JP2003327473A - 多孔質炭素焼結体の製造方法 - Google Patents

多孔質炭素焼結体の製造方法

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JP2003327473A
JP2003327473A JP2002138478A JP2002138478A JP2003327473A JP 2003327473 A JP2003327473 A JP 2003327473A JP 2002138478 A JP2002138478 A JP 2002138478A JP 2002138478 A JP2002138478 A JP 2002138478A JP 2003327473 A JP2003327473 A JP 2003327473A
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acrylate
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Tadanori Nomura
忠範 野村
Kunihisa Yoshioka
邦久 吉岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の炭素材料として応用可能な多孔質炭素
焼結体およびその製法方法を提供する。 【解決手段】 ナノサイズの炭素前駆体を予備成形し、
それを炭化焼結することにより、多孔質炭素焼結体を製
造することにより得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高静電容量の電気
二重層キャパシタ電極用炭素材料、水素や天然ガスの吸
蔵用炭素材料や高容量の電池電極用炭素材料等、特殊な
機能性複合炭素材料になる炭素に関するものである。特
に、ナノサイズ細孔構造とナノサイズの一次粒子径を持
った炭素または水分散系の炭素を予備成形工程と炭化工
程とで処理して得られる多孔質炭素焼結体の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年普及してきた小型電子機器のバック
アップ電源として、信頼性の高い高静電容量の小型キャ
パシタの採用に始まり、瞬間的にパワーを出せるデジカ
メメモリーや携帯電話のバケット電送用高静電容量キャ
パシタが要求されている。特に、ハイブリッド自動車や
電気自動車の実用化に向けて、主エネルギー源である内
燃エンジン(ガソリン、ジーゼル、LPGやCNG・エ
ンジン)、電源用二次電池や燃料電池の補助(パワーア
シスト)電源として、主エネルギー源の負荷を平滑化す
るため、高静電容量の電気二重層キャパシタ(EDL
C)が着目されて来ている。
【0003】EDLCとは固体と液体の界面に生じる電
気二重層を利用したコンデンサである。その構造は、セ
パレ−タを挟んだ1組の分極性電極を単極とし、これを
ロール状に巻きつけたり、積層したものをモジュールと
したものを収納するケ−スと電解液と集電体からなる。
分極性電極材料として、大比表面積を有する活性炭(粉
末を固めたもの、不織布状、シート状のもの等)が用い
られる。活性炭の原料には、ヤシガラやセルロース等の
植物質や石炭質や石油ピッチ等の石油質やフェノール樹
脂、フルフラール樹脂、PAN等の樹脂質が使われてい
る。一方、電解液として、例えば水系ならば硫酸水溶
液、水酸化カリウム水溶液を、また、非水系ならば4級
アンモニウム塩を溶解したプロピレンカーボネイト等の
有機溶媒系電解液が使われている。水系電解液を用いた
水系EDLCは、電解液の導電率が高いために低等価直
列抵抗(ESR)に向いており、高出力密度(高電流密
度での出力特性、Kw/Kg)であり、湿度に影響されず環
境特性に優れる。
【0004】また、有機系電解液を用いた有機系EDL
Cは、耐電圧が高いため、高エネルギー密度(WH/Kg)
を持ち、より小型化できる特長を持っている。EDLC
用電極材料として高機能活性炭が各種提案されている。
この活性炭への要求特性として、大きな比表面積を持
つこと、高い導電性があること(低い内部抵抗である
こと)、高いかさ密度であること、が挙げられる。活
性炭への要求特性を満足するには活性炭の細孔容積や細
孔径分布の細孔の幾何学的構造のみならず、細孔の化学
的性質が重要と考えられる。
【0005】EDLCの静電容量を改良するため、活性
炭を代表とする炭素材料の細孔構造制御する従来技術例
として、細孔形状に着目した特開平7−220985号
公報の技術、活性炭の炭素原料に着目した特開平7−2
49551号公報の技術、焼成して製造した活性炭にア
ルカリ賦活処理を施した特開平9−213590号公報
や特開平9−275042号公報の技術が既に報告され
ている。
【0006】特開平7−220985号公報の技術によ
れば、透過型電子顕微鏡写真(TEM写真)とその画像
解析法を用いて、活性炭の細孔形状及び大きさを特定し
ている。それによれば、細孔はスリット状か楕円状であ
り、水溶液電解液では水分子径の1.5〜3倍である範
囲のスリット幅、スリット長の細孔の電極材が有効であ
り、有機系電解液では電解液の溶媒和したイオン径+
0.2nm以上の細孔がある電極材が大静電容量のED
LCに最適であることが示されている。そして、この様
な活性炭を製造する方法として、特開平3−78221
号公報で示されたパルス衝撃電流により活性炭微粒子の
相互間を焼結させる多孔質製造法が示されているが、特
殊な焼結方法を用いなければならず、製造コスト及び汎
用性の点で好ましくない。
