JP2003321432A - シアノ化合物の製造方法 - Google Patents

シアノ化合物の製造方法

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JP2003321432A
JP2003321432A JP2002131844A JP2002131844A JP2003321432A JP 2003321432 A JP2003321432 A JP 2003321432A JP 2002131844 A JP2002131844 A JP 2002131844A JP 2002131844 A JP2002131844 A JP 2002131844A JP 2003321432 A JP2003321432 A JP 2003321432A
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Nobuhiro Sato
信裕 佐藤
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Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタル配向性基を有する化合物の該メタル配
向性基のオルソ位を、温和な条件でシアノ化するシアノ
化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】式(2)で表される環状化合物に、塩基の
存在下、シアノ化剤を反応させることを特徴とする式
(1)で表されるシアノ化合物の製造方法。 【化1】 〔式中、式(3) 【化2】 は、置換基を有していてもよい炭素環又は複素環の基を
表し、AおよびBは、それぞれ独立して、炭素原子、酸
素原子、窒素原子又は硫黄原子を表し、DMGはメタル
配向性基を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シアノ化合物の新
規な製造方法に関する。より詳しくは、メタル配向性基
を有する環状化合物の該メタル配向性基のオルト位を温
和な条件でシアノ化するシアノ化合物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】置換基としてシアノ基を有するシアノ化合
物は、加水分解することにより、対応するカルボン酸ア
ミドやカルボン酸に容易に導くことができるので、医
薬、農薬等の重要な製造原料となっている。
【0003】従来、シアノ化合物の製造方法としては、
例えば、カルボン酸アミドを、五酸化二リンを用いて加
熱脱水してシアノ化合物に変換する方法や、芳香族ヨウ
素化物をアルカリ金属シアン化物と加熱して、芳香族シ
アノ化合物に変換する方法等が知られている。
【0004】しかしながら、これらの方法は過酷な反応
条件を用いるため、その適用には限界があり、収率よく
目的物を得ることができない場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実情
の下になされたものであって、メタル配向性基を有する
環状化合物の該メタル配向性基のオルト位を温和な条件
でシアノ化するシアノ化合物の製造方法を提供すること
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、N,N−
ジイソプロピルベンズアミド等のメタル配向性基を有す
る芳香族化合物のテトラヒドロフラン溶液に、tert
−ブチルリチウムを添加し、次いで、フェニルシアネー
ト(PhOCN)を添加することにより、2−シアノ−
N,N−ジイソプロピルベンズアミドが収率よく得られ
ることを見出した。そして、この反応を一般化すること
により、本発明を完成するに到った。
【0007】かくして本発明によれば、式(2)
【0008】
【化4】
【0009】〔式中、式(3)
【0010】
【化5】
【0011】は、置換基を有していてもよい炭素環又は
複素環の基を表し、A及びBは、それぞれ独立して炭素
原子、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を表し、DMG
はメタル配向性基を表す。〕で表される環状化合物に、
塩基の存在下、シアノ化剤を反応させることを特徴とす
る、式(1)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、A、B及びDMGは前記と同じ意
味を表す。)で表されるシアノ化合物の製造方法が提供
される。本発明の製造方法においては、前記シアノ化剤
として、式:L−CN(式中、Lは、CCl、Cl、
Br、CN、置換基を有していてもよいフェノキシ基、
置換基を有していてもよいイミダゾール−1−イル基、
置換基を有していてもよいベンゾイミダゾール−1−イ
ル基、置換基を有していてもよいトリアゾール−1−イ
