JP2003326940A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2003326940A
JP2003326940A JP2002138557A JP2002138557A JP2003326940A JP 2003326940 A JP2003326940 A JP 2003326940A JP 2002138557 A JP2002138557 A JP 2002138557A JP 2002138557 A JP2002138557 A JP 2002138557A JP 2003326940 A JP2003326940 A JP 2003326940A
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Tetsuo Omura
哲郎 大村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価なスイッチング手段を用いることなく、
エンジン停止後に空気の流通経路を変更可能な車両用空
調装置を提供する。 【解決手段】 車両用空調装置1は、車両運転停止後
に、まずパワーMOSFET5をオン状態にして(S2
50)、モータ14を駆動して運転席デフロスト用開閉
ドア38(運転席用デフロスト吹出口42)を閉塞状態
に設定する(S260)。開閉ドア38を閉塞状態に設
定した後(S240で肯定判定)、モータ16を駆動し
て助手席デフロスト用開閉ドア39(助手席用デフロス
ト吹出口43)を閉塞状態に設定する(S300)。こ
の結果、デフロスト吹出口を閉塞でき、フロントガラス
の窓曇りを防止できる。この時、開閉ドア38,39を
1個ずつ駆動するため、第2電力供給経路19に流れる
電流値は小さく、パワーMOSFET5は電流容量の小
さい低価格のスイッチング素子で構成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱部および冷却
部を有する熱交換手段により熱交換された熱交換後空気
を、複数の空気吹出口から車室内に送出することで、車
両の車室内温度を調節する車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用空調装置は、ヒータコ
ア(加熱部)およびエバポレータ(冷却部)を有する熱
交換手段と、熱交換手段により熱交換された熱交換後空
気を車室内に送出する複数の空気吹出口(デフロスト吹
出口、フェイス用吹出口、フット用吹出口など)と、を
備えて構成されている。
【0003】車両用空調装置に備えられる空調ユニット
の概略構成図を図3に示す。図3に示すように、車両用
空調装置の空調ユニット21は、空気導入口23から導
入された空気をブロワ25が送出し、その空気をエバポ
レータ26とヒータコア27とを用いて熱交換して、熱
交換後の空気を空気吹出口から車室内に送出するよう構
成されたエアダクト44を備えている。
【0004】空調ユニット21のエアダクト44は、上
流側(図における左側)に空気導入口23として外気導
入口23aと内気導入口23bとを備え、また、下流側
(図における右側)に空気吹出口として、運転席用フッ
ト吹出口30、助手席用フット吹出口31、運転席用フ
ェイス吹出口36、助手席用フェイス吹出口37、運転
席用デフロスト吹出口42、助手席用デフロスト吹出口
43、を備えている。
【0005】空気導入口23には、空気の導入元を外気
導入口23aまたは内気導入口23bのいずれかに切り
換えるための内外気切替用開閉ドア24が備えられてお
り、車両用空調装置の空気循環状態を、外気導入・内気
循環のいずれかに設定する。運転席用フット吹出口30
には運転席フット用開閉ドア32が、助手席用フット吹
出口31には助手席フット用開閉ドア33が、運転席用
フェイス吹出口36には運転席フェイス用開閉ドア34
が助手席用フェイス吹出口37には助手席フェイス用開
閉ドア35が、運転席用デフロスト吹出口42には運転
席デフロスト用開閉ドア38が助手席用デフロスト吹出
口43には助手席デフロスト用開閉ドア39が、それぞ
れ対応して備えられている。各ドアは、各空気吹出口を
送風状態または閉塞状態に設定するために備えられてお
り、図示しないモータにより駆動される。
【0006】エバポレータ26とヒータコア27との間
には、ヒータコア27における空気の通過量を変化させ
る運転席用エアミックスドア28および助手席用エアミ
ックスドア29が備えられている。各エアミックスドア
は、図示しないモータにより駆動される。
【0007】ブロワ25は、例えば、遠心ファンからな
り、エアダクトの上流部の空気導入口23から空気を吸
い込んで、エバポレータ26の側に吐出するよう構成さ
れている。この車両用空調装置における冷凍サイクル
は、図示は省略するが、コンプレッサ、コンデンサ、レ
シーバ、膨張弁、エバポレータ26を冷媒管により順に
閉ループに接続してなる周知の構成を備えており、コン
プレッサの駆動によりエバポレータ26に冷媒が供給さ
れて、もってエバポレータ26を通過する空気が熱交換
により冷却される。また、ヒータコア27には、例え
ば、ラジエタなどで加熱された加熱媒体が供給されるよ
う構成されており、もってヒータコア27を通過する空
気が熱交換により加熱される。
【0008】なお、前述したエアミックスドアの開度を
任意に調整して、ヒータコア27を通過する空気の割合
を調整することで、熱交換後の空気を目標温度(ユーザ
が設定した温度)に設定することができる。このような
空調ユニット21を備える車両用空調装置は、例えば、
除湿暖房運転の後、車両のエンジンと共に運転が停止さ
れると、ヒータコア27の余熱によってエバポレータ2
6の表面の凝縮水が蒸発して、その水蒸気がデフロスト
吹出ダクト40,41を通じて、デフロスト吹出口4
2,43から車室内に流入することがある。なお、デフ
ロスト吹出ダクト40,41は、入口にデフロスト用開
閉ドア38,39が備えられ、出口がデフロスト吹出口
42,43となるように備えられている。
【0009】車両運転停止後にこのような水蒸気が車室
内に流入する場合に、車両外部気温が低温であると、車
室内に流入した水蒸気がフロントガラス内面に付着して
結露を生じさせる、という問題があった。特に、近年
は、車両における車載機器設置領域の小型化要求に応え
るべく、ヒータコアとエバポレータとを近接配置するこ
とで小型化された車載用空調装置が増えている。そのよ
うに構成された車載用空調装置は、エンジン停止後にお
いてヒータコアの熱がエバポレータに伝達され易いため
水蒸気が発生し易くなり、車両の窓曇りが発生し易くな
