JP2003327200A - 観測方向制御計画立案方法 - Google Patents

観測方向制御計画立案方法

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JP2003327200A
JP2003327200A JP2002140715A JP2002140715A JP2003327200A JP 2003327200 A JP2003327200 A JP 2003327200A JP 2002140715 A JP2002140715 A JP 2002140715A JP 2002140715 A JP2002140715 A JP 2002140715A JP 2003327200 A JP2003327200 A JP 2003327200A
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Chikara Matsuda
主税 松田
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 方向制御パラメータテーブルのサイズ及びテ
ーブル作成計算量の削減を図る。 【解決手段】 格子状に分割して地表面を覆った観測格
子点の一つを観測目標地点と指定し、其処に正対して通
過するための衛星軌道パスおよび方向制御パラメータ
{正対通過時刻,ピッチ角,ロール角}を求めるため
に、衛星軌道パスから観測格子点に正対通過できる区間
を観測機会とし、その開始点と終了点の方向制御パラメ
ータを観測機会テーブルにして保持しておく。観測機会
テーブルを作成する時にピッチ角とロール角で作られる
方向制御領域の周辺方向に対するサンプル正対地点を計
算し、観測格子点の近傍のサンプル正対地点から観測格
子点に対する観測機会の開始点と終了点を得るようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、観測衛星がその姿
勢を変えることによって地表面上の観測目標地点に対し
て正対した姿勢で通過しながら観測するシステムの観測
計画作成において、観測目標地点を観測格子点の一つで
ある目標格子点で指定し、その目標格子点に対して衛星
が正対した姿勢で通過できる衛星軌道上の区間(=衛星
軌道パス)を得る方法と、その目標格子点に対して衛星
が正対した姿勢で通過するための方向制御パラメータ
{正対通過時刻,ピッチ角,ロール角}を得る方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】図36乃至図37は、従来の技術に依る
観測方向制御計画立案方法を示す図である。図36に
は、地球1、地軸101、赤道3、衛星が周回する軌道
5、軌道5が赤道面と南から北へ交差する昇交点7が示
されている。静止している仮想的な地表面の上に衛星直
下方向点10を取り、衛星が昇交点7から一周回する間
の衛星直下方向点10の動きを衛星直下点軌跡6と呼
び、自転している地表面の上に衛星直下地点11を取
り、衛星が昇交点7から周回する時に衛星直下地点11
に描いた軌跡を衛星軌道パス15と呼ぶ。或る衛星軌道
パス15のパス開始点8は、先行する衛星軌道パス15
bの終了点である。このように衛星軌道パスは順次継続
して行く。回帰衛星では衛星の長半径などの軌道緒元を
適切に設定して、回帰日数(例:5日間)の最後の衛星
軌道パス15zの終了点が或る衛星軌道パスに回帰し、
以後これを繰り返す。以下の説明では、第1日の最初の
衛星軌道パス15bのパス開始点に回帰し、以後これを
繰り返すとする。
【0003】以後、地表点の位置を{緯度,経度}で表
現するときは、回帰周期の回帰開始時刻99に地表面を
写し撮った地図の{緯度,経度}を用いる。
【0004】観測格子点67は、観測位置指定の精度
(例:50km)で決まる角度間隔(例:0.5度)で
経線と緯線を引いた時の交点であり、目標格子点12は
これらの観測格子点67のうちの1個として指定され
る。衛星が昇交点7にあった時刻に目標格子点12bに
在った地表点は、地球の自転によって12cまで至る。
他方、衛星は、昇交点7から衛星4の位置まで進んでい
る間に図37に示すように、ピッチ角72で指定される
ピッチ回転とロール角73で指定されるロール回転をし
て、その観測方向9を変えておく。目標格子点12cと
正対方向点23が一致するように衛星4の時刻とピッチ
角72およびロール角73を指定しておくことにより、
衛星4は目標格子点12cに正対して通過しながら観測
をする。図36で描いた時刻から衛星が進むにつれて、
北半球の高緯度の地点、図36の裏側の半球の地表点、
南半球の地表点に対して正対して通過する事ができる。
【0005】第2周目の衛星軌道パス15の近傍にある
目標格子点12は、衛星が地球1を一周回(昇交点7か
ら昇交点7まで)している間に、地球の自転に依って目
標格子点緯度13の上を12bまで回転し、更に、衛星
が第2周目の昇交点7から衛星4まで進んでいる間に、
目標格子点12bは、目標格子点12cまで回転する。
他方、衛星は、昇交点7から衛星4の位置まで進んでい
る間に4の位置での正対方向点が23になるようにその
観測方向9を変えておき、衛星4は12cに正対して通
過しながら観測する。
【0006】このようにして、各衛星軌道パスに沿った
帯状の地域は、順次、直下点軌跡6付近に到達し、衛星
は観測目標地点に正対して通過しながら観測する。この
結果、地表面の上の全ての地点を衛星は正対して通過し
ながら観測する。
【0007】図38は、衛星が目標格子点12fに正対
して通過するための観測方向制御計画を、目標格子点1
2fから見た衛星4の動きの時系列的に示した概念図で
ある。観測方向制御計画は、衛星軌道パス15、方向制
御パラメータ70={正対通過時刻71,ピッチ角7
2,ロール角73}、方向制御時刻列80={ピッチ回
転開始時刻81,ロール回転開始時刻82,整定開始時
刻83,観測開始時刻84,正対通過時刻71,観測終
了時刻86,ピッチ戻し開始時刻87}で指定される。
【0008】まず、衛星軌道5上の衛星4は、4aで方
向制御待機状態にあり、その観測方向9aは地球中心を
向いており、この時に観測方向9aが地表と交わる地表
点、すなわち正対地点24aは衛星直下地点11aと一
致している。
【0009】ピッチ回転開始時刻81に、衛星4bは指
定されたピッチ角72の回転を始める。ピッチ回転軸7
4は、衛星の右翼の方向(衛星進行方向と衛星から地球
中心への方向の双方に直角な方向)であり、その回転方
向は、衛星の機首を揚げるような方向を正、その逆を負
とする。ピッチ角が増すにつれて正対地点24は衛星直
下地点11より前方の地表点を指すようになる。ピッチ
角72の回転に要するピッチ回転時間90が経過した時
刻にピッチ回転を終わり、衛星4cの観測方向9cは、
衛星直下地点11cより前方の正対地点24cを指して
いる。
【0010】衛星4cの時刻は、ロール回転開始時刻8
2でもあり、指定されたロール角73の回転を始める。
このロール回転軸75は、衛星進行方向にある機体座標
軸であり、その回転方向は、衛星の左翼を揚げるような
方向を正、その逆を負とする。ロール角73が正方向に
増すにつれて、正対地点は衛星直下地点11より左方に
離れた地表点を指すようになる。ロール角73の回転に
要するロール回転時間91が経過した時刻にロール回転
を終わり、衛星4dの観測方向9dは、この例では衛星
直下地点11dより左前方の正対地点24dを指してい
る。
【0011】衛星4dの時刻は整定開始時刻83でもあ
り、整定時間92の間に擾乱を鎮め、衛星4eに至る。
【0012】衛星4eの時点で方向制御を完了し、以
後、観測領域97の観測を終了するまで方向制御はしな
い。衛星4eの時刻は、観測開始時刻84でもあり、こ
の時点で観測領域97の観測を開始する。
【0013】観測前方保護時間93が経過した正対通過
時刻71の時刻で衛星4fに至る。衛星4fの観測方向
9fの正対地点24fは、目標格子点12fを指してお
り(そうなるように正対通過時刻、ピッチ角およびロー
ル角を選択している)、衛星は目標格子点12fに正対
して通過しながら観測する。正対通過時刻71から観測
後方保護時間94が経過した観測終了時刻86に衛星4
gは、観測領域97の観測を終了する。以後、ロール戻
し時間95、ピッチ戻し時間96を経由して待機状態復
帰時刻88のに衛星4jの位置で方向制御待機状態79
に戻る。
【0014】観測格子点67のうちの一個を目標格子点
12fとして指定し、其処に正対して通過しながら観測
する計画を立てるには、前述のように、衛星軌道パス1
5、方向制御パラメータ70、方向制御時刻列80を決
定する必要がある。
【0015】図39は、従来の技術に依る観測方向制御
計画立案方式で用いる方向制御パラメータテーブル78
の例を示した図である。従来の技術に依る観測方向制御
計画立案方式では、地表面を緯度と経度に沿って格子状
に分割した観測格子点67の全てに対して、其処に正対
して通過しながら観測する為のパス番号17、方向制御
パラメータ70={正対通過時刻71,ピッチ角72,
ロール角73}を前もって計算して、図39のように両
者を対応させた方向制御パラメータテーブル78を作成
しておく。
【0016】目標格子点12f{目標格子点緯度13
f,目標格子点経度14f}が指定されると、方向制御
パラメータテーブル78内の対応する箇所から、パス番
号17f、方向制御パラメータ70f{正対通過時刻、
ピッチ角、ロール角}抽出する。別途指定の衛星の方向
制御性能(例:ピッチ回転のためのトルク、あるいはト
ルク/慣性モーメントで得られる角加速度)に依り方向
制御所要時間を計算して正対通過時刻71の前後に方向
制御時刻を配置し、方向制御時刻列80f{ピッチ回転
開始時刻81,・・・,正対通過時刻71,・・・,ピ
ッチ戻し開始時刻87}を得る。それに基づいて観測計
画の中の方向制御の計画を立てる。
【0017】なお、図39には、説明の都合で方向制御
時刻列80fの一部をも表の中に持っている。衛星の方
向制御性能が与えられており、前記のピッチ角とロール
角を回転するに必要な時間を計算できる事、擾乱を鎮め
るための整定時間92が一定値の20秒間、および、観
測目標地点を通過する前に10秒間の観測前方保護時間
93を差し挟む事を前提とした方向制御時刻列80の一
部を記している。
【0018】例えば、観測目標地点が目標格子点12f
{目標格子点緯度13f,目標格子点経度14f}=
{41度,141度}と指定されると、方向制御パラメ
ータテーブル78から、パス番号17f=#60、正対
通過が可能な期間=回帰期間の第4日の64,056秒
(=17時47分36秒)から85秒の間である事が読
みとれる。
【0019】正対通過時刻71をこの間の或る時点、例
えば64,056+42秒にする為には、衛星はその姿
勢をピッチ角72=0.3度、ロール角73=27.9
度だけ回転する必要があり、方向制御時系列80は{正
対通過時刻の59秒前にピッチ回転を開始、56秒前に
ロール回転を開始、30秒前に擾乱を鎮めるための整定
開始、10秒前に観測開始、所定の正対通過時刻64,
056+42秒に目標格子点12fに対して正対通過し
ながら観測、・・・}である事が読みとれる。
【0020】目標格子点12fが指定された時、此処に
正対通過できる衛星軌道パス15は上記の例の#60以
外にもある(図39では省略)。これらの中から適切な
衛星軌道パス15を選択し、観測目標地点に正対して通
過しながら観測する計画を立てていた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術に依る観測
方向制御計画立案方法には、次の2つの課題がある。第
一に、方向制御計画を立てる為に必要な方向制御パラメ
ータテーブルのサイズが大きくなり、作成、維持管理が
困難になってしまっていた。
【0022】第二に、方向制御の指定精度を高めようと
すると方向制御パラメータテーブルのサイズは更に増大
し、作成、維持管理が困難が増していた。
【0023】ところで、観測方向制御計画立案に係る方
向制御パラメータテーブルのサイズと計算量は、テーブ
ル化して保持する必要のある下記項目に依存する。 ・ 観測目標地点の分離精度(即ち、観測格子点の数) ・ 隣接する衛星軌道パスの間隔(即ち、衛星軌道パス
の数) ・ 正対通過可能期間内での正対通過時刻指定精度 ・ 観測方向{ピッチ角,ロール角}の指定精度。
【0024】例えば、観測幅を50km、観測格子点6
7の間隔を観測幅の半分として25kmとすると、緯度
方向と経度方向の何れもおよそ0.25度の間隔で分
割、すなわち経度方向に360÷0.25≒1400分
割、緯度方向に180÷0.25≒700分割して、観
測格子点67はおよそ10**6点となる。また、一つの
観測格子点67に対して一つの衛星軌道パス15の上で
正対通過が可能な期間は約100秒間である。衛星の対
地速度が10km/s弱であり、凡そ10kmの精度で
観測方向制御計画をたてるためには、1秒間隔で方向制
御パラメータ70を計算し保持する必要がある。すなわ
ち、正対通過期間内の正対通過時刻が100点在る。ま
た、一つの目標格子点12に対して正対して通過しなが
ら観測できる衛星軌道パス15は4〜6個在る。
【0025】これらより、方向制御パラメータテーブル
78は、およそ500×10**6件の方向制御パラメー
タ70を保持する事になる。1件の方向制御パラメータ
70を100バイトで構成するとして、方向制御パラメ
ータテーブル78のサイズは、50*10**9バイトにな
る。1件の方向制御パラメータ70を得る為に、ピッチ
角72は例えば±25度の間を1.5度間隔(地表面で
凡そ10kmに相当)、ロール角73は±50度の間を
1.5度間隔で変えて正対する方向を探すとすると、そ
の計算量は約2000回、従って、全計算量は凡そ10
**12回となる。これらの所要メモリサイズ、計算量は膨
大であり、方向制御パラメータテーブル78を前述のよ
うな精度で作成、維持管理が困難である。
【0026】観測目標地点の分離精度が更に1/2、1
/4と細かくして、それに応じて正対通過時刻指定精度
も同様に細かくすると、方向制御パラメータテーブル7
8の大きさは8倍、64倍と増大し、作成、維持管理が
困難が更に増す。
【0027】本発明は以上のような問題を解決するため
になされたものであり、その目的は、方向制御パラメー
タテーブルのサイズを小さくし、かつテーブル作成の計
算量を少なくすることのできる観測方向制御計画立案方
法を提供することにある。
【0028】また、方向制御の指定精度を高めるときの
方向制御パラメータテーブルサイズの増加と計算量の増
加を抑制することのできる観測方向制御計画立案方法を
提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、本発明に係る観測方向制御計画立案方法
は、観測衛星がその姿勢を変えることによって地表面上
の観測目標地点に対して正対した姿勢で通過しながら観
測するシステムにおける観測方向制御計画立案方法にお
いて、観測衛星の回帰軌道のうち赤道面を南から北に向
けて通過する点から始まって地球を一周する区間を衛星
軌道パスとし、観測衛星が衛星軌道パス上を進行中に、
地表面を格子状に分割して形成した観測格子点それぞれ
に正対して通過できる期間を当該観測格子点の観測機会
とすると、観測目標地点として目標格子点が観測格子点
の中から選択指定されたときに、その指定された目標格
子点に正対して通過できる衛星軌道パスのパス番号と観
測機会とを、各観測格子点に対して正対通過できる衛星
軌道パスのパス番号とその観測機会とを対応付けした観
測機会情報を保持する観測機会テーブルから抽出する観
測機会抽出ステップと、前記観測機会抽出ステップが抽
出した各観測機会に対して、観測機会を時分割したとき
の各時点を示す正対通過時刻、各正対通過時刻において
観測格子点に正対するための観測衛星のピッチ角及びロ
ール角を含む方向制御パラメータを求める方向制御パラ
メータ取得ステップと、前記方向制御パラメータ及び観
測衛星の方向制御性能パラメータに基づいて観測衛星を
方向制御するための観測方向制御時系列データを算出す
る観測方向制御データ生成ステップとを含み、指定され
た観測目標地点に対する観測計画を立案する。
【0030】すなわち、この発明においては、後述の実
施の形態1において詳述するが、格子状に分割して地表
面を覆った観測格子点の一つを観測目標地点と指定する
ときに、其処に正対して通過するためのパス番号および
方向制御パラメータ{正対通過時刻,ピッチ角,ロール
角}を求めるために、衛星軌道パス毎観測格子点毎に、
正対通過可能な区間の時々刻々に正対通過するための方
向制御パラメータを保持しておくのではなく、衛星が前
方に在る地表点に正対するように姿勢を変えておいて観
測格子点に正対し始める時点の方向制御パラメータ(=
観測機会開始点)と、逆に衛星が後方に在る地表点に正
対するように姿勢を変えておいて観測格子点に正対し終
わる時点の方向制御パラメータ(=観測機会終了点)と
で構成する観測機会{観測機会開始点,観測機会終了
点}を観測格子点毎に前以て計算して、観測機会テーブ
ル{観測格子点:{パス番号,観測機会}}として保持
しておき、観測目標地点となる目標格子点が指定される
と、その目標格子点に対する{パス番号,観測機会}を
観測機会テーブルから引き出し、各衛星軌道パスの観測
機会開始点と観測機会終了点の間の途中時点において該
目標格子点に正対した姿勢で通過するための方向制御パ
ラメータ{正対通過時刻,ピッチ角,ロール角}を、観
測機会開始点と観測機会終了点から内挿に依って得るよ
うにした。
【0031】また、各衛星軌道パスにおいて一定間隔で
進めるサンプル時刻毎に、観測方向制御領域の周辺のサ
ンプル方向で、サンプル時刻及びサンプル方向で表され
るサンプル開始点を指定し、そのサンプル開始点が正対
するサンプル正対地点を計算し、そのサンプル開始点と
サンプル正対地点との組を要素とするサンプル開始点テ
ーブルを生成するサンプル開始点テーブル生成ステップ
と、各衛星軌道パスにおいて一定間隔で進めるサンプル
時刻毎に、観測方向制御領域内周辺の予め決められたサ
ンプル方向で、サンプル時刻及びサンプル方向で表され
るサンプル終了点を指定し、そのサンプル終了点が正対
するサンプル正対地点を計算し、そのサンプル終了点と
サンプル正対地点との組を要素とするサンプル終了点テ
ーブルを生成するサンプル終了点テーブル生成ステップ
と、前記サンプル開始点テーブルに対してサンプル正対
地点からサンプル開始点を求めるように参照することに
よって観測格子点に対する衛星軌道パスと観測機会開始
点を求める観測機会開始点取得ステップと、前記サンプ
ル終了点テーブルに対してサンプル正対地点からサンプ
ル終了点を求めるように参照することによって観測格子
点に対する衛星軌道パスと観測機会終了点を求める観測
機会終了点取得ステップと、観測格子点に対して、衛星
軌道パスのパス番号と前記観測機会開始点と前記観測機
会終了点とにより表される観測機会とを対応付けした観
測機会情報を保持する観測機会テーブルを生成する観測
機会テーブル生成ステップとを含むようにした。
【0032】すなわち、この発明においては、後述の実
施の形態2において詳述するが、観測機会テーブル{観
測格子点:{パス番号,観測機会}}を前以て作成する
時に、観測格子点{観測格子点緯度,観測格子点経度}
を指定して、其処に正対通過するための衛星軌道パスと
方向制御パラメータ{正対通過時刻,ピッチ角,ロール
角}を計算する逆方向の計算は煩雑であるので、この計
算方法を採らずに、衛星軌道パスと方向制御パラメータ
{正対通過時刻,ピッチ角,ロール角}から正対地点を
求める素直な計算方法(順方向計算と呼ぶ)を用いて、
観測機会開始点と観測機会終了点は、ピッチ角とロール
角で作られる方向制御領域の4個の周辺方向(即ち、ピ
ッチ角あるいはロール角の一方をその最大値あるいは最
小値に固定し、他方をその最大値と最小値の間で変化さ
せて得られる方向)だけで得られること、および、衛星
軌道パスの北上区間と南下区間では、観測機会開始点と
観測機会終了点となる周辺方向が確定することに注目し
て、衛星軌道パス毎にそれを一定間隔で分割した各サン
プル時刻毎に、方向制御領域の周辺部のうち観測機会開
始点が得られる周辺部でピッチ角あるいはロール角の一
方を一定間隔で変更したサンプル方向を指定する。即
ち、サンプル開始点{サンプル時刻,サンプル方向}を
指定し、サンプル開始点が正対するサンプル正対地点
{緯度,経度}を前述の順方向計算で計算し、{サンプ
ル開始点:サンプル正対地点}を要素とするサンプル開
始点テーブルを衛星軌道パス毎に作成する。同様に、方
向制御領域の周辺部でサンプル終了点{サンプル時刻,