ル基、置換基を有していてもよいベンゾトリアゾール−
1−イル基、置換基を有していてもよいフェニルスルホ
ネート基、ペンタクロロフェニル基及び置換基を有して
いてもよいフェニルチオ基からなる群から選ばれる1種
の基を表す。)で表される化合物を用いるのが好まし
い。また、本発明の製造方法においては、前記塩基とし
て有機リチウムを用いるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造方法を詳細に
説明する。本発明は、式(2)で表される化合物に、塩
基の存在下、シアノ化剤を反応させることを特徴とする
式(1)で表されるシアノ化合物の製造方法である。本
発明の製造方法の反応式を下記に示す。
【0015】
【化7】
【0016】1)式(2)で表される化合物 本発明は、式(2)で表される化合物を出発原料として
用いる。式(2)中、式(3)
【0017】
【化8】
【0018】で表される基は、置換基を有していてもよ
い炭素環又は複素環の基である。式(3)中、A及びB
は、それぞれ独立して炭素原子、酸素原子、窒素原子又
は硫黄原子を表し、AとBとが一緒になって結合して、
炭素環又は複素環を形成している。また、前記炭素環又
は複素環は、単環であっても縮合環であってもよい。
【0019】前記炭素環の基及び複素環の基としては芳
香族基が好ましい。かかる芳香族基としては、例えば、
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の芳香
族炭化水素基;2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−
ピリジル基、ピラジン−2−イル基、ピリミジン−3−
イル基、ピリダジン−3−イル基、ピリダジン−4−イ
ル基、N−メチルピロール−2−イル基、N−メチルピ
ロール−3−イル基等の含窒素複素環基;1,4−ジオ
キサン−2−イル、フラン−2−イル基、フラン−3−
イル基等の含酸素複素環基;チオフェン−2−イル基、
チオフェン−3−イル基等の含硫黄複素環基;オキサゾ
ール−4−イル基、オキサゾール−5−イル基、イソオ
キサゾール−3−イル基、イソオキサゾール−4−イル
基、イソオキサゾール−5−イル基等の酸素原子及び窒
素原子を含有する複素環基;チアゾール−4−イル基、
チアゾール−5−イル基、イソチアゾール−3−イル
基、イソチアゾール−5−イル基等の窒素原子及び硫黄
原子を含有する複素環基;等が挙げられる。
【0020】これらの炭素環の基及び複素環の基は、任
意の位置に置換基を有していてもよい。置換基として
は、反応条件下で安定な基であれば特に制約されない。
例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコ
キシ基;等が挙げられる。これらの置換基は、同一又は
相異なって複数が炭素環又は複素環に結合していてもよ
い。これらの中でも収率よく目的物が得られる観点か
ら、フェニル基、チエニル基又はピリジル基であるがよ
り好ましい。
【0021】式(2)中、DMGはメタル配向性基を表
す。メタル配向性基としては、窒素原子又は酸素原子を
含有し、有機リチウム又はグリニャール試薬に対して安
定な基であれば特に制限されない。メタル配向性基は、
その窒素原子又は酸素原子の孤立電子対に有機リチウム
のリチウムイオン又はグリニャール試薬のマグネシウム
イオンを引き寄せて(配位させる)、メタル配向性基が
結合する炭素原子に隣接する炭素原子(オルト位)に結
合する水素原子を引き抜き、オルト位のメタル化反応を
選択的に起こさせる役割を果すと考えられる。
【0022】メタル配向性基の具体例としては、N,N
−ジメチルアミノカルボニル基、N,N−ジエチルアミ
ノカルボニル基、N,N−ジ−n−プロピルアミノカル
ボニル基、N,N−ジイソプロピルアミノカルボニル基
等のN,N−ジアルキルアミノカルボニル基;N,N−
ジフェニルアミノカルボニル基、N,N−ジー4−メチ
ルフェニルアミノカルボニル基等のN,N−ジアリール
アミノカルボニル基;オキサゾリン−2−イル基、5−
メチルオキサゾリン−2−イル基、5−フェニルオキサ
ゾリン−2−イル基、5,5−ジメチルオキサゾリン−
2−イル基、5,5−ジフェニルオキサゾリン−2−イ
ル基、4,4−ジメチルオキサゾリン−2−イル基等の
置換基を有していてもよいオキサゾリン−2−イル基;
【0023】メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブト
キシ基、tert−ブトキシ基、メトキシメチル基、エ
トキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシ
エチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル
基、3−メトキシプロポキシ基、メチルチオメトキシ
