JPH0819841A - 連続鋳造方法 - Google Patents
連続鋳造方法Info
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- JPH0819841A JPH0819841A JP15220194A JP15220194A JPH0819841A JP H0819841 A JPH0819841 A JP H0819841A JP 15220194 A JP15220194 A JP 15220194A JP 15220194 A JP15220194 A JP 15220194A JP H0819841 A JPH0819841 A JP H0819841A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電磁流動制御によりモールドパウダの巻き込
みを防止するとともに、鋳型内で脱酸生成物の浮上を促
進することができる連続鋳造方法を提供する。 【構成】 鋳型の幅中央ないし鋳型短辺より内側の所定
位置から両端部近傍にかけて、磁極を鋳型上方側に曲げ
るか又は傾斜させ、かつ鋳片の幅中央部では浸漬ノズル
の吐出孔より下方に設ける。
みを防止するとともに、鋳型内で脱酸生成物の浮上を促
進することができる連続鋳造方法を提供する。 【構成】 鋳型の幅中央ないし鋳型短辺より内側の所定
位置から両端部近傍にかけて、磁極を鋳型上方側に曲げ
るか又は傾斜させ、かつ鋳片の幅中央部では浸漬ノズル
の吐出孔より下方に設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁力によって鋳型内
での溶鋼流動を制御する連続鋳造方法に関する。
での溶鋼流動を制御する連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造方法においてはタンディッ
シュから浸漬ノズルを通して鋳型内に注入された溶鋼は
大きな吐出速度をもっている。この吐出流は、図17に
示すようにメニスカスから深く侵入するため、アルミナ
等を主体とする脱酸生成物8が凝固殻10内に捕捉され
る原因となり、また、鋳型短辺面に衝突した吐出流は上
方流となって湯面近傍の大きな溶鋼流速となるため、モ
ールドパウダー7の巻き込みを生じる原因ともなる。こ
のような脱酸生成物8の混入やモールドパウダー7の巻
き込みは、鋳造速度が大きくなるに従って顕著となる。
これらの現象を防ぐために電磁力を流動溶鋼に作用させ
る防止技術が従来から種々提案されている。
シュから浸漬ノズルを通して鋳型内に注入された溶鋼は
大きな吐出速度をもっている。この吐出流は、図17に
示すようにメニスカスから深く侵入するため、アルミナ
等を主体とする脱酸生成物8が凝固殻10内に捕捉され
る原因となり、また、鋳型短辺面に衝突した吐出流は上
方流となって湯面近傍の大きな溶鋼流速となるため、モ
ールドパウダー7の巻き込みを生じる原因ともなる。こ
のような脱酸生成物8の混入やモールドパウダー7の巻
き込みは、鋳造速度が大きくなるに従って顕著となる。
これらの現象を防ぐために電磁力を流動溶鋼に作用させ
る防止技術が従来から種々提案されている。
【0003】特開平2−75455号公報、特開平3−
258442号公報、並びに特開平3−142049号
公報には、静磁場を浸漬ノズルの吐出口近傍に印加し、
最適磁界強度になるように電磁力を制御したり、鋳片の
幅全体に電磁力を作用させる方法等がそれぞれ記載され
ている。
258442号公報、並びに特開平3−142049号
公報には、静磁場を浸漬ノズルの吐出口近傍に印加し、
最適磁界強度になるように電磁力を制御したり、鋳片の
幅全体に電磁力を作用させる方法等がそれぞれ記載され
ている。
【0004】しかしながら、特開平2−75455号公
報に記載された方法は、溶鋼流動を効果的に制御するた
めの電磁力範囲を規定するものではあるが、浸漬ノズル
からの吐出流速は時間変動が大きく、最適な電磁力範囲
を一義的に決定することは困難である。
報に記載された方法は、溶鋼流動を効果的に制御するた
めの電磁力範囲を規定するものではあるが、浸漬ノズル
からの吐出流速は時間変動が大きく、最適な電磁力範囲
を一義的に決定することは困難である。
【0005】一方、特開平3−258442号公報およ
び特開平3−142049号公報に記載された技術は、
