JP2003327000A - 4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置 - Google Patents

4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置

Info

Publication number
JP2003327000A
JP2003327000A JP2002137219A JP2002137219A JP2003327000A JP 2003327000 A JP2003327000 A JP 2003327000A JP 2002137219 A JP2002137219 A JP 2002137219A JP 2002137219 A JP2002137219 A JP 2002137219A JP 2003327000 A JP2003327000 A JP 2003327000A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
temperature
estimated
control
current value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002137219A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4207457B2 (ja
Inventor
Norio Iida
典男 飯田
Yoshiyuki Fukuda
佳之 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2002137219A priority Critical patent/JP4207457B2/ja
Publication of JP2003327000A publication Critical patent/JP2003327000A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4207457B2 publication Critical patent/JP4207457B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/84Data processing systems or methods, management, administration

Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御クラッチが設けられる駆動系の耐久性の
向上を確保しながら、限界域のトルク伝達が頻繁に行わ
れる走行シーンにおいて制御クラッチの滑りを防止する
ことで確実にクラッチ保護を達成することができる4輪
駆動車の前後輪トルク配分制御装置を提供すること。 【解決手段】 エンジン1から前後輪6,7,14,1
5に伝達されるトルク配分を制御する電磁クラッチ10
(制御クラッチ)を有する4輪駆動車において、前後輪
回転速度差△Vとクラッチ伝達トルクTEにより電磁クラ
ッチ10に加わる入力エネルギEを算出し、算出された
入力エネルギEの大きさに応じ、時間の経過と共に上昇
したり下降したりするクラッチ温度の変動を予測し、こ
の温度変動予測に基づいて算出されたクラッチ推定温度
T1nがクラッチ保護判定温度Tp以上になると、電磁クラ
ッチ10の滑りを抑えるLOCKモードに自動的に切り替
え、かつ、電磁クラッチ10への指令電流値Iを、ドラ
イバー選択により締結モードに切り替える場合の電流値
Iaよりも高い固定電流値Ibに設定するクラッチ保護制御
を行う手段とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御クラッチの締
結トルクを制御することにより前後輪への駆動トルク配
分を可変に制御する4輪駆動車に適用される前後輪トル
ク配分制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、前後輪に伝達されるトルク配分を
制御する電子制御クラッチを有する4輪駆動車で、駆動
輪から従動輪に駆動トルクが伝達される場合、一定値以
上のトルクが一定時間以上連続すると、保護制御を作動
するものが知られている。
【0003】この電子制御クラッチのうち、後輪駆動車
ベースの4輪駆動車に採用している電磁バルブで作り出
された制御油圧により締結される油圧クラッチ(特開平
04−103433号公報等参照)のように、大型の駆
動力配分アクチュエータを使う場合には、駆動トルクが
クラッチの伝達限界トルクに対し余裕があり、一定値以
上のトルクが一定時間以上連続すると保護制御作動を開
始してもあまり問題とはならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一定値
以上のトルクが一定時間以上連続すると保護制御作動が
開始する技術を、例えば、ソレノイド力を利用して締結
される電磁クラッチのように、小型・軽量の駆動力配分
アクチュエータを使う場合には、駆動トルクがクラッチ
の伝達限界トルクに対し余裕が無く、下記に述べるよう
に、電磁クラッチの温度保証による保護を考慮した制御
が必要となる。
【0005】特に、スポーツ・ユーティリティ・ビーク
ル(SUV)等の駆動系に電磁クラッチを採用する場
合、砂漠や雪道等の低μ路を走破する走行シーンにおい
て、電磁クラッチの限界トルク域での駆動トルク伝達を
頻繁に行う必要がある。
【0006】保護制御のためのトルクしきい値を小さ
な値に設定した場合には、小さいトルクが一定時間以上
連続すると保護制御が作動される制御となっているた
め、保護制御が不要であるにもかかわらず早期に保護制
御に入る。よって、温度保証による保護に対し過剰制御
となることで駆動トルクを十分に伝達できない。
【0007】保護制御のためのトルクしきい値を大き
な値に設定した場合には、大きいトルクが一定時間以上
連続すると保護制御が作動される制御となっているた
め、保護制御に入るタイミングが遅れる。
【0008】指令トルクがある一定値を下回る場合、
クラッチの推定温度がリセットされる制御となっている
ため、指令トルクがしきい値を下回る場合にはクラッチ
推定温度はリセットされるが、実クラッチ温度はすぐに
低下せず、その直後に指令トルクがしきい値を超え、そ
の直後に指令トルクがしきい値を下回るような状況が繰
り返されると、実クラッチ温度とクラッチ推定温度との
間に大きな乖離(かいり)が生じてしまう。
【0009】制御クラッチの温度保証による保護制御
として、制御クラッチを強く締結する締結モード(=LO
CKモード)に自動的に切り替えるようにした場合、モー
ド切替スイッチによりLOCKモードに切り替える場合の電
流指令値と同じ電流値を制御クラッチに印加すると、制
御クラッチの温度影響を受けてクラッチ滑りを生じ、制
御クラッチの保護機能が達成されないおそれがある。す
なわち、制御クラッチの摩擦材は高温になると摩擦係数
が低下し、加えて、ソレノイドは高温になると電気抵抗
が大きくなることで流れる電流が小さくなる。
