JP2003320537A - プラスチック製品成形用金型 - Google Patents

プラスチック製品成形用金型

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JP2003320537A JP2002129214A JP2002129214A JP2003320537A JP 2003320537 A JP2003320537 A JP 2003320537A JP 2002129214 A JP2002129214 A JP 2002129214A JP 2002129214 A JP2002129214 A JP 2002129214A JP 2003320537 A JP2003320537 A JP 2003320537A
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C49/00Blow-moulding, i.e. blowing a preform or parison to a desired shape within a mould; Apparatus therefor
    • B29C49/42Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C49/48Moulds
    • B29C2049/4879Moulds characterised by mould configurations
    • B29C2049/4892Mould halves consisting of an independent main and bottom part

Abstract

(57)【要約】 【課題】金型表面に特殊層を形成し、金型からの離型性
向上させたプラスチック製品成形用金型を提供すること
を目的とする。 【解決手段】プラスチック製品を成形する金型の一部ま
たは全部に、硫化モリブデン、二硫化モリブデン又は二
硫化タングステンを主成分とするコーティング層14、
またはコーティング層14に接する金型表面に拡散層が
形成されている。このような金型10の製造は、金型表
面に、クリーニング処理および/またはピーニング処理
の前処理を行った後、硫化モリブデン、二硫化モリブデ
ンまたは二硫化タングステンを主成分とするコーティン
グ層14を形成する処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック製品
成形用金型に関し、詳しくは、溶融樹脂の滑動性(金型
表面の滑り性)を増し、成形後のプラスチック製品の離
型性を向上させたプラスチック製品成形用金型に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、組合わせ金型によってキャビ
ティを形成し、加熱したプリフォームをこのキャビティ
内に配し、延伸ロッドとブローエアーを用いて、縦軸方
向および横軸方向に二軸延伸ブローを施し、キャビティ
内面に沿って、所定形状の透明性が優れたプラスチック
ボトル(例えばPETボトル)を得ることは良く知られ
ていた。上記のプラスチックボトルを得る製造方法で
は、プリフォームを加熱した状態で二軸延伸ブロー成形
を行うため、成形されたプラスチックボトルの粘度が低
下しており、そのままでキャビティから取り出そうとす
ると、ボトルの一部が金型から離型せずに密着したまま
となってしまい、金型からの離型ができず、無理に金型
から取り出そうとすると、目的とする所定形状のボトル
が得られない(ボトルつぶれ等の不良品)要因となって
いた。
【0003】ボトルつぶれ等の不良品を出さないため
に、二軸延伸ブロー成形後、金型内で所定時間、ボトル
を保持して冷却して、ボトルを硬化させる方法もある
が、これは高速生産性に適していない。
【0004】金型との離型性を改良する方法として、従
来よりシリコンオイル等の離型剤を塗布することも行わ
れているが、成形品の外観が悪くなる等の問題がある。
この問題を解決するため、例えば特開平2−47032
号公報では、キャビティの内面等にポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE=テフロン(登録商標))樹脂を被
覆した金型を用いることが開示されている。
【0005】特開平2−47032号公報に開示された
金型を用いれば、確かに成形されたボトルは、金型から
の離型性が向上する。しかし、これを高速連続生産に用
いようとした場合には、皮膜の耐久性を考慮し、数百μ
m厚みを持たす必要があり、経済的に見合わない点があ
った。また、皮膜厚みが数百μmの場合は、金型の冷却
熱が充分にボトルに伝わらずに冷却効率が悪い点も指摘
されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、前
記問題点を解決するため、金型表面に特殊層を形成し、
金型からの離型性向上させたプラスチック製品成形用金
型を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のプラスチック製