サンプル方向}を指定し、サンプル正対地点{緯度,経
度}を順方向計算で計算して{サンプル終了点:サンプ
ル正対地点}を要素とするサンプル終了点テーブルを衛
星軌道パス毎に作成し、衛星軌道パス毎のサンプル開始
点テーブルを逆に参照して、即ち、サンプル正対地点か
らサンプル開始点を求めるように参照して、観測格子点
に対する観測機会開始点を求める。同様に、衛星軌道パ
ス毎のサンプル終了点テーブルを逆に参照して、観測格
子点に対する観測機会終了点を求め、{観測機会開始
点,観測機会終了点}で観測機会を構成して、観測格子
点に対して衛星軌道パスと観測機会を対応させる観測機
会テーブル{観測格子点:{パス番号,観測機会}}を
作成して保持するようにした。
【0033】また、観測格子点緯度に対して観測機会が
存在する経度の区間を正対可能経度区間とし、前記観測
機会テーブル生成ステップは、前記衛星軌道パスのうち
いずれか一つを参照パスとし、その参照パスの正対可能
経度区間に対してのみ観測格子点と観測機会とを対応付
けした観測機会情報によって前記観測機会テーブルを生
成して保持し、参照パス以外の衛星軌道パスに対応する
観測機会情報は、前記観測機会テーブルに保持された観
測機会情報を衛星軌道パスに関する情報によって換算し
て得るようにした。
【0034】すなわち、この発明においては、後述の実
施の形態3において詳述するが、回帰期間内の全ての衛
星軌道パスに対して個別の観測機会テーブルを保持し
て、これに依り衛星軌道パス上の衛星と正対地点の動き
を記述しておいて、この正対地点に対する観測計画をた
てる代わりに、或る一個の衛星軌道パスを参照パスと
し、参照パスだけに限り、且つ各観測格子点緯度に対し
て観測機会が存在する正対可能経度区間だけに限って、
{観測格子点:観測機会}で構成する参照観測機会テー
ブルを保持し、参照パス上から正対して通過できる観測
格子点の参照パスの開始点から正対通過時刻までの動き
(格子点アンカー時系列)と、衛星の動き(衛星アンカ
ー時系列)とを参照観測機会テーブルに依って構成する
手段を持つようにし、或る衛星軌道パスから正対通過で
きる目標格子点の回帰周期の開始時刻から正対通過時刻
までの期間を、該衛星軌道パスのパス開始時刻までの期
間と、これに後続するパス開始時刻から正対通過時刻迄
の期間に分割し、前者の期間の目標格子点と衛星の動き
(これを格子点周回時系列、衛星周回時系列と呼ぶ)
は、地球の自転に依る目標格子点の移動と衛星の周回に
依る移動とで記述する手段と、後者の期間の目標格子点
と衛星の動き(即ち、格子点アンカー時系列と衛星アン
カー時系列)は、参照パスの格子点アンカー時系列と衛
星アンカー時系列を該衛星軌道パスの{パス開始時刻,
パス開始経度}で換算する手段を持つようにした。これ
らに依って、衛星軌道パス上の衛星と正対地点の動きを
計算して、この正対地点に対する観測計画をたてるよう
にした。
【0035】また、観測目標地点として目標格子点が指
定しされた時に、前記観測機会テーブル内の目標格子点
緯度の正対可能経度区間に、各衛星軌道パスと参照パス
のパス開始点経度の差分を加えて、各衛星軌道パスの正
対可能経度区間を生成するステップと、この正対可能経
度区間の中に、目標格子点経度を含んでいる衛星軌道パ
スを抽出するステップと、この正対可能経度区間の中の
観測格子点経度が、目標格子点経度に等しい観測機会を
抽出するステップと、この観測機会の中の観測機会開始
点の正対通過時刻と観測機会終了点の正対通過時刻を、
衛星軌道パスのパス開始時刻と参照パスのパス開始時刻
の差分をを加えて換算するステップとを含み、これらに
依って、指定された観測目標地点に正対通過しながら観
測できる全ての衛星軌道パスと観測方向制御パラメータ
を求めるようにした。
【0036】すなわち、この発明においては、後述の実
施の形態4において詳述するが、観測目標地点を目標格
子点{目標格子点緯度,目標格子点経度}によって指定
し、参照観測機会テーブル内の目標格子点緯度に対する
正対可能経度区間を全ての衛星軌道パスの正対可能経度
区間に展開し、この正対可能経度区間の中に目標格子点
経度を含んでいる衛星軌道パスを観測目標地点に正対し
て通過しながら観測できる衛星軌道パス(複数個)とし
て抽出し、この衛星軌道パスの正対可能経度区間の観測
機会テーブル要素{観測格子点:{パス番号,観測機
会}}の中から目標格子点経度の観測機会を抽出する。
この観測機会の時刻(観測機会開始点の時刻と観測機会
終了点の時刻)を、衛星軌道パスのパス開始点時刻で換
算し、この換算した観測機会、即ち、観測機会開始点
{正対通過時刻,ピッチ角,ロール角}と観測機会終了
点によって該衛星軌道パスの正対可能区間の任意の時点
における観測方向制御パラメータ{正対通過時刻,ピッ
チ角,ロール角}を計算し、指定された観測目標地点に
対する観測計画をたてるようにした。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
好適な実施の形態について説明する。
【0038】実施の形態1.図1乃至図10は、本発明
に係る観測方向制御計画立案方法の実施の形態1を説明
する図である。図3には、地球1、衛星の軌道5、衛星
4、衛星直下点軌跡6、衛星軌道パス15、目標格子点
12、方向制御領域47、観測機会28、正対可能経度
区間20などが示されている。また、図4及び図5は、
本実施の形態における観測方向制御計画立案方法におい
て観測方向制御計画を観測計画に埋め込む処理を示した
フローチャートであり、図6は、観測機会テーブルの構
成例を示した図であり、図7乃至図10は、観測機会か
ら方向制御パラメータの計算手法を示した図である。ま
ず、これらの図を用いて観測機会について説明する。
【0039】図1乃至図3において、衛星軌道05に対
して静止している仮想的な地表面の上に衛星直下方向点
10を取り、衛星が昇交点7から一周回する間の衛星直
下方向点10の動きを衛星直下点軌跡6と呼び、自転し
ている地表面の上に衛星直下地点11を取り、衛星が昇
交点7から周回する時に衛星直下地点11が描いた軌跡
を衛星軌道パス15と呼ぶ。ある衛星軌道パス15bの
パス開始点8は、先行する衛星軌道パス15の終了点で
ある。このように衛星軌道パスは順次継続して行く。回
帰衛星では、衛星の長半径などの軌道緒元を適切に設定
し、回帰日数(例:5日間)の最後の衛星軌道パス15
zの終点は或る衛星軌道パスに還って来る。以下の説明
では、簡単化の為に、第1日の最初の衛星軌道パス15
のパス開始点に回帰し、以後、これを繰り返すとする。
【0040】地表点の位置を{緯度,経度}で表現する
ときは、回帰周期の回帰開始時刻99に地表面を写し撮
った地図の{緯度,経度}を用い、第1日目の最初の衛
星軌道パス15のパス開始点のパス開始時刻109とパ
ス開始経度110は、各々回帰開始時刻99と昇交点7
の直下点22の経度に合わせておく。観測格子点67
は、観測位置指定の精度(例:50km)で決まる角度
間隔(例:0.5度)で経線と緯線を引いた時の交点で
ある。観測目標地点は、これらの観測格子点67のうち
の1個(目標格子点12)として指定する。
【0041】図1乃至図3において、47はピッチ角7
2とロール角73で決まる方向制御領域とし、49はピ
ッチ角座標(衛星の機首を揚げる方向を正とする)、5
0はロール角座標(衛星の左翼を揚げる方向を正とす
る)とする。ピッチ角72とロール角73の各々を最小
値から最大値まで変えて得られる観測方向9の領域を正
対可能方向領域19と呼ぶ。衛星軌道05の上の衛星4
からは、この正対可能方向領域19内にある地表点に対
して正対通過可能すなわち観測可能となる。衛星4が衛
星軌道05の上を進行する事に対応して、正対可能方向
領域19は衛星直下点軌跡6に沿って移動し、衛星軌道
05に対して静止している仮想的な地表面の上で帯状の
方向領域を作る。衛星4から正対通過が可能な領域を自
転している地表面の上に取り、正対可能地点領域18と
呼ぶ。正対可能地点領域18は衛星直下地点11を中心
とする概ね長方形(球面上に描かれるために少し変形す
る)の領域であり、衛星4が衛星軌道05の上を進行す
る事に対応して、正対可能地点領域18は衛星軌道パス
15に沿って移動し、自転している地表面の上に帯状の
地点領域を作る。
【0042】目標格子点12に正対通過するように方向
制御する為の3個のパラメータ{正対通過時刻71,ピ
ッチ角72,ロール角73}、すなわち、方向制御パラ
メータ70をこの方向制御領域47に描いた軌跡を観測
機会28と呼ぶ。方向制御パラメータ70の第1のパラ
メータである正対通過時刻71は、方向制御領域47の
上に直接には表現されないが、後述のように正対通過時
刻71は方向制御領域47に描いた観測機会28に沿っ
て、ほぼ等間隔で経過する。
【0043】図1において、時刻が回帰開始時刻99か
ら正対通過時刻71hまで経過する間に、目標格子点1
2aに在った地表点は地球の自転によって12hまで至
り、他方、衛星は、昇交点7から衛星4hの位置まで進
む間にピッチ角を最大にしてできるだけ前方の地表点に
正対できるようにしておき、ロール角を或る値にして観
測方向を9hの方向にしておき、正対通過時刻71hに
おいて衛星4hは目標格子点12hに正対して通過す
る。この衛星軌道パス15上でこの時点以前では、目標
格子点12aに正対できない。従って、この方向制御パ
ラメータ70{正対通過時刻、ピッチ角、ロール角}を
方向制御領域47の上に描いた点29を観測機会開始点
と呼ぶ。
【0044】図2において、時刻が回帰開始時刻99か
ら正対通過時刻71jまで経過する間に、目標格子点1
2aに在った地表点は地球の自転によって12jまで至
り、他方、衛星は、昇交点7から衛星4jの位置まで進
む間にピッチ角=0度とし、ロール角を或る値にして観
測方向を9jの方向にしておき、正対通過時刻71jに
おいて衛星4jは目標格子点12jに正対して通過す
る。この方向制御パラメータ70を方向制御領域47の
上に描いた点30を観測機会中間点と呼ぶ。
【0045】図3において、時刻が回帰開始時刻99か
ら正対通過時刻71kまで経過する間に、目標格子点1
2aに在った地表点は地球の自転によって12kまで至
り、他方、衛星は、昇交点7から衛星4kの位置まで進
む間にピッチ角を最小(負の方向に最大)にしてできる
だけ後方の地表点に正対できるようにしておき、ロール
角を或る値にして観測方向を9kの方向にしておき、正
対通過時刻71kにおいて衛星4kは目標格子点12k
に正対して通過する。この衛星軌道パス15上でこの時
点以後では目標格子点12aに正対できない。従って、
この方向制御パラメータ70を方向制御領域47の上に
描いた点31を、観測機会終了点と呼ぶ。
【0046】正対通過時刻71hから71kの間の正対
通過時刻71xに対しては、時刻が回帰開始時刻99か
ら正対通過時刻71xまで経過する間に、目標格子点1
2aに在った地表点は地球の自転によって12hから1
2kの間の或る地点12xまで至り、他方、衛星は、方
向制御領域47に描いた観測機会28の上の或る点で決
まる方向制御パラメータ70x{正対通過時刻71x、
ピッチ角72x、ロール角73x}の{ピッチ角72
x、ロール角73x}に従って方向制御して或る観測方
向9xの方向にしておき、正対通過時刻71xにおい
て、4jから4kの間の或る位置で衛星4xは目標格子
点12xに正対して通過する。目標格子点12aに対す
る正対通過時刻71hから71kの間の任意の正対通過
時刻71xの方向制御パラメータ70xは目標格子点1
2aの観測機会28の上に在る。
【0047】このように、観測機会28は、或る衛星軌
道パスの上で一つの目標格子点12に正対通過している
衛星の方向制御パラメータ70{正対通過時刻,ピッチ
角,ロール角}を、観測機会開始点29から観測機会終
了点31の限られた区間で、ピッチ角とロール角で作る
方向制御領域47に描いた図であり、次のような特徴が
ある。 ・ 目標格子点12に正対通過する方向制御パラメータ
70の正対通過時刻71を一定間隔で変えて方向制御領
域47の上に描くと、観測機会開始点29から観測機会
終了点31までの間にほぼ一定間隔で並ぶ。即ち、方向
制御パラメータ70の第1のパラメータである正対通過
時刻71は、観測機会28の上でほぼ等間隔に経過す
る。 ・ 観測機会28の上で、正対通過時刻:ピッチ角の関
係は、直線で近似される。 ・ 観測機会28の上で、正対通過時刻:ロール角の関
係は、直線で近似される。
【0048】これらの特徴は、観測機会28が或る一組
の{衛星軌道パス、目標格子点}だけに対応している、
衛星軌道パスあるいは目標格子点が異なればそれに応じ
て{観測機会開始点、観測機会終了点}も異なる、更
に、観測機会開始点29から観測機会終了点31までの
局所的な期間(約90秒)の記述に限られている、等に
依っている。より正確には観測機会開始点29と観測機
会終了点31および両者の中間の1/3,2/3の2点
の4点に基づく近似のほうが良い。しかし、以下では説
明を簡単にするため、観測機会開始点29と観測機会終
了点31に依る直線近似で記述する。
【0049】図4及び図5は、この発明の実施の形態1
における観測方向制御方式により、観測機会テーブル2
7を作成する処理過程と、目標格子点12を指定されて
其処に正対通過するためのパス番号17、方向制御パラ
メータ70及び方向制御時系列80を得て、観測計画に
埋め込む処理過程と、処理過程で用いる入出力データを
示している。
【0050】まず、準備処理310は、観測システムの
パラメータ300の中の衛星の軌道パラメータと方向制
御性能パラメータ302を用いて地表面上の全ての観測
格子点67に対して、其処に正対通過する{衛星軌道パ
ス15、観測機会28}を計算して観測機会テーブル2
7を作成する。その詳細な方法は実施の形態2で示す。
【0051】観測機会テーブル27は図6に示すよう
に、{観測格子点:{パス番号,観測機会}}を要素と
し、観測格子点67を指定して{パス番号,観測機会}
を引き出す構成にする。観測機会の抽出処理311は、
観測目標地点に関するデータ301の中で指定された目
標格子点12を引数にして観測機会テーブル27を参照
し、其処に正対通過できる全ての{パス番号,観測機
会}を抽出する。
【0052】観測機会の選択処理312は、観測機会の
抽出処理311で抽出した候補{パス番号,観測機会}
の中から、或る選択規則に従って一つを選択して採用
{パス番号,観測機会}とする。実施の形態1では、例
示のための選択規則として、 ・ 衛星軌道パスの選択規則・・・・・できるだけ早い
機会、即ち、計画以後で最初に利用できる衛星軌道パス
を選択、 ・ 観測機会内の時刻の選択規則・・・ピッチ角=0
度、即ち、方向制御に要する時間を短くする事を目的に
した場合、を採用する。
【0053】方向制御パラメータの計算処理313は、
採用{パス番号,観測機会}の観測機会28の{観測機
会開始点29,観測機会終了点31}を用いて、この間
でピッチ角=0度(例示のための選択規則)となる正対
通過時刻71、ロール角73を計算して、方向制御パラ
メータ70={正対通過時刻71,ピッチ角72,ロー
ル角73}を得る。
【0054】方向制御時系列の計算処理314では、ロ
ール回転トルクと衛星の慣性モーメントで決まるロール
角加速度などの衛星の方向制御性能パラメータ302を
参照して、ピッチ回転時間、ロール回転時間,整定時間
などを計算する。目標格子点12に正対通過する時刻の
前後に所定の時間(観測前方保護時間93、観測後方保
護時間94)を確保して観測期間とする。正対通過時刻
71を原点にして、それに先行する観測開始時刻84、
整定開始時刻83、ロール回転開始時刻82、ピッチ回
転開始時刻81および、正対通過時刻71に後続の観測
終了時刻86,ピッチ戻し開始時刻87を配置して、目
標格子点12に正対通過時刻71で正対通過する為の方
向制御時系列80={ピッチ回転開始時刻81,ロール
回転開始時刻82,整定開始時刻83,観測開始時刻8
4,正対通過時刻71,観測終了時刻86,ピッチ戻し
開始時刻87}を作成する。
【0055】観測計画作成処理315では、衛星が目標
格子点12に正対して通過するための観測計画の一部で
ある衛星軌道パス15、方向制御パラメータ70、およ
び方向制御時系列80を埋め込む。
【0056】図6において、27は観測機会テーブルの
実施例であり、目標格子点12yが与えられた時に、其
処に正対通過するパス番号17yと観測機会開始点29
yおよび観測機会終了点31yを抽出する為に用いる。
【0057】観測機会テーブル27の構成は、次の通り
とする。 ・ 一つの観測格子点67にはパス番号17が異なる複
数個の{パス番号17,観測機会28}が対応する。 ・ 観測格子点67は{観測格子点緯度68,観測格子
点経度69}で構成する。 ・ パス番号17は観測格子点67に正対通過可能な衛
星軌道パス15の番号である。 ・ 観測機会28は図1の観測機会開始点29と観測機
会終了点31で構成する。 ・ 観測機会開始点29はパス番号17の衛星軌道パス
の上で最初に観測格子点67に正対する為の方向制御パ
ラメータ70で構成する。 ・ 観測機会終了点31はパス番号17の衛星軌道パス
の上で最後に観測格子点67に正対する為の方向制御パ
ラメータ70で構成する。 ・ 方向制御パラメータ70は{正対通過時刻,ピッチ
角,ロール角}で構成する。
【0058】図3において、衛星が衛星軌道パス15b
の衛星直下地点11cの上空に至った時の{ピッチ角,
ロール角}は、方向制御領域47の範囲内であればどの
方向点でもよい。この事に対応して11cの上空から正
対できる地表点は、正対可能領域18cのように拡が
る。衛星が衛星直下地点11cの上空から11dの上空
まで進むにつれて正対可能領域は18cから18dまで
移る。観測格子点緯度68に対して、衛星直下地点11
cをできるだけ早い時点に採り、且つ観測格子点緯度6
8上の或る地表点(その経度を正対地点経度26eとす
る)を正対可能領域18cが含むようにし、他方 衛星
直下地点11dをできるだけ遅い時点に採り、且つ観測
格子点緯度68上の或る地表点(その経度を正対地点経
度26wとする)を正対可能領域18dが含むようにす
ると、観測格子点緯度68上の26wから26eの経度
の区間だけは衛星軌道パス15bから正対通過できる
が、その西側と東側は、衛星軌道パス15bから正対通
過できない。観測格子点緯度68上のこの経度区間を正
対可能経度区間20と呼ぶ。
【0059】正対可能経度区間20は観測格子点緯度6
8の上で衛星軌道パス15bに沿って移動する正対可能
領域18に依って覆われる地表点の経度区間である。観
測格子点緯度68が低緯度から中緯度では、一つの衛星
軌道パス15の正対可能経度区間20は北上中と南下中
に各々1個ずつ合計2個在り、高緯度では1個に縮退す
る。
【0060】図6の観測機会テーブル27を構成する時
には、或る観測格子点緯度68の正対可能経度区間20
n(北上中),20s(南下中)に対してのみ{パス番
号17,観測機会28}を保持する。その他の経度区間
には、正対通過可能な時点が無いので観測機会テーブル
27の此の部分は空とする。
【0061】このようにして作った観測機会テーブル2
7を用いて、例えば、観測目標地点が目標格子点12y
(例:緯度=41度,経度=47度)と指定されると、
図6の観測機会テーブル27から ・ パス番号17y=#01、 ・ 観測機会開始点29y={614秒, 25度,1
4度} ・ 観測機会終了点31y={699秒,−25度,1
2度} が得られる。此の例では、#01の衛星軌道パス15を
通過中に、衛星がピッチ角72を25度(=最大)、ロ
ール角73を14度に方向制御し、左前方の地表点に正
対するように姿勢を変えておいて進んで来ると、回帰開
始時刻99の後、614秒の時点で最も早く目標格子点
12yに正対通過出来る事を表す。また、衛星がピッチ
角72を−25度(=最小)、ロール角73を12度に
し、左後方の地表点に正対するように姿勢を変えておい
て進んで来ると、回帰開始時刻99の後、699秒の時
点で最も遅く目標格子点12yに正対通過出来る事を表
す。
【0062】パス番号17=#01以外にもこの目標格
子点12yに正対通過が可能な衛星軌道パス15が複数
個あるが、図3の観測機会テーブル27では省略してい
る。
【0063】図7乃至9は、目標格子点12に対する観
測機会28の上で、即ち観測機会開始点29と観測機会
終了点31の途中の正対通過時刻71x=νxで、目標
格子点12に正対通過する為の方向制御パラメータ70
x{正対通過時刻,ピッチ角,ロール角}、即ち観測機
会内部点32を得る方法を示す。これは、図3の観測機
会28の説明で記述した、 ・ ピッチ角72とロール角73は、方向制御領域47
