレートの総称とし
て、それぞれ用いる。
【0022】本発明の樹脂組成物に併用可能な(ポリ)
エステル(メタ)アクリレート(B−1−1)として
は、例えば、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及び/又は
プロピレンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレー
ト、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレ
ート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレートの如き単官能(ポリ)エステル(メ
タ)アクリレート類;ヒドロキシピバリン酸エステルネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロ
ラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒド
リン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート;トリメチロ
ールプロパン又はグリセリン1モルに1モル以上のε−
カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラク
トン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオール
のモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート;
【0023】ペンタエリスリトール又はジトリメチロー
ルプロパン1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、
γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラク
トン化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ、トリ
又はテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリト
ール1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブ
チロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化
合物を付加して得たトリオールのモノ、又はポリ(メ
タ)アクリレートのトリオール、テトラオール、ペンタ
ーオール又はヘキサオール等の多価アルコールのモノ
(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレート;
【0024】(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プ
ロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコー
ル、(ポリ)ブチレングリコール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のジオール成
分とマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、フ
タル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラ
ヒドロフタル酸、ダイマー酸、セバチン酸、アゼライン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、等の多塩基酸
及びこれらの無水物との反応物であるポリエステルポリ
オールの(メタ)アクリレート;前記ジオール成分と多
塩基酸及びこれらの無水物とε−カプロラクトン、γ−
ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等からなる環状ラ
クトン変性ポリエステルジオールの(メタ)アクリレー
トの等の多官能(ポリ)エステル(メタ)アクリレート
類、などが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0025】本発明の樹脂組成物に併用可能なウレタン
(メタ)アクリレート(B−1−2)は、少なくとも一
つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有するヒドロキシ
化合物(B−1−2−)とイソシアネート化合物(B
−1−2−)との反応によって得られる(メタ)アク
リレートの総称である。
【0026】少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオ
キシ基を有するヒドロキシ化合物(B−1−2−)と
しては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサ
ンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなど各種
の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物と、上記
の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とε−カ
プロラクトンとの開環反応物などが挙げられる。
【0027】イソシアネート化合物(B−1−2−)
としては、例えば、p−フェニレンジイソシアネート、
m−フェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイソ
シアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−
トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ナフタレンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシ
アネート類;イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネー
ト、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシア
ネート等の脂肪族又は脂環構造のジイソシアネート類;
