JP2003326339A - 薄スラブの連続鋳造設備および連続鋳造方法 - Google Patents
薄スラブの連続鋳造設備および連続鋳造方法Info
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Abstract
n以上の鋳造速度で鋳造する場合に、鋳型上面の湯面の
変動を抑えて安定した鋳造を行うことが出来る薄スラブ
の連続鋳造設備および連続鋳造方法を提供すること。 【解決手段】 鋳型の厚み方向に磁極を対向させた電磁
力による直流静磁場または低周波交流磁場、あるいは永
久磁石による静磁場によって鋳型内の溶鋼流動を制御す
る薄スラブの連続鋳造設備において、スラブの厚みを1
00mm以下、鋳造速度を5m/min以上とし、且
つ、浸漬ノズル1を囲む磁極形状を略U形とするととも
に、浸漬ノズル1と磁極6との距離Aを300mm以下
とする。
Description
型内での溶鋼流動を制御する薄スラブの連続鋳造設備お
よび連続鋳造方法に関する。
シュから浸漬ノズルを通して鋳型内に注入された溶鋼は
大きな流速をもっている。この吐出流は、溶鋼内に深く
侵入するため、アルミナ等を主体とする脱酸生成物が凝
固シェル内に捕捉される原因となり、また、鋳型短辺面
に衝突した吐出流は、上方流となって湯面近傍で大きな
流速となるため、モールドパウダーの巻き込みを生じる
原因ともなる。このような脱酸生成物の混入やモールド
パウダーの巻き込みは、鋳造速度が速くなるにしたがっ
て顕著となり、最終的にはブレークアウトを発生させ
る。これらの現象を防ぐために電磁力を流動溶鋼に作用
させる防止技術が従来から種々提案されている。
41号公報に開示されている技術がある。この公報で
は、図6に示すように、鋳型の幅中央ないし鋳型短辺4
より内側の所定の位置から端部近傍にかけて、磁極を鋳
型上方側に曲げるかまたは傾斜させ、かつ鋳片の幅中央
部では浸漬ノズル1の吐出孔より下方に設けたものが提
案されている。
の幅方向にV字形状にしたものや磁極の両端部を垂直に
立てて全体としてコ字状にしたものが提案されている。
鋳型短辺4より内側の所定の位置から両端部近傍にかけ
て、磁極を鋳型上方側に曲げるかまたは傾斜させ、かつ
鋳片の幅中央部では浸漬ノズル1の吐出孔より下方に設
けているため、浸漬ノズル1からの吐出流は下方斜め方
向の鋳片端部に向かって流れるが、磁極が浸漬ノズル1
の下方から鋳型の両端部では上方に曲げるか傾斜させて
配置されているため、この磁極による磁場帯14によっ
て浸漬ノズル1から吐出する吐出流のうち、鋳型下方へ
の吐出流13を減衰することが出来る。
においては、磁場帯14に反射して、反転して発生する
2次的上昇流12を減衰させることは出来ない。従っ
て、この2次的に発生する上昇流12により、湯面3の
変動を防止することは出来ない。
連続鋳造設備においては、鋳型上面の面積が小さいた
め、このわずかな上昇流でも、湯面の変動は大きくな
り、モールドパウダーの巻き込みによる鋳造欠陥やブレ
ークアウトという鋳造障害を起こすことになる。まし
て、薄スラブの鋳造を高速(5m/min以上)で行う
場合には、湯面変動は、容易に±30mmから±40m
mレベルになり、ブレークアウトの原因となる。ブレー
クアウトを防止するためには、湯面の変動を±5mm以
内に抑える必要がある。
は、100mm以下の厚みのスラブを5m/min以上
の鋳造速度で鋳造する場合に、鋳型上面の湯面の変動を
抑えて安定した鋳造を行うことが出来る薄スラブの連続
鋳造設備および連続鋳造方法を提供することにある。
鋳造設備は、鋳型の厚み方向に磁極を対向させた電磁力
による直流静磁場または低周波交流磁場、あるいは永久
磁石による静磁場によって鋳型内の溶鋼流動を制御する
薄スラブの連続鋳造設備において、スラブの厚みを10
0mm以下、鋳造速度を5m/min以上とし、且つ、
浸漬ノズルを囲む磁極形状を略U形とするとともに、浸
漬ノズルと磁極との距離Aを300mm以下とすること
を特徴とする。