品成形用金型は、プラスチック製品を成形する金型の一
部または全部に、硫化モリブデン、二硫化モリブデン又
は二硫化タングステンを主成分とするコーティング層が
形成されていることを特徴とする。このような金型は、
コーティング層に接する金型表面に拡散層が形成されて
いることが、コーティング層の剥離を防止する観点から
好ましい。また、このような金型は、PETボトル成形
用金型、プリフォーム成形用金型、ダイレクトブロー成
形用金型または射出成形用金型に好ましく適用できる。
さらに、このような金型は、コーティング層又は拡散層
形成に先だって、鉱石、ガラスビーズ、金属粉、微小砂
から選択されるいずれかのショット粒を金型表面に噴射
することにより、金型表面がクリーニング処理および/
またはピーニング処理が施されていることを特徴とす
る。このようなクリーニング処理および/またはピーニ
ング処理により、コーティング層の密着が強固なものに
なる。本発明のプラスチック製品成形用金型の製造方法
は、金型表面に、クリーニング処理および/またはピー
ニング処理の前処理を行った後、硫化モリブデン、二硫
化モリブデンまたは二硫化タングステンを主成分とする
コーティング層を形成する処理を行うことを特徴とす
る。このような製造方法は、コーティング層の形成と同
時若しくは形成後に、コーティング層と接する金型表面
部分に拡散層を形成することが好ましい。これによりコ
ーティング層の剥離が防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチック製品成形用
金型の実施の形態を図面を用いて詳細に述べる。図1は
本発明の金型として、プラスチックボトルを成形する場
合の成形用金型10の縦断面図を示し、図2は、図1に
おけるA−A断面を左右に分割した状態を示す平面断面
図である。図1,図2において、プラスチックボトル成
形用金型10は、プラスチックボトルBを形成するため
の、キャビティを形成する矢印X方向に左右2分割され
る割型11、12と、底型13とを有して構成される。
図2に示すように、割型11、12は左右方向に開いて
ボトルの胴部を成形するために用いられ、底型13はボ
トルの底部を成形するために用いられる。
【0009】割型11、12の表面には、ボトル成形後
金型からの離型性を向上させるためのコーティング層1
4が形成されている。上記金型を構成する割型11、1
2、及び底型13の材質としては、鉄または鉄を主成分
とする鉄合金、アルミニウムまたはジュラルミン等のア
ルミニウムを主成分とする合金、ZAS等の亜鉛合金、
ベリリウム−銅合金等の一般に合成樹脂の成形に使用さ
れている金属が挙げられる。金型の形態は成形しようと
する成形体(プラスチックボトル)によって異なり、特
に限定するものではない。割型11、12の表面に形成
されているコーティング層14は、樹脂が冷却固形状態
になった後においては勿論、半溶融状態においても、プ
ラスチックボトル製品の離型性を向上させるものである
ことが必要である。
【0010】本発明においては、金型表面に形成させる
コーティング層14は、好ましい主成分として、硫化モ
リブデン(Mo)、二硫化モリブデン(Mo
)、二硫化タングステン(WS)、などが挙げら
れる。
【0011】コーティング層14の厚みは、一般には
0.05μm〜10μmの範囲にすることが好ましい。
さらに好ましくは1μm〜5μmであり、中でも好まし
くは1μm〜3μmであり、特に好ましくは1μm〜2
μmである。ブロー成形/射出成形などの成形法によっ
てこれらの値に差違がでることはない。
【0012】さらに、本発明の金型においては、コーテ
ィング層14に接する金型表面に拡散層15が形成され
ていることが好ましい。拡散層はコーティング層14を
形成する成分と同一の成分が金型表面から内部に拡散し
て形成されたものであり、拡散層15を形成させること
によって、金型本体を構成する金属とコーティング層と
の密着力が大きくなる。このような拡散層15を形成す
ることによって、具体的には1万回を超えるボトル成形
で引き起こされるシェアーストレスや冷熱サイクルでも
金型からコーティング層14の剥離が生じにくくなくな
り好ましい。
【0013】本発明の金型を用いて製造されるプラスチ
ックボトルを形成するための樹脂としては、ブロー成形
や射出成形に使用できる熱可塑性樹脂が挙げられ、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、
ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、
ゴム強化ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン系樹
脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、メ
タクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレー
トが好ましく用いられる。
【0014】前記樹脂には、樹脂強化物が含有されてい
てもよい。樹脂強化物としては、各種ゴム、ガラス繊
維、カーボン繊維等の各種繊維、タルク、炭酸カルシウ
ム、カオリン等の無機粉末等が挙げられる。
【0015】本発明の金型を用いてプラスチックボトル
を成形する場合は、金型温度を110℃〜170℃に設
定して成形することが好ましい。このような金型温度と
することによって、成形品の型表面の形状状態の付与に
おける型再現性や外観に優れる成形体を得ることができ
るからである。
【0016】金型温度をこれより高くすると成形サイク
ル時間が長くなり、成形効率が低下する。また、金型温
度を室温以下にすると型表面に結露等の問題が起こり易
い。本発明の金型を使用することにより、離型性を改良
でき、プラスチックボトル成形品のウエルドラインの目
立ちを低減し、型表面の鏡面再現性を良くして、成形後
に行う後加工を省略できる。さらに、長期間成形時の金
型耐久性、特に抜き勾配が小さい部分や、逆勾配部分の
耐久性が改良できる。
【0017】(クリーニング処理/ピーニング処理)次
に、本発明のプラスチック製品成形用金型の製造方法の
一例を説明する。まず、超音波洗浄装置等を用いて金型
表面を洗浄し、金型表面に付着している油汚れなどを除
去するクリーニング処理を行う。その後、鉱石粉、ガラ
スビーズ、鉄粉等の金属粉、微小砂などの、粒径の揃っ
たショット粒を、金型表面に向けて高速で噴射する、い
わゆるピーニング処理を行う。前記ピーニング処理は、
流速(噴射圧力)0.5〜2.0kgf/cm で行
うことが好ましい。さらに好ましくは、0.5〜1.0
kgf/cm である。噴射圧力が0.5kgf/c
未満であると、金型表面に凹凸が形成されない。
一方、2.0kgf/cm を超えると、表面が粗く
なりすぎてしまうためである。前記の金型表面へのピー
ニング処理は、例えば密閉空間(ブラスト装置など)内
で行うことが作業環境上好ましい。このようなピーニン
グ処理により、金型表面の不純物物や酸化物除去し金属
表面を露出させ、後に行う拡散層形成の効果を向上させ
るためである。また、ピーニング処理は、次のような目
的も有する。すなわち、金型表面粗さの均一化、金型表
面の機械的強度の向上、金型表面に露出したマイクロポ
ロシティ(微孔)やマイクロクラックの閉塞、金型金属
表面の硬化・緻密化、金型金属表面の引張残留応力を圧
縮応力へ転換すること、などである。なお、本発明にお
いて、前記のクリーニング処理とは、超音波洗浄装置を
用いて行う場合のみでなく、酸アルカリなどでの湿式エ
ッチング処理、イオン照射などの乾式エッチング処理な
どの方法を含めて、金型表面の酸化膜や汚れを除去する
広い概念をいう。又、本発明のピーニング処理はクリー
ニング作用も兼ねているので、クリーニングを行うこと
なくピーニング処理のみを単独で行うこともできる。
【0018】(コーティング層形成)次に、前記ピーニ
ング処理後、金型表面にコーティング層を形成させる。
このコーティング層形成は、例えば、金型表面にWS
の層を形成する場合は、次のようにして行うことができ
る。まず、平均粒径が1〜1.5μmのWSパウダー
(99.8%の純タングステン)を用意し、このパウダ
ーを+1℃の冷蔵温度のドライエアーを輸送媒体とし
て、金型表面に密閉空間(ブラスト装置)内で噴射す
る。このときの噴射圧は、一般には5.0〜10.0k
gf/cm、噴射時間:1〜10分であることが好ま
しい。これらの値は、形成させるコーティング層の厚み
により異なり、一般には、噴射圧が5.0kgf/cm
未満であると、金型表面への十分な固着が不足し、1
0.0kgf/cmを超えると、パウダーが金型表面
へ衝突した時の反発が大きくパウダーの歩留まりが悪く
なるからである。また、噴射時間が1分未満では、噴射
されるパウダーの量が少なく十分なコーティング層が形
成されず、10分を超える噴射は、コーティング層の厚
みが飽和し経済的に無意味となるからである。
【0019】(拡散層形成)本発明の金型においては、
コーティング層に接する金型表面に、コーティング層と
同一成分が拡散された拡散層が形成されていることが好
ましい。拡散層を形成させることによって、金型本体を
構成する金属とコーティング層との密着力が大きくな
り、コーティング層の剥離が生じにくくなる。このよう
な拡散層は、パウダーを高圧の噴射で金型表面に衝突さ
せてコーティング層を形成させることによって形成させ
ることができる。WSパウダーが、金型表面に衝突す
ることで瞬間的に高温状態(例えば、600〜700
℃)となり、金型表面から内部へ拡散した拡散層が形成
される。拡散層を形成させた金型は、金型本体と一体化
した拡散層が形成されているので、単に金型表面にコー
ティング層を噴射形成したものよりも固着力が強く、コ
ーティング層が金型表面から剥離しにくい。
【0020】なお、拡散層の形成は、上記のような高圧
噴射によって形成させる方法の他、金型表面に噴射形成
されたコーティング層を、その後熱処理を施すことによ
り形成させることもできる。
