JP2003322332A - 再熱ボイラ及び再熱ボイラの運転方法 - Google Patents

再熱ボイラ及び再熱ボイラの運転方法

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JP2003322332A
JP2003322332A JP2002129782A JP2002129782A JP2003322332A JP 2003322332 A JP2003322332 A JP 2003322332A JP 2002129782 A JP2002129782 A JP 2002129782A JP 2002129782 A JP2002129782 A JP 2002129782A JP 2003322332 A JP2003322332 A JP 2003322332A
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air
amount
combustion
boiler
load
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JP2002129782A
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Masatoshi Kudome
正敏 久留
Susumu Sato
佐藤  進
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Regulation And Control Of Combustion (AREA)
  • Air Supply (AREA)
  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷降下時に再熱器蒸気温度が過渡的に低下
するのを、安定燃焼を損なうことなく、また、NOX
生量を増加させることなく防ぐことを可能とした再熱ボ
イラ、及び再熱ボイラの運転方法を提供する。 【解決手段】主燃焼域の上部で主燃焼域に影響を及ぼさ
ない位置に配置された燃焼完結空気(CFA)ポート4
1、CFA風道38、及びCFAポート41へ流れる空
気量と主燃焼域のバーナ風箱32へ流れる空気量を制御
する主風道制御ダンパ31を有している。負荷降下時の
燃焼空気量に対するボイラ入力加速信号(BIRa)を
燃料量に対するボイラ入力加速信号(BIRf)より小
さくして負荷降下時の空気比を負荷静定時相当の空気比
以上に保持するよう制御する。また、主燃焼域の空気比
は燃料の安定燃焼に必要な値にし、それ以上の空気は前
記CFAポート41に供給するよう主風道制御ダンパ3
1を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は再熱蒸気タービン発
電プラントの再熱ボイラに関する。
【0002】
【従来の技術】図7に再熱蒸気タービンプラントの基本
的プラントシステムを示す。ボイラ1の節炭器2に供給
された給水は、節炭器2で熱吸収を行ない適正な過冷度
を有する状態で火炉水冷壁3に供給される。ここで給水
は蒸発し若干の過熱度を有する過熱蒸気となり過熱器4
に供給される。過熱器4で所定温度に過熱された蒸気は
高圧タービン6に供給される。
【0003】定圧運転ではタービン加減弁5の入口圧力
は一定に保持されるが、変圧運転においては過負荷用弁
を除きほぼ全開状態で運用される。変圧運転(蒸気加減
弁全開運転)することによりタービン内部効率向上、ボ
イラ給水ポンプ14消費動力低減、タービン寿命消費低
減の効果が得られるので、近年は超臨界圧プラントにお
いても変圧運転がなされる。
【0004】高圧タービン6で仕事をした蒸気(低温再
熱蒸気と言う)は、再びボイラ1の再熱器7で所定温度
まで加熱され高温再熱蒸気となり、中圧タービン8へ供
給される。中圧タービン8で仕事をした蒸気は、低圧タ
ービン9に導入されて復水器10の圧力まで膨張し若干