は、鋳型の厚み方向に磁極を対向させた電磁力による直
流静磁場または低周波交流磁場、あるいは永久磁石によ
る静磁場によって鋳型内の溶鋼流動を制御する薄スラブ
の連続鋳造設備において、スラブの厚みを100mm以
下、鋳造速度を5m/min以上とし、且つ、浸漬ノズ
ルを囲む磁極形状を略U形とするとともに、浸漬ノズル
と磁極との距離Aと磁極幅Bの関係が、200mm≦A
+B≦500mmの式を満足することを特徴とする。
は、鋳型の厚み方向に磁極を対向させた電磁力による直
流静磁場または低周波交流磁場、あるいは永久磁石によ
る静磁場によって鋳型内の溶鋼流動を制御する薄スラブ
の連続鋳造設備において、スラブの厚みを100mm以
下、鋳造速度を5m/min以上とし、且つ、浸漬ノズ
ルを囲む磁極形状を略U形とするとともに、磁極幅B
が、磁極の最大磁束密度(テスラ)×磁極幅B(mm)
≧10×浸漬ノズルの吐出流速(m/s)+20の関係
を満足することを特徴とする。
の厚み方向に磁極を対向させた電磁力による直流静磁場
または低周波交流磁場、あるいは永久磁石による静磁場
によって鋳型内の溶鋼流動を制御する薄スラブの連続鋳
造方法において、スラブの厚みを100mm以下、鋳造
速度を5m/min以上とし、且つ、浸漬ノズルを囲む
磁極形状を略U形とするとともに、浸漬ノズルと磁極と
の距離Aを300mm以下として鋳型内溶鋼流動を制御
することを特徴とする。
き、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の連
続鋳造設備の鋳型部分を示す縦断面図、図2は鋳型の平
面図、図3は浸漬ノズルと磁極との距離Aと湯面の流速
標準偏差の関係を示すグラフ、図4は浸漬ノズルと磁極
との距離Aおよび磁極幅Bと湯面の流速標準偏差との関
係を示すグラフ、図5は最大磁束密度および磁極幅Bと
浸漬ノズルの吐出流速の関係を示すグラフである。
短辺4とで構成され、鋳型長辺5側に磁気コイル7を配
置している。磁気コイル7の間には、鋳型内での磁場帯
14が略U形となるように(図1参照)、1対の略U形
の磁極6、6をそれぞれ鋳型長辺5に沿って配置してい
る。各磁極6、6は、鋳型内中央に配置した浸漬ノズル
1からAの距離をおいて配置され、Bの磁極幅を有す
る。なお、図2中の符号8はリターンヨークである。
浸漬ノズル1から溶鋼が吐出される。浸漬ノズル1に
は、鋳型内斜め下方に溶鋼を吐出するための孔が設けら
れており、この孔から溶鋼が鋳型内に吐出される。鋳型
内の浸漬ノズル1の周りには、図2に示した磁極6、6
によって、浸漬ノズル1から距離Aをおいて、且つ磁極
幅Bと同じ幅を有する略U形の磁場帯14が形成されて
いる。浸漬ノズル1の孔から吐出された溶鋼は所定の吐
出流で吐出される。この吐出流は、U形磁極6、6によ
る磁場帯14に接触して、吐出流が減衰され、鋳型短辺
4側の壁に形成された凝固シェル9に衝突する。衝突し
た吐出流は鋳型短辺4の壁(凝固シェル9)に沿って上
昇流10と下降流11とに分散される。吐出流は、衝突
前にU形磁極6、6による磁場帯14により減衰されて
いるので、上昇流10および下降流11とも溶鋼を撹拌
する力はなく、鋳型上面の湯面3の変動は防止できる。
なお、なお、図1中の符号2はモールドパウダーであ
る。
Aをおいて磁極6、6を配置し、浸漬ノズル1から距離
A内の領域で吐出流の上昇を発生させず、鋳型上面の湯
面3の変動が起こらないようにしている。このことを図
3で詳述する。図3は、浸漬ノズルと磁極との距離Aと
湯面の流速標準偏差の関係について説明するグラフで、
スラブ厚90mm、スラブ幅1500mm、鋳造速度8
m/minの条件で行った実験結果を示すものである。
図3より、浸漬ノズルと磁極との距離Aを300mm以
下とすれば湯面の変動が小さいことがわかる。つまり、
湯面の変動は、浸漬ノズルから吐出された溶鋼が鋳型の
壁、または、磁極による磁場帯に接触した際に発生する
に上昇流によって溶鋼が流動し、この流動によって変動
するもので、これを流速標準偏差として表すことが出来