電磁力が強すぎた場合に溶鋼流の局部的な回り込みが生
じるのを防ぐことを目的として鋳片の全幅にわたって電
磁界を配置している。
び特開平3−142049号公報に記載された技術は、
電磁力が強すぎた場合に溶鋼流の局部的な回り込みが生
じるのを防ぐことを目的として鋳片の全幅にわたって電
磁界を配置している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術においては、電磁力が弱い場合には溶鋼流動の
制御効果が不十分になることは勿論であるが、逆に電磁
力を強くしすぎると電磁界分布の弱い裾野領域に沿って
水平方向に溶鋼流が走り、短辺面に衝突して、その後は
下降流となる。しかるに、短辺近傍の鋳片の端部では電
気的に絶縁状態にあるため、誘導電流が逆向きに流れ
て、溶鋼の下降流を加速する方向に電磁力が作用する。
従来技術においては、電磁力が弱い場合には溶鋼流動の
制御効果が不十分になることは勿論であるが、逆に電磁
力を強くしすぎると電磁界分布の弱い裾野領域に沿って
水平方向に溶鋼流が走り、短辺面に衝突して、その後は
下降流となる。しかるに、短辺近傍の鋳片の端部では電
気的に絶縁状態にあるため、誘導電流が逆向きに流れ
て、溶鋼の下降流を加速する方向に電磁力が作用する。
【0007】その結果、図18および図19に示すよう
に、脱酸生成物8およびモールドパウダ7が吐出流に乗
って鋳型内の奥深いところまで持ち込まれ、これら異物
が凝固殻10のなかに取り込まれる。このような異物は
介在物となって短辺近傍における鋳片の品質を劣化させ
る。このような異物の巻き込みを防止するには溶鋼吐出
速度に応じて磁界強度を迅速かつ高精度に制御すること
が必要になる。しかしながら、不確定要素の多い鋳型内
の溶鋼流動を高精度かつ高応答に制御することは技術的
にもコスト的にも難しく、高品質の鋳片を安定に得るこ
とは極めて困難である。
に、脱酸生成物8およびモールドパウダ7が吐出流に乗
って鋳型内の奥深いところまで持ち込まれ、これら異物
が凝固殻10のなかに取り込まれる。このような異物は
介在物となって短辺近傍における鋳片の品質を劣化させ
る。このような異物の巻き込みを防止するには溶鋼吐出
速度に応じて磁界強度を迅速かつ高精度に制御すること
が必要になる。しかしながら、不確定要素の多い鋳型内
の溶鋼流動を高精度かつ高応答に制御することは技術的
にもコスト的にも難しく、高品質の鋳片を安定に得るこ
とは極めて困難である。
【0008】特開平1−150450号公報には、非金
属介在物の巻き込みを防止するための溶鋼流動制御方法
が記載されている。しかし、この制御方法においては磁
界の位置がメニスカスから遠くなるので、メニスカス領
域での流動制御は不十分であり、モールドパウダの巻き
込みを十分に防止することはできない。
属介在物の巻き込みを防止するための溶鋼流動制御方法
が記載されている。しかし、この制御方法においては磁
界の位置がメニスカスから遠くなるので、メニスカス領
域での流動制御は不十分であり、モールドパウダの巻き
込みを十分に防止することはできない。
【0009】本発明は、モールドパウダの巻き込みを防
止するとともに、鋳型内で脱酸生成物の浮上を促進する
ことができる連続鋳造方法に係り、とくに鋳片の短辺面
近傍での下降流を低減して、鋳片全幅にわたって高い清
浄性を有する高品位鋳片を製造することができる連続鋳
造方法を提供することを目的とする。
止するとともに、鋳型内で脱酸生成物の浮上を促進する
ことができる連続鋳造方法に係り、とくに鋳片の短辺面
近傍での下降流を低減して、鋳片全幅にわたって高い清
浄性を有する高品位鋳片を製造することができる連続鋳
造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係る
連続鋳造方法は、鋳型の厚み方向に磁極を対向させた電
磁力による直流静磁場又は低周波交流磁場、あるいは永
久磁石による静磁場によって鋳型内の溶鋼流動を制御す
る連続鋳造方法において、鋳型の幅中央ないし鋳型短辺
より内側の所定位置から両端部近傍にかけて、磁極を鋳
型上方側に曲げるか又は傾斜させ、かつ鋳片の幅中央部
では浸漬ノズルの吐出孔より下方に設けることを特徴と
する。
連続鋳造方法は、鋳型の厚み方向に磁極を対向させた電
磁力による直流静磁場又は低周波交流磁場、あるいは永
久磁石による静磁場によって鋳型内の溶鋼流動を制御す