る。
【0010】そこで、このような窓曇りを防止するため
に、エンジン停止後にデフロスト吹出口を閉塞して、水
蒸気が車室内に流入するのを防止する構成の車両用空調
装置が提案されている(特開2000−118227号
公報参照)。一方、近年の車両用空調装置は、熱交換後
の空気を送出する空気吹出口の吹出状態を運転席側と助
手席側とで連動して設定するのではなく、空気吹出口の
吹出状態を運転席側と助手席側とで独立して設定可能な
高機能化されたものが増えつつある。そして、図3に示
す空調ユニット21は、吹出状態を運転席側と助手席側
とで独立して設定可能に構成されており、空調ユニット
21は、エバポレータ26よりも下流側が、運転席側
(図中上側)と助手席側(図中下側)に対称に分割され
て構成されている。
【0011】このように運転席側と助手席側とを独立し
て設定する構成の車両用空調装置には、デフロスト吹出
口に備えられる開閉ドアの位置を切り換えるモータとし
て、運転席用モータおよび助手席用モータが設けられて
いる。なお、運転席側と助手席側とを連動して設定する
構成の車両用空調装置は、1個のモータで運転席側デフ
ロスト吹出口および助手席側吹き出し口の両方の開閉ド
アの位置を切り換えるよう構成されている。
【0012】ここで、エンジン停止後の窓曇り防止機能
を備えると共に、空気吹出口の吹出状態を運転席用と助
手席用とで独立して設定可能な車両用空調装置49につ
いて説明する。なお、この車両用空調装置に備えられる
空調ユニットは、図3に示す空調ユニット21と同様の
構成である。この車両用空調装置49に備えられる従来
制御装置50の概略構成図を図4に示すと共に、従来制
御装置50に備えられるマイクロコンピュータ51(以
下、従来マイコン51ともいう)にて実行される送出経
路制御処理の処理内容を表すフローチャートを図5に示
す。
【0013】図4に示すように、従来制御装置50は、
車載電源81(車載バッテリ81)から供給される電力
を用いて、モータ駆動回路59,60,61,62,6
3から各モータ64,66,68,70,72に対して
電流通電を行うよう構成されている。そして、各モータ
64,66,68,70,72は、従来制御装置50か
ら電力供給を受けると動力を発生し、その動力が各空気
送出口に備えられる開閉ドア38,39,32,33,
34,35に伝達されることで、開閉ドア38,39,
32,33,34,35が開閉動作する。
【0014】ポテンショメータ65,67,69,7
1,73は、従来マイコン51の基準電圧発生回路54
から電圧が印加されており、モータ64,66,68,
70,72の回転位置に応じた位置信号(電圧信号)を
従来マイコン51に対して出力する。従来マイコン51
は、ポテンショメータから入力される位置信号をA/D
変換し、変換後の位置信号に基づき、開閉ドア38,3
9,32,33,34,35の位置を判断する。
【0015】つまり、従来制御装置50は、各モータに
電流通電を行い開閉ドアの位置を変更することで各空気
吹出口の吹出状態を制御して、空調ユニット21におけ
る空気導入口23から空気吹出口に至る空気の流通経路
を目標状態に設定する。なお、モータ64は、運転席用
デフロスト吹出口42の開閉ドア38を開閉動作させる
ための動力を発生し、モータ66は、助手席用デフロス
ト吹出口43の開閉ドア39を開閉動作させるための動
力を発生する。
【0016】なお、従来制御装置50は、車載バッテリ
81の出力電圧が常時供給される+B電源(常時供給電
力)を、逆流防止ダイオード57およびトランジスタ5
5を介して、各モータ駆動回路59,60,61,6
2,63および基準電圧発生回路54に供給するよう構
成されている。つまり、従来制御装置50は、車載バッ
テリ81からIGスイッチ58を介して供給されるIG
電源(運転時供給電力)ではなく、+B電源(常時供給
電力)を用いて各モータへの電力供給を行うよう構成さ
れている。これは、IGスイッチ58がオフ状態(開放
状態)に変化した後(エンジン停止後)にデフロスト吹
出口を閉塞するために、モータへの電力供給を可能にす
るためである。
【0017】しかし、従来制御装置50が、+B電源を
用いて各モータへの電力供給を行うにあたり、+B電源
がモータ駆動回路59,60,61,62,63に対し
て常時供給される構成であると、各駆動回路での暗電流
(待機時電流)による無駄な電力消費が生じることにな
る。そのような電力の浪費を防止するために、従来制御
装置50は、+B電源を供給する通電経路にトランジス
タ55を備えている。
【0018】次に、従来制御装置50に備えられる機器
のうち、電源回路53は、車載バッテリ81の出力電圧
を従来マイコン51の動作電圧に電圧変換して従来マイ
コン51に出力しており、IGスイッチ認識回路52
は、イグニッションスイッチ58(以下、IGスイッチ
58ともいう)がオン状態であるか否かを判定して、判
定結果を従来マイコン51に通知する。
【0019】また、従来マイコン51は、内部処理とし
て、各モータ駆動回路59,60,61,62,63を
制御する送出経路制御処理を、20[ms]周期で繰り
返し実行する。送出経路制御処理が開始されると、図5
に示すように、まず、S510(Sはステップを表す)
では、IGスイッチ58がオン状態(短絡状態)である
か否かを判定しており、肯定判定するとS520に移行
し、否定判定するとS540に移行する。
【0020】S510で肯定判定されてS520に移行
すると、S520では、トランジスタ55をオン状態
(短絡状態)に設定し、続くS530では、通常空調制
御処理を実行する。通常空調制御処理では、ユーザによ
る操作パネル(図示省略)のスイッチ操作で設定された
設定内容(目標状態)を読み取り、設定内容に応じて各
種アクチュエータ(コンプレッサ、エアミックスドア2
8,29、ブロワ25、開閉ドア32,33,34,3
5,38,39、内外気切替用開閉ドア24など)を制
御する処理を行う。ユーザにより設定される設定内容に
は、車室内温度、風量、空気吹出口(流通経路)選択、
内気循環・外気導入切換が含まれている。
【0021】また、S510で否定判定されて、S54
0に移行すると、S540では、運転席用デフロスト吹
出口42(運転席用デフロスタ)が閉塞状態であるか否
かを判定しており、肯定判定するとS600に移行し、
否定判定するとS550に移行する。なお、S540で
は、モータ64に備えられるポテンショメータ65から
の位置信号に基づいて、運転席デフロスト用開閉ドア3
8の位置を判断して、閉塞状態であるか否かを判定す
る。
【0022】S540で否定判定されてS550に移行