の湿り度を有するタービン排気となり、復水器10で冷
却され凝縮し復水となる。
【0005】復水は復水ポンプ11で1MPa以下の圧
力に昇圧され低圧給水加熱器12を経て脱気器13に供
給される。脱気器13で脱気された給水はボイラ給水ポ
ンプ14により高圧給水加熱器15を経てボイラ1に供
給される。以上が再熱蒸気タービン発電プラントの基本
サイクルである。
【0006】図8は微粉炭燃焼ガス分配方式再熱ボイラ
の側断面の例を示す。微粉炭混合気は微粉炭管16を経
て、主風道17を通して供給される2次空気とともにバ
ーナ18により火炉19に投入され、火炉19で混合し
燃焼し高温の燃焼ガスとなる。燃焼ガスは、火炉19の
上部の水平煙道に火炉出口より順次配置された2次過熱
器20、3次過熱器21、4次過熱器22及び2次再熱
器23と熱交換を行ない後部煙道24に至る。
【0007】後部煙道24は蒸気冷却壁30で再熱器煙
道と過熱器煙道に分割されており、再熱器煙道には1次
再熱器25(節炭器の一部が配置されることもある)、
過熱器煙道には1次過熱器26及び節炭器27が配置さ
れる(蒸発器の一部である煙道蒸発器(図記載略)が配
置されることもある)。再熱器煙道及び過熱器煙道出口
にガス分配装置28が設置されておりそれぞれの煙道の
ガス量の配分を制御する。両煙道を出た燃焼ガスは後部
煙道出口部で混合し、煙道29を経て順次脱硝装置(以
下図示を省略)、空気予熱器、集塵器、誘引ファン、脱
硫装置を経て煙突より大気に放出される。
【0008】一方、節炭器27に供給された給水は節炭
器27で飽和温度近くまで(亜臨界圧域において)加熱
され火炉水冷壁に供給される。そこで給水は蒸発し(亜
臨界圧域において)若干の過熱度を有する蒸気になり、
気水分離器、蒸気冷却壁を経て1次過熱器26に供給さ
れる。
【0009】1次過熱器26を出た過熱蒸気は1次過熱
減温器、2次過熱器20、3次過熱器21、2次過熱減
温器を経て4次過熱器22に至る。こうして蒸気は規定
温度に過熱され主蒸気管を経て図7に示す高圧タービン
6に供給される。高圧タービン6を出た低温蒸気はボイ
ラ1の再熱減温器を経て再熱器7に供給され規定温度に
加熱されて高温再熱蒸気となり中圧タービン8に供給さ
れる。
【0010】次に、本発明を適用してより効果を発揮す
るガス分配制御方式変圧運転ボイラについて説明する。
近年、大容量火力発電プラントは効率向上及びタービン
寿命消費低減に有益であることにより変圧運転される。
例えば超臨界圧変圧運転火力発電プラントでは主蒸気圧
力は約80〜90%負荷における超臨界圧から約25〜
35%負荷における亜臨界圧(8〜9MPa)迄変化す
る。それに伴ないボイラの火炉水冷壁流体の飽和温度が
大きく変化する(水冷壁出口流体温度変化:約420⇔
290°C)。
【0011】従って、負荷変化には燃焼伝熱遅れと水冷
壁流体温度変化による耐圧部保有熱量変化に応じた燃焼
量の先行制御が必要であり、負荷静定時に対し不均衡燃
焼(負荷静定時を均衡燃焼とし、その燃焼量/給水量比
に対し、負荷上昇時は燃焼量過大(オーバーファイアリ
ングと言う)、負荷降下時は過少(アンダーファイアリ
ングと言う))となり、負荷変化速度が速い程、耐圧部
熱容量が大きいボイラ程、特に蒸発部熱容量が大きい
程、不均衡燃焼率 (負荷静定時の燃焼量に対する負荷変
化時の燃焼量の比)は大となり、負荷変化における過渡
時の動特性が悪化する。
【0012】このようにボイラ主蒸気系(節炭器−火炉
水冷壁等の蒸発器−過熱器)は負荷変化時に大きな熱吸
収量変化が必要であり不均衡燃焼が必要であるが、再熱
蒸気系は耐圧部保有熱量及び熱吸収量変化が小さく再熱
器系としては燃焼伝熱遅れに対する不均衡燃焼のみが必
要である。即ち、負荷変化における不均衡燃焼は再熱器
系に対しては過大又は過小であり、このため負荷上昇時
はオーバーファイアリングにより再熱蒸気温度が過上昇
し再熱減温器における注水が必要となり、負荷降下時は