【0010】本発明は、上記課題に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、制御クラッチが設けら
れる駆動系の耐久性の向上を確保しながら、限界域のト
ルク伝達が頻繁に行われる走行シーンにおいて制御クラ
ッチの滑りを防止することで確実にクラッチ保護を達成
することができる4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装
置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、駆動源から前後輪に伝達されるトルク
配分を制御する制御クラッチを有する4輪駆動車におい
て、クラッチ回転速度差とクラッチ伝達トルクにより制
御クラッチに加わる入力エネルギを算出し、算出された
入力エネルギの大きさに応じ、時間の経過と共に上昇し
たり下降したりするクラッチ温度の変動を予測し、この
温度変動予測に基づいて算出されたクラッチ推定温度が
クラッチ保護判定温度以上になると、制御クラッチの滑
りを抑える締結モードに自動的に切り替え、かつ、制御
クラッチへの指令電流値を、ドライバー選択により締結
モードに切り替える場合の電流値よりも高電流値に設定
するクラッチ保護制御手段を設けた。
【0012】ここで、「高電流値」に設定とは、ドライ
バー選択により締結モードに切り替える場合の電流値
に、一定の電流値を加えた固定電流値に設定しても良い
し、また、ドライバー選択により締結モードに切り替え
る場合の電流値に、クラッチ推定温度に応じた補正電流
値を加えた可変電流値に設定しても良い。
【0013】また、「クラッチ保護制御手段」は、「締
結モードへの自動切り替え」のみによるクラッチ保護制
御としても良いし、また、締結モードへの自動切り替え
にもかかわらずクラッチ推定温度が上昇するような場
合、「締結モードへの自動切り替え」+「制御クラッチ
解放」によるクラッチ保護制御としても良い。
【0014】
【発明の効果】本発明にあっては、選択操作による締結
モードの場合を含めて常に高電流値を印加する使い方を
すると、駆動系の耐久性に影響を及ぼすため、ドライバ
ー選択により締結モードに切り替えられた場合には電流
値を低く抑えている。そして、クラッチ推定温度がクラ
ッチ保護判定温度以上になる必要時にのみ高電流値を印
加することで、制御クラッチの温度影響(摩擦係数及び
ソレノイド電流の低下)を排除し、滑りの無い制御クラ
ッチの締結を確保している。
【0015】よって、制御クラッチが設けられる駆動系
の耐久性の向上を確保しながら、限界域のトルク伝達が
頻繁に行われる走行シーンにおいて制御クラッチの滑り
を防止することで確実にクラッチ保護を達成することが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明における4輪駆動車
の前後輪トルク配分制御装置を実現する実施の形態を図
面に基づいて説明する。なお、第1実施例は請求項1,
2に記載された発明に対応し、第2実施例は請求項1,
3,4に記載された発明に対応する。
【0017】(第1実施例)まず、構成を説明する。図
1は第1実施例における4輪駆動車の前後輪トルク配分
制御装置を示す全体システム図であり、1はエンジン、
2はトランスミッション、3はフロントディファレンシ
ャル、4,5はフロント側ドライブシャフト、6,7は
左右の前輪、8はトランスファー、9はプロペラシャフ
ト、10は電磁クラッチ(制御クラッチ)、11はリア
ディファレンシャル、12,13はリア側ドライブシャ
フト、14,15は左右の後輪である。
【0018】すなわち、エンジン及びトランスミッショ
ン2を経過した駆動トルクを、前輪6,7側に伝達する
FF車(フロントエンジン・フロントドライブ車)をベ
ースとし、電磁クラッチ10を介して後輪14,15に
エンジン駆動トルクの一部を伝達する4輪駆動車であ
り、駆動力配分比(%)は、電磁クラッチ10が締結解
放状態では、前輪:後輪=100:0(%)の前輪駆動
配分比であり、電磁クラッチ10が完全締結状態では、
前輪:後輪=50:50(%)の前後輪等配分比であ
り、電磁クラッチ10の締結度合いに応じて後輪配分比
が0%〜50%まで無段階に制御される。
【0019】前記電磁クラッチ10は、4WDコントロ
ーラ16からの駆動電流により制御され、4WDコント
ローラ16には、モード切替スイッチ17からのモード
スイッチ信号と、エンジン回転数センサ18からのエン
ジン回転数信号と、アクセル開度センサ19からのアク
セル開度信号と、左前輪速センサ20からの左前輪速信
号と、右前輪速センサ21からの右前輪速信号と、左後
輪速センサ22からの左後輪速信号と、右後輪速センサ
23からの右後輪速信号が入力され、4WDコントロー
ラ16からは、電磁クラッチ10のソレノイド24に対
し駆動電流が出力されると共に、インジケータ25に対
し表示指令が出力され、警告灯&警報26に対し点灯警
報指令が出力される。
【0020】図2は電磁クラッチ10を示す概略図であ
り、図3は電磁クラッチ10のカム機構を示す斜視図及
び作用説明図である。図2及び図3において、24はソ
レノイド、27はクラッチ入力軸、28はクラッチ出力
軸、29はクラッチハウジング、30はアーマチュア、
31はコントロールクラッチ、32はコントロールカ
ム、33はメインカム、34はボール、35はメインク
ラッチ、36はカム溝である。
【0021】前記クラッチ入力軸27は、一端部が前記
プロペラシャフト9に連結され、他端部がクラッチハウ
ジング29に固定され、前記クラッチ出力軸28は、前
記リアディファレンシャル11の入力ギアに固定されて
いる。
【0022】前記コントロールクラッチ31は、クラッ
チハウジング29とコントロールカム32との間に介装
されたクラッチで、前記メインクラッチ35は、クラッ
チハウジング29とクラッチ出力軸28との間に介装さ
れたクラッチである。
【0023】前記コントロールカム32と、メインカム
33と、両カム32,33に形成されたカム溝36,3
6の間に挟持されたボール34により、図3に示すよう
にカム機構が構成される。
【0024】ここで、電磁クラッチ10の締結作動につ
いて説明する。まず、4WDコントローラ16からの指
令により、ソレノイド24に電流が流されると、ソレノ
イド24の回りに磁界が発生し、アーマチュア30をコ
ントロールクラッチ31側に引き寄せる。この引き寄せ
られたアーマチュア30に押され、コントロールクラッ
チ31で摩擦トルクが発生し、コントロールクラッチ3
1で発生した摩擦トルクは、カム機構のコントロールカ
ム32に伝達される。コントロールカム32に伝達され
たトルクは、カム溝36,36及びボール34を介して
軸方向のトルクに増幅・変換され、メインカム33をフ
ロント方向に押し付ける。メインカム33がメインクラ
ッチ35を押し、メインクラッチ35に電流値に比例し
た摩擦トルクが発生する。メインクラッチ35で発生し
たトルクは、クラッチ出力軸28を経過し、駆動トルク
としてリアディファレンシャル11へと伝達される。
【0025】次に、作用を説明する。