の上でほぼ直線状の関係がある。 ・ 正対通過時刻71は観測機会28の上でほぼ等間隔
に経過する。 ・ 正対通過時刻71:ピッチ角72は、直線で近似さ
れる。 ・ 正対通過時刻71:ロール角73は、直線で近似さ
れる。 に基づいている。
【0064】図7に示すように目標格子点12に対する
観測機会28の観測機会開始点29{正対通過時刻71
b,ピッチ角72b,ロール角73b}と観測機会終了
点31{正対通過時刻71e,ピッチ角72e,ロール
角73e}が得られているとする。先ず、正対通過時刻
71xを指定して、観測機会内部点32のピッチ角72
xを求める方法について説明する。図8は、正対通過時
刻座標48とピッチ角座標49で作る平面である。この
面上に、観測機会開始点29の{正対通過時刻71b,
ピッチ角72b}と観測機会終了点31の{正対通過時
刻71e,ピッチ角72e}を結ぶ正対通過時刻:ピッ
チ角グラフ51を描く。正対通過時刻:ピッチ角グラフ
51の上で、観測機会内部点32の正対通過時刻71x
に対するピッチ角72を観測機会内部点32に対するピ
ッチ角72xとする。
【0065】次に、正対通過時刻71xを指定して、観
測機会内部点32のロール角73xを求める方法につい
て説明する。図9は、正対通過時刻座標48とロール角
座標50で作る平面である。この面上に、観測機会開始
点29の{正対通過時刻71b,ロール角73b}と観
測機会終了点31の{正対通過時刻71e,ロール角7
3e}を結ぶ正対通過時刻:ロール角グラフ52を描
く。正対通過時刻:ロール角グラフ52の上で、観測機
会内部点32の正対通過時刻71xに対するロール角7
3を観測機会内部点32に対するロール角73xとす
る。
【0066】次に、ピッチ角72xを指定して、正対通
過時刻71xとロール角73xを求める方法について説
明する。まず、図8の正対通過時刻:ピッチ角グラフ5
1の上で、ピッチ角72xに対する正対通過時刻71x
を求める。そして、図9の正対通過時刻:ロール角グラ
フ52の上で、正対通過時刻71xに対するロール角7
3xを求める。
【0067】以上の方法に依り、正対通過時刻71xあ
るいはピッチ角72xを指定した時、観測機会28の途
中で目標格子点12に正対通過する方向制御パラメータ
70x{正対通過時刻、ピッチ角、ロール角}、即ち観
測機会内部点32を得る。
【0068】図7において、観測機会開始点29は、方
向制御領域47の前方端(衛星の前方に観測方向9を振
る事に対応)にあり、その時点のピッチ角72bは最大
値が採られている。また、観測機会終了点31は、方向
制御領域47の後方端にあり、その時点のピッチ角72
eはピッチ角72の最小値が採られている。
【0069】図8に、観測機会28が方向制御領域47
の前方端以外の方向から始まり、後方端以外の方向で終
わる場合を含めて例示する。衛星の対地速度と地球自転
による地表点の速度の比率が概ね10対1であるので、
衛星軌道パス15の北上期間の観測機会28は、殆どの
場合に方向制御領域47の前方端から後方端迄の観測機
会28nとなる。また、僅かの場合に左端から後方端迄
の観測機会28p、あるいは前方端から右端迄の観測機
会28rとなる。一方、衛星軌道パス15の南下期間の
観測機会28は、殆どの場合に方向制御領域47の前方
端から後方端迄の観測機会28sとなる。また、僅かの
場合に右端から後方端迄の観測機会28t、あるいは前
方端から左端迄の観測機会28uとなる。
【0070】図6の観測格子点67{緯度=41度,経
度=41度}に上記の観測機会28pの型の例が見え、
観測機会開始点29のピッチ角72bが5度となってい
る。このような方向制御領域47の左端または右端が観
測機会開始点29あるいは観測機会終了点31になる場
合も、前述の観測機会内部点32の方向制御パラメータ
70を得る方法はそのまま適用できて、期間が短い観測
機会28(例えば観測機会28p)をも観測計画に使う
ことができる。
【0071】本実施の形態の特徴を纏めると、次のよう
になる。
【0072】観測衛星がその姿勢を変えて地表面上の目
標地点に対して正対した姿勢で通過しながら観測するシ
ステムの観測計画中の方向制御計画立案に必要な制御テ
ーブルのサイズは、下記の項目に依って決まる。 ・ 観測目標地点の分離精度(即ち、観測格子点の
数)、 ・ 隣接する衛星軌道パスの間隔(即ち、衛星軌道パス
の数)、 ・ 正対通過可能期間内での正対通過時刻指定精度。 更に、テーブル作成の計算量は、以上の項目に加えて、 ・ 観測方向{ピッチ角,ロール角}の指定精度、に依
って決まる。
【0073】また、観測頻度の向上と観測目標地点の指
定精度の向上には、 ・ 観測格子点の間隔を狭め、その結果、観測格子点の
数が増加する、 ・ 回帰日数を長くして衛星軌道パスの間隔を狭める。
換言すれば、衛星軌道パスの数を増加する、 ・ 正対通過可能時間が長くなる事はないが、その指定
間隔を短くする、 ・ 方向制御領域の全立体角は変わらないが、その方向
指定間隔を狭くする、などの項目の指定点数の増加が伴
う。
【0074】つまり、観測方向制御計画立案のために準
備して保持するテーブルサイズと計算時間に関して言う
と、従来の技術に依る観測方向制御計画立案方式では、
衛星軌道パスから或る観測格子点に正対通過できる期間
(≒100秒)の全体に亘って、一定間隔(例:1秒間
隔)で方向制御パラメータ70を計算し、方向制御パラ
メータテーブル78に保持する必要があった。これに対
して、本実施の形態1において観測機会テーブル27の
作成方法に依れば、衛星軌道パスから或る観測格子点に
正対通過できる期間の全体を一つの観測機会として捉
え、その記述には、観測機会開始点と観測機会終了点の
2点(中間の1/3,2/3の2点を入れて4点として
もよい)の方向制御パラメータ70を計算して保持する
事になる。これにより、観測機会テーブルのサイズは、
方向制御パラメータテーブルのサイズの1/50にする
事ができる。
【0075】また、観測頻度の向上と観測目標地点の指
定精度の向上のための観測格子点以外の項目の指定点数
の増加に対しては、観測機会の開始点と終了点に関する
2個の方向制御パラメータで正対通過可能な観測機会を
記述するので、正対通過可能期間内の分割間隔が短くな
ってもテーブルサイズは直接には影響を受けない。
【0076】実施の形態2.図11乃至図25は、本発
明に係る観測方向制御計画立案方法の実施の形態2を説
明する図である。本実施の形態における観測方向制御計
画立案方法では、上記実施の形態1の観測方向制御計画
立案方法に用いる観測機会テーブル27{観測格子点:
{パス番号,観測機会}}を前以て作成する時に、 <手順1b>衛星軌道パス毎に観測機会開始点のサンプ
ルすなわちサンプル開始点{正対通過時刻、ピッチ角、
ロール角}を指定してその正対地点となるサンプル正対
地点を計算し(この計算は一本調子に行えるので「順方
向計算」と呼ぶ)、 <手順2b>{サンプル開始点:サンプル正対地点}を
要素とするサンプル開始点テーブル60を作成し、 <手順1e>観測機会終了点のサンプルすなわちサンプ
ル終了点を指定してその正対地点となるサンプル正対地
点を計算し、 <手順2e>{サンプル終了点:サンプル正対地点}を
要素とするサンプル終了点テーブル61を作成し、 <手順3>衛星軌道パス毎のサンプル開始点テーブル6
0を逆に参照して、即ちサンプル正対地点からサンプル
開始点を求めるように参照して、観測格子点に対する観
測機会開始点を求め、同様に、衛星軌道パス毎のサンプ
ル終了点テーブル61を逆に参照して、観測格子点に対
する観測機会終了点を求め、 <手順4>{観測機会開始点,観測機会終了点}で観測
機会を構成し、観測格子点に対して衛星軌道パスと観測
機会を対応させる観測機会テーブル{観測格子点:{パ
ス番号,観測機会}}を作成して保持する。
【0077】図11は、衛星軌道パス15の北上区間と
南下区間の各々で方向制御領域47の4個の周辺の何処
に観測機会開始点、あるいは観測機会終了点が在るのか
を示す。即ち、衛星軌道パス15の北上区間で正対通過
する観測格子点67nに対しては、サンプル開始点を前
方端方向33nと左端方向35nの上に採り、サンプル
終了点を後方端方向34nと右端方向36nの上に採
る。また、衛星軌道パス15の南下区間で正対通過する
観測格子点67sに対しては、サンプル開始点38を前
方端方向33sと右端方向36sの上に採り、サンプル
終了点39を後方端方向34sと左端方向35sの上に
採る。
【0078】また、前方端方向33上のサンプル方向
は、ピッチ角72を最大に固定し、ロール角73を最小
値から最大値まで一定間隔で変えた時の方向、後方端方
向34上のサンプル方向は、ピッチ角72を最小に固定
し、ロール角73を変えた時の方向、左端方向35上の
サンプル方向は、ロール角73を最大に固定して、ピッ
チ角72を最小値から最大値まで一定間隔で変えた時の
方向、右端方向36上のサンプル方向は、ロール角73
を最小に固定して、ピッチ角72を変えた時の方向であ
る。
【0079】以下、上記手順1b〜手順4のうち、北上
区間で正対通過される観測格子点67nに対する観測機
会28の観測機会開始点29を計算する手順に注目し
て、本実施の形態を記述する。手順は、{サンプル開始
点:サンプル正対地点}を対応つけるサンプル開始点テ
ーブル60と、{サンプル終了点:サンプル正対地点}
を対応つけるサンプル終了点テーブルを作成する迄の手
順1b及び手順2bとにより構成する前半と、サンプル
開始点テーブルとサンプル終了点テーブルから観測機会
テーブル27を作成する迄の手順3及び手順4とにより
構成される後半とに2分して記述する。
【0080】まず、手順1bに関し、図12で、衛星が
昇交点7を通過する回帰開始時刻99から一定間隔に採
った時刻をサンプル時刻40a,40b,40c,・・
・,40t,・・・とし、衛星軌道5上の衛星4が在る
位置に記す。衛星4は、サンプル時刻40tに至る迄に
方向制御領域47tの上の前方端方向33のサンプル開
始点38F{ピッチ角72F,ロール角73F}で指定
される方向制御を終えて観測方向を9Fとしておき、サ
ンプル時刻40tにおいて正対方向点23Fに対して正
対しながら通過しているとする。
【0081】図13乃至図15は、本実施の形態に依る
方向制御パラメータ70{正対通過時刻,ピッチ角,ロ
ール角}からサンプル時刻40におけるサンプル正対地
点41を求める順方向計算を示す図である。
【0082】図13において、 ・ サンプル時刻40が指定されると、軌道上の衛星4
の位置が計算される。衛星4は待機状態、すなわち観測
方向{ピッチ角,ロール角}={0度,0度}の状態で
あるとする。この時、 ・ 正対方向点23hは直下点軌跡6の上にある、 ・ 慣性座標系から見た衛星機体の方向を{衛星機体X
軸55h,衛星機体Y軸56h,衛星機体Z軸57h}
とする、 ・ 衛星機体YZ面が地球を切断する断面をYZ断面5
8hと呼ぶ、 ・ YZ断面58は衛星軌道5が作る面と常に直交す
る。
【0083】図14において、衛星は昇交点7から衛星
4に至る間に 観測方向={ピッチ角72j,ロール角=0度} で方向制御をし終わっているとする。この時、 ・ ピッチ回転軸74は衛星機体Y軸56hと同一であ
り、正対方向点23はピッチ回転するにつれて直下点軌
跡6の上を辿り、23hから23jに至る。 ・ YZ断面58jは元のYZ断面58hとピッチ角7
2jで交わり、衛星軌道5が作る面とは依然として直交
する。 ・ 三角形{地球中心100,衛星4,正対方向点23
j}は、辺{地球中心100,衛星4}が衛星軌道5の
半径、辺{地球中心100,正対方向点23j}が地球
半径、頂点{衛星4}の角度がピッチ角72jであり、
これに依って三角形の形が決定される。即ち、正対地点
23jの位置を計算できる。また、 ・ 三角形{地球中心100,YZ断面中心59j,衛
星4}は、辺{地球中心100,衛星4}が衛星軌道5
の半径、頂点{YZ断面中心59}の角度は90度、頂
点{衛星4}の角度がピッチ角72jであり、これに依
って三角形の形が決定される。即ち、YZ断面中心59
jの位置を計算できる。
【0084】図15において、衛星は昇交点7から衛星
4に至る間に 観測方向={ピッチ角72j,ロール角73k} で方向制御をし終わっているとする。この時、 ・ ピッチ角72jに依って移動した正対方向点23j
とYZ断面中心59jの位置は、図14で説明した方法
で計算する。 ・ ロール角73のロール回転軸75は衛星機体X軸5
5jと同一であり、ロール回転するにつれて正対方向点
23jはYZ断面58jの周辺上に沿って移動し、正対
方向点23kに至る。 ・ 三角形{衛星4,YZ断面中心59j,正対方向点
23k}は、辺{YZ断面中心59j,衛星4}は図1
5により既知、頂点{正対方向点23k}は 中心=YZ断面中心59jの弧{正対方向点23j,正
対方向点23k} の上に在り、頂点{衛星4}の角度はロール角73kで
あり、これに依って三角形の形が決定される。即ち、正
対方向点23kの位置を計算できる。
【0085】更に図15において、正対方向点23kに
対応するサンプル正対地点を41kとすると、サンプル
正対地点を41kは、衛星が昇交点7から衛星4に至る
までの時間(=正対通過時刻71−回帰開始時刻99)
に地球の自転に依って正対方向点23k迄回転して来て
いる。従って、 ・ サンプル正対地点41kの正対地点緯度25kは、
正対方向点23kの緯度に等しい、 ・ サンプル正対地点41kの正対地点経度26kは、
正対方向点23kの経度から(正対通過時刻71−回帰
開始時刻99)の間の地球の自転角度を差し引いた値で
ある。
【0086】このように、サンプルの方向制御パラメー
タ70{正対通過時刻,ピッチ角,ロール角}が与えら
れると、衛星4の位置、サンプル正対地点41を計算す
る順方向計算は一本調子に進められる。この順方向計算
方法を用い、図12において、方向制御領域47tのサ
ンプル開始点38Fで指定される方向制御を終えて観測
方向を9Fとしておき、サンプル時刻40tにおいて正
対方向点23Fに対して正対しながら通過している時の
サンプル正対地点41F{正対地点経度26F,正対地
点緯度25F}を計算する。同様に、方向制御領域47
tのサンプル終了点39Bで指定される方向制御を終え
て、サンプル時刻40tにおいて正対方向点23Bに対
して正対しながら通過している時のサンプル正対地点4
1B{正対地点経度26B,正対地点緯度25B}を計
算する。
【0087】逆に、正対地点24を指定して、此処を指
すような方向制御パラメータ70{正対通過時刻、ピッ
チ角、ロール角}を求める逆方向計算を採ろうとする
と、正対地点24に対する観測機会28上の任意の方向
制御パラメータ70が解となり一意的には決まらない。
また、正対地点24を指す観測機会開始点29に限定
し、更に方向制御領域47の前方端方向33に限定して
も、{正対通過時刻,ロール角}の2次元で解を探す事
になる。これらの点に、逆方向計算の煩雑さの一因があ
る。
【0088】図16,17は、前述した本実施の形態に
おける手順の前半をまとめたフローチャートであり、サ
ンプル開始点テーブル60とサンプル終了点テーブル6
1を作成するまでを示す。
【0089】まず、衛星軌道パス・サンプル時刻指定処
理318において、回帰軌道を構成している衛星軌道パ
ス15のパス番号17を指定し、各衛星軌道パス15の
パス開始時刻109から、衛星一周回時間105の間、
一定の間隔でサンプル時刻40の列を作成し、サンプル
時刻40を順次増してながら後続の手順全体を実行す
る。
【0090】衛星位置計算処理319において、観測シ
ステムパラメータ300内の軌道パラメータを参照し
て、指定された衛星軌道パス15の指定されたサンプル
時刻40における衛星4の位置を計算する。
【0091】サンプル方向指定処理320において、衛
星軌道パス15の{北上区間,南下区間}に応じて図1
3に記述したように方向制御領域47の4周辺方向{前
方端方向33、後方端方向34、左端方向35、右端方
向36}からサンプル開始点となる方向およびサンプル
終了点となる方向を選んでピッチ角あるいはロール角の
一方を最大値あるいは最小値に固定し、他方を最小値か
ら最大値まで一定間隔で変えたサンプル方向に対して、
後続の手順全体を実行する。
【0092】サンプル開始点のサンプル正対地点計算処
理321において、サンプル開始点38の方向制御パラ
メータ70{正対通過時刻=サンプル時刻,サンプル方
向}に対するサンプル正対地点41{緯度,経度}を、
前述の順方向計算に依って計算し、得られた結果{{サ
ンプル時刻,サンプル方向}:サンプル正対地点}を、
サンプル開始点テーブル60に保存する。
【0093】サンプル終了点のサンプル正対地点計算処
理322において、サンプル終了点39の方向制御パラ
メータ70{正対通過時刻=サンプル時刻、サンプル方
向}に対するサンプル正対地点41を計算して、得られ
た結果{{サンプル時刻,ピッチ角,ロール角}:サン
プル正対地点}を、サンプル終了点テーブル61に保存
する。
【0094】このようにして、各衛星軌道パス15の衛
星一周回時間105の間の全てのサンプル時刻40にお
いて、方向制御領域47の周辺上で方向を一定間隔で変
えて得られる全てのサンプル開始点38あるいはサンプ
ル終了点39に対して、{{サンプル時刻,サンプル方
向}:サンプル正対地点}を要素とするサンプル開始点
テーブル60とサンプル終了点テーブル61が得られ
る。
【0095】正対通過時刻71と方向制御パラメータ7
0を、サンプル時刻40tと方向制御領域47の前方端
方向33のサンプル開始点38t={ピッチ角72t,
ロール角73t}として指定すれば、正対方向点23t
とサンプル正対地点41tは前述の順方向計算で求ま
る。このようにして得られたサンプル正対地点41を観
測格子点67の側からみると、図18,19のようにな
る。図18において、地表面を格子状に分割した観測格
子点を67x、67y、・・・とする。このとき、サン
プル正対地点41tが在る観測格子点67に一致すると
は限らない。換言すれば、観測格子点67を指定した時
に、其処を指すような観測機会開始点29の方向制御パ
ラメータ70{正対通過時刻、ピッチ角、ロール角}が
サンプル開始点テーブル60の中に在るとは限らない。
観測機会終了点31に関しても、観測格子点67を指定
した時に、其処を指すような観測機会終了点31の方向
制御パラメータ70がサンプル終了点テーブル61の中
に在るとは限らない。
【0096】図18において、衛星軌道パス15hと観
測格子点67xが指定された時、観測格子点67xに対
する観測機会、観測機会開始点、観測機会終了点を28
x、29F、31B(これらは未知である)で、観測機
会開始点29Fは前方端方向33に在り、観測機会終了
点31Bは後方端方向34に在るとする。観測格子点6
7xを中心にして格子間隔の1/3くらいを半径とする
領域を観測格子点近傍62xとする。サンプル開始点3
8のサンプルを採る間隔、即ち{サンプル時刻40の間
隔,前方端方向33を生成するロール角73の間隔,左
端方向35を生成するピッチ角72の間隔}は、この観
測格子点近傍62xの中にサンプル正対地点41が5個
くらい入るように設定しておく。
【0097】方向制御領域47上に例示するように、観
測格子点67xの観測機会28xが分かっていれば、こ
の観測機会28xの観測機会開始点29F、観測機会内
部点32M、観測機会終了点31Bを方向制御パラメー
タ70として方向制御をすれば、その正対地点24は図
19の地表点24F,24M,24Bに示すように、観
測格子点67xに命中する。また、観測機会開始点29
Fの近傍、あるいは観測機会終了点31Bの近傍、ある
いは観測機会内部点32Mの近傍にある方向制御パラメ
ータで方向制御をすれは、その正対地点はいずれも観測
格子点67xの近傍に在る。
【0098】図19に示すように、サンプル開始点38
tの方向制御パラメータ70t{サンプル時刻40t,
ピッチ角72t,ロール角73t}で方向制御した時の
サンプル正対地点41tが、観測格子点67xの観測格
子点近傍62xの中に在るサンプル正対地点の一つとす
る。サンプル開始点38のロール角73あるいはサンプ
ル時刻40を変えた時サンプル正対地点41の動きは以
下のようになる。前方端方向33の観測機会開始点29
の場合を扱っているので、ピッチ角72は最大値に固定
されている。
【0099】サンプル時刻を固定してロール角を変えた
場合に得られる正対通過時刻等高線について説明する。
図18において、方向制御領域47の前方端方向33の
上でロール角73をロール角73vに変えたサンプル開
始点38vで方向制御をしておいて、サンプル時刻40
tに衛星4tに至った時、その正対方向点23vは正対
