JP4424190B2 - 編隊飛行衛星の軌道制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、人工衛星によるリモートセンシングシステムに関するものである。
従来より、人工衛星から地球や惑星等の遠隔計測を行うリモートセンシングシステムにおいて、複数の衛星に搭載するか、あるいは1機の巨大な衛星に搭載するなどの手段により、相互に距離を離した複数の観測装置から地表面や惑星表面を観測することで、単一の観測装置で観測することでは得られない、多次元的な観測情報を取得するシステムが検討されている。観測装置においては、光学センサ、受動的な電波センサ、能動的な電波センサなど、さまざまなものがあるが、軌道上から地表面を観測するため、これらのセンサは指向性を有している。
一般に、指向性を持つ観測センサを複数組み合わせて観測する場合、観測する方向に直交する方向の距離、すなわち基線を離すほど観測分解能が向上する。そこで、観測装置を複数の衛星に搭載し、衛星間の距離を適切に制御することで、1機の巨大な衛星では実現できない高い分解能の実現が期待されている。基準とする軌道上を軌道周期で移動する点を原点とし進行方向、地心方向、面外方向からなる軌道座標系を定義するとき、特に、軌道座標系の原点から数十km程度の範囲内で軌道運動に従って飛行する衛星は、軌道座標系で見たときの軌道(以下,相対軌道と呼ぶ)が、この軌道座標系において固定された平面(以下、相対軌道面と呼ぶ)の上に楕円を描くことが知られている。この性質を利用して、複数の衛星間の距離を適切に制御しつつ飛行するシステムを、編隊飛行衛星と呼ぶ。
ここで、衛星間の距離を3次元的に離す方向として、衛星の軌道運動方向に関して、進行方向(あるいは、アロングトラック方向とも呼ばれる)、地心方向(あるいは、ベクトルの向きは逆だが、軌道半径方向とも呼ばれる)、およびこれらに垂直な方向(面外方向、あるいは、クロストラック方向とも呼ばれる)の3方向に分解される。特に進行方向と面外方向とで張られる平面を局所水平面と呼ぶ。
アロングトラック方向に衛星間の距離をとる場合、軌道運動にしたがって、最初の衛星が通過したのとほぼ同じ地表面上を次の衛星が通過する。この性質を利用すると、地表面上の同一のターゲットを微小時間後に再度観測することができるので、移動物体の移動速度の観測に利用できる。
クロストラック方向に衛星間の距離をとり、衛星間に位置する地表面の同一のターゲットを観測する場合、ターゲット付近の地形に傾きがあるときに傾きに対して異なる方向から観測することができるので、傾きあるいは標高の観測に利用できる。
一方、観測装置の観測方向が地心方向であれば、高度方向に衛星間の距離をとっても基線を伸ばすことができないため、観測精度の向上に寄与しない。そのため、高度方向については、観測装置間の距離について特別な要求がない。
例えば、光学センサあるいは受動的な電波センサで構成される複数の観測装置で、同一ターゲットからの信号を計測して三角測量の原理でターゲットの地点を求めることを立体視とよぶ。また、能動的な電波センサの一つ、SAR(合成開口レーダ)で構成される複数の観測装置で、同一のターゲットを計測してその干渉信号から差分情報を取り出すことをインターフェロメトリSARとよぶ。
SARが搭載された複数の衛星を近接した平行な軌道に配設し、同一ターゲットを同時に観測することでクロストラック・インターフェロメトリSARを実現する、あるいは、SARが搭載された複数の衛星を同一軌道上に近接させて配設し、同一ターゲットを微小時間後に再度観測することで移動物体の移動速度を観測するアロングトラック・インターフェロメトリSARを実現するシステムが開示されている(例えば特許文献1)。
また、衛星の相対軌道のうち、局所水平面または相対軌道面に投影した形状が円になるような軌道要素間の関係式が求められている(例えば非特許文献1)。
特開平09−113615号公報(2頁右欄9〜3頁左欄33行、図9、図10) S. Nakasuka, et al, "Study on the Relative Motion and Orbit Design for Clustered Satellites", 1994 ISAS 4th Workshop on Astrodynamics and Flight Mechanics, pp. 88-92 (1994)