【0026】[入力エネルギの算出処理]図4(イ)は
4WDコントローラ16で実行される入力エネルギの算
出処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステッ
プについて説明する(入力エネルギ算出手段に相当)。
【0027】ステップS1では、左前輪速センサ20か
らの左前輪速VFLと、右前輪速センサ21からの右前輪
速VFRと、左後輪速センサ22からの左後輪速VRLと、右
後輪速センサ23からの右後輪速VRRと、4WDコント
ローラ16からソレノイド24に対して出力される駆動
電流Aが20msec毎に読み込まれる。
【0028】ステップS2では、単位入力エネルギEn
が、クラッチ伝達トルクTEと前後輪回転速度差△V(ク
ラッチ回転速度差)を掛け合わせることで算出される。
【0029】ここで、クラッチ伝達トルクTEは、駆動電
流Aを用いた関数f(A)により算出される(クラッチ伝
達トルク推定手段)。
【0030】また、前後輪回転速度差△Vは、左右前輪
速平均値と左右後輪速平均値との差により算出される
(クラッチ回転速度差検出手段)。
【0031】ステップS3では、ステップS2で算出さ
れた単位入力エネルギEnがメモリ(RAM)に書き込ま
れる。
【0032】ステップS4では、カウント値Nに1が加
算されてN+1とされる。
【0033】ステップS5では、カウント値Nが設定カ
ウント値N0(例えば、32)以上か否かを判断し、NOの
場合はステップS1へ戻り、YESの場合はステップS
6へ移行する。
【0034】ステップS6では、カウント値NがN=0
にクリアされる。
【0035】ステップS7では、入力エネルギEがメモ
リされている単位入力エネルギEnの平均値演算により算
出される。すなわち、設定カウント値N0が32の場合に
は、入力エネルギEは、640msec(=20msec×32)間の
単位入力エネルギEnの平均値となる(図7参照)。
【0036】[クラッチ保護制御処理]図4(ロ)は4
WDコントローラ16で実行されるクラッチ保護制御処
理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップに
ついて説明する。なお、この処理は、640msec/ルーチン
で実行される。
【0037】ステップS10では、図4(イ)のフロー
チャートで求められた入力エネルギEと車速Vが読み込
まれる。
【0038】ステップS11では、車速Vが設定車速VO
以上か否かを判断し、YESの場合にはステップS12
へ進み、クラッチ推定温度T1を初期温度T0に設定してク
ラッチ推定温度T1の算出が中止され初期状態にリセット
される。ここで、設定車速V0は、クラッチ温度の推定を
許容する上限車速値により決められる。また、ステップ
S11でNOの場合はステップS13に移行する。
【0039】ステップS13では、入力エネルギEが加
算判断基準値E0以上か否かを判断し、YESの場合はス
テップS14〜ステップS17の温度上昇側推定処理に
移行し、NOの場合はステップS18〜ステップS21
の温度下降側推定処理に移行する。ここで、加算判断基
準値E0は、発熱量と放熱量とがほぼ同じであり、クラッ
チ温度がほぼ一定の温度となる入力エネルギEの判断し
きい値として設定されるもので、クラッチ固有の固定値
として与えるものとする。
【0040】ステップS14では、加算判断基準値E0に
対する入力エネルギEの増加量(=E−E0)を温度上昇
量に換算した暫定温度上昇量△T1upを、クラッチ推定温
度T1(最初の推定時は初期温度T0)に加算して、その時
の暫定クラッチ推定温度T1zが算出される。
【0041】ステップS15では、その時の暫定クラッ
チ推定温度T1zにより温度上昇係数Kupが設定される。つ
まり、図5に示すように、その時の暫定クラッチ推定温
度T1zが実用走行温度域であるときには、実温度勾配よ
りも緩い温度上昇係数Kup1とされ、その時のクラッチ推
定温度T1が高負荷温度域であるときには、実温度勾配よ
りも急な温度上昇係数Kup2とされる。
【0042】ステップS16では、ステップS15で設
定された温度上昇係数Kupと暫定温度上昇量△T1upとの
積により温度上昇量△Tupが算出される。
【0043】ステップS17では、今回のクラッチ推定
温度T1nが、前回のクラッチ推定温度T1に温度上昇量△T
upを加算することで算出される。
【0044】ステップS18では、加算判断基準値E0に
対する入力エネルギEの減少量を一定値とし、その一定
値を温度下降量に換算した暫定温度下降量△T1dnを、ク
ラッチ推定温度T1(最初の推定時は初期温度T0)から減
算して、その時の暫定クラッチ推定温度T1zが算出され
る。
【0045】ステップS19では、その時の暫定クラッ
チ推定温度T1zにより温度下降係数Kdnが設定される。つ
まり、図5に示すように、その時の暫定クラッチ推定温
度T1zが実用走行温度域であるときには、実温度勾配よ
りも急な温度下降係数Kdn1とされ、その時のクラッチ推
定温度T1が高負荷温度域であるときには、実温度勾配よ
りも緩い温度下降係数Kdn2とされる。
【0046】ステップS20では、ステップS19で設
定された温度下降係数Kdnと暫定温度下降量△T1dn(一
定値)との積により温度下降量△Tdnが算出される。
【0047】ステップS21では、今回のクラッチ推定
温度T1nが、前回のクラッチ推定温度T1に温度下降量△T
dnを減算することで算出される。
【0048】なお、ステップS10〜ステップS21
は、クラッチ推定温度算出手段に相当する。
【0049】ステップS22では、ステップS17もし
くはステップS21で算出されたクラッチ推定温度T1n
がクラッチ保護判定温度Tp以上か否かを判断し、NOの
場合はENDへ移行し、YESの場合は、ステップS2
3以降のクラッチ保護処理へ移行する。
【0050】ステップS23では、モード切替スイッチ
17により選択されているモードがAUTOモード(走行状
態に応じて4輪締結トルク配分を自動的に切り替えるモ
ード)か否かが判断され、NOの場合は(LOCKモードが
選択されている場合は)、ステップS25へ移行し、Y
ESの場合はステップS24へ移行する。
【0051】ステップS24では、AUTOモードからLOCK
モード(4輪締結トルク固定モード)に自動的に切り替
え、ステップS25へ移行する。
【0052】ステップS25では、クラッチ推定温度T1
nが所定値以上になった時の必要締結トルクTaを設定
し、高温状態でこの必要締結トルクTaが得られる固定指
令電流Ibを電磁クラッチ10のソレノイド24に印加す
る。
【0053】すなわち、図6に示すように、モード切替
スイッチ17により選択されているモードがLOCKモード
である場合、常温時(例えば、50℃)において必要締結
トルクTaが得られる指令電流Iaを電磁クラッチ10のソ
レノイド24に印加するのに対し、高温時(例えば、14
0℃)において必要締結トルクTaが得られる固定指令電
流Ib(=Ia+△I)を電磁クラッチ10のソレノイド2
4に印加する。
【0054】なお、ステップS22〜ステップS25
