JP2003327590A - ジアステレオマー構造配位子を有する錯体及びそれを用いた光学機能材料 - Google Patents

ジアステレオマー構造配位子を有する錯体及びそれを用いた光学機能材料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化が可能であり、製造精度による誤差の
ない円偏光フィルタやセンサなどを提供する。 【解決手段】 Eu(hfa-D)3BINAPO錯体などの、中心イオ
ンが希土類イオンであり、ジアステレオマー構造配位子
が希土類イオンに配位した、円偏光性を有する希土類錯
体の結晶またはそれを含んだ固体担体等の光学機能材料
を用いて、円偏光フィルタやセンサなどを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円偏光性を用いた
光センサ、光フィルタあるいは光多重通信等に用いられ
る光学機能材料に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信の分野においては、単位時間に伝
送できる情報量を増加させるために、様々な多重通信方
法が検討されている。現在実用化されているものの一つ
に、波長分割多重方式がある。これは、1本の伝送路に
おいて多種の波長の光を同時に伝播させ、それぞれに別
個の信号を乗せる通信方式である。この方式において同
時に伝送できる情報量は、利用できる波長帯幅と波長分
解能に依存する。しかし、波長帯幅資源は限られてお
り、波長分解能の向上にも限界があるため、今後同時に
伝送できる情報量を更に向上させるために、波長と併用
して他のパラメータを導入することが考えられる。
【0003】波長と併用して用いることのできるパラメ
ータを導入する方法として、円偏光を用いることが考え
られる。円偏光には右巻きと左巻きの2種類があり、同
じ波長でも右巻きの円偏光と左巻きの円偏光に別個の信
号を乗せることができると考えられる。この方法は波長
分割多重方式と併用して用いることができる。
【0004】一方、近年、光学的に有用な物質の特性自
体を利用した光学機能材料が盛んに開発されている。例
えば、本願発明者らは1995年に、有機媒体中で発光可能
なネオジム等の希土類金属の一群の錯体の設計に成功し
た(非特許文献1、特許文献1、特許文献2、特許文献
3参照)。
【0005】
【非特許文献1】長谷川靖哉, 「有機媒体中で光らない
ネオジウムをどのように光らせるか?」, 「化学と工
業」, 2000年, 第53巻, 第2号, pp.126-130
【特許文献1】国際公開第98/40388号パンフレ
ット
【特許文献2】特開2000−63682号公報
【特許文献3】特開2000−256251号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】円偏光を取り出すため
に、これまでは主に偏光板が用いられてきた。上記波長
分割多重方式に円偏光を用いる場合は、各波長を合波す
る前及び分波した後の光の経路に、その波長毎に屈折率
や厚さの異なる偏光板がそれぞれ設置される。この場
合、多数の偏光板が存在することによって、装置の大型
化が避けられない。また、厚みなどの偏光板の製造精度
による誤差も生じうる。
【0007】上記のような光学機能材料として、例えば
右巻きまたは左巻きの円偏光を選択的に吸収または発光
する物質があれば、上記装置の小型化及び分解能や効率
の向上が期待できる。
【0008】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、特定の
円偏光を選択的に吸収する性質を持つ光学機能材料を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る光学機能材料に用いる希土類錯
体は、中心イオンが希土類イオンであり、ジアステレオ
マー構造配位子が希土類イオンに配位することを特徴と
する。
【0010】上記希土類イオンはCe(3価イオン)、Pr、N
d、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb(3価イオンの
み)のいずれかのイオンであることが好ましい。
【0011】上記希土類錯体は、化学式(23)
【化8】 (式中、Phはフェニル基を表す)で表される希土類錯体を
用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】希土類錯体とは、希土類元素の2
価、3価又は4価のイオンを中心イオンとして、複数の
各種配位子が配位した有機錯体である。このような錯体
