JP2003317291A - 浮上型光学ヘッドおよびそれを用いた光ディスク装置 - Google Patents
浮上型光学ヘッドおよびそれを用いた光ディスク装置Info
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Abstract
埃の付着、および浮上型光学ヘッドと光ディスクとの接
触が起こった場合のヘッドの損傷を防止し、かつ、長期
安定性に優れた浮上型光学ヘッドを提供する。 【解決手段】 浮上型光学ヘッド2は、対物レンズ1
3,14を含むスライダ11をサスペンション12にて
支持したものであり、上記スライダ11の光ディスク1
0と対向する面側に、導電性フィラー混合樹脂からなる
帯電防止膜16が形成されている。
Description
ビームを照射し、該光ビームを用いて、光ディスク上の
情報の再生、あるいは光ディスク上への情報の記録また
は消去を行う光ディスク装置に設けられる浮上型光学ヘ
ッドに関するものである。
とができる光ディスクの開発が進められ、民生用やデー
タ保存用として広く使用されてきている。光ディスクに
おいては、その大容量化への要望が大きく、鋭意実用化
が目指されている。
照射される光ビームのスポット径を小さくすることが考
えられる。光ビームのスポット径は、波長をλ、対物レ
ンズの開口数をNAとすると、λ/NAに比例する。し
たがって、光ビームの短波長化や対物レンズの高NA化
を図ることによって、光ビームの小径化を図ることがで
きる。
ームは、光ディスクの基板側から入射されることが一般
的であったが、対物レンズの開口数NAが大きくする
と、光ディスクに対して光ビームを照射する時の焦点深
度が浅くなることや、ディスクのチルトの点から、基板
側から光入射を行うのではなく、膜面側から光を入射さ
せることが検討されている。
射させる構成では、スライダ上に対物レンズを搭載した
浮上型光学ヘッドを用いることが検討されている。浮上
型光学ヘッドの構造例を図6に示す。
スライダ101をサスペンション102にて支持したも
のであり、スライダ101に対物レンズ103,104
を搭載してなる。また、記録もしくは再生磁界を発生さ
せるための磁気コイル105をスライダ101に備えて
もよい。
を照射される光ディスク110は、基板111上に記録
膜112が形成されており、該浮上型光学ヘッドは光デ
ィスク110の記録膜112側から(すなわち、膜面側
から)光ビームPを照射する。
0を回転させることによって、スライダ101と光ディ
スク110との間の気流によってスライダ101に浮上
力が生じる。そして、上記浮上型光学ヘッドは、サスペ
ンション102による弾性力と上記浮上力とがつりあっ
た位置で光ディスク110と対向する。このため、例え
ば光ディスク110の線速を一定に制御することで、ス
ライダ101と光ディスク110との対向面間の距離を
一定に保つことができ、光ディスク110上に光ビーム
Pを集光させることができる。あるいは、フォーカス機
能によってスライダ101と光ディスク110との対向
面間の距離を一定に保ち、光ディスク110上に光ビー
ムPを集光させることも可能である。
ようなスライダ101上に2つの対物レンズ103,1
04が設置される構成以外に、図7に示すように、スラ
イダ101’上に備えられた1つの対物レンズ103’
とスライダ101’外に配置された対物レンズ106と
を組み合わせた構成も提案されている。図7の構成で
は、対物レンズ106はアクチュエータ107によって
光ディスク110の記録面に対して法線方向に移動可能
であり、該アクチュエータ107によって対物レンズ1
06を移動させることにより、フォーカス機能を持たせ
ることができる。
では、光ビームPの焦点深度が浅く、作動距離も短くな
るためスライダと光ディスクとの対向面間隔が非常に狭
くなり、広くても数μm(例えば3μm)程度であり、
1μm以下に設計されることもある。
ング時や何らかの外因により、浮上型光学ヘッドと光デ