【0007】また、特開平7−249551号公報の技
術によれば、炭素原料としてポリ塩化ビニリデン(PV
DC)を用い、非酸化雰囲気下(窒素ガスN2下)、8
00〜1000℃で通電焼結法にて炭化焼成することで
多数の細孔を有するEDLC電極用炭素材料が得られる
ことが示されている。炭素原料として、炭化の際、加熱
処理による主鎖の脱離反応(脱塩酸反応)によって、容
易に多数の電解液イオンの吸着に好適な場を与えるPV
DCを用いたことは極めて優れた知見ではあるが、それ
でも800〜1000℃で焼成しなければならないこ
と、通電焼結という特殊な焼結方法を用いなければなら
ないことは、製造コスト及び汎用性の点で好ましくはな
い(なお、PVDCを原料として脱塩酸処理して得られ
る炭素材料は、賦活処理をしていないため、厳密な意味
では活性炭ではないが、活性炭の様な細孔構造を有する
ため、以下では活性炭として表記する)。
【0008】更に、特開平9−213590号公報の技
術によれば、原料をアルカリ金属水酸化物の存在下32
0〜380℃及び450〜700℃で2段階焼成し、ア
ルカリ金属水酸化物を除去した後、更に熱処理すること
を特徴とするEDLC電極用活性炭の製造方法が示され
ている。
【0009】特開2000−353644号公報の技術
によれば、特定の微結晶サイズを持ち特定組成の塩化ビ
ニリデン樹脂からなる活性炭原料とこれを膨潤若しくは
溶解する溶剤と、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ
土類の水溶液とアルコール及び/又はエーテルとの混合
溶液を用いて、100℃以下で脱塩酸処理工程を含む炭
化処理および/または賦活してなる活性炭を得ることが
記載されている。さらに、Journal of Colloid Interfa
ce Science, Vol. 80, No. 2, p512, April 1981"Dehyd
rochlorinatrion of Monodisperse Poly(vinylidene Ch
loride) Latex" に記載されている技術によれば、上記
の広報と同じく、実質的に有機溶剤とアルカリを併用し
た100℃以下で脱塩酸処理工程を含む炭化処理法であ
る。
【0010】また、特開平9−275042号公報の技
術によれば、塩化ビニル系樹脂を熱分析で第1段目の重
量減少が生じる温度〜2000℃で焼成した後、アルカ
リ賦活として、水酸化カリウム等を用いて賦活温度50
0〜1000℃で1〜20時間行うことを特徴とするE
DLC電極用活性炭の製造方法が示されている。これら
の技術で用いられているアルカリ処理は、いずれも炭化
した後の活性炭の賦活処理に関するものである。これら
の技術において使用されている炭素材料のサイズ、形状
等は通常の重合方法、例えば溶液重合、懸濁重合や乳化
重合後に塩析による方法で得られるもので、実質的に1
00ミクロン程度又はそれ以上のサイズである。
【0011】さらに、特開平9−275042号公報の
技術によれば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂をアンモニア
中で加圧下に加熱する、炭素前駆体の製造方法が示され
ている。ここで用いられるポリ塩化ビニリデン系樹脂は
ニートレジン、あるいはニートレジンに可塑剤、安定
剤、抗酸化剤などの添加剤が添加されたもので、形態と
して、フィルム、ボトル、キャピラリーチューブ、糸、
成形品、フレーク屑、微小球形などが挙げられており、
実施例から、これらポリ塩化ビニリデン系樹脂は実質的
に100ミクロン程度間又はそれ以上のサイズである。
以下に述べるナノサイズ炭素前駆体から成型して得られ
る炭素焼結体やその製造法とは異なる。
【0012】電気二重層キャパシタ電極用炭素材料とし
ての炭素前駆体のみならず、”表面”Vol.38,No.2,p3
9(2000)「炭素材料によりるメタンと水素の貯蔵」に記
載されいるように、常温で、蒸気圧の高い水素やメタン
を高濃度に吸蔵できる軽量な炭素材料が注目されてい
る。天然ガス(液化天然ガス−LNG、圧縮天然ガス−
CNG、吸着式天然ガス−ANG)自動車のうち、すで
にLNG、CNG自動車は実用化されている。又、水素
を用いた燃料電池を用いた電気自動車もロード走行試験
に入っている。水素やCNGは貯蔵圧力を高めれば燃料
貯蔵量を向上させることができるが、頑強で重い貯蔵タ
ンクを搭載せざるを得ない。
【0013】更に、電池電極用高機能性炭素材料として
は炭素前駆体に活物質や貴金属触媒を担持させたり、そ
れら炭素前駆体を更に、黒鉛化することにより使用でき
る。しかしながら、本発明のような特異の構造を有する
ナノサイズの炭素素材(以下、ナノカーボンと言う)を
成型した多孔質炭素焼結体はこれまで存在してなかっ
た。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種の応用
に適用される、製造コスト的にも安価で、特異な構造を
有する多孔質炭素焼結体およびその製造方法を提供する
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、各種応用に適用される物理・化学的変成で
きる汎用的な多孔質炭素焼結体およびその製造方法製法
方法を提供するに至った。すなわち、本発明は下記の通
りである。 1.ポリハロゲン化ビニリデンまたはポリハロゲン化ビ
ニリデン共重合体を含有する原料の一部が実質的に脱ハ
ロゲン化水素されてなる、ナノサイズの炭素前駆体を予
備成形する工程、および予備成形体を炭化する工程を含