としては、希土類イオンが他の化学種に取り囲まれてホ
スト−ゲスト構造をとった包接化合物や、単に中心の希
土類イオンに配位子が配位したのみ(希土類イオンが他
の化学種に包接されていない)のものがある。本発明に
おいてはいずれのものも用いることができる。しかし、
包接化合物構造の場合、一般的に不斉部位が希土類イオ
ンから離れているため、希土類イオンへのキラリティー
の影響は少ない。また、錯体がデルタ体およびラムダ体
の光学異性体混合物になる可能性が高くキラリティーの
低下が考えられる。これらのことから、本発明に係る希
土類錯体は、他の化学種に包接されていない錯体構造と
するのが好ましい。
【0013】本発明に係る希土類錯体においては、上記
配位子の少なくとも1つがジアステレオマー構造を持
つ。ジアステレオマーとは、立体異性体のうち、鏡像異
性体(エナンチオマー)を除く異性体である。ここで、本
明細書において、ジアステレオマー構造を持つ配位子と
は、複数の立体異性体が存在し得る構造を有する配位子
を意味し、ジアステレオマー構造を持つ配位子が配位し
た希土類錯体とは、このような配位子が配位した希土類
錯体のことを意味する。
【0014】ジアステレオマー構造を持つ配位子が希土
類錯体に組み込まれることによって、次の2つの円偏光
性が生じる。第1の円偏光性は、ジアステレオマー構造
を持つ配位子自体によるものである。第2の円偏光性
は、中心イオンである希土類イオンの4f軌道内での遷移
により吸収される光による円偏光である。このうち第2
の円偏光は、一部の包接化合物においては知られていた
ものの、通常の希土類錯体、特にEu錯体においてはこれ
まで知られていなかった現象であり、Eu錯体はその取り
扱いの容易性から実用上も有益である。以下、主に第2
の円偏光性について詳しく述べる。
【0015】希土類イオンの4f軌道は7つあり、1つの
軌道に最大2個電子が入るため、4f軌道全体で最大14個
の電子が入る。入る電子の個数は希土類イオンの種類に
よって異なる。例えば、Eu3+イオンの場合、4f軌道全体
で6個の電子が存在する。上記4f軌道の準位は、通常、
結晶場の存在などにより縮退しない。その準位間のエネ
ルギー差に対応した光を照射すれば、4f軌道の準位間に
おける電子の遷移により光の吸収が生じ、尖鋭な吸収ス
ペクトルが得られる。上記のような4f軌道の準位間にお
ける電子の遷移を、以後f-f遷移と呼ぶ。
【0016】不斉配位子を持たない希土類錯体において
は、f-f遷移に限らず、電子軌道の準位間の遷移によっ
て吸収される光は、これまで知られている範囲では円偏
光性を持たない。一方、本発明に係るジアステレオマー
構造配位子を持つ希土類錯体は、電子軌道の準位間の遷
移(f-f遷移)によって一方の円偏光を吸収する。
【0017】上記第2の円偏光性を持つためには、すな
わちf-f遷移が起こるためには、希土類イオンの4f軌道
全体で電子を少なくとも1個持ち、かつ閉殻になってい
ないことが必要である。また、4f軌道全体で電子を7個
持つ場合は、基底状態では7つの4f軌道の全てに1つず
つ電子が入り、励起状態では必ずある軌道に電子が2つ
入り互いの電子がクーロン反発力を受ける。これにより
励起エネルギーが大きくなるため、可視光領域の光のエ
ネルギーに対応したf-f遷移は起こらない。
【0018】第2の円偏光性を持つためには、具体的に
は、上記希土類イオンは、Ce(3価イオンのみ)、Pr、N
d、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb(3価イオンの
み)のいずれかのイオンであればよい。なお、第1の円
偏光性のみを用いればよい場合は、4f軌道に電子を持た
ないSc3+、Y3+、La3+、Ce4+、Lu3+のイオン、4f軌道全
体で電子を7個持つGa3+、4f軌道が閉殻であるYb2+であ
ってもよい。
【0019】本発明に係る光学機能材料に使用し得る錯
体には、種々のものが考えられる。前段落に記したよう
に、中心となる希土類イオンだけでも十数種類存在し、
それらとジアステレオマー構造配位子及びその他の配位
子との組み合わせは多数存在する。上記の希土類イオン
における4f軌道の準位間のエネルギー差が周囲の配位子
の種類にも依存するため、上記希土類イオンの変化のみ
ならず、配位子の組み合わせを変化させることによって
も、様々な波長域の(第2の円偏光性による)円偏光を得
ることができる。
【0020】ジアステレオマー構造配位子には様々なも
のがあるが、例えば一般式(1)
【化9】 (式中、Phはフェニル基を表す。Xは同一または異なる水
素原子、重水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20の基、水
酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、
シリル基、ホスホン酸基、ジアゾ基、メルカプト基を表
す。)で表した、2,2'-Bis(diphenylphosphinyl)-1,1'-b
inaphthyl (以下、BINAPOとする)及びBINAPOの誘導体が
ある。
【0021】ここで、C1〜C20の基としては: * 直鎖又は分枝を有するアルキル基(CnH2n+1:n=1
〜20)、およびパーフルオロアルキル基(CnF2n+1:n
=1〜20)、パークロロアルキル基(CnCl2n +1:n=
1〜20)などの直鎖又は分枝を有するパーハロゲン化
アルキル基;
【0022】* 直鎖又は分枝を有するアルケニル基
(ビニル基、アリル基、ブテニル基)、およびパーフル
オロアルケニル基(パーフルオロビニル基、パーフルオ
ロアリル基、パーフルオロブテニル基)、パークロロア
ルケニル基などの直鎖又は分枝を有するパーハロゲン化
アルケニル基;シクロアルキル基(CnH2n-1:n=3〜2
0)、およびパーフルオロシクロアルキル基(C
nF2n-1:n=3〜20)、パークロロアルキル基(CnCl
2n-1:n=3〜20)などの直鎖又は分枝を有するパー
ハロゲン化アルキル基;シクロアルケニル基(シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基等)、およびパーフルオロ
シクロアルケニル基、パークロロアルケニル基などのパ
ーハロゲン化アルキル基;
【0023】* フェニル基、ナフチル基、ビフェニル
基等の芳香族基、およびパーフルオロフェニル基、パー
フルオロナフチル基、パーフルオロビフェニル基、パー
クロロフェニル基、パークロロナフチル基、パークロロ
ビフェニル基などのパーハロゲン化芳香族基;
【0024】* ピリジル基等のヘテロ芳香族基、およ
びパーフルオロピリジル基等のパーハロゲン化ヘテロ芳
香族基;
【0025】* ベンジル基、フェネチル基等のアラル
キル基、およびパーフルオロベンジル基などのパーハロ
ゲン化アラルキル基;
【0026】等を挙げることができる。
【0027】このほかにも、例えば化学式(2)〜(20)
【化10】
【化11】
【化12】 で表される配位子またはその誘導体がある。また、不斉
部位を有するメタロセン骨格を含む、ビス(シクロペン
タジエニル)金属錯体及びその誘導体も用いることがで
きる。
【0028】具体的には、上記ジアステレオマー構造配
位子が配位した希土類錯体として、化学式(23)で表した
Eu(hfa-D)3BINAPO錯体を用いることができる。これは、
希土類イオンがEu3+、ジアステレオマー構造配位子がBI
NAPOである錯体である。
【0029】化学式(23)で表した錯体のEuの代わりに他
の希土類元素の1つが入る錯体も使用し得る(化学式(2
2))。また、BINAPOのフェニル基やビナフチル基上の水
素原子の1つまたは複数を、同一または異なる、重水素
原子、ハロゲン原子、C1〜C2 0の基、水酸基、ニトロ
基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、シリル基、ホ
スホン酸基、ジアゾ基、メルカプト基などの種々の基に
置換した錯体も使用し得る。さらに、化学式(23)中のCF
3のうちの1つまたは2つを、同一または異なるC 1〜C20
の基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホニル基、シ
アノ基、シリル基、ホスホン酸基、ジアゾ基、メルカプ
ト基などの種々の基に置換した錯体も使用し得る。
【0030】ジアステレオマー構造配位子が配位した希
土類錯体を光学機能材料として用いる際は、その錯体の
結晶を直接用いてもよいし、その錯体を透明ポリマーや
透明ガラスなどの透明固体担体に含有させてもよい。ま
た、その錯体を有機溶媒に溶解させて塗料とすることも
できる。
【0031】
【発明の効果】本発明に係るジアステレオマー構造配位
子が配位した希土類錯体及びそれを含む光学機能材料に
よれば、電子軌道の準位間の遷移に起因する、円偏光性
を持つ光の吸収機能を得ることができる。上記機能によ
って吸収される光の波長は希土類錯体の種類によって決
まるため、このような材料を用いることにより、製造精
度による誤差の無い円偏光フィルタなどを作製すること
ができる。本発明に係る材料を用いた場合、円偏光フィ
ルタやその他の円偏光を用いる機器において、偏光板な
どを用いる必要が無くなり、装置の小型化に寄与する。