可能方向領域19tの前方端の上に、サンプル正対地点
41vは正対可能地点領域18tの前方端の上にある。
図19の拡大図に示すように、サンプル時刻40tを固
定して、ロール角73を方向制御領域47の前方端方向
33の上で等間隔で変えた場合のサンプル正対地点41
t、41v、・・・は、観測格子点近傍62xの中では
ほぼ等間隔でかつほぼ直線状に並ぶ。サンプル開始点3
8t、38v、・・・に対応するサンプル正対地点41
t、41v、・・・を結ぶ線44tを正対通過時刻等高
線と呼ぶ。正対通過時刻等高線44tに沿ってサンプル
正対地点41が41tから離れる距離は対応するサンプ
ル開始点38のロール角73が41tのロール角73t
から離れる度数にほぼ比例する。換言すれば、サンプル
正対地点41tから41vまでの間の正対通過時刻等高
線44tに、サンプル開始点38tのロール角73tか
らサンプル開始点38vのロール角73vまでのロール
角73の目盛りを等間隔に付けることができる。
【0100】次に、ロール角を固定してサンプル時刻を
変えた場合に得られるロール角等高線について説明す
る。図18において、サンプル正対地点41tと同じ
{ピッチ角72t、ロール角73t}で方向制御をして
おきサンプル時刻40tより少し後のサンプル時刻40
uにおけるサンプル正対地点41uは図19の拡大図に
示すように、41tから衛星軌道パス15hとほぼ並行
に進んだ位置にある。このように、ロール角73tを固
定してサンプル時刻40を等間隔で変えた場合、サンプ
ル正対地点41は観測格子点近傍62xの中ではほぼ等
間隔で、かつほぼ直線状に並ぶ。サンプル開始点38
t、38u、・・・に対応するのサンプル正対地点41
t、41u、・・・を結ぶ線46tをロール角等高線と
呼ぶ。ロール角等高線46tに沿ってサンプル正対地点
41が41tから離れる距離は対応するサンプル開始点
38のサンプル時刻40が41tのサンプル時刻40t
から離れる時間にほぼ比例する。換言すれば、サンプル
正対地点41tからサンプル正対地点41uまでの間の
ロール角等高線46tに、サンプル開始点38tの正対
通過時刻71tからサンプル開始点38uの正対通過時
刻71uまでの正対通過時刻71の目盛りを等間隔に付
けることができる。
【0101】即ち、観測格子点67xの観測機会開始点
29F(未知)が方向制御領域47の前方端方向33に
在る場合、観測格子点近傍62xのサンプル正対地点4
1の集合に注目すると、 ・ 順方向計算に依ってサンプル正対地点41を生成し
た元であるサンプル開始点38(既知)の集合は方向制
御領域47の前方端方向33上の観測機会開始点29F
(未知)の近傍に在り、 ・ サンプル正対地点41の集合の中で対応するサンプ
ル開始点38の正対通過時刻71が同一でロール角73
が異なるサンプル正対地点41を結んで正対通過時刻等
高線44を作り、それに沿ってサンプル正対地点41を
移動させると、対応したサンプル開始点38は前方端方
向33上を移動し、正対通過時刻71を変えずに方向制
御領域47の前方端方向33に沿ってロール角73が変
わり、サンプル正対地点41の移動距離とロール角73
の変化量は比例する。 ・ サンプル正対地点41の集合の中で、サンプル開始
点38のロール角73が同一で正対通過時刻71が異な
るサンプル正対地点41を結んでロール角等高線46を
作り、それに沿ってサンプル正対地点41を移動させる
と、それに対応したサンプル開始点38は、前方端方向
33上でロール角73を変えずに正対通過時刻71が変
わり、サンプル正対地点41の移動距離と正対通過時刻
71の変化量は比例する。 ・ 前方端方向33上のサンプル開始点38に対するサ
ンプル正対地点41の移動に限っているので、この場合
の正対通過時刻等高線44あるいはロール角等高線46
に沿った移動ではピッチ角72は変化せず常に最大値を
維持する。
【0102】同様に、観測格子点67xの観測機会終了
点31B(未知)が方向制御領域47の後方端方向34
に在る場合、観測格子点近傍62xのサンプル正対地点
41の集合に注目すると、 ・ 順方向計算に依ってサンプル正対地点41を生成し
た元であるサンプル終了点39(既知)の集合は方向制
御領域47の後方端方向34上の観測機会終了点31B
(未知)の近傍に在り、 ・ サンプル正対地点41の集合の中で正対通過時刻等
高線44を作り、それに沿ってサンプル正対地点41を
移動させると、それに対応したサンプル終了点39は後
方端方向34上を移動し、正対通過時刻71を変えずに
ロール角73が変わり、サンプル正対地点41の移動距
離とロール角73の変化量は比例する。 ・ サンプル正対地点41の集合の中でロール角等高線
46を作り、それに沿ってサンプル正対地点41を移動
させると、それに対応したサンプル終了点39は後方端
方向34上でロール角73を変えずに、対通過時刻71
が変わり、サンプル正対地点41の移動距離と正対通過
時刻71の変化量は比例する。 ・ 正対通過時刻等高線44あるいはロール角等高線4
6に沿った移動では、ピッチ角72は変化せず常に最小
値を維持する。
【0103】更に、観測格子点67xの観測機会開始点
29(未知)が方向制御領域47の左端方向35に在る
場合、観測格子点近傍62xのサンプル正対地点41の
集合に注目すると、 ・ 順方向計算に依ってサンプル正対地点41を生成し
た元であるサンプル開始点38(既知)の集合は方向制
御領域47の左端方向35上の観測機会開始点29L
(未知)の近傍に在り、 ・ サンプル正対地点41の集合の中で対応するサンプ
ル開始点38の正対通過時刻71が同一でピッチ角72
が異なるサンプル正対地点41を結んで正対通過時刻等
高線44を作り、それに沿ってサンプル正対地点41を
移動させると、対応したンプル開始点38は左端方向3
5上を移動し、正対通過時刻71を変えずに方向制御領
域47の左端方向35に沿ってピッチ角72が変わり、
サンプル正対地点41の移動距離と正対通過時刻71の
変化量は比例する。 ・ サンプル正対地点41の集合の中で元対応するサン
プル開始点38のピッチ角72が同一で正対通過時刻7
1が異なるサンプル正対地点41を結んでピッチ角等高
線45を作り、それに沿ってサンプル正対地点41を移
動させると、其処に正対した元のサンプル開始点38は
左端方向35上でピッチ角72を変えずに正対通過時刻
71が変わり、サンプル正対地点41の移動距離と正対
通過時刻71の変化量は比例する。 ・ 左端方向35上のサンプル開始点38に対するサン
プル正対地点41の移動に限っているので、この場合の
正対通過時刻等高線44あるいはピッチ角等高線45に
沿った移動ではロール角73は変化せず常に最大値を維
持する。
【0104】観測機会開始点29(未知)が方向制御領
域47の右端方向36に在る場合のサンプル正対地点4
1とサンプル開始点38(既知)の関係、および、観測
機会終了点31(未知)が方向制御領域47の左端方向
35にある場合あるいは右端方向36にある場合のサン
プル正対地点41とサンプル終了点39(既知)の関係
も同様になる。即ち、正対通過時刻等高線44に沿った
サンプル正対地点41を移動距離とピッチ角72の変化
量は比例し、ピッチ角等高線45に沿ったサンプル正対
地点41と正対通過時刻71の変化量は比例する。
【0105】図20乃至図25に依って、本実施の形態
における計算手順の後半部分を説明する。即ち、観測格
子点67を指定して、 ・ {サンプル開始点38:サンプル正対地点41}を
要素とするサンプル開始点テーブル60から、観測格子
点67の観測機会開始点29を計算する観測機会開始点
計算部329、 ・ {サンプル終了点39:サンプル正対地点41}を
要素とするサンプル終了点テーブル61から観測格子点
67の観測機会終了点31を計算する観測機会終了点計
算331の実施例を説明する。
【0106】本実施形態では、方向制御領域47の4個
の周辺の各々は、前方端方向33は観測機会開始点29
に、後方端方向34は観測機会終了点31に、左端方向
35と右端方向36は、衛星軌道パス15の北上区間
(南下区間)では各々観測機会開始点29と観測機会終
了点31(観測機会終了点31と観測機会開始点29)
に対応する事が前以て解っている。従って、図20に示
すように順方向計算の計算結果を格納したサンプル開始
点テーブル60は前方端方向用の60F、左端方向用の
60L、右端方向用の60Rに、サンプル終了点テーブ
ル61は後方端方向用の61B、左端方向用の61L、
右端方向用の61Rに区別されている。また、方向制御
領域47の4個の周辺の各々で固定しているパラメータ
と変化させているパラメータは確定している。例えば、
前方端方向用のサンプル開始点テーブル60Bでは{正
対通過時刻71を変化、ピッチ角72=最大値に固定,
ロール角73を変化}であり、左端方向用のサンプル開
始点テーブル60Lでは{正対通過時刻71を変化、ピ
ッチ角72を変化,ロール角73=最大値に固定}であ
る。
【0107】図22において、観測格子点と衛星軌道パ
スの指定処理327は観測機会テーブル27の中で未だ
観測機会28の計算行われていないパス番号17kの一
つの観測格子点67kを指定して、その{観測格子点緯
度68k,観測格子点経度69k,パス番号17k}を
観測機会開始点計算部329と観測機会終了点計算33
1に渡して、この{パス番号17k,観測格子点67
k}の 観測機会28k={観測機会開始点29k,観
測機会終了点31k}の計算を指示する。
【0108】図21において、観測機会開始点計算部3
29、観測機会終了点計算331いずれにとってもパス
番号17kと観測格子点67kが指定された段階では、 ・ このパス番号17kの衛星軌道パスからこの観測格
子点67kが正対通過可能か否かは不明である、 ・ 方向制御領域47の4個の辺のうち、どこから観測
機会開始点29kと観測機会終了点31kの方向が得ら
れるか不明である。何れもサンプル開始点テーブル60
とサンプル終了点テーブル61を参照した結果として判
明する。
【0109】観測機会開始点計算部329は、観測格子
点67kの観測格子点近傍62kを指定して(図20の
例では観測格子点67kの観測格子点緯度68k−1度
から+1、観測格子点経度69k−1度から+1を観測
格子点近傍62kとしている)、前方端方向のサンプル
開始点テーブル60F、左端方向の60L及び右端方向
のサ60Rの中のサンプル正対地点41を参照して、観
測格子点近傍62kに含まれるサンプル正対地点41を
探す。
【0110】サンプル開始点テーブル60F,60L,
60Rの何れにも観測格子点近傍62kに含まれるサン
プル正対地点41が無い場合、この観測格子点67k
は、このパス番号17kの衛星軌道パス15kの上に観
測機会28が無い、換言すれば、この衛星軌道パス15
kから観測格子点67kに正対通過できない事事が確定
する。図21の観測機会開始点計算部329は観測機会
保存処理332にその結果を伝え、332は観測機会テ
ーブル27の観測格子点67kの観測機会28欄に、観
測機会28が無い事を表す記号(例えば、{0})を入
れる。
【0111】観測格子点近傍62kに含まれるサンプル
正対地点が在る場合には、サンプル開始点テーブル60
F、60L、60Rの何れか一つのテーブル内にだけ在
る。これは、観測格子点67kが衛星軌道パス15kか
ら最初に見える方向が方向制御領域47の前方端方向3
3と左端方向35の両方と云うのはあり得ない事に対応
する。図21では、前方端方向33のサンプル開始点テ
ーブル60Fの中に観測格子点近傍62kに含まれるサ
ンプル正対地点が在り、後方端方向34のサンプル終了
点テーブル61Bの中に観測格子点近傍62kに含まれ
るサンプル正対地点が在る場合を主として例示し、左端
方向35のサンプル開始点テーブル60Lの中に観測格
子点近傍62kに含まれるサンプル正対地点が在る場合
を補足して例示する(勿論、観測格子点近傍62kに含
まれるサンプル正対地点41が60Fと60Lの両方に
在ると云うのではない)。
【0112】図21において、前方端方向33のサンプ
ル開始点テーブル60Fの中に観測格子点67kの観測
格子点近傍62kに含まれるサンプル正対地点41が在
る場合を例に採り、観測機会開始点29kを計算する手
順を説明する。サンプル開始点テーブル60Fの中に観
測格子点近傍62kに含まれるサンプル正対地点41が
あれば、この時点で、 ・ パス番号17kの衛星軌道パス15には、観測格子
点67kの観測機会28kが在る事、即ちこの衛星軌道
パス15から観測格子点67kに正対通過できる事が判
明、 ・ 観測機会開始点29kは前方端方向33で得られる
事が判明、 ・ 観測格子点67kの観測機会開始点29kのピッチ
角72g=最大値が確定する。
【0113】図21の観測機会開始点計算部329は、
観測機会開始点29kの方向制御パラメータ70の内の
可変なパラメータ{正対通過時刻,ロール角}を以下の
手順で計算する、 ・ 格子点経度緯度座標66Fに、観測格子点67k
{観測格子点経度69k,観測格子点緯度68k}を描
き込む。 ・ 観測格子点近傍62kに含まれるサンプル正対地点
41の中で、観測格子点67kに最も近いサンプル正対
地点41t{正対地点経度26t,正対地点緯度25
t}を選択し、対応するサンプル開始点38t{サンプ
ル時刻40t,ピッチ角72t=最大値,ロール角73
t}をサンプル開始点テーブル60Fから読み出す。 ・ 格子点経度緯度座標66Fにサンプル正対地点41
t{正対地点経度26t,正対地点緯度25t}を描き
込む。
【0114】・ サンプル時刻40をサンプル開始点3
8tのサンプル時刻40tに固定して、ロール角73を
変えたサンプル開始点38v{サンプル時刻40v=4
0t,ピッチ角72v=最大値,ロール角73v}を選
択し、そのサンプル正対地点41v{正対地点経度26
v,正対地点緯度25v}をサンプル開始点テーブル6
0Fから読み出す。 ・ 格子点経度緯度座標66Fにサンプル正対地点41
v{正対地点経度26v,正対地点緯度25v}を描き
込む。 ・ 41tと41vを結んで正対通過時刻等高線44t
とする。 ・ サンプル正対地点41tからサンプル正対地点41
vまでの間の正対通過時刻等高線44tに、サンプル開
始点38tのロール角73tからサンプル開始点38v
のロール角73vまでのロール角73の目盛りを等間隔
に付ける。
【0115】・ ロール角73をサンプル開始点38t
のロール角73tに固定して、サンプル時刻40を変え
たサンプル開始点38u{サンプル時刻40u,ピッチ
角72u=最大値,ロール角73u=73t}を選択
し、そのサンプル正対地点41u{正対地点経度26
u,正対地点緯度25u}をサンプル開始点テーブル6
0Fから読み出す。 ・ 格子点経度緯度座標66Fにサンプル正対地点41
u{正対地点経度26u,正対地点緯度25u}を描き
込む。 ・ 41tと41uを結んでロール角等高線46tとす
る。 ・ サンプル正対地点41tからサンプル正対地点41
uまでの間のロール角等高線46tに、サンプル開始点
38tのサンプル時刻40tからサンプル開始点38u
のサンプル時刻40uまでの正対通過時刻71の目盛り
を等間隔に付ける。
【0116】正対通過時刻等高線44tとロール角等高
線46tに各々平行な辺で作る並行四辺形を、ロール角
&正対通過時刻フレーム42Fと呼ぶ。格子点経度緯度
座標66Fの上で正対通過時刻等高線44とロール角等
高線46は直交するとは限らないので、ロール角&正対
通過時刻フレーム42Fは一般に並行四辺形となる。こ
のロール角&正対通過時刻フレーム42F内で、 ・ 指定された観測格子点67kからロール角等高線4
6tに平行な線(これもロール角等高線46)を引き、
正対通過時刻等高線44tとの交点に付いているロール
角を読みとり、それを観測格子点67kの観測機会開始
点29kのロール角73gとする。 ・ 同様に、観測格子点67kから正対通過時刻等高線
44tに平行な線(これも正対通過時刻等高線44)を
引き、ロール角等高線46tとの交点に付いている正対
通過時刻を読みとり、それを観測格子点67kの観測機
会開始点29kの正対通過時刻71gとする。 ・ 正対通過時刻71gとロール角73g、および前方
端方向33に観測機会開始点29kがある場合に固定値
となるピッチ角72g=最大値に依って、観測格子点6
7kの観測機会28kの観測機会開始点29k{正対通
過時刻71g,ピッチ角72g=最大値,ロール角73
g}を得る。
【0117】続いて、後方端方向34のサンプル終了点
テーブル61Bの中に観測格子点67kの観測格子点近
傍62kに含まれるサンプル正対地点41が在る場合を
例に採り、観測機会終了点31kを計算する手順を説明
する。サンプル終了点テーブル61Bの中に観測格子点
近傍62kに含まれるサンプル正対地点41があれば、
この時点で、 ・ パス番号17kの衛星軌道パス15には、観測格子
点67kの観測機会28kが在る事、即ちこの衛星軌道
パス15から観測格子点67kに正対通過できる事が判
明、 ・ 観測機会終了点31kは後方端方向34で得られる
事が判明、 ・ 観測格子点67kの観測機会終了点31kのピッチ
角72j=最小値が確定する。
【0118】図21の観測機会終了点計算331は、観
測機会終了点31kの可変なパラメータ{正対通過時
刻,ピッチ角}を以下の手順で計算する、 ・ 格子点経度緯度座標66Bに、観測格子点67k
{観測格子点経度69k,観測格子点緯度68k}を描
き込む。 ・ 観測格子点67kに最も近いサンプル正対地点41
p{正対地点経度26p,正対地点緯度25p}を選択
し、対応するサンプル開始点38p{サンプル時刻40
p,ピッチ角72p=最小値,ロール角73p}をサン
プル終了点テーブル61Bから読み出す。 ・ 格子点経度緯度座標66Bにサンプル正対地点41
p{正対地点経度26p,正対地点緯度25p}を描き
込む。
【0119】・ サンプル時刻40を40pに固定し
て、ロール角73を変えたサンプル開始点38r{サン
プル時刻40r=40p,ピッチ角72r=最小値,ロ
ール角73r}を選択し、そのサンプル正対地点41r
{正対地点経度26r,正対地点緯度25r}をサンプ
ル開始点テーブル60Fから読み出す。 ・ 格子点経度緯度座標66Bにサンプル正対地点41
r{正対地点経度26r,正対地点緯度25r}を描き
込む。 ・ 41pと41rを結んで正対通過時刻等高線44p
とする。 ・ サンプル正対地点41pからサンプル正対地点41
rまでの間の正対通過時刻等高線44pに、サンプル開
始点38pのロール角73pからサンプル開始点38r
のロール角73rまでのロール角73の目盛りを等間隔
に付ける。
【0120】・ ロール角73をサンプル開始点38p
のロール角73pに固定して、サンプル時刻40を変え
たサンプル開始点38q{サンプル時刻40q,ピッチ
角72q=最小値,ロール角73q=73p}を選択
し、そのサンプル正対地点41q{正対地点経度26
q,正対地点緯度25q}をサンプル開始点テーブル6
0Fから読み出す。 ・ 格子点経度緯度座標66Bにサンプル正対地点41
q{正対地点経度26q,正対地点緯度25q}を描き
込む。 ・ 41pと41qを結んでロール角等高線46pとす
る。 ・ サンプル正対地点41pからサンプル正対地点41
qまでの間のロール角等高線46pに、サンプル開始点
38pのサンプル時刻40pからサンプル開始点38q
のサンプル時刻40qまでの正対通過時刻71の目盛り
を等間隔に付ける。
【0121】正対通過時刻等高線44pとロール角等高
線46pに各々平行な辺で作る並行四辺形を、ロール角
&正対通過時刻フレーム42Bと呼ぶ。このロール角&
正対通過時刻フレーム42B内で、 ・ 指定された観測格子点67kからロール角等高線4
6pに平行な線(これもロール角等高線46)を引き、
正対通過時刻等高線44pとの交点に付いているロール
角を読みとり、それを観測格子点67kの観測機会終了
点31kのロール角73jとする。 ・ 同様に、観測格子点67kから正対通過時刻等高線
44pに平行な線(これも正対通過時刻等高線44)を
引き、ロール角等高線46pとの交点に付いている正対
通過時刻を読みとり、それを観測機会終了点31kの正
対通過時刻71jとする。 ・ 正対通過時刻71jとロール角73j、固定値とな
るピッチ角72j=最小値に依って、観測格子点67k
の観測機会28kの観測機会終了点31k{正対通過時
刻71j,ピッチ角72j=最小値,ロール角73j}
を得る。
【0122】以上の観測機会開始点29kと観測機会終
了点31kの計算結果より、観測機会保存処理332
は、観測格子点67kの観測機会28k={{正対通過
時刻71g,ピッチ角72g=最大値,ロール角73
g},{正対通過時刻71j,ピッチ角72j=最小
