JP2003324849A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP2003324849A
JP2003324849A JP2002126834A JP2002126834A JP2003324849A JP 2003324849 A JP2003324849 A JP 2003324849A JP 2002126834 A JP2002126834 A JP 2002126834A JP 2002126834 A JP2002126834 A JP 2002126834A JP 2003324849 A JP2003324849 A JP 2003324849A
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Matsushita Ecology Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の周波数シフト方式を採用した単独運転
検出方式を搭載した連系インバータ装置において、単独
運転検知感度を上げるために、周波数バイアスの大きい
電流歪を付与すると電流歪み率が大きくなり、電源高調
波が原因で発生する誘導正負荷に消費される損失損失が
大きくなる問題点があった。 【解決手段】 インバータ装置2の出力周波数に変動が
生じるように、インバータ出力のピークポイントおよび
その近傍の所定区間において、インバータ出力電流の変
位が連続で、かつ、インバータ出力電流の周波数が不連
続な周波数変動をともなう電流歪を付与する電流歪付与
手段14を備えることにより、検知性能が良好で高調波
電流が原因で発生する誘導正負荷に消費される損失も小
さい単独運転検出方式を搭載したインバータ装置2を提
供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池、風力発
電装置、燃料電池等などを電力供給源とする分散電源が
交流電力系統と連係しつつ負荷に電力を供給するインバ
ータ装置、および、分散電源が負荷へ交流電力を供給中
に、前記インバータ装置が、停電等によって前記交流電
力系統の電源側が遮断され、単独運転状態になったこと
を検知するインバータ装置の単独運転検出方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、風力エネルギーを利用して電力を
発生する風力発電や、太陽光エネルギーを利用して電力
を発生する風量発電などの自然エネルギーを有効利用し
た発電設備や、公害を発生しない水素などの燃料を利用
して電力を発生する燃料電池などの発電設備を住宅に自
家発電用として設置し、これらから得られる直流電力を
交流電力に返還し、商用電源との系統連係運転を行うこ
とが考えられている。
【0003】このような発電設備と商用電源の連携運転
については、社団法人日本電気協会が発行している分散
型電源系統連係技術指針などに、商用電源による供給電
力の信頼性、安全性、品質、保護協調を確保しつつ円滑
な系統連係運転を行うための技術指針が示されている。
【0004】この技術指針には、「交流電力系統の停電
時に自家用発電設備が系統から切断されない状態で単独
運転を継続していると、停電区域であるべき線路が充電
状態となるため、保守員が感電する恐れがある。」とい
う保安上の問題点のあることを指摘している。
【0005】この技術指針には、上記問題点を指摘した
うえで、以下に示す受動的方式と能動的方式とを組み合
わせ、単独運転検出の有効性を高めた上で、単独運転時
に発電設備を交流電力系統から解列することを推奨して
いる。そして、受動的方式として、電圧位相跳躍検出方
式および周波数変化率検出方式、能動的方式として、周
波数シフト方式(周波数ドリフト方式)、無効電力変動
方式、有効電力変動方式、および、負荷変動方式等を示
している。
【0006】周波数シフト方式は、交流電力系統が通常
運転時に分散電源装置の出力に周波数バイアスを与えて
おいて、単独運転移行時に交流電力系統電圧に現れる周
波数変化を検出して単独運転状態になった事を検出する
方式である。従来、単独運転検出方式として周波数シフ
ト方式を利用したインバータ装置には、特開平8−13
4656号公報に記載されたものが知られている。
【0007】以下、従来の周波数シフト方式を単独運転
検出方式として採用した従来のインバータ装置の構成を
図9に示し、図9を参照しながら説明する。図9に示す
ように、直流電源101より供給された直流電力は、イ
ンバータ装置102により交流電力系統103に連係さ
せつつ交流電力に変換され、負荷104に供給されてい
る。負荷104にはインバータ装置102とは別に、交
流電力系統103の交流電力が、遮断器105および柱
上トランス106を介して供給されている。負荷104
にかかる電圧の周波数の上限値fmaxを監視するオー
バーフレクエンシーリレー(以降OFRと称す)107
と、同周波数の下限値fminを監視するアンダーフレ
クエンシーリレー(以降UFRと称す)108は、周波
数の上下限値の範囲を超えた事を検出できるようにイン
バータ装置102に接続されている。負荷104は、図
9に示すように、並列等価抵抗109、並列等価インダ
クタンス110、および、並列等価キャパシタンス11
1より成る並列共振回路による等価回路で表現する事が
できる。
【0008】従来の周波数シフト方式を単独運転検出方
式として採用した従来のインバータ装置102の検出動
作を図10のフローチャートに示す。なお以下の説明に
おいては、交流電力系統の定格周波数をf0(例えば6
0Hz)とした系統連携運転を想定して説明する。
【0009】交流電力系統103が正常であれば、従来
の周波数シフト方式を採用するインバータ装置102
は、図10に示すフローチャートのステップ113に
て、交流電力系統103の電圧の周波数fをほぼf=f
0[Hz](ここで、f0は交流電力系統の定格周波数で
例えば50Hz)として検出するが、ステップ114に
て(f0−fa)〜(f0+fa)の範囲内にあると判定さ
れるので、インバータ装置102は、図10に示すフロ
ーチャートのステップ112→113→114→115
→116→117→118→119→113、112→
113→114→115→116→120→118→1
19→113、または、112→113→114→11
5→116→121→118→119→113のループ
を繰り返して、周波数バイアスを与えないF=f0、す
なわち、定格周波数の出力電流を挿入しつつ、定格周波
数f0に+Δfのバイアスを与えたF=(f0+Δf)の
周波数の出力電流、または、定格周波数f0に−Δfの
バイアスを与えたF=(f0−Δf)の周波数の出力電
流を交互に出力する。
【0010】交流電力系統103が停電となったとき、
前回サイクルのステップ121においてインバータ装置
102が周波数 F=(f0+Δf)の出力電流を出力
した場合、ステップ113において、交流電力系統10
3の電圧の周波数fは、インバータ装置102の出力電
流の周波数に等しい F=(f0+Δf)として検出さ
れ、インバータ装置102は、ステップ114にて、
(f0−fa)〜(f0+fa)の範囲外にあると判定され
るので、ステップ122にて、(f>f0)と判定し、
図10に示すステップ112→113→114→122
→123→118→119→113のループを繰り返
し、出力電流の周波数を上昇させ、このループを何度か
繰り返したところで、周波数上限値fmaxに達した事
を監視していたOFR107の信号を検出したインバー
タ装置102はステップ124を実行し、単独運転状態
になったことを検出して出力を停止する。
【0011】また、交流電力系統103が停電となった
とき、前回サイクルのステップ121においてインバー
タ装置102が周波数 F=(f0−Δf)の出力電流
を出力した場合、ステップ113において、交流電力系
統103の電圧の周波数fは、インバータ装置102の
出力電流の周波数に等しい F=(f0−Δf)として
検出され、インバータ装置102は、ステップ114に
て、(f0−fa)〜(f0+fa)の範囲外にあると判定
し、ステップ122にて、(f<f0)と判定するの
で、図10に示すステップ112→113→114→1
22→125→118→119→113のループを繰り
返し、出力電流の周波数を減少させ、このループを何度
か繰り返したところで、周波数下限値fminに達した
事を監視していたUFR108の信号を検出したインバ
ータ装置102はステップ124を実行し、単独運転状
態になったことを検出して出力を停止する。
【0012】図11(a)〜(b)は従来の単独運転検
出方法によるインバータ装置102の出力電流波形のタ
イミングを示すタイムチャートであって、交流電力系統
103の定格電圧よりも高い周波数変動を与える歪みを
付与したインバータ出力電流を図11(a)、交流電力
系統の定格電圧よりも低い周波数変動を与える歪みを付
与したインバータ出力電流を図11(b)に示すもので
ある。図において、点線で示す波形は、交流電力系統1
03の電圧波形を示し、実線で示す波形は、インバータ