【0021】次に、コーティング層の表面をより平滑に
するために、コーティング層の表面にポリシング及びラ
ッピングを施し、金型表面を仕上げ研磨する。仕上げ研
磨によって、仕上げられる金型表面の表面粗さは、中心
線平均粗さ(Ra)が1.0〜3.0μmになるように
することが好ましい。Raが1.0未満以上の粗さを出
すのは研磨に時間を要し、金型からの離型性はこの値で
十分である。一方、3.0を超えると金型からの離型性
が悪くなり、ボトルつぶれ等の不良品が発生する場合が
あるからである。
【0022】上記仕上げ研磨は、研磨機(リューター)
の先端部に設けた円筒状外面に形成した布にダイヤモン
ドペースト又はアルミナペーストを付けてポリシング・
ラッピングする。ダイヤモンドペースト又はアルミナペ
ースト中の粒子径は0.1μmから4μm程度で、ポリ
シングには1μm以上のものを、ラッピングには1μm
以下のものを使用するのがよい。
【0023】本発明のプラスチック製品成形用金型は、
溶融樹脂を予備成形するプリフォーム成形用金型、プリ
フォーム成形樹脂を溶融させブロー成形するPETボト
ルなどの成形用金型、溶融樹脂を直接金型内に射出し成
形する射出成形用金型、パイプ状に押出された樹脂の底
を切断成形するダイレクトブロー成形用金型、などに好
ましく適用できる。上記PETボトルなどの成形用金型
は、特にPET樹脂を用いた二軸延伸ブロー成形される
PETボトル成形用金型の割型(キャビティ)に好まし
く適用できる。ここで、二軸延伸ブロー成形とは、プリ
フォーム成形用金型を用いて試験管のような形状に予備
的に射出成形されたプリフォーム成形樹脂を加熱し、こ
れを延伸ロッドで縦方向(中心軸方向)に延伸した後
(または延伸しながら)、加圧エアーを吹き込んで横方
向にも延伸して容器を成形する方法をいう。この二軸延
伸ブロー成形により、成形された容器は、透明性・機械
的強度に優れたものになる。PETボトル成形用金型を
用いて成形される容器の樹脂の種類としては、上記PE
T(ポリエチレンテレフタレート)の他、PEN(ポリ
エチレンナフタレート)、PP(ポリプロピレン)等が
好ましく挙げられる。ダイレクトブロー成形は、ダイヘ
ッドから溶融樹脂を、連続パリソンを筒状に押し出し、
これを一定長に切断し、切断されたパリソンを割型に挟
み込んで、パリソン内に加圧エアーを吹き込み、容器を
成形する方法である。ダイレクトブロー成形の場合は、
本発明の金型は左右に開く割型として好ましく適用され
る。射出成形は、雄・雌型を用いて、この組合せ空間に
溶融樹脂を射出する方法で、本発明の金型は雄・雌型の
両者に適用できる。しかし、本発明のプラスチック製品
成形用金型は、上記の金型に限定されるものではなく、
樹脂と直接接触するものであれば、割型、底型などの金
型の形態は問わずあらゆる形状の金型に適用できる。
【0024】本発明のプラスチック製品成形用金型は、
溶融樹脂を予備成形するプリフォーム成形用金型、プリ
フォーム成形樹脂を溶融させブロー成形するPETボト
ルなどの成形用金型、溶融樹脂を直接金型内に射出し成
形する射出成形用金型、パイプ状に押出された樹脂の底
を切断成形するダイレクトブロー成形用金型、などに好
ましく適用できる。上記PETボトルなどの成形用金型
は、特にPET樹脂を用いた二軸延伸ブロー成形される
PETボトル成形用金型の割型(キャビティ)に好まし
く適用できる。ここで、二軸延伸ブロー成形とは、プリ
フォーム成形用金型に樹脂を射出成形し予備成形物とも
呼ばれる試験管のようなプリフォームを得た後、これを
加熱し、容器の最終所定形状が形成されたキャビティを
有するブロー金型に挟み込み、延伸ロッドと加圧エアー
とで縦方向・横方向にそれぞれ延伸して容器を成形する
方法をいう。この二軸延伸ブロー成形により、成形され
た容器は、透明性・機械的強度に優れたものになる。P
ETボトル成形用金型を用いて成形される容器の樹脂の
種類としては、上記PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)の他、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PP
(ポリプロピレン)等が好ましく挙げられる。ダイレク
トブロー成形は、ダイヘッドから溶融樹脂を、連続パリ
ソンを筒状に押し出し、これを一定長に切断し、切断さ
れたパリソンを割型に挟み込んで、パリソン内に加圧エ
アーを吹き込み、容器を成形する方法である。ダイレク
トブロー成形の場合は、本発明の金型は左右に開く割型
として好ましく適用される。射出成形は、雄・雌型を用
いて、この組合せ空間に溶融樹脂を射出する方法で、本
発明の金型は雄・雌型の両者に適用できる。しかし、本
発明のプラスチック製品成形用金型は、上記の金型に限
定されるものではなく、樹脂と直接接触するものであれ
ば、割型、底型などの金型の形態は問わずあらゆる形状
の金型に適用できる。
【0025】さらに、本発明の金型は、プラスチックボ
トル成形以外の樹脂製品成形用金型にも用いることがで
きる。たとえば、弱電機器、電子機器、事務機器等のハ
ウジング、各種自動車部品、各種日用品、各種工業部品
等の一般の樹脂成形品の成形加工用金型としても用いる
ことができる。なお、本発明の金型を用いるブロー成形
法では、プリフォーム成型品が型壁面に接触してから、
ブロー圧力が成形品内面に十分にかかるまでの時間が長
いブロー成形において、金型表面での溶融樹脂の流れ
(滑動性)を向上させる効果が大きい。さらに、本発明
の金型を用いる射出成形法では、ガスアシスト射出成
形、射出圧縮成形等の、成形時に樹脂が金型壁面を押し
付けられる圧力が低く樹脂の型内流動速度が遅い低圧射
出成形などにおいても金型表面での溶融樹脂の流れ(滑
動性)を向上させる効果が大きい。
【0026】
【実施例】本発明のWSコーティング層が形成された
金型を用いて、(1)成形後、プラスチックボトルの取り
出し温度を高くした場合(金型からの離型時間を短縮し
た場合)、(2)金型温度を高くした場合(成形サイクル
を速めた場合)、(3)投入されるPF温度を極端に低く
した場合(従来、金型からの離型性が悪いと言われてい
る)、それぞれの場合について、350MLの角型PE
Tボトルを1万本成形(ブロー圧:3.0MPa)し
た。上記(1)〜(3)のいずれの場合においても、離型不良
等はみられなかった。また、金型本体と拡散層は強固に
密着しており、PETボトルを1万本成形した後におい
てもWSコーティング層の剥離は発生しなかった。さ
らに、成形品のプラスチックボトルにはウエルドライン
の目立ちがなく外観が優れた樹脂製品を製造できた。
【0027】
【発明の効果】本発明のプラスチック製品成形用金型
は、金型表面にコーティング層、またはコーティング層
に接する金型表面に拡散層が形成されているので、以下
の数々の効果を有し、産業上きわめて有用なものであ
る。 (i)成形されたプラスチック製品の金型からの離型性が
向上する。 (ii)射出成形品の場合は、抜きテーパがないような製品
でも離型可能である。 (iii)ダイレクトブローボトルの場合は離型性向上だけ
でなく、金型表面上の溶融樹脂の流れ(滑動性)も向上
するため、極端な扁平形状のボトルや流動性の低い樹脂
を用いたボトルも成形可能である。 (iv)丸ボトル(ブローエアーがほぼ均一にかかる)場合
でも、縦方向の樹脂の流れ(活動性)が向上する。 (v)その他、角型、ねじれ型等の複雑な形状を有するP
ETボトルであっても、離型による製品つぶれ等が発生
することもなく、所定のボトルを高速に成形することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるプラスチックボトル
成形用金型の縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A断面を左右に分割した状態
を示す平面断面図である。
【符号の説明】
10:プラスチックボトル成形用金型 11、12:割型 13:底型 14:コーティング層 15:拡散層 B:プラスチックボトル X:割型の開閉方向

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック製品を成形する金型の一部ま
    たは全部に、硫化モリブデン、二硫化モリブデン又は二
    硫化タングステンを主成分とするコーティング層が形成
    されていることを特徴とするプラスチック製品成形用金
    型。
  2. 【請求項2】前記コーティング層に接する金型表面に拡
    散層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    のプラスチック製品成形用金型。
  3. 【請求項3】前記金型は、PETボトル成形用金型、プ
    リフォーム成形用金型、ダイレクトブロー成形用金型ま
    たは射出成形用金型である請求項1又は2に記載のプラ
    スチック製品成形用金型。
  4. 【請求項4】前記コーティング層又は拡散層形成に先だ
    って、鉱石、ガラスビーズ、金属粉、微小砂から選択さ
    れるいずれかのショット粒を金型表面に噴射することに
    より、金型表面がクリーニング処理および/またはピー
    ニング処理が施されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のプラスチック製品成形用金型。
  5. 【請求項5】金型表面に、クリーニング処理および/ま
    たはピーニング処理の前処理を行った後、硫化モリブデ
    ン、二硫化モリブデンまたは二硫化タングステンを主成
    分とするコーティング層を形成する処理を行うことを特
    徴とするプラスチック製品成形用金型の製造方法。
  6. 【請求項6】前記コーティング層の形成と同時若しくは
    形成後に、コーティング層と接する金型表面部分に拡散
    層を形成することを特徴とする請求項5に記載のプラス
    チック製品成形用金型の製造方法。
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