ィスクとの接触が起こることがある。また、光ディスク
の回転等によって発生する静電気により対物レンズが帯
電し該対物レンズに塵埃が付着すると、対物レンズの透
過率の低下が生じると共に、対物レンズに付着した塵埃
が原因で浮上型光学ヘッドと光ディスクとの接触が起こ
る可能性も高くなる。
との接触した場合に、該浮上型光学ヘッドがクラッシュ
により損傷することを防止する目的で、ダイヤモンドラ
イクカーボン(DLC)等の潤滑層を光ディスク表面も
しくは浮上型光学ヘッドの浮上面に設ける方法や、浮上
型光学ヘッドへの塵埃の付着を防止する目的で、酸化イ
ンジウムスズ膜(ITO膜)や金属膜等の導電性薄膜を
浮上型光学ヘッド浮上面に設ける方法等が提案されてい
る。
型光学ヘッド浮上面に対して導電性薄膜を設ける構成に
ついては、例えば、特開2001―251340号公報
に記載されている。また、導電性薄膜および潤滑層を設
ける構成については、例えば、特開2000―2513
40号公報に記載されている。また、特開2000―2
92605号公報には反射防止膜および導電性薄膜を設
けた構成について記載されている。
表面もしくは浮上型光学ヘッド浮上面に潤滑層を設けた
構成では、浮上型光学ヘッドと光ディスクとの間隔が狭
いためレンズ集光部付近が高温になり、潤滑層が蒸発し
てヘッド表面に凝縮し、塵埃が付着しやすくなる問題が
ある。
膜を設けた構成で、浮上型光学ヘッドと光ディスクとの
接触が起こったとき、該導電性薄膜の強度が弱いため、
膜の亀裂や剥がれが発生しやすく、光ディスクに照射さ
れる光ビームの光束に悪影響を及ぼすといった問題があ
る。
長期安定性が悪く、上記浮上型光学ヘッドを長期間使用
した場合には、膜の効果が初期状態に比べ大幅に低下す
るという問題がある。
されたもので、その目的は、浮上型光学ヘッドの光ディ
スク側の面への塵埃の付着、および浮上型光学ヘッドと
光ディスクとの接触が起こった場合のヘッドの損傷を防
止し、かつ、長期安定性に優れた浮上型光学ヘッドを提
供することにある。
ドは、上記の課題を解決するために、光ディスクに対し
て浮上可能に支持され、少なくとも1つの対物レンズを
備えたスライダを有する浮上型光学ヘッドにおいて、上
記スライダの光ディスクと対向する面側に、導電性フィ
ラー混合樹脂からなる帯電防止膜が設けられていること
を特徴としている。
おいて、スライダの光ディスクと対向する面側に帯電防
止膜が設けられることによって、光ディスクの回転等に
よって発生する静電気により対物レンズが帯電し該対物
レンズに塵埃が付着することを防止できる。すなわち、
対物レンズに付着した塵埃が原因となる浮上型光学ヘッ
ドと光ディスクとの接触を防止できる。
得るための導電性フィラーを樹脂に混合し、導電性フィ
ラー混合樹脂として形成されているため、スライダ面上
での定着性がよく、長期の使用によっても剥がれが生じ
にくく、安定した効果が得られる。
防止膜が、導電性フィラーとしてリンをドーピングさせ
た酸化スズを用いた導電性フィラー混合樹脂によって形
成されていることが好ましい。
れる導電性フィラーを、リンをドーピングさせた酸化ス
ズとすることで、帯電防止膜における帯電防止効果を最
も高くすることができ、スライダの面上に塵埃が付着す
ることによって対物レンズにおける光透過量が低下する
ことを回避できる。
防止膜の膜厚が1μm以上6μm以下であることが好ま
しい。
1μm以上6μm以下とすることで、帯電防止膜におけ
る十分な帯電防止効果を得ることができると共に、該帯
電防止膜を設けることによる光透過量の低下を抑制する
ことができる。
イダの光ディスクと対面する面と上記帯電防止膜との間
に、反射防止層が設けられている構成とすることができ
る。
けることによって、該反射防止層が無い場合に比べて、
スライダにおける光ディスクと対面する面と帯電防止膜
との境界における光ビームの反射を抑制し、帯電防止膜
を設けることによる光透過量の低下をさらに抑制するこ
とができる。