む多孔質炭素焼結体の製造方法、 2.予備成形工程が水系媒体を使用して実施される上記
1記載の製造方法、 3.水系媒体がアルカリ、酸、無機物質または有機物質
から選ばれた1つ以上を含む上記2記載の製造方法、 4.ポリハロゲン化ビニリデンまたはポリハロゲン化ビ
ニリデン共重合体を含有する原料の一部が実質的に脱ハ
ロゲン化水素されてなる、ナノサイズの炭素前駆体3個
以上から構成される多孔質炭素焼結体。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の多孔質炭素焼結体は、た
とえば、ナノサイズの、ポリハロゲン化ビニリデンまた
はポリハロゲン化ビニリデン共重合体を含有する原料の
一部が実質的に脱ハロゲン化されてなる炭素前駆体の3
個以上を予備成型し、これを炭化処理することにより得
られる。本発明でいうナノサイズとは、例えば、1997年
月31日CM C出版,「高分子微粒子の最新技術と用途展
開」記載の各種複合粒子を出発した、例えば、ソリッ
ド、コア−シェル構造を有する炭素を含む。ソリッド型
炭素は、例えば、公知の炭化できる材料、ポリアクリロ
ニトリルラテックスを凍結乾燥し、炭化したり、石油や
石炭ピッチ、フェノール樹脂、フルフラール樹脂を乳化
し、凍結乾燥した後、炭化することにより得られる。
【0017】コア−シェル構造を有する炭素とは1次粒
子の炭素が、密度の異なる低密度のコア層と高密度のシ
ェル層構造を有することを意味する。低密度のコア層に
は中空を含む。この構造は、炭素粒子の断面を透過型電
子顕微鏡により観察することができる。CO2ガス等温吸
着曲線からミクロ細孔径(IUPAC分類による0.5
〜2nm)、N2ガス等温吸・脱着曲線からメソ細孔径
(同分類による2〜50nm)の測定によれば、細孔構
造が推定できる。
【0018】例えば、コア−シェル構造を推定する別法
は、N2ガス等温吸・脱着曲線の差に基づく方法である。
本発明のコア層、シェル層の厚みの実際的な制御は、例
えば前駆体原料のPVDCポリマ中のコモノマ種やその
量、その原料のアルカリ炭化条件、例えば、アルカリ
種、濃度、温度やPVDC原料とアルカリとの化学的量比と
後に続く炭化条件、例えば、温度、時間により可能であ
る。そのシェル層やコアー層のの密度も同様である。
【0019】例えば、コア−シェル構造を有するナノサ
イズのカーボン(以下、ナノカーボンという)を得るた
めには、以下の要件を満足する炭素前駆体を採用するこ
とが好ましい。すなわち、ナノサイズのポリハロゲン化
ビニリデンおよびまたはポリハロゲン化ビニリデン共重
合体を含有する原料の一部が実質的に脱ハロゲン化水素
されてなる特定な炭素前駆体を使用することが好まし
い。
【0020】特に、ナノカーボンの原料としては、水分
散系ポリハロゲン化ビニリデンおよび/あるいはポリハ
ロゲン化ビニリデン共重合体特に乳化重合してなるナノ
サイズで球形の粒子として水分散した該ポリマを採用す
ることが好ましく、ナノサイズ粒子径が1nm〜100
00nmであることが好ましい。特に、コア−シェル構
造を有するナノサイズのカーボンからの焼結体は、ナノ
カーボン自身が持つ、内殻に形成される空間のほかに、
3つ以上のナノカーボン焼結体に囲まれた新たに形成さ
れる空間もナノサイズであるので、好ましい多孔質炭素
成形体である。
【0021】脱ハロゲン化水素反応に利用されるアルカ
リ水溶液を添加する時や脱ハロゲン化水素反応過程にお
いて、該水分散体が異常凝集しない程度に安定であるこ
とが好ましい。比較的大きい粒子であるハロゲン化ビニ
リデンおよび/あるいはポリハロゲン化ビニリデン共重
合体を機械的、化学的に微細粉砕したものやポリマ溶液
をスプレー乾燥したものであっても、実質的に水分散性
できるナノサイズの粒子であれば、本発明の原料として
利用できる。特に、ポリハロゲン化ビニリデンおよび/
あるいはポリハロゲン化ビニリデン共重合体のハロゲン
がフッ素又は塩素から選ばれ、乳化重合技術を採用する
のが工業的で好ましい。
【0022】以下に、好ましい炭素前駆体原料の特徴と
その好ましい製造方法を述べる。 1.炭素前駆体の特徴 炭素前駆体のサイズはナノサイズ、すなわち、1nm〜
10000nmである。水分散したポリハロゲン化ビニ
リデンおよび/あるいはポリハロゲン化ビニリデン共重
合体が持つ一次の粒子径を、実質的に保持したままの、
表面から脱ハロゲン化水素される化学的炭化されてなる
炭素前駆体である。好ましくは、粒子サイズは、10n
m〜1000nmである。より好ましくは、10nm〜
500nmである。好ましい粒子サイズは、乳化重合や
乳化重合の改良法であるミクロエマルジョン重合を採用
することにより達成できる。
【0023】炭素前駆体は、特に、後に続いて加えられ
る熱的炭化工程でも、水分散したポリハロゲン化ビニリ
デンおよび/あるいはポリハロゲン化ビニリデン共重合
体は熱溶融が起こらずに、実質的に化学的炭化されてな
る炭素前駆体の粒子径を保持したままの、炭素粒子であ
る。また、本発明の炭素前駆体の形状は実質的に球状で
あることが好ましい。体積当たりの表面積が最小である
ので、高固形分であっても水分散性になって好ましい。
【0024】炭素前駆体は、炭素粒子の一部が実質的に
脱ハロゲン水素されている粒子表面が脱ハロゲン化水素
されると、後に続く、例えば乾燥工程における粒子ブロ
ッキングが起こり難いメリットやさらに続く高温での脱
ハロゲン化水素工程や炭化工程でも粒子融着や完全シン
タリングが起こり難いメリット等、工業化プロセスにお
いて数多くのメリットがある。