基、エチルチオメトキシ基、1−メチルチオエトキシ
基、2−エチルチオエトキシ基等のアルコキシ基又はア
ルキルチオ基で置換されていてもよいアルコキシ基;
【0024】ジメチルアミノスルホニル基、ジエチルア
ミノスルホニル基、ジ−n−プロピルアミノスルホニル
基、ジイソプロピルアミノスルホニル基、ジ−n−ブチ
ルアミノスルホニル基等のN,N−ジアルキルアミノス
ルホニル基;アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ
基、ベンゾイルアミノ基、4−メチルベンゾイルアミノ
基、2−クロロベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ
基;メチルアセチルアミノ基、エチルアセチルアミノ
基、メチルベンゾイルアミノ基等のアルキルアシルアミ
ノの基;
【0025】メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホ
ニルアミノ基、n−プロピルアミノスルホニル基、イソ
プロピルスルホニルアミノ基、n−ブチルスルホニルア
ミノ基等のアルキルスルホニルアミノ基;フェニルスル
ホニルアミノ基、4−メチルスルホニルアミノ基、3−
フルオロスルホニルアミノ基等の置換基を有していても
よいフェニルスルホニルアミノ基;メトキシカルボニル
アミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキ
シカルボニルアミノ基、イソプロポキシカルボニルアミ
ノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、sec−ブト
キシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ基等のアルコキシカルボニルアミノ基;2−テ
トラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基等
が挙げられる。
【0026】これらの中でも、収率よく目的とするシア
ノ化合物が得られる観点から、N,N−ジアルキルアミ
ノカルボニル基、置換基を有していてもよいオキサゾリ
ン−2−イル基、アルコキシ基で置換されていてもよい
アルコキシ基、ジアルキルアミノスルホニル基又はアル
コキシカルボニルアミノ基が好ましい。
【0027】前記式(2)で表される化合物の好ましい
具体例としては、N,N−ジメチルベンズアミド、N,
N−ジエチルベンズアミド、N,N−ジ−n−プロピル
ベンズアミド、N,N−ジイソプロピルベンズアミド、
N,N−ジ−n−ブチルベンズアミド等のN,N−ジア
ルキルベンズアミド類;2−フェニルオキサゾリン、2
−フェニル−4−メチルオキサゾリン、2−フェニル−
5−メチルオキサゾリン、2−フェニル−5,5−ジメ
チルオキサゾリン、2,5−ジフェニルオキサゾリン、
2,5,5−トリフェニルオキサゾリン等の2−フェニ
ルオキサゾリン類;
【0028】アニソール、エトキシベンゼン、tert
−ブトキシベンゼン、メトキシメトキシベンゼン、(2
−エトキシ)エトキシベンゼン等のフェニルエーテル
類;N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド、N,N
−ジエチルベンゼンスルホンアミド、N,N−ジ−n−
プロピルベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロ
ピルベンゼンスルホンアミド、N,N−ジ−n−ブチル
ベンゼンスルホンアミド等のN,N−ジアルキルベンゼ
ンスルホンアミド類;N−ピバロイルアニリン、N−ベ
ンゾイルアニリン、N−メチル−N−ベンゾイルアニリ
ン等のN−アシルアニリン類;2−(N−ピバロイルア
ミノ)ピリジン、3−(N−ピバロイルアミノ)ピリジ
ン、4−(N−ピバロイルアミノ)ピリジン、2−メチ
ル−4−(N−ピバロイルアミノ)ピリジン等のN−ア
シルアミノピリジン類;
【0029】N,N−ジメチル−2−ピリジンカルボキ
サミド、N,N−ジエチル−2−ピリジンカルボキサミ
ド、N,N−ジ−n−プロピル−2−ピリジンカルボキ
サミド、N,N−ジイソプロピル−2−ピリジンカルボ
キサミド、N,N−ジメチル−3−ピリジンカルボキサ
ミド、N,N−ジエチル−3−ピリジンカルボキサミ
ド、N,N−ジ−n−プロピル−3−ピリジンカルボキ
サミド、N,N−ジイソプロピル−3−ピリジンカルボ
キサミド、N,N−ジメチル−4−ピリジンカルボキサ
ミド、N,N−ジエチル−4−ピリジンカルボキサミ
ド、N,N−ジ−n−プロピル−4−ピリジンカルボキ
サミド、N,N−ジイソプロピル−4−ピリジンカルボ
キサミド等のN,N−ジアルキルピリジンカルボキサミ
ド類;
【0030】2−(5’,5’−ジメチルオキサゾリン
−2’−イル)ピリジン、3−(5’,5’−ジメチル