特許文献1において、クロストラック・インターフェロメトリSARについて、複数の衛星を近接した平行な軌道に配設すると述べているが、クロストラック方向が面外方向であること、および、軌道面の中心には地球がくること、の2つの制約から、クロストラック方向に平行な軌道を局所的に配設することは可能であるが、軌道全体にわたりクロストラック方向に平行な軌道を配設することができない。
一方、地球を中心に同心円状の軌道を配置して軌道半径方向に平行な軌道を配設することは可能である。しかし、軌道半径の長さが異なるため、軌道半径の長さから一意に定まる軌道周期も異なり、軌道制御を行わなければ、時間の経過とともに衛星間の相対距離が拡大して、軌道座標系の原点から数十km程度の範囲内に留まることができない。
このように、特許文献1で述べられているようなクロストラック・インターフェロメトリSARおよびアロングトラック・インターフェロメトリSARに適した相対軌道の実現方法については、これまで検討がなされていない。
非特許文献1には局所水平面または相対軌道面に投影した形状が円になるような軌道要素間の関係式が示されている。従来の衛星では、光学センサのように地心方向、すなわち衛星の直下点付近を観測することが通例であったため、局所水平面に投影した形状が円になる場合、その円上に複数衛星を配置しておけば、基線長が軌道一周回の間でほぼ一定になるという利点があった。
しかし、SARなどの能動型の電波センサでは、センサの観測方向が衛星の直下点、すなわち地心方向に対して大きなオフセットを持たせる場合がある。また、ターゲットが衛星の直下点から離れたところにある場合などには光学センサの観測方向をターゲットに向ける、すなわち地心方向に対して大きなオフセットを持たせて撮像することで、取得機会を増やす可能性がある。
このような場合、観測方向と地心方向とがずれているために、従来のように局所水平面に投影した形状が円になるような衛星配置では、基線長が軌道一周回の間で大きく変化してしまう問題が生じる。このようなセンサの観測方向にあわせた相対軌道の実現方法については、これまで検討がなされていない。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、光学センサやSARを含む電波センサなどの観測センサの観測方向やクロストラック・インターフェロメトリSAR、アロングトラック・インターフェロメトリSARあるいは立体視にあわせた相対軌道を提供する編隊飛行衛星の軌道制御装置を得ることを目的としている。
この発明に係る編隊飛行衛星の軌道制御装置は、観測ミッションから定まる基準軌道上を軌道周期で移動する点を原点として軌道座標系を定義し、前記原点から数十km程度の範囲内で編隊飛行する複数の衛星において、前記原点上を飛行する衛星を基準衛星とし、前記軌道座標系に対する相対的な軌道運動を利用して前記基準衛星以外の衛星を前記基準軌道の軌道面の面外方向に相対運動させる編隊飛行衛星の軌道制御装置であって、前記観測ミッションは、前記基準衛星の軌道の進行方向に衛星間距離をとって行う第一観測と、前記面外方向に衛星間距離をとって行う第二観測とを有し、前記第一観測を行うときは前記複数の衛星間がなす基線の前記進行方向の成分が前記面外方向の成分よりも大きく、前記第二観測を行うときは前記基線の前記面外方向の成分が前記進行方向の成分よりも大きい
また、この発明に係る編隊飛行衛星の軌道制御装置は、軌道座標系に対して決定される軌道である相対軌道が当該軌道座標系において、同一平面上にある複数の衛星を選択して一つの組を構成するとき、当該組が複数備わっている。
また、この発明に係る編隊飛行衛星の軌道制御装置は、観測ミッションから定まる基準軌道上を軌道周期で移動する点を原点として軌道座標系を定義し、前記原点から数十km程度の範囲内で編隊飛行する複数の衛星において、前記原点上を飛行する衛星を基準衛星とし、前記軌道座標系に対する相対的な軌道運動を利用して前記基準衛星以外の衛星を前記基準軌道の軌道面の面外方向に相対運動させる編隊飛行衛星の軌道制御装置であって、
前記観測ミッションは、前記基準衛星の軌道の進行方向に衛星間距離をとって行う第一観測と、前記面外方向に衛星間距離をとって行う第二観測とを有し、前記観測ミッションから定まる投影面を設定し、前記軌道座標系の進行方向と面外方向とで定まる局所水平面に対する前記相対軌道面の傾きを、前記局所水平面に対する前記投影面の傾きと、各衛星の相対軌道が前記投影面上に射影されて描く楕円の軸長比とから設定して、前記相対軌道上の前記複数の衛星で前記第一観測と前記第二観測とを軌道一周期中に交互に行う