【0025】2.炭素前駆体の製造方法 特定のポリハロゲン化ビニリデンおよび/あるいはポリ
ハロゲン化ビニリデン共重合体であって、アルカリ水溶
液中や脱ハロゲン化水素反応過程においても水分散体と
して安定化されている該ポリマ水分散体を化学的炭化す
る製造方法である。
【0026】以下に、詳細にその製造方法の好ましい態
様を述べる。 [PVDC樹脂]水分散系ポリハロゲン化ビニリデンお
よび/あるいはポリハロゲン化ビニリデン共重合体の代
表としてのPVDC樹脂は乳化剤を使用して重合する乳
化(Emulsion)重合法、懸濁剤を使用して重合する懸濁(S
uspension)重合法又は乳化剤と懸濁剤を併用して重合す
る乳化・懸濁水分散(Espension)重合法により準備でき
る。特に、乳化(Emulsion)重合法と乳化・懸濁水分散(E
spension)重合法は粒子径が小さく、均一で、化学炭化
工程での、脱塩酸反応が均一に進行して好ましい。
【0027】ポリハロゲン化ビニリデンのうち、ハロゲ
ンとしてフッ素、塩素、臭素とヨウ素が使用できるが、
ポリ塩化ビニリデンやポリフッ化ビニリデンが、工業的
にモノマが準備できて、最も好ましい。ポリハロゲン化
ビニリデン共重合体に使用できるコモノマとして、例え
ば、エチレン、アセチレン、プロピレン、ブチレン、ブ
チン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、塩化ビ
ニル(VC)、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、酢酸ビニ
ル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルイソプロピルエーテル、ビニルプロピルエーテル、
ビニルイソブチルエーテル、ビニルノルマルアミルエー
テル、ビニルイソアミルエーテル、ビニル−2−エチル
ヘキシルエーテル、ビニル−n−オクタデシルエーテ
ル、ビニルスルホン酸ナトリウム、ジビニルベンゼン、
ビニルトルエン、アクリロニトリル(AN)、メタアク
リルニトリル(MAN)、アクリル酸、アクリル酸クロ
ライド、アクリル酸ブロマイド、アクリログアナミン、
アクリロイルモルホリン、アクリル酸メチル(MA)、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イ
ソプロピル、アクリル酸ブチル(BA)、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ヘ
キシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチル
プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシ
ル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸n−アミル、アク
リル酸イソアミル、アクリル酸テトラヒドロフルフリ
ル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸エチ
レングリコールエトキシレート、アクリル酸エチレング
リコールメトキシレート、アクリル酸ジエチレングリコ
ールエトキシレート、アクリル酸ジエチレングリコール
メトキシレート、アクリル酸エチルヘキシル、エポキシ
アクリレート、ペンタエリスリトールのアクリル酸エス
テル類、n−ステアリルアクリレート、ジペンタエリス
リトールのアクリル酸エステル類、トリメチロールプロ
パンのアクリル酸エステル類、カプロラクトン変性アク
リル酸エステル類、ネオペンチルグリコールのアクリル
酸エステル類、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブ
チルアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、アク
リル酸グリシジル、ジアクリル酸エチレングリコール、
ジアクリル酸ジエチレングリコール、ジアクリル酸トリ
エチレングリコール、ジアクリル酸テトラエチレングリ
コール、ジアクリル酸−1,3−ブチレングリコール、
アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、アクリル
酸アルミニウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸カルシウ
ム、アクリル酸マグネシウム、アクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピル
アクリルアミド、アクロレイン、メタクリル酸、メタク
リル酸クロライド、メタクリル酸ブロマイド、メタクリ
ル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸te
rt−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シ
クロヘキシル、メタクリル酸メチルプロピル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸
ベンジル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソ
アミル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタク
リル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチレング
リコールエトキシレート、メタクリル酸エチレングリコ
ールメトキシレート、メタクリル酸ジエチレングリコー
ルエトキシレート、メタクリル酸ジエチレングリコール
メトキシレート、メタクリル酸エチルヘキシル、エポキ
シメタクリレート、ペンタエリスリトールのメタクリル
酸エステル類、n−ステアリルメタクリレート、ジペン
タエリスリトールのメタクリル酸エステル類、トリメチ
ロールプロパンのメタクリル酸エステル類、カプロラク
トン変性メタクリル酸エステル類、ネオペンチルグリコ
ールのメタクリル酸エステル類、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、1,4−ブ
タンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジメタクリレート、メタクリル酸グリシジル、ジメ
タクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチ
レングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコー
ル、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタ
クリル酸−1,3−ブチレングリコール、メタクリル酸
ナトリウム、メタクリル酸カリウム、メタクリル酸アル
ミニウム、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸カルシウ
ム、メタクリル酸マグネシウム、メタクリアミド、N,
N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノプロピルメタクリルアミド、メタクロレイン、メタリ
ルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸カリウ
ム、スチレン、メチルスチレン、ビニルピリジン、ヒド
ロキシエチルビニルアセテート、ヒドロキシエチルビニ
ルアセテートのエステルやエーテルやウレタン等の誘導
体、アリルアルコール、アリルクロライド、アリルスル
ホン酸ナトリウム、アリルアミン、アリルアルデヒド、
アリルブロマイド、アリルグリシジルエーテル、アリル
カプロエート、アリル芥子油、アリルジグリコールカー
ボネート、アリルメタクリレート、アリルアデニン、ア
リルアデノシン、アリルアミノプリン、アリルアミノリ
ボフラノシルプリン、グリセロールジアリールエーテ
ル、ジシクロペンタジエン、クロロプレン、シクロヘキ
セン、α−メチルスチレン、重合性シリコン化合物、重
合性フッ素化合物、マレイン酸、マレイン酸誘導体、フ
マル酸、フマル酸誘導体、クロトン酸、クロトン酸誘導
体、オレイン酸、オレイン酸誘導体、イタコン酸、イタ
コン酸誘導体、クロトンアルデヒド、クロロエチルビニ
ルエーテル、ジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ド、ジアリルジメチルアンモニウムブロマイド、ジアリ
ルジメチルアンモニウムヨーダイド、アリルピリジニウ
ムクロライド、アリルピリジニウムブロマイド、アリル
ピリジニウムヨーダイド、ジイソブチレン、ジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート、不飽和カルボン酸
及びその誘導体、不飽和アルデヒド、不飽和アルキル
類、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミド、その他のN−
置換マレイミド類等がその代表例として挙げられる。
【0028】以下、ポリ塩化ビニリデンを中心に置いて
述べるが、これにとらわれない。なお、水分散系ポリハ
ロゲン化ビニリデンがおよび/あるいはポリハロゲン化
ビニリデン共重合体と混合して使用される含塩素ポリマ
水分散体として、ポリ塩化ビニル系ラテックス、クロロ
プレン系ラテックスや塩素化ポリプロピレン、塩素化ポ
リエチレン、塩素化塩化ビニル水分散体がある。水分散
系ポリハロゲン化ビニリデンおよび/あるいはポリハロ
ゲン化ビニリデン共重合体と混合してなる含塩素ポリマ
水分散体配合物やポリハロゲン化ビニリデン共重合体中
のハロゲン化ビニリデンユニット成分の含有量は、化学
炭化を均一化する点で50モル%以上が好ましい。
【0029】[乳化重合]ガラスライニングを施した耐
圧反応機中に水85部、アルキルスルフォン酸ソーダ
(バイエル社、商品名「ワロラートU」)0.15部お
よび過硫酸ソーダ0.1部を仕込み、脱気した後、内容
物の温度を55℃に保った。これとは別の容器に塩化ビ
ニリデン98部、アクリロニトリル1部、メタアクリル
酸メチル1部を計量混合してモノマ混合物を作成した。
【0030】前記耐圧反応機中にモノマ混合物のうち1
0部を一括添加し、攪拌下、反応機の内圧が降下するま
で重合した。続いて、残りのモノマ混合物90部を12
時間に渡って連続的に定量添加した。並行して、アルキ
ルスルフォン酸ソーダ1部も10時間に渡って連続的に
定量添加した。この間内容物を55℃に保ち、内圧が十
分に降下するまで反応を進行させた。重合収率はほぼ1
00%なので、共重合体の組成は仕込み比にほぼ等しく
なる。かくして得られた固形分50%のラテックスにア
ルキルスルフォン酸ソーダを加えて、20℃における気
液表面張力が42mN/mとなるように調整した。この
後、スチーム・ストリッピングにより未反応モノマを除
去し、セルロース系半透膜を用いた透析処理し、ラテッ