の浮上型光学ヘッドを用いた構成によって、上記浮上型
光学ヘッドと同様の効果が得ることができる。
に照射する光ビームを発射する光源からスライダまでの
光路上に、収差補償手段を設けた構成とすることができ
る。
スライダに帯電防止膜を形成した構成において、帯電防
止膜の膜厚変動により生じる収差を上記収差補償手段に
よって補償でき、これによって光ビームの光量の低下を
抑制できる。
一形態について図1ないし図2に基づいて説明すれば、
以下の通りである。本実施の形態1に係る浮上型光学ヘ
ッドと、該浮上型光学ヘッドを用いた光ディスク装置の
概略構成を図1に示す。
学ヘッド2、ビームスプリッタ3,4、偏光ビームスプ
リッタ5、ミラー6、および光検出器7〜9を備えてお
り、光ディスク10の記録膜に光ビームを照射し、その
反射光より光ディスク10の記録膜上の情報を再生す
る。
スペンション12にて支持したものであり、スライダ1
1に対物レンズ13,14、および記録もしくは再生磁
界を発生させるための磁気コイル15が搭載されてい
る。また、上記スライダ11の光ディスク10と対向す
る面側には、導電性フィラー混合樹脂からなる帯電防止
膜16が形成されている。
るための導電性フィラーを樹脂に混合し、導電性フィラ
ー混合樹脂として形成されているため、帯電防止膜を金
属薄膜にて形成する場合に比べ、スライダ11面上での
定着性がよい。このため、長期の使用によっても剥がれ
が生じにくく、安定した効果が得られる。
例は以下の通りである。導電性フィラーの含有量は、帯
電防止膜全体の25〜45wt%とする。導電性フィラ
ーのサイズは、平均粒系を0.15μmとする。使用す
る樹脂材料としては、アクリルウレタン系UV硬化樹脂
やアクリル系UV硬化樹脂等の合成樹脂が挙げられる。
を照射される光ディスク10は、基板21上に記録層2
2が形成されている(実際には、記録層22以外の層も
形成されているが他の層については後述する)。そし
て、上記浮上型光学ヘッドは光ディスク10の記録層2
2側から(すなわち、膜面側から)光ビームPを照射す
るようになっている。
ョン12に取り付けられており、光ディスク10の回転
線速を一定にして浮上量を一定に保つことにより、記録
層22へのフォーカシングを行う。
出射された光ビームPは、ビームスプリッタ3を通り、
ミラー6で反射され、スライダ11に搭載された対物レ
ンズ13,14を介して、膜面側から光ディスク10に
照射される。本実施の形態では、光源1には青紫色半導
体レーザが用いられており、該レーザの波長λは400
〜410nmである。また、対物レンズ13,14は、
例えばレンズ間隔一定の2枚のレンズから構成され、そ
の開口数NAは0.8〜0.9である。
で反射され、ビームスプリッタ3,4を通過した後、さ
らに偏光ビームスプリッタ5により2分割される。偏光
ビームスプリッタ5により2分割された戻り光は、各光
検出器7,8にそれぞれ入射される。各光検出器7,8
に入射された光は電気信号に変換され、これらの差動信
号から光磁気再生信号が生成される。また、ビームスプ
リッタ4で分離されたもう一方の光は、光検出器9に入
射されサーボ信号が生成される。
ク10としての光磁気ディスクの概略断面を図2に示
す。上記光ディスク10は、図2に示すように、基板2
1上に、放熱層23、透明誘電体層24、記録層22、
透明誘電体層25、再生層26、透明誘電体層27、保
護コート層28が、この順にて積層された構成になって
いる。
方式としてキュリー温度記録方式が用いられる。この方
式では、記録層22に記録された信号は、再生層26を
介して、極カー効果として知られている光磁気効果によ
って再生されるようになっている。極カー効果とは、磁
性層における入射表面方向に対して垂直な磁化の反平行
な各向きにより、上記磁性層からの反射光の偏光面にお
ける回転の向きが逆方向になる現象である。
チック樹脂材からなり、ディスク状に形成されている。
また、図2には示していないが、基板21上にはトラッ
