JP2003322383A - 機器制御システム及びカプセルベッド - Google Patents

機器制御システム及びカプセルベッド

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JP2003322383A
JP2003322383A JP2002127944A JP2002127944A JP2003322383A JP 2003322383 A JP2003322383 A JP 2003322383A JP 2002127944 A JP2002127944 A JP 2002127944A JP 2002127944 A JP2002127944 A JP 2002127944A JP 2003322383 A JP2003322383 A JP 2003322383A
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sleeping
sleep
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JP2002127944A
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Takehiko Hiei
武彦 樋江井
Tetsuya Matsuura
哲哉 松浦
Junji Matsushima
潤治 松島
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 就寝者を拘束せずに判定された睡眠状態に基
づいて機器の運転状態を変更する制御システムを提供す
る。 【解決手段】 カプセルベッドの睡眠室に機器制御シス
テム(50)のエアマット(51)を設置する。エアマット
(51)の内圧は、就寝者(70)の心拍、呼吸、体動など
によって変動する。エアマット(51)内の圧力変動は、
マイクロホン(52)によって電気信号に変換される。信
号分離部(54)は、マイクロホン(52)の出力信号から
就寝者(70)の心拍数を検出する。睡眠状態判定部(5
5)は、信号分離部(54)で検出された心拍数から就寝
者(70)の睡眠深度を判定する。そして、制御部(56)
は、睡眠状態判定部(55)で判定された就寝者(70)の
睡眠深度に応じて、空調ユニット(15)の設定温度を変
更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、就寝者の睡眠状態
に応じて機器の運転状態を変更する機器制御システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開2000−215号公報
に開示されているように、被験者の体に直接センサ等を
取り付けることなく被験者の睡眠状態を判定する装置が
知られている。この装置では、被験者の下に敷いたエア
マットの内圧変動を検出し、その波形から被験者の睡眠
状態を判定している。そして、得られた睡眠状態のデー
タを被験者の健康状態を監視するために利用し、被験者
の介護等に役立てようとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記装
置の用途は、被験者の健康状態の監視に限られるもので
はない。つまり、上記装置により得られた就寝者の睡眠
状態は、それに応じて空調機の設定温度等を調節するこ
とで就寝者の快適性を向上させるために利用できる。ま
た、就寝者の入眠を確認してから自動的に消灯するのに
利用することも可能である。従って、就寝者を拘束せず
に睡眠状態を判定できる上記装置を利用し、様々な機器
の運転状態を制御する制御システムの出現が望まれてい
た。
【0004】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、就寝者を拘束せずに
判定された睡眠状態に基づいて機器の運転状態を変更す
る制御システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、機器
制御システムを対象とするものであって、流体が封入さ
れたマットレス(51)と、上記マットレス(51)に封入
された流体の圧力変動に基づいて上記マットレス(51)
の上に横臥する就寝者(70)の生体情報を検出する検出
手段(52,54)と、上記検出手段(52,54)が検出した生
体情報から判定される上記就寝者(70)の睡眠状態に応
じて機器の運転状態を変更する制御手段(55,56)とを
備えるものである。
【0006】請求項2の発明は、請求項1記載の機器制
御システムにおいて、検出手段(52,54)が就寝者(7
0)の生体情報として少なくとも心拍数を検出している
ものである。
【0007】請求項3の発明は、請求項1記載の機器制
御システムにおいて、制御手段(55,56)が運転状態を
変更する機器は、就寝者(70)の居る空間の空気調和を