すると、S550では、トランジスタ55をオン状態
(短絡状態)に設定し、続くS560では、モータ駆動
回路59に対して、正転・反転のうちドアが閉塞する方
向の回転指令信号を出力することで、運転席用デフロス
ト閉塞処理を実行する。運転席用デフロスト閉塞処理
は、モータ64への通電制御を行い開閉ドア38を移動
して、運転席用デフロスト吹出口42を閉塞状態に設定
する処理を行う。
【0023】次のS570では、助手席用デフロスト吹
出口43(助手席用デフロスタ)が閉塞状態であるか否
かを判定しており、肯定判定するとS590に移行し、
否定判定するとS580に移行する。なお、S570で
は、モータ66に備えられるポテンショメータ67から
の位置信号に基づいて、開閉ドア39の位置を判断し
て、閉塞状態であるか否かを判定する。
【0024】S570で否定判定されてS580に移行
すると、S580では、モータ駆動回路60に対して、
正転・反転のうちドアが閉塞する方向の回転指令信号を
出力することで、助手席用デフロスト閉塞処理を実行す
る。助手席用デフロスト閉塞処理は、モータ66への通
電制御を行い開閉ドア39を移動して、助手席用デフロ
スト吹出口43を閉塞状態に設定する処理を行う。
【0025】S570で肯定判定されてS590に移行
すると、S590では、モータ駆動回路60に対して停
止信号を出力することで、モータ66を停止させる。S
540で肯定判定されてS600に移行すると、S60
0では、助手席用デフロスト吹出口43(助手席用デフ
ロスタ)が閉塞状態であるか否かを判定しており、肯定
判定するとS640に移行し、否定判定するとS610
に移行する。
【0026】S600で否定判定されてS610に移行
すると、S610では、トランジスタ55をオン状態
(短絡状態)に設定し、続くS620では、モータ駆動
回路60に対して、正転・反転のうちドアが閉塞する方
向の回転指令信号を出力することで、助手席用デフロス
ト閉塞処理を実行する。助手席用デフロスト閉塞処理
は、モータ66への通電制御を行い開閉ドア39を移動
して、助手席用デフロスト吹出口43を閉塞状態に設定
する処理を行う。
【0027】次のS630では、モータ駆動回路59に
対して停止信号を出力することで、モータ64を停止さ
せる。S610で肯定判定されてS640に移行する
と、S640では、モータ駆動回路59に対して停止信
号を出力することで、モータ64を停止させる。次のS
650では、モータ駆動回路60に対して停止信号を出
力することで、モータ66を停止させる。続くS660
では、トランジスタ55をオフ状態(開放状態)に設定
する。
【0028】そして、S530、S580、S590、
S630またはS660のいずれかのステップが終了す
ると、この送出経路制御処理が終了する。このような従
来制御装置50を備える車両用空調装置によれば、エン
ジン停止後に、運転席用デフロスト吹出口42および助
手席用デフロスト吹出口43を共に閉塞状態に設定する
ことができ、フロントガラスの窓曇りを防止することが
できる。つまり、エンジン停止後の窓曇り防止機能を備
えると共に、空気吹出口の吹出状態を運転席用と助手席
用で独立して設定可能な車両用空調装置を実現すること
ができる。
【0029】なお、上述したように、従来制御装置50
は、+B電源を供給する通電経路にトランジスタ55を
備えることで、モータ駆動回路59,60,61,6
2,63での暗電流(待機時電流)による無駄な電力消
費を防止するよう構成されている。つまり、エンジン停
止後において、デフロスト吹出口42,43が閉塞状態
に設定された後は、トランジスタ55をオフ状態(開放
状態)に設定し、通電経路を遮断状態に設定すること
で、無駄な電力消費を防止している。
【0030】このように構成される車両用空調装置によ
れば、待機時電流による無駄な電力消費を抑えつつ、エ
ンジン停止後の窓曇りを防止することができる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来制
御装置50を備える車両用空調装置49は、通常空調制
御を行う際に5個のモータに同時に通電する場合があ
り、この時のトランジスタ55には、各モータの通電電
流が合計された大電流が流れることになる。このため、
トランジスタ55は、全てのモータの合計電流に耐えら
れる電流容量の大きいスイッチング手段を用いて構成す
る必要がある。
【0032】このような耐電流容量の大きいスイッチン
グ手段は高価であるため、エンジン停止後に窓曇りを防
止するためにデフロスト吹出口を閉塞する機能を備える
車両用空調装置は、コストが高くなるという問題が生じ
る。また、デフロスト吹出口の吹出状態を切り換えるモ
ータを、1個ではなく2個(運転席用モータおよび助手
席用モータ)備える車両用空調装置は、エンジン停止後
に2個のモータを同時に駆動する必要が生じる場合があ
る。例えば、上述した従来制御装置50は、エンジンの
停止時、即ちIGスイッチ58がオフ状態となるとき
に、運転席用デフロスト吹出口42および助手席用デフ
ロスト吹出口43が共に送風状態である場合(S540
で否定判定され、かつS570で否定判定される場合)
には、モータ64およびモータ66の両方に同時に通電
を行うことになる。このため、トランジスタ55は、2
個のモータの合計電流に耐えられるスイッチング手段で
構成する必要があり、1個のモータでデフロスト吹出口
の吹出状態を切り換える車両用空調装置に比べて、電流
容量の大きい高価なスイッチング手段を用いる必要があ
る。
【0033】このことから、運転席側と助手席側とを独
立して空気吹出口の吹出状態を制御する車両用空調装置
は、エンジン停止後にデフロスト吹出口を閉塞する機能
を備える場合には、運転席側と助手席側とを連動して制
御する車両用空調装置に比べて、耐電流容量の大きい高
価なスイッチング手段を備える必要があり、コストが高
くなる。
【0034】そこで、本発明は、こうした問題に鑑みな
されたものであり、高価なスイッチング手段を用いるこ
となく、エンジン停止後に空気の流通経路を変更可能な
車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1に記載の発明は、熱交換手段により
熱交換した空気を複数の空気吹出口から車室内に送出す
る空気送出経路が備えられ、各ドアを制御して空気送出
経路における空気の流通経路を目標状態に設定し、車両
の車室内温度を調節する車両用空調装置であって、車両
運転停止から各ドアがそれぞれ所定の停止時設定状態に
なるまでの期間中、車載電源から直接供給される常時供