イソシアネートモノマーの一種類以上のビュレット体又
は、上記ジイソシアネート化合物を3量化したイソシア
ネート体等のポリイソシアネート;上記イソシアネート
化合物と前記、ポリオール化合物とのウレタン化反応に
よって得られるポリイソシアネート等が挙げられる。
【0028】本発明の樹脂組成物に併用可能エポキシ
(メタ)アクリレート(B−1−3)は、1官能性以上
のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル
酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートの総称
である。エポキシ(メタ)アクリレートの原料となるエ
ポキシ樹脂としては、前記のエポキシ基を有する化合物
(b−4)等を挙げることができる。
【0029】本発明の樹脂組成物に併用可能な(ポリ)
エーテル(メタ)アクリレート(B−1−4)として
は、例えば、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブ
トキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
エピクロルヒドリン変性ブチル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカル
ビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート等の単官能(ポリ)エーテ
ル(メタ)アクリレート類;
【0030】ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート
類;エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合
体、プロピレングリコールとテトラヒドロフランの共重
合体、ポリイソプレングリコール、水添ポリイソプレン
グリコール、ポリブタジェングリコール、水添ポリブタ
ジェングリコール等の炭化水素系ポリオール類等の多価
水酸基化合物と(メタ)アクリル酸から誘導される多官
能(メタ)アクリレート類;ネオペンチルグリコール1
モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテルを付加
したジオールのジ(メタ)アクリレート;
【0031】ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビ
スフェノールS等のビスフェノール類のアルキレンオキ
シド変性体のジ(メタ)アクリレート;水添ビスフェノ
ールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS
等の水添ビスフェノール類のアルキレンオキシド変性体
ジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン又は
グリセリン1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エ
ーテル化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ又は
トリ(メタ)アクリレート;
【0032】ペンタエリスリトール又はジトリメチロー
ルプロパン1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エ
ーテル化合物を付加したトリオールのモノ、ジ、トリ又
はテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトー
ル1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化
合物を付加したヘキサオールの3〜6官能(メタ)アク
リレート等の多官能(ポリ)エーテル(メタ)アクリレ
ート類などが挙げられる。
【0033】本発明の樹脂組成物に併用可能なアルキル
(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレ
ート(B−1−5)としては、例えば、オクチル(メ
タ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレー
ト、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)ア
クリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;
【0034】エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル
−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,
10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートの炭化水
素、ジオールのジ(メタ)アクリレート類;
【0035】トリメチロールプロパンのモノ(メタ)ア
クリレート、ジ(メタ)アクリレート又はトリ(メタ)
アクリレート(以下、ジ、トリ、テトラ等の多官能の総
称として「ポリ」を用いる。)、グリセリンのモノ(メ
タ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールのモノ又はポリ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンのモノ又はポリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールのモノ又はポリ
(メタ)アクリレート等のトリオール、テトラオール、
ヘキサオール等の多価アルコールのモノ又はポリ(メ
タ)アクリレート類;
【0036】2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含
有(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0037】本発明の樹脂組成物に併用可能な芳香環を
有する(メタ)アクリレート(B−1−6)としては、
例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;
ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノ
ールFジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレ
ート類等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0038】本発明の樹脂組成物に併用可能な脂環構造
を有する(メタ)アクリレート(B−1−7)として
は、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シ
クロペンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリ
レート等の脂環構造を有する単官能(メタ)アクリレー
ト類;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等
の水添ビスフェノール類のジ(メタ)アクリレート;ト
リシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等
の環状構造を持つ多官能性(メタ)アクリレート類;テ
トラフルフリル(メタ)アクリレート等の構造中に酸素
原子等を有する脂環式(メタ)アクリレートなどが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0039】また、本発明の樹脂組成物に併用可能な
(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、上記
した化合物の他に、例えば、(メタ)アクリル酸ポリマ
ーとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応物又はグ
リシジル(メタ)アクリレートポリマーと(メタ)アク
リル酸との反応物等のポリ(メタ)アクリルポリマー
(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレー
ト;トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌ
レート等のイソシアヌル(メタ)アクリレート;ポリシ
ロキサン骨格を有する(メタ)アクリレート;ポリブタ
ジェン(メタ)アクリレート;メラミン(メタ)アクリ
レート等も使用可能である。
【0040】次に、本発明の樹脂組成物に併用可能なビ
ニルエーテル基を有する化合物を大別すると、他末端が
ハロゲン原子又は水酸基で置換されていても良いアルキ
ルビニルエーテル(B−2−1)、他末端がハロゲン原
子又は水酸基で置換されていても良いシクロアルキルビ
ニルエーテル(B−2−2)、ビニルエーテル基がアル
キレン基と結合し、さらに置換基を有していても良いア
ルキル基、シクロアルキル基及び芳香族基から成る群か
ら選ばれる少なくとも一つの基と、エーテル結合、ウレ
タン結合及びエステル結合から成る群から選ばれる少な
くとも一つの結合を介して結合している構造を有するモ
ノ、ジ又はポリビニルエーテル(B−2−3)、などが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】前記、アルキルビニルエーテル(B−2−
1)としては、例えば、ヒドロキシメチルビニルエーテ
ル、クロロメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、1,
4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサ
ンジオールジビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエー
テル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】前記、シクロアルキルビニルエーテル(B
−2−2)としては、例えば、2−ヒドロキシシクロプ
ロピルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテ
ル、シクロヘキサンジメタノールモノ又はジビニルエー
テル、シクロヘキサンジオールモノ又はジビニルエーテ
ル等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0043】前記、モノ、ジ又はポリビニルエーテル
(B−2−3)のうち、エーテル結合を有する化合物
(B−2−3−)としては、エチレングリコールメチ
ルビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエー
テル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロ
ピレングリコールメチルビニルエーテル、ジプロピレン
グリコールジビニルエーテル、ジテトラメチレングリコ
ールジビニルエーテル等が挙げられる。
【0044】又、ウレタン結合を有する化合物(B−2
−3−)は、1分子中に1個の水酸基を有する(ポ
リ)アルキレングリコールのモノビニルエーテル(m)
と1分子中に少なくとも1個のイソシアネート基を有す
る化合物(n)とのウレタン化反応により得ることがで
きる。
【0045】前記において、一分子中に1個の水酸基を
有する(ポリ)アルキレングリコールのモノビニルエー
テル(m)としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、
ポリエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げら
れる。
【0046】又、一分子中に少なくとも1個のイソシア
ネート基を含有する化合物(n)としては、例えば、前
記、イソシアネート化合物(B−1−2−)等を挙げ
ることができる。次に、エステル結合を有する化合物
(B−2−3−)は、前記、一分子中に1個の水酸基
を有する(ポリ)アルキレングリコールのモノビニルエ
ーテル(m)と一分子中に少なくとも1個のカルボン酸
ハライドを有する化合物(l)の脱ハロゲン化水素によ
るエステル化反応によって得ることができる。前記にお
いて一分子中に少なくとも1個のカルボン酸ハライド基
を有する化合物(l)としては、公知のカルボン酸のク
ロライド、ブロマイド等のカルボン酸ハライドを挙げる
ことができる。カルボン酸の具体例としては、酢酸、プ
ロピオン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン
酸、アジピン酸、ダイマー酸、セバチン酸、テトラヒド
ロフタル酸、アゼライン酸等を挙げることができる。
【0047】次に、本発明の樹脂組成物に併用可能なN
−ビニル基を有する化合物としては、例えばN−ビニル
ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホ
ルムアミド、N−ビニルアセトアミド等を挙げることが
できる。
【0048】また、本発明の樹脂組成物に併用可能な前
記(A)成分以外のマレイミド化合物としては、例え
ば、N−n−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミ
ド、2−マレイミドエチル−エチルカーボネート、2−
マレイミドエチル−プロピルカーボネート、N−エチル
−(2−マレイミドエチル)カーバメート等の単官能脂
肪族マレイミド類;N−シクロヘキシルマレイミド等の
脂環式単官能マレイミド類;N、N−ヘキサメチレンビ
スマレイミド、ポリプロピレングリコールビス(3−マ
レイミドプロピル)エーテル、ビス(2−マレイミドエ
チル)カーボネート等の脂肪族ビスマレイミド類;1,
4−ジマレイミドシクロヘキサン、イソホロンビスウレ
タンビス(N−エチルマレイミド)等の脂環式ビスマレ
イミド;マレイミド酢酸とポリテトラメチレングリコー
ルとをエステル化して得られるマレイミド化合物、マレ
イミドカプロン酸とペンタエリスリトールのテトラエチ
レンオキサイド付加物とのエステル化によるマレイミド
化合物等のカルボキシマレイミド誘導体と種々の(ポ
リ)オールとをエステル化して得られる(ポリ)エステ
ル(ポリ)マレイミド化合物等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0049】本発明の樹脂組成物に併用可能な(メタ)
アクリルアミド化合物としては、例えば、アクリロイル
モルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド
等の単官能性(メタ)アクリルアミド類;メチレンビス
(メタ)アクリルアミド等の多官能(メタ)アクリルア
ミド類などが挙げられる。
【0050】併用可能な不飽和ポリエステルとしては、
例えば、ジメチルマレート、ジエチルマレート等のフマ
ル酸エステル類;マレイン酸、フマル酸等の多価不飽和
カルボン酸と多価アルコールとのエステル化反応物が挙
げられる。
【0051】本発明の樹脂組成物に併用可能な重合性化
合物(B)としては、上記した化合物に限定されたもの
ではなく、前記(A)成分と共重合性を有する化合物で
あれば、その1種類又は複数種の化合物を、特に制限な
く、併用することができる。
【0052】本発明の樹脂組成物において、前記(A)
及び(B)成分の組成割合には、特に制限がないが、
(A)成分100重量部に対して、(B)成分を10〜
2000重量部を用いるのが好ましく、50〜1000
重量部を用いるのが特に好ましい。
【0053】本発明の樹脂組成物は、光重合開始剤の不
存在でも、紫外線又は可視光線の照射により硬化する
が、硬化反応をより効率的に行うために、公知慣用の光
重合開始剤(C)を使用して硬化させることができる。
使用しうる光重合開始剤(C)としては、分子内結合開
裂型と分子内水素引き抜き型の2種のものを挙げること
ができる。このうち分子内結合開裂型の光重合開始剤と
しては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピ
フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1
−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2
−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1
−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4
−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン
系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6
−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド
等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジル、メチルフ
ェニルグリオキシエステルなどが挙げられる。
【0054】又、分子内水素引き抜き型の光重合開始剤
としては、例えば、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−
4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベ
ンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−イソプロピル
チオキサントン、2,4−ジエトキシチオキサントン、
2−クロロチオキサントン等のチオキサントン系;4,
4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾ
フェノン系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2
−エチルアンスラキノン、カンファーキノンなどが挙げ
られる。
【0055】光重合開始剤を使用する場合は、樹脂組成
物に、0.01〜10.00重量%の範囲で含有せしめ
るのが好ましい。また、本発明で得られる樹脂組成物
は、光重合開始剤の不存在下に紫外線又は可視光線の照
射により硬化するが硬化反応をより効率的に行なうため
に、光重合促進剤を併用することもできる。そのような
光重合促進剤としては、例えば、トリエタノールアミ
ン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、
4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4−ジメ
チルアミノ安息香酸イソアミルエステル等のアミン類が
挙げられる。
【0056】光重合促進剤を使用する場合は、樹脂組成
物に0.01〜10.00重量%の範囲で含有せしめる
のが好ましい。
【0057】更に、本発明の樹脂組成物は、使用する目