行うための空気調和装置(15)であるものである。
【0008】請求項4の発明は、 請求項1記載の機器
制御システムにおいて、制御手段(55,56)が運転状態
を変更する機器は、就寝者(70)の居る空間の熱環境を
調節するための機器であるものである。
【0009】請求項5の発明は、請求項1記載の機器制
御システムにおいて、制御手段(55,56)が運転状態を
変更する機器は、就寝者(70)に刺激を与えて覚醒させ
るための覚醒用機器であるものである。
【0010】請求項6の発明は、請求項1記載の機器制
御システムにおいて、制御手段(55,56)が運転状態を
変更する機器は、就寝者(70)の居る空間に設けられた
照明機器(43)であるものである。
【0011】請求項7の発明は、請求項1記載の機器制
御システムにおいて、制御手段(55,56)が運転状態を
変更する機器は、就寝者(70)の居る空間に設けられて
視覚情報又は聴覚情報を提供するための視聴覚機器(6
3)であるものである。
【0012】請求項8の発明は、カプセルベッドを対象
とし、請求項1乃至7の何れか1つに記載の機器制御シ
ステム(50)と、就寝者(70)を収容するための睡眠室
(40)を区画する遮蔽体(30)と、上記機器制御システ
ム(50)の制御手段(55,56)により運転状態が変更さ
れる機器とを備え、上記機器制御システム(50)のマッ
トレス(51)が上記睡眠室(40)に設置されるものであ
る。
【0013】−作用−請求項1の発明では、就寝者(7
0)が横たわるためのマットレス(51)に流体が封入さ
れる。マットレス(51)に封入された流体の圧力は、マ
ットレス(51)上の就寝者(70)の心拍や呼吸、体動な
どによって変動する。検出手段(52,54)は、マットレ
ス(51)内の圧力変動に基づいて、マットレス(51)に
横たわる就寝者(70)の生体情報を検出する。そして、
制御手段(55,56)は、検出手段(52,54)で検出された
生体情報に基づいて就寝者(70)の睡眠状態を判定し、
更には判定した睡眠状態に基づいて機器の運転状態を変
更する。
【0014】請求項2の発明では、検出手段(52,54)
がマットレス(51)内の圧力変動に基づいて就寝者(7
0)の心拍数を検出する。ただし、この検出手段(52,5
4)は、就寝者(70)の心拍数だけを検出するものであ
る必要はなく、例えば呼吸数や寝返り頻度を心拍数と共
に検出するものであってもよい。
【0015】請求項3の発明では、検出手段(52,54)
が検出した生体情報から判定される就寝者(70)の睡眠
状態に応じて、制御手段(55,56)が空気調和装置(1
5)の運転状態を変更する。この制御手段(55,56)は、
空気調和装置(15)について、例えば設定温度の変更、
冷房モードと除湿モードの切り換え、電源のON/OF
Fなどを就寝者(70)の睡眠状態に応じて行う。
【0016】請求項4の発明では、検出手段(52,54)
が検出した生体情報から判定される就寝者(70)の睡眠
状態に応じて、就寝者(70)の居る空間の熱環境を調節
するための機器の運転状態を制御手段(55,56)が変更
する。この種の機器としては、空気調和装置(15)や電
気毛布などが例示される。そして、制御手段(55,56)
は、例えば電気毛布のON/OFFなどを就寝者(70)
の睡眠状態に応じて行う。
【0017】請求項5の発明では、検出手段(52,54)
が検出した生体情報から判定される就寝者(70)の睡眠
状態に応じて、制御手段(55,56)が覚醒用機器の運転
状態を変更する。この覚醒用機器としては、目覚まし用
のベルや、就寝者(70)に振動を与えるバイブレータな
どが例示される。そして、制御手段(55,56)は、例え
ばバイブレータのON/OFFや振動の強度調節などを
就寝者(70)の睡眠状態に応じて行う。
【0018】請求項6の発明では、検出手段(52,54)
が検出した生体情報から判定される就寝者(70)の睡眠
状態に応じて、制御手段(55,56)が照明機器(43)の
運転状態を変更する。そして、制御手段(55,56)は、
例えば照明機器(43)のON/OFFや明るさの調節な
どを就寝者(70)の睡眠状態に応じて行う。
【0019】請求項7の発明では、検出手段(52,54)
が検出した生体情報から判定される就寝者(70)の睡眠
状態に応じて、制御手段(55,56)が視聴覚機器(63)
の運転状態を変更する。この視聴覚機器(63)として
は、テレビやラジオ、オーディオ装置などが例示され
る。そして、制御手段(55,56)は、例えばテレビのO
N/OFFや音量調節などを就寝者(70)の睡眠状態に
応じて行う。
【0020】請求項8の発明では、機器制御システム
(50)と、それによって運転状態を変更される機器とが
カプセルベッド(10)に設けられる。このカプセルベッ
ド(10)では、遮蔽体(30)によって睡眠室(40)が区