は、請求項2のクラッチ保護制御手段に相当する。ま
た、ステップS25において、クラッチ保護制御中であ
ることをドライバに知らせるため、ランプ点灯及び警報
を併用しても良い(図7)。
【0055】[電磁クラッチの温度推定作用]例えば、
砂漠等を走破するときには、図4(イ)のステップS2
において、電磁クラッチ10の入出力軸間の相対回転速
度差が前後輪回転速度差△Vにより算出され、電磁クラ
ッチ10を介して伝達されるクラッチ伝達トルクTEが駆
動電流Aに基づいて推定され、電磁クラッチ7に加わる
単位入力エネルギEnが、クラッチ伝達トルクTEと前後輪
回転速度差△Vを掛け合わせることで算出され、ステッ
プS7において、入力エネルギEがメモリされている単
位入力エネルギEnの平均値演算により算出される。
【0056】そして、図4(ロ)のフローチャートにお
いて、算出された入力エネルギEの大きさに応じ、時間
の経過と共に上昇したり下降したりするクラッチ温度の
変動が予測され、この温度変動予測に基づき、ステップ
S17またはステップS21において、今回のクラッチ
推定温度T1nが算出される。
【0057】すなわち、図7のエネルギ(ENERGY)に示
すように、20msec毎の単位入力エネルギEnが32本算出さ
れ、640msec間の単位入力エネルギEnの平均値により入
力エネルギEが計算され、図7の温度加減判断に示すよ
うに、入力エネルギEが加算判断基準値E0以上であると
推定温度を上げ、入力エネルギEが加算判断基準値E0未
満であると推定温度を下げるというように、入力エネル
ギEの大小を比較することでクラッチ推定温度が算出さ
れる。
【0058】よって、クラッチ固有の温度特性により決
められる加算判断基準値E0に対し入力エネルギEの大小
比較によりクラッチ温度を推定する手法を採用している
ため、熱収支の細かな影響を無視することができる。
【0059】さらに、クラッチ温度を推定するにあたっ
て、図5に示すように、その時の暫定クラッチ推定温度
T1zが実用走行温度域であるときには、実温度勾配より
も緩い温度上昇係数Kup1と実温度勾配よりも急な温度下
降係数Kdn1とされ、その時の暫定クラッチ推定温度T1z
が高負荷温度域であるときには、実温度勾配よりも急な
温度上昇係数Kup2と実温度勾配よりも緩い温度下降係数
Kdn2とされる。
【0060】このため、砂路や深雪路等の走行時で、暫
定クラッチ推定温度T1zが高負荷温度域であるときに
は、実温度勾配よりも急な温度上昇係数Kup2により高め
の推定温度となり、また、実温度勾配よりも緩い温度下
降係数Kdn2とすることで推定温度の低下が小さく抑えら
れるため、限界使用域付近では、実際よりも厳しめにク
ラッチ温度が見積もられることになる。
【0061】一方、通常走行時等で、暫定クラッチ推定
温度T1zが実用走行温度域であるときには、実温度勾配
よりも緩い温度上昇係数Kup1により推定温度を高負荷温
度域の推定温度に連続させており、また、実温度勾配よ
りも急な温度下降係数Kdn1とすることで推定温度が早期
にリセット方向に低下させられるため、推定温度と実温
度との誤差が広がることで発生する実用走行温度域での
クラッチ保護制御の誤作動を防止することができる。
【0062】[電磁クラッチの保護制御作用]上記のよ
うに、ステップS17またはステップS21において、
温度センサを用いることなく今回のクラッチ推定温度T1
nが精度良く算出されると、次のステップS22におい
て、算出された今回のクラッチ推定温度T1nがクラッチ
保護判定温度Tp以上か否かが判断される。
【0063】低μ路走行シーン等で、滑りを伴うトルク
伝達により電磁クラッチ10の温度が上昇し、ステップ
S22において、算出された今回のクラッチ推定温度T1
nがクラッチ保護判定温度Tp以上と判断されると、クラ
ッチ温度を降下させるクラッチ保護制御として、ステッ
プS24において、AUTOモードからLOCKモードに自動的
に切り替えられ、ステップS25において、電磁クラッ
チ10を固定指令電流Ibにより強く締結する制御が行わ
れる。
【0064】すなわち、図6は電磁クラッチ10の指令
電流Iに対する締結トルクTの関係を示す特性で、図6
において、 Ta:AUTOモード時の締結トルク上限値(=LOCKモード選
択時の締結値) Tb:電磁クラッチ10の高温対応指令電流Ibでの常温に
換算した締結トルク Ta':指令電流Iaとした場合に電磁クラッチ10が高温
である時の締結トルク Ia:常温時のAUTOモードの電流上限値(=LOCKモード選
択時の電流値) Ib:クラッチ保護制御でのLOCKモード時の電流値(=Ia
+△I) である。
【0065】滑りやすい路面を走行するシーンにおい
て、急発進等を繰り返すと、電磁クラッチ10に高負荷
が連続してかかるため、クラッチ温度上昇が発生し、電
磁クラッチ10を保護するための制御が働く。このクラ
ッチ保護制御として、AUTOモードからLOCKモードへ切り
替えて指令電流Iaを印加しても、常温時の締結トルクTa
に比べ、高温時には締結トルクTがTaからTa'へと低下
するため、大トルクエンジンでは、電磁クラッチ10に
滑りが発生し、クラッチ温度が上昇してしまう。
【0066】これに対し、高温時には指令電流Iを、Ia
からIbへ高めることで、常温時の指令電流Iaに対する締
結トルクTaを確保することができる。尚、同一指令電流
でも、電磁クラッチ10が高温になることで締結トルク
Tが低下してしまうのは、 電磁クラッチ10内のクラッチ部分の摩擦材(コント
ロールクラッチ31及びメインクラッチ35)が高温に
なると摩擦係数が低下する。 電磁クラッチ10内のソレノイド24が高温になる
と、電気抵抗が大きくなり実電流値が低下する。 を原因としている。
【0067】一方、モード切替スイッチ17への選択操
作によるLOCKモード時においても、高温時のLOCKモード
の場合と同様に固定電流値Ibを印加しておくという案が
ある。この場合、大トルクエンジンでも高温時に電磁ク
ラッチ10の滑りを防止することが可能である。
【0068】しかし、電磁クラッチ10の温度が上昇し
ていない状況で、電磁クラッチ10の締結トルクを高く
すると、前記電磁クラッチ10の高温時に対応する固定
指令電流Ibでの常温に換算した締結トルクTbが駆動系に
伝達されることになり、駆動系伝達トルクが高くなって
しまうことで、駆動系の耐久性に対して影響を及ぼすこ
とになる。これに対し、締結トルクTbが伝達されても駆
動系の耐久性を確保するには、全ての駆動系部品の耐強
度を高める必要があり、コスト及び重量的にも不利にな
る。
【0069】次に、効果を説明する。
【0070】(1) エンジン1から前後輪6,7,14,
15に伝達されるトルク配分を制御する電磁クラッチ1
0を有する4輪駆動車において、前後輪回転速度差△V
とクラッチ伝達トルクTEにより電磁クラッチ10に加わ
る入力エネルギEを算出し、算出された入力エネルギE
の大きさに応じ、時間の経過と共に上昇したり下降した
りするクラッチ温度の変動を予測し、この温度変動予測
に基づいて算出されたクラッチ推定温度T1nがクラッチ
保護判定温度Tp以上になると、電磁クラッチ10の滑り