キング用の案内溝(トラック)やアドレス情報等がプリ
フォーマットされている。
スク10において発生した熱を効率良く逃がすための層
であり、AlもしくはAlを含む合金膜等からなる。
る垂直磁化膜からなり、室温で保磁力の大きなTbFe
Co、DyFeCoまたは、TbDyFeCo等で構成
されている。
移金属合金、希土類金属、または、遷移金属を主成分と
する磁性膜であり、その磁気特性が、再生温度近傍にお
いて保磁力が小さくなるように組成調整されている。
は熱硬化樹脂をスピンコートにより光ディスク10表面
に塗布されて、紫外線を照射するか、または、加熱する
かによって形成される。保護コート層28上には、必要
に応じて潤滑層や帯電防止層が形成されていてもよい。
N、SiN、AlSiN等の酸素を含まない材料で構成
されている。
り、光ビームPが光ディスク10の再生層26に集光照
射されると、再生層26では光ビーム2の強度分布に対
応したガウシアン分布状の温度分布が形成される。再生
層26は加熱されることによって所定温度以上に昇温さ
れた領域で保磁力が低下し、記録層22の磁区が漏洩磁
界により転写される。この際、例えば再生磁界を印加さ
せることにより、記録層22の磁区を再生層26に拡大
転写されることにより磁区拡大再生を実現する。
を行った結果を示す。
がSiN、再生層26がGdFeCo、記録層22がT
bFeCo、放熱層23がAlで形成された光磁気ディ
スクを用いた。保護コート層28は、膜厚5μmの紫外
線硬化樹脂で、表面にダイヤモンドライクカーボン(D
LC)からなる潤滑層を形成した。
の浮上安定性を調べるため、浮上型光学ヘッド2から光
ディスク10に向けて再生光を連続照射した場合の、光
磁気再生信号(MO信号)と反射光量との時間変化を測
定した。反射光量は、図1における光検出器7,8にそ
れぞれ入射される光を電気信号に変換し、これらの和信
号から生成した。
なわち、光ディスク10との対向面)に種々の膜を形成
した場合のスライダ11の浮上安定性を調べた。ここで
は、本発明の実施例として、導電性フィラーに酸化ス
ズ,アンチモンをドーピングした酸化スズ,またはリン
をドーピングした酸化スズを用いた導電性フィラー混合
樹脂からなる帯電防止膜16を設けたサンプルについて
光磁気再生信号(MO信号)と反射光量との時間変化を
測定した。また、比較のため、帯電防止膜16を設けな
いサンプル、帯電防止膜の代わりに潤滑層を設けたサン
プル、および帯電防止膜16としてITO膜,界面活性
剤混合樹脂系帯電防止膜を形成したサンプルについて
も、それぞれ同様の測定を行った。表1に、上記測定に
用いたサンプルを示す。
生パワーが1.5mW、光ディスク10の線速度が3m
/s前後で各サンプルで反射光量が最大となる値に線速
度を設定した。光磁気再生信号については、一定時間毎
に、マーク長さ0.2μmの単一パターンを記録し、再
生信号振幅を測定した。表2に、光磁気再生信号および
反射光量の時間変化の測定結果を示す。
ない比較例1および潤滑層を設けた比較例2では、測定
開始から1時間後から光磁気再生信号と反射光量とが大
きく低下していることが分かる。また、比較例3,4の
サンプルでは、帯電防止効果においては急速な低下はな
いが、帯電防止効果は徐々に低下し、光磁気再生信号お
よび反射光量も時間とともに低下している。それに対し
て、帯電防止膜16が導電性フィラー混合樹脂からなる
実施例1から3のサンプルでは、測定開始から720時
間後でも光磁気再生信号および反射光量の変化はほとん
ど見られなかった。
号量と長期安定性において、酸化スズにリンをドーピン
グした導電性フィラーを用いた実施例3が最も特性が良
かった。これはすなわち、導電性フィラーとしてリンを
ドーピングした酸化スズを用いた場合が、その帯電防止
効果が最も高く、スライダ11の面上に塵埃が付着する
ことによって対物レンズの光透過量が低下し、光磁気再
生信号および反射光量が低下することを回避できるため
である。尚、酸化スズにリンをドーピングした導電性フ