装置102の出力電流波形を示す。
【0013】図11(a)に示すように、従来のインバ
ータ装置102は、出力電流の周波数が増加するよう
に、ゼロクロスポイントを期間終点する所定期間tz
出力ゼロとなるわずかに歪んだ電流を出力する。図11
(a)に示すt0は、交流電力系統の電圧波形の半周期
であり、t1はインバータ装置102の出力電流波形の
正弦波形部分の半周期である。ここで、電圧波形の半周
期、すなわち、t0に対するゼロ時間tzの割合は、チョ
ッピング・フリクションcf(以降、cf値と称する)
と呼ばれる。図11(a)に示すインバータ102の出
力電流は、交流電力系統電圧の定格半周期t0よりも短
い半周期t1の基本波成分を持つので、第1半サイクル
において交流電力系統電圧の定格周波数f0よりも高い
周波数となる。次の第2の半サイクルが始まる前に、イ
ンバータ装置102の出力電流がゼロに達したとき、出
力電流は、時間tzの期間、交流電力系統電圧の次の半
サイクルが始まるまで、ゼロを維持しつづける。次の半
サイクルについては、インバータ装置102の出力電流
と、交流電力系統電圧の方向が逆向きとなるだけで、第
1半サイクルと同様な歪みを付与した電流が出力され
る。
【0014】図11(b)に示すように、インバータ装
置102は、出力電流の周波数が減少するように、出力
電流波形のピークポイントからゼロクロスポイントに至
る下降波形経路側に任意の電流を出力するわずかに歪ん
だ電流を出力する。図11(b)に示すt2はインバー
タ装置102の出力電流波形の正弦波形部分の半周期で
ある。図11(b)に示すインバータ102の出力電流
は、第1半サイクルにおいて交流電力系統電圧の定格半
周期t0よりも長い半周期t2の基本波成分を持つので、
定格周波数f0よりも低い周波数となる。次の半サイク
ルについては、インバータ102の出力電流と、交流電
力系統電圧の方向が逆向きとなるだけで、第1半サイク
ルと同様な歪みを付与した電流が出力される。
【0015】このインバータ装置102によるインバー
タ出力電流波形の歪ませ方は、図11(a)に示したほ
か、図12(a)に示すように、ゼロクロスポイントを
含んだその両側の所定期間tzが出力レベルゼロとなる
歪みをインバータ出力に付与しても良い、そうすれば、
インバータ装置102の出力電流の見かけ上の半周期t
1は、定格周波数の半周期t0よりも短くなる結果、出力
電流の周波数は定格周波数f0より高くなる。
【0016】さらには、図11(b)に示したほか、図
12(b)に示すように、ゼロクロスポイントを含んだ
その両波高ピーク側に任意の出力を出力する歪をインバ
ータ出力波形に付与してもよい。そうすれば、インバー
タ装置102の出力電流の見かけ上の半周期t2は、定
格周波数の半周期t0よりも長くなる結果、出力電流の
周波数は定格周波数f0より高くなる。
【0017】図11(a)〜(b)に示したようなイン
バータ装置102の出力電流の歪ませ方を使って、図1
0のフローチャートに示した検出動作に従ってインバー
タ装置102を制御した場合において、交流電力系統が
正常時のインバータ装置102の出力電流波形を図13
に示す。図において、点線で示す波形は、交流電力系統
103の電圧波形を示し、実線で示す波形は、インバー
タ装置102の出力電流波形を示す。
【0018】さらに、図12(a)〜(b)に示したよ
うなインバータ装置102の出力電流の歪ませ方を使っ
て、図10のフローチャートに示した検出動作に従って
インバータ装置102を制御した場合において、交流電
力系統が正常時のインバータ装置102の出力電流波形
を図14に示す。図において、点線で示す波形は、交流
電力系統103の電圧波形を示し、実線で示す波形は、
インバータ装置102の出力電流波形を示す。
【0019】ところで、図15(a)〜(b)は、それ
ぞれ、分散電源装置の出力電流と、交流電力系統電圧の
タイミングを示すタイムチャートで、交流電力系統と連
系しつつ直流電力を交流電力に変換する分散型電源装置
にあっては、図15(a)に示す分散型電源装置の出力
電流は、その位相が、図15(b)に示す交流電力系統
電圧の位相に一致させて運転するのが、直流を交流に変
換する電力変換器としての利用率が最も高い理想的な状
態である。図13および図14で明らかなよう、従来の
インバータ装置102は、理想的な分散型電源装置のよ
うに、その出力電流の位相が交流電力系統電圧の位相に
出来るかぎり一致するように、ゼロクロスポイント近傍
で周波数変動をともなう歪が付与されるような電流が出
力されているので、直流電力を交流電力に変換する電力
変換器の利用率が高くなる出来る限り理想に近い良好な
状態で運転されていると言う事が言える。
【0020】図16は、従来のインバータ装置102の
cf値をパラメータとした出力電流波形の周波数特性を
示す周波数スペクトラムで、cf値が0.05、0.0
2、および、0.01の各場合について測定した結果を
示す。インバータ装置102の出力電流波形は、図13
に示すようにゼロクロスポイント近傍において歪みを付
与された隅関数となるので、出力電流の周波数特性は、
奇数次の高調波成分のみが存在する図16に示すような
周波数スペクトラムとなる。図で明らかなように、cf
値が大きな値をとるほど、出力電流の高調波成分の振幅
は大きくなるという傾向を示している。
【0021】図17は、従来のインバータ装置102に
ついて任意の並列等価インダクタンスの値に対して、不
感帯として動作する並列等価キャパシタンスの値の限界
点をプロットして得た不感帯の特性図である。すなわ
ち、従来の周波数シフト方式を採用した従来のインバー
タ装置102について、図9で述べた負荷7の並列等価
抵抗109の抵抗値をR[Ω]、並列等価インダクタン
ス110のインダクタンスをL[H]、および、並列等
価キャパシタンス111のキャパシタンスをC[F]と
おき、等価インダクタンスLを横軸に、負荷7の等価キ
ャパシタンスCを縦軸にとり、cf値をパラメータとし
て変化させた場合の不感帯を調べた実験結果が図17で
ある。実験では、等価抵抗Rは14.4Ωの場合につい
て述べてある。図において横軸に平行な2本の点線は、
OFR107またはUFR108のみを受動的単独運転
検出方法として使った場合において、任意の等価インダ
クタンスLの値に対して、不感帯として動作する等価キ
ャパシタンスCの限界点をプロットしたものである。す
なわち、横軸に平行な2本の点線で囲まれた領域は、O
FR107またはUFR108のみを受動的単独運転検
出方法として使った場合における不感帯領域を示してい
る。
【0022】次に、一点鎖線または二点鎖線で示す曲線
は、従来の周波数シフト方式のみを能動的単独運転検出
方式として使った従来のインバータ装置102につい
て、任意の等価インダクタンスLの値に対して、不感帯
として動作する等価キャパシタンスCの限界点をプロッ
トしたものである。すなわち、一点鎖線または二点鎖線
で示す曲線で囲まれた領域は、従来の周波数シフト方式
のみを能動的単独運転検出方法として使った場合におけ
る不感帯を示している。受動的単独運転による不感帯と
能動的単独運転による不感帯の領域が重なり合わない場
合、システム全体として不感帯が存在しない理想的な特
性を得ていると言える。また、受動的単独運転による不
感帯と能動的単独運転による不感帯が重なり合う領域が
小さい場合、システム全体として不感帯となる領域が小
さい良好な特性を得ていると言える。図で明らかなよう
に、cf値として大きな値を選んだ方が不感帯の重なり
合う領域が小さくなる良好な特性が得られるという事が
わかる。
【0023】次に、従来のインバータ装置2について調
べたcf値と出力電流の歪み率THDiの関係を図18
に示す。図に示すように、cf値と電流歪み率THDi
の関係は線形比例していることがわかる。一般的に、電
流歪み率THDiが大きくなるほど、交流電力系統に接
続されるトランスや各種回転電機のような誘導性負荷に
よって消費される損失が増大する事が知られており、図
18に示す特性から、cf値を大きくとるほど、誘導性
負荷等によって消費される損失が増大する事がわかる。
【0024】以上述べたように、図17の説明で述べた
特性から、従来の周波数シフト方式による能動的独運転
方式では、不感帯の領域を小さくするか、または、不感
帯の領域を無くして、単独運転検知感度を良好にするた
めには、cf値を大きくする必要があるが、図18に述
べた特性から、cf値を大きくすると、電流歪み率TH
iが増大し、誘導性負荷によって消費される損失が増
大するという問題点があった。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】このような出力周波数
に変動が生じるように、所定の信号を与えることによ
り、出力波形のゼロクロスポイントおよびその近傍の所
定区間を歪ませ、この歪みにより生じるインバータ装置
の周波数変動を検出してインバータ装置の単独運転を検
知する従来の単独運転検出方法を搭載する従来のインバ
ータ装置では、単独運転検知感度を上げるため、不感帯
の領域を小さくする、または、不感帯の領域を無くすた