る連続鋳造方法において、鋳型の幅中央ないし鋳型短辺
より内側の所定位置から両端部近傍にかけて、磁極を鋳
型上方側に曲げるか又は傾斜させ、かつ鋳片の幅中央部
では浸漬ノズルの吐出孔より下方に設けることを特徴と
する。
【0011】磁極を上方に曲げた場合には、鋳型短辺近
傍における湾曲磁極下方側における接線と水平軸とのな
す角度が5°以上であることが好ましい。また、磁極を
上方に直線的に傾斜させた場合には、その傾斜角度が5
°以上であることが好ましい。
傍における湾曲磁極下方側における接線と水平軸とのな
す角度が5°以上であることが好ましい。また、磁極を
上方に直線的に傾斜させた場合には、その傾斜角度が5
°以上であることが好ましい。
【0012】また、磁極を上方に曲げた場合には、鋳型
短辺近傍においてそのまま連続的に湾曲させて湯面近傍
にも電磁力が作用するように楕円状態の磁極とするか又
は鋳型短辺近傍において湯面近傍にも電磁力が作用する
ように鋳型の幅中央に向けて再び傾斜もしくは折り曲げ
た磁極とし、浸漬ノズルからの吐出孔を取り囲むように
磁極を配置することが望ましい。
短辺近傍においてそのまま連続的に湾曲させて湯面近傍
にも電磁力が作用するように楕円状態の磁極とするか又
は鋳型短辺近傍において湯面近傍にも電磁力が作用する
ように鋳型の幅中央に向けて再び傾斜もしくは折り曲げ
た磁極とし、浸漬ノズルからの吐出孔を取り囲むように
磁極を配置することが望ましい。
【0013】
【作用】特開平3−258442号公報および特開平3
−142049号公報に示すように静磁場を鋳片の幅方
向に直線的に配置した場合は、図3に示すように浸漬ノ
ズル1からの吐出主流は磁界Bの強度の等高線に沿って
流れ、流速はあまり制動されないで水平方向に走り、短
辺面に衝突して下降流となる。この下降流と磁界との相
互作用により誘導電流Jが生じるが、上述のように短辺
面は鋳型壁6と電気的に絶縁状態にあるため、この誘導
電流は本来の方向に対して逆向きに電流J1 が流れ、下
降流を加速する方向の電磁力F1 が作用することにな
る。
−142049号公報に示すように静磁場を鋳片の幅方
向に直線的に配置した場合は、図3に示すように浸漬ノ
ズル1からの吐出主流は磁界Bの強度の等高線に沿って
流れ、流速はあまり制動されないで水平方向に走り、短
辺面に衝突して下降流となる。この下降流と磁界との相
互作用により誘導電流Jが生じるが、上述のように短辺
面は鋳型壁6と電気的に絶縁状態にあるため、この誘導
電流は本来の方向に対して逆向きに電流J1 が流れ、下
降流を加速する方向の電磁力F1 が作用することにな
る。
【0014】一方、本発明の方法においては、図4に示
すように鋳型の端部近傍にて磁極12を鋳型上方側に湾
曲又は傾斜させているため、浸漬ノズル1からの吐出流
は鋳片端部に向かって磁界Bの強度の等高線(一点鎖
線)を横切るように流れ、流速は急激に低下される。こ
のため、吐出流が短辺面に衝突するころには、吐出流は
ほとんど速度をもたない状態になる。よって、従来にお
けるように短辺面近傍での下降流は発生しない。
すように鋳型の端部近傍にて磁極12を鋳型上方側に湾
曲又は傾斜させているため、浸漬ノズル1からの吐出流
は鋳片端部に向かって磁界Bの強度の等高線(一点鎖
線)を横切るように流れ、流速は急激に低下される。こ
のため、吐出流が短辺面に衝突するころには、吐出流は
ほとんど速度をもたない状態になる。よって、従来にお
けるように短辺面近傍での下降流は発生しない。
【0015】なお、磁極を上方に曲げるか又は直線的に
傾斜させた場合において、鋳型短辺近傍の磁極下方側に
おける接線と水平軸とのなす角度を5°以上とした理由
は、傾斜角度が5°未満であると磁界強度の等高線を横
切る流れが少なく、流速が減衰されなくなるからであ
る。
傾斜させた場合において、鋳型短辺近傍の磁極下方側に
おける接線と水平軸とのなす角度を5°以上とした理由
は、傾斜角度が5°未満であると磁界強度の等高線を横
切る流れが少なく、流速が減衰されなくなるからであ
る。
【0016】
【実施例】以下、添付の図面を参照しながら本発明の種
々の実施例について説明する。垂直曲げ型連続鋳造機は
約2.5mの垂直部分を有し、鋳型ユニットから凝固鋳
片がピンチローラによって下流側に引抜きされるように
なっている。鋳型ユニットの上方にはタンディッシュが
設けられ、鋳型キャビティに浸漬ノズル1を介して溶鋼