【0032】
【実施例】本発明の第1の実施例として、上記化学式(2
3)で示したEu(hfa-D)3BINAPO錯体の合成方法を述べ、そ
の性質について述べる。まず、母物質であるBINAPOとEu
(hfa)3(H2O)2の合成方法について述べる。
【0033】BINAPOは、以下のようにして合成した。S
体の2,2'-Bis(diphenylphosphino)-1,1'-binaphthyl
((S)-BINAP、本実施例では3g)を脱水THF(THF:テトラヒ
ドロフラン)に溶解し、冷却しながらH2O2(1.8ml)を滴下
した後、12時間攪拌した。反応溶液からTHFを減圧留去
した後、これにアンモニア水(6ml)とメタノール(30ml)
の混合溶媒を加え、不溶物を濾過で取り除いた。その
後、この溶液にHCl(15ml)を加え、それにより生じた固
体状物質を濾過した。この固体状物質を脱イオン水で数
回洗浄し、更にヘキサンで洗浄後、乾燥することによ
り、(S)-BINAPOを得た。
【0034】Eu(hfa)3(H2O)2は、以下のようにして合成
した。Eu(CH3COO)3・4H2O(酢酸ユーロピウム、5g)とhfa
(ヘキサフルオロアセチルアセトン、7g)を脱イオン水
(100ml)に溶解し、常温で3日間攪拌した。この反応溶
液を濾過して得られた固体状物質に、メタノールと脱イ
オン水の混合溶媒を加えて再結晶化を行い、白色の結晶
(本実施例では7.64g)を得た。
【0035】得られた母物質BINAPO(3g)とEu(hfa)3(H
2O)2錯体(4.4g)をメタノールに溶解し、80℃で12時間還
流させた。反応溶液からメタノールを減圧留去後、未反
応のEu(hfa)3(H2O)2錯体を除去するため、これにトルエ
ンを加え不溶物を濾過で取り除いた。この溶液からトル
エンを減圧留去後、ヘキサンで洗浄し、黄白色の粉末を
得た。この粉末に熱メタノールを加えて再結晶化を行
い、白色の結晶(本実施例では0.95g)を得た。
【0036】得られた結晶を1H-NMR、19F-NMR、FT-IR
(フーリエ変換赤外分光法)及び元素分析で同定を行っ
た。これらの結果を以下に示すとともに、1H-NMRのチャ
ートを図1に示す。1 H-NMR(Acetone-d6,TMS):δ(ppm)=6.23(s,3H),6.68-6.7
1(d,2H),6.78-6.88(m,8H),7.00-7.06(q,2H),7.15-7.18
(d,2H),7.20-7.28(m,8H),7.38-7.43(q,2H),7.65-7.71
(q,2H),7.97-8.07(q,2H),8.30-8.33(d,2H),8.81-8.84
(d,2H)19 F-NMR(Acetone-d6,C6F6):δ(ppm)=-76.10(s,F) FT-IR(KBr):(cm-1) 3064(w),1651(s),1553(s),1524(s),
1507(s),1440(m),1253(s),1204(s),1144(s),1028(w),99
6(w),947(w),872(w),817(m),792(m),726(m),703(m),693
(m),658(m),583(m),573(m),538(m),523(m) 元素分析:C 49.36,H 2.51 計算値(EuC59H35O8H18P2)C
49.61,H 2.45 以上のように1H-NMRでは全てのHが帰属でき、さらにhfa
とBINAPOの比が3:1であった。元素分析では、測定値と
計算値の値がほぼ一致した。これらの結果から、得られ
た結晶はEu(hfa)3BINAPO錯体であると言える。
【0037】上記合成方法で得られた錯体においては、
上記化学式(23)におけるDの位置に水素Hが配位してい
る。そこで、以下の方法によりZの位置のHを重水素Dに
置換したEu(hfa-D)3BINAPO錯体を得た。Eu(hfa)3BINAPO
錯体に0.04mol/lの濃度となるようにメタノール-d4を加
えて完全に溶解し、12時間放置した。この溶液を真空用
容器に入れ、数回脱気を行った後、メタノール-d4を完
全に除去した。このような方法により、重水素化された
錯体Eu(hfa-D)3BINAPOを得た。
【0038】上記錯体Eu(hfa-D)3BINAPOの円偏光性を調
べるために、円二色性スペクトルを測定した結果を図
2、図3に示す。図2には参考として、母物質であるBI
NAPOのスペクトルを、図3には参考としてジアステレオ
マー構造配位子を持たないEu(hfa-D)3(TPPO)2錯体のス
ペクトルを併せて示した。なお、図2と図3では、横軸
の測定波長領域が異なる。また、図3では試料濃度が2.