オキサゾリン−2’−イル)ピリジン、4−(5’,
5’−ジメチルオキサゾリン−2’−イル)ピリジン等
のオキサゾリルピリジン類;N,N−ジメチル−2−チ
オフェンカルボキサミド、N,N−ジエチル−2−チオ
フェンカルボキサミド、N,N−ジ−n−プロピル−2
−チオフェンカルボキサミド、N,N−ジイソプロピル
−2−チオフェンカルボキサミド、N,N−ジメチル−
3−チオフェンカルボキサミド、N,N−ジエチル−3
−チオフェンカルボキサミド、N,N−ジ−n−プロピ
ル−3−チオフェンカルボキサミド、N,N−ジイソプ
ロピル−3−チオフェンカルボキサミド、N,N−ジメ
チル−4−チオフェンカルボキサミド、N,N−ジエチ
ル−4−チオフェンカルボキサミド、N,N−ジ−n−
プロピル−4−チオフェンカルボキサミド、N,N−ジ
イソプロピル−4−チオフェンカルボキサミド等のN,
N−ジアルキルチオフェンカルボキサミド類;
【0031】2−(5’,5’−ジメチルオキサゾリン
−2’−イル)チオフェン、3−(5’,5’−ジメチ
ルオキサゾリン−2’−イル)チオフェン、4−
(5’,5’−ジメチルオキサゾリン−2’−イル)チ
オフェン等のオキサゾリルチオフェン類;等が挙げられ
る。これらの化合物の多くは公知物質であり、公知の方
法により製造することができる。また、市販されている
ものをそのまま使用することもできる。
【0032】2)シアノ化剤 本発明に用いるシアノ化剤は、式:L−CNで表される
化合物である。式中、Lは、CCl、Cl、Br、C
N、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を
有していてもよいイミダゾール−1−イル基、置換基を
有していてもよいベンゾイミダゾール−1−イル基、置
換基を有していてもよいトリアゾール−1−イル基、置
換基を有していてもよいベンゾトリアゾール−1−イル
基、置換基を有していてもよいフェニルスルホネート
基、ペンタクロロフェニル基及び置換基を有していても
よいフェニルチオ基からなる群から選ばれる1種の基を
表す。
【0033】前記置換基を有していてもよい(フェノキ
シ基、イミダゾール−1−イル基、トリアゾール−1−
イル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基、フェニルス
ルホネート基及びフェニルチオ基)の置換基としては、
反応条件下で安定な基であれば特に制限されない。例え
ば、メチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ基、
エトキシ基等のアルコキシ基;フッ素、塩素、臭素等の
ハロゲン原子等が挙げられる。
【0034】式:L−CNで表される化合物の具体例と
しては、CClCN、ClCN、BrCN、(CN)
、PhOCN、4−ニトロフェニルシアネート、1−
シアノイミダゾール、1−シアノ−4−メチルベンゾイ
ミダゾール、1−シアノトリアゾール、1−シアノベン
ゾトリアゾール、ペンタクロロベンゾニトリル、フェニ
ルチオシアネート、2−クロロフェニルチオシアネート
等が挙げられる。これらの中でも、収率よくシアノ化合
物が得られる観点から、PhOCN、1−シアノイミダ
ゾール又は4−ニトロフェニルシアネートの使用が好ま
しく、PhOCNの使用が特に好ましい。
【0035】これらの化合物の多くは公知物質であり、
公知の方法で製造することができる。また、市販されて
いるものをそのまま使用することもできる。シアノ化剤
の使用量は、式(2)で表される化合物1モルに対し
て、通常等モルから5倍モル、好ましくは等モルから2
倍モル、より好ましくは等モルから1.5倍モルであ
る。
【0036】3)塩基 本発明に用いる塩基は、前記式(2)で表される化合物
の置換基DMGに結合する炭素原子に、炭素−炭素二重
結合を介して隣接する炭素原子(オルト位)に結合する
水素原子を引き抜いて、メタル化(Metalatio
n)するものであれば特に制限されない。
【0037】用いる塩基としては、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、フェニルリチウム等の有機リチウム;メチルマグネ
シウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、フェニ
ルマグネシウムブロミド等のグリニャール試薬;リチウ
ムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラ
ジド等のリチウムアミド類;水素化ナトリウム、水素化
カルシム等の金属水素化物;カリウム tert−ブト
キシド等の金属アルコキシド;等が挙げられる。これら
の中でも、有機リチウムの使用が好ましく、tert−
ブチルリチウムの使用が特に好ましい。
【0038】塩基の使用量は、式(2)で表される化合
物1モルに対して、通常等モルから5倍モル、好ましく