値,ロール角73j}}を構成して、観測機会テーブル
27に格納する。
【0123】方向制御領域47の左端方向35または右
端方向36の上に観測機会開始点29または観測機会終
了点31がある場合の観測機会開始点計算部329また
は観測機会終了点計算331は、前述のピッチ角72固
定の代わりにロール角73固定、ロール角等高線46の
変わりにピッチ角等高線45、ロール角&正対通過時刻
フレーム42の変わりにピッチ角&正対通過時刻フレー
ム43を用いて、観測機会開始点29または観測機会終
了点31を計算する。左端方向35のサンプル開始点テ
ーブル60Lに観測格子点近傍62kに含まれるサンプ
ル正対地点41が在る場合を例に採って、観測機会開始
点計算部329が観測機会開始点29を計算する手順を
説明する。
【0124】左端方向35のサンプル開始点テーブル6
0Lに観測格子点近傍62kに含まれるサンプル正対地
点41が在る事により、 ・ パス番号17kの衛星軌道パス15には、観測格子
点67kの観測機会28が在る事、即ち、この衛星軌道
パス15から観測格子点67kに正対通過できる事が判
明、 ・ その観測機会開始点29は左端方向35で得られる
事が判明、 ・ 観測格子点67kの観測機会開始点29kのロール
角73g=最大値が確定する。
【0125】図21の観測機会開始点計算部329は、
観測機会開始点29kの方向制御パラメータ70の内の
可変なパラメータ{正対通過時刻,ピッチ角}を以下の
手順で計算する、 ・ 格子点経度緯度座標66Lに、観測格子点67k
{観測格子点経度69k,観測格子点緯度68k}を描
き込む。 ・ 観測格子点近傍62kに含まれるサンプル正対地点
41の中で観測格子点67kに最も近いサンプル正対地
点41c{正対地点経度26c,正対地点緯度25c}
を選択し、対応するサンプル開始点38c{サンプル時
刻40c,ピッチ角72c,ロール角73c=最大値}
をサンプル開始点テーブル60Lから読み出す。 ・ 格子点経度緯度座標66Lにサンプル正対地点41
c{正対地点経度26c,正対地点緯度25c}を描き
込む。
【0126】・ サンプル時刻40をサンプル開始点3
8cのサンプル時刻40cに固定して、ピッチ角72を
変えたサンプル開始点38e{サンプル時刻40e=4
0c,ピッチ角72e,ロール角73e=最大値}を選
択し、そのサンプル正対地点41e{正対地点経度26
e,正対地点緯度25e}をサンプル開始点テーブル6
0Lから読み出す。 ・ 格子点経度緯度座標66Lにサンプル正対地点41
e{正対地点経度26e,正対地点緯度25e}を描き
込む。 ・ 41cと41eを結んで正対通過時刻等高線44c
とする。 ・ サンプル正対地点41cからサンプル正対地点41
eまでの間の正対通過時刻等高線44cに、サンプル開
始点38cのピッチ角72cからサンプル開始点38e
のピッチ角72eまでのピッチ角72の目盛りを等間隔
に付ける。
【0127】・ ピッチ角72をサンプル開始点38c
のピッチ角72cに固定して、サンプル時刻40を変え
たサンプル開始点38d{サンプル時刻40d,ピッチ
角72d=72c,ロール角73d=最大値}を選択
し、そのサンプル正対地点41d{正対地点経度26
d,正対地点緯度25d}をサンプル開始点テーブル6
0Lから読み出す。 ・ 格子点経度緯度座標66Lにサンプル正対地点41
d{正対地点経度26d,正対地点緯度25d}を描き
込む。 ・ 41cと41dを結んでピッチ角等高線45cとす
る。 ・ サンプル正対地点41cからサンプル正対地点41
dまでの間のピッチ角等高線45cに、サンプル開始点
38cのサンプル時刻40cからサンプル開始点38d
のサンプル時刻40dまでの正対通過時刻71の目盛り
を等間隔に付ける。
【0128】正対通過時刻等高線44cとピッチ角等高
線45cに各々平行な辺で作る並行四辺形を、ピッチ角
&正対通過時刻フレーム43Lと呼ぶ。格子点経度緯度
座標66Lの上で正対通過時刻等高線44とピッチ角等
高線45は直交するとは限らないので、ピッチ角&正対
通過時刻フレーム43Lは一般に並行四辺形となる。こ
のピッチ角&正対通過時刻フレーム43L内で、 ・ 指定された観測格子点67kからピッチ角等高線4
5cに平行な線(これもピッチ角等高線45)を引き、
正対通過時刻等高線44cとの交点に付いているピッチ
角を読みとり、それを観測格子点67kの観測機会開始
点29kのピッチ角72gとする。 ・ 同様に、観測格子点67kから正対通過時刻等高線
44cに平行な線(これも正対通過時刻等高線44)を
引き、ピッチ角等高線45cとの交点に付いている正対
通過時刻を読みとり、それを観測格子点67kの観測機
会開始点29kの正対通過時刻71gとする。 ・ 正対通過時刻71gとピッチ角72g、および左端
方向35に観測機会開始点29kがある場合に固定値と
なるロール角73g=最大値に依って、観測格子点67
kの観測機会28kの観測機会開始点29k{正対通過
時刻71g,ピッチ角72g,ロール角73g=最大
値}を得る。
【0129】観測機会開始点29が右端方向36で得ら
れる場合、観測機会終了点31が左端方向35で得られ
る場合、観測機会終了点31が右端方向36で得られる
場合も同様にして、観測機会開始点29と観測機会終了
点31の方向制御パラメータ70を求めることができ
る。これらの結果を併せて観測格子点67kに対する観
測機会28を計算し、観測機会テーブル27に格納す
る。
【0130】図23において、前述の観測機会開始点計
算部329を、一次変換式を用いて実施する例を説明す
る。例では、前方端方向33のサンプル開始点テーブル
60Fの中に観測格子点67kの観測格子点近傍62k
に含まれるサンプル正対地点41が在るとする。この時
点で、 ・ パス番号17kの衛星軌道パス15には、観測格子
点67kの観測機会28kが在る事、即ちこの衛星軌道
パス15から観測格子点67kに正対通過できる事が判
明、 ・ 観測機会開始点29kは前方端方向33で得られる
事が判明、 ・ 観測格子点67kの観測機会開始点29kのピッチ
角72g=最大値が確定する。 ・ 以後の一連の計算過程では方向制御領域47の前方
端方向33上の観測機会開始点29に関するので、ピッ
チ角72は最大値に固定されている。
【0131】・ 観測格子点近傍62kに含まれるサン
プル正対地点41の中で、観測格子点67kに最も近い
サンプル正対地点41t{正対地点緯度25t=41.
0度,正対地点経度26t=46.9度}を選択し、対
応するサンプル開始点38t{サンプル時刻40t=6
14秒,ピッチ角72t=最大値,ロール角73t=1
5度}をサンプル開始点テーブル60Fから読み出す。
【0132】・ サンプル時刻40をサンプル開始点3
8tのサンプル時刻40tに固定して、ロール角73を
変えたサンプル開始点38v{サンプル時刻40v=6
14秒,ピッチ角72v=最大値,ロール角73v=1
0度}を選択し、そのサンプル正対地点41v{正対地
点経度26v=47.5度,正対地点緯度25v=4
1.3度}をサンプル開始点テーブル60Fから読み出
す。 ・ サンプル時刻40を固定して、サンプル正対地点4
1tから41vまでロール角73を、 ロール角73v−73t=10−15=−5度、 だけ変化させた時、正対地点緯度25と正対地点経度2
6は各々 正対地点緯度25v−25t=41.3−41.0=
0.3度、 正対地点経度26v−26t=47.5−46.9=
0.6度、 だけ変化する。 ・ 従って、観測格子点近傍62kでは サンプル開始
点38のロール角73を1度変える時の、正対地点緯度
変化の割合(Δβ/Δφ)と正対地点経度変化の割合
(Δλ/Δφ)は、 Δβ/Δφ=−0.06度/度、 Δλ/Δφ=−0.12度/度、 となる。
【0133】・ ロール角73をサンプル開始点38t
のロール角73tに固定して、サンプル時刻40を変え
たサンプル開始点38u{サンプル時刻40u=612
秒,ピッチ角72u=最大値,ロール角73u=15
度}を選択し、そのサンプル正対地点41u{正対地点
緯度25u=40.7,正対地点経度26u=47.0
度}をサンプル開始点テーブル60Fから読み出す。 ・ ロール角73を固定して、サンプル正対地点41t
から41uまで正対通過時刻71を、 サンプル時刻40u−40t=612−614=−2
秒、 だけ変化させた時、正対地点緯度25と正対地点経度2
6は各々、 正対地点緯度25u−25t=40.7−41.0=−
0.3度 正対地点経度26u−26t=47.0−46.9=
0.1度 だけ変化する。 ・ 従って、観測格子点近傍62kではサンプル開始点
38の正対通過時刻71を1秒変える時の、正対地点緯
度変化の割合(Δβ/Δν)と正対地点経度変化の割合
(Δλ/Δν)は、 Δβ/Δν= 0.15度/秒、 Δλ/Δν=−0.05度/秒、 となる。
【0134】・ 図23の変換行列63Fは以上の4個
の変化の割合を要素として、 {Δβ/Δφ,Δβ/Δν} {Δλ/Δφ,Δλ/Δν} のように構成され、前方端方向33上の観測機会開始点
29の2個のパラメータ{ロール角73,正対通過時刻
71}を同時に変える時に、正対地点24の{正対地点
緯度25,正対地点経度26}が変わる割合を行列形式
で表している。 ・ この変換行列63Fを用いて、前方端方向33での
任意の観測機会開始点29xの{ロール角73=φx,
正対通過時刻71=νx}に対する観測格子点近傍6
2k内の正対地点24xの{正対地点緯度25=βx,
正対地点経度26=λx}を計算する一次変換式 {βx,λx}=変換行列63F×({φx,νx}−
{φt,νt})+{βt,λt} が導出される。 ・ 図23の一次変換式の中で、行列差(観測機会開始
点29x−サンプル開始点38t)は、サンプル開始点
38tからの{ロール角73,正対通過時刻71}の変
化量を表す。それと、変換行列63Fとの行列積によっ
て、{正対地点緯度25,正対地点経度26}の変化量
が計算される。この変化量とサンプル正対地点41t
{正対地点緯度25t=βt,正対地点経度26t=λ
t}の行列和によって、正対地点24xの{正対地点緯
度25=βx,正対地点経度26=λx}を得る。
【0135】次に、正対地点24yを指定して、前方端
方向33上の元になっている観測機会開始点29yを計
算するための逆変換式を説明する。 ・ 変換行列63Fから逆行列計算によって得られる逆
変換行列64Fは、正対地点24の{正対地点緯度2
5,正対地点経度26}を同時に変える時に、観測機会
開始点29の2個のパラメータ{ロール角73,正対通
過時刻71}が変わる割合を行列形式で表す。 ・ この逆変換行列64Fを用いて、観測格子点近傍6
2k内の任意の正対地点24y{正対地点緯度25=β
y,正対地点経度26=λy}に対する前方端方向33
での観測機会開始点29yの{ロール角73=φy,正
対通過時刻71=νy}を計算する逆変換の一次変換式 {φy,νy}=逆変換行列64F×({βy,λy}
−{βt,λt})+{φt,νt} が導出される。 ・ 図23の逆変換式の中で、行列差(正対地点24y
−サンプル正対地点41t)は、サンプル正対地点41
tからの{正対地点緯度25,正対地点経度26}の変
化量を表す。それと逆変換行列64Fとの行列積によっ
て{ロール角73,正対通過時刻71}の変化量が計算
される。この変化量と、サンプル開始点38tの{ロー
ル角73t=φt,正対通過時刻71t=νt}の行列
和によって、観測機会開始点29yの{ロール角73=
φy,正対通過時刻71=νy}を得る。 ・ 此処で得られた一次変換式と逆変換の一次変換式
は、観測格子点近傍62k内だけで有効であり、観測格
子点67が変われば導出しなおす。
【0136】・この逆換式の正対地点24yに、観測格
子点67kの{観測格子点緯度68k,観測格子点経度
69k}を代入して、観測格子点67kの元になってい
る観測機会開始点29kの{ロール角73g,正対通過
時刻71g}を得る。 ・これらと、ピッチ角72g=最大値に固定を用いて、
観測機会開始点29k={正対通過時刻71g,ピッチ
角72g,ロール角73g}を組み立てる。
【0137】観測機会開始点29が左端方向35、右端
方向36で得られる場合、観測機会終了点31が後方端
方向34、左端方向35、右端方向36で得られる場合
も同様にして、観測機会開始点29あるいは観測機会終
了点31の方向制御パラメータ70を求めることができ
る。これらの結果を併せて観測格子点67kに対する観
測機会28を計算し、観測機会テーブル27に格納す
る。
【0138】図24乃至図25は、本実施の形態におい
てサンプル開始点テーブル60とサンプル終了点テーブ
ル61から観測機会テーブル27を作成する手順を示す
フローチャートと入出力データを説明する図である。
【0139】図24の衛星軌道パスと観測格子点の指定
処理327において、 ・ 回帰軌道を構成している衛星軌道パス15の全てに
対してそのパス番号17=πpを順次指定して、 ・ 地表面の全緯度{−90度,+90度}に亘って、
一定の間隔で格子点緯度列を作成し、観測格子点緯度6
8=βkを順次指定して、 ・ 地表面の全経度{−180度,+180度}に亘っ
て、一定の間隔で格子点経度列を作成し、観測格子点経
度69=λkを順次指定して、 ・ 観測格子点67kの{観測格子点緯度68,観測格
子点経度69}={βk,λk}を指定して、以下のス
テップを実行する。
【0140】観測機会開始点が方向制御領域の周辺の何
処に在るかを判定する処理328において、 ・ サンプル開始点テーブル60(前方端方向、左端方
向、右端方向に対応して、60F,60L,60Rの3
個のテーブルから構成されている)を参照して、観測格
子点67k{βk,λk}の観測格子点近傍62kに含
まれるサンプル正対地点41の在るテーブルを探す。 ・ 観測格子点67kの観測機会開始点29が在るとす
れば、前方端方向33、左端方向35、右端方向36の
何れか一つの周辺上である。従って、観測格子点近傍6
2kに含まれるサンプル正対地点41が複数個のサンプ
ル開始点テーブル60に在るCaseは無い。サンプル
開始点テーブル60F,60L,60Rの内のどれに、
サンプル正対地点41が在るかに依って、4個のCas
eに分かれる。 Case1:前方端方向33のサンプル開始点テーブル
60Fにサンプル正対地点41が在る場合、 観測機会開始点29のピッチ角72=最大値 が確定する。観測機会開始点29の{ロール角73,正
対通過時刻71}は未知である。 Case2:左端方向35のサンプル開始点テーブル6
0Lにサンプル正対地点41が在る場合、 観測機会開始点29のロール角73=最大値 が確定する。観測機会開始点29の{ピッチ角72,正
対通過時刻71}は未知である。 Case3:右端方向36のサンプル開始点テーブル6
0Rにサンプル正対地点41が在る場合、 観測機会開始点29のロール角73=最小値 が確定する。観測機会開始点29の{ピッチ角72,正
対通過時刻71}は未知である。以上の3個のCase
では、該観測格子点67kの観測機会28が在り、パス
番号17=πpの衛星軌道パス15から該観測格子点6
7kに正対通過できる事が確定する。 Case4:何れのサンプル開始点テーブル60にもサ
ンプル正対地点41が無い場合、パス番号17=πpの
衛星軌道パス15には該観測格子点67kの観測機会2
8は無い、換言すればこの衛星軌道パス15から該観測
格子点67kに正対通過できない事が判明する。従っ
て、以下の処理を迂回して次の観測格子点67に対する
処理に進む。
【0141】観測機会開始点の計算処理329におい
て、観測機会開始点29の方向制御パラメータ70の未
知部分を計算する。前述と同様に、サンプル開始点テー
ブル60F,60L,60Rの内のどれに観測格子点近
傍62kに含まれるサンプル正対地点41が在るかに依
って、3個のCaseに分かれる。此処では、 Case1:サンプル開始点テーブル60Fにサンプル
正対地点41が在って、 観測機会開始点29kのピッチ角θg=最大値 が確定し、{ロール角φg,正対通過時刻νg}が未知
である場合を例に採り、観測機会開始点計算部329を
一次変換式を用いて実施する図23の実施例に従って説
明する。
【0142】サンプル開始点テーブル60から観測格子
点近傍62に含まれる3個のサンプル正対地点41t,
41v,41uを下記の規則に従って引き出す。 ・ 観測格子点67kに最も近いサンプル正対地点41
tを選択し、対応するサンプル開始点38tをサンプル
開始点テーブル60Fから読み出す。 ・ サンプル時刻をサンプル開始点38tの時刻に固定
して、ロール角を変えたサンプル開始点38vを選択
し、そのサンプル正対地点41vをサンプル開始点テー
ブル60Fから読み出す。 ・ サンプル時刻を固定してロール角だけを変えた時
の、サンプル正対地点41tから41vまでの正対地点
緯度の変化量と、正対地点経度の変化量から、ロール角
を1度変える時の、正対地点緯度変化の割合と正対地点
経度変化の割合を得る。 ・ ロール角をサンプル開始点38tの角度に固定し
て、サンプル時刻を変えたサンプル開始点38uを選択
し、そのサンプル正対地点41uをサンプル開始点テー
ブル60Fから読み出す。 ・ ロール角を固定してサンプル時刻だけを変えた時
の、サンプル正対地点41tから41uまでの正対地点
緯度の変化量と、正対地点経度の変化量から、正対通過
時刻を1秒変える時の、正対地点緯度変化の割合と、正
対地点経度変化の割合を得る。 ・ 以上の4個の変化の割合を要素にして変換行列63
Fを構成する。即ち、変換行列63Fは前方端方向上の
観測機会開始点の2個のパラメータ{ロール角,正対通
過時刻}を同時に変える時に、正対地点の{正対地点緯
度,正対地点経度}が変わる割合を行列形式で表してい
る。 ・ この一次変換行列63Fを用いて、前方端方向での
任意の観測機会開始点29xの{ロール角φx,正対通
過時刻νx}に対する観測格子点近傍62k内の正対地
点24xの{正対地点緯度βx,正対地点経度λx}を
計算する一次変換式 {βx,λx}=変換行列63F×({φx,νx}−
{φt,νt})+{βt,λt} を得る。
【0143】次に、正対地点24yを指定して、前方端
方向33上の元になっている観測機会開始点29yを計
算するための逆変換式を説明する。 ・ 変換行列Tから逆行列計算に依って逆変換行列64
Fを得る。これは、正対地点24yの{正対地点緯度,
正対地点経度}を同時に変える時に、観測機会開始点2
9の2個のパラメータ{ロール角73,正対通過時刻}
が変わる割合を行列形式で表したものである。 ・ この逆変換行列64Fを用いて、観測格子点近傍6
2k内の任意の正対地点24y{正対地点緯度βy,正
対地点経度λy}に対する前方端方向33での観測機会
開始点29yの{ロール角φy,正対通過時刻νy}を
計算する一次変換式 {φy,νy}=逆変換行列64F×({βy,λy}
−{βt,λt})+{φt,νt} を得る。
【0144】・この逆変換式の正対地点24yに、観測
格子点67kの{観測格子点緯度βk,観測格子点経度
λk}を代入して、観測格子点67kの元になっている
観測機会開始点29kの{ロール角φg,正対通過時刻
νg}を得る。これらと ピッチ角θg=最大値に固定 を用いて、観測機会開始点29k={正対通過時刻ν
g,ピッチ角θg,ロール角φg}を組み立てる。
【0145】Case2の場合はCase1の場合のピ
ッチ角とロール角の役割が替る。それ以外は同様にして
観測機会開始点29kが得られる。Case3の場合は
Case2でロール角が最大値固定になるところが最小
値固定に変わる。それ以外は同様にして観測機会開始点
29kが得られる。
【0146】観測機会終了点が方向制御領域の周辺の何
処に在るかを判定する処理330において、3個のサン
プル終了点テーブル61B,61L,61R(後方端方
向、左端方向、右端方向に対応)を参照して、観測格子
点67k{βk,λk}の観測格子点近傍62kに含ま
れるサンプル正対地点41が何れのサンプル終了点テー
ブル61に在るかに依って、4個のCaseに分ける、 Case1:サンプル終了点テーブル61Bの場合、 観測機会終了点31のピッチ角72=最小値 であり、{ロール角73,正対通過時刻71}は未知で
ある。 Case2:サンプル終了点テーブル61Lの場合、 観測機会終了点31のロール角73=最大値 であり、{ピッチ角72,正対通過時刻71}は未知で
ある。 Case3:サンプル開始点テーブル60Rの場合、 観測機会終了点31のロール角73=最小値 であり、{ピッチ角72,正対通過時刻71}は未知で
ある。以上の3個のCaseでは、該観測格子点67k
の観測機会28が在り、パス番号17=πpの衛星軌道
パス15から該観測格子点67kに正対通過できる事が