給電力を駆動手段に対して供給する第2電力供給経路を
接続状態に設定すると共に、車両運転停止後、常時供給
電力を用いて複数のドアを1個ずつ順番に制御して、複
数のドアをそれぞれの停止時設定状態に設定することを
特徴とする。
【0036】なお、この車両用空調装置においては、空
気送出経路が、車室内または車室外から空気を導入し、
加熱部および冷却部を有する熱交換手段により空気の熱
交換を行い、熱交換後の空気を複数の空気吹出口から車
室内に送出しており、複数の開閉ドアが、複数の空気吹
出口をそれぞれ送風状態または閉塞状態に設定し、エア
ミックスドアが、加熱部または冷却部における空気の通
過量を変化させている。また、複数の駆動手段が、車載
電源から供給される電力を用いて各ドアをそれぞれ駆動
し、送出経路制御手段が、駆動手段を介して各ドアを制
御して、空気送出経路における空気の流通経路を目標状
態に設定している。
【0037】この車両用空調装置は、車載電源からイグ
ニッションスイッチを介して供給される運転時供給電力
を駆動手段に供給する第1電力供給経路を備えることか
ら、車両運転時には、運転時供給電力を用いて各ドアを
制御することで、空気送出経路における空気の流通経路
を目標状態に設定できる。
【0038】また、車両運転停止後は、スイッチ制御手
段が、第2電力供給経路を遮断・接続するスイッチング
手段を制御して、第2電力供給経路を接続状態に設定す
ることで、第2電力供給経路を通じて、車載電源から直
接供給される常時供給電力を駆動手段に供給する。つま
り、車両運転停止後は、イグニッションスイッチがオフ
状態(開放状態)となるため、運転時供給電力を用いて
各ドアを制御することはできないが、第2電力供給経路
を通じて供給される常時供給電力を用いることで、各ド
アを停止時設定状態に設定することができる。
【0039】また、車両運転停止後は、停止後制御手段
が、駆動手段を介してドアを1個ずつ順番に制御して、
各ドアをそれぞれの停止時設定状態に設定することか
ら、同時に複数のドアを駆動することはない。このた
め、第2電力供給経路に備えられるスイッチング手段
は、1個のドアを駆動する際に流れる電流が通電可能な
電流容量の小さいスイッチング手段で構成できる。
【0040】さらに、本発明の車両用空調装置は、車両
運転時に各ドアを駆動するための電流は、第1電力供給
経路を通じて流れる構成であり、スイッチング手段に流
れることはない。このため、スイッチング手段は、車両
運転時に複数のドアを同時に駆動する際の合計電流に耐
えられるスイッチング手段で構成する必要はなく、電流
容量の大きい高価なスイッチング手段を備える必要はな
い。
【0041】よって、本発明の車両用空調装置によれ
ば、車両運転停止後に空気の流通経路を変更するにあた
り、電力供給経路を遮断・接続するためのスイッチング
手段として高価なスイッチング手段を用いる必要が無く
なり、コストの上昇を抑えることができる。
【0042】なお、車両運転停止後において、各ドアが
それぞれの停止時設定状態に設定された後は、スイッチ
制御手段が、スイッチング手段を制御して第2電力供給
経路を遮断するため、車両用空調装置の内部における暗
電流(待機時電流)によって、無駄に電力が消費される
のを防止できる。つまり、スイッチ制御手段は、車両運
転停止から各ドアがそれぞれ所定の停止時設定状態にな
るまでの期間中、スイッチング手段を制御して、第2電
力供給経路を接続状態に設定する。
【0043】次に、上述(請求項1)の車両用空調装置
は、例えば、請求項2に記載のように、少なくとも運転
席用および助手席用の2個のデフロスト吹出口が、複数
の空気吹出口として空気送出経路に備えられ、車両運転
停止後に、2個のデフロスト吹出口のうち一方のデフロ
スト吹出口の開閉ドアを閉塞状態に設定した後、他方の
デフロスト吹出口の開閉ドアを閉塞状態に設定するよう
に構成するとよい。
【0044】つまり、この車両用空調装置は、車両運転
停止後の窓曇り防止のために運転席用および助手席用の
デフロスト吹出口を閉塞するにあたり、停止後制御手段
が、一方のデフロスト吹出口の前記開閉ドアを閉塞状態
に設定した後、他方の開閉ドアを閉塞状態に設定する。
このことから、車両停止後に2個の開閉ドアを同時に駆
動することはなく、第2電力供給経路に備えられるスイ
ッチング手段は、1個の開閉ドアの駆動に必要な電流を
通電可能な電流容量の小さい低価格のスイッチング手段
で構成できる。
【0045】よって、本発明(請求項2)の車両用空調
装置によれば、運転席側と助手席側とで独立して吹出状
態を制御でき、かつ車両運転停止後の窓曇り防止機能を
備える車両用空調装置を、高価なスイッチング手段を用
いることなく、低コストで実現することができる。
【0046】次に、上述(請求項2)の車両用空調装置
は、請求項3に記載のように、車両運転停止後、2個の
デフロスト吹出口の開閉ドアを1個ずつ順番に閉塞状態
に設定した後、さらにエアミックスドアを加熱部から冷
却部に伝わる熱量が最小となる位置に設定するように、
停止後制御手段を構成するとよい。
【0047】つまり、加熱部から冷却部に伝わる熱量が
最小となる位置にエアミックスドアを設定することで、
冷却部の表面に付着した結露の蒸発量を低減し、車室内
に流入する水蒸気量を低減することができる。これによ
り、より一層、車両運転停止後における窓曇りの発生を
抑えることができる。
【0048】この場合、エアミックスドアの駆動タイミ
ングは、2個のデフロスト吹出口の開閉ドアがそれぞれ
閉塞状態に設定された後であることから、2個のドアが
同時に駆動されることはないため、スイッチング手段
は、電流容量の小さいスイッチング手段で構成すること
ができる。
【0049】よって、本発明(請求項3)によれば、高
価なスイッチング手段を備えることなく、車両運転停止
後にエアミックスドアを移動することができ、車両運転
停止後の窓曇りをより一層抑制することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下に、本発明が適用された実施
例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施
の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本
発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得る
ことは言うまでもない。
【0051】図1に、実施例の車両用空調装置1に備え
られる制御装置2の概略構成図を示すと共に、図2に、
制御装置2に備えられるマイクロコンピュータ3(以