る。流速標準偏差とは、湯面の任意の点における流速の
時間に対する変化率であり、この変化率が大きいと、流
れは乱流状態となり湯面変動が大きいということにな
る。この湯面レベルを安定させるためには、湯面の流速
標準偏差を0.1以下にすることが必要である。図3か
らわかるように、浸漬ノズルと磁極との距離Aを300
mm以下とすることで流速標準偏差を0.1以下に抑え
ることが出来た。
磁極幅Bと湯面の流速標準偏差との関係について、スラ
ブ厚90mm、スラブ幅1500mm、鋳造速度8m/
minの条件で、種々の実験を行い、最適な範囲を導く
ことが出来た。このときの磁極の磁束密度は最大0.4
テスラとした。図4に示すように磁極と浸漬ノズルの距
離Aおよび磁極幅Bと湯面の流速標準偏差との関係は、
A+Bが200mm以上であれば、湯面の流速標準偏差
を0.1以下に出来ることがわかった。上限は、コスト
との関係から500mm程度までが最も有効な範囲であ
る。200mm未満では磁極幅が小さく、吐出流を減衰
させることが出来ない。従って、浸漬ノズルと磁極との
距離Aと磁極幅Bは、200≦A+B≦500の関係を
満足することが望ましい。
と浸漬ノズルの吐出流速の関係を検討した。その結果を
図5に示す。図5では、スラブ厚90mm、スラブ幅1
500mm、鋳造速度=8m/min、ノズルからの吐
出口面積S=4800mm2、浸漬ノズルの吐出流速=
3.75m/sとして種々の実験を行った。鋳型上面の
湯面の流速標準偏差を0.1以下とするためには、最大
磁束密度(テスラ)×磁極幅B(mm)≧10×浸漬ノ
ズルの吐出流速(m/s)+20であることを確認し
た。この範囲を採用することで、湯面の流速標準偏差を
0.1以下に抑えることができ、結果として湯面レベル
の変動を±5mm以下に制御することが可能となり、薄
スラブの連続鋳造設備での高速安定鋳造が可能となっ
た。
型、凹形状鋳型等のあらゆる鋳型形状のものに対しても
実施可能である。また、これら形状の場合、スラブの厚
みの定義は、鋳型短辺近傍の厚みをもって、厚みが10
0mm以下の薄スラブの連続鋳造設備とする。
厚が100mm以下で鋳造速度が5m/min以上の薄
スラブの連続鋳造において、鋳型内の湯面の変動を防止
でき、モールドパウダーの巻き込みによる鋳造欠陥やブ
レークアウトの発生を防止し、安定した高速鋳造を行う
ことが出来る。
図である。
偏差の関係を示すグラフである。
湯面の流速標準偏差との関係を示すグラフである。
出流速の関係を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 鋳型の厚み方向に磁極を対向させた電磁
力による直流静磁場または低周波交流磁場、あるいは永
久磁石による静磁場によって鋳型内の溶鋼流動を制御す
る薄スラブの連続鋳造設備において、 スラブの厚みを100mm以下、鋳造速度を5m/mi
n以上とし、且つ、浸漬ノズルを囲む磁極形状を略U形
とするとともに、浸漬ノズルと磁極との距離Aを300
mm以下とすることを特徴とする薄スラブの連続鋳造設
備。 - 【請求項2】 鋳型の厚み方向に磁極を対向させた電磁
力による直流静磁場または低周波交流磁場、あるいは永
久磁石による静磁場によって鋳型内の溶鋼流動を制御す
る薄スラブの連続鋳造設備において、 スラブの厚みを100mm以下、鋳造速度を5m/mi
n以上とし、且つ、浸漬ノズルを囲む磁極形状を略U形
とするとともに、浸漬ノズルと磁極との距離Aと磁極幅
Bの関係が下記式を満足することを特徴とする薄スラブ
の連続鋳造設備。 式 200mm≦A+B≦500mm - 【請求項3】 鋳型の厚み方向に磁極を対向させた電磁
力による直流静磁場または低周波交流磁場、あるいは永
久磁石による静磁場によって鋳型内の溶鋼流動を制御す
る薄スラブの連続鋳造設備において、 スラブの厚みを100mm以下、鋳造速度を5m/mi
n以上とし、且つ、浸漬ノズルを囲む磁極形状を略U形
とするとともに、磁極幅Bが、磁極の最大磁束密度(テ
スラ)×磁極幅B(mm)≧10×浸漬ノズルの吐出流