めにcf値を大きく設定する必要があったが、cf値を
大きく設定すると、インバータ装置の出力電流の高調波
成分が大きくなり、出力電流の電流歪み率が増大し、高
調波電流が原因となって発生する交流電力系統に接続さ
れる誘導性負荷に消費される損失が増大するという問題
点があり、単独運転検知感度を上げるため、不感帯領域
を小さくするか、または、不感帯領域を無くしても、出
力電流の高調波成分が小さく、出力電流の電流歪み率を
抑圧して、高調波電流が原因で発生する誘導性負荷によ
って消費される損失を低減する事ができ、単独運転検知
感度が良好で、高調波電流が原因で発生する誘導性負荷
に消費される損失が小さい単独運転検知方法を搭載した
インバータ装置が要求されている。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明のインバータ装置
は上記目的を達成するために、直流電力を交流電力系統
に連係させつつ交流に変換して負荷に供給し、前記交流
電力系統との連係を離れて単独運転をはじめた際にイン
バータ出力に生じる周波数変動、もしくは周波数変動に
起因する変動を検出してインバータ主回路の単独運転を
検知する単独運転検知手段を有するインバータ装置にお
いて、該インバータ装置の出力周波数に変動が生じるよ
うに、インバータ出力のピークポイントおよびその近傍
の所定区間において、インバータ出力電流の変位が連続
で、かつ、インバータ出力電流の周波数が不連続な周波
数変動をともなう電流歪を付与する電流歪付与手段を備
えることを特徴とするインバータ装置としたものであ
る。
【0027】本発明によれば、単独運転検知感度を上げ
るため、不感帯領域を小さくするか、または、不感帯領
域を無くしても、出力電流の高調波成分が小さく、出力
電流の電流歪み率を抑圧して、高調波電流が原因で発生
する誘導性負荷によって消費される損失を低減する事が
でき、単独運転検知感度が良好で、高調波電流が原因で
発生する誘導性負荷に消費される損失が小さい単独運転
検知方法を搭載したインバータ装置が得られる。
【0028】また他の手段は、電流歪付与手段は、交流
電力系統電圧の周波数が定格周波数を含む所定の周波数
区間の範囲内にある場合は、その出力周波数が上昇する
電流歪を付与する第1の電流波形と、その出力周波数が
下降する電流歪を付与する第2の電流波形を交互に繰り
返して出力し、前記第1の電流波形と前記第2の電流波
形が出力を完了する時点から最短時間で発生するピーク
ポイントにおいて、前記第2の電流波形の位相が、前記
交流電力系統電圧の位相に一致するようにしたことを特
徴とする請求項1記載のインバータ装置としたものであ
る。
【0029】そして本発明によれば、単独運転検知感度
を上げるため、不感帯領域を小さくするか、または、不
感帯領域を無くしても、出力電流の高調波成分が小さ
く、出力電流の電流歪み率を抑圧して、高調波電流が原
因で発生する誘導性負荷によって消費される損失を低減
する事ができ、単独運転検知感度が良好で、高調波電流
が原因で発生する誘導性負荷に消費される損失が小さい
単独運転検知方法を搭載したインバータ装置が得られ
る。
【0030】また他の手段は、電流歪付与手段は、交流
電力系統電圧の周波数が定格周波数を含む前記所定の周
波数区間の範囲外にある場合は、前記交流電力系統電圧
の周波数変化に応じて正帰還ループでインバータ出力周
波数が変化するような電流歪を付与する電流波形を出力
することを特徴とする請求項1または請求項2記載のイ
ンバータ装置としたものである。
【0031】そして本発明によれば、単独運転検知感度
を上げるため、不感帯領域を小さくするか、または、不
感帯領域を無くしても、出力電流の高調波成分が小さ
く、出力電流の電流歪み率を抑圧して、高調波電流が原
因で発生する誘導性負荷によって消費される損失を低減
する事ができ、単独運転検知感度が良好で、高調波電流
が原因で発生する誘導性負荷に消費される損失が小さい
単独運転検知方法を搭載したインバータ装置が得られ
る。
【0032】また他の手段は、第1の電流波形は、その
出力周波数が上昇する電流歪を付与する出力電流の周期
を任意回連結するものであって、第2の電流波形はその
出力周波数が下降する電流歪を付与する出力電流の周期
を任意回連結するものであることを特徴とする請求項2
記載のインバータ装置としたものである。
【0033】そして本発明によれば、単独運転検知感度
を上げるため、不感帯領域を小さくするか、または、不
感帯領域を無くしても、出力電流の高調波成分が小さ
く、出力電流の電流歪み率を抑圧して、高調波電流が原
因で発生する誘導性負荷によって消費される損失を低減
する事ができ、単独運転検知感度が良好で、高調波電流
が原因で発生する誘導性負荷に消費される損失が小さい
単独運転検知方法を搭載したインバータ装置が得られ
る。
【0034】また他の手段は、電流歪付与手段は、ある
時点で検出される交流電力系統電圧の極性が正から負ま
たは負から正のどちらか一方に変動するタイミングと、
その後検出される前記交流電力系統電圧の極性が正から
負または負から正のどちらか一方に変動するタイミング
までの経過時間を、該経過時間内に出現する前記交流電
力系統電圧一周期分の出現個数で除算して前記交流電力
系統電圧周期の平均値を演算する電圧周期演算手段と、
該交流電力系統電圧周期の4分の1に相当する期間を、
前記交流電力系統電圧の極性が正から負または負から正
のどちらか一方に変動するタイミングから経過させたタ
イミング、および、前記交流電力系統電圧周期の平均値
の4分の3に相当する期間を、前記交流電力系統電圧の
極性が正から負または負から正のどちらか一方に変動す
るタイミングから経過させたタイミングをピークポイン
トとして決定するピークポイント決定手段を備えること
を特徴とする請求項1または請求項2記載のインバータ
装置としたものである。
【0035】そして本発明によれば、単独運転検知感度
を上げるため、不感帯領域を小さくするか、または、不
感帯領域を無くしても、出力電流の高調波成分が小さ
く、出力電流の電流歪み率を抑圧して、高調波電流が原
因で発生する誘導性負荷によって消費される損失を低減
する事ができ、単独運転検知感度が良好で、高調波電流
が原因で発生する誘導性負荷に消費される損失が小さい
単独運転検知方法を搭載したインバータ装置が得られ
る。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明は、インバータ装置の出力
周波数に変動が生じるように、インバータ出力のピーク
ポイントおよびその近傍の所定区間において、インバー
タ出力電流の変位が連続で、かつ、インバータ出力電流
の周波数が不連続な周波数変動をともなう電流歪を付与
することを特徴としたものであり、単独運転の検知感度
を良好にするために周波数変動の大きい電流歪を付与し
ても、ピークポイントまたはその近傍において発生する
出力電流の高調波成分は極めて微小な振幅となり、イン
バータ出力電流歪率は極めて微小な値となるので、高調
波電流が原因で発生する誘導性負荷による損失は僅かな
値にとどめる事ができ、高調波電流が原因で発生する誘
導性負荷に消費される損失が小さい単独運転検知感度の
良好なインバータ装置が得られるという作用を有する。
【0037】また、交流電力系統電圧の周波数が定格周
波数を含む周波数区間の範囲内にある場合は、その出力
周波数が上昇する電流歪を付与する第1の電流波形と、
その出力周波数が下降する電流歪を付与する第2の電流
波形を交互に繰り返して出力することを特徴としたもの
であり、単独運転時に移行した時に、交流電力系統に接
続される誘導性負荷によってインバータ出力周波数が上
昇したり、または、交流電力系統に接続される容量性負
荷によりインバータ出力周波数が下降することがあって
も、ある期間は電流歪付与による周波数変動と負荷によ
る周波数変動が相殺し合って単独運転を検出できなくな
っても、次の期間では周波数変動を助長し合うようにな
るので、インバータ出力周波数は確実に変動する事にな
り、確実に単独運転を検知できる。また、このように交
互に出力される第1と第2の電流波形が出力を完結する
交流電力系統電圧の前記ピークポイントにおいて、その
出力電流の位相が、交流電力系統電圧の位相に一致する
ようにしたことを特徴としたものであり、インバータ装
置の瞬時効率が最も大きい出力電流の位相が交流電力系
統電圧の位相に一致する理想的な状態に限りなく近づけ
る事ができ、分散電源として最も大きな利用率でインバ
ータ装置を運転できるという作用を有する。
【0038】また、交流電力系統電圧の周波数が定格周
波数を含む所定の周波数区間の範囲外にある場合は、前
記交流電力系統電圧の周波数変化に応じて正帰還ループ
でインバータ出力周波数が変化するような電流歪を付与
する電流波形を出力することを特徴としたものであり、
インバータ装置が単独運転に移行した際に、負荷電圧周
波数は正帰還ループで加速されて迅速に変動して単独運
転と判定される周波数上限値または周波数下限値に達す
るので、単独運転に移行した際に迅速に単独運転を検出
できるという作用を有する。
