JP2003317811A - 充電監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池を充電する際において、より的確な電池
の充電状態の監視を可能とする。 【解決手段】 充電対象の電池の電圧を計測する電圧計
測手段ＶＭが備えられて、前記電池ＢＴの充電状態を監
視する充電監視装置において、前記電圧計測手段ＶＭに
て計測した電圧の時間に対する変化、又は、前記電圧計
測手段ＶＭにて計測した電圧の充電電気量に対する変化
が設定変化量より大となり、且つ、前記電圧計測手段Ｖ
Ｍにて計測した電圧が設定電圧よりも大となったとき
に、前記電池ＢＴに対する充電状態が異常であると検出
する充電異常監視手段ＣＦが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、充電対象の電池の
電圧を計測する電圧計測手段が備えられて、前記電池の
充電状態を監視する充電監視装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】かかる充電監視装置は、充電対象の電池
の電圧を電圧計測手段にてモニタして、過充電となって
いるか否か等の監視を行う。一般には、過充電か否かを
判別するための電圧値を設定し、電圧計測手段による電
池の電圧の計測値と、その判別用の電圧値とを比較して
過充電か否かを判断している。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現実に
は、回路部品の経時変化による不具合等によって、電圧
計測手段の計測誤差が大となり、的確な電池の監視を行
えない事態が発生する虞がある。本発明は、かかる実情
に鑑みてなされたものであって、その目的は、より的確
な電池の監視を可能とする点にある。 【０００４】 【課題を解決するための手段】上記請求項１記載の構成
を備えることにより、充電対象の電池の電圧を計測する
電圧計測手段が備えられて、前記電池の充電状態を監視
する充電監視装置において、前記電圧計測手段にて計測
した電圧の時間に対する変化、又は、前記電圧計測手段
にて計測した電圧の充電電気量に対する変化が設定変化
量より大となり、且つ、前記電圧計測手段にて計測した
電圧が設定電圧よりも大となったときに、前記電池に対
する充電状態が異常であると検出する充電異常監視手段
が設けられている。 【０００５】すなわち、例えば過充電の状態となった場
合のように、電池の充電状態が異常となったときは、電
池の電圧が時間あるいは充電電気量に対して、正常時に
は緩やかに変化していたものが、急に変化が大となり、
変化のしかたが変動する。この変化のしかたの変動によ
って充電状態が異常か否かを検出できるのである。この
ような電圧の変化状態に着目した充電状態の良否の検出
手法では、電池の電圧を計測する電圧計測手段に何らか
の異常が発生し、その計測誤差が若干大きくなってしま
ったような場合でも、的確に充電状態が異常か否かを検
出できる。 【０００６】ところが、本発明の発明者の研究により、
単に電圧の時間に対する変化状態あるいは電圧の充電電
気量に対する変化状態のみを監視していたのでは、充電
状態が異常か否かを誤検出してしまう可能性を見出し
た。つまり、電池の放電深度がそれほど極端に深くない
状態から充電を開始する一般的な場合では、単に電圧の
時間に対する変化あるいは電圧の充電電気量に対する変
化のみを監視するだけでも特に問題なく充電状態の異常
を検出できるのであるが、電池の放電深度が極めて深く
なった状態から充電を開始すると、充電開始の初期にお
いて、実際には全く正常であるにも拘わらず、電圧の時
間に対する変化あるいは電圧の電圧充電電気量に対する
変化が、充電状態が異常か否かを判断するための設定変
化量に相当する程度を超えて変化してしまい、充電状態
が異常であると誤検出してしまう可能性があることを見
出したのである。そこで、電圧の時間に対する変化ある