確定する。 Case4:何れのサンプル終了点テーブル61にもサ
ンプル正対地点41が無い場合、パス番号17=πpの
衛星軌道パス15には該観測格子点67kの観測機会2
8は無い、換言すればこの衛星軌道パス15から該観測
格子点67kに正対通過できない事が判明する。従っ
て、以下の処理を迂回して次の観測格子点67に対する
処理に進む。
【0147】観測機会終了点の計算処理331におい
て、観測機会終了点31の方向制御パラメータ70の未
知部分を計算する。計算方法は処理329と同様に、 ・ サンプル終了点テーブル61から観測格子点近傍6
2kに含まれる3個のサンプル正対地点を取りだして、
観測機会終了点31中の未知の方向制御パラメータ70
を変化させた時に、サンプル正対地点41の位置が変化
する割合である変換行列63を計算する。 ・ それの逆行列計算により、逆変換行列64を計算す
る。これは、正対地点24を変化させた時に、観測機会
終了点31中の未知の方向制御パラメータ70を変化す
る割合を表す。 ・ 逆変換行列64を用いて、正対地点24yに対する
観測機会終了点31yを計算する一次変換式を導出す
る。
【0148】・ この逆変換式の正対地点24yに、観
測格子点67kの{観測格子点緯度βk,観測格子点経
度λk}を代入して、観測格子点67kの元になってい
る観測機会終了点31kの未知の方向制御パラメータ7
0例えば{ロール角φj,正対通過時刻νj}を得る。
これらと、 確定している方向制御パラメータ70例えばピッチ角θ
j=最小値に固定 を用いて、 観測機会開始点29k={正対通過時刻νj,ピッチ角
θj,ロール角φj} を組み立てる。
【0149】観測機会を組み立てて観測機会テーブルに
保存する処理332において、以上の手順にて得た観測
機会開始点29の方向制御パラメータと観測機会終了点
31の方向制御パラメータに依って該観測格子点67に
対する観測機会28{観測機会開始点,観測機会終了
点}を構成し、観測機会テーブル27の該観測格子点6
7に対応する欄に{パス番号17、観測機会28}を格
納する。図22の観測機会テーブル27は、観測格子点
67kまで観測機会28を計算して来た途中の状態を示
す。
【0150】以上を全ての観測格子点67に対して繰り
返して実行し、全ての観測格子点に対して、正対通過で
きる衛星軌道パス、観測機会を得て、観測格子点と衛星
軌道パスおよび観測機会を対応させる観測機会テーブル
27{観測格子点:{パス番号、観測機会}}を作成す
る。図6の観測機会テーブル27は、以上のようにして
作成した観測機会テーブルの例である。
【0151】本実施の形態の特徴を纏めると、次のよう
になる。
【0152】観測方向制御計画立案のために準備して保
持するテーブルサイズと計算時間に関して言うと、従来
の技術に依る方式では、サンプルの方向制御パラメータ
70に依って正対通過する観測格子点67を計算する時
に、ピッチ角とロール角で作る方向制御領域47の内部
も含めた全面を一定角度幅で分割したサンプル方向を方
向制御パラメータ{正対通過時刻,ピッチ角,ロール
角}に取り込む。例えば、500kmの高度から10k
mの精度で方向指定する為には、1.5度弱の間隔で角
度指定する必要がある。ピッチ角の変更範囲を±25
度、ロール角の変更範囲を±50度とすると、30×7
0のサンプル方向で正対通過する観測格子点67を計算
する必要がある。これに対して、本実施の形態では、観
測機会テーブル27の作成段階において観測機会開始点
29と観測機会終了点31のサンプル方向を方向制御領
域47の周辺で計算する。その数は、(30+70)×
2となる。これにより、観測機会テーブル作成過程の計
算量は、方向制御パラメータテーブルの計算量の1/1
0にする事ができる。
【0153】また、観測システムの発展による観測格子
点以外の項目の指定点数の増加に対しては、ピッチ角と
ロール角で作る方向制御領域の周辺方向だけで観測機会
開始点と観測機会終了点のサンプル正対地点の計算をす
るので、その方向間隔の指定が1/Nに細かくなったと
きでもその計算量はN倍に留まり、N×N倍にはならな
い。
【0154】実施の形態3.図26乃至図29は、本発
明に係る観測方向制御計画立案方法の実施の形態3を説
明する図である。まず、図26は、本実施の形態3にお
いて、回帰開始時刻99から観測格子点67を観測する
正対通過時刻71までの衛星4の動き(=軌道伝搬と方
向制御)を衛星周回時系列117と衛星アンカー時系列
118で構成する方法、および、任意の{衛星軌道パス
15y,観測格子点67y}に対する衛星アンカー時系
列118yを、{参照パス104=衛星軌道パス15
a,参照パス104から正対通過できる観測格子点67
a}に対する参照方向制御時系列122=衛星アンカー
時系列118aによって作成する方法を説明する図であ
る。また、図27は、観測格子点67の動き(=地球の
自転に依る回転)を格子点周回時系列119と格子点ア
ンカー時系列120で構成する方法を説明する図であ
る。なお、此処で、観測格子点67の{緯度,経度}を
云う場合は、回帰開始時刻99の時刻の地表面上の{緯
度,経度}とする。
【0155】衛星は、回帰開始時刻99から或る観測格
子点67を観測するまでの間に地球を何回か周回して
(これを衛星周回時系列117で構成する)、最終の衛
星軌道パス15(これをアンカーパス121と呼ぶ)で
観測格子点67に正対通過しながら観測する(これを衛
星アンカー時系列118で構成する)。図26(b)に
おいて、117a,117b,・・・,117p,・・
・で例示される衛星周回時系列117は、衛星軌道5を
周回している衛星4の位置と地表面とを関係付ける系列
であり、回帰開始時刻99からアンカーパス121の開
始までの衛星の軌道伝搬を{赤道面を南から北に通過す
る時刻=パス開始時刻109,その経度=パス開始経度
110}の系列で表され、その各々は、以下のようにし
て構成する。
【0156】先ず、パス開始時刻109の全体は、衛星
4が衛星軌道5を1周回して昇交点7に還って来た時の
時刻の系列{109a,109b,・・・,109p,
・・・}であり、以下のようにして構成する。 ・ 第1日の第1番の衛星軌道パス15aのパス開始時
刻109a(これは回帰開始時刻99と合わせておく)
から始まる。 ・ 第2番の衛星軌道パス15bのパス開始時刻109
bは、109aから衛星一周回時間105だけ時間経過
している。以後、これを繰り返す。 ・ 第2日が始まるまでに、即ち、地球自転周期102
が経過した自転周回時刻103Cの時刻までに、衛星は
数周回して1日の最後の衛星軌道パス15nを周回中と
なる。地球自転周期102は衛星一周回時間105の整
数倍ではなく、1日の最後の衛星軌道パス15nが、衛
星一周回時間/回帰日数(=ズレ込み時間106)だけ
次の日にズレ込むように設定しておく。即ち、第2日の
第1番の衛星軌道パス15pのパス開始時刻109p
は、地球周回時刻103Cから、衛星一周回時間/回帰
日数だけずれて始まる。図26は回帰日数が5日の例で
あり、ズレ込み時間106は衛星一周回時間105の1
/5としている。 ・ 以後、日毎の第1番の衛星軌道パス15のパス開始
時刻109が地球自転周期102からずれる時間は、衛
星一周回時間/回帰日数ずつ増加する。 ・ 回帰日数が経過すると、再び、地球自転周期102
の開始とパス開始時刻109が一致する。以後、これを
繰り返す。即ち、図26(b)に示すように、衛星軌道
パス15a,15b,・・・のパス開始時刻は109
a,109b,・・・のようにズレていき、回帰周期の
最後の衛星軌道パス15zの次には最初の衛星軌道パス
15aが続き、以後これを繰り返す。
【0157】パス開始経度110の系列は、衛星軌道5
を1周回して昇交点7に還って来た時の衛星直下点の経
度の系列{110a,110b,・・・,110p,・
・・}であり、以下のようにして構成する。 ・ 第1日の第1の衛星軌道パス15aのパス開始経度
110aから始まり、第2の衛星軌道パス15bのパス
開始経度110bは、衛星の後退運動と地球の自転に依
って衛星後退経度角107だけ西側にずれる。以後、こ
れを繰り返す。 ・ 第2日が始まるまでに、即ち、地球自転周期102
が経過した自転周回時刻103Cの時点までに、衛星は
数周回して1日の最後の衛星軌道パス15nを周回中と
なる。衛星軌道パス15nの終了経度、即ち第2日の1
5pのパス開始経度110pは110aから西側に、ズ
レ込み時間106の分だけずれ込むように、即ち、1日
の最後の衛星軌道パス15nが、衛星後退経度角107
/回帰日数だけ次の日にズレ込むように設定しておく。
図26は回帰日数が5日の例であり、ずれ込む角度は衛
星後退経度角107の1/5としている。 ・ 以後、日毎の第1番の衛星軌道パス15のパス開始
経度110がずれる経度は衛星後退経度角107/回帰
日数ずつ増加する。 ・ 回帰日数が経過すると再び衛星軌道パス15aのパ
ス開始経度110aに還って来る。即ち、図26(b)
に示すように、衛星軌道パス15a,15b,・・・の
パス開始経度は110a,110b,・・・のようにズ
レていき、回帰周期の最後の衛星軌道パス15zの次に
は最初の衛星軌道パス15aが続き、以後これを繰り返
す。
【0158】衛星アンカー時系列118は観測格子点6
7に正対通過するアンカーパス121のパス開始時刻1
09と方向制御時系列80で構成され、{パス開始時刻
109,ピッチ回転開始時刻81、ロール回転開始時刻
82、整定開始時刻83、観測開始時刻84、正対通過
時刻71、観測終了時刻86、ピッチ戻し開始時刻8
7、待機状態復帰時刻88}となる。図26の衛星軌道
パス15pがアンカーパス121になる場合を例に採る
と、衛星アンカー時系列118pは観測格子点67に正
対通過するアンカーパス121=衛星軌道パス15pの
パス開始時刻109pと方向制御時系列80p={パス
開始時刻109p,ピッチ回転開始時刻81p,・・
・,正対通過時刻71p,・・・,待機状態復帰時刻8
8p}となる。
【0159】回帰開始時刻99から始まり、一つの観測
格子点67を観測し終わるまでの間の衛星の動きを、衛
星周回時系列117と衛星アンカー時系列118で構成
し、地表点の動きを、格子点周回時系列119と格子点
アンカー時系列120で構成する例を以下に示す。
【0160】第一の例は第1日の第1の衛星軌道パス1
5aから観測格子点67aに正対通過する場合であり、
衛星の動きは、図26(b)の衛星周回時系列117a
と、図26(a)のパス開始時刻109aに続く衛星ア
ンカー時系列118aで構成される。 ・ この場合のアンカーパス121は衛星軌道パス15
aである。 ・ 衛星周回時系列117aは縮退して{{パス開始時
刻109a=回帰開始時刻99,パス開始経度110
a},後続は無い}となる。他方、衛星アンカー時系列
118aでの衛星の動きの概要は、図26(a)に示す
ように、 ・ アンカーパス121(=衛星軌道パス15a)のパ
ス開始時刻109aに昇交点7を通過する。 ・ ピッチ回転開始時刻81aで方向制御を開始する。 ・ 正対通過時刻71aで正対方向点23kに来ている
観測格子点67aに正対通過し、観測終了時刻86a
(=ロール戻し開始時刻)で観測を終了して方向を戻す
制御を開始する。 ・ 待機状態復帰時刻88aで方向制御待機状態に還
る。指定した観測格子点67aに正対通過しながら観測
をするには、方向制御時系列80a{ピッチ回転開始時
刻81a,・・・,正対通過時刻71a,・・・,ピッ
チ戻し開始時刻87a}を正対通過に適するように設定
しておく必要がある。
【0161】観測格子点67aの動きは、図27(b)
の地表点イベント時系列112aに示すように、格子点
周回時系列119aと格子点アンカー時系列120aで
構成される。 ・ 回帰開始時刻99が、即、アンカーパス121(=
衛星軌道パス15a)のパス開始時刻109aであるの
で、格子点周回時系列119aは縮退して、{{パス開
始時刻109a,観測格子点67aの観測格子点経度6
9a},後続は無い}となる。他方、格子点アンカー時
系列120aでの観測格子点67aの動きの概要は、図
27に示すように、 ・ アンカーパス121(=衛星軌道パス15a)のパ
ス開始時刻109aには観測格子点67aの地点に在
る。 ・ 正対通過時刻71aまでの間に、観測格子点緯度6
8の上を正対方向点23kの位置まで移動し、衛星4か
ら正対通過される(=観測される)。
【0162】第二の例は、第1日の第2の衛星軌道パス
15bから観測格子点67bに正対通過する場合であ
り、衛星の動きは、図26(b)の衛星周回時系列11
7bと図26(a)のパス開始時刻109bに続く衛星
アンカー時系列118bで構成される。 ・ 観測格子点67bは、衛星軌道パス15bに対する
相対位置が67aが15aに対する相対位置と同じにな
るように採る。 ・ この場合のアンカーパス121は衛星軌道パス15
bである。 ・ 衛星周回時系列117bは図26(b)に示すよう
に、衛星軌道パス15aと15bの開始点から構成さ
れ、{{パス開始時刻109a=回帰開始時刻99,パ
ス開始経度110a},{109b,110b}}とな
る。即ち、衛星は回帰開始時刻99(=パス開始時刻1
09a)に昇交点7を通過して、衛星軌道パス15aで
地球を周回し、パス開始時刻109bに再び昇交点7に
還って来た時の経度はパス開始経度110bである。他
方、衛星アンカー時系列118bでの衛星の動きの概要
は、図26(a)に示すように、 ・ アンカーパス121(=衛星軌道パス15b)のパ
ス開始時刻109bの時刻に、昇交点7の位置から開始
する。以後の衛星の動きは例1の場合と同じである。
【0163】観測格子点67bの動きは、図27(b)
の地表点イベント時系列112bに示すように、格子点
周回時系列119bと格子点アンカー時系列120bで
構成される。 ・ 格子点周回時系列119bを{{パス開始時刻10
9a,観測格子点67bの観測格子点経度69b},
{109b,69x=未知}}とすると、パス開始時刻
109bにおける観測格子点67の観測格子点経度69
x=69aとなる事を説明する。図27において、時刻
109aに衛星軌道から見て15bに在った衛星軌道パ
ス15は、時刻109bには、衛星軌道から見て15a
に移動して来ており、その角度は衛星後退経度角107
である。他方、パス開始時刻109aの時刻に、67b
{観測格子点緯度68,観測格子点経度69b}に在っ
た観測格子点67は、衛星一周回時間105(=パス開
始時刻109b−109a)が経過すると、観測格子点
緯度68の上を衛星一周回時間の衛星軌道から見た地球
回転角108だけ東方に移動する。この角度は図26の
衛星後退経度角107でもある。観測格子点67bは、
その衛星軌道パス15bに対する相対位置が、67aが
15aに対する相対位置と同じになるような採っている
ので、時刻109bにおける観測格子点経度69xは、
69aと一致する。 ・ 即ち、格子点周回時系列119bは{{パス開始時
刻109a,観測格子点67bの観測格子点経度69
b},{109b,69a}}となる。他方、格子点ア
ンカー時系列120bでの観測格子点67bの動きは、
図27(b)に示すように、 ・ アンカーパス121(=衛星軌道パス15b)のパ
ス開始時刻109bには観測格子点67aの地点に在
る。 ・ 以後の観測格子点67の動きは、第一の例の格子点
アンカー時系列120aでの観測格子点67の動きと同
じである。
【0164】第三の例は、第2日の第1の衛星軌道パス
15pから観測格子点67pに正対通過する場合であ
り、衛星の動きは、図26(b)の衛星周回時系列11
7pと図26(a)のパス開始時刻109pに続く衛星
アンカー時系列118pで構成される。 ・ 観測格子点67pは、衛星軌道パス15pに対する
相対位置が、67aが15aに対する相対位置と同じに
なるように採る。 ・ この場合のアンカーパス121は衛星軌道パス15
pである。 ・ 図26(b)に示すように、衛星周回時系列117
pは衛星軌道パス15a,15b,・・・,15n,1
5pの開始点から構成され、{{パス開始時刻109a
=回帰開始時刻99,パス開始経度110a},{10
9b,110b},・・・,{109n,110n},
{109p,110p}}となる。即ち、衛星は回帰開
始時刻99(=パス開始時刻109a)に昇交点7を通
過して、衛星軌道パス15a,15b,・・・で地球を
周回し、15nを周回中に地球周回時刻103Cを過ぎ
て第2日にズレ込み時間106だけずれ込んだパス開始
時刻109pに昇交点7に還って来る。この時の経度は
パス開始経度110pは、110aより衛星後退経度角
107/回帰日数だけ西にずれている。他方、衛星アン
カー時系列118pでの衛星の動きの概要は、図26
(a)に示すように、 ・ アンカーパス121(=衛星軌道パス15p)のパ
ス開始時刻109pの時刻に、昇交点7の位置から開始
する。以後の衛星の動きは例1の場合と同じである。
【0165】観測格子点67pの動きは、図27(b)
の地表点イベント時系列112pに示すように、格子点
周回時系列119pと格子点アンカー時系列120pで
構成される。 ・ 格子点周回時系列119pは、{{パス開始時刻1
09a,観測格子点67pの観測格子点経度69p},
{109b,69pより衛星一周回時間の地球回転角1
08だけ東、・・・,{109p,69x=未知}}と
すると、パス開始時刻109pにおける観測格子点67
の観測格子点経度69x=69aとなる事を説明する。
図27(b)に示すように、地球周回時刻103Dの時
点で観測格子点67pは地表面を一周して元の観測格子
点経度69pに還って来ている。第1日の最後の衛星軌
道パス15nが完了してパス開始時刻109pになるま
でに更にずれ込み時間106が経過する。この間に、観
測格子点67pは衛星一周回時間の衛星軌道から見た地
球回転角108の1/回帰日数(例えば1/5)だけ東
に移動して観測格子点経度69xに至る。換言すれば、
69pは69xより地球回転角108の1/回帰日数だ
け西に在る。前述のように、110pは110aより衛
星後退経度角107/回帰日数だけ西にずれている。か
つ、67pは15pに対する相対位置が67aが15a
に対する相対位置と同じになるように採っているので、
観測格子点経度69x=69aとなる。 ・ 即ち、格子点周回時系列119pは{{109a,
69p},・・・,{109n,69b},{109
p,69a}}となる。他方、格子点アンカー時系列1
20pでの観測格子点67pの動きは、図27(b)に
示すように、 ・ アンカーパス121(=衛星軌道パス15p)のパ
ス開始時刻109pには観測格子点67aの地点に在
る。 ・ 以後の観測格子点67の動きは、第一の例の格子点
アンカー時系列120aでの観測格子点67の動きと同
じである。
【0166】次に、参照パス104、参照方向制御時系
列122および参照格子点時系列123を導入し、衛星
軌道パス15毎に異なっている衛星アンカー時系列11
8(この中に方向制御時系列80が含まれる)と格子点
アンカー時系列120を、唯一個の参照パス104=1
5aの衛星アンカー時系列118aと格子点アンカー時
系列120aを用いて、時刻と経度の換算で求める方法
を説明する。
【0167】衛星アンカー時系列118は、衛星軌道パ
ス15毎に異なっている。しかし、第二の例、第三の例
の衛星アンカー時系列118b,118pは、開始時刻
が衛星軌道パス15b,15pのパス開始時刻109
b,109p、開始経度が衛星軌道パス15b,15p
のパス開始経度110b,110pであり、衛星軌道パ
ス15aのパス開始時刻109a、パス開始経度110
aと異なる事を除けば、第1日の第1の衛星軌道パス1
5aの衛星アンカー時系列118aに等しい。従って、
第1日の第1の衛星軌道パス15aの衛星アンカー時系
列118aの中に含まれる方向制御時系列80aを基に
して、任意の衛星軌道パス15yの衛星アンカー時系列
118yの中に含まれる方向制御時系列80yは、方向
制御時系列80aのパス開始時刻109aをパス開始時
刻109yで、パス開始経度110aをパス開始経度1
10yでそれぞれ置き換えて求めることができる。
【0168】格子点アンカー時系列120は、衛星軌道
パス15毎に異なっている。しかし、観測格子点67y
を衛星軌道パス15yに対する相対位置が、観測格子点
67aが衛星軌道パス15aに対する相対位置と同一に
なるように採れば、第二の例、第三の例の格子点アンカ
ー時系列120b,120pにて示したように、パス開
始時刻109yとパス開始経度110yが格子点アンカ
ー時系列120aのそれらと異なる点を除けば、第1日
の第1の衛星軌道パス15から正対通過できる観測格子
点67aの格子点アンカー時系列120aに等しい。従