【0039】また、インバータ装置の出力周波数が上昇
する電流歪を付与する出力電流の周期を任意回連結する
第1の電流波形と、その出力周波数が下降する電流歪を
付与する出力電流の周期を任意回連結する第2の電流波
形を交互に出力することを特徴としたものであり、第1
と第2の電流波形が出力を完結する期間において、出力
電流の平均値は零となり直流成分が消失するので、直流
成分が交流電力系統に加わる事によって発生する各種電
気機器への悪影響が発生しないという作用を有する。
【0040】また、本発明の電圧周期演算手段は、ある
時点で検出される交流電力系統電圧の極性が正から負ま
たは負から正のどちらか一方に変動するタイミングと、
その後検出される交流電力系統電圧の極性が正から負ま
たは負から正のどちらか一方に変動するタイミングまで
の経過時間を、該経過時間内に出現する前記交流電力系
統電圧一周期分の出現個数で除算して交流電力系統電圧
周期の平均値を演算することを特徴としたものであり、
負荷電圧の極性が正から負または負から正のどちらか一
方に変動するタイミングのゼロクロスポイントのみの間
隔から計測される電圧周期は、負荷電圧の波形変化の影
響を受けずに安定した電圧周期が得られ、その安定した
電圧周期の平均値を演算する事による低域フィルタ効果
により高周波成分を除去した、さらに安定した電圧周期
平均値を得ることができる。また、本発明のピークポイ
ント決定手段は、該交流電力系統電圧周期の4分の1に
相当する期間を、該交流電力系統電圧の極性が正から負
または負から正のどちらか一方に変動するタイミングか
ら経過させたタイミング、および、該交流電力系統電圧
周期の平均値の4分の3に相当する期間を、該交流電力
系統電圧の極性が正から負または負から正のどちらか一
方に変動するタイミングから経過させたタイミングをピ
ークポイントとして決定することを特徴としたものであ
り、負荷の状態によって変化する負荷電圧の波形変化に
よる発生タイミングのばらつきがほとんど発生しない負
荷電圧の極性が正から負または負から正のどちらか一方
に変動するタイミングのゼロクロスポイントの位置か
ら、安定した該電圧周期平均値の4分の1と4分の3の
時間を経過させたタイミングでピークポイントを決定し
ているので、発生タイミングのばらつきがほとんどない
安定したタイミングのピークポイントを得ることがで
き、発生タイミングのばらつきのない安定したタイミン
グでピークポイントを決定する事により、ピークポイン
トを基に歪電流を作成する動作を確実にして、本発明の
インバータ装置が確実に動作できるという作用を有す
る。
【0041】以下、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0042】
【実施例】図1は本発明の実施例を示すブロック図であ
る、図1に示すように、直流電源1より供給された直流
電力は、インバータ装置2により交流電力系統3に連係
させつつ交流電力に変換され、並列等価抵抗4、並列等
価インダクタンス5、並列等価キャパシタンス6より構
成される負荷7に供給されている。負荷7にはインバー
タ装置2とは別に、交流電力系統3の交流電力が、遮断
器8および柱上トランス9を介して供給されている。
【0043】インバータ装置2は、直流電源1より供給
された直流電力を交流電力系統3に連系させつつ交流電
力に変換して負荷7に供給するインバータ主回路10
と、負荷7に供給された負荷電圧Voを検出する電圧検
出器11と、負荷電圧Voを基にしてゼロクロスポイン
トのタイミングを検出してゼロクロス同期信号ZSを発
生するゼロクロス検出回路12と、インバータ主回路1
0が出力する出力電流Ioを検出する電流検出回路13
と、負荷電圧Vo、ゼロクロス同期信号ZS、および、
出力電流Ioを基にして単独運転検知をするために電流
歪を付与した電流がインバータ2から出力されるように
インバータ主回路10をPWM制御するゲートパルス信
号GPを発生する電流歪付与手段14と、電流歪付与手
段14が出力するゲートパルス信号GPを基にしてイン
バータ主回路10を駆動するゲートドライブ信号GDを
発生するゲートドライブ回路15を備えている。インバ
ータ主回路10と負荷7の間にはコイル16、17とコ
ンデンサ18によって構成され、インバータ出力に含ま
れる高調波成分を除去するフィルタ回路19が挿入され
ている。
【0044】電流歪付与手段14は、記憶している電流
波形パターンIWPをゼロクロス同期信号ZSに同期さ
せて出力する電流波形記憶手段20と、電流波形パター
ンIWPをゼロクロス同期信号ZSに同期させて電流波
形記憶手段20から順次読み出して出力電流設定信号I
setと乗算して電流目標値Iobjを演算する乗算手段21
と、出力電流Ioと電流目標値Iobjの差を演算して電流
偏差eiを計算する電流偏差演算手段22と、電流偏差
eiを基にPI演算した制御量IYを計算するPI演算
手段23と、制御量IYをパルス幅変調してPWMデー
タDpwmを発生するPWM変調手段24と、負荷電圧Vo
の極性が負から正に変動するタイミングをとらえて負荷
電圧Voの電圧周期Tvを演算する電圧周期演算手段25
と、負荷電圧Voの極性が負から正に変動するタイミン
グと電圧周期Tvからピークポイントを検出してピーク
ポイント同期信号PSを発生するピークポイント決定手
段26と、ピークポイント同期信号PSに同期してPW
MデータアドレスポインタAPpwmを発生するPWMデ
ータアドレスポインタ発生手段27と、PWM変調手段
24が発生するPWMデータDpwmを記憶して、PWM
データアドレスポインタAPpwmが指定するアドレスの
PWMデータDpwmをピークポイント同期信号PSに同
期して順次読み出してゲートパルス信号GPを発生する
PWM記憶手段28と、ゼロクロス信号ZSの間隔から
計測した負荷電圧Voの半周期から電圧周波数を演算
し、この周波数が周波数上限値OFを超えるか、また
は、周波数下限値UFを下回る場合はゲートドライブ回
路15のスイッチング制御を停止させる周波数異常信号
FERを発生する周波数異常検出手段29と、負荷電圧
oが電圧上限値OVを超えるか、または、電圧下限値
UVを下まわる場合はゲートドライブ回路15のスイッ
チング信号を停止させる電圧異常信号VERを発生する
電圧異常検出手段30を備えている。
【0045】次に、このインバータ装置の動作について
説明する。図2(a)〜(c)は、それぞれ、負荷電圧
o、ゼロクロス同期信号ZS、および、ピークポイン
ト同期信号PSのタイミングを示すタイムチャートであ
る。電圧検出器11で検出された負荷電圧Voはゼロク
ロス検出回路12に入力される。ゼロクロス検出回路1
2は、図2(a)に示す負荷電圧Voが電圧零または零
近傍に達するタイミングをとらえて、図2(b)に示す
ようなゼロクロス同期信号ZSを発生する。
【0046】電圧周期演算手段25は、負荷電圧Vo
極性が負から正に変化するタイミングのゼロクロスポイ
ントのうち、今回発生したゼロクロスポイントから数え
て、m回前〜(m−1)回前のゼロクロスポイントの間
隔から計測される周期Tm、(m−1)回前〜(m−
2)回前のゼロクロスポイントの間隔から計測される周
期Tm−1、・・…、2〜1回前のゼロクロスポイントの
間隔から計測されるT1、および、今回周期Toをそれぞ
れ計測し、これらのm個の周期Tk(k=0〜(m−
1))から(数1)で示す演算式より平均周期Tavr
計算する。
【0047】
【数1】
【0048】(数1)で示す演算式は、高い周波数成分
を除去する低域フィルタとしての効果があり、高い周波
数成分の変動を抑えた安定した平均周期Tavrが得られ
る。ゼロクロス信号の間隔から計測される半周期から電
圧周期の平均値を演算する場合、負荷の状態によって
は、負荷電圧Voの波形が変形して、負荷電圧Voが正と
なる区間と負荷電圧Voが負となる区間が均等にならな
い場合があり、電圧周期の平均値がゼロクロスポイント
毎に振動する事があるが、本実施例の電圧周期演算手段
25では、負荷電圧Voの極性が負から正に変化するタ
イミングのゼロクロスポイントのみの間隔から電圧周期
を計測しているので、負荷電圧波形の変形の影響を受け
ずに安定した電圧周期が得られる。さらに、その平均値
を演算する事による高い周波数成分の変動を抑えた低域
フィルタとしての効果により安定した電圧周期平均値を
得ることができる。
【0049】次に、ピークポイント決定手段26は、今
回発生した負荷電圧Voの極性が負から正に変化するタ
イミングのゼロクロスポイントから(数1)より求めた
平均周期Tavrの1/4の時間、すなわちTavr/4だけ
経過したタイミングと、平均周期Tavrの3/4すなわ
ち3Tavr/4だけ経過したタイミングを負荷電圧Vo
ピーク値に達するピークポイント・タイミングとして検
出して、図2(c)に示すようなピークポイント同期信
号PSを発生する。本実施例のピークポイント決定手段
26では、負荷の状態によって変化する負荷電圧Vo
波形変化による発生タイミングのばらつきがほとんど発
生しない、負荷電圧Voの極性が負から正に変化するタ
イミングのゼロクロスポイントの位置から、前述した電