クス精製した。このときの粒子サイズが130〜150
nmであった。
【0031】アルキルスルフォン酸ソーダ(バイエル
社、商品名「ワロラートU」)全添加量と使用モノマー
全量やコモノマ種やその量、を変えることにより、粒子
サイズが30〜50nm(ミクロエマルション)、実質
的に球状のラテックスが得られる。
【0032】ここに記載した内部シード−逐次モノマ添
加法以外に、外部シード−逐次モノマ添加法、モノマを
一括して添加するバッチ法や分割添加法、連続法など公
知の乳化重合法を採用できる。内部、外部シード−逐次
モノマ添加法の変法として、シードのモノマ組成と異な
るモノマ組成の逐次モノマを添加するコアーシェル重合
法も採用できる。特に、逐次モノマ添加法は狭い粒子径
分布を持つラテックスが得られるので、狭い粒子径分布
の前駆体には好ましい。
【0033】[エスペンション重合]懸濁重合に使用さ
れる懸濁剤と乳化重合に使用される乳化剤を併用して重
合する方法を総称して、エスペンション重合という。超
音波やホモジナイザー等の力学的攪拌も併用できる。以
下、好ましい方法の例を述べる。ガラスライニングを施
した耐圧反応機中に水280部、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース(信越化学工業製:商品名「メトローズ
65SH−400」、粘度380mPa・s)、表面張
力49.5X10-5N/cm( 0.2% 固形分,25℃))
0.5部、ジイソプロピルカーボネート0.2部を仕込
み、脱気した後、内容物を常温に保った。これとは別の
容器に塩化ビニリデン100部とナトリウム。ジアルキ
ルスルホコハク酸塩(花王製:商品名「ペレックスT
R」、純分70%)2部を計量混合してモノマ混合物を
作成した。前記耐圧反応機中にモノマ混合物を一括添加
し、常温のまま30分攪拌を続けた後、内容物の温度を
上昇させ、40℃に保ち、内圧が十分に降下するまで反
応を進行させた。これにより粒子サイズが1000nm
から10000nmである、実質的に球状樹脂または1
次粒子径が100−200nmの凝集体が得られた。
【0034】[アルカリ処理液]ナノミクロンサイズの
PVDC水分散体を用いることが好ましい。より好まし
いのは、水分散体の粒子が1000nm以下、更に好ま
しいのは500nm以下、最も好ましいのは200nm
以下である。以下に述べる広義のアルカリ処理液は実質
的に水溶液や水分散体であり、この処理液で脱塩酸する
ことが好ましい。広義のアルカリとして、例えば、アン
モニアやアミンやそのアルキル誘導体類、ヒドラジンや
そのアルキル誘導体類、イミダゾーやそのアルキル誘導
体類、ピリジンやそのアルキル誘導体類等に代表される
水溶液でpHが10を超えるアルカリ水溶液や水酸化カ
リウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水
酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液やアル
カリ土類の水溶液や水分散体が使用できる。アンモニア
やアルキルアミン類、ヒドラジン類、イミダゾー類、ピ
リジン類に代表される有機系アルカリ水溶液は、後に続
く1000℃以下の熱炭化工程で生成塩化物が昇華した
り、分解して、炭素中に残存しない特徴を持つ。又、ア
ルカリ金属水酸化物は、脱塩酸によって生じる塩(例え
ば、KCl)が熱炭化時に賦活剤として働く特徴があ
る。又、高い電気伝導度をうるために、1400℃以上
の黒鉛化工程時に、黒鉛化とアルカリ金属塩酸塩の昇
華、蒸発、分解が同時に起こる特徴を持つ。アルカリ処
理液中のアルカリ濃度は飽和溶液を使用できる。低い濃
度のアルカリ水溶液中では、脱塩酸に時間がかかるが、
化学炭化温度を高くすることで解決できる。
【0035】又、特に、アルカリにより、膨潤するコモ
ノマ、工業的なモノマで好ましいコノモマとして、例え
ばアクリル酸やメタクルル酸や容易に加水分解されるコ
モマ、工業的なモノマで好ましいコノモマとして、例え
ばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、イ
タコン酸エステル類、フマル酸エステル類、マレイン酸
エステル類や膨潤するコモノマに化学変化する、工業的
なモノマで好ましいコモノマとして、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等の導入は、化学炭化過程で、
水分散体粒子がアルカリにより膨潤され、化学炭化時あ
るいは熱炭化に生じる細孔径及び細孔分布を制御できる
利点や加水分解されてなる局部が賦活点となったり、活
物質を担持する活性点にできる利点もある。
【0036】[炭素前駆体の製造工程]炭素前駆体の好
ましい製造方法は、該ポリマ分散体を実質的に有機溶剤
を含まないアルカリ処理液中に、室温で分散させ後、5
℃から200℃の温度範囲に調整し、1分以上攪拌し
て、粒子表面を脱塩酸反応させることが基本工程であ
る。炭素前駆体の応用に応じて、反応温度と反応時間が
決められる。脱塩酸に使用されるアルカリ処理液の室温
でのpHは10以上が好ましい。更に好ましくは、pH
が12以上である。あるいは、中和したり、透析等で不
純物を除去したりした後、該ポリマ分散体を凍結乾燥、
スプレー乾燥や噴霧乾燥により、ナノサイズを固定した
後に、ポリマの融点以下で部分脱塩酸させることも別の
前駆体の製法である。
【0037】反応後のアルカリ分散体や脱アルカリ処理
した水分散体、脱水処理したスラッジ状前駆体や乾燥し
た前駆体が、用途に応じて準備できる。脱塩酸に使用し