を抑えるLOCKモードに自動的に切り替え、かつ、電磁ク
ラッチ10への指令電流値Iを、ドライバー選択により
締結モードに切り替える場合の電流値Iaよりも高い固定
電流値Ibに設定するクラッチ保護制御を行うため、 電磁クラッチ10の温度特性によるクラッチ滑りを防
止し、クラッチ温度上昇に対するクラッチ保護を確実に
実施することができる。 電磁クラッチ10の保護制御として、クラッチ解放で
はなく、LOCKモードへの自動切り替えを採用したため、
クラッチ保護制御に入っても4輪駆動状態が維持される
ことになり、滑りやすい路面を走行する時間が長く確保
できる。 駆動系の強度アップを図ることなく、駆動系の耐久性
への影響を抑制することができる。という長所が併せて
得られる。
【0071】(2) クラッチ保護制御時の電磁クラッチ1
0への指令電流値Iを、ドライバー選択により締結モー
ドに切り替える場合の電流値Iaに一定の電流値△Iを加
えた固定電流値Ibとしたため、LOCKモードでの指令電流
値としてIaとIbの2つの値を設定しておくだけで、簡単
に前記(1)の効果を奏するクラッチ保護制御を実行する
ことができる。
【0072】(第2実施例)この第2実施例は、クラッ
チ保護制御として、クラッチ推定温度T1nがクラッチ保
護判定温度Tp以上になると、LOCKモードとして電磁クラ
ッチ10をクラッチ推定温度T1nの大きさに応じて強く
締結し、さらに、LOCKモードに切り替えてもクラッチ推
定温度T1nがクラッチ限界判定温度Tc以上になると、電
磁クラッチ10を解放する制御(2WD)を行う例であ
る。
【0073】なお、図1ないし図3に示す構成は、第1
実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0074】次に、作用を説明する。
【0075】まず、第2実施例の4WDコントローラ1
6で実行される入力エネルギの算出処理については、図
4に示す第1実施例のフローチャートによりなされるの
で、図示並びに説明を省略する。
【0076】[クラッチ保護制御処理]図8は第2実施
例の4WDコントローラ16で実行されるクラッチ保護
制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステ
ップについて説明する。なお、この処理は、640msec/ル
ーチンで実行される。また、ステップS30〜ステップ
S44の各ステップは、図4(ロ)のフローチャートに
おけるステップS10〜ステップS24の各ステップと
同じ処理であるため、説明を省略する。
【0077】ステップS45では、ステップS37もし
くはステップS41で算出された今回のクラッチ推定温
度T1nが、クラッチ限界判定温度Tc以上か否かを判断
し、YESの場合はステップS46へ移行し、NOの場
合はステップ842へ移行する(クラッチ限界判定手
段)。
【0078】ステップS46では、ステップS45にて
クラッチ推定温度T1nがクラッチ限界判定温度Tc以上で
あるとの判断に基づき、クラッチ保護処理として4WD
トルク=0(指令電流値I=0)とされ、電磁クラッチ
10が解放状態とされ、ステップS47へ移行する(請
求項4のクラッチ保護制御手段)。
【0079】ステップS47では、警告灯&警報26に
対しランプ点滅および警報作動によりクラッチ解放によ
る保護制御モードであることがドライバに知らされる。
【0080】ステップS48では、クラッチ推定温度T1
nがクラッチ保護判定温度Tp以上になった時の必要締結
トルク(Ta1〜Ta2)をクラッチ推定温度T1nに応じて設
定し、クラッチ推定温度T1nが、クラッチ保護判定温度T
p〜クラッチ限界判定温度Tcの範囲内の高温状態でこの
必要締結トルク(Ta1〜Ta2)が得られる可変指令電流I
b'を電磁クラッチ10のソレノイド24に印加する。
【0081】すなわち、図9に示すように、クラッチ推
定温度T1nが、クラッチ保護判定温度Tp〜クラッチ限界
判定温度Tcの範囲内の高温状態にある場合、クラッチ保
護判定温度Tpでの必要締結トルクTa1からクラッチ限界
判定温度Tcでの必要締結トルクTa2までクラッチ推定温
度T1nに比例して必要締結トルクTを決め、決められた
必要締結トルクTを得る可変指令電流Ib'を算出し(あ
るいは、T−Iマップを検索し)、可変指令電流Ib'を
電磁クラッチ10のソレノイド24に印加する。なお、
ステップS42,ステップS43,ステップS44,ス
テップS48は、請求項3のクラッチ保護制御手段に相
当する。
【0082】[電磁クラッチの保護制御作用]第2実施
例のクラッチ保護制御においては、AUTOモードの選択時
で、クラッチ推定温度T1nがクラッチ保護判定温度Tp以
上になると、図8のフローチャートにおいて、ステップ
S45→ステップS42→ステップS43→ステップS
44→ステップS48へと進む流れとなり、ステップS
43では、AUTOモードからLOCKモードに切り替えられ、
ステップS48では、クラッチ推定温度T1nに応じた可
変指令電流Ib'が電磁クラッチ10のソレノイド24に
印加される。
【0083】すなわち、クラッチ温度が高い程、同じ指
令電流を加えても締結トルクが低下するのに合わせて、
クラッチ推定温度T1nに応じた可変指令電流Ib'により安
定して滑りの無い電磁クラッチ10の締結が確保され
る。
【0084】しかし、このLOCKモードへの自動切り替え
による第1段階のクラッチ保護制御を行っても、大トル
クエンジン搭載車で、必要締結トルクTを超えるような
駆動トルクが電磁クラッチ10に伝達されると、電磁ク
ラッチ10に滑りが生じ、クラッチ推定温度T1nが徐々
に上昇し、クラッチ保護判定温度Tpより高い温度に設定
されたクラッチ限界判定温度Tcに達することがあり得
る。
【0085】このように、クラッチ推定温度T1nがクラ
ッチ保護判定温度Tp以上になると、図8のフローチャー
トにおいて、ステップS45→ステップS46→ステッ
プS47へと進む流れとなり、ステップS46では電磁
クラッチ10が解放され、ステップS47では、警告灯
&警報26に対しランプ点滅および警報作動によりクラ
ッチ解放による保護制御モードであることがドライバに
知らされる。
【0086】すなわち、クラッチ推定温度T1nの上昇勾
配が急な場合、クラッチ保護判定温度Tp以上になると、
クラッチ締結力を強くしクラッチ回転速度差を小さく抑
えて、クラッチ推定温度T1nの上昇勾配を緩やかにする
ことで、4輪駆動状態での走行距離や走行時間をなるべ
く長く確保するが、この第1段階でのクラッチ保護制御
でもさらにクラッチ推定温度T1nが上昇する場合は、電
磁クラッチ10を解放する第2段階のクラッチ保護制御
を行うことで、電磁クラッチ10が温度保証の限界を超
える高温状態になるのを回避することができる。
【0087】次に、効果を説明する。この第2実施例の
4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置にあっては、第
1実施例の(1)の効果に加え、下記の効果が得られる。
【0088】(3) クラッチ保護制御時の電磁クラッチ1