圧周期演算手段25で求めた安定した平均周期Tavr
4分の1および4分の3の時間を経過させたタイミング
でピークポイントを決定しているので、発生タイミング
のばらつきがほとんどない安定したタイミングのピーク
ポイントを得ることができる。
【0050】電流波形記憶手段20では、記憶している
電流波形パターンIWPをゼロクロス同期信号に同期し
て読み出して乗算手段21に出力する。乗算手段21
は、出力電流設定信号Isetと電流波形パターンIWP
を乗算して電流目標値Iobjを作製して電流偏差演算手
段22に出力する。電流偏差演算手段22は、電流検出
器10が計測したインバータ装置2が出力する出力電流
oと電流目標値Iobjから電流偏差eiを演算してPI
演算手段23に出力する。PI演算手段23は、電流偏
差eiに正比例する比例項と電流偏差を一定区間積分し
た電流偏差積分値に比例する積分項を加算したPI制御
量IYを演算してPWM変調手段24に出力する。PW
M変調手段24は、制御量IYをパルス幅変調してイン
バータ主回路10をPWM制御するためにインバータ主
回路10のスイッチング素子を制御する基のデータパタ
ーンとなるPWMデータDpwmを作製してPWM記憶手
段28に格納する。ここで、PWMデータDpwmの基に
なるPI制御量IYの余弦波一周期分に相当するPWM
データDpwmが、PWM記憶手段28に格納されるもの
とする。例えば、PWMデータDpwmがPWM記憶手段
28に格納されている開始アドレス値をNstr、PWM
データDpwmがPWM記憶手段28に格納されている最
終アドレス値をNendとおくと、PWM記憶手段28の
開始アドレスNstrには、PI制御量IYの余弦波形の
位相が零となるPWMデータDpwmが格納され、最終ア
ドレスNendにはPI制御量IYの余弦波形の位相が2
πとなるPWMデータDpwmが格納されている。
【0051】図3(a)〜(f)は、それぞれ、インバ
ータ装置2が単独運転状態となっていない通常の運転状
態における負荷電圧Voピークポイント同期信号PS、
PI制御量IY、後術するPWMデータアドレスポイン
タAPpwmの読み出し増加率、PWMデータアドレスポ
インタAPpwm、および、インバータ出力電流Ioのタイ
ミングを示すタイムチャートである。図3(f)におい
て、点線で示す波形は、交流電力系統3の電圧波形を示
し、実線で示す波形は、インバータ装置2の出力電流波
形を示す。
【0052】前述したように、ピークポイント決定手段
26は、図3(a)に示す負荷電圧Voのピークポイン
ト近傍で、図3(b)に示すようなピークポイント同期
信号PSを発生する。PI演算手段23は、交流電力系
統電圧Voと同相となる図3(c)に示すようなPI制
御量IYを出力する。PWM記憶手段28は、このPI
制御量IYをパルス幅変調したPWMデータDpwmを順
次記憶する。PWMデータアドレスポインタ発生手段2
7は、単位時間あたりに増加するカウントアップ値が一
定の割合でカウントアップ動作をし続けるカウンタを内
臓しており、該内臓カウンタが指示するカウント値に対
する一定の読み出し増加率でカウントアップするPWM
データアドレスポインタAPpwmを出力する。
【0053】ここで、該内臓カウンタのカウント値に対
するPWMデータアドレスポインタAPpwmの読み出し
増加率をRcとおくと、図3に示すピークポイントが立
ち上がるのタイミングにおいて、PWMデータアドレ
スポインタ発生手段27は、図3(d)に示すように、
該読み出し増加率Rcが1を越える適当な値Rc1に設定
し、同時に該内臓カウンタをリセットする。この時、P
WMデータアドレスポインタAPpwmは、該内臓カウン
タに1を越える値に設定された読み出し増加Rc1を乗算
して得られる、PWM記憶手段28に格納されている開
始アドレス値Nst rを指示している。PWMデータアド
レスポインタ発生手段27は、該内臓カウンタをカウン
トアップし続け、該内臓カウンタに1を越える値に設定
された読み出し増加Rc1を乗算して得られるアドレス値
を、PWMデータアドレスポインタAPpwm値として出
力し続ける。PWMデータアドレスポインタ発生手段2
7は、PWMデータアドレスポインタAPpwmが指示す
るアドレスが最終アドレス値Nendに達すると、図3に
示すのタイミングにおいて、該内臓カウンタをリセッ
トする。この時、PWMデータアドレスポインタAP
pwmは、再び、開始アドレス値Nstrを指示している。
のタイミングにおいて、PWMデータアドレスポインタ
発生手段27は、図3(d)に示すように、読み出し増
加率Rcを(数2)に示すRc2に設定する。
【0054】
【数2】
【0055】Rc2は1以上の値に設定されるので、(数
3)より、Rc2は1以下の値となる。PWMデータアド
レスポインタ発生手段27は、該内臓カウンタをカウン
トアップし続け、該内臓カウンタに1以下の値に設定さ
れた読み出し増加Rc1を乗算して得られるアドレス値
を、PWMデータアドレスポインタAPpwm値として出
力し続ける。PWMデータアドレスポインタ発生手段2
7は、PWMデータアドレスポインタAPpwmが指示す
るアドレスが最終アドレス値Nendに達すると、図3に
示すのタイミングにおいて、PWMデータアドレスポ
インタAPpwmが指示するアドレスが最終アドレス値N
endを維持し続けるように該内臓カウンタのカウンタ値
をそのままの値に維持する。そして、図3に示す次のピ
ークポイントが立ち上がる’のタイミングで、該内臓
カウンタをリセットする。この時同時に、PWMデータ
アドレスポインタAPpwmは、再びPWM記憶手段28
に格納されている開始アドレス値Nstrを指示する。
’のタイミングにおいて、PWMデータアドレスポイ
ンタ発生手段27は、図3(d)に示すように、読み出
し増加率Rcを再びもとのRc1に設定する。ここで、ピ
ークポイントが立ち上がる’のタイミングの方が、P
WMデータアドレスポインタAPpwmが指示するアドレ
スが最終アドレス値Nendに達するのタイミングに先
行する場合は、ピークポイントが立ち上がる’のタイ
ミングで、該内臓カウンタをリセットし、読み出し増加
率RcをRc1に設定する。’のタイミング以降は、前
述したのタイミングから’のタイミングまでの処理
と同様の処理を繰り返し動作し続ける。
【0056】PWM記憶手段28は、PWMデータアド
レスポインタAPpwmが指示するPMWデータを順次読
み出して、ゲートドライブ信号GDを作製してゲートド
ライブ回路15に出力する。ゲートドライブ回路15
は、インバータ主回路10にゲートドライブ信号GDを
出力する。インバータ主回路10は、内臓するスイッチ
ング回路を該ゲートドライブ信号GDによってPWM制
御した結果インバータ装置2から、図3(f)に示すよ
うな出力電流を出力する。図3に示すのタイミングか
らのタイミングまでの期間を区間T1、のタイミン
グから’のタイミングまでの期間を区間T2とする。
区間T1において、PWMデータアドレスポインタAP
pwmが指示するアドレスポインタ値は、のタイミング
で、PWM記憶手段28に格納されている開始アドレス
値Nstrからカウントアップを開始して、のタイミン
グで最終アドレス値Nendに達するまでのアドレス値を
指示している。PWM記憶手段28には、開始アドレス
値Nstrから最終アドレス値Ne ndまで、余弦波一周期分
が記憶されているので、インバータ主回路2からは、図
3(f)に示すような余弦波一周期分の電流が出力され
る事になる。区間T2においても同様に、インバータ主
回路2からは、図3(f)に示すような余弦波一周期分
の電流が出力される事になる。従って、区間T1は、こ
の区間に出力される電流波形(以降第1の電流波形と称
す)の周期に相当し、区間T2は、この区間に出力され
る電流波形(以降第2の電流波形と称す)の周期に相当
する。図3(f)に示すように、負荷電圧Voの定格周
期をT0とおくと、図3から明らかなように、第1の電
流波形の周期T1は、負荷電圧の定格周期T0よりも短い
ので、その周波数は定格周波数f0よりも上昇してお
り、第2の電流波形の周期T1は、負荷電圧の定格周期
0よりも長いので、その周波数は定格周波数f0よりも
下降している。のタイミングにおいて、PWMデータ
アドレスポインタAPpwmは、余弦波の位相が零に相当
するPWMデータが格納されている最終アドレス値N
end、または、開始アドレス値Nstr、を指示するので、
のタイミングにおいて、インバータ装置2の出力電流
波形は連続となる。のタイミングにおいても同様に、
次のピークポイントが立ち上がる’のタイミングまで
PWMデータアドレスポインタAPpwmは、余弦波の位
相が零に相当するPWMデータが格納されている最終ア
ドレス値Nendを維持し、’のタイミングで、PWM
データアドレスポインタAPpwmは、余弦波の位相が零
に相当するPWMデータが格納されている開始アドレス
値Nstrを指示するので、インバータ装置2の出力電流
波形は連続となる。以上で述べたように、本発明のイン
バータ装置2の歪電流付与手段14の処理により、ピー