アンダーファイアリングにより高温再熱蒸気温度の過渡
的低下を生じるなどの不具合を生じる。
【0013】再熱減温器注水はプラント効率を低下させ
るが負荷変化時のみであれば過渡的現象であり実質問題
にはならない。しかしながら、主蒸気温度及び高温再熱
蒸気温度の変動は蒸気タービン高温部の熱疲労を起こす
原因となるのでその負荷変化時の変動量は少なくなけれ
ばならない。このような観点で最も大きな問題になるの
が負荷降下時の高温再熱蒸気温度の過渡的低下であり、
その改善が必要とされている。
【0014】図9は負荷変化時の燃料量及び空気量制御
のブロック線図を示すが、従来、空気比(理論空気量に
対する実際の燃焼空気量比)は各負荷で安定燃焼維持に
必要な値に設定されており、負荷変化時においてもボイ
ラ入力加速信号(BIR:Boiler Input Regulator)は
所定の空気比を保持しつつ燃料量及び空気量制御信号に
付加される。
【0015】図9に示すように燃料量および空気量制御
は、ボイラ入力信号(目標信号)に先行信号が付与さ
れ、負荷変化に際して速やかに最少偏差で目標状態に到
達するようにBIRが付加されそれぞれの関数演算器入
力となる。各制御回路の伝達関数はそれぞれ時定数T
f、Taの一次遅れ関数である。
【0016】従来方式では上記のようにBIRが、安定
燃焼確保の観点から燃料制御および空気量制御に等しく
付加されるので(一括BIR方式と言う)、燃料量及び
空気量は負荷静定時とほぼ同じ関係を保ちながら、即ち
負荷静定時と同等の空気比を維持しながら増減する。従
って、急速負荷降下時はBIRに応じて燃料量と同時に
空気量も先行的に急速に減少する。
【0017】従って、負荷降下時はアンダーファイアリ
ングにより燃料量のみならず燃焼空気量が静定負荷時よ
り一時的に減少する。このため火炉出口燃焼ガス量及び
温度が低下し燃焼ガス保有熱量が過渡的に大きく減少
し、比較的低温ガス域に配置されている再熱器の熱吸収
量は過渡的に減少する。この結果、高温再熱蒸気温度が
一時的に低下する現象が生じる。
【0018】図10は100%負荷から50%負荷に急
速負荷変化(変化速度5%/分)した時の負荷変化特性
((a):負荷変化(ユニット出力)、(b):ガス分
配ダンパ開度、(c):主蒸気温度偏差/高温再熱蒸気
温度偏差)の例を示すが、再熱器煙道のガス分配ダンパ
はほぼ全開且つ過熱器煙道のガス分配ダンパはほぼ全閉
で燃焼ガスのほぼ全量が再熱器煙道に流れる状態に制御
しても、高温再熱蒸気温度が一次的に低下することを示
している。
【0019】この急速負荷降下時の高温再熱蒸気温度の
過渡的低下はアンダーファイアリングが大きい程大き
い。また、アンダーファイアリング量はボイラ、特に蒸
発部の熱容量が大きい程大きい。今後、微粉炭燃焼火力
発電プラントは大容量化が進むと共に急速負荷変化運用
(急速負荷変化変圧運転)がなされるので、急速負荷降
下時に生じる高温再熱蒸気温度の過渡的低下はタービン
寿命消費との関連で重要な問題となる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、急速負荷降
下時に再熱器蒸気温度が過渡的に低下するのを、安定燃
焼を損なうことなく、また、NOX 発生量を増加させる
ことなく防ぐことを可能とした再熱ボイラ、及び再熱ボ
イラの運転方法を提供することを課題としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため請求項1に記載の再熱ボイラを提供する。本
発明の再熱ボイラによれば、主燃焼域に影響を及ぼさな
い位置に配置された燃焼完結空気(CFA:Combustion
Finishing Air)ポートへ流れる空気量と主燃焼域の風
箱へ流れる空気量を制御する主風道制御ダンパを備えて
いるので、この主風道制御ダンパを調節して、主燃焼域
風箱へ流れる空気量は主燃焼域で供給された燃料を安定