この発明によれば、残る衛星を面外方向に相対運動させることにより、基準とした衛星に対してクロストラック方向に衛星間距離を大きくとりクロストラック・インターフェロメトリSARを行うことができる、といった従来にない顕著な効果を奏するものである。
また、この発明によれば、相対軌道が同一平面上にある衛星でひとつの組を構成するとき、複数の組を備えることにより、観測センサの観測方向を変えられる範囲内、たとえば進行方向周りに−45度から+45度の範囲内で局所水平面を回転させた投影面において相対軌道が描く楕円の長軸の長さと短軸の長さの比を、観測ミッションから要求される範囲、たとえば1以上2以下、におさめることができる、といった従来にない顕著な効果を奏するものである。
また、この発明によれば、センサの観測方向にあわせて投影面を定義し、投影面で相対軌道が描く楕円の軸長比に合わせて相対軌道面を決定するので、観測方向において最適な相対軌道を実現できる、といった従来にない顕著な効果を奏するものである。
以下、この発明の各実施の形態を図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による相対軌道を示す模式図である。地球1を周回する衛星#1の軌道を基準軌道2として、基準軌道上を軌道周期で移動する点を原点3とし、進行方向、面外方向、地心方向にX、Y、Z軸をもつ軌道座標系4を定義する。衛星#1(符号5)の質量中心は原点3に一致するものとする。衛星#2(符号6)は、この軌道座標系においてX方向に基線をとるために基線長分のオフセットを持ち、6b−6a−6b−6c−6bのように、軌道一周回でY方向に往復する相対運動を行う。衛星#2のY方向の相対運動は、衛星#1に対する相対的な軌道運動を利用するため、各衛星がケプラー運動を維持する限り、軌道保持のための制御は不要である。衛星#2のY方向の相対運動は、XY平面上でX軸について対称な単振動となる。
このような構成によれば、軌道保持のための制御を必要とすることなく、Y方向の相対運動にしたがって、衛星#2がX軸付近に戻ってきたときに基線のアロングトラック方向の成分がクロストラック方向の成分よりも大きくなるので、アロングトラック・インターフェロメトリSARを行い、衛星#2が面外方向に大きく移動したときに基線のクロストラック方向の成分がアロングトラック方向の成分よりも大きくなるので、クロストラック・インターフェロメトリSARを行うことができる。
図2は本実施の形態によるアロングトラック・インターフェロメトリSARおよびクロストラック・インターフェロメトリSARの実現例である。図2の横軸は、衛星#1の軌道上の位置を表し、360度で初期位置に戻る。縦軸は、局所水平面内において衛星#1からみた衛星#2の方向がX軸となす角度、すなわち衛星#1からみた衛星#2の方位角を表す。アロングトラック・インターフェロメトリSARを方位角が45度以下の範囲内、すなわちアロングトラック方向に主たる基線を確保できるときに行い、クロストラック・インターフェロメトリSARを方位角が45度以上の範囲内、すなわちクロストラック方向に主たる基線を確保できるときに行う場合を例に説明する。この場合、衛星2機構成で、衛星#2についてX方向のオフセットAに対してY方向の相対運動の振幅BをB=sqrt(2)・Aに選ぶと、図2に示すように、軌道半周でアロングトラック・インターフェロメトリSARを行い、残り半周でクロストラック・インターフェロメトリSARを行うことができる。ここで、sqrt(・)は、平方根をとる関数である。
図3は本実施の形態によるアロングトラック・インターフェロメトリSARおよびクロストラック・インターフェロメトリSARの別の実現例である。衛星3機構成のとき、衛星#3について−X方向にオフセットAをとり、Y方向の相対運動の振幅をB=sqrt(2)・Aに選び、かつ、Y方向の相対運動の位相を衛星#2の相対運動に対して90度ずらすと、図3に示すように、軌道半周は、衛星#2でアロングトラック・インターフェロメトリSARを行うと同時に衛星#3でクロストラック・インターフェロメトリSARを行い、残り半周は衛星#2でクロストラック・インターフェロメトリSARを行うと同時に衛星#3でアロングトラック・インターフェロメトリSARを行うことができる。
また、図1においてY方向の相対運動の位相について制約を設けていないが、以下に述べる理由により、衛星#1の軌道面が地球の赤道面と交わる昇交点および降交点において、衛星#2の面外方向の相対運動が最大になるように位相を選ぶことが望ましい。以下この理由について説明を加える。