クポイント近傍において、インバータ装置2の出力電流
波形はその変位が連続で、周波数が不連続となる。
【0057】次に、本発明のインバータ装置の電流歪付
与手段14により、第1の電流波形と第2の電流波形が
出力を完結する交流電力系統電圧のピークポイントにお
いて、インバータ装置2の出力電流の位相が、交流電力
系統電圧の位相に一致するメカニズムについて説明す
る。(数2)を変形すると(数3)のようになる。
【0058】
【数3】
【0059】ここで、該内臓カウンタの単位時間あたり
のカウント値をCtとおく。(数3)の両辺に(Nend
str)をかけてCtで割ると(数4)のように変形でき
る。
【0060】
【数4】
【0061】区間T1において、PWMデータアドレス
ポインタ発生手段27は、PWMアドレスポインタAD
pwmを開始アドレスNstrから開始して、単位時間あたり
のカウント値がRc1・CtでT1なる期間カウントアップ
動作をするとPWMアドレスポインタADpwmはNend
達するから、(数5)が成立する。
【0062】
【数5】
【0063】区間T2において、PWMデータアドレス
ポインタ発生手段27は、PWMアドレスポインタAD
pwmを開始アドレスNstrから開始して、単位時間あたり
のカウント値がRc2・CtでT2なる期間カウントアップ
動作をするとPWMアドレスポインタADpwmはNend
達するから、(数6)が成立する。
【0064】
【数6】
【0065】読み出し増加率Rcを1とする場合、単位
時間あたりのカウント値がCtとする内臓カウンタが、
開始アドレスNstrからカウントアップを開始してから
0なる時間カウントアップ動作をするとカウント値は
endに達するから、(数7)が成立する。
【0066】
【数7】
【0067】(数5)〜(数7)を変形すると(数8)
〜(数10)のようになる。
【0068】
【数8】
【0069】
【数9】
【0070】
【数10】
【0071】(数8)〜(数10)を(数4)に代入す
ると、(数11)が成立する。
【0072】
【数11】
【0073】すなわち、区間T1における読み出し増加
率Rc1に適当な値を設定した後、区間T2における読み
出し増加率Rc2を(数3)に従って設定すれば(数1
1)が成立し、交互に出力される第1と第2の電流波形
が出力を完結する期間(T1+T2)は、負荷電圧の2周
期分2T0に等しくなる。これは、第1と第2の電流波
形が出力を完結する図3で示すのタイミングにおい
て、交流電力系統電圧が2周期分を出力するタイミング
に一致している事を意味する。ところで、第1の電流波
形は、ピークポイントが立ち上がる図3で示すのタイ
ミングよりその出力を開始しているので、第1と第2の
電流波形が出力を完結する期間(T1+T2)、すなわ
ち、交流電力系統電圧の2周期分2T0を経過するタイ
ミングは、交流電力系統電圧ピークポイントに一致す
る。ゆえに、本発明のインバータ装置2の電流歪付与手
段14により、第1の電流波形と第2の電流波形が出力
を完結する交流電力系統電圧のピークポイントにおい
て、インバータ装置2の出力電流の位相は、交流電力系
統電圧の位相(零)に一致する。
【0074】図4(a)〜(c)は、それぞれ、図3で
述べたインバータ装置2が単独運転状態となっていない
通常の運転状態において、負荷電圧Vo、ピークポイン
ト同期信号PS、および、インバータ出力電流Ioのタ
イミングを示すタイムチャートを拡大したものである。
図4(c)において、点線で示す波形は、交流電力系統
3の電圧波形を示し、実線で示す波形は、インバータ装
置2の出力電流波形を示す。前述した電流歪付与手段1
4によりインバータ装置2を制御すれば、インバータ装
置2は、T1、T3…区間において、その出力周波数が上
昇する電流歪を付与する第1の電流波形を出力し、
2、T4…区間において、その出力周波数が下降する電
流歪を付与する第2の電流波形を出力し、第1と第2の
電流波形が出力を完結するピークポイントにおいて、出
力電流位相が負荷電圧位相に一致するような電流波形I
oを出力する。すなわち、T1、T3区間において、出力
電流Ioは負荷電圧Voに対して進み位相となるが、
2、T4区間において、出力電流Ioは負荷電圧Voに対
して遅れ位相となり、第1と第2の電流波形が出力を完
結するピークポイントにおいて、出力電流位相と負荷電
圧位相は同時にゼロとなり、図4に示すように、インバ
ータ装置の瞬時効率が最も大きい出力電流の位相が交流
電力系統電圧の位相に一致する理想的な状態に限りなく
近づける事ができ、直流電力を交流電力に変換する変換
器として最も大きい利用率でインバータ装置2を運転す
る事ができる。
【0075】このインバータ装置2では、交流電力系統
3の停電等が原因となって発生する単独運転状態を、次
のように検知してインバータ出力を停止している。
【0076】まず、インバータ装置2が供給している無
効電力が、負荷7が要求している無効電力に一致しない
場合について述べる。この場合、インバータ装置2が単
独運転状態となると、負荷電圧Voの周波数は、急激に
定格周波数から変動し、これにともなって負荷電圧Vo
の電圧値も変動する。周波数異常検出手段29は、図2
(b)に示す隣り合うピークポイント信号PSの間隔か
ら計測した負荷電圧V oの半周期から負荷電圧Voの周波
数を演算し、その負荷電圧Voの周波数が周波数上限値
OFから周波数下限値UFの範囲からはずれる事を監視
し、周波数上限値OFを超えるか、または、周波数下限
値UFを下回る場合は、周波数異常信号FERを発生し
てインバータ主回路10のスイッチング制御を停止させ
る。
【0077】電圧異常検出手段30は、負荷電圧Vo
周波数が変動した事で同時に変動する負荷電圧Voが、
電圧上限値OVから電圧下限値UVの範囲からはずれる
事を監視し、負荷電圧Voが電圧上限値OVを超える
か、電圧下限値UVを下まわる場合は、電圧異常信号V
ERを発生してインバータ主回路10のスイッチング信
号を停止させる。
【0078】次に、インバータ装置2が供給している無
効電力と負荷7が要求している無効電力とがほぼ一致す
る状態において、本発明による単独運転検出方法につい
て述べる。
【0079】図5は、今回サイクルにて計測される負荷
電圧周波数計測値Fiと次回サイクルにて電流歪付与手
段14によって制御されるインバータ装置2の出力電流
周波数設定値Foの関係を示すものである。図5に示す
ように、本発明のインバータ装置2の電流歪発生手段1
4は、定格周波数f0を含む所定の区間[f0−Δf、f
0+Δf](以降所定区間Aと称す)を設け、負荷電圧
oの周波数が所定区間Aの範囲内にある場合は、イン
バータ装置2は、前述した第1と第2の電流波形を交互
に繰り返して出力する。今回サイクルにて計測される負
荷電圧周波数計測値Fiが所定区間Aの範囲以下となる
場合は、次回サイクルにて制御されるインバータ装置2
の出力電流周波数設定値Foを、今回サイクルにて計測
される負荷電圧周波数計測値Fiよりもさらに低くなる
ように設定する。今回サイクルにて計測される負荷電圧
周波数計測値Fiが所定区間Aの範囲以上となる場合
は、次回サイクルにて制御されるインバータ装置2の出
力電流周波数設定値Foを、今回サイクルにて計測され
る負荷電圧Voの負荷電圧周波数計測値Fiよりもさらに
高くなるように設定する。
【0080】ところで、インバータ装置2が供給してい
る無効電力と負荷7が要求している無効電力とがほぼ一
致する状態で、インバータ装置2が単独運転状態になる
と負荷供給電圧Voの周波数はほとんど変動しなくな
り、前述した負荷電圧Voの周波数の異常周波数検出や
負荷電圧Voの異常電圧検出で単独運転は監視できなく
なる。さらに、インバータ装置2が単独運転に移行して
いるときのインバータ出力周波数は、インバータ装置2
が接続される負荷7の種類によっても影響を受け、負荷
7が誘導性負荷である場合には出力周波数は上昇し、負
荷7が容量性負荷である場合には出力周波数は下降す
る。従って、歪電流付与による周波数変動と負荷7によ
る周波数変動の大きさが同じで極性が逆となる場合は、
相殺しあって周波数変動が発生しない場合がある。
【0081】そこで、負荷電圧Voの周波数が、所定区
間Aの範囲内にあると判断する場合は、前述したよう
に、インバータ装置2から、周波数が上昇する電流歪を
付与する第1の電流波形と、周波数が下降する電流歪み
を付与する第2の電流波形を交互に繰り返して出力すれ
ば、ある基間は電流歪付与による周波数変動と負荷によ
る周波数変動が相殺し合って周波数変動がなくても、次
の期間では周端数変動を助長し合うようになり、インバ
ータ装置2の出力周波数は確実に変動するようになる。
【0082】次に、今回サイクルにて計測される負荷電
圧周波数計測値Fiが所定区間Aの範囲以下となる場合
は、前述したように、次回サイクルにて歪電流付与手段
14によって制御されるインバータ装置2の出力電流周
波数設定値Foを今回計測される負荷電圧周波数計測値
iよりもさらに低くなるように設定しておけば、負荷
電圧周波数が正帰還ループで減少する動作を刳り返し
て、周波数異常検出手段29は、負荷電圧周波数Fo