下、マイコン3ともいう)にて実行される送出経路制御
処理の処理内容を表すフローチャートを示す。なお、本
実施例の車両用空調装置における空調ユニット21は、
図3に示す従来の車両用空調装置に備えられる空調ユニ
ット21と同様の構成であり、前述しているため、空調
ユニット21の説明については省略する。
【0052】本実施例の車両用空調装置に備えられる制
御装置2は、図1に示すように、車載電源81(以下、
車載バッテリ81ともいう)から直接供給される+B電
源を受電する+B電源入力端子19aと、車載バッテリ
81からイグニッションスイッチ8(以下、IGスイッ
チ8ともいう)を介して供給されるIG電源を受電する
IG電源入力端子17aとを備えており、車載バッテリ
81からの電力供給を受けて動作する。なお、車載バッ
テリ81の出力電圧値は、一般に、12[V]に設定さ
れている。
【0053】制御装置2は、各種演算処理を行うマイコ
ン3と、IG電源入力端子17aの電圧値に基づいてI
Gスイッチ8の状態を判定し、判定結果をマイコン3に
通知するIGスイッチ認識回路15と、車載バッテリ8
1の出力電圧をマイコン3の動作電圧に電圧変換してマ
イコン3に出力する電源回路45と、を備えている。
【0054】また、制御装置2は、マイコン3からの電
流出力指令に基づき各モータ14,16,18,20,
22に対して電流出力を行うモータ駆動回路9,10,
11,12,13と、IG電源入力端子17aから各モ
ータ駆動回路9,10,11,12,13に至る第1電
力供給経路17と、+B電源入力端子19aから各モー
タ駆動回路9,10,11,12,13に至る第2電力
供給経路19と、を備えている。
【0055】さらに、制御装置2は、IG電源入力端子
17aから各モータ駆動回路9,10,11,12,1
3に向かう電流を許容し、反対側に向かう電流を阻止す
るように第1電力供給経路17に備えられる第1逆流防
止ダイオード6と、+B電源入力端子19aから各モー
タ駆動回路9,10,11,12,13に向かう電流を
許容し、反対側に向かう電流を阻止するように第2電力
供給経路19に備えられる第2逆流防止ダイオード7
と、第2電力供給経路19を遮断・接続するパワーMO
SFET5と、を備えている。
【0056】第1逆流防止ダイオード6および第2逆流
防止ダイオード7は、誤って車載バッテリ81が正極・
負極反対に接続されて、モータ駆動回路9,10,1
1,12,13から車載バッテリ81に向かう方向に過
電流(逆流電流)が流れて回路などが破損するのを防止
するために備えられている。パワーMOSFET5は、
マイコン3からの停止後電力供給指令信号に基づいて、
開放状態(オープン状態)または短絡状態(クローズ状
態)のいずれかの状態となることで、第2電力供給経路
19を遮断状態または接続状態に設定するために備えら
れている。
【0057】また、制御装置2は、第1電力供給経路1
7または第2電力供給経路19を介して入力される車載
バッテリ81の出力電圧を、所定の位置検出用印加電圧
に変換して、位置検出用印加電圧をポテンショメータ1
4a,16a,18a,20a,22aのそれぞれに対
して出力する基準電圧発生回路4を備えている。
【0058】各モータ14,16,18,20,22
は、制御装置2からの電力供給により動力(正転動力・
反転動力)を発生し、また、空気導入口23に備えられ
る内外気切替用開閉ドア24、各空気送出口に備えられ
る開閉ドア38,39,32,33,34,35、およ
びエアミックスドア28,29は、モータの動力が伝達
されてそれぞれ開閉動作する。
【0059】ポテンショメータ14a,16a,18
a,20a,22aは、各モータ14,16,18,2
0,22に内蔵されており、基準電圧発生回路4から電
圧が印加されて、各モータ14,16,18,20,2
2の回転位置に応じた位置信号(電圧信号)をマイコン
3に対して出力する。マイコン3は、ポテンショメータ
から入力される位置信号をA/D変換し、変換後の位置
信号に基づき、開閉ドア38,39,32,33,3
4,35の位置(開度)を判断する。
【0060】つまり、制御装置2は、車載電源81(車
載バッテリ81)から供給される電力を用いて、モータ
駆動回路9,10,11,12,13から各モータ1
4,16,18,20,22に対して、正転動力または
反転動力を発生するための電流通電を行う。これによ
り、内外気切替用開閉ドア24、各開閉ドア38,3
9,32,33,34,35、およびエアミックスドア
28,29の位置(開度)をそれぞれ所定の目標位置に
設定して、空調ユニット21における空気導入口23か
ら空気吹出口に至る空気の流通経路を目標状態に設定す
る。なお、モータ14は運転席デフロスト用開閉ドア3
8を、モータ16は助手席デフロスト用開閉ドア39
を、それぞれ開閉動作させるための動力を発生する。
【0061】また、各モータ駆動回路9,10,11,
12,13は、第1電力供給経路17または第2電力供
給経路19を介して車載バッテリ81から供給される電
力を用いて、マイコン3からの電流出力指令信号に応じ
た電流を、各モータ14,16,18,20,22に供
給する。
【0062】次に、各モータ駆動回路9,10,11,
12,13およびパワーMOSFET5を制御するため
に、マイコン3の内部処理として実行される送出経路制
御処理について説明する。なお、送出経路制御処理は、
20[ms]周期で繰り返し実行されており、図2に送
出経路制御処理の処理内容を表すフローチャートを示
す。
【0063】送出経路制御処理が開始されると、図2に
示すように、まず、S210(Sはステップを表す)で
は、IGスイッチ認識回路15からのIG判定結果信号
に基づき、IGスイッチ8がオン状態(短絡状態)であ
るか否かを判定しており、肯定判定するとS220に移
行し、否定判定するとS240に移行する。
【0064】S210で肯定判定されてS220に移行
すると、S220では、停止後電力供給指令信号を出力
してパワーMOSFET5をオフ状態(開放状態)に設
定し、続くS230では、通常空調制御処理を実行す
る。通常空調制御処理では、ユーザによる操作パネル
(図示省略)のスイッチ操作で設定された設定内容(目
標状態)を読み取り、設定内容に応じて各種アクチュエ
ータ(コンプレッサ、エアミックスドア28,29、ブ
ロワ25、開閉ドア32,33,34,35,38,3
9、内外気切替用開閉ドア24など)を制御する処理を
行う。ユーザが設定する設定内容には、車室内温度、風
量、空気吹出口(流通経路)選択、内気循環・外気導入
切換が含まれている。