が連続鋳造されるようになっている。
々の実施例について説明する。垂直曲げ型連続鋳造機は
約2.5mの垂直部分を有し、鋳型ユニットから凝固鋳
片がピンチローラによって下流側に引抜きされるように
なっている。鋳型ユニットの上方にはタンディッシュが
設けられ、鋳型キャビティに浸漬ノズル1を介して溶鋼
が連続鋳造されるようになっている。
【0017】図1及び図2に示すように、鋳型ユニット
は水冷の鋳型壁6を有し、この鋳型壁6の外側に1対の
磁極12が設けられている。各磁極12の端部はリター
ンヨーク4によって連結され、1つの磁気回路が形成さ
れている。各磁極12は鋳型壁6の長辺面にそれぞれ対
面している。この磁極12は中央部ではほぼ水平で、鋳
型壁6の短辺面に近い両端部では上方に向かって直線的
に傾斜している。鋳型壁6で囲まれたキャビティ内には
浸漬ノズル1が挿入され、下部の1対の吐出孔9から溶
鋼が吐出されるようになっている。鋳型内溶鋼の湯面上
にはモールドパウダ7が浮んでいる。
は水冷の鋳型壁6を有し、この鋳型壁6の外側に1対の
磁極12が設けられている。各磁極12の端部はリター
ンヨーク4によって連結され、1つの磁気回路が形成さ
れている。各磁極12は鋳型壁6の長辺面にそれぞれ対
面している。この磁極12は中央部ではほぼ水平で、鋳
型壁6の短辺面に近い両端部では上方に向かって直線的
に傾斜している。鋳型壁6で囲まれたキャビティ内には
浸漬ノズル1が挿入され、下部の1対の吐出孔9から溶
鋼が吐出されるようになっている。鋳型内溶鋼の湯面上
にはモールドパウダ7が浮んでいる。
【0018】浸漬ノズル1の下端部が磁極12の水平中
央部より下方に位置しないように、浸漬ノズル1のレベ
ル調整がなされている。実施例では浸漬ノズル1の吐出
孔9の中心から磁極12の水平中央部上端までの距離L
が約150mmとなるように、浸漬ノズル1を鋳型内に挿
入した。また、磁極12の幅方向の中心から約150mm
までの部分はほぼ水平であり、この水平部から上方に向
かって両端部は約15°傾いている。磁極12は鋳片幅
よりもやや長く形成され、鋳片幅方向の全体にわたって
最大磁束密度の70%以上を確保しうるようになってい
る。なお、磁極12の鋳造方向の長さは250mmであ
り、磁極12の中央部における最大磁束密度は約300
0ガウス(0.3テスラ)である。
央部より下方に位置しないように、浸漬ノズル1のレベ
ル調整がなされている。実施例では浸漬ノズル1の吐出
孔9の中心から磁極12の水平中央部上端までの距離L
が約150mmとなるように、浸漬ノズル1を鋳型内に挿
入した。また、磁極12の幅方向の中心から約150mm
までの部分はほぼ水平であり、この水平部から上方に向
かって両端部は約15°傾いている。磁極12は鋳片幅
よりもやや長く形成され、鋳片幅方向の全体にわたって
最大磁束密度の70%以上を確保しうるようになってい
る。なお、磁極12の鋳造方向の長さは250mmであ
り、磁極12の中央部における最大磁束密度は約300
0ガウス(0.3テスラ)である。
【0019】次に、上記の連続鋳造機を用いて溶鋼流動
を制御をしながら鋳造する場合について説明する。鋳造
開始とほぼ同時にコイル3に給電して磁界を形成する。
この磁界は浸漬ノズル1からの吐出溶鋼に作用して短辺
面に向かう流動力を弱めるので、吐出溶鋼は短辺面に衝
突して下降流を形成しなくなる。すなわち鋳型の端部近
傍にて磁極12を鋳型上方側に傾斜させているので、図
4に示すように、浸漬ノズル1からの吐出流は鋳片端部
に向かって磁界Bの強度の等高線を横切るように流れ、
流速は急激に低下される。このため、吐出流が短辺面に
衝突するころには、吐出流はほとんど速度をもたない状
態になる。このようにして毎分1.6mの速度で鋳片を
鋳型から引き抜き、横断面サイズが220×1650mm
の低炭素アルミキルド鋼鋳片を製造した。
を制御をしながら鋳造する場合について説明する。鋳造
開始とほぼ同時にコイル3に給電して磁界を形成する。
この磁界は浸漬ノズル1からの吐出溶鋼に作用して短辺
面に向かう流動力を弱めるので、吐出溶鋼は短辺面に衝
突して下降流を形成しなくなる。すなわち鋳型の端部近
傍にて磁極12を鋳型上方側に傾斜させているので、図
4に示すように、浸漬ノズル1からの吐出流は鋳片端部
に向かって磁界Bの強度の等高線を横切るように流れ、
流速は急激に低下される。このため、吐出流が短辺面に