周波数下限値UFに達したところで確実に単独運転を検
出し、周波数異常信号FERを出力して、インバータ主
回路10のスイッチング動作を停止させる。
【0083】今回サイクルにて計測される負荷電圧周波
数計測値Fiが所定区間Aの範囲以上となる場合は、前
述したように、次回サイクルにて歪電流付与手段14に
よって制御されるインバータ装置2の出力電流周波数設
定値Foを今回計測される負荷電圧周波数計測値Fiより
もさらに高くなるように設定しておけば、負荷電圧周波
数が正帰還ループで増大する動作を刳り返して、周波数
異常検出手段29は、負荷電圧周波数Foが周波数上限
値OFに達したところで確実に単独運転を検出し、電圧
異常信号VERを出力してインバータ主回路10のスイ
ッチング動作を停止させる。
【0084】図6は、負荷電圧周波数が所定区間Aの範
囲内にある場合のインバータ装置2の出力電流の周波数
スペクトラムである。すなわち、インバータ装置2か
ら、周波数が上昇する電流歪を付与する第1の電流波形
と、周波数が下降する電流歪みを付与する第2の電流波
形を交互に繰り返して出力した図3(f)に示す出力電
流波形について、電流波形の周波数変動率ζをパラメー
タとした場合の、出力電流の高調波の次数と、基本波成
分に対する高調波成分の振幅の割合との関係を示したも
のである。ここで、図3(f)で示すように、周波数が
上昇(下降)する歪みを付与した電流波形の周期をTi
(i=1,2,3…)、負荷電圧Voの定格周波数をT0
とおくと周期変動率ζは(数12)としている。
【0085】
【数12】
【0086】インバータ装置2の出力電流波形は、 図
3(f)で示すように、遇関数となっているので、その
周波数スペクトラムは奇数次高調波成分のみが存在する
周波数スペクトラムとなる。
【0087】ところで、従来技術の説明で述べたcf値
は、(数13)で示す、電圧波形の半周期t0に対するゼ
ロ時間tzの割合と定義される。
【0088】
【数13】
【0089】(数13)より(数14)が成立する。
【0090】
【数14】
【0091】(数12)と(数14)を比較すると、
(数14)の2tzは、(数12)の電流波形周期T
i(i=1,2,3…)と定格周期T0との差|Ti−T0
|に相当し、(数14)の2t0は(数12)の定格周
期T0に相当するので、(数14)において、2tz→|
i−T0|、2t0→T0のように置き換えると(数1
2)になる。すなわち、従来のインバータ装置102の
cf値とは、本発明の周期変動率ζに相当する量と考え
て良い。図6と図14を比較して明らかなように、cf
値に相当するパラメータである周波数変動率ζの各値、
0.01、0.02、0.05のそれぞれにおいて、本
発明のインバータ装置2の出力電流の高調波成分は、従
来のインバータ装置102のそれと比較して、著しく減
少している事がわかる。
【0092】図7は、本発明のインバータ装置2の周期
変動率ζと出力電流歪率THDiの関係と従来のインバ
ータ装置102のcf値と出力電流歪率THDiの関係
を示したものである。図において、実線は本発明のイン
バータ装置2の周期変動率ζと電流歪み率THDiの関
係、点線は従来のインバータ装置102のcf値と電流
歪み率THDiの関係を示す。図を見て明らかなよう
に、cf値に相当する同一レベルの周波数変動率ζにお
いて、本発明のインバータ装置2の出力電流歪率THD
iは、従来のそれと比較して著しく減少している事がわ
かる。
【0093】図8は、本発明のインバータ装置2につい
て、任意の並列等価インダクタンス5の値に対して、不
感帯として動作する並列等価キャパシタンス6の値の限
界点をプロットして得た不感帯の特性である。
【0094】図8では、負荷7の並列等価抵抗4の抵抗
値をR[Ω]、並列等価インダクタンス5のインダクタ
ンスをL[H]、および、並列等価キャパシタンス6の
キャパシタンスをC[F]とおき、等価インダクタンス
Lを横軸に、キャパシタンスCを縦軸にとり、従来例の
cf値を0.01、0.02および0.05の各値に変
化させたのと同様に、ここでは、これに相当するパラメ
ータである周波数変動率ζを0.01、0.02および
0.05の各値に変化させたときの不感帯を調べた実験
結果を示す。実験では、従来例と同様に、等価抵抗Rは
14.4Ωの場合について調べてある。
【0095】図において横軸に平行な2本の点線は、周
波数異常検出手段29のみを受動的単独運転検出方法と
して使った場合において、任意の等価インダクタンスL
の値に対して、不感帯として動作する等価キャパシタン
スCの限界点をプロットしたものである。すなわち、横
軸に平行な2本の点線で囲まれた領域は、周波数異常検
出手段29のみを受動的単独運転検出方法として使った
場合における不感帯領域を示している。
【0096】次に、一点鎖線または二点鎖線で示す曲線
は、単独運転検出方法として、前述した本発明の歪電流
付与手段14による能動的単独運転検出方法のみを使っ
たインバータ装置2について、任意の等価インダクタン
スLの値に対して、不感帯として動作する等価キャパシ
タンスCの限界点をプロットしたものである。すなわ
ち、一点鎖線または二点鎖線で示す曲線で囲まれた領域
は、本発明の能動的単独運転検出方法のみを使った場合
における不感帯を示している。受動的単独運転検出方法
による不感帯と能動的単独運転検出方法による不感帯が
重なり合う領域が小さい場合、システム全体として不感
帯となる領域が小さい良好な特性を得ていると言える。
図8と図17を比較して明らかなように、従来のcf値
に相当するパラメータである本発明の周波数変動率ζの
各値、0.01、0.02、0.05のそれぞれにおい
て、本発明のインバータ装置2の不感帯特性は、従来の
インバータ装置102の不感帯特性とほぼ同等のものが
得られた。次に、本発明のインバータ装置2の単独運転
検知感度を向上するために、能動的単独運転検出方法と
受動的単独運転検出方法の不感帯領域が最も小さくな
る、周波数変動率ζとして0.05を選んだ場合につい
て考える。周波数変動率ζとして0.05を選んだ場合
において、本発明のインバータ装置2の能動的単独運転
検出方法と受動的単独運転検出方法の不感帯領域は、そ
の周波数変動率ζに相当するcf値として、0.05を
選んだ場合において、従来のインバータ装置102のそ
れとほぼ同一の特性が得られる。従って、周波数変動率
ζとして0.05を選んだ場合の本発明のインバータ装
置2の能動的単独運転検出方法による不感帯領域と、受
動的単独運転検出方法による不感帯領域の重なり合う部
分の不感帯領域は、その周波数変動率ζに相当するcf
値として0.05を選んだ場合において、従来のインバ
ータ装置102のそれとほぼ同一のものが得られる。ゆ
えに、周波数変動率ζとして0.05を選んだ場合の本
発明のインバータ装置2の単独運転検知感度は、その周
波数変動率に相当するcf値として0.05を選んだ場
合の従来のインバータ装置102の単独運転検知感度と
ほぼ同等のものが得られる。ところが、前述した図7の
説明で、cf値に相当する同一レベルの周波数変動率ζ
において、本発明のインバータ装置2の出力電流歪率T
HDiは、従来のそれと比較して著しく減少するので、
高調波電流が原因となって発生する誘導性負荷によって
消費される損失を低減する事ができる。すなわち、本発
明のインバータ装置2と従来のインバータ装置102の
単独運転検知感度を同等の性能とした場合、本発明のイ
ンバータ装置2は、従来のインバータ装置102と比較
して、高調波電流が原因となって発生する誘導性負荷に
よって消費される損失を低減する事ができる。
【0097】以上で述べたように、本発明のインバータ
装置2では、単独運転検知感度を良好にした従来のイン
バータ装置102のように、高調波電流が原因となって
発生する誘導性負荷によって消費される損失が増大する
と言う問題を低減する事ができ、単独運転の検知感度を
良好にするために、周波数変動率ζを大きくして不感帯
領域を小さくするか、または、不感帯領域を無くして
も、出力電流の高調波成分が小さく、出力電流の電流歪
み率を抑圧する事ができるので、高調波電流が原因で発
生する誘導性負荷によって消費される損失を低減する事
ができ、単独運転検知感度が良好で、高調波電流が原因
で発生する誘導性負荷に消費される損失が小さくてすむ
という理想的なインバータ装置を提供する事ができる。
【0098】なお、実施例の電圧周期演算手段は、ある
時点で検出される交流電力系統電圧の極性が負から正に
変動するタイミングと、その後検出される交流電力系統
電圧の極性が負から正に変動するタイミングまでの経過
時間を、該経過時間内に出現する交流電力系統電圧一周
期分の出現個数で除算して交流電力系統電圧周期の平均
値を演算したが、ある時点で検出される交流電力系統電
圧の極性が正から負に変動するタイミングと、その後検
出される交流電力系統電圧の極性が正から負に変動する
タイミングまでの経過時間を、該経過時間内に出現する
前記交流電力系統電圧一周期分の出現個数で除算して交
流電力系統電圧周期の平均値を演算してもよく、その作
用効果に差異を生じない。