【0065】この通常空調制御処理では、ポテンショメ
ータから入力される位置信号に基づき、各ドアの位置
(開度)を判断し、各モータ駆動回路9,10,11,
12,13に正転・反転・停止を表す電流出力指令信号
を出力する処理を行う。これにより、各モータ駆動回路
9,10,11,12,13が、電流出力指令信号に応
じた電流を各モータ14,16,18,20,22に供
給し、各モータ14,16,18,20,22で発生す
る動力が伝達されて、各ドアが目標状態に設定される。
また、通常空調制御処理では、現在の制御状態をパネル
上の表示器(LCD、LEDなど)に表示する表示処理
も行う。
【0066】マイコン3は、各種センサやアクチュエー
タ等の故障を検出すると、所定のフェールセーフ状態
(通常は、可能な限りユーザの不快感を低減しつつ、運
転時の安全性を確保し、かつ、システムの連鎖故障を防
止できる状態)となるように、上記の各種アクチュエー
タを制御するフェールセーフ処理を実行する。さらに、
マイコン3は、検出した故障の内容を表すダイアグノス
ティック・トラブル・コードを記憶媒体(メモリなど)
に記憶し、故障原因の調査作業時等において、ダイアグ
チェック機器に対して記憶したダイアグノスティック・
トラブル・コードを出力するダイアグ機能処理を実行す
る。これらのフェールセーフ処理やダイアグ機能処理等
の副次的な処理についても、必要に応じて、通常空調制
御処理と並行してマイコン3の中で実行される。
【0067】また、S210で否定判定されて、S24
0に移行すると、S240では、運転席用デフロスト吹
出口42(運転席用デフロスタ)が閉塞状態であるか否
かを判定しており、肯定判定するとS280に移行し、
否定判定するとS250に移行する。なお、S240で
は、モータ14に備えられるポテンショメータ14aか
らの位置信号に基づいて、運転席デフロスト用開閉ドア
38の位置を判断して、閉塞状態であるか否かを判定す
る。
【0068】S240で否定判定されてS250に移行
すると、S250では、停止後電力供給指令信号を出力
してパワーMOSFET5をオン状態(短絡状態)に設
定し、続くS260では、モータ駆動回路9に対して、
正転・反転のうちドアが閉塞する方向の回転指令信号を
出力することで、運転席用デフロスト閉塞処理を実行す
る。運転席用デフロスト閉塞処理は、モータ駆動回路9
に対して電流出力指令を出力し、モータ14への通電制
御を行い開閉ドア38を移動して、運転席用デフロスト
吹出口42を閉塞状態に設定する処理である。
【0069】次のS270では、モータ駆動回路10に
対して、停止指令信号を出力することで、モータ16を
停止させる。なお、助手席用デフロスト閉塞処理は、モ
ータ駆動回路10に対して電流出力指令を出力し、モー
タ16への通電制御を行い開閉ドア39を移動して、助
手席用デフロスト吹出口43を閉塞状態に設定する処理
である。
【0070】S240で肯定判定されてS280に移行
すると、S280では、助手席用デフロスト吹出口43
(助手席用デフロスタ)が閉塞状態であるか否かを判定
しており、肯定判定するとS320に移行し、否定判定
するとS290に移行する。なお、S280では、モー
タ16に備えられるポテンショメータ16aからの位置
信号に基づいて、助手席デフロスト用開閉ドア39の位
置を判断して、閉塞状態であるか否かを判定する。
【0071】S280で否定判定されてS290に移行
すると、S290では、停止後電力供給指令信号を出力
してパワーMOSFET5をオン状態(短絡状態)に設
定し、続くS300では、モータ駆動回路10に対し
て、正転・反転のうちドアが閉塞する方向の回転指令信
号を出力することで、助手席用デフロスト閉塞処理を実
行する。
【0072】次のS310では、モータ駆動回路9に対
して停止指令信号を出力することで、モータ14を停止
させる。S280で肯定判定されてS320に移行する
と、S320では、停止後電力供給指令信号の出力を停
止してパワーMOSFET5をオフ状態(開放状態)に
設定し、続くS330では、モータ駆動回路9に対して
停止指令信号を出力することで、モータ14を停止させ
る。次のS340では、モータ駆動回路10に対して停
止指令信号を出力することで、モータ16を停止させ
る。
【0073】そして、S230、S270、S310ま
たはS340のいずれかのステップが終了すると、この
送出経路制御処理が終了する。以上説明したように、本
実施例の車両用空調装置は、車載バッテリ81からIG
スイッチ8を介して供給されるIG電源(運転時供給電
力)をモータ駆動回路を介して各モータに供給する第1
電力供給経路17を備えている。このことから、本車両
用空調装置は、車両運転時には、IG電源を用いて各ド
アを制御することができ、空調ユニット21における空
気の流通経路を目標状態に設定できる。特に、第1電力
供給経路17には、スイッチング手段が備えられていな
いため、大電流の通電が可能であり、複数のドアを同時
に駆動するための電流を通電することができる。
【0074】また、車両運転停止後(S210で否定判
定された後)は、送出経路制御処理のS250またはS
290での処理により、パワーMOSFET5をオン状
態(短絡状態)に制御して、第2電力供給経路19を接
続状態に設定することで、車載バッテリ81から直接供
給される+B電源(常時供給電力)を、モータ駆動回路
を介して各モータに供給することができる。つまり、車
両運転停止後は、IGスイッチ8がオフ状態(開放状
態)となるため、IG電源を用いて各ドアを制御するこ
とはできないが、第2電力供給経路19を通じて供給さ
れる+B電源を用いることで、各ドアを停止時設定状態
に設定することができる。
【0075】さらに、車両運転停止時に、運転席用デフ
ロスト吹出口42および助手席用デフロスト吹出口43
が共に送風状態である場合には、まず、送出経路制御処
理のS260での処理により、モータ14を駆動して運
転席デフロスト用開閉ドア38を閉じて運転席用デフロ
スト吹出口42を閉塞状態に設定する。そして、運転席
用デフロスト吹出口42が閉塞状態に設定されたあと
(S240で肯定判定された後)、S300での処理に
より、モータ16を駆動して助手席デフロスト用開閉ド
ア39を閉じて助手席用デフロスト吹出口43を閉塞状
態に設定する。
【0076】なお、車両運転停止時からエバポレータ2
6の表面の凝縮水が蒸発して車室の窓ガラスを曇らせる
までの所要時間は、車両運転停止時から運転席用デフロ
スト吹出口42を閉塞するまでの所要時間よりも長い。
このため、運転席用デフロスト吹出口42を閉塞した後
に、助手席用デフロスト吹出口43を閉塞動作を開始す