燃焼させるのに必要な量とし、再熱器へ流れる燃焼ガス
量を多くするために過剰に供給された分の空気量はCF
A空気風道の方へ流すことができるので、安定した低N
X 燃焼を高空気比において達成することができる。
【0022】このように構成された再熱ボイラにおい
て、請求項2に記載の制御装置を備えることによって、
請求項1に記載の再熱ボイラを効果的に自動運転するこ
とができる。特に、請求項3に記載のように本発明を燃
焼ガス分配方式のボイラに適用すると効果を最高度に発
揮しうる合理的なボイラ設計が可能である。
【0023】また、本発明は前記した課題を解決するた
め、請求項4に記載の運転方法を提供する。本発明で
は、急速負荷降下時の燃料量に対するボイラ入力加速信
号(BIRf)>負荷降下時の空気量に対するボイラ入
力加速信号(BIRa)≧0として空気量の減少速度を
燃料量の減少速度に対し相対的に遅くすることができ
る。このため、燃焼ガス量の減少が緩慢になり、再熱器
蒸気温度が過渡的に低下するのを防止することができ
る。しかも、そのとき、主燃焼域の空気比を、供給され
る燃料の安定燃焼に必要な値になるようにし、それ以上
の空気は主燃焼域の上部にCFAとして供給されるの
で、空気量を増やしてもNOX 発生量を増加させること
がない。
【0024】以上説明した本発明による再熱ボイラの運
転方法を、請求項5に記載のように過熱器煙道と再熱器
煙道に分配される燃焼ガスを調節するガス分配装置を有
する再熱ボイラに適用すると、多くの燃焼ガスを再熱器
煙道に分配することができ、本発明による負荷降下時の
再熱器蒸気温度の過渡的な低下防止機能を更に効果的に
発揮することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示した実施の形
態に基づいて具体的に説明する。
【0026】図1に示すように主風道制御ダンパ31は
負荷変化時においても、燃料量又はボイラ負荷基準でバ
ーナ風箱入口圧力が負荷静定時と同等圧力になるように
迅速に作動し主燃焼域風箱36に流れる空気量を調整す
る。42及び43はそれぞれバーナ風箱入口圧力発信器
及び主風道制御ダンパ制御器を示す。主風道制御ダンパ
31の作動要領の例を図3に示してある。図3に見られ
るように、負荷変動時、主燃焼域には負荷静定時におけ
る適正量に相当する量の空気が流されるように主風道制
御ダンパ31が開度制御される。
【0027】また、火炉内圧は誘引ファンで所定圧力に
保持されるので、このようなバーナ風箱32及び主風道
制御ダンパ31の制御により、図5の負荷降下時の空気
比の例に示すように負荷変化時においても主燃焼域の空
気比即ち空気量は負荷静定時と同等量(空気比:μm)
に保持され、主燃焼域の最適燃焼状態に外乱を与えるこ
となく、CFA量の増加を迅速に行なうことができる。
【0028】CFA制御ダンパ40の開度はボイラ負荷
を基準にして開度設定又は差圧制御する(ロードプログ
ラムされる)が、主風道制御ダンパ31の急速制御によ
り、残余の空気量はCFAポート41よりCFA量増加
分として確実に火炉に投入される。
【0029】なお、負荷静定時の2次空気量は火炉出口
(節炭器出口と同じ)の空気比が所定空気比(μt)に
なるように押込ファンにより制御されるが、負荷降下時
はボイラ入力加速信号(BIR)により増加する(空気
比:μt’となる)。なお、34はバーナ風箱2次空気
ポート、37はOFAポート、50はバーナ制御ダンパ
駆動装置、51はOFA制御ダンパ駆動装置、52はC
FA制御ダンパ駆動装置を示す。
【0030】図2は負荷変化特性を改善するための燃料
量及び空気量制御系統の基本例を示すが、従来方式と異
なり燃料量制御および空気量制御のそれぞれに独立した
BIRを付加できるようにし(独立BIR方式)、負荷
降下時の空気量制御に付加されるBIRaを燃料量制御
に付加されるBIRfより小さくする(0≦BIRa<
BIRf)ことにより、即ち、空気量の減少速度を燃料