【0099】なお、実施例のピークポイント決定手段
は、該交流電力系統電圧周期の4分の1に相当する期間
を、交流電力系統電圧の極性が負から正に変動するタイ
ミングから経過させたタイミング、および、交流電力系
統電圧周期の平均値の4分の3に相当する期間を、交流
電力系統電圧の極性が負から正に変動するタイミングか
ら経過させたタイミングをピークポイントとして決定し
たが、該交流電力系統電圧周期の4分の1に相当する期
間を、交流電力系統電圧の極性が正から負に変動するタ
イミングから経過させたタイミング、および、交流電力
系統電圧周期の平均値の4分の3に相当する期間を、交
流電力系統電圧の極性が正から負に変動するタイミング
から経過させたタイミングをピークポイントとして決定
してもよく、その作用効果に差異を生じない。
【0100】なお、実施例のインバータ装置2は、その
出力周波数が上昇する電流歪を付与する電流波形1周期
分の第1の電流波形と、その出力周波数が下降する電流
歪を付与する電流波形1周期分の第2の電流波形を交互
に出力しているが、その出力周波数が上昇する電流歪を
付与する電流波形1周期分を2、3、4…m回連結した
第1の電流波形と、その出力周波数が下降する電流歪を
付与する電流波形1周期分を2、3、4…m回連結した
第2の電流波形を交互に出力しても良く、その作用効果
に差異を生じない。
【0101】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば、インバータ装置の出力周波数に変動が生じ
るように、インバータ出力のピークポイントおよびその
近傍の所定区間において、インバータ出力電流の変位が
連続で、かつ、インバータ出力電流の周波数が不連続な
周波数変動をともなう電流歪を付与しているので、単独
運転の検知感度を良好にするために、周波数変動率を大
きくして、不感帯領域を小さくするか、または、不感帯
領域を無くしても、出力電流の高調波成分が小さく、出
力電流の電流歪み率を抑圧する事ができるので、高調波
電流が原因で発生する誘導性負荷によって消費される損
失を低減する事ができ、単独運転検知感度が良好で、高
調波電流が原因で発生する誘導性負荷に消費される損失
が小さいという効果のあるインバータ装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すブロック図
【図2】同負荷電圧Vo、ゼロクロス同期信号ZS、お
よび、ピークポイント同期信号PSのタイミングを示す
タイムチャート
【図3】同負荷電圧Vo、ピークポイント同期信号P
S、PI制御量IY、PWMデータアドレスポインタA
pwmの読み出し増加率、PWMデータアドレスポイン
タAPpwm、および、インバータ出力電流Ioのタイミン
グを示すタイムチャート
【図4】同負荷電圧Vo、ピークポイント同期信号P
S、および、インバータ出力電流Ioのタイミングを示
すタイムチャート
【図5】同今回サイクルにて計測される負荷電圧周波数
iと次回サイクルにて電流歪付与手段によって制御さ
れるインバータ装置の出力電流周波数設定値Foの関係
を示す図
【図6】同負荷電圧Voの周波数が所定区間Aの範囲内
にある場合のインバータ装置の出力電流の周波数スペク
トラムを示す図
【図7】同インバータ装置の周期変動率ζと出力電流歪
率THDiの関係と従来のインバータ装置のcf値と出
力電流歪率THDiの関係を示す図
【図8】同インバータ装置について、任意の並列等価イ
ンダクタンスの値に対して、不感帯として動作する並列
等価キャパシタンスの値の限界点をプロットして得た不
感帯の特性を示す図
【図9】従来の周波数シフト方式を単独運転検出方式と
して採用した従来のインバータ装置の構成図
【図10】同周波数シフト方式を単独運転検出方式とし
て採用した従来のインバータ装置の検出動作を示すフロ
ーチャート
【図11】同単独運転検出方法によるインバータ装置の
出力電流波形のタイミングを示すタイムチャート
【図12】同単独運転検出方法によるインバータ装置の
出力電流波形のタイミングを示すタイムチャート
【図13】同交流電力系統が正常時のインバータ装置の
出力電流波形のタイミングを示すタイムチャート
【図14】同交流電力系統が正常時のインバータ装置の
出力電流波形のタイミングを示すタイムチャート
【図15】同分散電源装置の出力電流と交流電力系統電
圧のタイミングを示すタイムチャート
【図16】同インバータ装置のcf値をパラメータとし
た出力電流波形の周波数特性を示す周波数スペクトラム
を示す図
【図17】同インバータ装置について任意の並列等価イ
ンダクタンスの値に対して、不感帯として動作する並列
等価キャパシタンスの値の限界点をプロットして得た不
感帯の特性図
【図18】同インバータ装置について調べたcf値と出
力電流の歪み率THDiの関係を示す図
【符号の説明】
1 直流電源 2 インバータ装置 3 交流電力系統 7 負荷 10 インバータ主回路 14 電流歪付与手段 25 電圧周期演算手段 26 ピークポイント検出手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電力を交流電力系統に連係させつつ
    交流に変換して負荷に供給し、前記交流電力系統との連
    係を離れて単独運転をはじめた際にインバータ出力に生
    じる周波数変動、もしくは周波数変動に起因する変動を
    検出してインバータ主回路の単独運転を検知する単独運
    転検知手段を有するインバータ装置において、該インバ
    ータ装置の出力周波数に変動が生じるように、インバー
    タ出力のピークポイントおよびその近傍の所定区間にお
    いて、インバータ出力電流の変位が連続で、かつ、イン
    バータ出力電流の周波数が不連続な周波数変動をともな
    う電流歪を付与する電流歪付与手段を備えることを特徴
    とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 電流歪付与手段は、交流電力系統電圧の
    周波数が定格周波数を含む所定の周波数区間の範囲内に
    ある場合は、その出力周波数が上昇する電流歪を付与す
    る第1の電流波形と、その出力周波数が下降する電流歪
    を付与する第2の電流波形を交互に繰り返して出力し、
    前記第1の電流波形と前記第2の電流波形が出力を完了
    する時点から最短時間で発生するピークポイントにおい
    て、前記第2の電流波形の位相が、前記交流電力系統電
    圧の位相に一致するようにしたことを特徴とする請求項
    1記載のインバータ装置。
  3. 【請求項3】 電流歪付与手段は、交流電力系統電圧の
    周波数が定格周波数を含む前記所定の周波数区間の範囲
    外にある場合は、前記交流電力系統電圧の周波数変化に
    応じて正帰還ループでインバータ出力周波数が変化する
    ような電流歪を付与する電流波形を出力することを特徴
    とする請求項1または請求項2記載のインバータ装置。
  4. 【請求項4】 第1の電流波形は、その出力周波数が上
    昇する電流歪を付与する出力電流の周期を任意回連結す
    るものであって、第2の電流波形はその出力周波数が下
    降する電流歪を付与する出力電流の周期を任意回連結す
    るものであることを特徴とする請求項2記載のインバー
    タ装置。
  5. 【請求項5】 電流歪付与手段は、ある時点で検出され
    る交流電力系統電圧の極性が正から負または負から正の
    どちらか一方に変動するタイミングと、その後検出され
    る前記交流電力系統電圧の極性が正から負または負から
    正のどちらか一方に変動するタイミングまでの経過時間
    を、該経過時間内に出現する前記交流電力系統電圧一周
    期分の出現個数で除算して前記交流電力系統電圧周期の
    平均値を演算する電圧周期演算手段と、該交流電力系統
    電圧周期の4分の1に相当する期間を、前記交流電力系
    統電圧の極性が正から負または負から正のどちらか一方
    に変動するタイミングから経過させたタイミング、およ
    び、前記交流電力系統電圧周期の平均値の4分の3に相
    当する期間を、前記交流電力系統電圧の極性が正から負
    または負から正のどちらか一方に変動するタイミングか
    ら経過させたタイミングをピークポイントとして決定す
    るピークポイント決定手段を備えることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載のインバータ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5286524B2 (ja) * 2006-03-22 2013-09-11 国立大学法人群馬大学 周波数測定装置及び周波数測定方法
JP2016027785A (ja) * 2012-07-20 2016-02-18 三菱電機株式会社 電力変換装置

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