画される。この睡眠室(40)には、機器制御システム
(50)のマットレス(51)が配置される。就寝者(70)
は、遮蔽体(30)内の睡眠室(40)へ入り、マットレス
(51)の上に横たわる。つまり、カプセルベッド(10)
では、遮蔽体(30)内の睡眠室(40)が就寝者(70)の
居る空間となる。
【0021】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0022】本実施形態1に係るカプセルベッド(10)
は、事務所等に設置されて従業員等が仮眠をとるのに適
したものである。上記カプセルベッド(10)は、ベッド
本体(20)と遮蔽体(30)とを備えている。また、この
カプセルベッド(10)には、空調ユニット(15)と機器
制御システム(50)とが設けられている。
【0023】《ベッド本体、遮蔽体》図1及び図2に示
すように、上記ベッド本体(20)は、扁平な直方体状に
形成されている。ベッド本体(20)は、中空に形成され
ており、その内部に空調ユニット(15)が収納されてい
る。ベッド本体(20)の上には、エアマット(51)とス
ポンジマット(41)とが重ねて敷かれている。スポンジ
マット(41)は、エアマット(51)の上に載せられてい
る。また、スポンジマット(41)の上には、枕(42)が
置かれている。
【0024】図1,図2におけるベッド本体(20)の前
面には、排気グリル(21)と吸気グリル(22)とが開口
している。また、図1,図2において、ベッド本体(2
0)の上面には、その左側の短辺に沿って頭部グリル(2
3)が開口し、その右側の短辺に沿って足部グリル(2
6)が開口している。
【0025】図3に示すように、ベッド本体(20)の上
面には、同図における左側の短辺に沿って吸込口(24)
と吹出口(25)とが1つずつ開口している。これら吸込
口(24)と吹出口(25)は、頭部グリル(23)によって
覆い隠されている。更に、ベッド本体(20)の上面に
は、同図における右側の短辺に沿って吸込口(27)と吹
出口(28)とが1つずつ開口している。これら吸込口
(27)と吹出口(28)は、足部グリル(26)によって覆
い隠されている。
【0026】上記遮蔽体(30)は、ヘッドボード(3
1)、フットボード(32)、及び遮蔽シート(33)を備
えている。この遮蔽体(30)は、ヘッドボード(31)、
フットボード(32)、及び遮蔽シート(33)によってベ
ッド本体(20)の上方の空間を仕切り、就寝者(70)が
入るための睡眠室(40)を形成している。
【0027】ヘッドボード(31)とフットボード(32)
は、何れも合板製の板状体である。図1,図2におい
て、ヘッドボード(31)はベッド本体(20)の左側面に
沿うように立設され、フットボード(32)はベッド本体
(20)の右側面に沿うように立設されている。つまり、
ヘッドボード(31)とフットボード(32)は、ベッド本
体(20)を挟んで向かい合うように設置されている。
【0028】また、図2におけるヘッドボード(31)の
右側面には、空調ユニット(15)の操作パネル(16)
と、室内灯(43)とが取り付けられている。このうち、
室内灯(43)は、照明機器を構成している。
【0029】遮蔽シート(33)は、スポンジ状のウレタ
ン発泡樹脂をビニールシートで挟んで縫い合わせたもの
であって、キルティング状に形成されている。この遮蔽
シート(33)は、ヘッドボード(31)からフットボード
(32)へ渡された2本のパイプ(36)に掛け渡されてい
る。また、遮蔽シート(33)には、図1,図2における
前面側に出入口(34)が形成されている。この出入口
(34)は、スライドファスナー(35)によって開閉可能
となっている。就寝者(70)は、この出入口(34)を通
って睡眠室(40)へ出入りする。
【0030】《空調ユニット》図3に示すように、上記
空調ユニット(15)は、ベッド本体(20)の内部に収納
されている。図示しないが、この空調ユニット(15)
は、ペルチェ素子とファンとを備えている。そして、空
調ユニット(15)は、睡眠室(40)の空気調和を行うた
めの空気調和装置を構成している。また、この空調ユニ
ット(15)は、睡眠室(40)の熱環境を調節するための
機器でもある。
【0031】睡眠室(40)を冷房する場合、空調ユニッ
ト(15)は、吸込口(24,27)を通じて睡眠室(40)か
ら空気を吸い込み、吸い込んだ空気をペルチェ素子の吸
熱側へ送って冷却する。そして、空調ユニット(15)
は、ペルチェ素子で冷却された空気を吹出口(25,28)
から睡眠室(40)へ送り返す。また、この場合、空調ユ
ニット(15)は、吸気グリル(22)から取り込んだ空気
をペルチェ素子の放熱側へ送り、ペルチェ素子で加熱さ
れた空気を排気グリル(21)から排出する。
【0032】睡眠室(40)を暖房する場合、空調ユニッ