た過剰のアルカリの脱アルカリ法として、公知のデカン
テーション分離法、遠心分離法や膜分離法が採用でき
る。回収アルカリは、次の脱塩酸反応に再使用すること
もできる。脱水法として、公知の遠心分離法、濾過法等
が採用できる。乾燥法として、公知の真空乾燥法、風乾
法、流動乾燥法を採用できる。又、一次粒子が凝集した
顆粒化や球形化を含む粒径が制御された炭素前駆体にす
る方法として、例えば、水分散体ポリマ組成のみならず
水分散剤の選択や水分散体、水とアルカリ組成を変化さ
せること、攪拌速度、温度を変化させることにより制御
できる。又、脱水前や乾燥前に、水溶性高分子、例え
ば、ゼラチン(カゼイン)、ポリビニルアルコール、キ
チンや水溶性セルロース誘導体、例えばカルボキシメチ
ルセルロースやメチルセルロース等を混合しすれば、一
次粒子の凝集体として粒径制御された炭素前駆体球も準
備できる。
【0038】3.予備成型工程 以下に、本発明で採用した予備成型法の一例を述べる
が、各種の公知の予備炭化法を採用できる。攪拌機、高
速乳化機、ボールミル、ハンマーミル等公知の方法で、
ナノカーボン前駆体を実質的に水媒体に分散させたの
ち、あとに続く炭化工程で炭化、焼尽あるいは不活性な
基材となる多孔質基材にコートしたり、鋳込み、塑性、
射出、加圧、テープ成形法等により成型される。例え
ば、鋳込め成型、押し出し成型、射出成型、加圧成型は
立体的な予備成型品が得られる。押し出し成型、テープ
成型やコート法は順次、薄膜の予備成型品が得られる。
予備成型時に、例えばKOH存在下で成型し、炭化させ
ると賦活された活性炭からなる多孔質炭素焼結体とな
る。酸化性あるいは還元性物質を存在させると、炭化ま
での昇温過程で、炭素が酸化あるいは還元される。例え
ば、有機シリコーンを存在させると、炭化終了までに炭
素−珪素複合体も形成させることも可能である。又、予
備炭化中又は後に、例えば、電池活物質やEDLC用酸
化還元物質等の機能性物質を添加できる。
【0039】4.炭化工程 以下に、本発明で採用した炭化法の一例を述べるが、各
種の公知の炭化法を採用できる。又、炭化中又は後に、
細孔の化学エチング法、例えば水蒸気処理、KOH処
理、硝酸や過酸化水素処理を施し、再度熱処理してもよ
いことは言うまでもない。黒鉛化を進めるため、更に高
温、例えば1400℃、更には1800℃、更に好まし
くは2000℃以上に高熱処理することも出来る。
【0040】[炭化処理]炭素前駆体を電気加熱式環状
炉に仕込み、N2雰囲気中、190℃、400℃、900
℃に夫々2時間保持して、炭化させる。ナノカーボンの
製造法として、公知の炭化法が採用できる。電気炉以外
に、真空炭化炉、流動式炭化炉、固定式炭化炉、ロータ
リーキルンや例えば、He、Ar等の不活性ガス雰囲気
下での炭化、水蒸気雰囲気での炭化、水素還元雰囲気で
の炭化、オゾンを含む酸素酸化雰囲気での炭化や真空下
での炭化が採用できる。
【0041】又、化学的に修飾するため、酸性ガス、例
えば、酸化窒素ガス、亜硫酸ガス、SO3ガスや塩基性ガ
ス、例えば、アンモニア、各種アミンも用途により採用
できる。従来の化学的炭素製法との併用もできる。炭化
水素を不活性ガス中で炭化したり、COガスを還元した
り出来る。具体例として、ナノ炭素に、炭化水素あるい
はCOガスを吸着後に炭化あるいは還元することができ
る。
【0042】
【実施例】以下に、実施例によりより具体的に本発明を
説明する。実施例で行っている測定方法は以下の通りで
ある。 [走査型電子顕微鏡(以下、SEMと言う)測定]透過
型電子顕微鏡測定したと同じ試料を日立製作所製「S−
4700」を用いて、加速電圧2KVで測定した。 [残留塩素測定]走査型電子顕微鏡測定に使用した試料
の残留塩素量を燃焼させ、灰分の塩素分をイオンクロマ
ト法(日本ダイオネックス社製イオンクロマトグラフ)
にて測定した。
【0043】(実施例)前記[乳化重合]により得られた
ラテックス10部を120℃、50%KOH水20部で
8時間接触し、脱塩酸させた後、洗浄濾過水のpHが8
以下になるまで、濾過と洗浄を繰り返して、炭素前駆体
を得た。50%水分を含有するウエットケーキを圧縮成
形機で、直径20mmφ、厚み2mmに予備成形した。
炭化焼結した炭素ディスクの直径は13mmφ、厚みは
1mmであった。予備成形品(グリーンシート)断面の
SEMと900、700、1100℃で炭化焼結した多
孔質ナノ炭素の断面の観察用試料とした。グリーンシー
ト断面中央部に近い部分の断面写真を図1に、表面に近
い部分の断面写真を図2に示す。図1の断面写真から、
ナノサイズの炭素前駆体の凝集体に間隙があり、図2の
断面写真から、ナノサイズの炭素前駆体の凝集体に微細
な間隙があることがわかる。
【0044】又、700、1100、900℃で炭化し
た多孔質ナノ焼結炭素の断面写真、図3、図4、図5、
図6にそれぞれ示す。図5の断面写真から、断面構造か
らナノサイズの焼結炭素の凝集体に間隙があり、図6の
断面写真から、ナノサイズの炭素前駆体と同様な微細な
間隙があることがわかる。ナノサイズの1次粒子が燒結
した塊状ナノカーボン凝集体を形成している。炭素前駆
体の一次粒子サイズは130〜150nmで、これを炭
化焼結した炭素焼結体を構成する一粒子のサイズも実質
的に炭素前駆体と同じサイズであった。炭素焼結体残留
塩素量は0.2ppmであった。多孔質ナノ焼結炭素デ
ィスクの抵抗は2mΩ・mで、30%硫酸含浸量は35
%であった。
【0045】
【発明の効果】本発明の多孔質炭素焼結体は、各種炭素