地球周回軌道において顕著な自然外乱は地球の扁平性である。この外乱により軌道面が一軌道周回あたり、角度△Ωだけ回転することが知られている(式(1))。
△Ω=3πJ2 R^2 cosi/{a^2*(1−e^2)^2}…(1)
ここで、J2は地球の扁平率(約0.001)、Rは地球の赤道半径、iは軌道傾斜角、aは軌道長半径、eは軌道離心率、^はべき乗を表す記号である。
衛星#2が面外方向に相対運動を行う場合、一般には軌道傾斜角iと昇交点赤経Ωの両方が衛星#1と異なる値を持つ。式(1)より軌道傾斜角iが異なると、軌道面の回転量が異なり、時間とともに差が増大するため、軌道を保持するための制御が必要になる。
そこで、衛星#1の昇交点および降交点において、衛星#2の面外方向の相対運動が最大になるように位相を選ぶことが望ましい。このとき、衛星#2の軌道傾斜角iは衛星#1と同じになり、式(1)の△Ωが衛星#1と衛星#2とで同じになり、両者の差を補償するための軌道を保持するための制御が不要になる。
以上述べた実施の形態1の構成により、軌道保持のための制御を必要とすることなく、面外方向の相対運動に従って、残る衛星が進行方向軸に戻ってきたときにアロングトラック・インターフェロメトリSARを行い、同衛星が面外方向に大きく移動したときにクロストラック・インターフェロメトリSARを行うことができる。
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2による相対軌道を示す模式図である。説明の都合上、衛星#1(符号7a)、#2(符号7b)、#3(符号7c)の相対軌道が同一の平面上にあって組#1(符号7)を構成し、衛星#4(符号8a)、#5(符号8b)、#6(符号8c)の相対軌道が組#1とはXZ平面に関して対称な平面上にあって組#2(符号)を構成すると仮定する。
図5は、この6衛星からなる編隊飛行の相対軌道が投影面に描く軌道を示す模式図であり、(a)、(b)、(c)は観測方向の変更にあわせて、投影面をXY平面(局所水平面)にとる場合、XY平面をX軸まわりに−40度回転した平面を投影面にとる場合、XY平面をX軸まわりに+40度回転した平面を投影面にとる場合に対応する。それぞれの場合について、軌道座標系における軌道面と投影面上の軌跡を、(a)、(b)、(c)各図の右側に示す。各衛星は、基準軌道の軌道一周期で相対軌道を一周する。基準軌道の位相として緯度引数を用いるとき、緯度引数が0度のときの衛星#1、#2、#3の相対軌道上の位置をo印で示すとともに、衛星番号を付す。同時刻における衛星#4、#5、#6の相対軌道上の位置を*印で示すとともに、衛星番号を付す。
説明のため、基準軌道の位相(緯度引数とも呼ぶ)が0度、45度、…、360度の場合について、それぞれの時刻に対応する、投影面上に描かれた相対軌道上の点を衛星間で結ぶ。例えば、衛星#1と衛星#2を結ぶ線分は、衛星#1と衛星#2に搭載された観測センサの基線を表す。投影面はXY平面をX軸周りに回転して得られるので、投影面とXY平面の交線はX軸、すなわちアロングトラック方向に一致する。一方、投影面上、X軸に垂直な方向はクロストラック方向と高度方向とを合成した方向になるので、ここでは、擬似クロストラック方向と呼ぶ。また、複数ある基線の中で、最もアロングトラック方向に伸びた基線をアロングトラック基線と呼び、そのアロングトラック方向成分の長さをアロングトラック基線長と呼ぶ。同様に、複数ある基線の中で、最も擬似クロストラック方向に伸びた基線を擬似クロストラック基線と呼び、その擬似クロストラック方向成分の長さを擬似クロストラック基線長と呼ぶ。
図5において、横軸方向がアロングトラック方向を、また縦軸方向が擬似クロストラック方向を表す。例えば、(a)において、緯度引数が0度のときのアロングトラック基線長は、衛星#6と衛星#5とを結ぶ線分で与えられる。擬似クロストラック基線長は、衛星#3と衛星#1とを結ぶ線分の擬似クロストラック方向成分の長さ、あるいは、衛星#4と衛星#2とを結ぶ線分の擬似クロストラック方向成分の長さで与えられる。図の横軸方向に長い線分があれば、基線の主たる成分がアロングトラック方向にあるのでアロングトラック・インターフェロメトリSARなどのミッションに適している。図の縦軸方向に長い線分があれば、基線の主たる成分が擬似クロストラック方向にあるのでクロストラック・インターフェロメトリSARなどのミッションに適している。