る場合であっても、助手席用デフロスト吹出口43を介
して車室内に水蒸気が流入することはなく、窓曇りが発
生することはない。
【0077】また、車両運転停止時に、運転席デフロス
ト用開閉ドア38または助手席デフロスト用開閉ドア3
9のいずれか一方が送風状態である場合には、送出経路
制御処理のS260またはS300の処理を実行するこ
とで、送風状態の開閉ドアを閉塞状態に設定することが
できる。
【0078】これらのことから、本実施例の車両用空調
装置は、車両運転停止後に、運転席用デフロスト吹出口
42および助手席用デフロスト吹出口43を閉塞状態に
設定することで、フロントガラスの窓曇りを防止するこ
とができる。また、車両運転停止後にデフロスト吹出口
を閉塞するにあたり、運転席デフロスト用開閉ドア38
および助手席デフロスト用開閉ドア39を、同時期に駆
動することはなく、第2電力供給経路19(パワーMO
SFET5)に流れる電流値は、1個の開閉ドアを駆動
する際に流れる小さい電流値となる。これにより、第2
電力供給経路19に備えられるパワーMOSFET5
は、電流容量の小さい低価格のスイッチング素子で構成
することができる。
【0079】さらに、本実施例の車両用空調装置は、車
両運転時に各ドアを駆動するための電流は、第1電力供
給経路17を通じて流れる構成であり、第2電力供給経
路に備えられるパワーMOSFET5に流れることはな
い。このため、パワーMOSFET5は、車両運転時に
複数のドアを同時に駆動する際の合計電流に耐えられる
スイッチング素子で構成する必要はなく、電流容量の大
きい高価なスイッチング素子を備える必要はない。
【0080】よって、本実施例の車両用空調装置は、車
両運転停止後に空気の流通経路を変更するにあたり、+
B電源からの電力を供給するための第2電力供給経路1
9を遮断・接続するためのパワーMOSFET5として
高価なスイッチング素子を用いる必要が無いため、コス
トの上昇を抑えることができる。また、本実施例の車両
用空調装置によれば、エンジン停止後の窓曇り防止機能
を備えると共に、空気吹出口の吹出状態を運転席用と助
手席用で独立して設定可能な車両用空調装置を、低コス
トで実現することができる。
【0081】なお、車両運転が停止された後、運転席デ
フロスト用開閉ドア38および助手席デフロスト用開閉
ドア39がそれぞれ閉塞状態に設定された後は、S32
0での処理により、パワーMOSFET5をオフ状態
(開放状態)に制御して第2電力供給経路19を遮断状
態に設定している。これにより、制御装置2に備えられ
るモータ駆動回路9,10,11,12,13における
暗電流(待機時電流)によって、無駄に電力が消費され
るのを防止できる。
【0082】上記実施例においては、ヒータコア27が
特許請求の範囲に記載の加熱部に相当し、エバポレータ
26が冷却部に相当し、ヒータコア27およびエバポレ
ータ26が熱交換手段に相当し、空調ユニット21のエ
アダクト44が空気送出経路に相当し、モータ駆動回路
9,10,11,12,13およびモータ14,16,
18,20,22が駆動手段に相当し、マイコン3にて
実行される送出経路制御処理が送出経路制御手段に相当
する。また、パワーMOSFET5が特許請求の範囲に
記載のスイッチング手段に相当し、送出経路制御処理の
うちS210、S240、S250、S280、S29
0およびS320がスイッチ制御手段に相当し、送出経
路制御処理のうちS210、S240、S260、S2
70、S280、S300、S310、S330および
S340が停止後制御手段に相当する。
【0083】さらに、上記実施例の車両用空調装置にお
いては、運転席デフロスト用開閉ドア38および助手席
デフロスト用開閉ドア39の停止時設定状態は閉塞状態
であり、その他のドアにおける停止時設定状態は車両運
転停止時の状態と同一の状態である。
【0084】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されることはなく、種
々の態様をとることができる。例えば、上記車両用空調
装置は、車両運転停止後において、2個のデフロスト吹
出口の開閉ドア38,39を1個ずつ順番に閉塞状態に
設定した後、さらに、エアミックスドア28,29をヒ
ータコア27からエバポレータ26に伝わる熱量が最小
となる位置(停止時設定状態)に設定するように構成し
ても良い。
【0085】つまり、ヒータコア27からエバポレータ
26に伝わる熱量が最小となる位置にエアミックスドア
28,29を設定することで、エバポレータ26の表面
に付着した結露の蒸発量を低減し、車室内に流入する水
蒸気量を低減することができる。これにより、より一
層、車両運転停止後における窓曇りの発生を抑えること
ができる。
【0086】なお、エアミックスドア28,29を駆動
する際には、一方のエアミックスドアを停止時設定状態
に設定した後、他方のエアミックスドアを停止時設定値
に設定することで、同時に2個のドアを駆動することが
ないように構成するとよい。これにより、車両運転停止
後にエアミックスドアを駆動する際に、複数のドアを駆
動するための大電流が第2電力供給経路19に流れるの
を防止でき、パワーMOSFET5を電流容量の小さい
低価格のスイッチング素子で構成することができる。
【0087】このように構成した車両用空調装置によれ
ば、高価なスイッチング素子を備えることなく、車両運
転停止後にエアミックスドアを移動することができ、車
両運転停止後の窓曇りをより一層抑制することができ
る。なお、この車両用空調装置においては、運転席デフ
ロスト用開閉ドア38および助手席デフロスト用開閉ド
ア39の停止時設定状態は閉塞状態であり、運転席用エ
アミックスドア28および助手席用エアミックスドア2
9の停止時設定状態は、ヒータコア27からエバポレー
タ26に伝わる熱量が最小となる位置に配置される状態
であり、その他のドアにおける停止時設定状態は車両運
転停止時の状態と同一の状態である。
【0088】以上、本発明の2つの実施例について説明
したが、本発明は、これら2つの実施例の他に、以下の
態様をとることができる。内外気切替用開閉ドア24の
停止時設定状態は、車両運転停止時と同じ状態に限るこ
とはなく、内気循環または外気導入のいずれかに設定し
ても良い。さらに、運転席フット用開閉ドア32、助手
席フット用開閉ドア33、運転席フェイス用開閉ドア3
4および助手席フェイス用開閉ドア35の各停止時設定
状態は、車両運転停止時と同じ状態に限ることはなく、
閉塞状態または送風状態のいずれかに設定しても良い。
この場合も、各ドアを1個ずつ順番に駆動することで、