は等モルから2倍モル、より好ましくは1.1倍モルか
ら1.5倍モルである。
【0039】4)溶媒 本発明に用いる溶媒は、反応に不活性な溶媒であれば特
に制限されない。用いる溶媒としては、例えば、ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、1,3−ジメトキシエタン、ジオキサン等のエー
テル系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;シ
クロペンタン、シクロヘキサン、2−メチルシクロヘキ
サン等の脂環式炭化水素系溶媒;及びこれらの2種以上
からなる混合溶媒;等が挙げられる。これらの中でも、
収率よく目的とするシアノ化合物が得られる観点から、
エーテル系溶媒の使用が好ましく、テトラヒドロフラン
の使用が特に好ましい。
【0040】溶媒の使用量は特に制限されないが、式
(2)で表される化合物1重量部に対して、通常0.0
1〜1,000重量部、好ましくは0.1〜500重量
部、より好ましくは1〜100重量部である。
【0041】5)反応条件 反応は、式(1)で表される化合物の溶液に塩基を所定
量添加して、数分から数時間、所定温度で撹拌したの
ち、所定量のシアノ化剤を添加して、所定時間撹拌する
ことにより行なわれる。この反応は、窒素ガス、アルゴ
ンガス、ヘリウムガス等の不活性ガス雰囲気下に行なう
のが好ましい。
【0042】塩基を添加して撹拌するときの反応温度
は、通常−100℃〜+20℃、好ましくは−100℃
〜0℃、より好ましくは−100℃〜−10℃であり、
シアノ化剤を添加してシアノ化するときの反応温度は、
通常−50℃〜+100℃、好ましくは−20℃〜+5
0℃、より好ましくは−10℃〜+10℃である。
【0043】塩基として有機リチウムを使用して反応を
行なう場合、式(2)で表される化合物の溶液に塩基を
添加すると、置換基DMGが結合する炭素原子に隣接す
る炭素原子がリチオ化される。完全にリチオ化させるた
めには、有機リチウムを添加した後、数分から数時間撹
拌する必要がある。次いで、このリチオ化物がシアノ化
剤と反応(シアノ化)して、目的物であるシアノ化合物
が得られる。シアノ化反応の時間は、通常数十分から数
十時間である。
【0044】5)後処理操作 反応終了後は、常法にしたがって反応液の後処理を行
い、カラムクロマトグラフィー、蒸留法、再結晶法等の
公知の分離・精製手段によって目的物を単離することが
できる。目的物の構造は、IRスペクトル、H−NM
R、マススペクトル等を測定することにより、決定・確
認することができる。
【0045】以上のようにして得られる式(1)で表さ
れるシアノ化合物は、医薬、農薬、機能性材料等の製造
原料として有用である。
【0046】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に説明する。
本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0047】実施例1 2−シアノ−N,N−ジイソプ
ロピルベンツアミドの製造 窒素雰囲気下、N,N−ジイソプロピルベンツアミド
2.05g(0.01モル)の乾燥テトラヒドロフラン
(THF)20ml溶液を−78℃(バス温)に冷却
し、そこへ、tert−ブチルリチウムのn−ヘキサン
溶液(1.0M溶液)11.0ml(0.011モル)
を滴下し、−78℃(バス温)で1時間撹拌した。次い
で、PhOCN1.3g(0.011モル)を加え、そ
の温度で30分撹拌、2時間かけて0℃まで昇温させ
た。反応液に0.5M NaOH水溶液を加えて反応を
停止させたのち、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。
有機層を分取し、飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。得られた有機層を濃縮して、
濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離
液:n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製して、
目的とする2−シアノ−N,N−ジイソプロピルベンツ
アミドを2.25g得た。収率98%
【0048】実施例2〜5 式(1a)で表される化合
物の製造 実施例1において、式(2)で表される化合物として、
N,N−ジイソプロピルベンツアミドに代えて、第1表
に示す化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして式
(1)で表されるシアノ化合物を得た。実施例1を含
め、実施例2〜5で用いた式(2a)で表される化合物
の種類、式(1a)で表される化合物の単離収率を第1
表にまとめた。
【0049】
【表1】