ト(15)は、吸込口(24,27)を通じて睡眠室(40)か
ら空気を吸い込み、吸い込んだ空気をペルチェ素子の放
熱側へ送って加熱する。そして、空調ユニット(15)
は、ペルチェ素子で加熱された空気を吹出口(25,28)
から睡眠室(40)へ送り返す。また、この場合、空調ユ
ニット(15)は、吸気グリル(22)から取り込んだ空気
をペルチェ素子の吸熱側へ送り、ペルチェ素子で冷却さ
れた空気を排気グリル(21)から排出する。
【0033】更に、上記空調ユニット(15)は、頭部グ
リル(23)内の吹出口(25)から冷風を吹き出すと当時
に、足部グリル(26)内の吹出口(28)から温風を吹き
出す運転も可能に構成されている。この運転を行うこと
で、睡眠室(40)の環境が就寝者(70)にとって頭寒足
熱の状態に設定される。
【0034】《機器制御システム》図4に示すように、
上記機器制御システム(50)は、エアマット(51)、マ
イクロホン(52)、及びシステム本体(53)によって構
成されている。そして、この機器制御システム(50)
は、上記空調ユニット(15)の運転制御を行っている。
【0035】上述のように、エアマット(51)は、スポ
ンジマット(41)の下に敷かれている。このエアマット
(51)は、内部に流体である空気が封入されており、機
器制御システム(50)のマットレスを構成している。マ
イクロホン(52)は、エアマット(51)に短いチューブ
を介して接続されている。
【0036】就寝者(70)が睡眠室(40)に入ってエア
マット(51)の上に横たわっている状態では、就寝者
(70)の心拍、呼吸、体動などによってエアマット(5
1)に封入された空気の圧力(即ちエアマット(51)の
内圧)が変動する。そして、マイクロホン(52)は、エ
アマット(51)に封入された空気の圧力変動を電気信号
に変換して出力する。
【0037】上記システム本体(53)は、信号分離部
(54)、睡眠状態判定部(55)、及び制御部(56)を備
えている。このシステム本体(53)は、ベッド本体(2
0)の内部に収納されている。
【0038】本実施形態の機器制御システム(50)にお
いて、就寝者(70)の生体情報を検出する検出手段は、
マイクロホン(52)と信号分離部(54)とによって構成
されている。また、就寝者(70)の睡眠状態に応じて機
器の運転状態を変更する制御手段は、睡眠状態判定部
(55)と制御部(56)とによって構成されている。
【0039】信号分離部(54)には、フィルタ回路が設
けられている。また、信号分離部(54)には、マイクロ
ホン(52)から出力された電気信号が入力されている。
ここで、信号分離部(54)へ入力されるマイクロホン
(52)の出力信号には、就寝者(70)の心拍に起因する
圧力変動だけでなく、その呼吸や体動などに起因する圧
力変動も含まれている。そこで、信号分離部(54)は、
フィルタ回路を用いてマイクロホン(52)の出力信号に
処理を施す。そして、信号分離部(54)は、マイクロホ
ン(52)の出力信号から就寝者(70)の心拍に起因する
圧力変動の波形だけを分離し、それに基づいて就寝者
(70)の心拍数を検出する。つまり、この信号分離部
(54)は、就寝者(70)の生体情報である心拍数を、マ
イクロホン(52)の出力信号に基づいて検出するように
構成されている。
【0040】睡眠状態判定部(55)には、信号分離部
(54)で検出された就寝者(70)の心拍数が入力されて
いる。そして、この睡眠状態判定部(55)は、入力され
た就寝者(70)の心拍数に基づき、就寝者(70)の睡眠
状態である睡眠深度を判定するように構成されている。
ここで、就寝者(70)の心拍数と睡眠深度の間には相関
関係があり、睡眠深度が深くなるにつれて心拍数も低下
してゆく。そこで、睡眠状態判定部(55)は、この心拍
数と睡眠深度の相関関係を利用し、入力された就寝者
(70)の心拍数から就寝者(70)の睡眠深度を判定す
る。
【0041】制御部(56)には、睡眠状態判定部(55)
で判定された就寝者(70)の睡眠深度が入力されてい
る。この制御部(56)は、入力された就寝者(70)の睡
眠深度に応じて空調ユニット(15)の運転状態を変更し
ている。具体的には、就寝者(70)の睡眠深度に応じて
空調ユニット(15)の設定温度を変更している。
【0042】制御部(56)の動作について詳細に説明す
る。図5に示すように、就寝中において、就寝者(70)
の睡眠深度は、概ね1時間30分程度の周期で深くなっ
たり浅くなったりを繰り返す。また、上述のように就寝
者(70)の睡眠深度と心拍数の間には相関関係があり、
睡眠深度の変動にあわせて、心拍数も概ね1時間30分
程度の周期で増減を繰り返す。
【0043】制御部(56)は、就寝者(70)の入眠を確
認すると、空調ユニット(15)の設定温度を、それまで
設定されていた値から例えば2℃程度高めに変更する。
これは、入眠後における就寝者(70)の寝冷えを防ぐた