いは電圧の充電電気量に対する変化の監視と共に、電圧
計測手段にて得られる電池の計測電圧値の監視をも併用
することで、電池の充電がどのようなタイミングで行わ
れるかに拘わらず、充電状態の異常を的確に検出できる
ものとなった。尚、電圧の時間に対する変化あるいは電
圧の充電電気量に対する変化に基づく充電状態の異常の
有無の検出が誤検出か否かを判別するための電圧値の設
定については、それほどの厳密さは要求されず、ある程
度の幅を持って設定が可能である。従って、電圧計測手
段の計測値がある程度の測定誤差を含んでいても、ある
いは、電池の充電特性が多少ばらついても許容されるも
のである。 【０００７】 【発明の実施の形態】以下、本発明の充電監視装置の実
施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の充電
監視装置ＣＣは、図１に概略的に示すように、充電回路
１によって電池ＢＴの１例としてのリチウム・イオン電
池に充電する場合において、充電が適正に行われている
か否かを監視し、充電状態が異常状態となっていれば充
電作業を停止させる役割を担っている。 【０００８】充電監視装置ＣＣには、充電状態を監視す
るために、充電回路１に接続された電池ＢＴへの充電電
流を計測する電流検出器２と、電池ＢＴの電圧を計測す
るための電圧計測手段ＶＭと、電圧計測手段ＶＭ及び電
流検出器２の検出情報に基づいて充電状態の監視処理を
実行制御する充電監視制御部３とが備えられている。電
圧計測手段ＶＭは、電池ＢＴの端子間電圧を設定比率で
減圧する減衰器４と、減衰器４の出力電圧をＡ／Ｄ変換
するＡ／Ｄ変換器５と、Ａ／Ｄ変換器５にＡ／Ｄ変換用
の基準電圧を供給する基準電圧発生回路６とを主要部と
して構成されている。 【０００９】本実施の形態における充電監視装置ＣＣの
具体的な機能は、主に、電流検出器２及び電圧計測手段
ＶＭの計測情報に基づいて、電池ＢＴの端子間電圧が異
常な上昇を示したときに、充電回路１による充電作業を
停止する機能である。電池ＢＴの端子間電圧の異常な上
昇の検出手法について、実際の電圧の計測例に基づいて
説明する。図２において、縦軸に電圧計測手段ＶＭにて
計測した電池ＢＴの端子間電圧値を、横軸に充電電気量
（Ａｈ）をとって実線Ａにて示す。尚、図２では、横軸
を定格の充電電気量を１００％としたパーセント表示に
て示しているが、実質的に充電電気量を示している。
又、図２では、電池ＢＴを十分に放電させて、放電深度
を相当程度に深くした状態から充電する場合を示してい
る。 【００１０】電池ＢＴの電圧（端子間電圧）は、充電初
期において急速に立ち上がった後、充電の進行に伴って
一定の割合で上昇し、定格の充電電気量を超えた後、し
ばらくしてから再び急速に異常な上昇を示す。この異常
な上昇は、過充電である場合に典型的であり、この異常
な上昇を検出することによって充電状態の異常を検出で
きる。本実施の形態では、この電池ＢＴの電圧の異常な
上昇を、電圧計測手段ＶＭにて計測した電圧の充電電気
量に対する変化がどのように変動するかに着目して検知
している。 【００１１】この検出方法を更に説明すると、電圧計測
手段ＶＭにて計測した電圧の充電電気量に対する変化を
示す量として、図２において、電圧を充電電気量で微分
したものを１点鎖線Ｂにて示しており、電圧を充電電気
量で２階微分したものを破線Ｃにて示している。尚、１
点鎖線Ｂの表示においては、比較のために定数部分を無
視して表示している。このような特性を示す場合におい
て、例えば図２に矢印Ｄで示す位置での１点鎖線Ｂある
いは破線Ｃとの交点の値（すなわち、単位充電電気量あ
たりの変化量）を電圧の異常上昇を判別するための判別
値として設定して、電圧計測手段ＶＭにて計測した電圧
の充電電気量に対する変化が、その判別値を超えるほど
に変動した場合に、電池ＢＴの電圧の充電状態が異常
（通常は過充電）であると判断できる。このようにして
充電状態の異常の存否を判断することによって、電圧計