って、第1日の第1の衛星軌道パス15aから正対通過
できる観測格子点67aの格子点アンカー時系列120
aを基にして、任意の衛星軌道パス15yから正対通過
できる観測格子点67yの格子点アンカー時系列120
yは、格子点アンカー時系列120aのパス開始時刻1
09aをパス開始時刻109yで、パス開始経度110
aをパス開始経度110yでそれぞれ置き換えて求める
ことができる。
【0169】本実施の形態では、第1日の第1の衛星軌
道パス15aを参照パス104とし、15aの衛星アン
カー時系列118aの中に含まれる方向制御時系列80
aを参照方向制御時系列122とし、15aから正対通
過できる観測格子点67aの格子点アンカー時系列12
0aを参照格子点時系列123とし、15aに沿ってあ
る正対可能地点領域18aを参照正対地点領域124と
する。参照パス104に対してのみ、且つ、124内の
67aに対してのみ(換言すれば、観測格子点緯度68
上の正対可能経度区間20の観測格子点経度69に対し
てのみ)、観測機会テーブル27を実施の形態2の方法
で作成し参照観測機会テーブル116と呼ぶ。観測格子
点67aが指定されると実施の形態1の方法で、116
から観測機会28を抽出し、方向制御時系列80a=参
照方向制御時系列122および格子点アンカー時系列1
20a=参照格子点時系列123を計算する。参照パス
104以外の衛星軌道パス15に関しては、その{パス
開始時刻109,パス開始経度110}を要素とする衛
星パス開始点テーブル115を保持しておく。
【0170】図27(a)の任意の衛星軌道パス15y
と観測格子点67yに対する衛星アンカー時系列118
yあるいは格子点アンカー時系列120yの中の或るイ
ベント(例えば、正対通過)の{時刻,経度}は、参照
パス104の観測格子点67a(67yと67aの対応
付けは後述する)に対する参照方向制御時系列122あ
るいは参照地表点時系列123の対応するイベントの
{時刻,経度}、104の{パス開始時刻を109a、
パス開始経度を110a}、および、15yの{109
y、110y}を用いて、衛星アンカー時系列118y
については、 118y内のイベント時刻=122内のイベント時刻+
(109y−109a)、 118y内のイベント経度=122内のイベント経度+
(110y−110a)、 格子点アンカー時系列120yについては、 120y内のイベント時刻=123内のイベント時刻+
(109y−109a)、 120y内のイベント経度=123内のイベント経度+
(110y−110a) と表せる。
【0171】衛星軌道パス15yの正対可能地点領域1
8y内に在る観測格子点67yは、参照パス104の参
照正対地点領域124内の観測格子点67aから経度の
換算で求める。図27(a)において、回帰周期開始時
刻99=109aからアンカーパス121=衛星軌道パ
ス15yが始まるパス開始時刻109yまでの間に、観
測格子点67yは格子点周回時系列119yを辿って観
測格子点67aに来ている。ここで67aは衛星軌道パ
ス15aに対する相対位置が、67yが15yに対する
相対位置と同じになる地表点である。依って、67yか
ら67aまでの経度差=パス開始経度110a−110
yとなる。換言すれば、参照パス104=15aから或
る観測方向で正対通過できる観測格子点67aを、その
緯度は同一でその経度をパス開始経度110a−110
yだけ西に戻した67yは15yから同じ観測方向9で
正対通過できる地点である。
【0172】このようにして、参照パス104=15a
に対してのみ、且つ正対可能地点領域18a=124内
の観測格子点67aに対してのみ、観測機会テーブル2
7を実施の形態2の方法で作成し参照観測機会テーブル
116として保持し、他の衛星軌道パス15に関しては
{パス開始時刻109,パス開始経度110}を要素と
する衛星パス開始点テーブル115ておけば、67aが
指定されると、これらを用いて、観測機会28、参照方
向制御時系列122、参照地表点時系列123を計算す
る事ができる。任意の衛星軌道パス15yの正対地点領
域18y、衛星アンカー時系列118y、格子点アンカ
ー時系列120yの中の或るイベント時刻(例:正対通
過時刻71)は、参照パス104の{パス開始時刻を1
09a,パス開始経度を110a}と、衛星パス開始点
テーブル115から読み出した衛星軌道パス15yの
{パス開始時刻を109y,パス開始経度を110y}
とを用いて換算し、 観測格子点67yの{緯度,経度}=67aの{緯度,
経度}+{0,110y−110a}、 衛星アンカー時系列118y内のイベント時刻=122
内のイベント時刻+(109y−109a)、 格子点アンカー時系列120y内のイベント時刻=12
3内のイベント時刻+(109y−109a)と表せ
る。
【0173】図28乃至29は本実施の形態におけるパ
ス開始時刻経度テーブル115と参照観測機会テーブル
116の例を示した図である。パス開始時刻経度テーブ
ル115は、方向制御などとは無関係に衛星の軌道パラ
メータから計算される。この例では、要素の{パス番号
17:{パス開始時刻109,パス開始経度110}}
の{109,110}を参照パス104のそれらに対す
る相対値で表している。なお、この例では参照パス10
4に関して、 パス番号17a =#01、 パス開始時刻109a={1日:00000秒}、 パス開始経度110a=65度 としている。図29の参照観測機会テーブル116は、
図6で例示した観測機会テーブル27のうち衛星軌道パ
ス15を参照パス104(=#01の衛星軌道パス)の
部分に限って本実施の形態1に依って作成したもので、
その要素は27と同様に{観測格子点67:観測機会2
8}である。
【0174】次に、参照正対地点領域124の中の或る
観測格子点67aの観測機会28aを参照観測機会テー
ブル116から引き出し、パス開始時刻経度テーブル1
15を用いて、これに対応する衛星軌道パス15y=#
33(図28の衛星パス開始点テーブル115におい
て、衛星軌道パス15をパス開始経度110の順に並べ
た時の第3番目の衛星軌道パスであり、これは図27
(a)において、第3日の第1の衛星軌道パス15yと
して描かれている衛星軌道パスである)の観測格子点6
7y、観測機会開始点29y、観測機会終了点31y、
方向制御パラメータ70y、方向制御時系列80yを求
める過程を例示する。
【0175】まず、参照パスから正対通過する 観測格子点67aの{緯度,経度}={41度、45
度}としたとき、 参照観測機会テーブル116から観測機会28を引き出
し、 観測機会開始点29a{正対通過時刻,ピッチ角,ロー
ル角}={1日:623秒,25度,28度}、 観測機会終了点31a{正対通過時刻,ピッチ角,ロー
ル角}={1日:708秒,−25度,26度}を得
る。 すなわち、正対通過時刻は、1日の623秒から708
秒の間に、ピッチ角は25度(方向制御領域47の前方
端方向)から−25度(後方端方向)に、ロール角は2
8度から26度の間(衛星の左翼を揚げる方向)に採る
ことができる事が分かる。
【0176】次に、参照パス104から観測格子点67
aに正対通過するための方向制御パラメータ70a求め
る。得られた観測機会開始点29aと観測機会終了点3
1aを、図8の正対通過時刻:ピッチ角グラフ51と、
図9の正対通過時刻:ロール角グラフ52に入れ、ここ
では観測条件の例として「ピッチ角=0度で観測する
事」を付加すると、 70a{正対通過時刻、ピッチ角、ロール角}={1
日:665秒,0度,27度}を得る。
【0177】ここで、衛星の方向制御性能パラメータの
例を図4の302とすると、例えば、ロール回転時間9
1=5×平方根(ロール角)=26秒となる。正対通過
時刻71a={1日:665秒}の前後に方向制御の所
要時間を配置して、参照方向制御時系列122は、 ピッチ回転開始時刻81a= 609秒 ロール回転開始時刻82a= 609秒 整定開始時刻83a = 635秒 観測開始時刻84a = 655秒 正対通過時刻71a =1日:665秒 観測終了時刻86a = 675秒 ピッチ戻し開始時刻87a= 701秒 待機状態復帰時刻88a = 701秒 となる。
【0178】続いて、これらを衛星軌道パス15y=#
33の観測格子点67y、方向制御パラメータ70y、
方向制御時系列80yに換算する。まず、図28のパス
開始時刻経度テーブル115(参照パス104に対する
相対値で表している)から、衛星軌道パス#33につい
て、 パス開始時刻109y−109a={2日:2187
秒}、 パス開始経度110y−110a=−9.1度 を得
る。 参照パス104については、 パス開始時刻109a={1日:00000秒}、 パス開始経度110a=65度 であるので、衛星軌道パス15yに換算して、 パス開始時刻109y={3日:2187秒}、 パス開始経度110y=65−9.1=56度 観測格子点67aを観測格子点67yに換算して、 観測格子点緯度68y=41−0=41度、 観測格子点経度69y=45−9=36度 を得る。 方向制御パラメータ70a{1日:665秒,0度,2
7度}の正対通過時刻71a={1日:665秒} を、方向制御パラメータ70yの正対通過時刻71yに
換算して、 正対通過時刻71y={1日:665秒}+{2日:2187秒} ={3日:2852秒} を得る。 ピッチ角72yとロール角73yは方向制御パラメータ
70aのそれらと同一であり、 ピッチ角72y= 0度、 ロール角73y=27度 である。 また、参照パス104の参照方向制御時系列122を衛
星軌道パス15=#33に換算して方向制御時系列80
yは、 ピッチ回転開始時刻81y=3日:2796秒 ロール回転開始時刻82y=3日:2796秒 整定開始時刻83y =3日:2822秒 観測開始時刻84y =3日:2842秒 正対通過時刻71y =3日:2852秒 観測終了時刻86y =3日:2862秒 ピッチ戻し開始時刻87y=3日:2888秒 待機状態復帰時刻88y =3日:2888秒 とな
る。
【0179】本実施の形態の特徴を纏めると、次のよう
になる。観測方向制御計画立案のために準備して保持す
るテーブルサイズと計算時間に関して言うと、従来の技
術に依る方式では、観測格子点67は全地表面に取って
いた。これに対して、本実施の形態では、参照パス10
4の上から正対通過できる観測格子点67a、即ち参照
パス104からロール角を±50度振った時の正対地点
の範囲を幅として、直下点軌跡6に沿って1周回した時
にできる帯状の地域内の観測格子点67aに関してだけ
参照観測機会テーブル116を作成して保持すればよ
い。従来方式の場合と本実施の形態に係る方式の場合の
テーブルに保持する観測格子点67の数の比は、(観測
格子点67の間隔は変えないとして)計算対象の観測格
子点67が在る地表面の面積の比になる。地球の半径を
R(≒6300km)ロール角を±50度振った時の幅
をW(≒1000km)として、この面積の比は、4π
R**2 :2πR×W=2R:Wであり、およそ10:1
となる。これにより、観測機会テーブルのサイズは、方
向制御パラメータテーブルのサイズの1/10に、計算
時間も従来の技術に依る方式の1/10にする事ができ
る。
【0180】更に、従来の技術に依る方式では、或る観
測格子点67に正対通過できる全ての衛星軌道パス15
について方向制御パラメータ70を保持していた。或る
観測格子点67に正対通過できる衛星軌道パス15の数
は、隣接する衛星軌道パス15の間隔、即ち回帰日数で
決まり、5日回帰くらいであれば、その数は4〜6であ
る。これに対して、本実施の形態では、ただ一つの参照
パス104から観測格子点67に正対通過の為の観測機
会をテーブルに保持すれば良い。これにより、観測機会
テーブルのサイズは、方向制御パラメータテーブルのサ
イズの約1/5にする事ができる。
【0181】また、観測システムの発展に伴い、隣接す
る衛星軌道パス15の間隔を狭める為に回帰日数が長く
して衛星軌道パスの数を増加しても、観測方向制御計画
立案に必要なテーブルは唯1個の参照パスに関する参照
観測機会テーブルを計算し保持すればよいのでテーブル
サイズは影響を受けない。
【0182】実施の形態4.図30乃至図34は、本発
明に係る観測方向制御計画立案方法の実施の形態4を説
明する図である。先ず、図30乃至32は図31の目標
格子点12tを観測格子点67t{目標格子点緯度13
t,目標格子点経度14t}で指定して、図30の参照
観測機会テーブル116の中の正対可能経度区間20n
と20sを図31のパス番号17gのパス開始経度11
0gで正対可能経度区間20gに展開し、観測格子点6
7tの目標格子点経度14tが在る位置で、図30の観
測機会28aを参照し、観測機会28a内の正対通過時
刻71b,71eを図31のパス番号17gのパス開始
時刻109gと参照パス104のパス開始時刻109a
の差で換算し、図32の観測機会28gを得る過程の概
念を示す図である。この過程は、観測格子点67tに正
対通過できる全ての衛星軌道パス15と観測機会28を
引き出す。図33乃至34は、上記の処理過程と入出力
データを説明する図である。
【0183】参照パス104は、パス開始時刻109a
={1日:00000秒}、パス開始経度110a=6
5度とし、参照観測機会テーブル116の観測格子点経
度69には、参照パス104のパス開始経度110a=
65度を既に足し込こんでいる。以下に、目標格子点1
2tを指定して、其処に正対通過する全ての衛星軌道パ
ス15と観測機会28を引き出す過程を説明する。
【0184】目標格子点12tが或る観測格子点67t
{観測格子点緯度68t=41度、観測格子点経度69
t=141度}に依って指定される。以下の手順は、全
て目標格子点12tの観測格子点緯度68tの上での記
述である。参照観測機会テーブル116の南下区間の正
対可能経度区間20sと北上区間の正対可能経度区間2
0n内の観測格子点67の観測格子点経度69を、図3
1のパス開始時刻経度テーブル115の各衛星軌道パス
15のパス開始経度110で換算して、この衛星軌道パ
ス15の正対可能経度区間20の経度を計算する。全て
の衛星軌道パス15に、参照観測機会テーブル116の
正対可能経度区間20sと20nに対応する正対可能経
度区間20がある。しかし、図31では、原則として目
標格子点12tの観測格子点経度69t=141度を含
んでいる正対可能経度区間20を描いている。
【0185】図31において、パス番号17=#06,
#69,#53の3個の衛星軌道パスは、南下区間の正
対可能経度区間20が目標格子点12tの目標格子点経
度14tを含んでおり、目標格子点12tに正対通過で
る事を示している。パス番号17=#13,#76,#
60,#44の4個の衛星軌道パスは、北上区間の正対
可能経度区間20が目標格子点12tの目標格子点経度
14tを含んでおり、目標格子点12tに正対通過でき
ることを示す。他の衛星軌道パス15の正対可能経度区
間20は、南下区間でも北上区間でも目標格子点12t
の目標格子点経度14tを含んでおらず、目標格子点1
2tに正対通過できない事を示す。
【0186】以下に、正対可能経度区間20が目標格子
点12tの観測格子点経度69t=141度を含む場合
と含まない場合を説明する。まず、正対可能経度区間2
0が目標格子点12tの観測格子点経度69t=141
度を含む場合、すなわち正対通過できる場合について、
図31のパス番号17g=#60の北上区間の正対可能
経度区間20gを用いて説明する。
【0187】参照パス104の北上区間の正対可能経度
区間20nの観測格子点経度69を、パス番号17g=
#60の衛星軌道パスの開始経度110g=96度で換
算して、この衛星軌道パスの北上区間の正対可能経度区
間20gを得る。正対可能経度区間20gは、経度13
7度から152度の区間であり、目標格子点12tの目
標格子点経度14t=141度を含んでいる。次に、参
照観測機会テーブル116からこの目標格子点経度14
tに対する観測機会28aを引き出す。即ち、 観測機会開始点29a{正対通過時刻,ピッチ角,ロー
ル角}={1日:623秒,25度,28度}、 観測機会終了点31a{正対通過時刻,ピッチ角,ロー
ル角}={1日:708秒,−25度,26度} となる。そして、 観測機会開始点29a、観測機会終了点31aの時刻を
パス番号17g=#60のパス開始時刻109g={3
日:63433秒}で換算する。 その結果、 パス番号17g=#60の衛星軌道パスの観測機会28
gは図32に示すように、 観測機会開始点29g{正対通過時刻,ピッチ角,ロー
ル角}={4日:64056秒,25度,28度}、 観測機会終了点31g{正対通過時刻,ピッチ角,ロー
ル角}={4日:64141秒,−25度,26度}
となる。
【0188】目標格子点12tに正対通過可能な他の6
個の衛星軌道パス15に対しても同様に、観測機会開始
点29、観測機会終了点31を求めることができる。
【0189】一方、正対可能経度区間20が目標格子点
12tの観測格子点経度69t=141度を含まない場
合、すなわち正対通過できない場合について、図34の
パス番号17q=#13の正対可能経度区間20jを用
いて説明する。
【0190】参照パス104の南下区間の正対可能経度
区間20sの観測格子点経度69を、パス番号17j=
#13の衛星軌道パスの開始経度110j=87度で換
算して、この衛星軌道パスの北上区間の正対可能経度区
間20jを得る。正対可能経度区間20jは、経度−3
0度から−16度の区間であり、目標格子点12tの目
標格子点経度14t=141度を含んでいない。従っ
て、パス番号17j=#13の衛星軌道パスの南下区間
には、目標格子点12tに正対通過する観測機会28が
無い。このパス番号17j=#13の衛星軌道パスは、
北上区間には目標格子点12tに正対通過する観測機会
28が在る。
【0191】このようにして、参照パス104={パス
開始時刻109a,パス開始経度110a}、パス開始
時刻経度テーブル115、および参照観測機会テーブル
116を用いて、与えられた目標格子点12tに正対通
過できる衛星軌道パス15とその観測機会28の全てを
引き出す。
【0192】図35,36は、本実施の形態4における
観測機会の抽出処理を示すフローチャートである。
【0193】まず、観測目標地点の指定処理335にお
いて、観測格子点67の一つを目標格子点12t{目標
格子点緯度13t=β,目標格子点経度14t=λ}と
して指定する。
【0194】格子点緯度の正対可能経度区間を抽出する
処理336において、図34の参照観測機会テーブル1
16の中から観測格子点緯度68が目標格子点12tの
目標格子点緯度13t(=β)である部分の正対可能経
度区間20nと20sを取り出す。以下では、北上区間
の正対可能経度区間20n対する処理を記述する。南下
区間の正対可能経度区間20s、あるいは一個に縮退し
た正対可能経度区間20に対する処理も同様である。
【0195】全ての衛星軌道パスの正対可能経度区間に
展開処理337において、前述の参照パス104の正対
可能経度区間20nを図34のパス開始時刻経度テーブ
ル115から取り出した各衛星軌道パス15(=πp)
のパス開始経度110(=λp)で換算して、全ての衛
星軌道パスの正対可能経度区間に展開する。
【0196】観測目標地点に正対通過できる衛星軌道パ
スの抽出処理338において、全ての衛星軌道パスのう
ち、その正対可能経度区間に目標格子点12tの目標格
子点経度14tを含んでいる衛星軌道パス(=πm)を
抽出する。ここで抽出された衛星軌道パス(=πm)か
らは目標格子点12tに正対通過できる。
【0197】観測機会の抽出処理339において、目標
格子点12tに正対通過できる衛星軌道パス15(複数
個)の各正対可能経度区間20の中から、その経度が目
標格子点経度14t(=λ)に等しい経度を指定して、
参照観測機会テーブル116の中からその経度の観測機
会28={観測機会開始点29,観測機会終了点31}
を引き出す。
【0198】観測機会の時間換算処理340において、
上記処理339で抽出した観測機会開始点29={正対
通過時刻71b,ピッチ角72b,ロール角73b}と
観測機会終了点31={正対通過時刻71e,ピッチ角
72e,ロール角73e}の正対通過時刻71を、衛星
軌道パス15のパス開始時刻109で換算して、衛星軌
道パス15の方向制御パラメータ70を得る。
【0199】以上のようにして、目標格子点12に対し
て正対通過できる全ての衛星軌道パスと観測機会を得
る。
【0200】図35は、本実施の形態において観測機会
の抽出処理の結果の例を示す図である。この例では、観
測目標地点を青森市の近くで{北緯41度、東経141
度}の地表点としている。