0×102Mのときの左巻きの円偏光と右巻きの円偏光の吸
収量の差ΔAbsを縦軸にとっているが、図2では、ΔAbs
を試料濃度で除した値Δεを縦軸にとっている。ここ
で、ΔAbsは円偏光の向きによる吸収量の差が無ければ0
になり、左右どちらかの円偏光を多く吸収した場合は0
からずれる。
【0039】図2から、上記錯体Eu(hfa-D)3BINAPOは広
い波長領域で円偏光性を持つことが分かる。特に、波長
域200nm〜350nmにおいて、波長が長くなるに従いΔAbs
が正-負-正と符号の逆転を伴う急激な変化を示した。図
2の全波長領域における上記錯体Eu(hfa-D)3BINAPOのΔ
Absの振舞は、母物質であるBINAPOのそれとは全く異な
る。
【0040】注目すべきことは、図3の矢印で示した部
分である。この部分において、明らかにΔAbsの0からの
ずれが見られる。ジアステレオマー構造配位子を持たな
いEu(hfa-D)3(TPPO)2錯体のスペクトルにはそのような
ずれは見られない。このずれは波長410nm、465nm、535n
m付近に存在するが、これらの波長はいずれも順に7F0
5D37F0から5D27F0から5D1のf-f遷移に対応する。
このことは、f-f遷移によって吸収された光が円偏光性
を持つことを意味している。
【0041】図2及び図3に示した結果は、BINAPOの2
種類の異性体のうち、(S)-BINAPOを配位子とした錯体Eu
(hfa-D)3((S)-BINAPO)の測定結果を示している。BINAPO
の他方の異性体である(R)-BINAPOを配位子とした錯体Eu
(hfa-D)3((R)-BINAPO)を用いれば、図2及び図3は縦軸
の正負が逆転する。すなわち、ある波長(特にf-f遷移が
生じる波長)において(S)-BINAPOを配位子とした錯体が
一方の方向の円偏光性を示せば、(R)-BINAPOを配位子と
した錯体はその反対の方向の円偏光性を示す。
【0042】上記実施例において、ジアステレオマー構
造配位子が配位した希土類錯体によって、電子軌道の準
位間の遷移に起因する円偏光性を持つ光の吸収機能が得
られることが確認された。
【0043】次に、本発明に係るジアステレオマー構造
配位子が配位した希土類錯体を用いた光学機能材料の実
施例をいくつか述べる。本発明に係る希土類錯体に一方
の円偏光を吸収させれば、他方の円偏光を得ることがで
きる。円偏光板などの円偏光フィルタと同じ役割を果た
すことから、本発明に係る希土類錯体を円偏光フィルタ
ーへ適用することが可能である。該円偏光フィルタは上
記光多重通信など、広範な用途への適用が可能であると
考えられる。
【0044】また、本発明に係る希土類錯体を用いて、
円偏光センサを作製することができる。例えば、タンパ
ク質や生体試料等に光を照射し、透過した光を該円偏光
センサで検出することにより、光学異性体を選別するこ
とが可能である。すなわち、当該タンパク質等が光学異
性体のうちの所望のものである場合と所望のものでない
場合では、偏光方向によって上記円偏光センサが吸収す
る光の強度が異なるため、この強度の違いを検出するこ
とによって、当該物質が光学異性体のうちの所望のもの
であるか否かを識別することができる。上記円偏光セン
サのΔAbsの値が大きい波長領域を用いることにより、
光学異性体を透過した光の偏光を直接観測するよりも容
易に識別が可能になる。
【0045】また、本発明に係る錯体を有機溶媒に溶解
させて作製した塗料を対象物に塗布しておけば、上記円
偏光センサで検知することによって上記対象物を抽出す
ることができる。
【0046】本発明に係る希土類錯体では、旋光性の違
いのみを有する配位子をそれぞれ(別個に)使用した錯
体を合成することにより、同じ組成であっても、左巻き
の円偏光を強く吸収するものと右巻きの円偏光を強く吸
収するものの両方が得られる。また、一の希土類錯体に
おいても、波長に応じて左巻きの円偏光を強く吸収する
場合と右巻きの円偏光を強く吸収する場合がある。そこ
で、一方の性質を示すものを0、他方を1と定義すれば、
この錯体あるいはこの錯体を含む光学機能材料を並べ
て、2進数で表されたデータを記録することができる。
そこへ円偏光を当てることにより、データを読み出すこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例において得られた、Eu(hfa)3BINAPO