めである。その後、就寝者(70)の睡眠深度が深まって
REM睡眠からNON-REM睡眠へ移行すると、制御
部(56)は、高めに変更されていた空調ユニット(15)
の設定温度を引き下げて元通りの値に戻す。これは、N
ON-REM睡眠では就寝者(70)の活動も低下するた
め、空調ユニット(15)の設定温度を高めに設定したま
までは、就寝者(70)が暑いと感じてしまうからであ
る。その後、就寝者(70)の睡眠深度が浅くなってNO
N-REM睡眠からREM睡眠へ移行すると、制御部(5
6)は、空調ユニット(15)の設定温度を再び2℃程度
高めに変更する。就寝者(70)の就寝中、制御部(56)
は、このような動作を繰り返す。
【0044】−実施形態1の効果− 本実施形態では、エアマット(51)内の圧力変動に基づ
いて就寝者(70)の睡眠深度を判定し、それに応じて空
調ユニット(15)の設定温度を変更している。従って、
本実施形態によれば、就寝者(70)の体へ直接にセンサ
等を取り付けることなく就寝者(70)の睡眠深度を判定
し、得られた睡眠深度に応じて空調ユニット(15)の運
転を制御する機器制御システム(50)を実現できる。ま
た、本実施形態によれば、就寝者(70)の睡眠深度に応
じて空調ユニット(15)の運転を制御することで、睡眠
室(40)内の熱環境を就寝者(70)の睡眠深度に応じて
適切に設定することができ、就寝者(70)の快適性を向
上させて心地よい睡眠を就寝者(70)に保証することが
可能となる。
【0045】更に、本実施形態では、機器制御システム
(50)とそれによって制御される空調ユニット(15)と
をカプセルベッド(10)に設けている。そして、このカ
プセルベッド(10)では、その睡眠室(40)が一人の就
寝者(70)によって占有され、その睡眠室(40)の空気
調和を空調ユニット(15)が行っている。従って、本実
施形態のカプセルベッド(10)では、一人の就寝者(7
0)のために設けられた空調ユニット(15)の制御をそ
の就寝者(70)の睡眠状態に応じて行うことができ、カ
プセルベッド(10)の使用者である就寝者(70)の快適
性や利便性を確実に向上させることができる。
【0046】−実施形態1の変形例1− 本実施形態の機器制御システム(50)では、就寝者(7
0)の睡眠状態がREM睡眠状態であるかNON-REM
睡眠状態であるかによって、空調ユニット(15)の設定
温度を2段階に変更しているが、これに代えて次のよう
にしてもよい。
【0047】つまり、機器制御システム(50)における
制御部(56)の構成を変更し、空調ユニット(15)の設
定温度を就寝者(70)の睡眠深度に応じて3段階以上の
多段階に変更するようにしてもよい。また、制御部(5
6)の構成を変更し、就寝者(70)の睡眠深度に応じて
空調ユニット(15)の設定温度を連続的に変更するよう
にしてもよい。
【0048】−実施形態1の変形例2− 本実施形態では、機器制御システム(50)が空調ユニッ
ト(15)に対する制御を行っているが、機器制御システ
ム(50)の制御対象は空調ユニット(15)に限定される
ものではない。つまり、機器制御システム(50)によっ
て次のような機器の運転状態を変更してもよい。
【0049】先ず、就寝者(70)に刺激を与えて覚醒さ
せるための覚醒用機器の運転状態を、機器制御システム
(50)によって変更してもよい。この覚醒用機器として
は、就寝者(70)に音の刺激を与えて覚醒させるための
チャイムやブザー、就寝者(70)に振動の刺激を与えて
覚醒させるためのバイブレータなどが例示される。カプ
セルベッド(10)にバイブレータを設ける場合、このバ
イブレータは、スポンジマット(41)や枕(42)の内部
に設置される。
【0050】ここで、就寝者(70)の睡眠深度は、上述
のように、深くなったり浅くなったりを繰り返している
(図5参照)。そして、睡眠深度が次第に深まってきて
REM睡眠からNON-REM睡眠へ移行する直前のタ
イミングで覚醒すれば、就寝者(70)が快く目覚められ
ることが知られている。そこで、覚醒用機器を制御する
機器制御システム(50)は、このタイミングを見計らっ
て就寝者(70)に刺激を与える。例えば、バイブレータ
を制御する機器制御システム(50)は、このタイミング
でバイブレータの電源を投入して就寝者(70)に振動の
刺激を与え、就寝者(70)を覚醒させる。
【0051】次に、カプセルベッド(10)にテレビやラ
ジオなどの視聴覚機器が設けられている場合には、この
視聴覚機器の運転を機器制御システム(50)によって制
御してもよい。この場合、機器制御システム(50)の制
御部(56)は、就寝者(70)の入眠を確認した後に、テ
レビやラジオ等の電源を切る。これにより、就寝者(7
0)の入眠後もテレビ等がつけっぱなしになるのを防止
でき、無駄な電力消費を回避できる。また、テレビやラ