ィラーを用いる場合、リンのドーピング量は導電性フィ
ラー全体の3〜7wt%程度とする。
に酸化スズにリンをドーピングした導電性フィラーを用
いたサンプルで、帯電防止膜16の膜厚を0,0.5,
1,2,4,6,8μmに設定した7種類のサンプルに
ついて同様の測定を行った。表3に測定結果を示す。
厚が0.5μm以下のサンプルでは、帯電防止効果の長
期安定性が悪くなり、光磁気再生信号および反射光量の
低下が見られる。すなわち、帯電防止膜16の膜厚が薄
すぎる場合、時間の経過によって比較的速く帯電防止効
果が低下し、スライダ表面に塵埃が付着することによっ
て光磁気再生信号および反射光量が低下する。また、帯
電防止膜16の膜厚が1μm以上のサンプルでは、光磁
気再生信号および反射光量の低下が抑制されているが、
膜厚が8μmのサンプルでは、初期の光磁気再生信号と
反射光量とが帯電防止膜16の無い場合(すなわち、表
2の比較例1)に比べ、20%以上低下している。
量の低下を防止すると共に、光ビームの利用効率の低下
を抑制するといった観点からみると、帯電防止膜16の
膜厚は1μm以上6μm以下の範囲が望ましい。すなわ
ち、帯電防止膜16の膜厚の下限を1μm以上とするこ
とで帯電防止膜16における十分な帯電防止効果を得る
ことができ、かつ、帯電防止膜16の膜厚の上限を6μ
m以下とすることで帯電防止膜16を設けることによる
光透過量の低下を抑制することができる。さらに帯電防
止膜16の膜厚の上限については、2μm以下であれば
光透過量の低下をさらに抑制することができ、より好適
である。
止膜16に酸化スズを導電性フィラーとして用いたサン
プル、および帯電防止膜16に酸化スズにアンチモンを
ドーピングした導電性フィラーを用いたサンプルについ
ても、帯電防止膜16の膜厚を0,0.5,1,2,
4,6,8μmに設定したそれぞれ7種類のサンプルに
ついて同様の測定を行った。この測定結果において、実
施例1および2のサンプルについても、同様の膜厚範囲
で、すなわち帯電防止膜16の膜厚は1μm以上6μm
以下の範囲で良好な特性が得られた。
装置について図1とは異なる構成の変形例を図3に示
す。
1の光ディスク装置における浮上型光学ヘッド2に代え
て浮上型光学ヘッド30が用いられており、光源1、ビ
ームスプリッタ3,4、偏光ビームスプリッタ5、ミラ
ー6、および光検出器7〜9は、実施の形態1と同様の
構成および動作を有するものである。また、光ディスク
10の構成も図1の光ディスク装置と同様のものである
とする。
サスペンション12にて支持したものであり、スライダ
31に対物レンズ14および磁気コイル15が搭載され
ている。また、上記スライダ31の光ディスク10と対
向する面側には、導電性フィラー混合樹脂からなる帯電
防止膜16が形成されている。ここで、上記サスペンシ
ョン12、対物レンズ14、磁気コイル15、および帯
電防止膜16は、実施の形態1と同様の構成および動作
を有するものである。
上型光学ヘッド2とは異なり,スライダ31において対
物レンズ13が搭載されておらず、代わりにビームスプ
リッタ3とスライダ31との間に対物レンズ32が設置
されている。光源1から照射される光ビームPは、対物
レンズ32および14を介して、膜面側から光ディスク
10に照射される。
に取り付けられており、該アクチュエータ33によって
対物レンズ32を光軸方向に移動させることにより、フ
ォーカシングが行われる。
1の浮上安定性を調べるため、浮上型光学ヘッド30か
ら光ディスク10に向けて再生光を連続照射した場合
の、光磁気再生信号(MO信号)と反射光量との時間変
化を測定した。反射光量は、図1における光検出器7,
8にそれぞれ入射される光を電気信号に変換し、これら
の和信号から生成した。
なわち、光ディスク10との対向面)に種々の膜を形成
した場合のスライダ11の浮上安定性を調べた。ここで
は、本発明の実施例として、導電性フィラーに酸化ス
ズ,アンチモンをドーピングした酸化スズ,またはリン
をドーピングした酸化スズを用いた導電性フィラー混合
樹脂からなる帯電防止膜16を設けたサンプルについて
光磁気再生信号(MO信号)と反射光量との時間変化を
測定した。また、比較のため、帯電防止膜16を設けな
いサンプルについても同様の測定を行った。表4に、上
記測定に用いたサンプルを示す。
生パワーが1.5mW、光ディスク10の線速度が3m
/sとした。表5に、光磁気再生信号および反射光量の
時間変化の測定結果を示す。
ない比較例5では、測定開始から1時間後から光磁気再
生信号と反射光量とが大きく低下していることが分か
る。それに対して、帯電防止膜16が導電性フィラー混
合樹脂からなる実施例4から6のサンプルでは、測定開
始から720時間後でも光磁気再生信号および反射光量
の変化はほとんど見られなかった。
て、実施の形態1と同様に、帯電防止膜16の膜厚が1
μm以上6μm以下の範囲で良好な特性を得ることが確
認できた。
態について説明すれば、以下の通りである。本実施の形
態2に係る浮上型光学ヘッドと、該浮上型光学ヘッドを
用いた光ディスク装置の概略構成を図4に示す。
1の光ディスク装置における浮上型光学ヘッド2に代え
て浮上型光学ヘッド40が用いられており、光源1、ビ
ームスプリッタ3,4、偏光ビームスプリッタ5、ミラ
ー6、および光検出器7〜9は、実施の形態1と同様の
構成および動作を有するものである。また、光ディスク
10の構成も実施の形態1と同様のものであるとする。
サスペンション12にて支持したものであり、スライダ
41に対物レンズ13,14、および磁気コイル15が
搭載されている。また、上記スライダ41の光ディスク
10と対向する面側には、反射防止膜42と導電性フィ
ラー混合樹脂からなる帯電防止膜16とが形成されてい
る。ここで、上記サスペンション12、対物レンズ1
3,14、磁気コイル15、および帯電防止膜16は、
実施の形態1と同様の構成および動作を有するものであ
る。
てその内面側(光ディスク10との対向面でない側)に
形成されており、単層膜でも、屈折率と厚みの異なる膜
を組み合わせた多層膜でもよい。以下の実験には多層膜
を用い、光ビームPの波長λが405nmの時に反射率
が1%以下になるよう設計した。
2,TiO2,ZnO2,SnO2,AlO2,ITO等の
透明薄膜の単層もしくは多層膜が好適に使用される。ま
た,その膜厚は、単層の場合は、膜厚=波長/(4×屈
折率)となるように設定されればよいが、多層の場合は
膜構成により最適膜厚が異なる。
1の浮上安定性を調べるため、浮上型光学ヘッド40か
ら光ディスク10に向けて再生光を連続照射した場合
の、光磁気再生信号(MO信号)と反射光量との時間変
化を測定した。ここでは、本発明の実施例として、反射
防止膜42と、導電性フィラーにリンをドーピングした
酸化スズを用いた導電性フィラー混合樹脂からなる帯電
防止膜16を設けたサンプルについて光磁気再生信号
(MO信号)と反射光量との時間変化を測定した。ここ
で、上記反射防止膜42は、SiO2とTiO2とを交互
に5層積層した構成とする。
生パワーが1.5mW、光ディスク10の線速度が3m
/sとした。表6に、光磁気再生信号および反射光量の
時間変化の測定結果を示す。
射防止膜42を設けた実施例7のサンプルでは、720
時間後でも光磁気再生信号と反射光量の変化はほとんど
なく、かつ、初期の光磁気再生信号および反射光量が、
反射防止膜29を設けていない実施例3に比べ、約10
%向上している。
学ヘッド40では、スライダ41に帯電防止膜16を形
成したことによる光ビームの光量の低下を、さらに反射
防止膜42を備えたことで抑制できる。
態について説明すれば、以下の通りである。本実施の形
態3に係る浮上型光学ヘッドと、該浮上型光学ヘッドを
用いた光ディスク装置の概略構成を図5に示す。
源1、浮上型光学ヘッド40、ビームスプリッタ3,
4、偏光ビームスプリッタ5、ミラー6、および光検出
器7〜9において、実施の形態2で示した図4の光ディ
スク装置と同様の構成および動作を有するものである。
また、光ディスク10の構成も実施の形態1および2と
同様のものであるとする。
光ディスク装置と異なる点は、ビームスプリッタ3とミ
ラー6との間に、収差補償手段としてのビームエキスパ
ンダ50が設けられていることである。ビームエキスパ
ンダ50は、光軸方向に2つのレンズを配置してなり、
一方のレンズを光軸方向に移動することで光ビームPの
広がり角度を制御し、収差補償を行うことができるよう
になっている。
厚を考慮して設計が行われ、帯電防止膜16の膜厚が設
計値からずれると、焦点距離がずれるため波面収差が発
生する。また、光量の低下の原因としては、スライダ4
1表面に付着した塵埃による光の透過率低下以外に、付
着した塵埃の影響により浮上特性(浮上量)・集光特性
(焦点距離)が変化することによる収差発生が考えられ
る。後者の場合、収差を補償することにより光量の低下
の抑制が可能となる。
た結果を以下に示す。尚、実験には、実施の形態1と同
じ光磁気ディスクを用い、スライダ41の表面に設けた
帯電防止膜16としては酸化スズにリンをドープした導
電性フィラー混合樹脂を用いた。表7に、光磁気再生信
号および反射光量の時間変化の測定結果を示す。測定条
件は、膜面での再生パワーが1.5mW、ディスクの線
速度が3m/sとした。
設けた実施例7のサンプルでは、720時間後でも光磁
気再生信号および反射光量の変化はほとんどなく、か
つ、初期の光磁気再生信号および反射光量が、反射防止
膜29を設けていない実施例3に比べ、約10%向上し
ている。
例8のサンプルでは、測定開始から720時間後でも光
磁気再生信号および反射光量の変化はほとんどなく、か
つ、初期の光磁気再生信号および反射光量が、実施の形
態2の場合(実施例7)に比べてさらに向上した。
ク装置では、浮上型光学ヘッド40のスライダ41に帯
電防止膜16を形成した構成において、帯電防止膜16
の膜厚変動により生じる収差を収差補償手段であるビー
ムエキスパンダ50によって補償でき、これによって光
ビームの光量の低下を抑制できる。
ビームエキスパンダ50を用いて行ったが、これに限定
されるものではなく、他の方式でも構わない。また、ビ
ームエキスパンダ50の配置箇所は、光源1からスライ
ダ41までの光路上の何れの位置であってもよい。
ィスク装置が再生する光ディスク10として磁区拡大再
生方式の光磁気ディスクの場合について説明した。しか
しながら、本発明はこれに限定されるものではなく、相
変化ディスク等の他の書換型光ディスク、追記型光ディ
スク、あるいは再生専用型光ディスク等の、他の光ディ
スクにおいても同様の効果が得られ、本発明は適用可能
である。
うに、光ディスクに対して浮上可能に支持され、少なく
とも1つの対物レンズを備えたスライダを有する浮上型
光学ヘッドにおいて、上記スライダの光ディスクと対向
する面側に、導電性フィラー混合樹脂からなる帯電防止
膜が設けられている構成である。
生する静電気により対物レンズが帯電し該対物レンズに
塵埃が付着することを防止し、対物レンズに付着した塵
埃が原因となる浮上型光学ヘッドと光ディスクとの接触
を防止できる。また、上記帯電防止膜は、帯電防止効果
を得るための導電性フィラーを樹脂に混合し、導電性フ
ィラー混合樹脂として形成されているため、スライダ面
上での定着性がよく、長期の使用によっても剥がれが生
じにくく、安定した帯電防止効果が得られるといった効
果を奏する。
防止膜が、導電性フィラーとしてリンをドーピングさせ
た酸化スズを用いた導電性フィラー混合樹脂によって形
成されていることが好ましい。
果を最も高くすることができ、スライダの面上に塵埃が
付着することによって対物レンズにおける光透過量が低
下することを回避できるといった効果を奏する。
防止膜の膜厚が1μm以上6μm以下であることが好ま
しい。
防止効果を得ることができると共に、該帯電防止膜を設
けることによる光透過量の低下を抑制することができる
といった効果を奏する。
イダの光ディスクと対面する面と上記帯電防止膜との間
に、反射防止層が設けられている構成とすることができ
る。
対面する面と帯電防止膜との境界における光ビームの反
射を抑制し、帯電防止膜を設けることによる光透過量の
低下をさらに抑制することができるといった効果を奏す
る。
の浮上型光学ヘッドを用いた構成によって、上記浮上型
光学ヘッドと同様の効果が得ることができる。
に照射する光ビームを発射する光源からスライダまでの
光路上に、収差補償手段を設けた構成とすることができ
る。
じる収差を上記収差補償手段によって補償でき、これに
よって光ビームの光量の低下を抑制できるといった効果
を奏する。
形態1に係る浮上型光学ヘッドを用いた光ディスク装置
の概略構成を示す図である。
スクの構成例を示す断面図である。
異なる変形例を示すものであり、光ディスク装置の概略
構成を示す図である。
の形態2に係る浮上型光学ヘッドを用いた光ディスク装
置の概略構成を示す図である。
り、実施の形態3に係る光ディスク装置の概略構成を示
す図である。
る。
である。
段)
Claims (6)
- 【請求項1】光ディスクに対して浮上可能に支持され、
少なくとも1つの対物レンズを備えたスライダを有する
浮上型光学ヘッドにおいて、 上記スライダの光ディスクと対向する面側に、導電性フ
ィラー混合樹脂からなる帯電防止膜が設けられているこ
とを特徴とする浮上型光学ヘッド。 - 【請求項2】上記帯電防止膜が、導電性フィラーとして
リンをドーピングさせた酸化スズを用いた導電性フィラ
ー混合樹脂によって形成されていることを特徴とする請
求項1に記載の浮上型光学ヘッド。 - 【請求項3】上記帯電防止膜の膜厚が1μm以上6μm
以下であることを特徴とする請求項1に記載の浮上型光
学ヘッド。 - 【請求項4】上記スライダの光ディスクと対面する面と
上記帯電防止膜との間に、反射防止層が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の浮上型光学ヘッド。 - 【請求項5】請求項1ないし4の何れかに記載の浮上型
光学ヘッドを用いたことを特徴とする光ディスク装置。 - 【請求項6】光ディスクに照射する光ビームを発射する
光源からスライダまでの光路上に、収差補償手段を設け
たことを特徴とする請求項5に記載の光ディスク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002125035A JP2003317291A (ja) | 2002-04-25 | 2002-04-25 | 浮上型光学ヘッドおよびそれを用いた光ディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002125035A JP2003317291A (ja) | 2002-04-25 | 2002-04-25 | 浮上型光学ヘッドおよびそれを用いた光ディスク装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003317291A true JP2003317291A (ja) | 2003-11-07 |
Family
ID=29539872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002125035A Pending JP2003317291A (ja) | 2002-04-25 | 2002-04-25 | 浮上型光学ヘッドおよびそれを用いた光ディスク装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003317291A (ja) |
-
2002
- 2002-04-25 JP JP2002125035A patent/JP2003317291A/ja active Pending
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