0への指令電流値Iを、ドライバー選択により締結モー
ドに切り替える場合の電流値Iaにクラッチ推定温度T1n
に応じた補正電流値を加えた可変電流値Ib'としたた
め、クラッチ保護制御でのLOCKモード時にクラッチ推定
温度T1nの変化にかかわらず一定のクラッチ締結トルク
を得ることができる。
【0089】(4) クラッチ保護判定温度Tpより高い温度
としてクラッチ限界判定温度Tcを設定し、クラッチ推定
温度T1nがクラッチ保護判定温度Tp以上になり、LOCKモ
ードへの自動切り替えにもかかわらずクラッチ推定温度
T1nが上昇し、クラッチ推定温度T1nがクラッチ限界判定
温度Tcに達すると電磁クラッチ10を解放するクラッチ
保護制御を行うようにしたため、4輪駆動状態での走行
距離(時間)を確保しながら、確実に電磁クラッチ10
の温度保証による保護を達成することができる。
【0090】以上、本発明の4輪駆動車の前後輪トルク
配分制御装置を第1実施例及び第2実施例に基づき説明
してきたが、具体的な構成については、これらの実施例
に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に
係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等
は許容される。
【0091】例えば、第1及び第2実施例では、前輪駆
動ベースによる前後輪トルク配分制御装置の例を示した
が、後輪駆動ベースによる前後輪トルク配分制御装置
や、前輪駆動系と後輪駆動系にそれぞれ制御クラッチを
設けて前後輪のトルク配分を制御する装置にも適用する
ことができる。
【0092】また、第1及び第2実施例では、制御クラ
ッチとして電磁クラッチを用いる例を示したが、クラッ
チ温度の影響受けやすい位置に設けられた電磁バルブで
作り出された制御油圧により締結される油圧クラッチ等
であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における4輪駆動車の前後輪トルク
配分制御装置を示す全体システム図である。
【図2】4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置に用い
られた電磁クラッチを示す概略図である。
【図3】4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置に用い
られた電磁クラッチのカム機構を示す斜視図である。
【図4】4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置に用い
られた4WDコントローラで行われる入力エネルギ算出
処理の流れ及びクラッチ保護制御処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図5】温度上昇量や温度下降量の算出で用いられる温
度勾配係数によるクラッチ推定温度と実クラッチ温度と
の比較特性を示す図である。
【図6】常温時における電磁クラッチへのソレノイド電
流に対する締結トルク特性と高温時における電磁クラッ
チへのソレノイド電流に対する締結トルク特性を示す対
比特性図である。
【図7】第1実施例での4輪駆動車の前後輪トルク配分
制御装置での入力エネルギ算出、温度加減判断、温度変
動量の算出、推定温度の算出、クラッチ保護中フラグを
示すタイムチャートである。
【図8】第2実施例の4輪駆動車の前後輪トルク配分制
御装置に用いられた4WDコントローラで行われるクラ
ッチ保護制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2実施例装置におけるクラッチ保護制御が必
要な高温域のクラッチ推定温度に対する必要締結トルク
特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トランスミッション 3 フロントディファレンシャル 4,5 フロント側ドライブシャフト 6,7 左右の前輪 8 トランスファー 9 プロペラシャフト 10 電磁クラッチ(制御クラッチ) 11 リアディファレンシャル 12,13 リア側ドライブシャフト 14,15 左右の後輪 16 4WDコントローラ 17 モード切替スイッチ 18 エンジン回転数センサ 19 アクセル開度センサ 20 左前輪速センサ 21 右前輪速センサ 22 左後輪速センサ 23 右後輪速センサ 24 ソレノイド 25 インジケータ 26 警告灯&警報 27 クラッチ入力軸 28 クラッチ出力軸 29 クラッチハウジング 30 アーマチュア 31 コントロールクラッチ 32 コントロールカム 33 メインカム 34 ボール 35 メインクラッチ 36 カム溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D043 AA07 AB01 AB17 EA02 EA18 EA39 EA42 EE03 EF09 EF12 EF14 EF19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源から前後輪に伝達されるトルク配
    分を制御する制御クラッチを有する4輪駆動車におい
    て、 前記制御クラッチの入出力軸間の相対回転速度差を検出
    するクラッチ回転速度差検出手段と、 前記制御クラッチを介して伝達される駆動トルクを推定
    するクラッチ伝達トルク推定手段と、 前記クラッチ回転速度差とクラッチ伝達トルクにより前
    記電磁クラッチに加わる入力エネルギを算出する入力エ
    ネルギ算出手段と、 算出された入力エネルギの大きさに応じ、時間の経過と
    共に上昇したり下降したりするクラッチ温度の変動を予
    測し、この温度変動予測に基づいてクラッチ推定温度を
    算出するクラッチ推定温度算出手段と、 算出されたクラッチ推定温度がクラッチ保護判定温度以
    上になると、クラッチ温度を降下させるクラッチ保護制
    御を行うクラッチ保護制御手段とを備え、 前記クラッチ保護制御手段は、クラッチ推定温度がクラ
    ッチ保護判定温度以上になると、制御クラッチの滑りを
    抑える締結モードに自動的に切り替え、かつ、制御クラ
    ッチへの指令電流値を、ドライバー選択により締結モー
    ドに切り替える場合の電流値よりも高電流値に設定する
    ことを特徴とする4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の4輪駆動車の前後輪ト
    ルク配分制御装置において、 前記クラッチ保護制御手段は、クラッチ推定温度がクラ
    ッチ保護判定温度以上になると、制御クラッチの滑りを
    抑える締結モードに自動的に切り替え、かつ、制御クラ
    ッチへの指令電流値を、ドライバー選択により締結モー
    ドに切り替える場合の電流値に一定の電流値を加えた固
    定電流値に設定することを特徴とする4輪駆動車の前後
    輪トルク配分制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の4輪駆動車の前後輪ト