衝突するころには、吐出流はほとんど速度をもたない状
態になる。このようにして毎分1.6mの速度で鋳片を
鋳型から引き抜き、横断面サイズが220×1650mm
の低炭素アルミキルド鋼鋳片を製造した。
【0020】図5は、横軸に鋳片幅中心からの距離をと
り、縦軸に鋳片に含まれる介在物の個数をとって、上記
実施例の方法で製造した鋳片の品質と比較例のそれとに
つき調べた結果を示す線図である。比較例では電磁流動
制御することなく鋳造した。鋳片の品質は、鋳片切断面
を顕微鏡観察し、鋳片100グラム中に含まれる50μ
m以上の大型の非金属介在物の個数をカウントして評価
した。図中にて曲線Mは本実施例の結果を示し、曲線N
は比較例の結果を示す。図から明らかなように、比較例
では鋳片100グラム中に4〜6個(平均5個)の介在
物が存在するのに対して、実施例では鋳片100グラム
中にわずかに1〜3個(平均2個未満)の介在物が認め
られるのみであり、実施例は比較例の1/2乃至1/3
の個数に低減されるという電磁流動制御の効果が確認さ
れた。とくに、実施例の鋳片では両短辺近傍における介
在物の集積はまったく認められなかった。
り、縦軸に鋳片に含まれる介在物の個数をとって、上記
実施例の方法で製造した鋳片の品質と比較例のそれとに
つき調べた結果を示す線図である。比較例では電磁流動
制御することなく鋳造した。鋳片の品質は、鋳片切断面
を顕微鏡観察し、鋳片100グラム中に含まれる50μ
m以上の大型の非金属介在物の個数をカウントして評価
した。図中にて曲線Mは本実施例の結果を示し、曲線N
は比較例の結果を示す。図から明らかなように、比較例
では鋳片100グラム中に4〜6個(平均5個)の介在
物が存在するのに対して、実施例では鋳片100グラム
中にわずかに1〜3個(平均2個未満)の介在物が認め
られるのみであり、実施例は比較例の1/2乃至1/3
の個数に低減されるという電磁流動制御の効果が確認さ
れた。とくに、実施例の鋳片では両短辺近傍における介
在物の集積はまったく認められなかった。
【0021】次に、図6乃至図16を参照して磁極構造
の種々の変形例について説明する。図6に示すように、
水平中央部をなくして磁極12aをV字状に形成しても
よい。
の種々の変形例について説明する。図6に示すように、
水平中央部をなくして磁極12aをV字状に形成しても
よい。
【0022】図7に示すように、水平中央部を少し長く
して磁極12bの両端部を湾曲させてもよい。図8に示
すように、磁極12cの両端部の湾曲を大きくして全体
として楕円状にしてもよい。
して磁極12bの両端部を湾曲させてもよい。図8に示
すように、磁極12cの両端部の湾曲を大きくして全体
として楕円状にしてもよい。
【0023】図9に示すように、磁極12dの両端部を
水平中央部から直角に立てて全体としてコ字状にしても
よい。図10に示すように、磁極12eの両端部を水平
中央部から直角に立て更に中央に向かって折り返して全
体として矩形状にしてもよい。
水平中央部から直角に立てて全体としてコ字状にしても
よい。図10に示すように、磁極12eの両端部を水平
中央部から直角に立て更に中央に向かって折り返して全
体として矩形状にしてもよい。
【0024】図11に示すように、上記第1実施例の磁
極12に似た形状の磁極22aにおいて、その中央部に
て左右に2分割してもよい。図12に示すように、上記
磁極12aに似た形状の磁極22bにおいて、その中央
部にて左右に2分割してもよい。
極12に似た形状の磁極22aにおいて、その中央部に
て左右に2分割してもよい。図12に示すように、上記
磁極12aに似た形状の磁極22bにおいて、その中央
部にて左右に2分割してもよい。
【0025】図13に示すように、上記磁極12bに似
た形状の磁極22cにおいて、その中央部にて左右に2
分割してもよい。図14に示すように、上記磁極12c
に似た形状の磁極22dにおいて、その中央部にて左右
に2分割してもよい。
た形状の磁極22cにおいて、その中央部にて左右に2
分割してもよい。図14に示すように、上記磁極12c
に似た形状の磁極22dにおいて、その中央部にて左右
に2分割してもよい。
【0026】図15に示すように、上記磁極12eに似
た形状の磁極22eにおいて、その中央部にて左右に2
分割してもよい。図16に示すように、上記磁極12d
に似た形状の磁極22fにおいて、その中央部にて左右