材料として応用できる。既存のプラスチックス成形技術
やセラミック成形技術を応用できる加工上の特徴もあ
る。「新材料成形加工事典」1988年版(株)産業調
査会 材料技術センター、1 セラミック編に記載され
ている、鋳込み、塑性、射出、加圧、テープ成形法が採
用できる。具体的には、例えば、バインダーと当該前駆
体又は炭素をコンパウンドにして、射出成形、押出成形
圧縮成形により所定の成形体(グリーン成形体)にし
て、後に続く、定法の賦活工程、および/あるいは黒鉛
化工程にてバインダーを焼尽させたり、ポリハロゲン化
ビニリデンを主成分としたバインダーの場合は炭素化さ
せたりして、希望する形状の炭素加工品・成形品を製造
できる。上記記載の事典に記載されている成形助剤、例
えば、結合剤(バインダー)、分散剤、濡れ剤、保水
剤、帯電防止剤、イオン封止剤、可塑剤、潤滑剤も適宜
使用される。又、球状のナノサイズ炭素前駆体であるた
め、公知の炭素加工技術、例えば、燒結、塗工、スパッ
タリングは、最も得意な適用加工技術である。具体的用
途として、例えば「新・炭素材料入門」炭素材料学会編
集、出版社(株)リライズ社、2000年第1版第3刷
や「炭素応用技術」出版社 (株) シーエムシー20
01年 普及版第1刷に記載の公知の炭素製品に応用で
きる。製鉄用途、製鋼用途、原子力用途、航空宇宙用
途、電気機械用途、電子機械用途、電池用途、生物・生
体用途、土木・建築用途、環境工学用途等に記載されて
いる。例えば、電極、集電体、電池用炭素、発熱体、断
熱材、還元用炭素、研磨剤、摺動剤、触媒担体、酵素担
体、バイオセンサー担体等が記載されている。
【0046】最近、注目されている用途として、電気二
重層キャパシター電極用炭素、水素やメタンガスやメタ
ンハライドや天然ガスやLPGの吸蔵体炭素や水素吸蔵
体炭素あるいは、ICチップやICメモリー、ICカー
ド、光スイッチング・ディバイス、DNAチップ等幅広
い用途が開発されている。又、ナノサイズ炭素前駆体又
はこれを炭化或いは黒鉛化したナノサイズ炭素と金属、
金属酸化物を担持させてなる炭素複合材として、研磨剤
用途で例えれば、ハードディスク基板やヘッド、光ファ
イバー端面や光学部品の精密研磨用に開発が進んでい
る。これは液状ポリッシングやコーティンフされた研磨
フィルム用しても使用される。又、電池電極用途では、
正、負極活物質を担持させてなる炭素複合材として使用
できる。本発明の前駆体は1次粒子が球状のナノサイズ
であることと粉体状、スラッジ状、水分散体あるいは酸
やアルカリ水分散体で供給できることにより、各種加工
技術が採用されることに優位性がある。
【0047】更に、本発明の多孔質炭素焼結体を鋳型支
持体と使用し、金属や金属酸化物との炭素コンポシット
とし、炭素を加熱除去してナノサイズの金属や金属酸化
物も出来る。又、ナノ炭素や炭素との化合物、例えば、
CN、TiC、BCを核として、ソリッド型や中空型ウ
イスカーを形成させることもできる。さらに、機能性炭
素複合体にするため、ナノサイズの炭素前駆体水分散液
に、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩物や複塩
等を介在させて、湿式成形後に炭化させることも出き
る。又、炭化焼結体にするときに、グラファイトや活性
炭になる持つ材料、例えば、PANやフェノール樹脂、
フラン樹脂やセルロース粉末、繊維や椰子ガラあるいは
石油、石炭系ピッチを配合することも出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られた炭素前駆体グリーンシート断
面の中央近くを観察した走査型電子顕微鏡写真。
【図2】実施例で得られた炭素前駆体グリーンシート断
面の表面近くを観察した走査型電子顕微鏡写真。
【図3】実施例で得られた700℃で炭化焼結した多孔
質炭素焼結体断面の中央近くを観察した走査型電子顕微
鏡写真。
【図4】実施例で得られた1100℃で炭化焼結した多
孔質炭焼結体断面の中央近くを観察した走査型電子顕微
鏡写真。
【図5】実施例で得られた900℃で炭化焼結した多孔
質炭素焼結体断面の中央近くを観察した走査型電子顕微
鏡写真。
【図6】実施例で得られた炭素前駆体グリーンシート断
面の表面近くを観察した走査型電子顕微鏡写真。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリハロゲン化ビニリデンまたはポリハ
    ロゲン化ビニリデン共重合体を含有する原料の一部が実
    質的に脱ハロゲン化水素されてなる、ナノサイズの炭素
    前駆体を予備成形する工程、および予備成形体を炭化す
    る工程を含む多孔質炭素焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 予備成形工程が水系媒体を用いて実施さ
    れる請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 水系媒体が水を主成分とし、アルカリ、
    酸、無機物質または有機物質から選ばれた1つ以上を含
    む請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリハロゲン化ビニリデンまたはポリハ
    ロゲン化ビニリデン共重合体を含有する原料の一部が実
    質的に脱ハロゲン化水素されてなる、ナノサイズの炭素
    前駆体3個以上から構成される多孔質炭素焼結体。
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