ジオなどを覚醒用機器として用い、制御部(56)が所定
のタイミングでテレビ等の電源を投入するようにしても
よい。この場合には、テレビ等の音声が刺激として就寝
者(70)に与えられ、就寝者(70)が覚醒する。
【0052】次に、ヘッドボード(31)に取り付けられ
た室内灯(43)を機器制御システム(50)によってオン
・オフしてもよい。この場合、機器制御システム(50)
の制御部(56)は、就寝者(70)の入眠を確認した後に
室内灯(43)の電源を切る。これにより、就寝者(70)
の入眠後も室内灯(43)がつけっぱなしになるのを防止
でき、無駄な電力消費を回避できる。
【0053】次に、就寝者(70)の足下を暖めるための
足温用ヒータがカプセルベッド(10)に設けられている
場合には、この足温用ヒータの運転を機器制御システム
(50)によって制御してもよい。この場合、機器制御シ
ステム(50)の制御部(56)は、就寝者(70)の睡眠深
度が深くなったり浅くなるのにあわせて、足温用ヒータ
の設定温度を変更したり、足温用ヒータの電源をオン・
オフしたりする。
【0054】次に、芳香を発生させて睡眠室(40)へ供
給するための芳香発生装置がカプセルベッド(10)に設
けられている場合には、この芳香発生装置の運転を機器
制御システム(50)によって制御してもよい。この場
合、機器制御システム(50)の制御部(56)は、就寝者
(70)が入眠する前後の所定時間に亘り、入眠促進用の
芳香を発生させる。入眠促進用の芳香としては、ラベン
ダーの香りのようなリラックス効果を与えるものが望ま
しい。また、機器制御システム(50)の制御部(56)
は、就寝者(70)が覚醒する前後の所定時間に亘り、覚
醒促進用の芳香を発生させてもよい。覚醒促進用の芳香
としては、例えば、レモン等の柑橘系の香りやミントの
香りなどを用いるとよい。
【0055】尚、本実施形態の機器制御システム(50)
は、1つの機器だけを制御するものである必要はなく、
複数の機器を制御するものであってもよい。例えば、空
調ユニット(15)と覚醒用機器と視聴覚機器の運転を、
1つの機器制御システム(50)が就寝者(70)の睡眠状
態に応じて変更してもよい。
【0056】−実施形態1の変形例3− カプセルベッド(10)のスポンジマット(41)や枕(4
2)にバイブレータが内蔵されている場合には、機器制
御システム(50)によってバイブレータの運転を制御
し、就寝者(70)の睡眠深度を浅く保つようにしてもよ
い。
【0057】例えば、昼寝のように短時間だけ眠る場
合、睡眠深度が深くなり過ぎると、覚醒後に頭がぼやけ
てスッキリと目覚められないおそれがある。そこで、そ
のような場合、機器制御システム(50)の制御部(56)
は、バイブレータで発生する振動の強度を就寝者(70)
の睡眠深度に応じて増減させ、就寝者(70)の睡眠深度
が深くなり過ぎるのを防止する。
【0058】具体的に、本変形例の制御部(56)は、就
寝者(70)の睡眠深度が深まるにつれてバイブレータの
振動強度を高くし、就寝者(70)に与える刺激を強めて
睡眠深度が深くなるのを抑制する。一方、この制御部
(56)は、就寝者(70)の睡眠深度が浅くなるにつれて
バイブレータの振動強度を低くし、就寝者(70)に与え
る刺激を弱めて就寝者(70)が覚醒してしまうのを防
ぐ。
【0059】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、就寝者
(70)の居る寝室(60)に設置された各種機器の運転
を、機器制御システム(50)によって制御するものであ
る。この機器制御システム(50)は、上記実施形態1の
ものとほぼ同様に構成されている(図4参照)。そこ
で、以下の説明において、本実施形態の機器制御システ
ム(50)については、上記実施形態1と異なる点を説明
する。
【0060】図6に示すように、寝室(60)には、ベッ
ド(61)が設置されている。このベッド(61)の上に
は、機器制御システム(50)のエアマット(51)が置か
れている。また、このエアマット(51)の上には、スポ
ンジマット(41)が重ねて敷かれている。上記の寝室
(60)では。その壁に空気調和装置(15)の室内ユニッ
ト(62)が取り付けられ、その天井に照明機器(43)が
取り付けられ、その床に視聴覚機器であるテレビ(63)
が設置されている。
【0061】本実施形態の機器制御システム(50)にお
いて、そのシステム本体(53)は、ケーシングに収納さ
れてベッド(61)の近傍に設置されている。この機器制
御システム(50)の制御部(56)は、空気調和装置(1
5)と照明機器(43)とテレビ(63)の運転を制御する
ように構成されている。この制御部(56)は、就寝者
(70)の睡眠深度が深くなったり浅くなるのにあわせ
て、空気調和装置(15)の設定温度を変更する。具体的
には、上記実施形態1の場合と同様に、就寝者(70)の