量の減少速度に対し相対的に遅くすることにより(負荷
静定時の空気比(μt)より高くなる)、燃焼ガス量の
減少を緩慢にして目的負荷の静定時の状態へ安定移行を
図るようにしている。
【0031】このように負荷降下時に燃焼ガス量を静定
時より増加することにより火炉水冷壁の熱吸収量を低減
し、煙道対流部に配置されている再熱器における熱吸収
量の過渡的で急速な減少を抑制することができる。ま
た、この燃焼ガス量増加による火炉における熱吸収量減
少により、アンダーファイアリング量が低減できるの
で、より安定した(静定負荷時の状態に近い状態で)負
荷降下を行うことができる。
【0032】上記の負荷降下時の空気量制御により再熱
蒸気温度特性は改善するが、空気量は静定負荷時(空気
比:μt)と同等以上(空気比:μt’)になり、この
空気量増分をバーナ部から火炉に投入すると、NOX
生量が負荷静定時より一時的に急増する問題を生ずるの
で改善が必要である。
【0033】この問題を解決するために、バーナ部から
火炉に投入する燃焼空気量は負荷静定時の最適燃焼時と
同等量(空気比:μm)に維持し、残りの空気量(At
h×(μt’−μm)、Athは理論空気量を示す)は
主燃焼域の上部の主燃焼域に影響を及ぼさない位置に配
置されたCFAポートより投入する。このような負荷降
下時の空気比の例を図5に示してある。以上説明した実
施形態によれば次の効果を奏することができる。
【0034】(1)再熱蒸気温度の負荷変化時の過渡的
低下の防止 従来は負荷変化時においても静定負荷時と同等空気比を
維持していたが、図2に示すように負荷降下時は、燃料
量制御信号及び空気量制御信号にそれぞれ独立したボイ
ラ入力加速信号(BIR)を付加し、空気量制御に付加
されるBIRaを燃料量制御に付加されるBIRfより
小さくする(0≦BIRa<BIRf)ことにより、急
速なアンダーファイアリングにおいても燃焼ガス量の急
速な減少を抑止し、負荷静定時と同等又はそれ以上の燃
焼ガス量を維持することにより、対流伝熱部に配置され
た再熱器における熱吸収量の急速減少を抑制し、再熱蒸
気温度の過渡的低下を低減し、蒸気タービンの寿命消費
を防止する。
【0035】例えば、図4は本発明に従って独立BIR
方式を適用したボイラにおける急速負荷降下時(負荷変
化幅500MW→250MW、負荷変化速度5%/分)
の動特性解析結果を示す。再熱蒸気温度偏差について
は、図10の(c)の一括BIR方式における偏差(−
16°C)に対し、図4の(c)の独立BIR方式では
偏差が大きく減少する(約−9°C)。図4の(a)は
ユニット出力変化、図4の(b)はガス分配ダンパ開度
を示す。ガス分配ダンパ開度においても図10の一括B
IR方式に比べて図4の(b)の独立BIR方式では制
御裕度があり、制御調整により再熱蒸気温度偏差を更に
低減することが可能である。
【0036】(2)NOX 発生の抑制 通常の燃焼法では空気比の増加によりNOX 発生量が増
加するので、発生NOXの増加を伴わない燃焼空気の火
炉投入技術が必要である。図6に示すように通常の燃焼
要領では火炉出口空気比(μt)の増加に伴いNO X
生量は増加するが、主燃焼域の空気比(μm)を低く保
持することによりNOX 発生を抑制することができる。
即ち、主燃焼域の空気比(μm)を安定燃焼に必要最低
値(通常μm=0.9〜0.7)にすることにより、火
炉出口空気比(μt)に関わらず、NOX 発生を抑制す
ることができる。
【0037】(3)主燃焼域空気比制御のためのバーナ
風箱・主風道システム 主燃焼域の迅速確実な空気比制御は、石炭燃焼ボイラで
特に注意を必要とする安定燃焼の確保及びNOX の過渡
的増加抑制に重要である。これは図1に示したバーナ風
箱・主風道システムにおいて図3に示す主風道制御ダン
パ31の制御により、負荷変化時においてもバーナ風箱
入口圧力を、負荷静定時と同等圧力に維持することによ
り確実に行なうことができる。
