JP2003324020A - トランス - Google Patents

トランス

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JP2003324020A
JP2003324020A JP2002128213A JP2002128213A JP2003324020A JP 2003324020 A JP2003324020 A JP 2003324020A JP 2002128213 A JP2002128213 A JP 2002128213A JP 2002128213 A JP2002128213 A JP 2002128213A JP 2003324020 A JP2003324020 A JP 2003324020A
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JP
Japan
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conductive pattern
coil
transformer
connection land
primary coil
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JP2002128213A
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English (en)
Inventor
Yukio Mukai
幸夫 向井
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大きな巻線比を確保することが可能なトランス
を提供する。 【解決手段】一方の面に巻数の多い一次コイル用導電パ
ターン3aが配置され、他方の面に巻数の少ない二次コ
イル用導電パターン5aが配置されたFPC基板2のコ
イル用導電パターン配置領域2aを、スリット部9を境
にコイル用導電パターン非配置領域2bから剥がし、導
電パターン3a、5aが円周方向となるように且つ一次
コイル用導電パターン3aが配置された面同士が重なり
合うように円筒状に丸める。各一次コイル用導電パター
ン3aの一方の端部に配置された一次コイル用接続ラン
ド4を他方の端部に配置された各一次コイル用接続ラン
ド4に対向させ、二次コイル用導電パターン5aの一方
の端部に配置された二次コイル用接続ランドを他方の端
部に配置された二次コイル用接続ランド6c、6dに対
向させ、一方の側に配置された補強用接続ランドを補強
用接続ランド8c、8dに対向させて接続することによ
り、螺旋状の一次コイル及び二次コイルが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FPC基板(フレ
キシブル基板)を用いたトランスに関し、特に任意の巻
数比を得ることが容易で且つ配設が容易なトランスに関
する。
【0002】
【従来の技術】プリント回路基板上や複数の構成部品に
よって構成する変圧モジュール上にトランスを配設する
際の作業効率を向上させるために、一次コイル及び二次
コイルの螺旋を平面上に展開した平行に延びる複数本の
導電パターンをFPC基板上に配置し、当該FPC基板
を丸め、導電パターンが重なる箇所を半田で接続するこ
とによってトランスを形成し、当該トランスを実装する
技術が実開平6−17216号公報、実開平6−113
27号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、巻数比
(変圧比)を大きく確保する場合には、電流容量の制約
から高い電圧側の導電パターンの幅を広くする必要があ
るとともに、本数の異なる一次コイル及び二次コイルの
導電パターンを同一平面上に互いに平行に形成する必要
があるため、上記技術においてはレイアウト上の問題が
生ずる。
【0004】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、大きな巻線比を確保するこ
とが可能なトランスを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、フレキシブル基板と、前記フレキ
シブル基板の一方の主面に形成され、当該フレキシブル
基板を折り返して重ねたときに一次側巻線を構成する第
1の導電パターンと、前記フレキシブル基板の他方の主
面に形成され、当該フレキシブル基板を折り返して重ね
たときに二次側巻線を構成する第2の導電パターンと、
を有するトランスが提供される(請求項1参照)。
【0006】一次側巻線を構成する第1の導電パターン
をフレキシブル基板の一方の主面に配置し、二次側巻線
を構成する第2の導電パターンをフレキシブル基板の他
方の主面に配置し、当該フレキシブル基板を折り返して
重ねて、2つのコイルを有するトランスが形成されるこ
とにより、巻数が相違する第1の導電パターンと第2の
導電パターンとを同一のフレキシブル基板に配置するこ
とが可能となる。
【0007】
【発明の効果】発明によれば、第1の導電パターンと第
2の導電パターンとをフレキシブル基板の異なる主面に
それぞれ配置させ、本数が異なる導電パターンを同一の
フレキシブル基板上で容易に配置することにより、大き
な巻数比を確保することが可能となり、トランスの特性
に対応した巻数比を容易に得ることが出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0009】[第1実施形態]図1は本発明の第1実施
形態におけるトランスコイルを用いたDC−DCコンバ
ータ降圧回路の回路図、図2は本発明の第1実施形態に
おける導電パターンが配置されたフレキシブル基板によ
りトランスコイルを形成した斜視図、図3は本発明の第
1実施形態における形成されたトランスコイルの断面
図、図4は本発明の第1実施形態におけるトランスコイ
ル形成前の一次コイル用導電パターンが配置された面の
フレキシブル基板の平面図、図5は本発明の第1実施形