測手段ＶＭの計測値がある程度の誤差を含んでいても、
電圧の変化量として把握して充電状態の良否を判断する
ことで、的確な判断が可能となる。 【００１２】但し、図２に示すような放電深度が極めて
深い状態からの充電では、充電初期において電圧の変化
状態が安定せず、充電初期において充電状態が異常であ
ると誤検出してしまうことになる。そこで、上記のよう
に充電状態が異常であると判断したときに、更に、電圧
計測手段ＶＭの計測値を確認して、少なくとも深放電後
の充電初期における電池ＢＴの電圧値を示している範囲
では、充電状態が異常であるとは判断しないようにする
のである。この判断のための電圧計測手段ＶＭの計測電
圧値との比較基準値としては、例えば、図２において２
点鎖線Ｅで示すように、充電初期の電圧の時間あたりの
上昇値が一定に近い値となるときの電圧値を設定すれば
良い。尚、２点鎖線Ｅで示す電圧値は、「４．１Ｖ」を
例示している。 【００１３】次に、充電監視制御部３が定期的に実行す
る図３のフロチャートに基づいて具体的な処理を説明す
る。図３の処理では、電流検出器２が検出する電流を時
間積分する形でその時点までの充電電気量を算出する処
理を、その求めた充電電気量が設定量増加するまで繰返
し実行する（ステップ＃１，＃２）。尚、この処理を実
行するために、充電監視制御部３は、各回の充電電気量
の算出値を次回の充電電気量の算出時まで記憶してい
る。求めた充電電気量が設定量増加すると（ステップ＃
２）、前回の電圧測定時の計測電圧と、この時点での電
圧計測手段ＶＭの計測電圧との差をとって、電圧変化量
を算出する（ステップ＃３）。この電圧変化量の算出
は、電圧計測手段ＶＭによる電圧測定が充電電気量の前
記設定値増加の度に実行されることから、電圧計測手段
ＶＭの計測値を充電電気量に対して微分するのに相当す
る処理となっている。 【００１４】次に、算出した電圧変化量が、電圧の異常
な上昇を検知するための判別用の設定変化量より大であ
るか否かを判断する（ステップ＃４）。この判別用の設
定変化量としては、例えば、図２に例示したデータにお
いて矢印Ｄで示す位置での電圧値の微分値（１点鎖線Ｂ
にて示すもの）に設定しておけば良い。算出した電圧変
化量が前記判別用の設定変化量以下であれば、この時点
での図３の充電監視処理を終了し、前記判別用の設定変
化量より大であれば、この時点の電圧計測手段ＶＭの計
測電圧値が設定電圧よりも大であるか否かを判断する
（ステップ＃５）。この判断のための前記設定電圧は、
上述したように、例えば、図２において２点鎖線Ｅで示
す電圧値（「４．１Ｖ」を例示）で良い。 【００１５】電圧計測手段ＶＭの計測電圧値が２点鎖線
Ｅで示す電圧値以下で、充電期間の初期であると判断で
きるときは、この時点で算出した前記電圧変化量が前記
判別用の設定変化量を超えていても異常ではないので、
図３の充電監視処理を終了し、電圧計測手段ＶＭの計測
電圧値が２点鎖線Ｅで示す電圧値より大で、充電期間の
初期でないときは、電池ＢＴの電圧が異常な上昇を示
し、充電状態が異常となっていると判断でき、直ちにス
イッチ７を切断して充電を停止する（ステップ＃６）。
尚、以上の説明は電圧計測手段ＶＭの計測値を充電電気
量に対して微分するのに相当する処理を実行して異常の
存否を判断しているが、この時点で算出した電圧変化量
と前回のステップ＃３で算出した電圧変化量との差をと
って、電圧計測手段ＶＭの計測値を充電電気量に対して
２階微分するのに相当する処理を行っても良い。 【００１６】以上のように、充電監視制御部３は、電圧
計測手段ＶＭにて計測した電圧の充電電気量に対する変
化が設定変化量より大となり、且つ、電圧計測手段ＶＭ
にて計測した電圧が設定電圧よりも大となったときに、
電池ＢＴに対する充電状態が異常であると判断する充電
異常監視手段ＣＦとして機能する。 【００１７】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態
を列記する。 （１）上記実施の形態では、電圧計測手段ＶＭの計測値
を充電電気量に対して微分するのに相当する処理とし
て、電池ＢＴに対する充電電気量が設定量増加するたび
に電圧計測手段ＶＭの計測電圧を取り込むと共に、最新
の計測電圧と前回の計測電圧の差を取る処理を行ってい
るが、最新の計測電圧を含む３回以上の計測電圧からよ
り精度良く微分演算を実行するように構成しても良い。
これは、電圧計測手段ＶＭの計測値を充電電気量に対し
て２階微分するのに相当する処理を実行する場合でも同
様である。 【００１８】（２）上記実施の形態では、電圧計測手段
ＶＭにて計測した電圧の充電電気量に対する変化の変動
に着目して充電状態が異常か否かを判断する場合を例示
しているが、電圧計測手段ＶＭにて計測した電圧の時間
に対する変化も図２に示すものと同様の傾向を示すの
で、電圧計測手段ＶＭにて計測した電圧の時間に対する
変化の変動に着目して充電状態が異常か否かを判断して
も良い。この場合は、図３に示す処理において、ステッ
プ＃１，＃２の充電電気量が設定量増加するのを検出す
る処理の代わりに、充電開始からの経過時間が設定時間
経過したことを検出する処理を行い、ステップ＃３にお
いて電圧計測手段ＶＭの計測値を充電電気量に対して微
分するのに相当する処理、あるいは、電圧計測手段ＶＭ
の計測値を充電電気量に対して２階微分するのに相当す
る処理を実行する代わりに、電圧計測手段ＶＭの計測値
を時間に対して微分するのに相当する処理、あるいは、
電圧計測手段ＶＭの計測値を時間に対して２階微分する
のに相当する処理を実行すれば良く、他の部分の処理は
共通である。 【００１９】（３）上記実施の形態では、電圧計測手段
ＶＭとしてＡ／Ｄ変換器５を備えて計測電圧をデジタル
データとして充電監視制御部３に送って、電圧変化量の
変動を演算処理によって求める場合を例示しているが、
電池ＢＴの電圧をアナログ出力して、電圧変化量をアナ
ログ演算器にて求めるように構成しても良く、電圧計測
手段ＶＭの具体構成や、電圧計測手段ＶＭの計測結果に
基づく前記電圧変化量の検出のための具体構成は、種々
に変更可能である。 【００２０】 【発明の効果】上記請求項１記載の構成によれば、充電
される電池の電圧の時間に対する変化あるいは充電され
る電池の電圧の充電電気量に対する変化の監視と共に、
電圧計測手段にて得られる電池の計測電圧値の監視をも
併用することで、電池の充電がどのようなタイミングで
行われるかに拘わらず、充電状態の異常を的確に検出で
きるものとなった。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の実施の形態にかかる充電監視装置のブ
ロック構成図 【図２】本発明の実施の形態にかかる充電特性の説明図 【図３】本発明の実施の形態にかかるフローチャート 【符号の説明】 ＢＴ 電池 ＣＦ 充電異常監視手段 ＶＭ 電圧計測手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2G016 CB01 CC01 CC04 CC07 CC16 CC20 CC23 5G003 AA01 BA01 CA04 CA17 EA02 EA08 GC05 5H030 AA03 BB01 FF43

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 充電対象の電池の電圧を計測する電圧計
   測手段が備えられて、前記電池の充電状態を監視する充
   電監視装置であって、 前記電圧計測手段にて計測した電圧の時間に対する変
   化、又は、前記電圧計測手段にて計測した電圧の充電電
   気量に対する変化が設定変化量より大となり、且つ、前
   記電圧計測手段にて計測した電圧が設定電圧よりも大と
   なったときに、前記電池に対する充電状態が異常である
   と検出する充電異常監視手段が設けられている充電監視
   装置。