【0038】急速制御に不向きで設置数量の多いバーナ
制御ダンパ33及びOFA制御ダンパ35の操作に比較
し、主風道制御ダンパ31による主燃焼域風箱36へ流
れる空気量制御は迅速確実に行なうことができるので、
燃焼の安定性を阻害することもなく、NOX 発生増加を
防止することができる。図5は負荷降下時の総合空気比
(火炉出口空気比)及び主燃焼域の空気比の変化の模様
を示す。
【0039】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の再熱ボイラ
は、主燃焼域に影響を及ぼさない位置に配置されたCF
Aポートへ流れる空気量と主燃焼域の風箱へ流れる空気
量を制御する主風道制御ダンパを備えているので、この
主風道制御ダンパを調節して、主燃焼域の風箱へ流れる
空気量は主燃焼域で供給された燃料を安定燃焼させるの
に必要な量とし、再熱器パスへ流れる燃焼ガス量を多く
するために過剰に供給された分の空気量はCFA空気風
道の方へ流すことができ、この構成の再熱ボイラによれ
ば、負荷変化時の過渡状態においても安定した低NOX
燃焼を行うことができる。
【0040】このように構成された再熱ボイラに対して
請求項2に記載の制御装置を備えることによって、請求
項1の再熱ボイラを効果的に自動運転できる。更に、本
発明を燃焼ガス配分方式のボイラに適用すると効果を発
揮しうる。
【0041】また、本発明の請求項4に記載の運転方法
によれば、負荷降下時に空気量の減少速度を燃料量の減
少速度に対し相対的に遅くするので、燃焼ガス量の減少
が緩慢になり、急速負荷降下時においても再熱器蒸気温
度が過渡的に低下するのを防止することができる。しか
も、そのときに、主燃焼域の空気比を供給される燃料の
安定燃焼に必要な値になるようにし、それ以上の空気は
主燃焼域の上部に燃焼完結空気(CFA)として供給さ
れるので、空気量の減少速度を遅くして空気量が増えて
もNOX 発生量を増加させることがない。
【0042】本発明による再熱ボイラの運転方法を、過
熱器煙道と再熱器煙道に流れる燃焼ガスを調節するガス
分配装置を有する再熱ボイラに適用した場合、多くの燃
焼ガスを再熱器煙道に分配することができ、本発明によ
る負荷降下時の再熱器蒸気温度の過渡的な低下防止機能
が更に効果的に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態による再熱ボイラにお
けるバーナ風箱・主風道システム構成を示す説明図。
【図2】 本発明により負荷変化特性を改善した再熱ボ
イラにおける燃料量及び空気量制御系統(独立BIR方
式)を示す系統図。
【図3】 図1に示した主風道制御ダンパの作動要領を
示すブロック線図。
【図4】 本発明を適用した再熱ボイラにおいて、50
0MW負荷から250MW負荷に5%/分の負荷変化速
度で負荷降下した場合の動特性を示すグラフで、(a)
はユニット出力の変化、(b)はガス分配ダンパの開
度、(c)は主蒸気/再熱蒸気温度偏差を示す。
【図5】 本発明の実施の一形態による再熱ボイラにお
ける負荷降下時の空気比とCFA増加の様相を示すグラ
フ。
【図6】 本発明の実施の一形態による再熱ボイラにお
ける空気比(主燃焼域)とNOX 発生量の関係を示すグ
ラフ。
【図7】 再熱蒸気タービンプラントの基本的プラント
システムを示す説明図。
【図8】 微粉炭燃焼ガス分配方式再熱ボイラの側断面
の例を示す説明図。
【図9】 負荷変化時の従来の燃料量及び空気量制御の
ブロック線図を示す。
【図10】 従来の再熱ボイラを100%負荷から50
%負荷に急速負荷変化(変化速度5%/分)した時の負
荷変化特性を示すグラフで、(a)はユニット出力の変
化、(b)はガス分配ダンパの開度、(c)は主蒸気/
再熱蒸気温度偏差を示す系統図。
【符号の説明】