睡眠状態がREM睡眠の場合には空気調和装置(15)の
設定温度を2℃程度高めに変更し、NON-REM睡眠
の場合には高めに変更した設定温度を元に戻す。また、
この制御部(56)は、就寝者(70)の入眠を確認する
と、照明機器(43)とテレビ(63)の電源を切る。
【0062】−実施形態2の変形例− 本実施形態では、機器制御システム(50)によって空気
調和装置(15)の設定温度を変更するようにしている
が、これに代えて、空気調和装置(15)の運転モードを
変更するようにしてもよい。例えば、機器制御システム
(50)における制御部(56)の構成を変更し、就寝者
(70)の睡眠状態がREM睡眠の場合には空気調和装置
(15)の運転モードを除湿モードに変更して冷媒蒸発温
度を高めに設定し、NON-REM睡眠の場合には空気
調和装置(15)の運転モードを冷房モードに戻すように
してもよい。このように制御部(56)が空気調和装置
(15)の運転モードを変更する場合も、制御部(56)が
空気調和装置(15)の設定温度を変更する場合と同様の
効果が期待できる。
【0063】また、機器制御システム(50)における制
御部(56)の構成を変更し、就寝者(70)の入眠を確認
してから所定の時間(例えば1時間)が経過すると空気
調和装置(15)の電源を切るようにしてもよい。
【0064】また、機器制御システム(50)における制
御部(56)の構成を変更し、照明機器(43)の電源を単
に切るのではなく、照明機器(43)の明るさを調節する
ようにしてもよい。例えば、就寝者(70)の睡眠深度が
深まるにつれて、制御部(56)が照明機器(43)を次第
に暗くしてゆくようにしてもよい。
【0065】また、就寝者(70)が電気毛布を使う場合
には、この電気毛布の運転を機器制御システム(50)に
よって制御してもよい。この場合、機器制御システム
(50)の制御部(56)は、就寝者(70)の睡眠深度が深
くなったり浅くなるのにあわせて、電気毛布の設定温度
を変更したり、電気毛布の電源をオン・オフしたりす
る。
【0066】
【発明のその他の実施の形態】上記各実施形態の機器制
御システム(50)において、その信号分離部(54)では
マイクロホン(52)の出力信号から就寝者(70)の心拍
数だけを検出しているが、これに代えて、信号分離部
(54)で複数の生体情報を検出するようにしてもよい。
【0067】例えば、マイクロホン(52)の出力信号か
ら就寝者(70)の心拍数、呼吸数、及び寝返り頻度を検
出するようにしてもよい。この場合、機器制御システム
(50)の睡眠状態判定部(55)では、就寝者(70)の心
拍数だけでなく呼吸数や寝返り頻度をも考慮した上で、
就寝者(70)の睡眠深度を判定することが可能となる。
従って、複数の生体情報を考慮することで、より高い精
度で就寝者(70)の睡眠深度を判定することができる。
【0068】また、上記各実施形態の機器制御システム
(50)では、マットレスとして空気の充填されたエアマ
ット(51)を用いているが、水が充填されたものをマッ
トレスとして用いてもよい。つまり、機器制御システム
(50)のマットレスに充填される流体は、空気等の気体
であってもよいし、水等の液体であってもよい。
【0069】
【発明の効果】本発明では、マットレス(51)内の圧力
変動に基づき、マットレス(51)上の就寝者(70)の睡
眠状態を判定し、それに応じて機器の運転状態を変更し
ている。従って、本発明によれば、就寝者(70)の体へ
直接にセンサ等を取り付けることなく就寝者(70)の睡
眠状態を判定し、得られた睡眠状態に応じて各種機器の
運転を制御する機器制御システム(50)を実現できる。
【0070】また、請求項3や請求項4の発明によれ
ば、就寝者(70)の居る空間の気温などを適切に調節す
ることができ、就寝者(70)の快適性を向上させて心地
よい睡眠を就寝者(70)に保証することが可能となる。
【0071】また、請求項5の発明によれば、例えばス
ッキリと目覚められるタイミングで就寝者(70)を覚醒
させることが可能であり、この場合には就寝者(70)に
心地よい目覚めを保証することができる。
【0072】また、請求項6や請求項7の発明によれ
ば、例えば就寝者(70)の入眠後に照明機器(43)や視
聴覚機器(63)の電源を自動的にオフさせることが可能
であり、入眠後も照明機器(43)がつけっぱなしになっ
て電力が無駄に消費されるのを防止できる。
【0073】請求項8の発明では、上述のように、機器
制御システム(50)とそれによって制御される機器とを
カプセルベッド(10)に設けている。そして、このカプ
セルベッド(10)において、その睡眠室(40)は一人の
就寝者(70)によって占有されるのが通常である。従っ
て、本発明のカプセルベッド(10)では、一人の就寝者
(70)のために設けられた機器の制御をその就寝者(7
0)の睡眠状態に応じて行うことができ、カプセルベッ