    ルク配分制御装置において、 前記クラッチ保護制御手段は、クラッチ推定温度がクラ
    ッチ保護判定温度以上になると、制御クラッチの滑りを
    抑える締結モードに自動的に切り替え、かつ、制御クラ
    ッチへの指令電流値を、ドライバー選択により締結モー
    ドに切り替える場合の電流値にクラッチ推定温度に応じ
    た補正電流値を加えた可変電流値に設定することを特徴
    とする4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかに記載の4輪
    駆動車の前後輪トルク配分制御装置において、 前記クラッチ推定温度が、クラッチ保護判定温度より高
    い温度としてクラッチ限界判定温度以上かどうかを判断
    するクラッチ限界判定手段を設け、 前記クラッチ保護制御手段は、クラッチ推定温度がクラ
    ッチ保護判定温度以上になり、制御クラッチの滑りを抑
    える締結モードへの自動切り替えにもかかわらずクラッ
    チ推定温度が上昇し、クラッチ推定温度がクラッチ限界
    判定温度に達した場合、制御クラッチの締結を解放する
    ことを特徴とする4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装
    置。
JP2002137219A 2002-05-13 2002-05-13 4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置 Expired - Fee Related JP4207457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002137219A JP4207457B2 (ja) 2002-05-13 2002-05-13 4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002137219A JP4207457B2 (ja) 2002-05-13 2002-05-13 4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003327000A true JP2003327000A (ja) 2003-11-19
JP4207457B2 JP4207457B2 (ja) 2009-01-14

Family

ID=29699039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002137219A Expired - Fee Related JP4207457B2 (ja) 2002-05-13 2002-05-13 4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4207457B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007038798A (ja) * 2005-08-02 2007-02-15 Jtekt Corp 駆動力配分装置
JP2007038951A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Suzuki Motor Corp 車両の駆動力配分制御装置
JP2007216757A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 トルク配分制御装置
JP2009073434A (ja) * 2007-09-24 2009-04-09 Toyota Motor Corp 車両の駆動力配分制御装置
JP2009097662A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Jtekt Corp 駆動力伝達装置
JP2011218988A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Nissan Motor Co Ltd 四輪駆動車両の左右輪駆動力配分制御装置
US8073604B2 (en) 2008-04-30 2011-12-06 Hyundai Motor Company Method and system for protecting a starting clutch
DE102011006168A1 (de) * 2011-03-25 2012-09-27 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Schutzfunktion für eine Allradkupplung eines Kraftfahrzeugs mit Prädiktion einer mit der thermischen Belastung der Allradkupplung zusammenhängenden Größe
KR101441816B1 (ko) 2013-07-26 2014-10-30 현대위아 주식회사 차량의 다판 클러치 보호기능을 가지는 4륜 구동시스템 및 이를 이용한 4륜 구동방법
WO2015052808A1 (ja) 2013-10-10 2015-04-16 日産自動車株式会社 4輪駆動電動車両の制御装置
JP7392475B2 (ja) 2020-01-06 2023-12-06 株式会社ジェイテクト 車両用制御装置

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007038798A (ja) * 2005-08-02 2007-02-15 Jtekt Corp 駆動力配分装置
JP4542964B2 (ja) * 2005-08-02 2010-09-15 株式会社ジェイテクト 駆動力配分装置
JP2007038951A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Suzuki Motor Corp 車両の駆動力配分制御装置
JP4600670B2 (ja) * 2005-08-05 2010-12-15 スズキ株式会社 車両の駆動力配分制御装置
JP2007216757A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 トルク配分制御装置
JP2009073434A (ja) * 2007-09-24 2009-04-09 Toyota Motor Corp 車両の駆動力配分制御装置
JP2009097662A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Jtekt Corp 駆動力伝達装置
US8073604B2 (en) 2008-04-30 2011-12-06 Hyundai Motor Company Method and system for protecting a starting clutch
JP2011218988A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Nissan Motor Co Ltd 四輪駆動車両の左右輪駆動力配分制御装置