【0050】実施例6 2−シアノ−N,N−ジイソプ
ロピルベンツアミドの製造 実施例1において、シアノ化剤として、PhOCNに代
えて4−ニトロフェニルシアネートを用いた以外は、実
施例1と同様にして反応を行なった。2−シアノ−N,
N−ジイソプロピルベンツアミドを収率23%で得た。
【0051】実施例7 2−シアノ−N,N−ジイソプ
ロピルベンツアミドの製造 実施例1において、シアノ化剤として、PhOCNに代
えて、1−シアノイミダゾールを用いた以外は、実施例
1と同様にして反応を行なった。2−シアノ−N,N−
ジイソプロピルベンツアミドを収率52%で得た。
【0052】実施例8 3−シアノ−2−(5’,5’
−ジメチルオキサゾリン−2’−イル)チオフェンの製
【0053】
【化9】
【0054】実施例1において、式(2)で表される化
合物として、N,N−ジイソプロピルベンツアミドに代
えて、2−(5’、5’−ジメチルオキサゾリン−2’
−イル)チオフェン(2b)を使用した以外は、実施例
1と同様にして反応を行なった。目的とする3−シアノ
−2−(5’,5’−ジメチルオキサゾリン−2’−イ
ル)チオフェン(1b)を、収率85%で得た。
【0055】実施例9 3−シアノ−4−ピバロイルア
ミノピリジンの製造
【0056】
【化10】
【0057】実施例1において、式(2)で表される化
合物として、N,N−ジイソプロピルベンツアミドに代
えて、4−ピバロイルアミノピリジン(2c)を使用し
た以外は、実施例1と同様にして反応を行なった。目的
とする3−シアノ−4−ピバロイルアミノピリジン(1
c)を収率47%で得た。
【0058】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、メタル配向
性基を有する芳香族化合物の該メタル配向性基のオルト
位を温和な条件でシアノ化することができる。得られる
シアノ化合物は、医薬、農薬、機能性材料などの製造原
料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 303/40 C07C 303/40 311/16 311/16 C07D 213/85 C07D 213/85 263/10 263/10 413/04 413/04 Fターム(参考) 4C055 AA01 BA01 CA59 CB19 DA53 DB02 FA15 4C056 AA01 AB01 AC02 AD01 AE02 AF05 BA13 BB01 BC01 4C063 AA01 BB01 CC92 DD52 4H006 AA02 AC54 BA92 QN00 RA06 RA48 RB34

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(2) 【化1】 〔式中、式(3) 【化2】 は、置換基を有していてもよい炭素環又は複素環の基を
    表し、A及びBは、それぞれ独立して炭素原子、酸素原
    子、窒素原子又は硫黄原子を表し、DMGはメタル配向
    性基を表す。〕で表される環状化合物に、塩基の存在
    下、シアノ化剤を反応させることを特徴とする、式
    (1) 【化3】 (式中、A、B及びDMGは前記と同じ意味を表す。)
    で表されるシアノ化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】前記シアノ化剤として、式:L−CN(式
    中、Lは、CCl、Cl、Br、CN、置換基を有し
    ていてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよい
    イミダゾール−1−イル基、置換基を有していてもよい
    ベンゾイミダゾール−1−イル基、置換基を有していて
    もよいトリアゾール−1−イル基、置換基を有していて
    もよいベンゾトリアゾール−1−イル基、置換基を有し
    ていてもよいフェニルスルホネート基、ペンタクロロフ
    ェニル基及び置換基を有していてもよいフェニルチオ基
    からなる群から選ばれる1種の基を表す。)で表される
    化合物を用いる請求項1に記載のシアノ化合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記塩基として、有機リチウムを用いる請
    求項1又は2に記載のシアノ化合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015145390A (ja) * 2009-12-17 2015-08-13 フィナ バイオソリューションズ リミテッド ライアビリティ カンパニー コンジュゲートワクチンの製造における多糖の活性化のための化学試薬

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