パワーMOSFET5を電流容量の小さい低価格のスイ
ッチング素子で構成でき、高価なスイッチング手段を用
いることなく、エンジン停止後に空気の流通経路を変更
することができる。
【0089】さらに、空調ユニットに備えられる空気吹
出口およびドアの個数は、図3に示すものに限られるこ
とはなく、例えば、後部座席用デフロスト吹出口を備え
る車両用空調装置に対して、本発明を適用してもよい。
その場合、車両運転停止後に各ドアを1個ずつ順番に停
止時設定状態に設定するにあたり、後部座席用デフロス
ト吹出口に備えられる開閉ドアを閉塞状態に設定するこ
とで、車両運転停止後の窓曇りを防止することができ
る。このような空調ユニットを制御するための制御装置
は、アクチュエータの個数に応じた個数のモータ駆動回
路を備えて構成することは言うまでもない。
【0090】また、上記実施例では、各ドアを駆動する
アクチュエータとしてモータを用いる車両用空調装置に
ついて説明したが、各ドアを駆動するアクチュエータ
は、モータの他に、圧縮空気を送り込むことでドアを開
閉駆動するソレノイドバルブなどを用いて構成しても良
い。
【0091】さらに、送出経路制御処理の実行周期は、
20[ms]に限ることはなく、必要に応じて適切な周
期に設定しても良い。パワーMOSFET5は、パワー
MOSFETに限らず、バイポーラトランジスタやIG
BTなどの半導体スイッチング素子の他、機械式リレー
スイッチなどを用いて構成しても良い。エアミックスド
アは、ヒータコアにおける空気の通過量を調整するもの
に限ることはなく、エバポレータにおける空気の通過量
を調整するように備えられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車両用空調装置に備えられる制御装置の概略
構成図である。
【図2】 制御装置に備えられるマイクロコンピュータ
にて実行される送出経路制御処理の処理内容を表すフロ
ーチャートである。
【図3】 車両用空調装置に備えられる空調ユニットの
概略構成図である。
【図4】 車両用空調装置に備えられる従来制御装置の
概略構成図である。
【図5】 従来制御装置に備えられるマイクロコンピュ
ータにて実行される送出経路制御処理の処理内容を表す
フローチャートである。
【符号の説明】
1…車両用空調装置、2…制御装置、3…マイクロコン
ピュータ(マイコン)、5…パワーMOSFET、8…
イグニッションスイッチ(IGスイッチ)、9,10,
11,12,13…モータ駆動回路、14,16,1
8,20,22…モータ、17…第1電力供給経路、1
9…第2電力供給経路、21…空調ユニット、23…空
気導入口、24…内外気切替用開閉ドア、25…ブロ
ワ、26…エバポレータ、27…ヒータコア、28…運
転席用エアミックスドア、29…助手席用エアミックス
ドア、30…運転席用フット吹出口、31…助手席用フ
ット吹出口、32…運転席フット用開閉ドア、33…助
手席フット用開閉ドア、34…運転席フェイス用開閉ド
ア、35…助手席フェイス用開閉ドア、36…運転席用
フェイス吹出口、37…助手席用フェイス吹出口、38
…運転席デフロスト用開閉ドア、39…助手席デフロス
ト用開閉ドア、42…運転席用デフロスト吹出口、43
…助手席用デフロスト吹出口、44…エアダクト、81
…車載電源(車載バッテリ)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内または車外から空気を導入し、加
    熱部および冷却部を有する熱交換手段により前記空気の
    熱交換を行い、熱交換後の前記空気を複数の空気吹出口
    から車室内に送出する空気送出経路と、 前記複数の空気吹出口をそれぞれ送風状態または閉塞状
    態に設定する複数の開閉ドアと、 前記加熱部または前記冷却部における前記空気の通過量
    を変化させるエアミックスドアと、 車載電源から供給される電力を用いて前記各ドアをそれ
    ぞれ駆動する複数の駆動手段と、 前記駆動手段を介して前記各ドアを制御して、前記空気
    送出経路における前記空気の流通経路を目標状態に設定
    する送出経路制御手段と、 を備えて、車両の車室内温度を調節する車両用空調装置
    であって、 前記車載電源からイグニッションスイッチを介して供給
    される運転時供給電力を、前記駆動手段に供給する第1
    電力供給経路と、 前記車載電源から直接供給される常時供給電力を、前記
    駆動手段に供給する第2電力供給経路と、 前記第2電力供給経路を遮断・接続するスイッチング手
    段と、 車両運転停止から前記各ドアがそれぞれ所定の停止時設
    定状態になるまでの期間中、前記スイッチング手段を制
    御して、前記第2電力供給経路を接続状態に設定するス
    イッチ制御手段と、 車両運転停止後、前記駆動手段を介して前記ドアを1個
    ずつ順番に制御して、前記各ドアをそれぞれの前記停止
    時設定状態に設定する停止後制御手段と、 を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記空気送出経路は、前記複数の空気吹
    出口として、少なくとも運転席用および助手席用の2個
    のデフロスト吹出口を備えており、 前記停止後制御手段は、車両運転停止後、2個の前記デ
    フロスト吹出口のうち一方の前記デフロスト吹出口の前
    記開閉ドアを閉塞状態に設定した後、他方の前記デフロ
    スト吹出口の前記開閉ドアを閉塞状態に設定すること、 を特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記停止後制御手段は、車両運転停止
    後、2個の前記デフロスト吹出口の前記開閉ドアを1個
    ずつ順番に閉塞状態に設定した後、前記エアミックスド
    アを前記加熱部から前記冷却部に伝わる熱量が最小とな
    る位置に設定すること、 を特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
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KR20140109092A (ko) * 2013-03-05 2014-09-15 한라비스테온공조 주식회사 차량용 공조장치의 제어방법
CN107351635A (zh) * 2016-05-10 2017-11-17 现代自动车株式会社 用于车辆的独立空调设备及其控制方法

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