1 ボイラ 2 節炭器 3 火炉水冷壁 4 過熱器 5 タービン加減弁 6 高圧タービン 7 再熱器 8 中圧タービン 9 低圧タービン 10 復水器 11 復水ポンプ 12 低圧給水加熱器 13 脱気器 14 ボイラの冷水ポンプ 15 高圧給水加熱器 16 微粉炭管 17 主風道 18 バーナ 19 火炉 20 2次過熱器 21 3次過熱器 22 4次過熱器 23 2次再熱器 24 後部煙道 25 1次再熱器 26 1次過熱器 27 節炭器 28 ガス分配装置 29 煙道 30 蒸気冷却壁 31 主風道制御ダンパ 32 バーナ風箱 33 バーナ制御ダンパ 34 バーナ風箱2次空気ポート 35 OFA制御ダンパ 36 主燃焼域風箱 37 OFAポート 38 CFA風道 40 CFA制御ダンパ 41 CFAポート 42 バーナ風箱入口圧力発信器 43 主風道制御ダンパ制御器 50 バーナ制御ダンパ駆動装置 51 OFA制御ダンパ駆動装置 52 CFA制御ダンパ駆動装置
フロントページの続き Fターム(参考) 3K003 JA07 JA10 KA01 KB01 MA04 NA02 3K023 LA01 LB04 LC02 3L021 CA07 DA25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再熱ボイラにおいて、主燃焼域の上部の
    主燃焼域に影響を及ぼさない位置に配置された燃焼完結
    空気(CFA)ポート、主風道から分岐され前記CFA
    ポートに至るCFA風道、及び同CFA風道を分岐後の
    主風道に設置され前記CFAポートへ流れる空気量と主
    燃焼域風箱へ流れる空気量を制御する主風道制御ダンパ
    を有することを特徴とする再熱ボイラ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の再熱ボイラにおいて、
    負荷降下時の燃焼空気量に対するボイラ入力加速信号
    (BIRa)を燃料量に対するボイラ入力加速信号(B
    IRf)より小さくすることによって燃焼空気量の減少
    速度を燃料量の減少速度より遅くして負荷降下時の空気
    比を負荷静定時相当の空気比以上に保持するよう負荷降
    下時のBIRfとBIRaを独立に出力する制御装置を
    有するとともに、主燃焼域の空気比を燃料の安定燃焼に
    必要な値にし、それ以上の空気は前記CFAポートに供
    給するよう前記主風道制御ダンパを制御するように構成
    したことを特徴とする再熱ボイラ。
  3. 【請求項3】 前記再熱ボイラが、過熱器煙道と再熱器
    煙道に流れる燃焼ガス量を調節するガス分配装置を有す
    る燃焼ガス分配方式のボイラであることを特徴とする請
    求項2に記載の再熱ボイラ。
  4. 【請求項4】 再熱ボイラにおいて、負荷降下時の燃料
    量に対するボイラ入力加速信号(BIRf)と燃焼空気
    量に対するボイラ入力加速信号(BIRa)を独立さ
    せ、負荷降下時のBIRaをBIRfより小さくするこ
    とによって燃焼空気量の減少速度を燃料量の減少速度よ
    り遅くして負荷降下時の空気比を負荷静定時相当の空気
    比以上に保持し、かつ、主燃焼域の空気比を燃料の安定
    燃焼に必要な値にし、それ以上の空気は主燃焼域の上部
    に燃焼完結空気(CFA)として供給することを特徴と
    する再熱ボイラの運転方法。
  5. 【請求項5】 前記再熱ボイラが、過熱器煙道と再熱器
    煙道に流れる燃焼ガス量を調節するガス分配装置を有す
    る燃焼ガス分配方式のボイラであることを特徴とする請
    求項4に記載の再熱ボイラの運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015227746A (ja) * 2014-05-30 2015-12-17 株式会社Ihi ボイラ装置及びボイラ装置の制御方法

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