【0201】図30乃至34で説明した方法によって、
この観測目標地点に正対通過できる7個の衛星軌道パス
{北上区間では、#44,$60,#76,#13,南
下区間では#53,#69,#06}とその観測機会2
8を抽出する。北上区間の観測機会28の観測機会開始
点29と観測機会終了点31の例を図35の地図上の衛
星軌道パス15の衛星直下点軌跡6の上に描いて示す。
【0202】パス番号=#60の衛星軌道パス15gに
沿って見ると、パス開始時刻経度テーブル115gに記
すように、この衛星軌道パス15は、第4日の6343
3秒に東経161度で赤道を南から北に通過し、4日6
4056秒で観測機会開始点29gの地点で目標格子点
12tに正対通過可能になる。その時に正対通過するた
めには、ピッチ角を最大値(=25度)にしてできるだ
け前方を向くように、かつ、ロール角(=28度)で左
翼を揚げた角度にする必要がある。この方向を方向制御
領域47Bの上に描くと前方端方向33gの方向であ
る。観測機会28は、観測機会終了点31gの地点迄の
85秒間継続する。もし、観測機会終了点31gで目標
格子点12に正対通過しようとすると、ピッチ角を最小
(=−25度)にしてできるだけ後方を向くようにする
必要がある。ロール角は、観測機会開始点29gの場合
と多少異なる。ピッチ角72=0度の観測条件を付加し
て、図8,9の正対通過時刻:ピッチ角グラフ51およ
び正対通過時刻:ロール角グラフ52を用いて計算した
方向制御パラメータを70gをに示す。即ち70g{正
対通過時刻,ピッチ角,ロール角}={4日63098
秒、0度、27度}である。
【0203】この方向を方向制御領域47tの上に描く
と観測方向9gの方向になる。図4の302で例示の衛
星の方向制御性能を想定して、方向制御時系列={ピッ
チ回転開始時刻81g,ロール回転開始時刻82g,整
定開始時刻83g,観測開始時刻84g,正対通過時刻
71g,観測終了時刻86g,ピッチ戻し開始時刻87
g,待機状態復帰時刻88g}を計算して、直下点軌跡
6gの上に描いて示す。
【0204】本実施の形態に依れば、この図35に例示
するように、目標格子点12に正対通過できる衛星軌道
パス15、方向制御パラメータ70{正対通過時刻,ピ
ッチ角,ロール角}を体系的に求めることができる。
【0205】本実施の形態の特徴を纏めると、次のよう
になる。
【0206】観測方向制御計画立案のために準備して保
持するテーブルサイズと計算時間に関して言うと、従来
の技術に依る方式では、或る目標格子点12が指定され
た時に得られる{衛星軌道パス,方向制御パラメータ
{正対通過時刻,ピッチ角,ロール角}}の候補には規
則性を付加出来ない。これに対して、本実施の形態で
は、与えられた目標格子点12に正対通過する{衛星軌
道パス、観測機会}が得られる。即ち、衛星軌道パス1
5と正対通過できる区間の両端の方向制御パラメータ
{正対通過時刻,ピッチ角,ロール角}とが得られる。
この観測機会の中のどの時点を該観測目標地点に正対通
過して観測する時点とするかの選択は、別の評価基準に
よって決める事ができる。
【0207】なお、本発明に係る観測方向制御計画立案
方法を各実施の形態において説明したが、各実施の形態
は、適宜組み合わせて使用することができる。従って、
各実施の形態において説明した効果を纏めると、観測方
向制御計画立案のために準備して保持するテーブルサイ
ズを凡そ(1/50)×(1/10)×(1/5)=1
/2500に、そのテーブル作成の所要計算量は(1/
2500)×(1/20)=1/50000と大幅に削
減することができる。
【0208】
【発明の効果】本発明によれば、衛星軌道パスから或る
観測格子点に正対通過できる期間の全体を一つの観測機
会として捉え、その記述には、観測機会開始点と観測機
会終了点の2点の方向制御パラメータ70を計算して保
持すればよい。これにより、観測方向制御計画立案のた
めに準備して保持するテーブルサイズと計算時間を大幅
に削減することができる。また、観測機会の開始点と終
了点に関する2個の方向制御パラメータで正対通過可能
な観測機会を記述するので、正対通過可能期間内の分割
間隔が短くなってもテーブルサイズの増加に直接影響を
受けることがなくなる。
【0209】また、観測機会テーブルの作成段階におい
て観測機会開始点と観測機会終了点のサンプル方向を方
向制御領域の周辺のみ計算するようにしたので、観測機
会テーブル作成過程における計算量は、方向制御パラメ
ータテーブルの計算量に対して大幅に削減することがで
き、その結果、観測方向制御計画立案のために準備して
保持するテーブルサイズと計算時間を大幅に削減するこ
とができる。
【0210】また、全ての衛星軌道パスではなく、或る
一個の参照パスの上から正対通過できる観測格子点に関
してだけ観測機会テーブルを作成して保持するようにし
たので、観測機会テーブルのサイズを大幅に削減するこ
とができる。また、参照パスだけに関する観測機会テー
ブルを計算し保持すればよいので、回帰日数が長くなっ
て衛星軌道パスの数が多くなってもテーブルサイズは増
加しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る観測方向制御計画立案方法の実
施の形態1で用いる観測機会の概念図であり、観測機会
の開始点を説明する図である。
【図2】 本発明に係る観測方向制御計画立案方法の実
施の形態1で用いる観測機会の概念図であり、観測機会
の中間点を説明する図である。
【図3】 本発明に係る観測方向制御計画立案方法の実
施の形態1で用いる観測機会の概念図であり、観測機会
の全体を説明する図である。
【図4】 図5とともに、実施の形態1における観測方
向制御計画立案方法の処理過程を説明する図であり、こ
のうち図4では各処理における入力データを示す図であ
る。
【図5】 図4とともに、実施の形態1における観測方
向制御計画立案方法の処理過程を説明する図であり、図
5は観測機会テーブル処理過程と指定された観測目標地
点に正対通過する方向制御パラメータ、方向制御時系
列、観測計画の作成処理を示したフローチャートであ
る。
【図6】 実施の形態1における観測機会テーブルの構
成例を示した図である。
【図7】 実施の形態1における観測機会の開始点と終
了点からその間の任意の時点の方向制御パラメータの計
算手法を示した図である。
【図8】 実施の形態1における観測機会上の正対通過
時刻とピッチ角の関係を説明する図である。
【図9】 実施の形態1における観測機会上の正対通過
時刻とロール角の関係を説明する図である。
【図10】 衛星進行方向が北上区間あるいは南下区間
によって決める観測機会の型を説明する図である。
【図11】 衛星進行方向が北上区間あるいは南下区間
によって決めるサンプル開始点とサンプル終了点を説明
する図である。
【図12】 実施の形態2におけるサンプル開始点、サ
ンプル終了点およびサンプル正対地点を説明する図であ
る。
【図13】 実施の形態2において、方向制御しない時
の正対地点の計算方法を説明する図である。
【図14】 実施の形態2において、ピッチ角を変える
方向制御する時の正対地点の計算方法を説明する図であ
る。
【図15】 実施の形態2において、ピッチ角とロール
角を変える方向制御する時の正対地点の計算方法を説明
する図である。
【図16】 図17とともに、実施の形態2におけるサ
ンプル開始点テーブルとサンプル終了点テーブルの作成
手順を示したフローチャートである。
【図17】 図16で示した各処理における入力データ
と出力データを示した図である。
【図18】 実施の形態2におけるサンプル正対地点の
分布の特徴を説明する図である
【図19】 図18に示したサンプル正対地点の分布の
うち、観測格子点近傍の分布を拡大して説明する図であ
る。
【図20】 図21、図22とともに、実施の形態2に
おける観測格子点の観測機会を計算する方法を示す図の
うち、図20は、観測格子点の近傍のサンプル正対地点
をサンプル開始点テーブルとサンプル終了点テーブルの
中から取り出す方法を説明する図である。
【図21】 図20、図22とともに、実施の形態2に
おける観測格子点の観測機会を計算する方法を示す図の
うち、図21は観測格子点の近傍の3組の{サンプル開
始点、サンプル正対地点}から観測機会開始点を同様に
3組の{サンプル終了点、サンプル正対地点}から観測
機会終了点を計算する方法を説明する図である。
【図22】 図20、図21とともに、実施の形態2に
おける観測格子点の観測機会を計算する方法を示す図の
うち、図22は、観測格子点に対する観測機会の計算結
果を観測機会テーブルに保存する方法を説明する図であ
る。
【図23】 実施の形態2における観測格子点の観測機
会を計算する方法のうち、観測格子点の近傍の3組の
{サンプル開始点、サンプル正対地点}から観測格子点
と観測機会開始点の関係式、および、3組の{サンプル
終了点、サンプル正対地点}から観測格子点と観測機会
終了点の関係式を導出する例を説明する図である。
【図24】 実施の形態2において、観測機会開始点サ
ンプルテーブルと観測機会終了点サンプルテーブルか
ら、観測機会テーブルを作成する処理手順を示したフロ
ーチャートである。
【図25】 図24で示した各処理における入力データ
と出力データを示した図である。
【図26】 実施の形態3において、回帰開始時刻から
観測格子点を観測する正対通過時刻までの 衛星と観測
格子点の動きの概略と、衛星アンカー時系列の概念を説
明する図である。
【図27】 実施の形態3において、回帰開始時刻から
観測格子点を観測する正対通過時刻までの、衛星の動き
を記述する衛星周回時系列と、観測格子点の動きを記述
する格子点周回時系列と格子点アンカー時系列の概念を
説明する図である。
【図28】 実施の形態3におけるパス開始時刻経度テ
ーブルの例を示した図である。
【図29】 実施の形態3における参照観測機会テーブ
ルの例を示した図である。
【図30】 図31、図32とともに、実施の形態4に
おいて、指定した目標格子点に正対通過する衛星軌道パ
ス、観測機会を全てを抽出する処理過程を説明するため
の概念図のうち、参照観測機会テーブルから目標格子点
に対応する参照パスの観測格子点と観測機会を取り出す
方法を説明する図である。
【図31】 図30、図32とともに、実施の形態4に
おいて、指定した目標格子点に正対通過する衛星軌道パ
ス、観測機会を全てを抽出する処理過程を説明するため
の概念図のうち、参照パスの正対可能経度区間から全て
の衛星軌道パスの正対可能経度区間に展開して、目標格
子点を含む衛星軌道パスと 対応する参照観測機会テー
ブルの観測格子点経度を求める方法を説明する図であ
る。
【図32】 図30、図31とともに、実施の形態4に
おいて、指定した目標格子点に正対通過する衛星軌道パ
ス、観測機会を全てを抽出する処理過程を説明するため
の概念図のうち、参照パスで得られた観測機会を各衛星
軌道パスのパス開始時刻で補正して、観測機会を得る方
法を説明する図である。
【図33】 実施の形態4において、指定した目標格子
点に正対通過する衛星軌道パス、観測機会を全てを抽出
する処理手順を示したフローチャートである。
【図34】 図33で示した各処理における入力データ
を示した図である。
【図35】 実施の形態4において、観測機会抽出処理
の結果の例を示す図である。
【図36】 従来の観測方向制御計画立案方法を説明す
るために用いる概念図である。
【図37】 図38の要部拡大図である。
【図38】 従来において衛星が目標格子点に正対して
通過するための観測方向制御計画を、目標格子点fから
見た衛星の動きの時系列的に示した概念図である。
【図39】 従来例において用いる方向制御パラメータ
テーブルの構成例を示した図である。
【符号の説明】
1 地球、 2 地表点、 3 赤道、 4 衛星位
置、 5 軌道、 6衛星直下点軌跡、 7 昇交点、
8 パス開始点、 9 観測方向、 10衛星直下
点、 11 正対地点領域、 12 目標格子点、 1
3 目標格子点緯度、 14 目標格子点経度、 15
衛星軌道パス、 16 衛星軌道パス上の衛星位置、
17 パス番号、 18 正対可能領域、 20 正
対可能経度区間、 21 観測目標地点、 22 昇交
点直下点、 23 正対方向点、24 正対地点、 2
5 正対地点緯度、 26 正対地点経度、 27 観
測機会テーブル、 28 観測機会、 29 観測機会
開始点、 30 観測機会中間点、 31 観測機会終
了点、 32 観測機会内部点、 33 前方端方向、
34 後方端方向、 35 左端方向、36 右端方
向、 37 内部方向、 38 サンプル開始点、 3
9 サンプル終了点、 40 サンプル時刻、 41
サンプル正対地点、 42 ロール角&正対通過時刻フ
レーム、43 ピッチ角&正対通過時刻フレーム、 4
4 正対通過時刻等高線、 45ピッチ角等高線、 4
6 ロール角等高線、 47 方向制御領域、 48正
対通過時刻座標、 49 ピッチ角座標、 50 ロー
ル角座標、 51 正対通過時刻:ピッチ角グラフ、
52 正対通過時刻:ロール角グラフ、 55衛星機体
X軸、 56 衛星機体Y軸、 57 衛星機体Z軸、
58 XY断面、 59 XY断面の中心、 60
サンプル開始点テーブル、 61 サンプル終了点テー
ブル、 62 観測格子点近傍、 63 変換行列、
64逆変換行列、 66 格子点経度緯度座標、 67
観測格子点、 68 観測格子点緯度、 69 観測
格子点経度、 70 方向制御パラメータ、 71正対
通過時刻、 72 ピッチ角、 73 ロール角、 7
4 ピッチ回転軸、75 ロール回転軸、 78 方向
制御パラメータテーブル、 79 方向制御待機状態、
80 方向制御時系列、 81 ピッチ回転開始時
刻、 82ロール回転開始時刻、 83 整定開始時
刻、 84 観測開始時刻、 85観測格子点通過時
刻、86 観測終了時刻、 87 ピッチ戻し開始時
刻、 88 待機状態復帰時刻、 90 ピッチ回転時
間、 91 ロール回転時間、92 整定時間、 93
観測前方保護時間、 94 観測後方保護時間、 9
5 ロール戻し時間、 96 ピッチ戻し時間、 99
回帰開始時刻、 100 地心、 101 地軸、
102 地球自転周期、 103 地球周回時刻、 1
04 参照パス、 105 衛星一周回時間、 106
ズレ込み時間、107 衛星後退経度角、108 衛
星一周回時間の地球回転角、 109パス開始時刻、
110 パス開始経度、 111 赤道面交叉時系列、
112 地表点イベント時系列、 114 方向制御
動作、 115 パス開始時刻経度テーブル、 116
参照パス観測機会テーブル、 117 衛星周回時系
列、 118 衛星アンカー時系列、 118 地表点
周回時系列、 120地表点アンカー時系列、 121
アンカーパス、 122 参照方向制御時系列、 1
23 参照地表点時系列、124 参照正対地点領域、
300 観測システムのパラメータ、301 観測目
標地点に関するデータ、 302 衛星の方向制御パラ
メータ、 329 観測機会開始点計算部、 331
観測機会終了点計算部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観測衛星がその姿勢を変えることによっ
    て地表面上の観測目標地点に対して正対した姿勢で通過
    しながら観測するシステムにおける観測方向制御計画立
    案方法において、 観測衛星の回帰軌道のうち赤道面を南から北に向けて通
    過する点から始まって地球を一周する区間を衛星軌道パ
    スとし、観測衛星が衛星軌道パス上を進行中に、地表面
    を格子状に分割して形成した観測格子点それぞれに正対
    して通過できる期間を当該観測格子点の観測機会とし、
    各観測格子点に対して正対通過できる衛星軌道パスのパ
    ス番号とその観測機会とを対応付けした観測機会情報を
    要素とする観測機会テーブルを保持し、観測目標地点と
    して目標格子点が観測格子点の中から指定されたとき
    に、観測機会テーブルから、指定された観測格子点に対
    する衛星軌道パスと観測機会とを引き出す観測機会抽出
    ステップと、 前記観測機会抽出ステップが引き出した各観測機会に含
    まれる観測機会開始点と観測機会終了点を用いて、観測
    機会内の任意の時点すなわち正対通過時刻において観測
    格子点に正対するための観測衛星のピッチ角及びロール
    角を含む方向制御パラメータを求める方向制御パラメー
    タ取得ステップと、 前記方向制御パラメータ及び観測衛星の方向制御性能パ
    ラメータに基づいて観測衛星を方向制御するための観測
    方向制御時系列データを算出する観測方向制御データ生
    成ステップと、 を含み、指定された観測目標地点に対する観測計画を立
    案することを特徴とする観測方向制御計画立案方法。
  2. 【請求項2】 各衛星軌道パスにおいて一定間隔で進め
    るサンプル時刻毎に、観測方向制御領域の周辺のサンプ
    ル方向でサンプル開始点を指定し、そのサンプル開始点
    が正対するサンプル正対地点を計算し、サンプル開始点
    とサンプル正対地点との組を要素とするサンプル開始点
    テーブルを生成するサンプル開始点テーブル生成ステッ
    プと、 各衛星軌道パスにおいて一定間隔で進めるサンプル時刻
    毎に、観測方向制御領域の周辺のサンプル方向でサンプ
    ル終了点を指定し、そのサンプル終了点が正対するサン
    プル正対地点を計算し、サンプル終了点とサンプル正対
    地点との組を要素とするサンプル終了点テーブルを生成
    するサンプル終了点テーブル生成ステップと、 観測機会テーブルを生成するために衛星軌道パスと観測
    格子点が指定されると、前記サンプル開始点テーブル内
    で観測格子点の近傍に在る複数組のサンプル正対地点と
    そのサンプル開始点の情報から観測格子点に対する衛星
    軌道パスと観測機会開始点を求める観測機会開始点取得
    ステップと、 前記サンプル終了点テーブルから同様にして観測格子点
    に対する観測機会終了点を求める観測機会終了点取得ス
    テップと、 観測格子点に対して、衛星軌道パスのパス番号と前記観
    測機会開始点と前記観測機会終了点とにより表される観
    測機会とを対応付けした観測機会情報を保持する観測機
    会テーブルを生成する観測機会テーブル生成ステップ
    と、 を含むことを特徴とする請求項1記載の観測方向制御計
    画立案方法。
  3. 【請求項3】 前記衛星軌道パスのうちの一つを参照パ
    スとし、その参照パスの正対可能経度区間に対しての
    み、観測格子点と観測機会とを対応付けした参照観測機
    会テーブルと、衛星軌道パスと{パス開始時刻,パス開
    始経度}とを対応付けしたパス開始時刻経度テーブルと
    を保持し、 参照パスから正対通過可能な(参照用)観測格子点が指
    定されると参照観測機会テーブルから観測機会を引き出
    して(参照用)方向制御パラメータおよび(参照用)方
    向制御時系列を計算し、 参照パス以外の衛星軌道パスから正対通過できる観測格
    子点は、(参照用)観測格子点を基にしてパス開始経度
    だけの換算に依って計算し、 方向制御パラメータと方向制御時系列は、(参照用)方
    向制御パラメータおよび(参照用)方向制御時系列を基
    にしてパス開始時刻だけの換算に依って計算して得るこ
    とを特徴とする請求項2記載の観測方向制御計画立案方
    法。
  4. 【請求項4】 観測目標地点として目標格子点が指定さ
    れた時に、前記観測機会テーブル内の目標格子点緯度の
    正対可能経度区間の経度に、各衛星軌道パスと参照パス
    のパス開始点経度の差分を加えて 各衛星軌道パスの正
    対可能経度区間を生成するステップと、 この正対可能経度区間の中に目標格子点経度を含んでい
    る衛星軌道パスを抽出するステップと、 この正対可能経度区間の中の観測格子点経度が目標格子
    点経度に等しい観測機会を抽出するステップと、 この観測機会の中の観測機会開始点の正対通過時刻と観
    測機会終了点の正対通過時刻を衛星軌道パスのパス開始
    時刻と参照パスのパス開始時刻の差分をを加えて換算す
    るステップとを含み、 これらに依って、指定された観測目標地点に正対通過し
    ながら観測できる全ての衛星軌道パスと観測方向制御パ
    ラメータを求めることを特徴とする請求項1記載の観測
    方向制御計画立案方法。
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