に2分割してもよい。
た形状の磁極22eにおいて、その中央部にて左右に2
分割してもよい。図16に示すように、上記磁極12d
に似た形状の磁極22fにおいて、その中央部にて左右
に2分割してもよい。
【0027】上記の2分割構造の磁極22a〜22fに
おいては、磁気コイルの製作が容易になるという利点が
ある。これらの2分割構造の磁極であっても要求レベル
以上の所定の磁束密度を確保することができる。なお、
2分割構造の磁極の場合は、磁気回路を形成するための
リターンヨークは周囲部材と干渉しないように鋳型の裏
面側に回してもよいし、同一面内で左右各々の磁極を結
合してもよい。
おいては、磁気コイルの製作が容易になるという利点が
ある。これらの2分割構造の磁極であっても要求レベル
以上の所定の磁束密度を確保することができる。なお、
2分割構造の磁極の場合は、磁気回路を形成するための
リターンヨークは周囲部材と干渉しないように鋳型の裏
面側に回してもよいし、同一面内で左右各々の磁極を結
合してもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、鋳型端部における異常
下降流を防ぎながら、かつ、メニスカスにおける付随的
な液面変動を生じさせることなく鋳型内での溶鋼流動制
御が可能となる。このため、モールドパウダの巻き込み
防止および脱酸生成物の浮上促進がともに達成され、高
い清浄性を有する高品質の鋳片を安定して製造すること
ができる。
下降流を防ぎながら、かつ、メニスカスにおける付随的
な液面変動を生じさせることなく鋳型内での溶鋼流動制
御が可能となる。このため、モールドパウダの巻き込み
防止および脱酸生成物の浮上促進がともに達成され、高
い清浄性を有する高品質の鋳片を安定して製造すること
ができる。
【図1】本発明の実施例に係る連続鋳造方法に用いられ
た鋳型部分を示す縦断面模式図。
た鋳型部分を示す縦断面模式図。
【図2】鋳型の平面模式図。
【図3】比較例における鋳型内の溶湯流動及び磁界強度
の等高線を示す模式図。
の等高線を示す模式図。
【図4】実施例における鋳型内の溶湯流動及び磁界強度
の等高線を示す模式図。
の等高線を示す模式図。
【図5】実施例と比較例の効果を示す線図。
【図6】他の実施例の鋳型部分を示す縦断面模式図。
【図7】他の実施例の鋳型部分を示す縦断面模式図。
【図8】他の実施例の鋳型部分を示す縦断面模式図。
【図9】他の実施例の鋳型部分を示す縦断面模式図。
【図10】他の実施例の鋳型部分を示す縦断面模式図。
【図11】さらに他の実施例の鋳型部分を示す縦断面模
式図。
式図。
【図12】さらに他の実施例の鋳型部分を示す縦断面模
式図。
式図。
【図13】さらに他の実施例の鋳型部分を示す縦断面模
式図。
式図。
【図14】さらに他の実施例の鋳型部分を示す縦断面模
式図。
式図。
【図15】さらに他の実施例の鋳型部分を示す縦断面模
式図。
式図。
【図16】さらに他の実施例の鋳型部分を示す縦断面模
式図。
式図。
【図17】従来の鋳型内における溶湯流動を説明するた
めの縦断面模式図。
めの縦断面模式図。
【図18】従来の鋳型内における溶湯流動を説明するた
めの縦断面模式図。
めの縦断面模式図。
【図19】従来の鋳型内における溶湯流動を説明するた
めの縦断面模式図。
めの縦断面模式図。
1…浸漬ノズル、 2,12,12a〜12e,22a〜22f…磁極、 3…磁気コイル、 4…リターンヨーク、 6…鋳型壁、 7…モールドパウダ、 8…脱酸生成物、 9…吐出孔
フロントページの続き (72)発明者 石井 俊夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 鋳型の厚み方向に磁極を対向させた電磁
力による直流静磁場又は低周波交流磁場、あるいは永久
磁石による静磁場によって鋳型内の溶鋼流動を制御する
連続鋳造方法において、 鋳型の幅中央ないし鋳型短辺より内側の所定位置から両
端部近傍にかけて、磁極を鋳型上方側に曲げるか又は傾
斜させ、かつ鋳片の幅中央部では浸漬ノズルの吐出孔よ
り下方に設けることを特徴とする連続鋳造方法。 - 【請求項2】 上方に曲げた磁極の場合には、鋳型短辺
近傍における湾曲磁極下方側における接線と水平軸との
なす角度が5°以上であるか、又は上方に直線的に傾斜
させた磁極の場合には、その傾斜角度が5°以上である