態におけるトランスコイル形成前の二次コイル用導電パ
ターンが配置された面のフレキシブル基板の平面図、図
6は本発明の第1実施形態におけるコアが配置されたト
ランスコイルを示す透視図である。
【0010】図1に示すように、本発明の第1実施形態
におけるトランスコイルを用いたDC−DCコンバータ
降圧回路30は、一次入力側の電圧V1[V]の直流電
源31と、スイッチングトランジスタ33と、電流セン
サ50と、メイントランス1と、整流回路35と、平滑
回路36とから構成されている。
【0011】入力側の直流電源31より供給された直流
電流は、制御回路34により制御されたスイッチングト
ランジスタ33のスイッチング作用により矩形波に変換
され、メイントランス1の一次コイル3に入力される。
【0012】一次コイル3と二次コイル5との巻数比が
12:1であるメイントランス1により、一次コイル3
に入力された電圧V1[V]の矩形波は、1/12の二
次電圧V2[V]に降圧され二次コイル5から出力さ
れ、2つの整流ダイオード35a、35bを具備した整
流回路35により整流され、平滑回路36により平滑さ
れて二次出力として直流電流が出力される。
【0013】ここで、メイントランス1における二次出
力の電流が一次出力の電流の12倍となり、降圧側の回
路に高電流が流れるおそれがあるため、一次入力側に電
流センサ50を具備しており、当該電流センサ50によ
り一次入力側の電流の監視を行っている。当該電流セン
サ50及び電流センサ用I/F回路51により一次入力
側に所定値以上の電流が流れたことが検出されると、当
該検出に基づいて制御回路34がスイッチングトランジ
スタ33をオフにし、メイントランス1への電流の入力
を停止させる。なお、上記に説明したDC−DC降圧コ
ンバータ回路30におけるメイントランス1以外の回路
を、即ち、スイッチングトランジスタ33、スイッチン
グトランジスタ用制御回路34、電流センサ50、電流
センサ用I/F回路51、整流回路35、平滑回路36
を以下において周辺回路10とも総称する。
【0014】上記のDC−DC降圧コンバータ30に具
備されたメイントランス1について以下に詳細に説明す
る。
【0015】図2及び図3に示すように、本発明の第1
実施形態におけるメイントランス1は、導電パターン3
a、5aがそれぞれ表裏両面に配置されたFPC基板2
を円筒状に丸めることにより形成される。
【0016】図3に示すように、当該FPC基板2は、
両面銅張りフレキシブル基板であり、内側のカバーレイ
フィルム21と、一次コイル用導電パターン3aと、ベ
ースフィルム20と、二次コイル用導電パターン5a
と、外側のカバーレイフィルム21との5層で構成され
ており、ベースフィルム20が、一次コイル用導電パタ
ーン3aと二次コイル用導電パターン5aとを絶縁して
いる。さらに、後述するように、当該FPC基板2で円
筒形状のメイントランス1が形成された後、その円筒形
状の内側全面に薄い磁性体箔22が張り付けられる。
【0017】図4及び図5は、上記のメイントランス1
の形成前におけるFPC基板2の平面図を示しており、
図4は図2及び図3のようにFPC基板2を円筒状に丸
めた場合に内側となる一次コイル用導電パターン3aが
配置された面1aを示し、図5は図2及び図3にように
FPC基板2を円筒状に丸めた場合に外側となる二次コ
イル用導電パターン5aが配置された面1bを示してい
る。
【0018】図4に示すように、FPC基板2を円筒状
に丸めた際に内側となる内側面1aには、両端末に接続
ランド4が具備された12本の細い線状の一次コイル用
導電パターン3aが、傾斜して(図4において右下が
り)実質的に互いに平行に延びて形成され、配置されて
いる。
【0019】図4において、左右それぞれ12個の一次
コイル用接続ランド4が配置されており、同図中の左側
最上段の接続ランド4aから延びる導電パターン3aは
右側2段目の接続ランド4eに至り、左側2段目の接続
ランド4bから延びる導電パターン3aは右側3段目の
接続ランド4fに至り、以下同様の関係で左側の11個
の接続ランド4と右側の11個の接続ランド4との間に
導電パターン3aが形成されている。即ち、同図中上か
らN段目の導電パターン3aは、左側N段目の接続ラン
ド4と右側N+1段目の接続ランド4との間を傾斜して
それぞれ配置されている。なお、左最下段及び右側最上
段の接続ランド4には導電パターンが配置されていな
い。
【0020】さらに、図4の上下方向を中心として、即
ち導電パターン3aが円周方向となるようにFPC基板
2が円筒状に丸められた際に、同図中の左側最上段の接
続ランド4aと右側最上段の接続ランド4dとが対向
し、左側2段目の接続ランド4bと右側2段目の接続ラ
ンド4eとが対向し、左側3段目の接続ランド4cと右
側3段目の接続ランド4fとが対向するように、以下同
様の関係で各接続ランド4が配置されている。即ち、各
接続ランド4は、左側N段目の接続ランド4と右側N段
目の接続ランド4とが対向するようにそれぞれ配置され
ている。また、同図中の左側最上段の接続ランド4aと
左側最下段の接続ランド4とからは、当該一次コイル用
導電パターン3aから周辺回路10へ延びる導電パター
ン3b、3cが導出している。
【0021】さらに、図4に示すように、上述の一次コ
イル用導電パターン3a及び一次コイル用接続ランド4
の外側周囲には、二次コイル用接続ランド6a〜6d
と、スルーホール7と、補強用接続ランド8a〜8dが
配置されている。二次コイル用接続ランド6a〜6d
は、同図の上下方向を中心としてFPC基板2が円筒状
に丸められた際に、同図中の左側の2つの接続ランド6
a、6bがそれぞれ、右側の2つの接続ランド6c、6
dに対向するような関係で配置されている。同様にメイ
ントランス1を円筒状に形成を強固にするための補強用
接続ランド8a〜8dは、FPC基板2が円筒状に丸め
られた際に、同図中の左側の2つの補強用接続ランド8
a、8bが、右側の2つの補強用接続ランド8c、8d
に対向するような関係で配置されている。
【0022】また、同図中の左側2つの二次コイル用接
続ランド6a、6bからは、周辺回路10へ延びる導電
パターン5b、5cが導出している。さらに、メイント
ランス1の外側面1bの二次コイル用導電パターン5a
をベースフィルム20を貫通して内側面1aに導通させ
るスルーホール7が、同図の2つの二次コイル用接続ラ
ンド6a、6dの近傍に配置されている。図3の断面図
において、FPC基板2の外側面1bに配置された二次
コイル用導電パターン5aが、スルーホール7を介し
て、内側面1aに配置された二次コイル用接続ランド6
aに導通され、さらに半田23を介して二次コイル用接
続ランド6cに導通されていることが分かる。図示して
いないが、二次コイル用接続ランド6b、6dもスルー
ホール7及び半田23を介して導通されている。
【0023】図5に示すように、FPC基板2を円筒状
に丸めた際に外側となる外側面1bには、両端に上述の
スルーホール7が配置された一本の太い線状の二次コイ
ル用導電パターン5aが形成されている。一次コイル用
導電パターン3aの幅と比較して、当該二次コイル用導
電パターン5aが顕著に太い幅を有するのは、メイント
ランス1の変成により発生する二次出力の高電流を許容
し得る電流容量を具備させるためである。当該二次コイ
ル用導電パターン5aの両端のスルーホール7は、上述
のFPC基板2の内側面1aに設けられた2箇所のスル
ーホール7が、ベースフィルム20を貫通したものであ
る。当該スルーホール7により、FPC基板2の外側面
1bに配置された二次コイル用導電パターン5aを内側
面1aに導通させることが可能となる。
【0024】図4及び図5に示すように、上述の一次コ
イル用導電パターン3a及び二次コイル用導電パターン
5aが配置された領域2a(以下、コイル用導電パター
ン配置領域2aとも言う。)の周囲には、概略コの字形
状にスリット部9が形成されており、円筒状のメイント
ランス1の形成時に、当該スリット部9を境に当該コイ
ル用導電パターン非配置領域2aのFPC基板2を、導
電パターン3a、5aが配置されていない領域2b(以
下、コイル用導電パターン非配置領域2bとも言う。)
から剥がすことにより容易にメイントランス1を形成す
ることが可能となる。なお、図4における左側最上段及
び左側最下段の一次コイル用接続ランド4から周辺回路
10へ導出する導電パターン3b、3cと、同図におけ
る左側の2つの二次コイル用接続ランド6a、6bから
周辺回路10へ導出する導電パターン5b、5cとが、
コイル用導電パターン配置領域2aのスリット部9が形
成されていない辺からコイル用導電パターン非配置領域
2bに延びている。
【0025】さらに、図3に示すように、コイル用導電
パターン非配置領域2bに、周辺回路10のための導電
パターン11を形成し、スイッチングトランジスタ3
3、スイッチングトランジスタ用制御回路34、電流セ
ンサ50、電流センサ用I/F回路51、整流回路3
5、平滑回路36等の周辺回路10を配置することによ
り、同一のFPC基板2上にトランス回路を構成するこ
とが可能となり、トランス回路へのメイントランス1の
接続作業が不要となる。なお、図3に示すように、コイ
ル用導電パターン非配置領域2bは、金属放熱板25に
接着層26を介して接着されているが、スリット部9内
の導電パターン形成領域2aは金属放熱板25に接着さ
れていない。
【0026】次に、メイントランス1の形成の方法につ
いて説明する。
【0027】まず、メイントランス1以外の回路、即
ち、スイッチングトランジスタ33、スイッチングトラ
ンジスタ用制御回路34、電流センサ50、電流センサ
用I/F回路51、整流回路35、平滑回路36等の周
辺回路10を、リフロー工法により、FPC基板2のコ
イル用導電パターン非配置領域2bの周辺回路のための
導電パターン11上に実装する。
【0028】次に、図2に示すように、FPC基板2の
コイル用導電パターン配置領域2aを、スリット部9で
剥がし、導電パターン3a、5が円周方向となり、且
つ、一次コイル用導電パターン3aが配置された面1a
同士が重なり合うように丸める。そして、図4における
右側最上段の一次コイル用接続ランド4dを左側最上段
の接続ランド4aに対向させ、右側2段目の接続ランド
4eを左側2段目の接続ランド4bに対向させ、右側3
段目の接続ランド4fを左側3段目の接続ランド4cに
対向させ、即ち、同図の右側N段目の接続ランド4と左
側N段目の接続ランド4とを対向させる。それと共に、
図4における右側上段の二次コイル用接続ランド6cを
左側上段の接続ランド6aに対向させ、右側下段の接続
ランド6dを左側下段の接続ランド6bに対向させる。
さらに、図4における右側上段の補強用接続ランド8c
を左側上段の接続ランド8aに対向させ、右側下段の補
強用接続ランド8dを左側上段の接続ランド8bに対向
させる。
【0029】次に、この対向関係を維持して、図3に示
すように、FPC基板2の重なり合った部分に上方か
ら、パルス電流を流し発熱させたモリブデン、チタン等
の電気抵抗の高い金属ブロック24を押し付け、熱圧着
することにより、上述の対向させた各接続ランド4、6
a〜6d、8a〜8dが同時に一括して半田23を介し
て接続される。
【0030】この熱圧着による各接続ランド4、6a〜
6dの接続により、メイントランス1の内側面1aに
は、周辺回路から一次コイルへの導電パターン3b→一
次コイル用接続ランド4a→接続ランド4a、4e間の
導電パターン3a→一次コイル用接続ランド4e→一次
コイル用接続ランド4b→接続ランド4b、4f間の導
電パターン3a→一次コイル用接続ランド4f→一次コ
イル用接続ランド4c→・・・→一次コイルから周辺回
路への導電パターン3c、の接続を有する螺旋状の一次
コイル3が形成される。また、メイントランス1の外側
面1b及び内側面1aには、周辺回路から二次コイルへ
の導電パターン5b→二次コイル用接続ランド6a近傍
のスルーホール7→二次コイル用導電パターン5a→二
次コイル用接続ランド6d近傍のスルーホール7→二次
コイル用接続ランド6d→二次コイル用接続ランド6b
→二次コイルから周辺回路への導電パターン5c、の接
続を有する螺旋状の二次コイル5が形成され、2つの螺
旋状のコイル3、5を有する円筒状のメイントランス1
が形成される。さらに、形成された円筒状のメイントラ
ンス1の内側全面に、薄い磁性体箔22を張り付けて、
メイントランス1の形成が完了する。
【0031】以上のように、一次コイル用導電パターン
と二次コイル用導電パターンとをFPC基板の異なる面
にそれぞれ配置させることにより、本数の異なる一次コ
イル用導電パターンと二次コイル用導電パターンの導電
パターンとを同一のFPC基板上で配置することが可能
となり、大きな巻数比を確保することが可能となると共
に大きな電流容量が必要とされる降圧側のコイルに太い
導電パターンを具備させることが可能となり、トランス
の特性に対応した巻数比、導電パターンの幅、配線ピッ
チを得ることが可能となる。
【0032】また、本実施形態に示すように、メイント
ランス形成時に、巻数が多く且つ細い導電パターンを有
する面を内側に配置し、巻数が少なく且つ太い導電パタ
ーンを有する面を外側に配置することにより、円筒状に
丸めたFPC基板の外側面に生ずる応力や、当該トラン
ス自体の自己発熱等からのストレスによる導電パターン
の断線や剥がれを防止し、品質信頼性を確保することが
可能となる。
【0033】また、メイントランスの外側面に配置され
たコイル用導電パターンからスルーホールを経由させ
て、外側面から内側面に導通させることにより、熱圧着
等により同時に一括して容易に形成することが可能とな
る。
【0034】さらに、形成されたメイントランスのその
円筒形状の内側全面に薄い磁性体箔を張り付けることに
より、磁束の損失が少ないトランスとすることが可能と
なり、また、上述のトランスの円筒の内面に配置される
巻数が多く且つ細い導線パターンの断線や剥がれを防止
し、品質信頼性を確保することが可能となる。
【0035】さらに、本発明の第1実施形態において
は、金属放熱板25に接着されたFPC基板2におい
て、スリット部9を境にコイル用導電パターン配置領域
2aが、コイル用導電パターン非配置領域2bから剥が
された後、金属放熱板25が抜き出しとなる刳抜部2c
が形成される。
【0036】図6に示すように、上述の方法で形成され
たメイントランス1の円筒内にフェライト等の磁性を有
する材料から成る鉄心コア27を配置させ、当該鉄心コ
ア27の一部をFPC基板2の刳抜部2cから露出する
金属放熱板25に密着させる。
【0037】これにより、変圧により発生した熱をFP
C基板を経由しないで金属放熱板に直接放熱させる最短
経路を確保すると共に、トランス形成に伴って生ずるF
PC基板の刳抜部を有効に活用することが可能となる。
【0038】以下に、本発明の第2実施形態として、メ
イントランスの他の形成の方法について説明する。
【0039】[第2実施形態]図7は本発明の第2実施
形態におけるトランスコイル形成前の一次コイル用導電
パターンが配置された面のフレキシブル基板の平面図、
図8は本発明の第2実施形態におけるトランスコイル形
成前の二次コイル用導電パターンが配置された面のフレ
キシブル基板の平面図、図9は本発明の第2実施形態に
おけるトランスコイルの形成の方法を示す図、図10は
本発明の第2実施形態における接続部の要部拡大断面図
である。
【0040】図7に示すように、本発明の第2実施形態
において、第1実施形態と同様に、DC−DC降圧コン
バータ回路30を構成するメイントランス1は、FPC
基板2上の概略コの字形状のスリット部9で囲まれたコ
イル用導電パターン配置領域2aに、傾斜して(図7に
おいて右下がり)実質的に互いに平行に延びる12本の
細い線状の一次コイル用導電パターン3aと、一次コイ
ルから周辺回路への導電パターン3b、3cと、一次コ
イル用接続ランド4と、一本の太い線状の二次コイル用
導電パターン5aと、二次コイルから周辺回路への導電
パターン5b、5cと、二次コイル用接続ランド6a〜
6dと、補強用接続ランド8a〜8dと、スルーホール
7とが配置されている。
【0041】第1実施形態のメイントランス1との第1
の相違点は、図8におけるコイル用導電パターン配置領
域2aの左端近傍の接続ランド4、6c、6d、8c、
8dが、FPC基板2を丸めてメイントランス1を形成
した際に、外側面1bに配置されている点である。第2
の相違点は、図7において当該コイル配置領域2aの左
側近傍に存在するスルーホール7は、一次コイル導電パ
ターン3aをFPC基板2の内側面1aからベースフィ
ルム20を貫通して外側面1bに導通させるために設け
られている点である。
【0042】第1の相違点において、FPC基板2が丸
めた際に、図7中の最上段の一次コイル用接続ランド4
aが図8中の最上段の一次コイル用接続ランド4dに対
向し、図7中の2段目の接続ランド4bが図8中の2段
目の接続ランド4eに対向し、図7中の3段目の接続ラ
ンド4cが図8中の3段目の接続ランド5fに対向し、
以下同様の関係で各接続ランド4が配置されている。即
ち、各接続ランド4は、メイントランス1の内側面1a
のN段目の接続ランド4と外側面1bのN段目の接続ラ
ンド4とが対向するようにそれぞれ配置されている。ま
た、FPC基板2を丸めた際に、図7中の二次コイル用
接続ランド6aが図8中の接続ランド6cに対向し、図
7中の接続ランド6bが図8中の接続ランド6dに対向
するように配置されている。さらに、FPC基板2を丸
めた際に、図7中の補強用接続ランド8aが図8中の補
強用接続ランド8cに対向し、図7中の補強用接続ラン
ド8bが図8中の補強用接続ランド8dに対向するよう
に配置されている。
【0043】第2の相違点において、図8に示すよう
に、本実施形態における外側面1bの二次コイル用導電
パターン5aには、一方の側にしかスルーホールが具備
されていない。代わりに、外側面1bの各接続ランド4
の近傍に、それぞれスルーホール7が配置されており、
当該スルーホール7により当該外側面1bの接続ランド
4と内側面1aに配置された一次コイル用導電パターン
3aとが導通されている。
【0044】従って、FPC基板2の内側面2aに配置
された12本の一次コイル用導電パターン3aは、図7
の内側面1aの最上段の接続ランド4aから延びる導電
パターン3aは同図の右側の最上段のスルーホール7a
を介して図8の外側面1bの2段目の一次コイル用接続
ランド4eに導通し、図7の内側面1aの2段目の接続
ランド4bから延びる導電パターン3aは、同図の右側
の2段目のスルーホール7bを介して図8の外側面1b
の3段目の接続ランド4fに導通し、以下同様の関係で
左側の11個の接続ランド4と右側の11個の接続ラン
ド4との間にそれぞれスルーホール7と導電パターン3
aとが形成されている。即ち、内側面1aに配置された
N段目の導電パターン3aは、N段目の接続ランド4か
ら延び、N段目のスルーホール7を介して、外側面1b
に配置されたN+1段目の接続ランド4に導通してい
る。なお、図7中の最下段の接続ランド4には導電パタ
ーンが配置されておらず、図8中の最上段の接続ランド
4にはスルーホール7は配置されていない。
【0045】次に、メイントランス1の形成の方法につ
いて説明する。
【0046】まず、第1実施形態と同様に、メイントラ
ンス1以外の回路、即ち、スイッチングトランジスタ3
3、スイッチングトランジスタ用制御回路34、電流セ
ンサ50、電流センサ用I/F回路51、整流回路3
5、平滑回路36等の周辺回路10を、リフロー工法に
より、FPC基板2のコイル用導電パターン非配置領域
2bの周辺回路のための導電パターン11上に実装す
る。
【0047】次に、図9に示すように、FPC基板2の
コイル用導電パターン配置領域2aを、スリット部9で
剥がし、導電パターン3a、5が円周方向となり、且
つ、一次コイル用導電パターン3aが配置された面1a
に二次コイル用導電パターン5aが配置された面1bを
重ねるように丸める。
【0048】そして、図8の外側面1bの最上段の一次
コイル用接続ランド4dを図7の内側面1aの最上段の
接続ランド4aに対向させ、外側面1bの2段目の接続
ランド4eを内側面1aの2段目の接続ランド4bに対
向させ、外側面1bの3段目の接続ランド4fを内側面
1aの3段目の接続ランド4cに対向させ、即ち、図8
のN段目の接続ランド4と図7のN段目の接続ランド4
とを対向させる。それと共に、図8の外側面1bの上段
の二次コイル用接続ランド6cを図7の内側面1aの上
段の接続ランド6aに対向させ、外側面1bの下段の接
続ランド6dを内側面1aの下段の接続ランド6bに対
向させる。さらに、図8の外側面1bの右側上段の補強
用接続ランド8cを図7の内側面1a上段の接続ランド
8aに対向させ、外側面1bの下段の補強用接続ランド
8dを内側面1aの上段の接続ランド8bに対向させ
る。
【0049】次に、この対向関係を維持して、図9に示
すように、FPC基板2の重なり合った部分に上方か
ら、第1実施形態と同様の金属ブロック24を押し付
け、熱圧着することにより、上述の対向させた各接続ラ
ンド4、6a〜6d、8a〜8dが同時に一括して半田
23により接続される。
【0050】この熱圧着による各接続ランド4、6a〜
6dの接続により、メイントランス1の内側面1a及び
外側面1bには、周辺回路から一次コイルへの導電パタ
ーン3b→一次コイル用接続ランド4a→接続ランド4
aとスルーホール7aとの間の導電パターン3a→スル
ーホール7a→一次コイル用接続ランド4e→一次コイ
ル用接続ランド4b→接続ランド4bとスルーホール7
bとの間の導電パターン3a→スルーホール7b→一次
コイル用接続ランド4f→一次コイル用接続ランド4c
→・・・→一次コイルから周辺回路への導電パターン3
c、の接続を有する螺旋状の一次コイル3が形成され
る。図10に、ベースフィルム20を貫通するスルーホ
ール7aにより内側面1aの一次コイル用導電パターン
3aと導通する外側面1bの一次コイル用接続ランド4
eと、内側面1aの一次コイル用接続ランド4bとが半
田23により接続された状態が示されている。なお、図
示しないがスルーホール7bと一次コイル用接続ランド
4fと一次コイル用接続ランド4cとの間、さらに図7
における左側のN段目の一次コイル用スルーホール7
と、図8におけるN+1段目の一次コイル用接続ランド
4と、図7におけるN+1段目の一次コイル用接続ラン
ド4にも同様の接続状態が形成される。
【0051】また、メイントランス1の外側面1b及び
内側面1aには、周辺回路から二次コイルへの導電パタ
ーン5b→二次コイル用接続ランド6a近傍のスルーホ
ール7→二次コイル用導電パターン5a→二次コイル用
接続ランド6d→二次コイル用接続ランド6b→二次コ
イルから周辺回路への導電パターン5c、の接続を有す
る螺旋状の二次コイル5が形成され、2つの螺旋状のコ
イル3、5を有する円筒状のメイントランス1が形成さ
れる。図10に、ベースフィルム20を貫通するスルー
ホール7により外側面1bの二次コイル用導電パターン
5aと導通する内側面1aの二次コイル用接続ランド6
aと、外側面1bに配置された二次コイル用接続ランド
6cとが半田23により接続された状態が示されてい
る。さらに、第1実施形態と同様に、形成された円筒状
のメイントランス1の内側全面に、薄い磁性体箔22を
張り付けて、メイントランス1の形成が完了する。
【0052】以上のように、一次コイル用導電パターン
と二次コイル用導電パターンとをFPC基板の異なる面
にそれぞれ配置させることにより、本数の異なる一次コ
イル用導電パターンと二次コイル用導電パターンの導電
パターンとを同一のFPC基板上で配置することが可能
となり、大きな巻数比を確保することが可能となると共
に大きな電流容量が必要とされる降圧側のコイルに太い
導電パターンを具備させることが可能となり、トランス
の特性に対応した巻数比、導電パターンの幅、配線ピッ
チを得ることが可能となる。
【0053】また、本実施形態に示すように、メイント
ランス形成時に、巻数が多く且つ細い導電パターンを有
する面を内側に配置し、巻数が少なく且つ太い導電パタ
ーンを有する面を外側に配置することにより、円筒状に
丸めたFPC基板の外側面に生ずる応力や、当該トラン
ス自体の自己発熱等からのストレスによる導電パターン
の断線や剥がれを防止し、品質信頼性を確保することが
可能となる。
【0054】また、メイントランスの外側面に配置され
たコイル用導電パターンからスルーホールを経由させ
て、外側面から内側面に導通させることにより、後述す
る熱圧着により、同時に一括して容易な形成が可能とな
る。
【0055】さらに、形成されたメイントランスのその
円筒形状の内側全面に薄い磁性体箔を張り付けることに
より、磁束の損失が少ないトランスとすることが可能と
なり、また、上述のトランスの円筒の内面に配置される
巻数が多く且つ細い導線パターンの断線や剥がれを防止
し、品質信頼性を確保することが可能となる。
【0056】また、メイントランスの形成方法におい
て、第1実施形態のFPC基板の同一面を重ねるように
接続する場合と比較して、メイントランスの形状を磁束
がより集まり易い形状となり、磁束の損失を減少させる
ことが可能となる。
【0057】さらに、金属放熱板25に接着されたFP
C基板2において、スリット部9を境にコイル用導電パ
ターン配置領域2aが、コイル用導電パターン非配置領
域2bから剥がされた後、金属放熱板25が抜き出しと
なる刳抜部2cが形成される。
【0058】第1実施形態と同様に、上述の方法で形成
されたメイントランス1の円筒内にフェライト等の磁性
を有する材料から成る鉄心コアを配置させ、当該鉄心コ
アの一部をFPC基板2の刳抜部2cから露出する金属
放熱板25に密着させる。これにより、変圧により発生
した熱をFPC基板を経由しないで金属放熱板に放熱さ
せる最短経路を確保すると共に、トランス形成に伴うF
PC基板の刳抜部を有効に活用することが可能となる。
【0059】以下に、本発明の第3実施形態として、内
側面にホール素子を配置したメイントランスについて説
明する。
【0060】[第3実施形態]図11は本発明の第3実
施形態におけるトランスコイルを用いたDC−DCコン
バータ降圧回路の回路図、図12は本発明の第3実施形
態におけるトランスコイル形成前の一次コイル用導電パ
ターンが配置された面のフレキシブル基板の平面図、図
13は本発明の第3実施形態におけるトランスコイルの
形成の方法を示す図である。
【0061】図11に示すように、本発明の第3実施形
態におけるDC−DC降圧コンバータ回路30は、第1
実施形態のDC−DC降圧コンバータ回路に、メイント
ランス1の内部にホール素子40を付加した回路となっ
ており、当該ホール素子40によりメイントランス1に
おける磁界を検出し、ホール素子用I/F回路44を介
して、スイッチングトランジスタ33の制御回路34に
フィードバックさせることが可能となっている。
【0062】図12に示すように、第1実施形態と同様
に、DC−DC降圧コンバータ回路30を構成するメイ
ントランス1は、FPC基板2上の概略コの字形状のス
リット部9で囲まれたコイル用導電パターン配置領域2
aに、傾斜して(図12において右下がり)実質的に互
いに平行に延びる12本の細い線状の一次コイル用導電
パターン3aと、一次コイルから周辺回路への導電パタ
ーン3b、3cと、一次コイル用接続ランド4と、一本
の太い線状の二次コイル用導電パターン5aと、二次コ
イルから周辺回路への導電パターン5b、5cと、二次
コイル用接続ランド6a〜6dと、補強用接続ランド8
a〜8dと、スルーホール7とが配置されている。
【0063】第1実施形態のメイントランス1との相違
点は、FPC基板2を円筒状に丸めた際に内側となる内
側面1a上の当該円筒形状の内部に位置するような配置
で、ホール素子用接続ランド41が配置されている点で
ある。さらに、当該ホール素子用接続ランド41からコ
イル用導電パターン配置領域2aのスリット部9が形成
されていない辺を経由してコイル用導電パターン非配置
領域2bに向かって、一次コイル用導電パターン41の
傾斜に平行に、ホール素子用印加電流導電パターン42
と、電圧検出用導電パターン43とが導出されている。
【0064】次に、メイントランス1の形成の方法につ
いて説明する。
【0065】まず、第1実施形態と同様に、メイントラ
ンス1以外の回路、即ち、スイッチングトランジスタ3
3、スイッチングトランジスタ用制御回路34、電流セ
ンサ50、電流センサ用I/F回路51、整流回路3
5、平滑回路36等の周辺回路10をFPC基板2のコ
イル用導電パターン非配置領域2bの周辺回路のための
導電パターン11上にリフロー工法により実装すると同
時に、ホール素子40をコイル用導電パターン配置領域
2aのホール素子接続用ランド41上に、リフロー工法
により実装する。
【0066】次に、図13に示すように、FPC基板2
のコイル用導電パターン配置領域2aを、スリット部9
で剥がし、導電パターン3a、5aが円周方向となり、
且つ、一次コイル用導電パターン3aが配置された面1
a同士が重なり合うように丸める。そして、第1実施形
態と同様の関係で、それぞれの一次コイル用接続ランド
4、二次コイル用接続ランド6a〜6d、補強用接続ラ
ンド8a〜8dを対向させる。
【0067】次に、この対向関係を維持して、図13に
示すように、第1実施形態と同様に、FPC基板2の重
なり合った部分に上方から、パルス電流を流し発熱させ
たモリブデン、チタン等の電気抵抗の高い金属ブロック
24を押し付け、熱圧着することにより、上述の対向さ
せた各接続ランド4、6a〜6d、8a〜8dが同時に
一括して半田23により接続される。
【0068】この熱圧着による各接続ランド4、6a〜
6dの接続により、メイントランス1の内側面1aに
は、周辺回路から一次コイルへの導電パターン3b→一
次コイル用接続ランド4a→接続ランド4a、4e間の
導電パターン3a→一次コイル用接続ランド4e→一次
コイル用接続ランド4b→接続ランド4b、4f間の導
電パターン3a→一次コイル用接続ランド4f→一次コ
イル用接続ランド4c→・・・→一次コイルから周辺回
路への導電パターン3cの接続を有する螺旋状の一次コ
イル3が形成される。また、メイントランス1の外側面
1b及び内側面1aには、周辺回路から二次コイルへの
導電パターン5b→二次コイル用接続ランド6a近傍の
スルーホール7→二次コイル用導電パターン5a→二次
コイル用接続ランド6d近傍のスルーホール7→二次コ
イル用接続ランド6d→二次コイル用接続ランド6b→
二次コイルから周辺回路への導電パターン5cの接続を
有する螺旋状の二次コイル5が形成され、2つの螺旋状
のコイル3、5を有する円筒状のメイントランス1が形
成される。さらに、形成された円筒状のメイントランス
1の内側全面に、薄い磁性体箔22を張り付けて、メイ
ントランス1の形成が完了する。
【0069】以上のように、一次コイル用導電パターン
と二次コイル用導電パターンとをFPC基板の異なる面
にそれぞれ配置させることにより、本数の異なる一次コ
イル用導電パターンと二次コイル用導電パターンの導電
パターンとを同一のFPC基板上で配置することが可能
となり、大きな巻数比を確保することが可能となると共
に大きな電流容量が必要とされる降圧側のコイルに太い
導電パターンを具備させることが可能となり、トランス
の特性に対応した巻数比、導電パターンの幅、配線ピッ
チを得ることが可能となる。
【0070】また、本実施形態に示すように、メイント
ランス形成時に、巻数が多く且つ細い導電パターンを有
する面を内側に配置し、巻数が少なく且つ太い導電パタ
ーンを有する面を外側に配置することにより、円筒状に
丸めたFPC基板の外側面に生ずる応力や、当該トラン
ス自体の自己発熱等からのストレスによる導電パターン
の断線や剥がれを防止し、品質信頼性を確保することが
可能となる。
【0071】また、メイントランスの外側面に配置され
たコイル用導電パターンからスルーホールを経由させ
て、外側面から内側面に導通させることにより、後述す
る熱圧着により、同時に一括して容易な形成が可能とな
る。
【0072】さらに、形成されたメイントランスのその
円筒形状の内側全面に薄い磁性体箔を張り付けることに
より、磁束の損失が少ないトランスとすることが可能と
なり、また、上述のトランスの円筒の内面に配置される
巻数が多く且つ細い導線パターンの断線や剥がれを防止
し、品質信頼性を確保することが可能となる。
【0073】また、ホール素子用の導電パターン及び接
続ランドをFPC基板の内側面に配置させ、ホール素子
を円筒状のメイントランスの内部に実装させることによ
り、磁界検出回路を内蔵したトランスを容易に得ること
が可能となり、省スペースと安価な工法を実現すること
が出来る。
【0074】さらに、金属放熱板25に接着されたFP
C基板2において、スリット部9を境にコイル用導電パ
ターン配置領域2aが、コイル用導電パターン非配置領
域2bから剥がされた後、金属放熱板25が抜き出しと
なる刳抜部2cが形成される。
【0075】第1実施形態と同様に、上述の方法で形成
されたメイントランス1の円筒内にフェライト等の磁性
を有する材料から成る鉄心コアを配置させ、当該鉄心コ
アの一部をFPC基板2の刳抜部2cから露出する金属
放熱板25に密着させる。
【0076】これにより、変圧により発生した熱をFP
C基板を経由しないで金属放熱板に放熱させる最短経路
を確保すると共に、トランス形成に伴うFPC基板の刳
抜部を有効に活用することが可能となる。
【0077】なお、本発明の第1実施形態、第2実施形
態、第3実施形態における一次コイル及び二次コイル用
導電パターンは、12本及び1本に限定されるものでは
なく、一次コイル用導電パターンは、1〜11本又は1
3本以上であっても良く、二次コイル用導電パターン
は、2本以上であっても良く、必要とされるトランスの
特性に応じた本数を設定することが可能である。なお、
二次コイル用導電パターンが2本以上となる場合は、上
述の一次コイル用導電パターンと同様に、傾斜して実質
的に互いに平行に延びるように配置させれば良い。ま
た、二次コイル用導電パターンが一次コイル用導電パタ
ーンより多くの本数を有する場合には、一次コイル用導
電パターンをFPC基板の外側面に配置し、二次コイル
用導電パターンをFPC基板の内側面に配置すれば良
い。
【0078】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるトランスコイル
を用いたDC−DCコンバータ降圧回路の回路図であ
る。
【図2】本発明の第1実施形態における導電パターンが
配置されたフレキシブル基板によりトランスコイルを形
成した斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態における形成されたトラ
ンスコイルの断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態におけるトランスコイル
形成前の一次コイル用導電パターンが配置された面のフ
レキシブル基板の平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態におけるトランスコイル
形成前の二次コイル用導電パターンが配置された面のフ
レキシブル基板の平面図である。
【図6】本発明の第1実施形態におけるコアが配置され
たトランスコイルを示す透視図である。
【図7】本発明の第2実施形態におけるトランスコイル
形成前の一次コイル用導電パターンが配置された面のフ
レキシブル基板の平面図である。
【図8】本発明の第2実施形態におけるトランスコイル
形成前の二次コイル用導電パターンが配置された面のフ
レキシブル基板の平面図である。
【図9】本発明の第2実施形態におけるトランスコイル
の形成の方法を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態における接続部の要部
拡大断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態におけるトランスコイ
ルを用いたDC−DCコンバータ降圧回路の回路図であ
る。
【図12】本発明の第3実施形態におけるトランスコイ
ル形成前の一次コイル用導電パターンが配置された面の
フレキシブル基板の平面図である。
【図13】本発明の第3実施形態におけるトランスコイ
ルの形成の方法を示す図である。
【符号の説明】
1…メイントランス 1a…内側面 1b…外側面 2…フレキシブル基板(FPC基板) 2a…コイル用導電パターン配置領域 2b…コイル用導電パターン非配置領域 2c…刳抜部 3…一次コイル 3a…一次コイル用導電パターン 3b、3c…一次コイルから周辺回路への導電パターン 4、4a〜4f…一次コイル用接続ランド 5…二次コイル 5b、5c…二次コイルから周辺回路への導電パターン 6a〜6d…二次コイル用接続ランド 7、7a、7b…スルーホール 8a〜8d…補強用接続ランド 9…スリット部 10…周辺回路 11…周辺回路のための導電パターン 20…ベースフィルム 21…カバーレイフィルム 22…磁性体箔 23…半田 24…金属ブロック 25…金属放熱板 26…接着層 27…コア 30…DC−DCコンバータ降圧回路 31…直流電源 33…スイッチングトランジスタ 34…スイッチングトランジスタ用制御回路 35…整流回路 35a…第1の整流ダイオード 35b…第2の整流ダイオード 36…平滑回路 40…ホール素子 41…ホール素子用接続ランド 42…ホール素子用印加電流導電パターン 43…電圧検出用導電パターン 44…ホール素子用I/F回路 50…電流センサ 51…電流センサ用I/F回路 V…一次電圧 V…二次電圧

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フレキシブル基板と、 前記フレキシブル基板の一方の主面に形成され、当該フ
    レキシブル基板を折り返して重ねたときに一次側巻線を
    構成する第1の導電パターンと、 前記フレキシブル基板の他方の主面に形成され、当該フ
    レキシブル基板を折り返して重ねたときに二次側巻線を
    構成する第2の導電パターンと、を有するトランス。
  2. 【請求項2】前記第1の導電パターン及び第2の導電パ
    ターンは、一又はそれ以上の線状導電パターンを並行し
    て設けることにより構成され、一つの線状導電パターン
    の一端とこれに隣接する線状導電パターンの他端とを電
    気的に接続するように、前記フレキシブル基板を折り返
    して重ねることにより、一次側巻線又は二次側巻線を構
    成する請求項1記載のトランス。
  3. 【請求項3】前記一次側巻線及び二次側巻線のうち巻線
    数が多い方を内側面にして、前記フレキシブル基板を折
    り返す請求項1又は2記載のトランス。
  4. 【請求項4】前記フレキシブル基板の一方の主面同士が
    接触するように、当該フレキシブル基板を折り返して重
    ねる請求項1〜3の何れかに記載のトランス。
  5. 【請求項5】前記フレキシブル基板の一方の主面と他方
    の主面とが接触するように、当該フレキシブル基板を折
    り返して重ねる請求項1〜3の何れかに記載のトラン
    ス。
  6. 【請求項6】前記第1の導電パターン及び第2の導電パ
    ターンの少なくとも一方を、当該導電パターンが形成さ
    れたフレキシブル基板の主面の反対側主面に導通させる
    スルーホールを有する請求項1〜5の何れかに記載のト
    ランス。
  7. 【請求項7】前記フレキシブル基板の何れかの主面に、
    スイッチングトランジスタ、電流センサ、整流回路及び
    平滑回路の少なくとも何れか一つを含むトランスの周辺
    回路が形成されている請求項1〜6の何れかに記載のト
    ランス。
  8. 【請求項8】前記フレキシブル基板を折り返して重ねた
    ときに前記円筒形状の内部となる前記フレキシブル基板
    上の位置に、磁界検出手段を実装する端子が配置されて
    おり、 前記フレキシブル基板に、前記端子に導通した磁界検出
    手段の電圧を検出する導電パターンと、前記端子に導通
    した磁界検出手段に電流を印加する導電パターンと、が
    配置された請求項1〜7の何れかに記載のトランス。
  9. 【請求項9】トランスからの発熱を主として放熱させる
    伝熱材料からなる放熱板と、 前記フレキシブル基板を折り返して重ねたときに、前記
    円筒形状の内部に一部が配置される鉄心コアを有し、 前記フレキシブル基板が、前記放熱板の上に設けられて
    おり、 前記フレキシブル基板を折り返して重ねたときに露出す
    る前記放熱板の一部に、前記鉄心コアの他の一部が接触
    するように配置される請求項1〜8の何れかに記載のト
    ランス。
  10. 【請求項10】前記フレキシブル基板を折り返して重ね
    たときに、前記フレキシブル基板の最内側面に磁性体箔
    が配置された請求項1〜9の何れかに記載のトランス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008066140A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Sanyo Electric Co Ltd 磁気誘導作用で充電されるパック電池
JP2009509330A (ja) * 2005-09-20 2009-03-05 スカンジノヴァ システムズ エイビー フォイル巻線パルストランス
WO2017038797A1 (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 住友電工プリントサーキット株式会社 フレキシブルプリント配線板及び非接触充電システム

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