立体視に代表されるように基線長と分解能とが反比例の関係にあるので、アロングトラック基線長と擬似クロストラック基線長とが等しければ、アロングトラック方向で得られる分解能と、擬似クロストラック方向で得られる分解能が等しくなり、等方的な観測データが得られる。具体的な数字は観測ミッションに依存するが、一般的に言って、2倍程度の異方性は許容される。したがって、複数のミッションを、いずれかの衛星の組合せで行うためには、擬似クロストラック基線長のアロングトラック基線長に対する比が、観測ミッションに要求される範囲内、例えば、少なくとも0.5倍から2倍の範囲内におさまることが望ましい。
図5の例では、(a)、(b)、(c)それぞれ、軌道一周回中に擬似クロストラック基線長のアロングトラック基線長に対する比が、0.86〜0.88、0.93〜0.95、0.93〜0.95の範囲で変化する。すなわち、投影面の傾きを局所水平面に対して−40度、0度、+40度の3通りに変えたとき、いずれの場合においても、基線長の比が0.86〜0.95という1に近い範囲内におさまっている。
図6は、比較のため、6機すべての衛星の相対軌道が同一の平面上にある場合の相対軌道を示す模式図で、本発明の実施の形態2の効果を説明するためのものである。具体的には、衛星#1(符号9a)、#2(符号9b)、#3(符号9c)は図4と同じ相対軌道を描き、衛星#4(符号9d)、衛星#5(符号9e)、衛星#6(符号9f)は、同じ軌道面でそれぞれ衛星#2と衛星#3の中点、衛星#3と衛星#1の中点、衛星#1と衛星#2の中点に位置する。
図7は、この6衛星からなる組#3(符号)による編隊飛行の相対軌道が投影面に描く軌道を示す模式図であり、(a)、(b)、(c)は投影面の向きを変えたときの投影面上の軌跡である。図7では、(a)、(b)、(c)それぞれ、軌道一周回中に擬似クロストラック基線長のアロングトラック基線長に対する比が、0.86〜1.16、0.38〜0.51、0.94〜1.26の範囲で変化する。したがって、(b)では、擬似クロストラック方向に十分な基線を確保できない。このように、実施の形態2と異なり相対軌道が同一平面上にある衛星でひとつの組だけを構成するとき、観測方向によって擬似クロストラック方向に十分な基線を確保できない場合がある。
以上説明した実施の形態2の構成により、観測方向を変えても擬似クロストラック基線長のアロングトラック基線長に対する比が大きく変わらないような相対軌道を描くことができる。
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態3による相対軌道面と投影面との関係を示す模式図である。ここでは複数機の衛星の基準軌道に対する相対軌道が同一の平面上ある場合を対象とする。この平面のことを相対軌道面14とし、相対軌道面14はX軸を含んでY軸と角度θだけ傾いているものとする。
また15は複数の衛星による観測にとって都合のよいように設定する投影面であり、たとえば図に示すように各衛星の観測方向と直交するように投影面をとる。この投影面はX軸を含んでY軸と角度φだけ傾いているものとする。投影面上の衛星の運動は衛星に対して自然外乱および制御力が働かない場合には軌道力学から決まる楕円を描く。この楕円は衛星の軌道1周期で一周し、衛星の進行方向であるX軸方向と、それに直交する方向に主軸をもつ。その軸長比は次式(2)で求められる。
Figure 0004424190
したがって衛星の観測ミッションから、例えば、各衛星の観測方向と直交するように投影面をとり、投影面上の運動軌道を設定して、上式を満たすように相対軌道面の傾き角θを決定すると、投影面上で望ましい運動を実現することができる。たとえば2機の衛星でアロングトラック・インターフェロメトリSARとクロストラック・インターフェロメトリSARを軌道1周期中に交互に実現するには、定めた投影面の傾きφに対して、楕円の軸長比がほぼ1となるように相対軌道面の傾きθを決めればよい。軸長比=1のときには相
対軌道面の傾き角θは次式(3)、(4)の2通り、与えられる。
Figure 0004424190
Figure 0004424190
相対軌道面の傾きを決める方式は上記には限らないが、投影面を設定して投影面上の楕円運動を設定することにより、観測ミッションにとって都合のよい、例えば、投影面上の楕円の軸長比が0.5以上2以下となるように、相対軌道面を定めることができる。
以上述べた実施の形態3の構成によれば、衛星の観測方向において最適な相対軌道を実現することができる。