ド(10)の使用者である就寝者(70)の快適性や利便性
を確実に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1におけるカプセルベッドの全体を示
す正面図である。
【図2】実施形態1におけるカプセルベッドの内部を示
す概略斜視図である。
【図3】実施形態1のカプセルベッドに設置された空調
ユニットを示す概略構成図である。
【図4】実施形態1の機器制御システムの構成を示すブ
ロック図である。
【図5】就寝中における就寝者の睡眠深度と心拍数の時
間変化を示す関係図である。
【図6】実施形態2の機器制御システムが設置された寝
室の概略斜視図である。
【符号の説明】
(10) カプセルベッド (15) 空調ユニット(空気調和装置) (30) 遮蔽体 (40) 睡眠室 (43) 室内灯(照明機器) (50) 機器制御システム (51) エアマット(マットレス) (52) マイクロホン(検出手段) (54) 信号分離部(検出手段) (55) 睡眠状態判定部(制御手段) (56) 制御部(制御手段) (63) テレビ(視聴覚機器) (70) 就寝者
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松島 潤治 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 3L060 AA05 CC11 DD01 DD05 DD07 EE01 4C017 AA02 AB10 AC01 AC30 4C038 VA15 VB31 VB33 VB40 VC20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が封入されたマットレス(51)と、 上記マットレス(51)に封入された流体の圧力変動に基
    づいて上記マットレス(51)の上に横臥する就寝者(7
    0)の生体情報を検出する検出手段(52,54)と、 上記検出手段(52,54)が検出した生体情報から判定さ
    れる上記就寝者(70)の睡眠状態に応じて機器の運転状
    態を変更する制御手段(55,56)とを備えている機器制
    御システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の機器制御システムにおい
    て、 検出手段(52,54)は、就寝者(70)の生体情報として
    少なくとも心拍数を検出している機器制御システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の機器制御システムにおい
    て、 制御手段(55,56)が運転状態を変更する機器は、就寝
    者(70)の居る空間の空気調和を行うための空気調和装
    置(15)である機器制御システム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の機器制御システムにおい
    て、 制御手段(55,56)が運転状態を変更する機器は、就寝
    者(70)の居る空間の熱環境を調節するための機器であ
    る機器制御システム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の機器制御システムにおい
    て、 制御手段(55,56)が運転状態を変更する機器は、就寝
    者(70)に刺激を与えて覚醒させるための覚醒用機器で
    ある機器制御システム。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の機器制御システムにおい
    て、 制御手段(55,56)が運転状態を変更する機器は、就寝
    者(70)の居る空間に設けられた照明機器(43)である
    機器制御システム。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の機器制御システムにおい
    て、 制御手段(55,56)が運転状態を変更する機器は、就寝
    者(70)の居る空間に設けられて視覚情報又は聴覚情報
    を提供するための視聴覚機器(63)である機器制御シス
    テム。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れか1つに記載の機
    器制御システム(50)と、 就寝者(70)を収容するための睡眠室(40)を区画する
    遮蔽体(30)と、 上記機器制御システム(50)の制御手段(55,56)によ
    り運転状態が変更される機器とを備え、 上記機器制御システム(50)のマットレス(51)が上記
    睡眠室(40)に設置されているカプセルベッド。
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