錯体の1H-NMRスペクトル図。
【図2】 Eu(hfa-D)3((S)-BINAPO)錯体及び(S)-BINAPO
の円二色性スペクトル図。
【図3】 Eu(hfa-D)3((S)-BINAPO)錯体及びEu(hfa-D)3
(TPPO)2錯体の円二色性スペクトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 17/02 C07F 17/02 G02B 5/30 G02B 5/30 Fターム(参考) 2H049 BA03 BA05 BA42 BC25 4H048 AA01 AA03 AB92 VA70 VB10 4H050 AA01 AA03 AB92

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心イオンが希土類イオンであり、ジア
    ステレオマー構造配位子が配位することを特徴とする、
    光学機能材料に用いる希土類錯体。
  2. 【請求項2】 希土類イオンがCe(3価イオンのみ)、P
    r、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb(3価イオ
    ンのみ)のいずれかのイオンであることを特徴とする請
    求項1に記載の希土類錯体。
  3. 【請求項3】 希土類イオンがEu3+であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の希土類錯体。
  4. 【請求項4】 ジアステレオマー構造配位子の1つまた
    は2つ以上が、 a)一般式(1) 【化1】 (式中、Phはフェニル基を表す。Xは同一または異なる水
    素原子、重水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20の基、水
    酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、
    シリル基、ホスホン酸基、ジアゾ基、メルカプト基を表
    す。)で表される配位子、 b)化学式(2)〜(20) 【化2】 【化3】 【化4】 で表される配位子のいずれか及びその誘導体、 c)不斉部位を有するメタロセン骨格を含む、ビス(シク
    ロペンタジエニル)金属錯体及びその誘導体、のうちの
    1つまたは2つ以上であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の希土類錯体。
  5. 【請求項5】 ジアステレオマー構造配位子が、化学式
    (21) 【化5】 で表される配位子であることを特徴とする請求項4に記
    載の希土類錯体。
  6. 【請求項6】 一般式(22) 【化6】 (式中、Lnn+は希土類イオンを表す。Phはフェニル基を
    表す。Xは同一または異なる水素原子、重水素原子、ハ
    ロゲン原子、C1〜C20の基、水酸基、ニトロ基、アミノ
    基、スルホニル基、シアノ基、シリル基、ホスホン酸
    基、ジアゾ基、メルカプト基を表す。Zは水素原子、重
    水素原子、ハロゲン元素原子、C1〜C20の基のいずれか
    を表す。Rは同一または異なるC1〜C20の基、水酸基、ニ
    トロ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、シリル
    基、ホスホン酸基、ジアゾ基、メルカプト基のいずれか
    を表す。)で表されることを特徴とする、請求項1〜5
    のいずれかに記載の希土類錯体。
  7. 【請求項7】 化学式(23) 【化7】 (式中、Phはフェニル基を表す)で表されることを特徴と
    する、光学機能材料に用いる希土類錯体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の希土類
    錯体を含むことを特徴とする光学機能材料。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の希土類
    錯体を含むことを特徴とする円偏光フィルタ。
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