的、用途に応じて、非反応性化合物、無機充填剤、有機
充填剤、カップリング剤、粘着付与剤、消泡剤、レベリ
ング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、
顔料、染料等を適宜使用することができる。前記非反応
性化合物とは、反応性の低い、あるいは反応性の無い液
状もしくは固体状のオリゴマーや樹脂であり、その具体
例としては(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、エポ
キシ樹脂、液状ポリブタジェン、ジシクロペンタジェン
誘導体、飽和ポリエステルオリゴマー、キシレン樹脂、
ポリウレタンポリマー、ケトン樹脂、ジアリルフタレー
トポリマー(ダップ樹脂)、石油樹脂、ロジン樹脂、フ
ッ素系オリゴマー、シリコン系オリゴマーなどが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0058】前記無機充填剤の具体例としては、例え
ば、二酸化珪素、酸化珪素、炭酸カルシウム、珪酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、タル
ク、カオリンクレー、焼成クレー、酸化亜鉛、硫酸亜
鉛、水酸アルミニウム、酸化アルミニウム、ガラス、雲
母、硫酸バリウム、アルミナホワイト、ゼオライト、シ
リカバルーン、ガラスバルーン等が挙げられる。これら
の無機充填剤には、シランカップリング剤、チタネート
系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジ
ルコネート系カップリング剤などを添加、反応させるな
どの方法により、ハロゲン基、エポキシ基、水酸基、チ
オール基の官能基を持たせることもできる。
【0059】前記有機充填剤の具体例としては、例え
ば、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、ポリオレフィン樹
脂、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ア
クリル共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、フッ
素樹脂、ナイロン12、ナイロン6/66、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂な
どが挙げられる。
【0060】シランカップリング剤の具体例としては、
例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
又はγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン
カップリング剤、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチ
ル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチ
タネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチ
レンチタネート等のチタネート系カップリング剤;アセ
トアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアル
ミニウム系カップリング剤;アセチルアセトン・ジルコ
ニウム錯体等のジルコニウム系カップリング剤などが挙
げられる。
【0061】本発明の樹脂組成物に使用可能な粘着付与
剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、難燃剤、顔料及び染料は、公知慣用のもので
あれば如何なるものも、その硬化性、樹脂特性を損なわ
ない範囲で、特に制限無く使用することができる。
【0062】本発明の樹脂組成物を得るには、上記した
各成分を混合すればよく、混合の順序や方法は特に限定
されない。
【0063】本発明の樹脂組成物は、実質的には溶剤を
必要としないが、例えば、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等の酢酸エステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素など、その他の一般によく用いられ
る有機溶剤によって本発明の樹脂組成物を希釈して使用
することも可能である。
【0064】本発明の樹脂組成物は、180〜500n
mの波長の紫外線又は可視光線を照射することによって
重合させることができる。又、紫外線以外のエネルギー
線の照射によって、あるいは、熱によっても硬化させる
ことができる。
【0065】波長180〜500nmの紫外線又は可視
光線の光発生源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高
圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドラン
プ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キ
セノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、
ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、
エキシマーレーザー、太陽光が挙げられる。
【0066】本発明の樹脂組成物は、インキ、アルミニ
ウム、鉄、銅等の金属、塩化ビニル、アクリル、ポリカ
ーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のプラスチック、ガラス等のセラ
ミック、木材、紙、印刷紙、繊維などのコーティング材
として、又表面処理剤、バインダー、プラスチック材
料、成形材料、積層板、接着剤、粘着剤などの用途に有
用である。更に具体的な用途としては、平凸版インキ、
フレキソインキ、グラビアインキ、スクリーンインキな
どのインキ分野、ツヤニス分野、紙塗工剤分野、木工用
塗料分野、飲料缶用塗工剤又は印刷インキ分野、軟包装
フィルム塗工剤、印刷インキ又は粘着剤、感熱紙、感熱
フィルム用塗工剤、印刷インキ、接着剤、粘着剤又は光
ファイバーコート剤などの用途に有用である。
【0067】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定