DE102011006168A1 (de) * 2011-03-25 2012-09-27 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Schutzfunktion für eine Allradkupplung eines Kraftfahrzeugs mit Prädiktion einer mit der thermischen Belastung der Allradkupplung zusammenhängenden Größe
DE102011006168B4 (de) 2011-03-25 2022-05-12 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zum Schutz einer Allradkupplung und Steuergerät mit einer Funktion zum Schutz einer Allradkupplung
KR101441816B1 (ko) 2013-07-26 2014-10-30 현대위아 주식회사 차량의 다판 클러치 보호기능을 가지는 4륜 구동시스템 및 이를 이용한 4륜 구동방법
WO2015052808A1 (ja) 2013-10-10 2015-04-16 日産自動車株式会社 4輪駆動電動車両の制御装置
CN105658463A (zh) * 2013-10-10 2016-06-08 日产自动车株式会社 四轮驱动电动车辆的控制装置
EP3056372A1 (en) * 2013-10-10 2016-08-17 Nissan Motor Co., Ltd Control device for four-wheel drive electric vehicle
RU2623284C1 (ru) * 2013-10-10 2017-06-23 Ниссан Мотор Ко., Лтд. Устройство управления для электрического транспортного средства с приводом на четыре колеса
US9776623B2 (en) 2013-10-10 2017-10-03 Nissan Motor Co., Ltd. Four-wheel drive electric vehicle control device
JP7392475B2 (ja) 2020-01-06 2023-12-06 株式会社ジェイテクト 車両用制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4207457B2 (ja) 2009-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7556587B2 (en) Hill hold for a vehicle
KR100466380B1 (ko) 클러치 온도 추정 장치 및 방법
RU2537203C2 (ru) Устройство управления силовой передачей
KR100549477B1 (ko) 차량 구동력 제어 장치
US8202199B2 (en) Rapid acceleration control apparatus
US9187075B2 (en) Protection of an all-wheel clutch of a motor vehicle having a clutch-controlled all-wheel drive during a critical power braking situation including a clutch slip
JP3525879B2 (ja) 4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置
JP4207457B2 (ja) 4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置
US6745885B2 (en) Power distribution control apparatus for four-wheel drive vehicle and a method for controlling the apparatus
KR101611079B1 (ko) 강제 크립 주행을 통한 클러치 과열 방지 방법 및 그 시스템
JPH106818A (ja) トルク伝達系の制御装置及び方法
WO2013164900A1 (ja) 履帯式作業車両
JP3575429B2 (ja) 4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置
KR20160133162A (ko) 차량의 클러치 제어방법
US8868308B2 (en) Method for controlling the operation of a means of mechanically coupling the first and second axles of a motor vehicle
WO2014034280A1 (ja) 自動変速機の制御装置および自動変速機の制御方法
RU2719104C1 (ru) Способ управления сцеплением транспортного средства с приводом на четыре колеса и устройство управления сцеплением
JP2007276575A (ja) 車両の制御装置
JPH0333553A (ja) 車両のスリップ制御装置
JP3582491B2 (ja) クラッチ温度推定装置
KR101878028B1 (ko) 차량용 클러치 과열 방지방법
US9174573B1 (en) Method and system to coach driver of manual transmission vehicle
JP2011218988A (ja) 四輪駆動車両の左右輪駆動力配分制御装置
JP2004352112A (ja) ブレーキ制御装置
JPH05104972A (ja) 差動制限装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050425

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080610

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080930

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081013

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131031

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees