JP2003323890A - アルカリ蓄電池用水酸化ニッケル及びその製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池用水酸化ニッケル及びその製造方法

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JP2003323890A JP2002127862A JP2002127862A JP2003323890A JP 2003323890 A JP2003323890 A JP 2003323890A JP 2002127862 A JP2002127862 A JP 2002127862A JP 2002127862 A JP2002127862 A JP 2002127862A JP 2003323890 A JP2003323890 A JP 2003323890A
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nickel
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Masanori Soma
正典 相馬
Isao Abe
功 阿部
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応液のOH濃度を簡単且つ正確に管理で
き、物性値の変動が極めて小さく、アルカリ蓄電池の正
極活物質として好適な高嵩密度の水酸化ニッケル、及び
それを安定的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 ニッケル塩水溶液、アルカリ金属水酸化
物水溶液、及びアンモニア供与体水溶液を、それぞれの
流量変動幅を±2%以内に制御した一定流量で反応槽に
供給しながら撹拌し、連続的に水酸化ニッケルを生成さ
せる。得られる水酸化ニッケルは、一定時間毎に5回以
上サンプリングした試料の中心粒径の標準偏差が1.0
μm以下、比表面積の標準偏差が1.0m/g以下で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケルカドミウ
ム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池等のアル
カリ蓄電池の正極活物質として用いられる水酸化ニッケ
ルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポータブル二次電池やハイブリッド電気
自動車用バッテリーとして、ニッケル水素電池などのア
ルカリ蓄電池が広く用いられている。最近では、これら
アルカリ蓄電池の高容量化・高安定性の要求に伴い、正
極材料である水酸化ニッケルに対しても高い充填性・サ
イクル特性・高温特性などが求められている。
【0003】これに対して、例えば特開平2−3006
1号公報には、共沈法により合成された水酸化ニッケル
について、そのニッケルの一部を亜鉛及びコバルトで置
換することにより、アルカリ蓄電池のサイクル特性など
を改善できることが記載されている。
【0004】また、特公平4−68249号公報及び特
開平10−97856号公報などには、密度の高い球状
水酸化ニッケルを連続反応晶析により合成する方法が開
示されている。即ち、ニッケル塩水溶液、アルカリ水溶
液、アンモニア供与体水溶液を連続的に反応槽へ滴下
し、pHを一定に保って撹拌しながら反応させ、オーバ
ーフローするスラリーを濾過・乾燥して、水酸化ニッケ
ル粉得る方法が記載されている。
【0005】この場合、アルカリ水溶液としてアルカリ
金属水酸化物の溶液のみを用いると、高pH水溶液中に
おけるニッケルイオンの溶解度が低いために水酸化物生
成速度が大きく、非常に細かく且つ不均一な微粉が生成
してしまうため、高嵩密度の水酸化ニッケル粉が得られ
ない。そこで、系内に更にアンモニア供与体水溶液を供
給することにより、ニッケルアンミン錯塩として溶解度
を保ちながら水酸化物が生成するため、粒成長した水酸
化ニッケル粉を得ることができる。更に、反応槽におい
て適度な回転数で撹拌することによって、粒子表面が研
磨され、球状で比較的密度の高い水酸化ニッケル粉が得
られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した水酸化ニッケ
ルの製造方法においては、反応槽内の液のpHを一定値
に保つ手段として槽内にpH電極を設置し、pHコント
ローラーを用いてアルカリ金属水酸化物水溶液の供給量
を調節するシーケンス制御が用いられていた。
【0007】しかし、長時間操業を続けると高温・高濃
度のアルカリに曝されたpH電極が劣化し、誤ったpH
値を認識してしまうため、アルカリ金属水酸化物水溶液
の供給量が過剰又は不足となる。その結果、槽内のOH
濃度が所望の値からずれると同時に、真のOH濃度が把
握できなくなることがあった。また、pH指示値は温度
に非常に敏感であるため、槽内のわずかな温度変化によ
ってもOH濃度が変化しやすいという問題もあった。
【0008】こうしたOH濃度のずれや変動が起こる
と、急速な析出反応により水酸化ニッケルの微粉が発生
してしまう。しかも、粒径や比表面積などの物性値が変
動してしまうため、高嵩密度の水酸化ニッケル粉を安定
的に得ることが非常に困難であった。
【0009】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
反応液のOH濃度を簡単且つ正確に管理でき、物性値の
変動が極めて小さく、アルカリ蓄電池の正極活物質とし
て好適な高嵩密度の水酸化ニッケル、及びその水酸化ニ
ッケルを安定的に製造する方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供するアルカリ蓄電池用水酸化ニッケル
は、化学式Ni1−x(OH)[ここで、MはM
g、Al、Ca、Mn、Co、Znから選ばれた少なく
とも一種の元素であり、xは0以上0.2未満である]
で表される組成を有し、中心粒径が5〜20μm、比表
面積が4〜20m/g、タップ密度が2.0g/cm
以上、X線回折における(101)面ピ−クの半値幅
が0.80〜1.20゜/2θであって、製造時に一定時
間毎に5回以上サンプリングした試料の中心粒径の標準
偏差が1.0μm以下であることを特徴とするものであ
る。
【0011】また、本発明が提供する他のアルカリ蓄電
池用水酸化ニッケルは、化学式Ni 1−x(OH)
[ここで、MはMg、Al、Ca、Mn、Co、Znか
ら選ばれた少なくとも一種の元素であり、xは0以上
0.2未満である]で表される組成を有し、中心粒径が
5〜20μm、比表面積が4〜20m/g、タップ密
度が2.0g/cm以上、X線回折における(10
1)面ピ−クの半値幅が0.80〜1.20゜/2θであ
って、製造時に一定時間毎に5回以上サンプリングした
試料の比表面積の標準偏差が1.0m/g以下である
ことを特徴とする。
【0012】本発明が提供するアルカリ蓄電池用水酸化
ニッケルの製造方法は、ニッケル塩水溶液、アルカリ金
属水酸化物水溶液、及びアンモニア供与体水溶液を、そ
れぞれの設定流量に対する変動幅を±2%以内に制御し
て反応槽に供給しながら撹拌し、連続的に水酸化ニッケ
ルを生成させることを特徴とする。
【0013】上記本発明のアルカリ蓄電池用水酸化ニッ
ケルの製造方法においては、反応槽内の液を分取し、3
0℃以下に冷却した後測定したpH値を用いて、反応液
の水酸化物イオン濃度を管理することが好ましい。特
に、分取した反応液を20℃に冷却した後測定したpH
値が12.0〜13.5の範囲内となるように、アルカリ
金属水酸化物水溶液の供給流量を上記変動幅内で更に調
節することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】水酸化ニッケルの粒径、結晶性、
比表面積などの電池特性に影響を及ぼす物性は、水酸化
ニッケルの析出速度に大きく影響を受けると考えられ
る。そこで、これら物性値が安定した水酸化ニッケル粉
を得るためには、析出反応速度に関与するニッケルアン
ミン錯塩濃度とOH濃度を一定に保つ必要がある。前者
は反応液中のアンモニア濃度とOH濃度に依存するた
め、これらアンモニア濃度及びOH濃度を管理・コント
ロールすることが重要であると考えられる。
【0015】本発明者らは、従来のごとくpH電極を用
いたpH管理によることなく、反応液中のOH濃度を管
理制御する方法を検討した結果、供給液の流量制御によ
って反応液中のOH濃度を制御することができ、これに
よりOH濃度の設定値のずれや変動を抑制し得ることを
見出した。
【0016】即ち、ニッケル塩水溶液、アルカリ金属水
酸化物水溶液、及びアンモニア供与体水溶液を一定流量
で反応槽に供給する際に、それぞれの流量変動幅を±2
%以内に制御する。供給流量のずれがあったとしても、
その変動幅を所定の設定値の±2%以内に収めることに
よって、反応液のOH濃度の変化を緩やかにすることが
できるため、流量の修正及び調節を行いやすい。その結
果、粒径や比表面積などの特性のばらつきが極めて少な
く、高嵩密度の水酸化ニッケル粉を安定して製造するこ
とが可能となった。
【0017】また、反応槽内の反応液のOH濃度は、反
応液を分取して、30℃以下の所定温度にまで冷却した
後、pH電極を用いて測定したpH値を用いて管理する
ことができる。pH電極のアルカリ劣化は高温ほど進行
しやすいので、上記のように30℃以下に冷却した後に
測定することにより、電極のアルカリ劣化を防いで誤差
の少ないpH値を把握することができ、より正確なOH
濃度の管理指標を得ることが可能となる。
【0018】特に、反応液を分取して20℃に冷却した
後測定したpH値が12.0〜13.5の範囲となるよう
に、アルカリ金属水酸化物水溶液の供給量を上記流量変
動幅±2%以内で更に調節することが好ましい。20℃
測定のpH値が13.5を超えると、ニッケルアンミン
錯塩濃度を維持するために膨大な量のアンモニアを要す
るため不利である。20℃測定のpH値が12.0未満
の場合には、少量の流量変化でもpHが大きく変化する
ため、OH濃度を一定に保つことが困難になる。
【0019】また、20℃測定のpH値が12.0未満
では、反応液のニッケルアンミン錯塩濃度が過剰とな
り、粒径が非常に大きくなりやすく、電極作製時に集電
体である発泡セルメットへの充填が困難となる。尚、ニ
ッケルアンミン錯塩濃度を抑制するためにアンモニア供
給体水溶液の供給量を減少させると、水酸化ニッケル結
晶が多孔質に成長し、タップ密度が減少してしまう。
【0020】このような本発明方法は、アルカリ蓄電池
用の水酸化ニッケル、特に、化学式Ni1−x(O
H)[ここで、MはMg、Al、Ca、Mn、Co、
Znから選ばれた少なくとも一種の元素であり、xは0
以上0.2未満である]で表される組成を有する水酸化
ニッケルの製造に好適である。
【0021】上記化学式の組成を有する水酸化ニッケル
は、本発明の製造方法により、粒径や比表面積などの物
性値の変動が極めて小さくなり、嵩密度の高い水酸化ニ
ッケルを安定して製造することができる。具体的には、
水酸化ニッケル粉の好ましい物性値として、中心粒径を
5〜20μm、比表面積を4〜20m/g、タップ密
度を2.0g/cm以上、X線回折における(10
1)面ピ−クの半値幅を0.80〜1.20゜/2θに、
それぞれ安定して制御することができる。
【0022】水酸化ニッケル粉の中心粒径が5μm未満
ではタップ密度が低下してしまい、逆に20μmより大
きい場合には、電極作製時に集電体である発泡セルメッ
トへの充填が困難となる。比表面積として4〜20m
/gが好ましいのは、4m/g未満では適切な粒径の
粉体が得られ難く、20m/gより大きいと電極作製
時に多くの液体が必要となるためペースト濃度が薄くな
り、発泡セルメットへの充填性が低下するためである。
【0023】また、タップ密度を2.0g/cm以上
にすることにより、発泡セルメットにより多くの活物質
を充填することが可能となる。更に、X線回折における
(101)面ピ−クの半値幅を0.80〜1.20゜/2
θとしたのは、0.80゜未満では充放電時に層間のプ
ロトン移動度が低下して高容量が得られず、1.20゜
より大きいと密度の高い球状粉の形態を保つことが困難
となるためである。
【0024】更に、本発明によれば、連続的に生成する
水酸化ニッケルについて、製造時に一定時間毎に5回以
上サンプリングした試料の中心粒径の標準偏差を1.0
μm以下に抑え、または、一定時間毎に5回以上サンプ
リングした試料の比表面積の標準偏差を1.0m/g
以下にすることが可能である。このように中心粒径や比
表面積の標準偏差を小さく制御することにより、この水
酸化ニッケルを正極活物質とするニッケル蓄電池の充電
深度の均一性が向上し、特に複数の電池を組み合わせた
ユニットを用いる電気自動車用蓄電池では各電池のばら
つきを小さくできるため、ユニット全体の性能を向上さ
せることができる。
【0025】
【実施例】実施例1 バッフル板4枚を有する容積9リットルの円筒形反応槽
に、Ni:Zn:Co=91.8:2.2:6の原子比に
なるように調整した濃度1.8mol/lのニッケル塩
水溶液と、8wt%のアンモニア水溶液と、25wt%
の水酸化ナトリウム水溶液とを、一定流量で連続的に滴
下し、直径60mmのフラットタービン翼を用いて12
00rpmで撹拌しながら50℃で反応させた。
【0026】その際、メスシリンダーを用いた一定時間
の積算量から各供給液の流量を計測し、それぞれの流量
及びその変動幅を、ニッケル塩水溶液は4.15±0.0
5ml/min、アンモニア水溶液は1.25±0.02
ml/min、及び水酸化ナトリウム水溶液は2.05
±0.02ml/minに制御した。
【0027】反応槽から連続的にオーバーフローするス
ラリーの上澄みを分取し、20℃の恒温槽で冷却した
後、pH電極を用いてpH値を測定した。また、オーバ
ーフローしたスラリーの沈殿物を濾過・洗浄し、乾燥し
た後軽く解砕することにより、球状の水酸化ニッケル粉
を得た。
【0028】連続的に得られる球状の水酸化ニッケル粉
について、6時間ごとにサンプリング(5回分)して、
中心粒径D50、タップ密度、比表面積、及び(10
1)ピーク半価幅の平均値と標準偏差を求め、20℃で
測定したpH値と共に、下記表1に示した。
【0029】尚、中心粒径(D50)は、レーザー回折
式粒度分布計を用いて粒度分布を測定して求めた。比表
面積は、Nガスの吸着量により求めた。また、水酸化
ニッケル粉12gを20mlメスシリンダーに投入し、
500回タッピング後の体積値を読み取り、タップ密度
を12(g)/体積値(cm)により算出した。更に、
CuKα線を用いた粉末X線回折で分析したところ、β
−Ni(OH)2の回折パターンが確認された。2θ=
38°付近の(101)面に基づく回折ピークについて
半価幅を求めた。
【0030】実施例2 各供給液の流量及びその変動幅を変化させた以外は、上
記実施例1と同様の方法により水酸化ニッケルを連続的
に合成した。即ち、各供給液の流量及びその変動幅とし
て、ニッケル塩水溶液は4.70±0.05ml/mi
n、アンモニア水溶液は0.70±0.01ml/mi
n、及び水酸化ナトリウム水溶液は2.20±0.02m
l/minに制御した。
【0031】連続的に得られる球状の水酸化ニッケル粉
について、6時間ごとにサンプリング(5回分)し、実
施例1と同様にして、中心粒径D50、タップ密度、比
表面積、及び(101)ピーク半価幅の平均値と標準偏
差を求め、20℃で測定したpH値と共に、下記表1に
示した。
【0032】比較例1 バッフル板4枚を有する容積9リットルの円筒形反応槽
に、上記実施例1と同様に調整した濃度1.8mol/
lのニッケル塩水溶液の流量及びその変動幅を4.15
±0.05ml/min、及び8%アンモニア水溶液の
流量及びその変動幅を1.25±0.02ml/minに
制御して滴下すると共に、更に槽内に設置したpH電極
のpH指示値が12.7を維持するように、pHコント
ローラーを用いて25wt%水酸化ナトリウム水溶液の
流量をON−OFF制御しながら供給した。
【0033】槽内の反応液を直径60mmのフラットタ
ービン翼を用いて1200rpmで撹拌しながら50℃
で反応させ、連続的にオーバーフローするスラリーの上
澄みを分取して、20℃の恒温槽で冷却した後、pH値
を測定した。また、スラリーの沈殿物を濾過・洗浄し、
乾燥した後軽く解砕することにより、球状の水酸化ニッ
ケル粉を得た。
【0034】連続的に得られる球状の水酸化ニッケル粉
について、6時間ごとにサンプリング(5回分)し、実
施例1と同様にして、中心粒径D50、タップ密度、比
表面積、及び(101)ピーク半価幅の平均値と標準偏
差を求め、20℃で測定したpH値と共に、下記表1に
示した。
【0035】比較例2 上記実施例1と同じニッケル塩水溶液、アンモニア水溶
液、及び水酸化ナトリウム水溶液を、それぞれ実施例1
よりも大きな流量変動幅で、即ちニッケル塩水溶液は
4.15±0.1ml/min、アンモニア水溶液は1.
25±0.05ml/min、及び水酸化ナトリウム水
溶液は2.05±0.1ml/minに制御して滴下した
以外は、実施例1と同じ方法で水酸化ニッケルを合成し
た。
【0036】連続的に得られる球状の水酸化ニッケル粉
について、6時間ごとにサンプリング(5回分)し、実
施例1と同様にして、中心粒径D50、タップ密度、比
表面積、及び(101)ピーク半価幅の平均値と標準偏
差を求め、20℃で測定したpH値と共に、下記表1に
示した。
【0037】
【表1】
【0038】表1の結果から分るように、槽内に設置し
たpH電極の測定値を下にアルカリ金属水酸化物水溶液
の添加量を制御する比較例1の方法では、分取して20
℃で測定したpH値の変動が大きくなる。また、比較例
2のように、各供給液の流量を決めて定量供給したとし
ても、その流量の変動幅が大きいと、20℃測定のpH
値の変動も大きくなってしまう。その結果、得られる水
酸化ニッケルの物性値も変動し、特に粒径及び比表面積
の変動が大きく、高い嵩密度を得ることが出来なくな
る。
【0039】これに対して、各供給液の流量をそれぞれ
±2%以内の精度で定量供給した実施例1及び2の場合
には、20℃で測定したpH値の変動が少なくなると同
時に、水酸化ニッケル粉の粒径及び比表面積を始めとす
る物性値の変動が極めて小さくなり、タップ密度が2.
0g/cm以上の高嵩密度の水酸化ニッケル粉を安定
して得ることができた。
【0040】
【発明の効果】本発明方法によれば、反応液のOH濃度
を簡単且つ正確に管理することができるため、粒径及び
比表面積などの物性値の変動が極めて小さく、アルカリ
蓄電池の正極活物質として好適な高嵩密度の水酸化ニッ
ケルを、安定的に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G048 AA02 AA03 AA05 AB02 AB05 AC06 AD06 AE05 5H050 AA19 BA11 BA13 BA14 CA03 CB13 CB14 CB16 FA17 GA10 GA14 GA26 GA28 HA02 HA05 HA07 HA08 HA10 HA13 HA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式Ni1−x(OH)[ここ
    で、MはMg、Al、Ca、Mn、Co、Znから選ば
    れた少なくとも一種の元素であり、xは0以上0.2未
    満である]で表される組成を有し、中心粒径が5〜20
    μm、比表面積が4〜20m/g、タップ密度が2.
    0g/cm以上、X線回折における(101)面ピ−
    クの半値幅が0.80〜1.20゜/2θであって、製造
    時に一定時間毎に5回以上サンプリングした試料の中心
    粒径の標準偏差が1.0μm以下であることを特徴とす
    るアルカリ蓄電池用水酸化ニッケル。
  2. 【請求項2】 化学式Ni1−x(OH)[ここ
    で、MはMg、Al、Ca、Mn、Co、Znから選ば
    れた少なくとも一種の元素であり、xは0以上0.2未
    満である]で表される組成を有し、中心粒径が5〜20
    μm、比表面積が4〜20m/g、タップ密度が2.
    0g/cm以上、X線回折における(101)面ピ−
    クの半値幅が0.80〜1.20゜/2θであって、製造
    時に一定時間毎に5回以上サンプリングした試料の比表
    面積の標準偏差が1.0m/g以下であることを特徴
    とするアルカリ蓄電池用水酸化ニッケル。
  3. 【請求項3】 ニッケル塩水溶液、アルカリ金属水酸化
    物水溶液、及びアンモニア供与体水溶液を、それぞれの
    設定流量に対する変動幅を±2%以内に制御して反応槽
    に供給しながら撹拌し、連続的に水酸化ニッケルを生成
    させることを特徴とするアルカリ蓄電池用水酸化ニッケ
    ルの製造方法。
  4. 【請求項4】 槽内の反応液を分取し、30℃以下に冷
    却した後測定したpH値を用いて、反応液の水酸化物イ
    オン濃度を管理することを特徴とする、請求項3に記載
    のアルカリ蓄電池用水酸化ニッケルの製造方法。
  5. 【請求項5】 分取した反応液を20℃に冷却した後測
    定したpH値が12.0〜13.5の範囲内となるよう
    に、アルカリ金属水酸化物水溶液の供給流量を上記変動
    幅内で更に調節することを特徴とする、請求項3又は4
    に記載のアルカリ蓄電池用水酸化ニッケルの製造方法。
  6. 【請求項6】 生成した水酸化ニッケルについて、一定
    時間毎に5回以上サンプリングした試料の中心粒径の標
    準偏差が1.0μm以下であることを特徴とする、請求
    項3〜5のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用水酸化ニ
    ッケルの製造方法。
  7. 【請求項7】 生成した水酸化ニッケルについて、一定
    時間毎に5回以上サンプリングした試料の比表面積の標
    準偏差が1.0m/g以下であることを特徴とする、
    請求項3〜5のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用水酸
    化ニッケルの製造方法。
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