ことを特徴とする請求項1記載の連続鋳造方法。 - 【請求項3】 上方に曲げた磁極の場合には、鋳型短辺
近傍においてそのまま連続的に湾曲させて湯面近傍にも
電磁力が作用するように楕円状態の磁極とするか又は鋳
型短辺近傍において湯面近傍にも電磁力が作用するよう
に鋳型の幅中央に向けて再び傾斜もしくは折り曲げた磁
極とし、浸漬ノズルからの吐出孔を取り囲むように磁極
を配置することを特徴とする請求項1記載の連続鋳造方
法。 - 【請求項4】 上方に曲げた磁極の場合には、鋳型短辺
近傍においてそのまま連続的に湾曲させて湯面近傍にも
電磁力が作用するように楕円状態の磁極とするか又は鋳
型短辺近傍において湯面近傍にも電磁力が作用するよう
に鋳型の幅中央に向けて再び傾斜もしくは折り曲げた磁
極とし、浸漬ノズルからの吐出孔を取り囲むように磁極
を配置することを特徴とする請求項2記載の連続鋳造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15220194A JPH0819841A (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | 連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15220194A JPH0819841A (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | 連続鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0819841A true JPH0819841A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=15535275
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15220194A Pending JPH0819841A (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | 連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819841A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7448431B2 (en) | 2003-04-11 | 2008-11-11 | Jfe Steel Corporation | Method of continuous steel casting |
US20110162817A1 (en) * | 2008-07-15 | 2011-07-07 | Sms Siemag Aktiengesellschaft | Electromagnetic braking device on continuous casting molds |
CN112191818A (zh) * | 2020-09-30 | 2021-01-08 | 首钢集团有限公司 | 降低结晶器内钢液偏流的控制方法及控制装置 |
-
1994
- 1994-07-04 JP JP15220194A patent/JPH0819841A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7448431B2 (en) | 2003-04-11 | 2008-11-11 | Jfe Steel Corporation | Method of continuous steel casting |
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RU2468886C2 (ru) * | 2008-07-15 | 2012-12-10 | Смс Зимаг Аг | Электромагнитное тормозное устройство, устанавливаемое на кристаллизаторах для непрерывной разливки |
CN112191818A (zh) * | 2020-09-30 | 2021-01-08 | 首钢集团有限公司 | 降低结晶器内钢液偏流的控制方法及控制装置 |
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