速(m/s)+20の関係を満足することを特徴とする
薄スラブの連続鋳造設備。 - 【請求項4】 鋳型の厚み方向に磁極を対向させた電磁
力による直流静磁場または低周波交流磁場、あるいは永
久磁石による静磁場によって鋳型内の溶鋼流動を制御す
る薄スラブの連続鋳造方法において、 スラブの厚みを100mm以下、鋳造速度を5m/mi
n以上とし、且つ、浸漬ノズルを囲む磁極形状を略U形
とするとともに、浸漬ノズルと磁極との距離Aを300
mm以下として鋳型内溶鋼流動を制御することを特徴と
する薄スラブの連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002137224A JP3914092B2 (ja) | 2002-05-13 | 2002-05-13 | 薄スラブの連続鋳造設備および連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002137224A JP3914092B2 (ja) | 2002-05-13 | 2002-05-13 | 薄スラブの連続鋳造設備および連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003326339A true JP2003326339A (ja) | 2003-11-18 |
JP3914092B2 JP3914092B2 (ja) | 2007-05-16 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002137224A Expired - Fee Related JP3914092B2 (ja) | 2002-05-13 | 2002-05-13 | 薄スラブの連続鋳造設備および連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3914092B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015162039A1 (de) * | 2014-04-25 | 2015-10-29 | Thyssenkrupp Steel Europe Ag | VERFAHREN UND VORRICHTUNG ZUM DÜNNBRAMMEN-STRANGGIEßEN |
-
2002
- 2002-05-13 JP JP2002137224A patent/JP3914092B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015162039A1 (de) * | 2014-04-25 | 2015-10-29 | Thyssenkrupp Steel Europe Ag | VERFAHREN UND VORRICHTUNG ZUM DÜNNBRAMMEN-STRANGGIEßEN |
CN106536087A (zh) * | 2014-04-25 | 2017-03-22 | 蒂森克虏伯钢铁欧洲股份公司 | 用于薄扁坯连铸的方法和设备 |
EP3134220B1 (de) | 2014-04-25 | 2019-09-04 | ThyssenKrupp Steel Europe AG | Verfahren und vorrichtung zum dunnbrammenstranggiessen |
US10486228B2 (en) | 2014-04-25 | 2019-11-26 | Thyssenkrupp Steel Europe Ag | Method and device for thin-slab strand casting |
CN106536087B (zh) * | 2014-04-25 | 2020-07-24 | 蒂森克虏伯钢铁欧洲股份公司 | 用于薄扁坯连铸的方法和设备 |
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