されるものではない。
【0068】実施例1 (マレイミド化合物(A)の合成例)トリス(2,3−
エポキシプロピル)イソシアヌレート(エポキシ当量1
00)300g、マレイミドカプロン酸303g、ハイ
ドロキノン0.1g、トリフェニルホスフィン2g及び
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4
00gを仕込み、加熱、攪拌し、98℃で約35時間反
応を行い、反応混合物の酸価(mgKOH/g)が1.
0以下になったところで反応を終了し、減圧下で溶剤を
留去し、透明な半固形の生成物600gを得た。生成物
の屈折率(25℃)は1,473であった。NMR及び
LCMS分析の結果から、生成物の主成分は、下記、構
造式であることを確認した。
【0069】
【化2】
【0070】実施例2、3 比較例1、2 表1に示される各成分を同表に示される組成比にしたが
って配合、溶解し、本発明及び比較用の樹脂組成物を得
た。得られた各樹脂組成物について、下記の評価方法に
従って紫外線硬化性及び得られた硬化塗膜のゲル分率と
表面(鉛筆)硬度を評価し、その結果を表1にまとめて
示した。
【0071】(1)紫外線硬化性:ガラス板上に、各樹
脂組成物を硬化後の膜厚が50μmになるように塗布し
た後、大気中で80w/cm高圧水銀ランプ(アイ・グ
ラフィックス(株)製)を用いて、ランプ高さ8cm、
コンベア速度5m/分の条件で紫外線を照射し、塗膜表
面をタックフリーにするために必要な照射回数により評
価した。なお、1回のUV照射量は、約160mJ/c
2であった。
【0072】(2)ゲル分率:上記の硬化条件でランプ
の下を4回通して塗膜を作製した。ガラス板から剥離し
た硬化塗膜(重量:W1)を、メチルエチルケトン中
で、80℃、3時間環流した後、100℃で1時間乾燥
後に秤量(重量:W2)し、ゲル分率(%)=W2÷W1
×100を求めた。
【0073】(3)表面硬度:上記のゲル分率の評価と
同じ方法で塗膜を作製し、JIS K−5400に基づ
き、鉛筆硬度を測定した。 表1 実施例 比較例 組成比 2 3 1 2 合成実施例1で得た生成物 50 30 KAYARAD PET−30*1 30 42 30 42 KAYARAD R−551*2 12.5 17.5 12.5 17.5 KAYARAD TMPTA*3 7.5 10.5 7.5 10.5 N−エチルマレイミド 30 N,N−4,9−ジオキサン −1,12−ビスマレイミドデカン 50 物性の評価 紫外線硬化性(回) 1 2 8 10回以上 ゲル分率(%) 100 100 50 0 鉛筆硬度 4H 4H 4B以下 −
【0074】 (注)*1 KAYARAD PTE−30:日本化薬(株)製、ペンタエリス リトールトリアクリレート及びテトラアクリレート混合物。 *2 KAYARAD R−551:日本化薬(株)製、ビスフェノールA ポリ(n≒4)エトキシジアクリレート。 *3 KAYARAD TMPTA:日本化薬(株)製、トリメチロールプ ロパントリアクリレート。
【0075】表1に示した結果から、本発明の樹脂組成
物は、光重合開始剤を使用していないにも係わらず、紫
外線照射で容易に硬化し、均一で透明な塗膜が形成でき
るのは明らかである。
【0076】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、光重合開始剤の
不存在下であっても実用的な光照射量で硬化し、しかも
高いゲル分率の塗膜を形成することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリス(2,3−エポキシプロピル)イシ
    ソアヌレート(a)とマレイミド基を有するモノカルボ
    ン酸(b)との反応物であるマレイミド化合物(A)。
  2. 【請求項2】請求項1記載のマレイミド化合物(A)と
    (A)成分以外の重合性化合物(B)を含有することを
    特徴とする樹脂組成物。
  3. 【請求項3】重合性化合物(B)が(メタ)アクリロイ
    ル基、ビニルエーテル基又はN−ビニル基を有する化合
    物から成る群から選ばれる1種以上の化合物である請求
    項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(メタ)アクリロイル基を有する化合物が
    (ポリ)エステル(メタ)アクリレート(B−1−
    1)、ウレタン(メタ)アクリレート(B−1−2)、
    エポキシ(メタ)アクリレート(B−1−3)、(ポ
    リ)エーテル(メタ)アクリレート(B−1−4)、ア
    ルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)ア
    クリレート(B−1−5)、芳香環を有する(メタ)ア
    クリレート(B−1−6)及び脂環構造を有する(メ
    タ)アクリレート(B−1−7)からなる群より選ばれ
    る1種以上の化合物である請求項3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ビニルエーテル基を有する化合物が他末端
    がハロゲン原子又は水酸基で置換されていても良いアル
    キルビニルエーテル(B−2−1)、他末端がハロゲン
    原子又は水酸基で置換されていても良いシクロアルキル
    ビニルエーテル(B−2−2)、ビニルエーテル基がア
    ルキレン基と結合し、さらに置換基を有していても良い
    アルキル基、シクロアルキル基及び芳香族基から成る群
    から選ばれる少なくとも一つと、エーテル結合、ウレタ
    ン結合及びエステル結合から成る群から選ばれる少なく
    とも一つの結合を介して結合している構造を有するモノ
    ビニルエーテル、ジビニルエーテル及びポリビニルエー
    テル(B−2−3)から成る群から選ばれる1種以上の
    化合物である請求項3記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】光重合開始剤(C)を含有する請求項2乃
    至5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項2乃至6のいずれか1項に記載の樹
    脂組成物の硬化物。
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