本発明の実施の形態1による相対軌道を示す模式図である。 本発明の実施の形態1によるアロングトラック・インターフェロメトリSARおよびクロストラック・インターフェロメトリSARの実現例である。 本発明の実施の形態1によるアロングトラック・インターフェロメトリSARおよびクロストラック・インターフェロメトリSARの別の実現例である。 本発明の実施の形態2による相対軌道を示す模式図である。 本発明の実施の形態2による編隊飛行の相対軌道が投影面に描く軌道を示す模式図である。 図4の比較のための相対軌道を示す模式図である。 図5の比較のための投影面に描く軌道を示す模式図である。 本発明の実施の形態3による編隊飛行の相対軌道面と投影面との関係を示す模式図である。
符号の説明
1 地球、2 基準軌道、3 原点、4 基準座標系、5 衛星#1、6 衛星#2、7 組#1、8 組#2、9 組#3、14 相対軌道面、15 投影面。

Claims (7)

  1. 観測ミッションから定まる基準軌道上を軌道周期で移動する点を原点として軌道座標系を定義し、前記原点から数十km程度の範囲内で編隊飛行する複数の衛星において、前記原点上を飛行する衛星を基準衛星とし、前記軌道座標系に対する相対的な軌道運動を利用して前記基準衛星以外の衛星を前記基準軌道の軌道面の面外方向に相対運動させる編隊飛行衛星の軌道制御装置であって、
    前記観測ミッションは、前記基準衛星の軌道の進行方向に衛星間距離をとって行う第一観測と、前記面外方向に衛星間距離をとって行う第二観測とを有し、
    前記第一観測を行うときは前記複数の衛星間がなす基線の前記進行方向の成分が前記面外方向の成分よりも大きく、前記第二観測を行うときは前記基線の前記面外方向の成分が前記進行方向の成分よりも大きいことを特徴とする編隊飛行衛星の軌道制御装置。
  2. 前記相対運動は、前記基準衛星以外の衛星が、前記軌道座標系において前記原点から前記進行方向に距離を有するとともに、軌道周回中に前記進行方向に対して対称な単振動の往復運動とすることを特徴とする請求項1に記載の編隊飛行衛星の軌道制御装置。
  3. 基準軌道の軌道面の昇交点および降交点で前記基準衛星以外の衛星の前記面外方向の基準衛星に対する相対距離が最大になるように両衛星の相対運動の位相を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の編隊飛行衛星の軌道制御装置。
  4. 前記複数の衛星から前記軌道座標系に対して決定される軌道である相対軌道が当該軌道座標系において同一平面上にある複数の衛星を選択して一つの組を構成するとき、当該組複数備えることを特徴とする請求項1に記載の編隊飛行衛星の軌道制御装置。
  5. 観測ミッションから定まる基準軌道上を軌道周期で移動する点を原点として軌道座標系を定義し、前記原点から数十km程度の範囲内で編隊飛行する複数の衛星において、前記原点上を飛行する衛星を基準衛星とし、前記軌道座標系に対する相対的な軌道運動を利用して前記基準衛星以外の衛星を前記基準軌道の軌道面の面外方向に相対運動させる編隊飛行衛星の軌道制御装置であって、
    前記観測ミッションは、前記基準衛星の軌道の進行方向に衛星間距離をとって行う第一観測と、前記面外方向に衛星間距離をとって行う第二観測とを有し、
    前記複数の衛星から選択した複数衛星の前記軌道座標系に対する軌道である相対軌道が同一の平面である相対軌道面上にあるとき、観測ミッションから定まる投影面を設定し、前記軌道座標系の進行方向と面外方向とで定まる局所水平面に対する前記相対軌道面の傾きを、前記局所水平面に対する前記投影面の傾きと、各衛星の相対軌道が前記投影面上に射影されて描く楕円の軸長比とから設定して、
    前記相対軌道上の前記複数の衛星で前記第一観測と前記第二観測とを軌道一周期中に交互に行うことを特徴とする編隊飛行衛星の軌道制御装置。
  6. 投影面の傾きに対して、上記楕円の軸長比が1となるように上記相対軌道面の局所水平面に対する傾きを決定することを特徴とする請求項に記載の編隊飛行衛星の軌道制御装置。
  7. 前記第一観測はアロングトラック・インターフェロメトリSARによる観測であって、前記第二観測はクロストラック・インターフェロメトリSARによる観測であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の編隊飛行衛星の軌道制御装置。
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